JPH0612235B2 - 自動車用熱交換器,自動車用熱交換器のフィン材料,自動車用熱交換器の製造方法および自動車用熱交換器のフィン材料の製造方法 - Google Patents
自動車用熱交換器,自動車用熱交換器のフィン材料,自動車用熱交換器の製造方法および自動車用熱交換器のフィン材料の製造方法Info
- Publication number
- JPH0612235B2 JPH0612235B2 JP62254487A JP25448787A JPH0612235B2 JP H0612235 B2 JPH0612235 B2 JP H0612235B2 JP 62254487 A JP62254487 A JP 62254487A JP 25448787 A JP25448787 A JP 25448787A JP H0612235 B2 JPH0612235 B2 JP H0612235B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fin
- heat exchanger
- base material
- heat exchange
- tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はCu又はCu合金製チューブおよび銅製フィン
よりなるコアを用いた自動車用熱交換器およびこの自動
車用熱交換器に用いられるフィン材料に関するもので、
特に、フインの耐食性を改善し、長期にわたる熱交換機
能を保持できるようにしたものである。
よりなるコアを用いた自動車用熱交換器およびこの自動
車用熱交換器に用いられるフィン材料に関するもので、
特に、フインの耐食性を改善し、長期にわたる熱交換機
能を保持できるようにしたものである。
自動車用熱交換器としては、エンジン冷却水放熱用のラ
ジエータや、自動車室内空調用のヒータ等が用いられて
いる。そして、いずれも熱交換流体が流通する複数個の
チューブとこのチューブの間に装着されたフィンとより
なる熱交換コアを用いている。そしてこのコアの両端に
は、座板を介してタンクが取付けられる。
ジエータや、自動車室内空調用のヒータ等が用いられて
いる。そして、いずれも熱交換流体が流通する複数個の
チューブとこのチューブの間に装着されたフィンとより
なる熱交換コアを用いている。そしてこのコアの両端に
は、座板を介してタンクが取付けられる。
例えば自動車用ラジエータでは、第1図に示すように熱
交換流体が流通する黄銅製のチューブ(1)が並列に複数
個配置される。そしてこのチューブ(1)の間にフィン(2)
が装着され、このフィン(2)がチューブ(1)と熱的結合し
てコア(3)を構成する。このコア(3)のチューブ(1)の両
端には、座板(4a,4b)が連結され、この座板(4a,4b)に入
口タンク(5a)および出口タンク(5b)が取付けられる。入
口タンク(5a)には熱交換流体を注入させる注入口(9)が
形成されており、また入口タンクの側面にはエンジンよ
り熱交換流体であるエンジン冷却水が流入する流入口
(6)が形成される。一方出口タンク(5b)には熱交換流体
の排出を行うための排出口(8)が形成され、かつコア(3)
にて熱交換された熱交換流体をエンジン側に戻すための
流出口(7)が形成される。
交換流体が流通する黄銅製のチューブ(1)が並列に複数
個配置される。そしてこのチューブ(1)の間にフィン(2)
が装着され、このフィン(2)がチューブ(1)と熱的結合し
てコア(3)を構成する。このコア(3)のチューブ(1)の両
端には、座板(4a,4b)が連結され、この座板(4a,4b)に入
口タンク(5a)および出口タンク(5b)が取付けられる。入
口タンク(5a)には熱交換流体を注入させる注入口(9)が
形成されており、また入口タンクの側面にはエンジンよ
り熱交換流体であるエンジン冷却水が流入する流入口
(6)が形成される。一方出口タンク(5b)には熱交換流体
の排出を行うための排出口(8)が形成され、かつコア(3)
にて熱交換された熱交換流体をエンジン側に戻すための
流出口(7)が形成される。
そして、このようなラジエータのコア(3)は通常銅又は
銅合金製チューブ(1)と銅製のフィン(2)とを相互に積層
し、最外方に配設されたフィン(2)のさらに外方にブラ
ケットが配設するようにする。またチューブ(1)の両端
には座板(4a,4b)を組み込み、この形状で炉内に搬入さ
れ、所定温度で加熱する。この加熱はコア焼きと称され
