JPH06121681A - 形質転換された枯草菌によるネオプルラナーゼの製造法 - Google Patents

形質転換された枯草菌によるネオプルラナーゼの製造法

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JPH06121681A
JPH06121681A JP5085761A JP8576193A JPH06121681A JP H06121681 A JPH06121681 A JP H06121681A JP 5085761 A JP5085761 A JP 5085761A JP 8576193 A JP8576193 A JP 8576193A JP H06121681 A JPH06121681 A JP H06121681A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、多糖体プルラン及びでん粉のα
−1,4およびα−1,6グリコシド結合を切断する能
力をもつネオプルラナーゼ(本願においてネオプルラナ
ーゼとは、後述する通り、バチルスサーモフイルスTR
S40が生産するプルラナーゼ類似の酵素をいう)をコ
ードするDNA断片を有するプラスミドを使ってネオプ
ルラナーゼを効率よく製造する方法に関するものであ
る。 【構成】 バチルス ステアロサーモフイルス(Bacill
us stearothermophilus)TRS40(微工研菌寄託第9
609号)の染色体DNAを制限酵素ヒンドIII(Hi
nd III)により処理して得られるネオプルラナーゼを
コードするDNA断片とヒンドIII で処理して得られた
ベクター断片を結合させた分子量2,2Mdの組換えD
NAを複製維持した枯草菌を栄養培地で培養し、その培
養物からネオプルラナーゼを回収することを特徴とする
形質転換された枯草菌によるネオプルラナーゼの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多糖体プルラン及び
でん粉のα−1,4およびα−1,6グルコシド結合を
切断する能力をもつネオプルラナーゼ(本願においてネ
オプルラナーゼとは、後述する通り、バチルスサーモフ
イルスTRS40が生産するプルラナーゼ類似の酵素を
いう)をコードするDNA断片を有するプラスミドを使
ってネオプルラナーゼを効率よく製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術および本発明が解決しようとする問題点】
従来、プルランに作用する酵素としては、プルランの末
端からグルコース単位で作用するグルコアミラーゼ、α
−1,6グルコシド結合だけを切断するプルラナーゼ、
プルラン中のα−1,4グルコシド結合を切断しイソパ
ノースを与えるイソプルラナーゼ、パノース(62 −α
−Glucosyl maltose)を生成するサー
モアクチノミセス ヴルガリカス(Thermoactinomyces
vulgaricus) のアミラーゼ(TVA)などが知られてい
る。
【0003】本発明の酵素はプルランに作用してパノー
スを生成する点ではTVAと同様であるが、同時に本酵
素はグルコース、マルトースを生成する点で全くTVA
と異り、新しい作用特異性をもつ新規酵素である。また
本酵素はでん粉にも作用しα−アミラーゼの一種ともい
える。α−アミラーゼはでん粉糖化産業などにおいて広
く用いられる酵素であるので、本酵素単独乃至は他の各
種酵素と混合使用することにより色々な用途が開発され
るものと期待される。
【0004】
【問題点を解決するための手段および作用】本発明は新
規なプラスミドを有する枯草菌を利用して耐熱性のネオ
プルラナーゼを製造する方法に関するものである。
【0005】本発明者等は、プルランを分解し主として
パノースを生成する耐熱性のあるネオプルラナーゼを分
泌するバチルス ステアロサーモフイルスTRS40を
大阪市鶴見区の堆肥より分離したのであるが、本酵素は
従来報告されているどのプルラナーゼともその活性が異
っており、本発明者等によってネオプルラナーゼと命名
された酵素である。なお、バチルス ステアロサーモフ
イルスTRS40は次のような菌学的性質を有してい
る。
【0006】一、形態学的性質 1)細胞の形及び大きさ……(0.6〜1.0)×(2
〜3.5)μの桿菌。連鎖性なく莢膜は少い。加糖肉汁
