JPH06121823A - 消臭剤 - Google Patents
消臭剤Info
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- JPH06121823A JPH06121823A JP4305320A JP30532092A JPH06121823A JP H06121823 A JPH06121823 A JP H06121823A JP 4305320 A JP4305320 A JP 4305320A JP 30532092 A JP30532092 A JP 30532092A JP H06121823 A JPH06121823 A JP H06121823A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 日常の生活環境における悪臭物質の消臭に有
効であり、常温付近においても消臭効果および消臭能力
の持続性が優れ、二次汚染がなく、取り扱い性が容易
で、一般家庭で用いることのできる消臭剤を提供する。 【構成】 Mg、SiおよびAlを含み、これらの元素
の重量比が酸化物換算でコージェライトの理論組成に対
応するMgO:SiO2 :Al2 O3 =2:5:2であ
る結合材と金属酸化物触媒との混合物の焼成物からな
る。
効であり、常温付近においても消臭効果および消臭能力
の持続性が優れ、二次汚染がなく、取り扱い性が容易
で、一般家庭で用いることのできる消臭剤を提供する。 【構成】 Mg、SiおよびAlを含み、これらの元素
の重量比が酸化物換算でコージェライトの理論組成に対
応するMgO:SiO2 :Al2 O3 =2:5:2であ
る結合材と金属酸化物触媒との混合物の焼成物からな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、消臭剤に関し、詳し
くは、特にガス吸着性を有し、常温付近(0〜50℃)
においても消臭効果および消臭能力の持続性が優れ、日
常の生活環境におけるアンモニア、硫化水素、アミン類
(トリメチルアミン等)、メルカプタン類(メチルメル
カプタン等)、アルデヒド類、酢酸、オゾン等の悪臭物
質の消臭に有効な消臭剤に関する。
くは、特にガス吸着性を有し、常温付近(0〜50℃)
においても消臭効果および消臭能力の持続性が優れ、日
常の生活環境におけるアンモニア、硫化水素、アミン類
(トリメチルアミン等)、メルカプタン類(メチルメル
カプタン等)、アルデヒド類、酢酸、オゾン等の悪臭物
質の消臭に有効な消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、悪臭を消す方法としては、活性炭
吸着法、触媒燃焼法、オゾンまたは薬剤による酸化法、
中和法、バクテリアによる分解法、酵素による分解法等
が知られているが、いずれも消臭能力の持続性が少なか
ったり、消臭効率が低かったり、二次汚染があったりす
るという欠点がある。
吸着法、触媒燃焼法、オゾンまたは薬剤による酸化法、
中和法、バクテリアによる分解法、酵素による分解法等
が知られているが、いずれも消臭能力の持続性が少なか
ったり、消臭効率が低かったり、二次汚染があったりす
るという欠点がある。
【0003】日常の生活環境における悪臭物質、たとえ
ば、アンモニア、硫化水素等に対して、効果が確実で薬
剤として安価であるため、無機塩基や無機酸が現在でも
しばしば使用されているが、この消臭法は、薬剤が劇物
薬品である場合が多いという問題がある。たとえば、消
臭に用いられる無機酸の代表としては、硫酸、リン酸、
塩酸等が挙げられるが、これらの物質は強酸物質であ
り、その中でも塩酸は、ガス体としての拡散性が大き
く、二次公害性がある。また、一般的に使用される薬剤
としての硫酸またはリン酸も、活性炭やゼオライト等へ
の添着物質として使用されるが、連続使用中にこれらの
薬剤が溶出して装置の腐蝕を引き起こすという問題があ
り、管理の不行届な一般家庭用消臭剤への適用は難し
い。
ば、アンモニア、硫化水素等に対して、効果が確実で薬
剤として安価であるため、無機塩基や無機酸が現在でも
しばしば使用されているが、この消臭法は、薬剤が劇物
薬品である場合が多いという問題がある。たとえば、消
臭に用いられる無機酸の代表としては、硫酸、リン酸、
塩酸等が挙げられるが、これらの物質は強酸物質であ
り、その中でも塩酸は、ガス体としての拡散性が大き
く、二次公害性がある。また、一般的に使用される薬剤
としての硫酸またはリン酸も、活性炭やゼオライト等へ
の添着物質として使用されるが、連続使用中にこれらの
薬剤が溶出して装置の腐蝕を引き起こすという問題があ
り、管理の不行届な一般家庭用消臭剤への適用は難し
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】日常生活環境で用いら
れる消臭剤は、固体で乾式であることが望ましい。固体
で乾式の消臭剤としては、たとえば、コージェライトを
ハニカム状に焼成(「焼結」とも言う)した自動車排気
ガス浄化用触媒がある。しかし、このものは、作動温度
が200℃前後と高温であり、常温付近ではほとんど浄
化能力がなく、このままでは消臭剤としては役に立たな
い。
れる消臭剤は、固体で乾式であることが望ましい。固体
で乾式の消臭剤としては、たとえば、コージェライトを
ハニカム状に焼成(「焼結」とも言う)した自動車排気
ガス浄化用触媒がある。しかし、このものは、作動温度
が200℃前後と高温であり、常温付近ではほとんど浄
化能力がなく、このままでは消臭剤としては役に立たな
い。
【0005】また、上記以外の固体で乾式の消臭剤とし
ては、コージェライト、ゼオライト、シリカ、アルミ
ナ、活性炭、不織布、硝子繊維および紙類等から選ばれ
た通気性を持つハニカム状またはシート状の材料の表面
に、中和反応等により塩基性金属酸化物を担持させ、さ
らにキレート剤で処理して、消臭に有効な金属錯塩を形
成させた消臭剤がある。しかし、この消臭剤は、担持表
面の消臭有効物質が比較的容易に脱落、剥落するため、
消臭性能を充分に発揮することができないという問題が
あった。また、表面に担持されている消臭有効成分が薄
く、消臭有効寿命が短い欠点があった。
ては、コージェライト、ゼオライト、シリカ、アルミ
ナ、活性炭、不織布、硝子繊維および紙類等から選ばれ
た通気性を持つハニカム状またはシート状の材料の表面
に、中和反応等により塩基性金属酸化物を担持させ、さ
らにキレート剤で処理して、消臭に有効な金属錯塩を形
成させた消臭剤がある。しかし、この消臭剤は、担持表
面の消臭有効物質が比較的容易に脱落、剥落するため、
消臭性能を充分に発揮することができないという問題が
あった。また、表面に担持されている消臭有効成分が薄
く、消臭有効寿命が短い欠点があった。
【0006】そこで、この発明は、上記従来の消臭剤の
欠点を解消し、日常の生活環境におけるアンモニア、硫
化水素、アミン類、メルカプタン類、アルデヒド類、酢
酸、オゾン等の悪臭物質の消臭に有効であり、常温付近
(0〜50℃)においても消臭効果および消臭能力の持
続性が優れ、二次汚染がなく、取り扱い性が容易で、一
般家庭で用いることのできる消臭剤を提供することを課
題とする。
欠点を解消し、日常の生活環境におけるアンモニア、硫
化水素、アミン類、メルカプタン類、アルデヒド類、酢
酸、オゾン等の悪臭物質の消臭に有効であり、常温付近
(0〜50℃)においても消臭効果および消臭能力の持
続性が優れ、二次汚染がなく、取り扱い性が容易で、一
般家庭で用いることのできる消臭剤を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかる消臭剤は、Mg、SiおよびAl
を含み、これらの元素の重量比が酸化物換算でコージェ
ライトの理論組成に対応するMgO:SiO2 :Al2
O3 =2:5:2である結合材と金属酸化物触媒との混
合物の焼成物からなるものである。
め、この発明にかかる消臭剤は、Mg、SiおよびAl
を含み、これらの元素の重量比が酸化物換算でコージェ
ライトの理論組成に対応するMgO:SiO2 :Al2
O3 =2:5:2である結合材と金属酸化物触媒との混
合物の焼成物からなるものである。
【0008】この発明で用いられる結合材は、Mg、S
iおよびAlを含み、これらの元素の重量比が酸化物換
算でコージェライトの理論組成に対応するMgO:Si
O2:Al2 O3 =2:5:2であるものであれば、そ
の構成原料の種類、重量比率等は、特に限定されない。
構成原料としては、たとえば、Mg、SiおよびAlの
各元素の単独酸化物を用いてもよいし、これら3種の元
素のうちの2種以上の元素の複合酸化物を用いてもよ
い。また、酸化物以外の化合物や天然鉱物等を用いても
よい。具体的には、たとえば、シリカ粉末、アルミナ粉
末、水酸化アルミニウム、タルク、焼成タルク粉末、粘
土、炭酸マグネシウム、カオリン等から適宜選択され
る。これらは、比較的低温で焼成することができ、その
焼成物は、強度大で、薬品に侵されにくく、多孔質であ
り、また、いずれも原料コストが安いからである。結合
材は、焼成後、コージェライトになっていてもよいし、