ており、チューブ外面に被覆された半田材料がこのコア
焼き時に溶融し、これによりチューブ(1)と座板(4a,4b)
の間およびチューブ(1)とフィン(2)との間の半田付けが
なされる。
銅合金製チューブ(1)と銅製のフィン(2)とを相互に積層
し、最外方に配設されたフィン(2)のさらに外方にブラ
ケットが配設するようにする。またチューブ(1)の両端
には座板(4a,4b)を組み込み、この形状で炉内に搬入さ
れ、所定温度で加熱する。この加熱はコア焼きと称され
ており、チューブ外面に被覆された半田材料がこのコア
焼き時に溶融し、これによりチューブ(1)と座板(4a,4b)
の間およびチューブ(1)とフィン(2)との間の半田付けが
なされる。
ここでフィン材料として厚さ0.025〜0.060mm
の銅または銅合金の条材が用いられる。またこのフィン
材料は、強度および耐熱性を向上させるため、伝熱性を
低下させない範囲でSn,Ag,Cd,P等を少量添加
している。
の銅または銅合金の条材が用いられる。またこのフィン
材料は、強度および耐熱性を向上させるため、伝熱性を
低下させない範囲でSn,Ag,Cd,P等を少量添加
している。
またこの銅製コアを用いたラジエータでは、防眩の目的
で黒色塗装を行なっている。この処理は、ラジエータの
表面部のみに限定され、その厚さも10ミクロン以下であ
る。すなわちこの塗装厚さを10ミクロン以上としたので
は、フィン部の放熱に有害となる。
で黒色塗装を行なっている。この処理は、ラジエータの
表面部のみに限定され、その厚さも10ミクロン以下であ
る。すなわちこの塗装厚さを10ミクロン以上としたので
は、フィン部の放熱に有害となる。
そして自動車用ラジエータではこのようにしてコア(3)
が形成されたのちに座板(4a,4b)にタンク(5a,5b)を取付
ける。このタンク(5a,5b)の取付けは半田付けもしくは
めプレート等によるめ結合によってなされる。
が形成されたのちに座板(4a,4b)にタンク(5a,5b)を取付
ける。このタンク(5a,5b)の取付けは半田付けもしくは
めプレート等によるめ結合によってなされる。
上述のようにして自動車用熱交換器が製造されるため、
フィン材料としては優れた熱伝導性のみならず、チュー
ブに組みつけられる時の加工性がよいこと、またチュー
ブとのろう付け時は半田付け性がよいことさらに、半田
付け後の機械的強度が十分にあること、すなわち半田付
け工程においても軟化しない組みつけ性を有することな
どが要求される。
フィン材料としては優れた熱伝導性のみならず、チュー
ブに組みつけられる時の加工性がよいこと、またチュー
ブとのろう付け時は半田付け性がよいことさらに、半田
付け後の機械的強度が十分にあること、すなわち半田付
け工程においても軟化しない組みつけ性を有することな
どが要求される。
しかも、近年道路融雪等の目的でNaClなどの塩化物
が多量に散布されるようになっており、これら塩化物に
よる車体の腐食が重大視されてきており、ラジエータや
空調器等の自動車用熱交換器においてもこの腐食に耐え
れることが要求される。すなわち塩化物によるフィン部
の消耗や放熱性の低下を抑制することも要求される。
が多量に散布されるようになっており、これら塩化物に
よる車体の腐食が重大視されてきており、ラジエータや
空調器等の自動車用熱交換器においてもこの腐食に耐え
れることが要求される。すなわち塩化物によるフィン部
の消耗や放熱性の低下を抑制することも要求される。
このために、フィン材料としてCu−i系などの耐食合
金を用いることも検討されたが、この場合には伝熱性が
低くなり、所定の性能を得るためには厚肉化が必要とな
り、上述したフィン材料にに要求される性能が満足でき
ないのみならず、コスト高と重量増加につながるという
問題も生じる。
金を用いることも検討されたが、この場合には伝熱性が
低くなり、所定の性能を得るためには厚肉化が必要とな
り、上述したフィン材料にに要求される性能が満足でき
ないのみならず、コスト高と重量増加につながるという
問題も生じる。
さらに従来と同様のフィン材料を用い、腐食代を見込ん
だ厚肉化や、防食のための塗装を行うことも検討された
が、このような場合には同様の結果を招き、実用化でき
ないものである。
だ厚肉化や、防食のための塗装を行うことも検討された
が、このような場合には同様の結果を招き、実用化でき
ないものである。
すなわち、省エネルギーの見地から熱交換器の軽量化が
望まれているが、上述した熱交換器用フィン材料に要求