寒天培地では肉汁寒天培地と同一の桿菌の形を示す。 2)運動性……あり。 3)胞子……(0.4〜0.5)×(0.5〜0.6)
μの長円形で末端付近に存在し膜壁はうすい。60℃・
16時間で形成するものが多い。胞子のうのふくらみは
認められる。 4)グラム染色性……陽性。
【0007】二、生育状態 1)肉汁寒天平板培養……生育良好。表面はやや乾き白
色に近い。 2)肉汁寒天斜面培養……拡布状となり表面の光沢な
し。 3)肉汁液体培養……PH7.0で生育良好。液は混濁
する。 4)ゼラチン穿刺培養……ゼラチンを液化する。 5)食塩肉汁液体培養……7%の食塩水濃度では生育し
ない。 6)グルコース・アスパラギン寒天培地……生育不良。 7)グルコース・ナイトレイト寒天培地……僅かに生
育。
【0008】三、生理学的性質 1)硝酸塩の還元……陽性。 2)でん粉の加水分解……でん粉を含むシヤーレ上で生
育させるときヨード呈色は陰性。 3)クエン酸の醗酵性……陽性。 4)カタラーゼの生成……陰性。 5)生育の範囲……トリプシン、酵母エキス、食塩を含
む培地で65℃まで生育。最適生育温度は60℃。 6)糖の醗酵性……グルコース、ラクトース、しょ糖か
ら酸を形成。ただし、ガス発生を伴わない。 7)アセチルメチルカルビノールの生成……陽性。 8)ゼラチンの分解……陽性。
【0009】以上の結果をバージエーのマニアル・オブ
・システマテイック・バクテリオデターミネーション第
2巻(Bergey's Manual of Systematic Bacteriodeterm
ination vol 2.(1986)) と照合して本菌はバチルス ス
テアロサーモフイルス(Bacillus stearothermophilus)
と同定した。
【0010】つぎに本菌株の生産する酵素を詳細に説明
する。 一、作用及び基質特異性 本酵素はプルランに作用し、最終的にパノース、グルコ
ース、マルトースを生じる。量的にはパノースが最も多
い。
【0011】でん粉に作用させると主としてマルトース
とグルコースを生じるが、反応後期には分枝デキストリ
ンとしてパノース及びイソマルトシルマルトース(isom
altosyl maltose 略称IMM)を生成する。還元糖の生
成に較べてヨード呈色の減少が速かでα−アミラーゼの
一種と考えられる。一般にα−アミラーゼは比較的でん
粉をよく加水分解する糖化型と、でん粉の液化速度は大
きいが糖化度の低い液化型に大別される。そして、前者
をでん粉に作用させた場合、得られる最小の低分子リミ
ットデキストリンはIMMである。本発明の酵素はでん
粉に作用させると最初からグルコースやマルトースを生
成し、糖化型のグループに属するが、最小のリミットデ
キストリンはIMMではなくパノースである。この点に
おいて著だ特異なα−アミラーゼである。更に、本酵素
はプルランとでん粉に同濃度、同条件で作用させると、
プルランに対してでん粉に対すると同等もしくはそれ以
上に作用する。TVAはでん粉への作用の方がプルラン
への作用より著しく大きい。この意味でTVAはα−ア
ミラーゼの一種と考えられるのに対し、本酵素はプルラ
ナーゼの一種であり、これを従来のプルラナーゼと区別
するため、ネオプルラナーゼと命名した。
【0012】また、本酵素をβ−サイクロデキストリン
にマルトースがα−1,6グルコシル結合で結合したマ
ルトシル−β−サイクロデキストリンに作用させると、
まずそのα−1,6結合を切断し、マルトースとβ−サ
イクロデキストリンを生じる。ついでβ−サイクロデキ
ストリンも再分解を受け、グルコース、マルトース及び
マルトトリオースを与える。
【0013】即ち、本酵素は主としてマルトースを認識
し、マルトースがα−1,4結合で結合していてもα−
1,6結合で結合していても、その結合を切断する新し
い作用特異性をもつ酵素と考えることができる。
【0014】二、作用PH PH5.0〜7.5。測定は0.05M酢酸ナトリウム
−酢酸緩衝液(PH4〜6)又はリン酸2ナトリウム−
リン酸1カリウム緩衝液(PH6〜8)を用い、0.5
%プルラン中で60℃、15分間反応させる。生成した
還元糖はDNS法で測定。
【0015】三、作用最適PH 前記二の条件でおよそPH6.0。
【0016】四、作用温度 0.1Mリン酸緩衝液(PH6.0)、0.5%プルラ
ン中で各種温度下15分間反応させたところ、75℃ま
で反応した。
【0017】五、作用最適温度 前記の条件下60〜65℃であった。