コージェライトになっていなくてもよい。また、結合材
が含有するMg、SiおよびAlは、焼成後、必ずしも
すべてが酸化物になっている必要はない。
iおよびAlを含み、これらの元素の重量比が酸化物換
算でコージェライトの理論組成に対応するMgO:Si
O2:Al2 O3 =2:5:2であるものであれば、そ
の構成原料の種類、重量比率等は、特に限定されない。
構成原料としては、たとえば、Mg、SiおよびAlの
各元素の単独酸化物を用いてもよいし、これら3種の元
素のうちの2種以上の元素の複合酸化物を用いてもよ
い。また、酸化物以外の化合物や天然鉱物等を用いても
よい。具体的には、たとえば、シリカ粉末、アルミナ粉
末、水酸化アルミニウム、タルク、焼成タルク粉末、粘
土、炭酸マグネシウム、カオリン等から適宜選択され
る。これらは、比較的低温で焼成することができ、その
焼成物は、強度大で、薬品に侵されにくく、多孔質であ
り、また、いずれも原料コストが安いからである。結合
材は、焼成後、コージェライトになっていてもよいし、
コージェライトになっていなくてもよい。また、結合材
が含有するMg、SiおよびAlは、焼成後、必ずしも
すべてが酸化物になっている必要はない。
【0009】この発明で用いられる金属酸化物触媒は、
上述の結合材の焼成物に対し、吸着した悪臭成分を無臭
成分(または低臭成分)に変化させる触媒作用を持たせ
るために、結合材に混合して焼成される。金属酸化物の
具体例としては、特に限定はされないが、遷移金属の酸
化物が好ましく、たとえば、酸化マンガン、酸化銅、酸
化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム等の1種または2
種以上が挙げられる。これらの中でも、特に、二酸化マ
ンガンMnO2 および/または酸化第二銅CuOの使用
が好ましい。これら2種の酸化物のうちの一方もしくは
両方を使用した場合は、消臭効果がより高くなるからで
ある。
上述の結合材の焼成物に対し、吸着した悪臭成分を無臭
成分(または低臭成分)に変化させる触媒作用を持たせ
るために、結合材に混合して焼成される。金属酸化物の
具体例としては、特に限定はされないが、遷移金属の酸
化物が好ましく、たとえば、酸化マンガン、酸化銅、酸
化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム等の1種または2
種以上が挙げられる。これらの中でも、特に、二酸化マ
ンガンMnO2 および/または酸化第二銅CuOの使用
が好ましい。これら2種の酸化物のうちの一方もしくは
両方を使用した場合は、消臭効果がより高くなるからで
ある。
【0010】金属酸化物触媒の使用量は、特に限定はさ
れないが、結合材に対して10〜50重量%であること
が好ましい。この使用量が10重量%未満である場合
は、触媒としての効果が低くなり、50重量%を超える
場合は、焼成強度が低下するとともに、触媒としての効
果が使用量に比較して上がらなくなるからである。この
発明の消臭剤を作製する方法としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、以下に述べる方法等が挙げられる。
れないが、結合材に対して10〜50重量%であること
が好ましい。この使用量が10重量%未満である場合
は、触媒としての効果が低くなり、50重量%を超える
場合は、焼成強度が低下するとともに、触媒としての効
果が使用量に比較して上がらなくなるからである。この
発明の消臭剤を作製する方法としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、以下に述べる方法等が挙げられる。
【0011】まず、結合材と金属酸化物触媒とを混合す
る。結合材と金属酸化物触媒との混合方法としては、特
に限定はされないが、たとえば、結合材と金属酸化物触
媒とを粉体混合し、ロール等を用いて混練する方法等が
挙げられる。結合材と金属酸化物触媒との混合の際に
は、必要に応じて、その他の材料を添加してもよい。使
用できるその他の材料としては、特に限定はされない
が、たとえば、気孔増加剤、成形バインダー、グリセリ
ン、水等が挙げられる。
る。結合材と金属酸化物触媒との混合方法としては、特
に限定はされないが、たとえば、結合材と金属酸化物触
媒とを粉体混合し、ロール等を用いて混練する方法等が
挙げられる。結合材と金属酸化物触媒との混合の際に
は、必要に応じて、その他の材料を添加してもよい。使
用できるその他の材料としては、特に限定はされない
が、たとえば、気孔増加剤、成形バインダー、グリセリ
ン、水等が挙げられる。
【0012】気孔増加剤としては、混合物の焼成の際に
燃焼して揮散し、その後に気孔を残して焼成物の多孔質
性を高め、これにより消臭性能をより向上させることが
できるものであれば、特に限定はされないが、結合材と
金属酸化物触媒に混合されても、ある程度の大きさ(数
ミクロン〜数10ミクロン)を保つことができるような
材料が望ましい。その具体例としては、特に限定はされ
ないが、小麦粉、コーンスターチ、澱粉、セルロースパ
ウダー等の1種または2種以上が挙げられる。気孔増加
剤の使用量は、特に限定はされないが、結合材に対して
10〜40重量%が好ましい。
燃焼して揮散し、その後に気孔を残して焼成物の多孔質
性を高め、これにより消臭性能をより向上させることが
できるものであれば、特に限定はされないが、結合材と
金属酸化物触媒に混合されても、ある程度の大きさ(数
ミクロン〜数10ミクロン)を保つことができるような
材料が望ましい。その具体例としては、特に限定はされ
ないが、小麦粉、コーンスターチ、澱粉、セルロースパ
ウダー等の1種または2種以上が挙げられる。気孔増加
剤の使用量は、特に限定はされないが、結合材に対して
10〜40重量%が好ましい。
【0013】成形バインダーとしては、特に限定はされ
ないが、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CM
Cともいう)等の有機バインダー等が挙げられる。結合
材と金属酸化物触媒との混合物(必要に応じてはその他
の材料も含む)は、押出機等を用いて、通気性のよいハ
ニカム状、粒状等の所望の形状に成形する。なお、成形
方法は、押出成形法に限らず、他の成形法を用いてもよ
い。
ないが、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CM
Cともいう)等の有機バインダー等が挙げられる。結合
材と金属酸化物触媒との混合物(必要に応じてはその他
の材料も含む)は、押出機等を用いて、通気性のよいハ
ニカム状、粒状等の所望の形状に成形する。なお、成形
方法は、押出成形法に限らず、他の成形法を用いてもよ
い。
【0014】次に、得られた成形物を乾燥した後、焼成
する。焼成温度としては、特に限定はされないが、50
0〜1000℃が好ましい。得られた焼成物は、そのま
ま消臭剤として用いてもよいし、あるいは、悪臭ガスを
無臭ガス(低臭ガス)に変える触媒作用を強化したり、
悪臭ガスを化学的に吸着する能力を高めたりする目的
で、焼成物に後述の薬剤を含浸させてから用いてもよ
い。
する。焼成温度としては、特に限定はされないが、50
0〜1000℃が好ましい。得られた焼成物は、そのま
ま消臭剤として用いてもよいし、あるいは、悪臭ガスを
無臭ガス(低臭ガス)に変える触媒作用を強化したり、
悪臭ガスを化学的に吸着する能力を高めたりする目的
で、焼成物に後述の薬剤を含浸させてから用いてもよ
い。
【0015】焼成物に含浸させる薬剤としては、特に限
定はされないが、たとえば、クエン酸、ピロカテコー
ル、ジチオカルバミン酸、チオ尿素、アミノ基をもつ化
合物および金属塩化物等の1種または2種以上が挙げら
れる。金属塩化物としては、特に限定はされないが、た
とえば、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化銀、
塩化錫、塩化銅、塩化鉛、塩化ニッケル等が挙げられ
る。これらの金属塩化物の中でも、FeCl2 、CuC
l2 が好ましい。
定はされないが、たとえば、クエン酸、ピロカテコー
ル、ジチオカルバミン酸、チオ尿素、アミノ基をもつ化
合物および金属塩化物等の1種または2種以上が挙げら
れる。金属塩化物としては、特に限定はされないが、た
とえば、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化カドミウム、塩化銀、
塩化錫、塩化銅、塩化鉛、塩化ニッケル等が挙げられ
る。これらの金属塩化物の中でも、FeCl2 、CuC
l2 が好ましい。
【0016】焼成物に薬剤を含浸させる方法としては、
特に限定はされず、たとえば、薬剤溶液に焼結物を浸漬
する等の方法により行えばよい。薬剤溶液の濃度、溶媒
の種類、浸漬時間等は、薬剤の種類により異なり、特に
限定はされない。薬剤含浸後、適宜、乾燥することによ
り、消臭剤が得られる。
特に限定はされず、たとえば、薬剤溶液に焼結物を浸漬
する等の方法により行えばよい。薬剤溶液の濃度、溶媒