される性能および塩害対策との関係で、この軽量化の要
請を満すことは技術的に極めて困難であった。
望まれているが、上述した熱交換器用フィン材料に要求
される性能および塩害対策との関係で、この軽量化の要
請を満すことは技術的に極めて困難であった。
本発明は上記の点に鑑み、自動車用熱交換器において、
フィン素材の耐食性を向上させ、かつフィン材料として
要求される熱交換性能を満足しつつ軽量化および経済性
の要請も満足できるようにすることを目的とする。また
本発明はこの自動車用熱交換器として所望される要件を
満足するフィン材料を製造する方法を提供することを目
的とする。
フィン素材の耐食性を向上させ、かつフィン材料として
要求される熱交換性能を満足しつつ軽量化および経済性
の要請も満足できるようにすることを目的とする。また
本発明はこの自動車用熱交換器として所望される要件を
満足するフィン材料を製造する方法を提供することを目
的とする。
本発明は上記目的を達成するため、自動車用熱交換器と
して以下の特殊組成よりなるフィンを採用する。すなわ
ちフィンは銅もしくは銅合金製の条材からなるフィン母
材を用い、このフィン母材の少なくともいずれか一面に
亜鉛もしくは亜鉛合金製の被覆層を被覆成形し、この被
覆層を構成する素材と前記フィン母材を構成する素材と
を拡散させて前記フィン母材のうち前記被覆層の形成さ
れた面側に該被覆層に代えて拡散層を形成するものとす
る。
して以下の特殊組成よりなるフィンを採用する。すなわ
ちフィンは銅もしくは銅合金製の条材からなるフィン母
材を用い、このフィン母材の少なくともいずれか一面に
亜鉛もしくは亜鉛合金製の被覆層を被覆成形し、この被
覆層を構成する素材と前記フィン母材を構成する素材と
を拡散させて前記フィン母材のうち前記被覆層の形成さ
れた面側に該被覆層に代えて拡散層を形成するものとす
る。
すなわち、本発明熱交換器は自動車用のラジエータや空
調ヒータ等として用いられる。そして本発明の熱交換器
は内部に熱交換流体が流れる複数のCu又はCu合金製
チューブと、このチューブの間に配設され、かつチュー
ブに熱的結合し熱交換流体の熱交換を促進するフィン、
および前記チューブの両端に配設されたタンクとを備え
る自動車用熱交換器に関するものである。
調ヒータ等として用いられる。そして本発明の熱交換器
は内部に熱交換流体が流れる複数のCu又はCu合金製
チューブと、このチューブの間に配設され、かつチュー
ブに熱的結合し熱交換流体の熱交換を促進するフィン、
および前記チューブの両端に配設されたタンクとを備え
る自動車用熱交換器に関するものである。
そしてこの熱交換器においフィン材料として第2図に示
すような銅もしくは銅合金製条材よりなるフィン母材(1
0)を用い、その少なくともいずれか一方の表面に亜鉛も
しくは亜鉛合金よりなる被覆層(11)を被覆形成する。
すような銅もしくは銅合金製条材よりなるフィン母材(1
0)を用い、その少なくともいずれか一方の表面に亜鉛も
しくは亜鉛合金よりなる被覆層(11)を被覆形成する。
この銅もしくは銅合金の条材からなるフィン母材はその
板厚が0.025〜0060mmとなっている。一方被覆
層(11)を構成する素材として、Znの他にZn−Sn,
Zn−Cd,Zn−Cu,Zn−Ni等の合金を用い
る。またこの被覆層(11)は0.05〜5ミクロン程度の厚さ
に被覆することが望ましい。さらに被覆層(11)の被覆と
しては電気メッキ、溶融メッキおよび蒸着等を用いるこ
とが望ましい。
板厚が0.025〜0060mmとなっている。一方被覆
層(11)を構成する素材として、Znの他にZn−Sn,
Zn−Cd,Zn−Cu,Zn−Ni等の合金を用い
る。またこの被覆層(11)は0.05〜5ミクロン程度の厚さ
に被覆することが望ましい。さらに被覆層(11)の被覆と
しては電気メッキ、溶融メッキおよび蒸着等を用いるこ
とが望ましい。
そしてこのようにしてフィン母材の表面に被覆層(11)を
被覆形成したのち、被覆層(11)を構成する素材とフィン
母材(10)を構成する素材とを拡散させて、第3図に示す
ようにフィン母材(10)の最表面に拡散層(12)を形成す
る。この拡散層(12)の形成はフィン母材(10)および被覆
層(11)を加熱することにより行う。この加熱としては、
フィン材料のみで被覆層形成直後に加熱してもよいし、
フィンをチューブの間に介在させてコア(3)を形成した
後にコア(3)を一体的に加熱してもよい。さらに前述の
コア焼きが終了した後で、そのコアの座板やタンクの取