【0018】六、熱安定性 0.2M酢酸緩衝液(PH6.0)中で各種温度で60
分間加熱し残存活性を測定したところ、65℃において
60%の活性が残存していた。更にこの系に1mM,E
DTAを加えると90%以上活性は残存した。
【0019】七、PH安定性 PH5.5より9.0の間で安定(各種緩衝液を用いP
Hを調整し、60℃・60分放置後、PH7.0に調整
し残存活性を測定した)。
【0020】八、精製方法 培養上澄液を硫安分画(35〜60%飽和)した後、沈
でん物を少量の水に溶解し透析後、PH8.0でDEA
E−celluloseに吸着させた。ついで食塩濃度
を0.6Mまで漸次上昇させて酵素を溶出した。さらに
セフアデックスG−200のカラムクロマトグラフィー
を2回繰返した後、α−サイクロデキストリンを結合し
たセフアロース6B(Sepharose 6B) カラムでアフイニ
テイクロマトグラフイを行った。
【0021】溶出液の蛋白質の吸収は1個のピークを示
し、酵素活性のピークと完全に一致した。この活性区分
をSDS−PAGEにより電気泳動を行うと単一バンド
を示した。
【0022】九、分子量 62000dalton(SDS−PAGE法)
【0023】十、生産物 プルランからはパノースの他グルコース、マルトースを
与えた。また、でん粉からグルコース、マルトース、パ
ノース、IMMを与えた。
【0024】十一、力価測定方法 1%プルラン(0.2M酢酸緩衝液(PH6.0)に溶
解)0.25mlに酵素液0.25mlを加え、60℃
・15分間反応させ、生ずる還元力の増加をDNS法に
より定量した。上記反応で1分間当り1μmolの還元
糖を生ずる酵素力を1単位とした。
【0025】以上の理化学的性質から、本発明酵素はこ
れまでに報告されたことのない新規なプルラナーゼであ
るといえる。
【0026】本発明では、かかる耐熱性のあるネオプル
ラナーゼの遺伝子をバチルス ステアロサーモフイル
ス、殊にバチルス ステアロサーモフイルスTRS40
から調製し、制限酵素ヒンドIII を用いて切断する。ヒ
ンドIII を使用するのは、酵素の分子量の大きさ、生成
蛋白質の細胞外への分泌に必要なキヤリアー蛋白質に相
当する遺伝情報(シグナル配列)などを有効に保持した
遺伝子の断片が得られるためである。切断処理法は常法
による。
【0027】切断した断片をショットガン方式でペクタ
ープラスミド、たとえばpTB522(Journal of Gen
eral Microbiology 、第131巻、第1757頁、19
85年刊行に記載あり)に組換え、枯草菌を宿主として
複製維持できる組換えプラスミドを作成する。目的とす
るプラスミドは、分子量約2.2Mdで制限酵素Eco
RIに対する切断箇所が2ケ所であり、EcoRIで処
理したときのDNA断片の分子量が0.8、0.4及び
1.0(Md)で示されうるDNA断片を含む組換えプ
ラスミドである。さらに具体的には、該DNA断片を前
記pTB522に組込み、本発明者等によってpPP1
0と命名された組換えプラスミドは、遺伝子工学的一般
的な手法により目的物質生産を可能とするための所望性
質(コピー数、薬剤耐性の種類、各種制限酵素の切断箇
所など)を有する。このプラスミドpPP10の制限酵
素地図は添付の図1に示す。
【0028】前述の組換えプラスミドで形質転換せしめ
た宿主枯草菌はアミラーゼ生産能を失った枯草菌であれ
ば菌株の如何を問わず利用できる。かかる欠損株は常法
により容易に取得できる。
【0029】本発明は枯草菌を使用したネオプルラナー
ゼの製造法に関するものである。即ち、組換えDNAを
維持する菌が生育しうる栄養培地として、たとえば炭素
源としてでん粉、可溶性でん粉、デキストリン、酸処理
でん粉などの炭水化物を1〜10%、窒素源として大豆
粕、大豆粕抽出物、乾燥酵母、ミルクカゼイン、ペプト
ン、肉エキス、コーンステイープリカー、ペプチド含有
物、アミノ酸類の単独ないし適宜の混和物を添加し、そ
の他必要に応じて少量の無機塩類を適量添加したものを
使い、これに菌体を接種し、PH6.5〜7.3、37
℃で24〜72時間通気攪拌培養することにより、ネオ
プルラナーゼを生育蓄積せしめるのである。この培養物
からネオプルラナーゼを回収・精製するには、培養濾液
を硫安により分画・沈でん、アルコール沈でん、膜濃縮
法などの通常の手段によって行えばよい。
【0030】
【実施例】
実施例1(組換えプラスミドの生成と形質転換された枯