の種類、浸漬時間等は、薬剤の種類により異なり、特に
限定はされない。薬剤含浸後、適宜、乾燥することによ
り、消臭剤が得られる。
【0017】
【作用】前述した結合材と金属酸化物触媒との混合物を
焼成して得られる焼成物を消臭剤として用いるようにす
ると、この消臭剤は、多孔質であるため、日常の生活環
境におけるアンモニア、硫化水素、アミン類、メルカプ
タン類、アルデヒド類、酢酸、オゾン等の悪臭物質のガ
スに対する吸着性を有するとともに、担持された金属酸
化物触媒がこれらの悪臭物質を無臭物質(または低臭物
質)に変化させる触媒作用を持つので、日常の生活環境
における前記悪臭物質を効率よく消臭する。前記金属酸
化物触媒は、常温付近(0〜50℃)においても活性で
あるため、常温付近においても消臭することが可能にな
る。金属酸化物触媒は、担持表面から脱落したり剥離し
たりしにくいので、消臭能力の持続性(消臭剤の寿命)
が向上する。この消臭剤は、固体で乾式であり、拡散性
の有毒物質や、劇物を含まないため、二次汚染がなく、
取り扱いが容易になるので、管理の不行き届きがちな一
般家庭でも使用することが可能になる。
焼成して得られる焼成物を消臭剤として用いるようにす
ると、この消臭剤は、多孔質であるため、日常の生活環
境におけるアンモニア、硫化水素、アミン類、メルカプ
タン類、アルデヒド類、酢酸、オゾン等の悪臭物質のガ
スに対する吸着性を有するとともに、担持された金属酸
化物触媒がこれらの悪臭物質を無臭物質(または低臭物
質)に変化させる触媒作用を持つので、日常の生活環境
における前記悪臭物質を効率よく消臭する。前記金属酸
化物触媒は、常温付近(0〜50℃)においても活性で
あるため、常温付近においても消臭することが可能にな
る。金属酸化物触媒は、担持表面から脱落したり剥離し
たりしにくいので、消臭能力の持続性(消臭剤の寿命)
が向上する。この消臭剤は、固体で乾式であり、拡散性
の有毒物質や、劇物を含まないため、二次汚染がなく、
取り扱いが容易になるので、管理の不行き届きがちな一
般家庭でも使用することが可能になる。
【0018】結合材と金属酸化物触媒との混合物を焼成
してなる消臭剤は、その表面においては、バルクとは異
なり、化学結合がいたるところで寸断された、いわば結
合相手を失った非常に活性な原子集団を形成している。
この消臭剤において、金属酸化物触媒は、酸化物の形ま
たは裸の金属原子の形で表面に露出して多数の不飽和状
態を作り出しており、これにより、吸着および触媒作用
による悪臭ガスの無害ガス(または低臭ガス)への分解
が起きる。
してなる消臭剤は、その表面においては、バルクとは異
なり、化学結合がいたるところで寸断された、いわば結
合相手を失った非常に活性な原子集団を形成している。
この消臭剤において、金属酸化物触媒は、酸化物の形ま
たは裸の金属原子の形で表面に露出して多数の不飽和状
態を作り出しており、これにより、吸着および触媒作用
による悪臭ガスの無害ガス(または低臭ガス)への分解
が起きる。
【0019】結合材と金属酸化物触媒との混合物の焼成
物に薬剤を含浸させた場合は、金属酸化物触媒と含浸薬
剤との複合作用により、消臭能力がさらに向上する。具
体的には、たとえば、薬剤としてクエン酸を含浸させた
場合、酸化物の形または裸の金属原子の形で焼成物の表
面に露出した金属酸化物触媒の周辺において、消臭に有
効な金属錯体が形成されるか、あるいは、クエン酸その
ものが混在した状態が現出するため、悪臭物質を吸着し
た際に、クエン酸による化学反応、たとえば、アンモニ
ア、アミン類等のアルカリ性悪臭物質とクエン酸との中
和反応が進行したり、あるいは、クエン酸と金属酸化物
触媒とが結合し、さらにそれとアンモニア等が反応する
錯体形成反応が進行したりすることにより消臭する。こ
のように、焼成物の表面に露出した金属酸化物触媒の周
辺において消臭有効成分が形成され、この消臭有効成分
は、脱落したり剥落したりする恐れがないとともに、比
較的大きな金属または酸化金属粒子であるため、消臭能
力は、従来品に比べて、著しく長く維持される。
物に薬剤を含浸させた場合は、金属酸化物触媒と含浸薬
剤との複合作用により、消臭能力がさらに向上する。具
体的には、たとえば、薬剤としてクエン酸を含浸させた
場合、酸化物の形または裸の金属原子の形で焼成物の表
面に露出した金属酸化物触媒の周辺において、消臭に有
効な金属錯体が形成されるか、あるいは、クエン酸その
ものが混在した状態が現出するため、悪臭物質を吸着し
た際に、クエン酸による化学反応、たとえば、アンモニ
ア、アミン類等のアルカリ性悪臭物質とクエン酸との中
和反応が進行したり、あるいは、クエン酸と金属酸化物
触媒とが結合し、さらにそれとアンモニア等が反応する
錯体形成反応が進行したりすることにより消臭する。こ
のように、焼成物の表面に露出した金属酸化物触媒の周
辺において消臭有効成分が形成され、この消臭有効成分
は、脱落したり剥落したりする恐れがないとともに、比
較的大きな金属または酸化金属粒子であるため、消臭能
力は、従来品に比べて、著しく長く維持される。
【0020】薬剤としてピロカテコール、ジチオカルバ
ミン酸またはチオ尿素を含浸させた場合の消臭メカニズ
ムはまだ明らかではないが、これらの薬剤が、硫化水素
ガスやメルカプタン類等の悪臭物質を分解または他の化
合物に変化させる触媒として作用するものと推定され
る。薬剤として金属塩化物を含浸させた場合の消臭メカ
ニズムはまだ明らかではないが、下記のメカニズムが推
定される。硫化水素、メルカプタン類等の硫黄を含む悪
臭物質に対して金属塩化物が化学反応し、金属塩化物は
硫化物となって、悪臭物質を無臭物質にする。この時、
塩酸ガスが生成するが、この塩酸ガスは、焼成物表面の
金属酸化物触媒の吸着サイトに吸着されるため、二次公
害を起こすことはない。アンモニア、アミン類、酢酸等
の悪臭物質は、金属塩化物がこれらと錯体形成反応する
ことにより、化学吸着される。
ミン酸またはチオ尿素を含浸させた場合の消臭メカニズ
ムはまだ明らかではないが、これらの薬剤が、硫化水素
ガスやメルカプタン類等の悪臭物質を分解または他の化
合物に変化させる触媒として作用するものと推定され
る。薬剤として金属塩化物を含浸させた場合の消臭メカ
ニズムはまだ明らかではないが、下記のメカニズムが推
定される。硫化水素、メルカプタン類等の硫黄を含む悪
臭物質に対して金属塩化物が化学反応し、金属塩化物は
硫化物となって、悪臭物質を無臭物質にする。この時、
塩酸ガスが生成するが、この塩酸ガスは、焼成物表面の
金属酸化物触媒の吸着サイトに吸着されるため、二次公
害を起こすことはない。アンモニア、アミン類、酢酸等
の悪臭物質は、金属塩化物がこれらと錯体形成反応する
ことにより、化学吸着される。
【0021】特に、金属塩化物を含浸させた場合は、消
臭剤が破過状態(消臭能力を全く示さない状態)になっ
ても、しばらくの間、空気中に放置すると、消臭機能が
回復するという再生機能を消臭剤に持たせることが可能
になる。消臭機能が回復するメカニズムはまだ明らかで
はないが、下記のメカニズムが推定される。たとえば、
悪臭ガスが硫化水素で、金属塩化物が塩化第二銅CuC
l2 の場合、それらが反応することにより、硫化銅と塩
化水素が生成し、塩化水素は焼成物の表面に吸着もしく
は化学的に反応してトラップされる。その後、空気中に
しばらくの間、放置すると、硫化銅が分解し、トラップ
されている塩化水素と結合して塩化銅(もしくは塩基性
塩化銅)に戻ることにより、消臭機能が回復する。
臭剤が破過状態(消臭能力を全く示さない状態)になっ
ても、しばらくの間、空気中に放置すると、消臭機能が
回復するという再生機能を消臭剤に持たせることが可能
になる。消臭機能が回復するメカニズムはまだ明らかで
はないが、下記のメカニズムが推定される。たとえば、
悪臭ガスが硫化水素で、金属塩化物が塩化第二銅CuC
l2 の場合、それらが反応することにより、硫化銅と塩
化水素が生成し、塩化水素は焼成物の表面に吸着もしく
は化学的に反応してトラップされる。その後、空気中に
しばらくの間、放置すると、硫化銅が分解し、トラップ
されている塩化水素と結合して塩化銅(もしくは塩基性
塩化銅)に戻ることにより、消臭機能が回復する。
【0022】
【実施例】以下に、この発明の実施例および比較例を示
すが、この発明は、下記実施例に限定されない。 −実施例1− タルク(MgO・SiO2 )37重量部、カオリン(A
l2 O3 ・SiO2 )40重量部およびアルミナ(Al
2 O3 )23重量部からなる結合材100重量部に対
し、気孔増加剤として小麦粉30重量部、有機バインダ
ーとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)6重量
部、グリセリン8重量部および水35重量部と、金属酸
化物触媒としてCuO30重量部とを加え、混練した
後、混練物を押出成形機に入れて押出し、所定の大きさ
に切断して、ハニカム状の成形物を得た。この成形物を
乾燥後、850℃で焼成して、焼成物を得た。
すが、この発明は、下記実施例に限定されない。 −実施例1− タルク(MgO・SiO2 )37重量部、カオリン(A