付け等における半田付けがなされるが、その半田付け時
の加熱によっても拡散層(12)の形成が促進される。さら
には、塗装焼付等において加熱を受けた場合においても
拡散層(12)の形成が促進されることになる。
被覆形成したのち、被覆層(11)を構成する素材とフィン
母材(10)を構成する素材とを拡散させて、第3図に示す
ようにフィン母材(10)の最表面に拡散層(12)を形成す
る。この拡散層(12)の形成はフィン母材(10)および被覆
層(11)を加熱することにより行う。この加熱としては、
フィン材料のみで被覆層形成直後に加熱してもよいし、
フィンをチューブの間に介在させてコア(3)を形成した
後にコア(3)を一体的に加熱してもよい。さらに前述の
コア焼きが終了した後で、そのコアの座板やタンクの取
付け等における半田付けがなされるが、その半田付け時
の加熱によっても拡散層(12)の形成が促進される。さら
には、塗装焼付等において加熱を受けた場合においても
拡散層(12)の形成が促進されることになる。
このフィン母材(10)および被覆層(11)の加熱処理は、被
覆層(11)の全量とフィン母材(10)とが拡散して拡散層(1
2)のみとなる条件で行うが、その加熱温度や加熱時間等
の条件を変化させることにより、拡散層(12)の膜厚を種
々変更できることになる。
覆層(11)の全量とフィン母材(10)とが拡散して拡散層(1
2)のみとなる条件で行うが、その加熱温度や加熱時間等
の条件を変化させることにより、拡散層(12)の膜厚を種
々変更できることになる。
このように拡散層は、フィン母材(10)を構成する素材と
被覆層(11)を構成する素材との合金として形成されるも
のであるため、第3図における拡散層(12)の膜厚は、第
2図における被覆層(11)の被覆厚さより大きくなること
はもちろんである。
被覆層(11)を構成する素材との合金として形成されるも
のであるため、第3図における拡散層(12)の膜厚は、第
2図における被覆層(11)の被覆厚さより大きくなること
はもちろんである。
本発明は以上のような構成からなり、銅または銅合金製
のフィン母材の少なくともいずれか一面に亜鉛と銅との
拡散層が形成され、これによって耐食性を著しく向上さ
せるものである。ここで、銅系材料であるフィン母材中
の亜鉛濃度が1%以上、特に5%以上においては実用上
十分な耐食性が認められる。なお、被覆層の被覆厚さが
0.05ミクロン未満の場合では、その後の形成される拡散
層が不十分であり、激しい塩害地域での耐食性が十分発
輝されないという恐れがある。逆に被覆層の被覆厚さが
5ミクロンを越えると、軽量化、放熱性および経済性等
の面から不都合となることがある。
のフィン母材の少なくともいずれか一面に亜鉛と銅との
拡散層が形成され、これによって耐食性を著しく向上さ
せるものである。ここで、銅系材料であるフィン母材中
の亜鉛濃度が1%以上、特に5%以上においては実用上
十分な耐食性が認められる。なお、被覆層の被覆厚さが
0.05ミクロン未満の場合では、その後の形成される拡散
層が不十分であり、激しい塩害地域での耐食性が十分発
輝されないという恐れがある。逆に被覆層の被覆厚さが
5ミクロンを越えると、軽量化、放熱性および経済性等
の面から不都合となることがある。
また本発明に係わるフィン材料はコルゲートフィンとし
て用いられる場合、コルゲート加工やルーバー加工が施
されるが、本発明のフィン材料においては、極めて良好
な組みつけ性が発揮される。さらに本発明に係わるフィ
ン材料では、自動車用熱交換器として十分な熱交換効率
が達成できる。
て用いられる場合、コルゲート加工やルーバー加工が施
されるが、本発明のフィン材料においては、極めて良好
な組みつけ性が発揮される。さらに本発明に係わるフィ
ン材料では、自動車用熱交換器として十分な熱交換効率
が達成できる。
以下本発明に係わるフィン材料を用いた熱交換器の耐食
性向上を実施例についてさらに詳細に説明する。
性向上を実施例についてさらに詳細に説明する。
厚さ0.04mmのCu−0.15%Sn−0.01%P合金条に第1
表に示すZn又はZn合金被覆を施し、これをコルゲー
ト加工してから黄銅製チューブと組合わせ、常法に従っ
て第1図に示すラジエータを製造した。
表に示すZn又はZn合金被覆を施し、これをコルゲー
ト加工してから黄銅製チューブと組合わせ、常法に従っ
て第1図に示すラジエータを製造した。
このようにして製造したラジエータについて塩水噴霧
(JIS Z 2371)を0.5時間と、相対湿度95%,温度60
℃の恒温恒湿槽内に23.5時間保持することを120回繰返
した後、熱交換能として80℃の温水を還流させながら一
定の風速の風洞内に保持し、温水が60℃の温度に下がる
までの時間を比較すると共に、フィン部の強度を測定し
た。これ等の結果を従来のラジエータの初期の値を100
として第1表に併記した。
(JIS Z 2371)を0.5時間と、相対湿度95%,温度60
℃の恒温恒湿槽内に23.5時間保持することを120回繰返
した後、熱交換能として80℃の温水を還流させながら一
定の風速の風洞内に保持し、温水が60℃の温度に下がる
までの時間を比較すると共に、フィン部の強度を測定し
た。これ等の結果を従来のラジエータの初期の値を100
として第1表に併記した。
尚、第1表中No.1〜5の被覆は下記メッキ浴を用いて
電気メッキした。
電気メッキした。
NaCN 40g/ Zn(CN)2 60g/ NaOH 80g/ 浴 温 25℃ 電流密度 2.5A/dm2 No.6の被覆は下記メッキ浴を用いて電気メッキした。
Zn(CN)2 75g/ CdO 3g/ NaCN 40g/ NaOH 90g/ 浴 温 35℃ 電流密度 2A/dm2 No.7の被覆は下記の合金浴を用いて溶融メッキした。
Zn 85% Sn 15% 浴 温 550℃ 浸漬時間 1秒 No.8の被覆は下記メッキ浴を用いて電気メッキした。
CuCN 40g/ Zn(CN)2 12g/ NaCN 50g/ 浴 温 45℃ 電流密度 0.5A/dm2 第1表から明らかなように従来ラジエータNo.9は予想
通り強度及び熱交換能の低下が著しいのに対し、本発明
ラジエータNo.1〜8は何れも強度及び熱交換能の低下
が小さく、著しく改善されていることが判る。特にZn
0.5〜3.0μの被覆(No.3〜5)では従来ラジエ
ータと比較し、強度約4倍、熱交換能で約30%以上も改
善されていることが判る。
通り強度及び熱交換能の低下が著しいのに対し、本発明
ラジエータNo.1〜8は何れも強度及び熱交換能の低下
が小さく、著しく改善されていることが判る。特にZn
0.5〜3.0μの被覆(No.3〜5)では従来ラジエ
ータと比較し、強度約4倍、熱交換能で約30%以上も改
善されていることが判る。
このようにして本発明に係わる熱交換器によれば、フィ
ンの耐食性が著しく改善され、長期にわたり熱交換機能
を保持し、かつ軽量化及び経済性の要件を満足し得る顕
著な効果を奏するものである。
ンの耐食性が著しく改善され、長期にわたり熱交換機能
を保持し、かつ軽量化及び経済性の要件を満足し得る顕
著な効果を奏するものである。
第1図は自動車用ラジエーターの一例を示す正面図、第
2図は本発明熱交換器のフィンの製法の一例を説明する
断面図、第3図は同じく製法の一例を説明する断面図で
ある。 1……チューブ 2……フィン 3……コアー 4a,4b……座板 5a,5b……タンク 10……Cu又はCu合金条 11……Zn又はZn合金層 12……拡散層
2図は本発明熱交換器のフィンの製法の一例を説明する
断面図、第3図は同じく製法の一例を説明する断面図で
ある。 1……チューブ 2……フィン 3……コアー 4a,4b……座板 5a,5b……タンク 10……Cu又はCu合金条 11……Zn又はZn合金層 12……拡散層
フロントページの続き (72)発明者 柴田 宣行 栃木県日光市清滝町500番地 古河電気工 業株式会社日光電気精銅所内 (56)参考文献 特開 昭57−105694(JP,A) 特開 昭56−155398(JP,A) 特開 昭58−39795(JP,A)
Claims (22)
- 【請求項1】内部に熱交換流体が流れる複数のCu又は
Cu合金製チューブと、この複数のチューブの間に配設
され、かつ前記チューブに熱的結合し、前記熱交換流体
の熱交換を促進するフィンと、前記チューブの一端側に
配設され、前記チューブに前記熱交換流体を流入させる
入口タンクと、前記チューブの他端側に配設され、前記
チューブより前記熱交換流体を受ける出口タンクとを備
え、前記フィンは銅もしくは銅合金製のフィン母材と、
このフィン母材の少なくともいずれか一面に形成され、
前記フィン母材を構成する材料と亜鉛もしくは亜鉛合金
材料との合金よりなる拡散層とからなることを特徴とす
る自動車用熱交換器。 - 【請求項2】内部に熱交換流体が流れる複数のCu又は
Cu合金製チューブと、この複数のチューブの間に配設
され、かつ前記チューブに熱的結合し、前記熱交換流体