l2 O3 ・SiO2 )40重量部およびアルミナ(Al
2 O3 )23重量部からなる結合材100重量部に対
し、気孔増加剤として小麦粉30重量部、有機バインダ
ーとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)6重量
部、グリセリン8重量部および水35重量部と、金属酸
化物触媒としてCuO30重量部とを加え、混練した
後、混練物を押出成形機に入れて押出し、所定の大きさ
に切断して、ハニカム状の成形物を得た。この成形物を
乾燥後、850℃で焼成して、焼成物を得た。
【0023】この焼成物を濃度3mol/lのクエン酸
水溶液に所定時間浸漬した後、乾燥することにより、4
0.5×58×10mmのサイズのハニカム状消臭剤を得
た。 −実施例2− 実施例1において、焼成物に含浸させる薬剤として濃度
3mol/lのクエン酸水溶液の代わりに濃度2mol
/lの塩化第二銅CuCl2 水溶液を用いたこと以外は
実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
水溶液に所定時間浸漬した後、乾燥することにより、4
0.5×58×10mmのサイズのハニカム状消臭剤を得
た。 −実施例2− 実施例1において、焼成物に含浸させる薬剤として濃度
3mol/lのクエン酸水溶液の代わりに濃度2mol
/lの塩化第二銅CuCl2 水溶液を用いたこと以外は
実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
【0024】−実施例3− 実施例1において、金属酸化物触媒としてCuO30重
量部の代わりにMnO 2 を同量用いるとともに、焼成物
に含浸させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水
溶液の代わりに濃度0.1mol/lのジチオカルバミ
ン酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
消臭剤を得た。
量部の代わりにMnO 2 を同量用いるとともに、焼成物
に含浸させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水
溶液の代わりに濃度0.1mol/lのジチオカルバミ
ン酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
消臭剤を得た。
【0025】実施例1〜3で得られた消臭剤について、
以下の方法により、消臭性能試験を行った。内部にファ
ンを設置した容量40リットルの極めて密閉性の高いボ
ックス内に悪臭ガスを所定量注入した。ファンの吸入口
前部に消臭剤を設置し、ファンを回転させてボックス内
の空気を循環させ、空気と混合した臭気が消臭剤に接触
するようにして、臭気の初期濃度からの減衰を調べた。
以下の方法により、消臭性能試験を行った。内部にファ
ンを設置した容量40リットルの極めて密閉性の高いボ
ックス内に悪臭ガスを所定量注入した。ファンの吸入口
前部に消臭剤を設置し、ファンを回転させてボックス内
の空気を循環させ、空気と混合した臭気が消臭剤に接触
するようにして、臭気の初期濃度からの減衰を調べた。
【0026】その結果を図1〜4のグラフに示した。図
1は悪臭ガスがアンモニアの場合、図2は悪臭ガスが硫
化水素の場合、図3は悪臭ガスがメチルメルカプタンの
場合、図4は悪臭ガスがトリメチルアミンの場合であ
る。これらの図において、横軸は臭気を消臭剤に接触さ
せ始めてからの経過時間(分)であり、縦軸は臭気の初
期濃度に対する残存率(%)である。また、図1〜4
中、「クエン酸含浸」は実施例1の消臭剤の場合、「塩
化物含浸」は実施例2の消臭剤の場合、「ジチオカルバ
ミン酸含浸」は実施例3の消臭剤の場合である。
1は悪臭ガスがアンモニアの場合、図2は悪臭ガスが硫
化水素の場合、図3は悪臭ガスがメチルメルカプタンの
場合、図4は悪臭ガスがトリメチルアミンの場合であ
る。これらの図において、横軸は臭気を消臭剤に接触さ
せ始めてからの経過時間(分)であり、縦軸は臭気の初
期濃度に対する残存率(%)である。また、図1〜4
中、「クエン酸含浸」は実施例1の消臭剤の場合、「塩
化物含浸」は実施例2の消臭剤の場合、「ジチオカルバ
ミン酸含浸」は実施例3の消臭剤の場合である。
【0027】−比較例1− 実施例1において、金属酸化物触媒CuOを全く用いな
いとともに、焼成物に含浸させる薬剤として濃度3mo
l/lのクエン酸水溶液の代わりに濃度2mol/lの
塩化第二銅CuCl2 水溶液を用いたこと以外は実施例
1と同様にして、消臭剤を得た。
いとともに、焼成物に含浸させる薬剤として濃度3mo
l/lのクエン酸水溶液の代わりに濃度2mol/lの
塩化第二銅CuCl2 水溶液を用いたこと以外は実施例
1と同様にして、消臭剤を得た。
【0028】実施例2で得られた消臭剤(結合材に対す
る金属酸化物触媒CuOの混練率30%)および比較例
1で得られた消臭剤(結合材に対する金属酸化物触媒C
uOの混練率0%)について、硫化水素(初期濃度40
00ppm)に対する消臭性能試験を前記と同様にして
行った。その結果を図5に示した。この図において、横
軸は臭気を消臭剤に接触させ始めてからの経過時間
(分)であり、縦軸は臭気の残存濃度(ppm)であ
る。
る金属酸化物触媒CuOの混練率30%)および比較例
1で得られた消臭剤(結合材に対する金属酸化物触媒C
uOの混練率0%)について、硫化水素(初期濃度40
00ppm)に対する消臭性能試験を前記と同様にして
行った。その結果を図5に示した。この図において、横
軸は臭気を消臭剤に接触させ始めてからの経過時間
(分)であり、縦軸は臭気の残存濃度(ppm)であ
る。
【0029】図5にみるように、実施例2で得られた消
臭剤(結合材に対する金属酸化物触媒CuOの混練率3
0%)は、比較例1で得られた消臭剤(結合材に対する
金属酸化物触媒CuOの混練率0%)に比べて臭気残存
濃度を低くしている。このことから、CuOを追加混練
した場合は、CuOを全く追加混練しない場合に比べ
て、消臭性能が向上することが確認された。
臭剤(結合材に対する金属酸化物触媒CuOの混練率3
0%)は、比較例1で得られた消臭剤(結合材に対する
金属酸化物触媒CuOの混練率0%)に比べて臭気残存
濃度を低くしている。このことから、CuOを追加混練
した場合は、CuOを全く追加混練しない場合に比べ
て、消臭性能が向上することが確認された。
【0030】焼成物に含浸させた塩化第二銅CuCl2
と、悪臭ガスの硫化水素H2 Sとは、下記の式にみるよ
うに反応して、塩化水素HClを発生すると考えられ
る。 CuCl2 +H2 S→CuS+2HCl そこで、消臭性能試験終了後、ボックス内の塩化水素の
濃度を測定したところ、CuOの混練率0%の比較例1
の消臭剤では48ppmであったのに対し、CuOの混
練率30%の実施例2の消臭剤では7ppmと低かっ
た。このことから、CuOを追加混練した方が、塩化水
素による二次公害が少ないことが確認された。
と、悪臭ガスの硫化水素H2 Sとは、下記の式にみるよ
うに反応して、塩化水素HClを発生すると考えられ
る。 CuCl2 +H2 S→CuS+2HCl そこで、消臭性能試験終了後、ボックス内の塩化水素の
濃度を測定したところ、CuOの混練率0%の比較例1
の消臭剤では48ppmであったのに対し、CuOの混
練率30%の実施例2の消臭剤では7ppmと低かっ
た。このことから、CuOを追加混練した方が、塩化水
素による二次公害が少ないことが確認された。
【0031】次に、実施例2で得られた消臭剤につい
て、ハニカムのセル数と硫化水素に対する消臭性能との
関係を以下のようにして調べた。試験サンプルとして、
セル数80セル/inch2 (「セル/inch2 」はハニカム
の断面積1inch2 当たりの開口部の個数を示す。また、
inch2 ≒6.45cm2 である。以下同じ。)のハニカム
と、セル数300セル/inch2 の2種を用いた。これら
のサンプルについて、前記と同様にして、硫化水素に対
する消臭性能試験を行った。ただし、硫化水素の初期濃
度は40ppmであった。
て、ハニカムのセル数と硫化水素に対する消臭性能との
関係を以下のようにして調べた。試験サンプルとして、
セル数80セル/inch2 (「セル/inch2 」はハニカム
の断面積1inch2 当たりの開口部の個数を示す。また、
inch2 ≒6.45cm2 である。以下同じ。)のハニカム
と、セル数300セル/inch2 の2種を用いた。これら
のサンプルについて、前記と同様にして、硫化水素に対
する消臭性能試験を行った。ただし、硫化水素の初期濃
度は40ppmであった。
【0032】その結果を図6に示した。図6にみるよう
に、セル数の多い方が消臭性能に優れていることが確認
された。これは、セル数が多い程、臭気との接触面積が
大きくなるためと考えられる。 −実施例4〜10− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、気孔増加剤の小麦粉を全く用いな
いようにし、焼成温度を700〜1080℃の範囲内の
所定温度に変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなかっ
たこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
に、セル数の多い方が消臭性能に優れていることが確認
された。これは、セル数が多い程、臭気との接触面積が
大きくなるためと考えられる。 −実施例4〜10− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、気孔増加剤の小麦粉を全く用いな
いようにし、焼成温度を700〜1080℃の範囲内の
所定温度に変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなかっ
たこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
【0033】実施例4〜10で得られた消臭剤を用い、
焼成温度と吸水率および気孔率との関係を調べた。ここ
で、吸水率は消臭剤に水分を吸収させて飽和させた時の
消臭剤の元重量に対する水分吸収量の割合(%)を表
し、気孔率は消臭剤の多孔質性(%)を表す(吸水率お
よび気孔率の両者とも、消臭性能には、かなり大きな要
因になるものであり、吸水率、気孔率とも高いものを使
用することが望ましい)。
焼成温度と吸水率および気孔率との関係を調べた。ここ
で、吸水率は消臭剤に水分を吸収させて飽和させた時の
消臭剤の元重量に対する水分吸収量の割合(%)を表
し、気孔率は消臭剤の多孔質性(%)を表す(吸水率お
よび気孔率の両者とも、消臭性能には、かなり大きな要
因になるものであり、吸水率、気孔率とも高いものを使
用することが望ましい)。
【0034】その結果を図7に示した。この図中、横軸
は焼成温度(℃)であり、左側の縦軸は吸水率(%)で
あり、右側の縦軸は気孔率(%)である。図7にみるよ
うに、焼成温度800〜850℃で吸水率および気孔率
の両者ともピーク値をとる。焼成温度が1000℃を超
えると、両者とも急激に低くなる。また、図では省略し
ているが、焼成温度が500℃を下回る場合も同様に低
くなる。このことから、焼成温度は500〜1000℃
の範囲が好ましいことが確認された。
は焼成温度(℃)であり、左側の縦軸は吸水率(%)で
あり、右側の縦軸は気孔率(%)である。図7にみるよ
うに、焼成温度800〜850℃で吸水率および気孔率
の両者ともピーク値をとる。焼成温度が1000℃を超
えると、両者とも急激に低くなる。また、図では省略し
ているが、焼成温度が500℃を下回る場合も同様に低
くなる。このことから、焼成温度は500〜1000℃
の範囲が好ましいことが確認された。
【0035】−実施例11− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、気孔増加剤の小麦粉を全く用いな
いようにし、焼成物に薬剤を全く含浸させなかったこと
以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。 −実施例12− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、気孔増加剤として用いた小麦粉の
使用量を10重量部(結合材に対する添加率10%)に
変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなかったこと以外
は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
20重量部に変更し、気孔増加剤の小麦粉を全く用いな
いようにし、焼成物に薬剤を全く含浸させなかったこと
以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。 −実施例12− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、気孔増加剤として用いた小麦粉の
使用量を10重量部(結合材に対する添加率10%)に
変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなかったこと以外
は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
【0036】−実施例13− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、気孔増加剤として用いた小麦粉の
使用量を20重量部(結合材に対する添加率20%)に
変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなかったこと以外
は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
20重量部に変更し、気孔増加剤として用いた小麦粉の
使用量を20重量部(結合材に対する添加率20%)に
変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなかったこと以外
は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
【0037】−実施例14− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなか
ったこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得た
(結合材に対する小麦粉の添加率は実施例1と同じ30
%)。 −実施例15− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、気孔増加剤として用いた小麦粉の
使用量を40重量部(結合材に対する添加率40%)に
変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなかったこと以外
は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
20重量部に変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなか
ったこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得た
(結合材に対する小麦粉の添加率は実施例1と同じ30
%)。 −実施例15− 実施例1において、結合材に追加混練するCuOの量を
20重量部に変更し、気孔増加剤として用いた小麦粉の
使用量を40重量部(結合材に対する添加率40%)に
変更し、焼成物に薬剤を全く含浸させなかったこと以外
は実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
【0038】実施例11〜15で得られた消臭剤を用
い、気孔増加剤(小麦粉)の添加率と吸水率および気孔
率との関係を調べた。ここで、気孔増加剤の添加率は結
合材に対する気孔増加剤の添加量の割合(%;重量基
準)であり、吸水率および気孔率は前記と同様である。
その結果を図8に示した。この図中、横軸は気孔増加剤
の添加率(%)であり、左側の縦軸は吸水率(%)であ
り、右側の縦軸は気孔率(%)である。
い、気孔増加剤(小麦粉)の添加率と吸水率および気孔
率との関係を調べた。ここで、気孔増加剤の添加率は結
合材に対する気孔増加剤の添加量の割合(%;重量基
準)であり、吸水率および気孔率は前記と同様である。
その結果を図8に示した。この図中、横軸は気孔増加剤
の添加率(%)であり、左側の縦軸は吸水率(%)であ
り、右側の縦軸は気孔率(%)である。
【0039】図8にみるように、気孔増加剤の添加率が
高い程、吸水率および気孔率のいずれも高くなることが
確認された。 −実施例16− 実施例1において、気孔増加剤の小麦粉を全く用いない
ようにし、焼成温度を820℃に変更し、焼成物に含浸
させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水溶液の
代わりに濃度0.1mol/lのピロカテコール水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
高い程、吸水率および気孔率のいずれも高くなることが
確認された。 −実施例16− 実施例1において、気孔増加剤の小麦粉を全く用いない
ようにし、焼成温度を820℃に変更し、焼成物に含浸
させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水溶液の
代わりに濃度0.1mol/lのピロカテコール水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
【0040】−実施例17− 実施例1において、気孔増加剤の小麦粉を全く用いない
ようにし、焼成温度を866℃に変更し、焼成物に含浸
させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水溶液の