の熱交換を促進するフィンと、前記チューブの一端側に
配設され、前記チューブに前記熱交換流体を流入させる
入口タンクと、前記チューブの他端側に配設され、前記
チューブより前記熱交換流体を受ける出口タンクとを備
え、前記フィンは銅もしくは銅合金製のフィン母材の少
なくともいずれか一面に亜鉛もしくは亜鉛合金製の被覆
層を所定膜厚に被覆し、かつこの被覆層の全部と前記フ
ィン母材とを拡散させて前記フィン母材の少なくともい
ずれか一面に最表面から拡散層を形成したものであるこ
とを特徴とする自動車用熱交換器。 - 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の自動車用熱交
換器において、前記被覆層は0.05〜5ミクロンの被覆厚
さに被覆されたものであることを特徴とする。 - 【請求項4】特許請求の範囲第2項記載の自動車用熱交
換器において、前記被覆層は電気メッキにより前記フィ
ン母材上に被覆されたものであることを特徴とする。 - 【請求項5】特許請求の範囲第2項記載の自動車用熱交
換器において、前記被覆層は溶融メッキにより前記フィ
ン母材に被覆されたものであることを特徴とする。 - 【請求項6】特許請求の範囲第2項記載の自動車用熱交
換器において、前記被覆層は蒸着により前記フィン母材
に被覆されたものであることを特徴とする。 - 【請求項7】内部に熱交換流体が流れる複数のCu又は
Cu合金製チューブと、この複数のチューブの間に配設
され、かつ前記チューブに熱的結合し、前記熱交換流体
の熱交換を促進するフィンと、前記チューブの一端側に
配設され、前記チューブに前記熱交換流体を流入させる
入口タンクと、前記チューブの他端側に配設され、前記
チューブより前記熱交換流体を受ける出口タンクとを備
える自動車用熱交換器に用いられるフィン材料であっ
て、銅もしくは銅合金製のフィン母材と、このフィン母
材の少なくともいずれか一面に形成され、前記フィン母
材を構成する材料と亜鉛もしくは亜鉛合金材料との合金
よりなる拡散層とからなることを特徴とする自動車用熱
交換器のフィン材。 - 【請求項8】内部に熱交換流体が流れる複数のCu又は
Cu合金製チューブと、この複数のチューブの間に配設
され、かつ前記チューブに熱的結合し、前記熱交換流体
の熱交換を促進するフィンと、前記チューブの一端側に
配設され、前記チューブに前記熱交換流体を流入させる
入口タンクと、前記チューブの他端側に配設され、前記
チューブより前記熱交換流体を受ける出口タンクとを備
える自動車用熱交換器に用いられるフィン材料であっ
て、銅もしくは銅合金製のフィン母材の少なくともいず
れか一面に亜鉛もしくは亜鉛合金製の被覆層を所定膜厚
に被覆し、かつこの被覆層の全部と前記フィン母材とを
拡散させて前記フィン母材の少なくともいずれか一面に
最表面から拡散層を形成したものであることを特徴とす
る自動車用熱交換器のフィン材料。 - 【請求項9】特許請求の範囲第8項記載の自動車用熱交
換器のフィン材料において、前記被覆層は0.05〜5ミク
ロンの被覆厚さに被覆されたものであることを特徴とす
る。 - 【請求項10】特許請求の範囲第8項記載の自動車用熱
交換器のフィン材料において、前記被覆層は電気メッキ
により前記フィン母材上に被覆されたものであることを
特徴とする。 - 【請求項11】特許請求の範囲第8項記載の自動車用熱
交換器のフィン材料において、前記被覆層は溶融メッキ
により前記フィン母材上に被覆されたものであることを
特徴とする。 - 【請求項12】特許請求の範囲第8項記載の自動車用熱
交換器のフィン材料において、前記被覆層は蒸着により
前記フィン母材に被覆されたものであることを特徴とす
る。 - 【請求項13】内部に熱交換流体が流れる複数のCu又
はCu合金製チューブと、この複数のチューブの間に配
設され、かつ前記チューブに熱的結合し、前記熱交換流
体の熱交換を促進するフィンと、前記チューブの一端側
に配設され、前記チューブに前記熱交換流体を流入させ
る入口タンクと、前記チューブの他端側に配設され、前
記チューブより前記熱交換流体を受ける出口タンクとを
備えた自動車用熱交換器の製造方法であって、銅もしく
は銅合金製のフィン母材の少なくともいずれか一面に被
覆された亜鉛もしくは亜鉛合金製の被覆層を所定膜厚に
被覆形成し、前記フィン母材を前記チューブ間に介在さ
せ、前記チューブおよび前記フィン母材を加熱して前記
チューブおよび前記フィン母材間を熱的結合させるとと
もに、前記被覆層の全部と前記フィン母材とを拡散させ