代わりに濃度0.1mol/lのピロカテコール水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
ようにし、焼成温度を866℃に変更し、焼成物に含浸
させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水溶液の
代わりに濃度0.1mol/lのピロカテコール水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
【0041】−実施例18− 実施例1において、気孔増加剤の小麦粉を全く用いない
ようにし、焼成温度を902℃に変更し、焼成物に含浸
させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水溶液の
代わりに濃度0.1mol/lのピロカテコール水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
ようにし、焼成温度を902℃に変更し、焼成物に含浸
させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水溶液の
代わりに濃度0.1mol/lのピロカテコール水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
【0042】−実施例19− 実施例1において、気孔増加剤の小麦粉を全く用いない
ようにし、焼成温度を925℃に変更し、焼成物に含浸
させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水溶液の
代わりに濃度0.1mol/lのピロカテコール水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
ようにし、焼成温度を925℃に変更し、焼成物に含浸
させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水溶液の
代わりに濃度0.1mol/lのピロカテコール水溶液
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
【0043】実施例16〜19で得られた消臭剤につい
て、硫化水素に対する消臭性能試験を前記と同様にして
行った。ただし、硫化水素の初期濃度は4000ppm
であった。その結果を図9に示した。図9にみるよう
に、焼成温度が820℃のものと866℃のものの消臭
性能はほぼ同等であり、焼成温度が900℃を超え、高
くなるにつれて、消臭性能が低くなることが確認され
た。
て、硫化水素に対する消臭性能試験を前記と同様にして
行った。ただし、硫化水素の初期濃度は4000ppm
であった。その結果を図9に示した。図9にみるよう
に、焼成温度が820℃のものと866℃のものの消臭
性能はほぼ同等であり、焼成温度が900℃を超え、高
くなるにつれて、消臭性能が低くなることが確認され
た。
【0044】図10は、上記実施例16〜19の消臭剤
の硫化水素に対する消臭性能試験において、試験開始か
ら5分経過後の硫化水素の臭気残存率(%)を各消臭剤
の焼成温度(℃)に対してプロットしたグラフである。 −実施例20− 実施例1において、気孔増加剤の小麦粉を全く用いない
ようにしたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を
得た。
の硫化水素に対する消臭性能試験において、試験開始か
ら5分経過後の硫化水素の臭気残存率(%)を各消臭剤
の焼成温度(℃)に対してプロットしたグラフである。 −実施例20− 実施例1において、気孔増加剤の小麦粉を全く用いない
ようにしたこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を
得た。
【0045】−実施例21− 実施例1において、気孔増加剤として用いた小麦粉の使
用量を10重量部(結合材に対する添加率10%)に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。 −実施例22− 実施例1において、気孔増加剤として用いた小麦粉の使
用量を20重量部(結合材に対する添加率20%)に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
用量を10重量部(結合材に対する添加率10%)に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。 −実施例22− 実施例1において、気孔増加剤として用いた小麦粉の使
用量を20重量部(結合材に対する添加率20%)に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。
【0046】−実施例23− 実施例1において、気孔増加剤として用いた小麦粉の使
用量を40重量部(結合材に対する添加率40%)に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。実施例1および実施例20〜23で得られた消臭剤
について、アンモニアに対する消臭性能試験を前記と同
様にして行った。ただし、アンモニアの初期濃度は10
0ppmであった。
用量を40重量部(結合材に対する添加率40%)に変
更したこと以外は実施例1と同様にして、消臭剤を得
た。実施例1および実施例20〜23で得られた消臭剤
について、アンモニアに対する消臭性能試験を前記と同
様にして行った。ただし、アンモニアの初期濃度は10
0ppmであった。
【0047】その結果を図11に示した。図11にみる
ように、気孔増加剤を用いた場合は、気孔増加剤を用い
ない場合に比べて、アンモニアに対する消臭性能が高く
なることが確認された。次に、硫化水素に対する消臭力
の再生機能の有無を以下の方法により調べた。実施例2
の消臭剤をサンプルとし、これについて、硫化水素に対
する消臭性能試験を前記と同様にして行った。硫化水素
ガスの初期濃度は4000ppmであり、試験開始から
10分経過後に臭気残存濃度を測定し、この測定が1回
終了すると、同じ方法で再び硫化水素を4000ppm
注入し、この注入後、10分経過してから再び臭気残存
濃度を測定した。これを何回も繰り返して行い、消臭剤
の性能が劣化するまで続けた。ただし、消臭剤サンプル
は2つ用意し、そのうちの1つについては、臭気残存濃
度の1回目の測定試験が終了するとすぐに2回目の測定
試験を行い、2回目の測定試験が終了するとすぐに3回
目の測定試験を行うというように、上記繰り返し試験を
連続して行った。もう1つのサンプルについては、臭気
残存濃度の1回目の測定試験が終了すると、それから2
4時間後に2回目の測定試験を行い、2回目の測定試験
が終了すると、それから24時間後に3回目の測定試験
を行うというように、上記繰り返し試験を24時間間隔
で行った。
ように、気孔増加剤を用いた場合は、気孔増加剤を用い
ない場合に比べて、アンモニアに対する消臭性能が高く
なることが確認された。次に、硫化水素に対する消臭力
の再生機能の有無を以下の方法により調べた。実施例2
の消臭剤をサンプルとし、これについて、硫化水素に対
する消臭性能試験を前記と同様にして行った。硫化水素
ガスの初期濃度は4000ppmであり、試験開始から
10分経過後に臭気残存濃度を測定し、この測定が1回
終了すると、同じ方法で再び硫化水素を4000ppm
注入し、この注入後、10分経過してから再び臭気残存
濃度を測定した。これを何回も繰り返して行い、消臭剤
の性能が劣化するまで続けた。ただし、消臭剤サンプル
は2つ用意し、そのうちの1つについては、臭気残存濃
度の1回目の測定試験が終了するとすぐに2回目の測定
試験を行い、2回目の測定試験が終了するとすぐに3回
目の測定試験を行うというように、上記繰り返し試験を
連続して行った。もう1つのサンプルについては、臭気
残存濃度の1回目の測定試験が終了すると、それから2
4時間後に2回目の測定試験を行い、2回目の測定試験
が終了すると、それから24時間後に3回目の測定試験
を行うというように、上記繰り返し試験を24時間間隔
で行った。
【0048】その結果を図12に示した。硫化水素40
00ppmを消臭させると、消臭剤は茶色から藍色に変
色した。しかし、それを24時間、大気中に放置する
と、元の茶色に戻った。図12にみるように、上記試験
を連続して繰り返した消臭剤サンプルは、試験の繰り返
し回数が7回で全く硫化水素を消臭しなくなった(飽和
状態になった)。これに対し、上記試験を24時間間隔
で繰り返した消臭剤サンプルは、試験の繰り返し回数が
2〜7回では消臭力が上記のサンプルを上回り、繰り返
し回数が8回で消臭力がなくなった(繰り返し回数が7
回まで消臭力を持続した)。また、上述の色の変化よ
り、飽和状態になったサンプルでも長時間大気中に放置
すると元の茶色に戻ることから、実施例2で得られた消
臭剤は、再生機能を有することが確認された。
00ppmを消臭させると、消臭剤は茶色から藍色に変
色した。しかし、それを24時間、大気中に放置する
と、元の茶色に戻った。図12にみるように、上記試験
を連続して繰り返した消臭剤サンプルは、試験の繰り返
し回数が7回で全く硫化水素を消臭しなくなった(飽和
状態になった)。これに対し、上記試験を24時間間隔
で繰り返した消臭剤サンプルは、試験の繰り返し回数が
2〜7回では消臭力が上記のサンプルを上回り、繰り返
し回数が8回で消臭力がなくなった(繰り返し回数が7
回まで消臭力を持続した)。また、上述の色の変化よ
り、飽和状態になったサンプルでも長時間大気中に放置
すると元の茶色に戻ることから、実施例2で得られた消
臭剤は、再生機能を有することが確認された。
【0049】−比較例2〜6− 活性炭ハニカム、N処理粒状活性炭、やしがら活性炭、
アスコルビン酸処理鉄多孔体、酸化金属系触媒ハニカム
をそれぞれ比較例2〜6の消臭剤とした。実施例2で得
られた消臭剤および比較例2〜6の消臭剤について、ア
ンモニアおよび硫化水素に対する50%消臭容量と10
0%消臭容量を下記の方法により調べた。
アスコルビン酸処理鉄多孔体、酸化金属系触媒ハニカム
をそれぞれ比較例2〜6の消臭剤とした。実施例2で得
られた消臭剤および比較例2〜6の消臭剤について、ア
ンモニアおよび硫化水素に対する50%消臭容量と10
0%消臭容量を下記の方法により調べた。
【0050】上記各消臭剤を用い、前述した消臭力の再
生機能試験と同様の方法で、悪臭ガスを注入してから1
0分経過後の臭気残存濃度の測定を、消臭剤が全く消臭
力を示さなくなるまで繰り返して行った。この試験は、
消臭剤各々に対し、悪臭ガスがアンモニアの場合と、悪
臭ガスが硫化水素の場合のそれぞれについて行い、悪臭
ガスの注入初期濃度はいずれも300ppmに設定し
た。なお、50%消臭容量は、悪臭ガスの初期濃度を3
00ppmとし、1回目の測定における悪臭ガスの注入
10分後の臭気残存濃度を0ppmとすると、臭気残存
濃度が(300−0)/2ppmに達するまでに消臭し
た量と定義される。また、100%消臭容量は、消臭剤
が消臭力を全く示さなくなるまでに消臭した量と定義す
る。50%消臭容量は、破過時間(消臭力が全くなるま
での時間)が長い程、100%消臭容量に近い値を示
す。50%消臭容量と100%消臭容量の差が小さいも
のが好ましい消臭剤とされる。
生機能試験と同様の方法で、悪臭ガスを注入してから1
0分経過後の臭気残存濃度の測定を、消臭剤が全く消臭
力を示さなくなるまで繰り返して行った。この試験は、
消臭剤各々に対し、悪臭ガスがアンモニアの場合と、悪
臭ガスが硫化水素の場合のそれぞれについて行い、悪臭
ガスの注入初期濃度はいずれも300ppmに設定し
た。なお、50%消臭容量は、悪臭ガスの初期濃度を3
00ppmとし、1回目の測定における悪臭ガスの注入
10分後の臭気残存濃度を0ppmとすると、臭気残存
濃度が(300−0)/2ppmに達するまでに消臭し
た量と定義される。また、100%消臭容量は、消臭剤
が消臭力を全く示さなくなるまでに消臭した量と定義す
る。50%消臭容量は、破過時間(消臭力が全くなるま
での時間)が長い程、100%消臭容量に近い値を示
す。50%消臭容量と100%消臭容量の差が小さいも
のが好ましい消臭剤とされる。
【0051】その結果を、アンモニアに対する消臭容量
については図13に、硫化水素に対する消臭容量につい
ては図14にそれぞれ示した。図13および14にみる
ように、比較例2〜6の消臭剤は、アンモニアおよび硫
化水素のいずれに対しても消臭容量が小さいか、あるい
は、これら2種の悪臭ガスのうちの一方に対しては消臭
容量が大きいが、もう一方の悪臭ガスに対しては消臭容
量が小さいのに対し、実施例2の消臭剤は、アンモニア
および硫化水素のいずれの悪臭ガスに対しても消臭容量
が大きい。また、実施例2の消臭剤は、50%消臭容量
と100%消臭容量の差が比較的小さいことが確認され
た。
については図13に、硫化水素に対する消臭容量につい
ては図14にそれぞれ示した。図13および14にみる
ように、比較例2〜6の消臭剤は、アンモニアおよび硫
化水素のいずれに対しても消臭容量が小さいか、あるい
は、これら2種の悪臭ガスのうちの一方に対しては消臭
容量が大きいが、もう一方の悪臭ガスに対しては消臭容
量が小さいのに対し、実施例2の消臭剤は、アンモニア
および硫化水素のいずれの悪臭ガスに対しても消臭容量
が大きい。また、実施例2の消臭剤は、50%消臭容量
と100%消臭容量の差が比較的小さいことが確認され
た。
【0052】−実施例24− 実施例1において、金属酸化物触媒としてCuO30重
量部の代わりにMnO 2 を同量用いるとともに、焼成物
に含浸させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水
溶液の代わりに濃度30重量%の硫酸ヒドラジン水溶液
を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、消
臭剤を得た。
量部の代わりにMnO 2 を同量用いるとともに、焼成物
に含浸させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸水
溶液の代わりに濃度30重量%の硫酸ヒドラジン水溶液
を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、消
臭剤を得た。
【0053】−実施例25− 実施例24において、焼成物に含浸させる薬剤として濃
度30重量%の硫酸ヒドラジン水溶液の代わりに濃度3
0重量%のポリアミン水溶液を用いるようにした以外
は、実施例24と同様にして、消臭剤を得た。 −比較例7− 実施例1において、金属酸化物触媒としてCuO30重
量部の代わりにMnO 2 を同量用いたが、焼成物にはク
エン酸水溶液は含浸しないようにした。それ以外は、実
施例1と同様にして、消臭剤(MnO2 含有ハニカム)
を得た。
度30重量%の硫酸ヒドラジン水溶液の代わりに濃度3
0重量%のポリアミン水溶液を用いるようにした以外
は、実施例24と同様にして、消臭剤を得た。 −比較例7− 実施例1において、金属酸化物触媒としてCuO30重
量部の代わりにMnO 2 を同量用いたが、焼成物にはク
エン酸水溶液は含浸しないようにした。それ以外は、実
施例1と同様にして、消臭剤(MnO2 含有ハニカム)
を得た。
【0054】これについての臭気残存率(白抜記号グラ
フ)を実施例24、25の消臭剤の結果(黒記号グラ
フ)と比較した。対象とする臭気はアセトアルデヒドで
ある。結果は図15に示すようであって、硫酸ヒドラジ
ンやポリアミンを含浸したものは消臭性能が向上してい
た。 −実施例26− 実施例1において、金属酸化物触媒としてCuO30重
量部の代わりにFe2O3 を同量用いるとともに、焼成
物に含浸させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸
水溶液の代わりに濃度2mol/lの塩化第二鉄水溶液
を用いるようにした以外は実施例1と同様にして、消臭
剤を得た。
フ)を実施例24、25の消臭剤の結果(黒記号グラ
フ)と比較した。対象とする臭気はアセトアルデヒドで
ある。結果は図15に示すようであって、硫酸ヒドラジ
ンやポリアミンを含浸したものは消臭性能が向上してい
た。 −実施例26− 実施例1において、金属酸化物触媒としてCuO30重
量部の代わりにFe2O3 を同量用いるとともに、焼成
物に含浸させる薬剤として濃度3mol/lのクエン酸
水溶液の代わりに濃度2mol/lの塩化第二鉄水溶液
を用いるようにした以外は実施例1と同様にして、消臭
剤を得た。
【0055】この消臭剤について硫化水素に対する消臭
性能を調べたところ、図16に黒丸印グラフで示すよう
であって、消臭性能を有していた。なお、図16では、
参考のために、実施例1〜3の消臭剤の性能試験結果
(白抜記号グラフ)を併記しておいた。 −実施例27− 実施例1において、金属酸化物触媒としてCuO30重
量部の代わりにMnO 2 を同量用いるようにした以外
は、実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
性能を調べたところ、図16に黒丸印グラフで示すよう
であって、消臭性能を有していた。なお、図16では、
参考のために、実施例1〜3の消臭剤の性能試験結果
(白抜記号グラフ)を併記しておいた。 −実施例27− 実施例1において、金属酸化物触媒としてCuO30重
量部の代わりにMnO 2 を同量用いるようにした以外
は、実施例1と同様にして、消臭剤を得た。
【0056】このものについてオゾン臭の分解効果をワ
ンパス実験で調べたところ、図17に示すようであっ
て、効果のあることが分かった。
ンパス実験で調べたところ、図17に示すようであっ
て、効果のあることが分かった。
【0057】
【発明の効果】この発明にかかる消臭剤は、日常の生活
環境におけるアンモニア、硫化水素、アミン類、メルカ
プタン類、アルデヒド類、酢酸、オゾン等の悪臭物質の
消臭に有効であり、常温付近(0〜50℃)においても
消臭効果および消臭能力の持続性が優れ、二次汚染がな
く、取り扱い性が容易で、一般家庭で用いることのでき