て前記フィン母材のうち前記被覆層の被覆された面に最
表面から拡散層を形成させ、その後に前記入口タンクお
よび前記出口タンクを前記チューブの端部に配設してな
ることを特徴とする自動車用熱交換器の製造方法。 - 【請求項14】特許請求の範囲第13項記載の自動車用熱
交換器の製造方法であって、前記被覆層は0.05〜5ミク
ロンの被覆厚さに被覆形成されることを特徴とする。 - 【請求項15】特許請求の範囲第13項記載の自動車用熱
交換器の製造方法であって、前記被覆層は電気メッキに
より前記フィン母材上に被覆されたものであることを特
徴とする。 - 【請求項16】特許請求の範囲第13項記載の自動車用熱
交換器の製造方法であって、前記被覆層は溶融メッキに
より前記フィン母材上に被覆形成されるものであること
を特徴とする。 - 【請求項17】特許請求の範囲第13項記載の自動車用熱
交換器の製造方法であって、前記被覆層は蒸着により前
記フィン母材上に被覆形成されるものであることを特徴
とする。 - 【請求項18】内部に熱交換流体が流れる複数のCu又
はCu合金製チューブと、この複数のチューブの間に配
設され、かつ前記チューブに熱的結合し、前記熱交換流
体の熱交換を促進するフィンと、前記チューブの一端側
に配設され、前記チューブに前記熱交換流体を流入させ
る入口タンクと、前記チューブの他端側に配設され、前
記チューブより前記熱交換流体を受ける出口タンクとを
備える自動車用熱交換器に用いられるフィン材料の製造
方法であって、銅もしくは銅合金製のフィン母材の少な
くともいずれか一面に亜鉛もしくは亜鉛合金製の被覆層
をその被覆厚さが所定厚さになるように被覆形成し、次
いでこの被覆層および前記フィン母材を所定温度でかつ
所定時間加熱し、前記被覆層の全部と前記フィン母材と
を拡散させ、前記フィン母材のうち前記被覆層が形成さ
れた面側に最表面から拡散層を形成することを特徴とす
る自動車用熱交換器のフィン材料の製造方法。 - 【請求項19】特許請求の範囲第18項記載の自動車用熱
交換器のフィン材料の製造方法であって、前記被覆層は
0.05〜5ミクロンの被覆厚さに被覆形成されることを特
徴とする。 - 【請求項20】特許請求の範囲第18項記載の自動車用熱
交換器のフィン材料の製造方法であって、前記被覆層は
電気メッキにより被覆形成されるものであることを特徴
とする。 - 【請求項21】特許請求の範囲第18項記載の自動車用熱
交換器のフィン材料の製造方法であって、前記被覆層は
溶融メッキにより被覆形成されることを特徴とする。 - 【請求項22】特許請求の範囲第18項記載の自動車用熱
交換器のフィン材料の製造方法であって、前記被覆層は
蒸着により被覆形成されることを特徴とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62254487A JPH0612235B2 (ja) | 1987-10-08 | 1987-10-08 | 自動車用熱交換器,自動車用熱交換器のフィン材料,自動車用熱交換器の製造方法および自動車用熱交換器のフィン材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62254487A JPH0612235B2 (ja) | 1987-10-08 | 1987-10-08 | 自動車用熱交換器,自動車用熱交換器のフィン材料,自動車用熱交換器の製造方法および自動車用熱交換器のフィン材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63127096A JPS63127096A (ja) | 1988-05-30 |
JPH0612235B2 true JPH0612235B2 (ja) | 1994-02-16 |
Family
ID=17265736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62254487A Expired - Lifetime JPH0612235B2 (ja) | 1987-10-08 | 1987-10-08 | 自動車用熱交換器,自動車用熱交換器のフィン材料,自動車用熱交換器の製造方法および自動車用熱交換器のフィン材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0612235B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5176812A (en) * | 1988-12-27 | 1993-01-05 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Copper fin material for heat-exchanger and method of producing the same |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56155398A (en) * | 1980-04-30 | 1981-12-01 | Nippon Radiator Co Ltd | Method for preventing aluminum heat exchanger from corrosion |
JPS601557B2 (ja) * | 1980-12-24 | 1985-01-16 | 株式会社デンソー | フインの耐食性が優れた熱交換器 |
JPS5839795A (ja) * | 1981-09-03 | 1983-03-08 | Mitsubishi Electric Corp | 黄銅めつき方法 |
-
1987
- 1987-10-08 JP JP62254487A patent/JPH0612235B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63127096A (ja) | 1988-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5005285A (en) | Method of producing an aluminum heat exchanger | |
PL166225B1 (pl) | Sposób wytwarzania wymiennika ciepla PL PL | |
US20120292001A1 (en) | Soldered aluminum heat exchanger | |
US4892141A (en) | Fin of heat exchanger and method of making it | |
CN86101024A (zh) | 用于热交换器列管的改良抗腐蚀铜-锌合金 | |
JPH0612235B2 (ja) | 自動車用熱交換器,自動車用熱交換器のフィン材料,自動車用熱交換器の製造方法および自動車用熱交換器のフィン材料の製造方法 | |
JPH05263172A (ja) | 熱交換器フィン材用アルミニウム合金 | |
JP2001502757A (ja) | 発展した電解腐食保護 | |
JPH07116634B2 (ja) | 熱交換器フイン材とその製造法 | |
JPH093580A (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム合金製熱交換器 | |
JP2726549B2 (ja) | 耐食性の優れた熱交換器とその製造方法 | |
JPH09176767A (ja) | 真空ろう付用Alブレージングシート | |
US4775004A (en) | Copper radiator for motor cars excellent in corrosion resistance and method of manufacturing | |
JP2020098064A (ja) | 熱交換器フィン材用親水性塗料と熱交換器用アルミニウムフィン材および熱交換器 | |
JPS60122896A (ja) | ラジエ−タ−用フイン | |
JPS60194062A (ja) | 銅及び銅合金の表面処理方法 | |
JPH0724900B2 (ja) | 自動車用熱交換器のフィンの製造方法 | |
JPS63213797A (ja) | 自動車用熱交換器 | |
JP3151152B2 (ja) | 耐食性に優れたエバボレータ | |
JPH05263173A (ja) | 熱交換器フィン材用アルミニウム合金 | |
JPS60194296A (ja) | 耐食性に優れた熱交換器用材料 | |
CA1284923C (en) | Fin of heat exchanger and method of making it | |
JPH0555225B2 (ja) | ||
KR910006779B1 (ko) | 열교환기 핀 및 그 제조방법 | |
JPS62218796A (ja) | 熱交換器 |