るものとなっている。
環境におけるアンモニア、硫化水素、アミン類、メルカ
プタン類、アルデヒド類、酢酸、オゾン等の悪臭物質の
消臭に有効であり、常温付近(0〜50℃)においても
消臭効果および消臭能力の持続性が優れ、二次汚染がな
く、取り扱い性が容易で、一般家庭で用いることのでき
るものとなっている。
【図1】実施例1〜3の消臭剤のアンモニアに対する消
臭性能試験の結果を示すグラフである。
臭性能試験の結果を示すグラフである。
【図2】実施例1〜3の消臭剤の硫化水素に対する消臭
性能試験の結果を示すグラフである。
性能試験の結果を示すグラフである。
【図3】実施例1〜3の消臭剤のメチルメルカプタンに
対する消臭性能試験の結果を示すグラフである。
対する消臭性能試験の結果を示すグラフである。
【図4】実施例1〜3の消臭剤のトリメチルアミンに対
する消臭性能試験の結果を示すグラフである。
する消臭性能試験の結果を示すグラフである。
【図5】実施例2の消臭剤(CuOの混練率30%)お
よび比較例1の消臭剤(CuOの混練率0%)の硫化水
素に対する消臭性能試験の結果を示すグラフである。
よび比較例1の消臭剤(CuOの混練率0%)の硫化水
素に対する消臭性能試験の結果を示すグラフである。
【図6】実施例2の消臭剤について、ハニカムのセル数
と硫化水素に対する消臭性能との関係を調べた結果を示
すグラフである。
と硫化水素に対する消臭性能との関係を調べた結果を示
すグラフである。
【図7】実施例4〜10の消臭剤を用い、焼成温度と吸
水率および気孔率との関係を調べた結果を示すグラフで
ある。
水率および気孔率との関係を調べた結果を示すグラフで
ある。
【図8】実施例11〜15の消臭剤を用い、気孔増加剤
の添加率と吸水率および気孔率との関係を調べた結果を
示すグラフである。
の添加率と吸水率および気孔率との関係を調べた結果を
示すグラフである。
【図9】実施例16〜19の消臭剤の硫化水素に対する
消臭性能試験を行い、焼成温度と硫化水素に対する消臭
性能との関係を調べた結果を示すグラフである。
消臭性能試験を行い、焼成温度と硫化水素に対する消臭
性能との関係を調べた結果を示すグラフである。
【図10】上述した実施例16〜19の消臭剤の硫化水
素に対する消臭性能試験において、試験開始から5分経
過後の硫化水素の臭気残存率(%)を各消臭剤の焼成温
度(℃)に対してプロットしたグラフである。
素に対する消臭性能試験において、試験開始から5分経
過後の硫化水素の臭気残存率(%)を各消臭剤の焼成温
度(℃)に対してプロットしたグラフである。
【図11】実施例1および実施例20〜23の消臭剤の
アンモニアに対する消臭性能試験を行い、気孔増加剤の
添加率とアンモニアに対する消臭性能との関係を調べた
結果を示すグラフである。
アンモニアに対する消臭性能試験を行い、気孔増加剤の
添加率とアンモニアに対する消臭性能との関係を調べた
結果を示すグラフである。
【図12】実施例2の消臭剤の硫化水素に対する消臭性
能試験を連続または24時間間隔で繰り返して行い、硫
化水素に対する消臭性能の再生機能の有無を調べた結果
を示すグラフである。
能試験を連続または24時間間隔で繰り返して行い、硫
化水素に対する消臭性能の再生機能の有無を調べた結果
を示すグラフである。
【図13】実施例2および比較例2〜6の消臭剤につい
て、硫化水素に対する消臭容量を調べた結果を示すグラ
フである。
て、硫化水素に対する消臭容量を調べた結果を示すグラ
フである。
【図14】実施例2および比較例2〜6の消臭剤につい
て、硫化水素に対する消臭容量を調べた結果を示すグラ
フである。
て、硫化水素に対する消臭容量を調べた結果を示すグラ
フである。
【図15】実施例24〜25および比較例7の消臭剤の
アセトアルデヒドに対する消臭性能を調べた結果を示す
グラフである。
アセトアルデヒドに対する消臭性能を調べた結果を示す
グラフである。
【図16】実施例26の消臭剤の硫化水素に対する消臭
性能を調べた結果を示すグラフである。
性能を調べた結果を示すグラフである。
【図17】実施例27の消臭剤のオゾンに対する消臭性
能試験の結果を示すグラフである。
能試験の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 久光 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 山田 景一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 阪上 善胤 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 河村 忠勇 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 山内 俊幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 Mg、SiおよびAlを含み、これらの
元素の重量比が酸化物換算でコージェライトの理論組成
に対応するMgO:SiO2 :Al2 O3 =2:5:2
である結合材と金属酸化物触媒との混合物の焼成物から
なる消臭剤。 - 【請求項2】 結合材と金属酸化物触媒との混合物が気
孔増加剤を含むものである請求項1記載の消臭剤。 - 【請求項3】 金属酸化物触媒が遷移金属の酸化物であ
る請求項1または2記載の消臭剤。 - 【請求項4】 焼成物に薬剤が含浸されている請求項1
から3までのいずれかに記載の消臭剤。 - 【請求項5】 薬剤が、クエン酸、ピロカテコール、ジ
チオカルバミン酸、チオ尿素、金属塩化物およびアミノ
化合物からなる群の中から選ばれた少なくとも1種であ
る請求項4記載の消臭剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4305320A JPH06121823A (ja) | 1992-08-26 | 1992-11-16 | 消臭剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-227610 | 1992-08-26 | ||
JP22761092 | 1992-08-26 | ||
JP4305320A JPH06121823A (ja) | 1992-08-26 | 1992-11-16 | 消臭剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06121823A true JPH06121823A (ja) | 1994-05-06 |
Family
ID=26527778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4305320A Pending JPH06121823A (ja) | 1992-08-26 | 1992-11-16 | 消臭剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06121823A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006200086A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Hodogaya Chem Co Ltd | 染色および消臭機能の付与された布帛 |
JP2011245398A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Ohbayashi Corp | ガス状アンモニア吸着除去材、ガス状アンモニア吸着除去材の製造方法、および、ガス状アンモニア吸着除去材を用いたアンモニア除去方法 |
JP2017025190A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 石塚硝子株式会社 | 消臭性フィルム及び消臭機能を持つ袋 |
-
1992
- 1992-11-16 JP JP4305320A patent/JPH06121823A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006200086A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Hodogaya Chem Co Ltd | 染色および消臭機能の付与された布帛 |
JP2011245398A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Ohbayashi Corp | ガス状アンモニア吸着除去材、ガス状アンモニア吸着除去材の製造方法、および、ガス状アンモニア吸着除去材を用いたアンモニア除去方法 |
JP2017025190A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 石塚硝子株式会社 | 消臭性フィルム及び消臭機能を持つ袋 |
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