草菌の培養) まずバチルス ステアロサーモフイルスTRS40の染
色体DNAを以下により調製する。
【0031】バチルス ステアロサーモフイルスTRS
40を100mlL培地を含む500ml容フラスコ中
で一夜、60℃で培養した。これを遠心集菌し、20m
lのTE緩衝液(10mMトリス、1mM・EDTA、
PH8.5)で洗浄し、3mlの15%しよ糖−50m
Mトリス(PH8.5)−50M・EDTA−1mg/
mlリゾチームに懸濁し、氷中で30分間静置した。こ
れに3mlの1%ザルコシル−50mMトリス(PH
8.5)−50mM・EDTAを添加し、混合した。つ
いで5.4gCsClを加え0.3mlのエチジウムブ
ロマイド液(10mg/ml)を加え、RP65Tロー
ター(日立製作所製)で超遠心場で分離した。超遠心終
了後、DNA区分を注射針で抜き取り、n−ブタノール
で3回抽出を繰り返してエチジウムブロマイドを除去し
た。このDNA試料を10mMトリス(PH7.5)−
0.1mM・EDTA中で透析し4℃で保存した。
【0032】次いで以下の通りに制限酵素及びリガーゼ
で処理してベクタープラスミドを調製する。即ち、一方
では枯草菌を宿主として複製維持できるベクタープラス
ミドpTB522(テトラサイクリン耐性)を常法によ
り調製し、ついでバチルスステアロサーモフイルスTR
S40の染色体DNA及びpTB522を制限酵素ヒン
ドIII で切断する。その反応条件は次の通りである。
【0033】 TRS40DNA 30μl 10×Hind III緩衝液 10μl (A) 牛血清アルブミン(5mg/ml) 2μl 水 56μl Hind III溶液 2μl
【0034】pTB522 10
μl 10×Hind III緩衝液 10μl (B) 牛血清アルブミン(5mg/ml) 2μl 水 76μl Hind III溶液 2μl
【0035】表中、10×Hind III緩衝液とは、1
00mMトリス(PH7.4)、100mMMgC
2 、500mMNaCl、10mMジチオスレイトー
ルを含む。
【0036】上記溶液で37℃・1.5〜2時間反応さ
せる。上記で得られるA、B、2種類のDNAを混合
し、3M酢酸カリウム20μl加え、その後エタノール
0.45mlを加えて遠心し、上澄を除いた。沈でんは
エタノールで洗浄し、脱水・脱塩し、デシケーターで乾
燥した。この乾燥物に2×リガーゼ緩衝液(132mM
トリス(PH7.6)−13.2M・Mgcl2 )10
0μl、100mMジチオスレイトール20μl、5m
M・ATP20μl、水60μlを加え混合した後、D
NAリガーゼ1μlを加え、8℃・16時間保ち、DN
A溶液とした。
【0037】第3段階としては、上述のベクターを枯草
菌に導入してクローニングする段階である。
【0038】バチルス ズブチリスNA1は、通常の変
異処理により得られるアミラーゼ欠損株の1つであるが
(日本農芸化学会昭和61年度京都大会にて発表。講演
番号2A−22)、これをL培地で一夜培養した後、そ
の1mlを100ml容フラスコ内のTFI培地20m
lに植菌する。
【0039】これを37℃で培養し、対数増殖期を外れ
てから1時間後、500ml容フラスコ内のTFII培地
36mlに4ml植菌し、1.5時間培養してコンピテ
ントセルを得る。
【0040】TFI、TFII培地は夫々以下の通りであ
る。
【0041】このコンピテント セル1mlに前述によ
り得られたDNA溶液を混合し、37℃・30分間激し
く振盪培養後、遠心集菌し、L培地1mlを加えて37
℃・1.5時間振盪培養する。その培養液を100μl
づつテトラサイクリン25μg/mlを含む寒天平板に
塗抹し、37℃1夜培養し、形質転換体を得た。
【0042】この形質変換体をPLL寒天平板(1%プ
ルラン、0.2%トリプトン、0.2%イーストエキ
ス、0.2%Nacl、1.5%寒天(PH7.3))
にレプリカし、37℃1夜培養後、平板上にエタノール
を注ぎ数時間放置し、ハローを形成するコロニーを取得
した。このクローン株の保持する組換えプラスミドをp
PP10と命名した。
【0043】実施例2(ネオプルラナーゼの製造) 実施例1により得られたpPP10を保持するバチルス
ズブチリスNA1を2.5%可溶性でん粉を含むL培
地(2.5μg/mlテトラサイクリン含有)にて37
℃・24時間培養した。培養液を遠心分離して上澄を採
り60℃・15分間加熱処理をした。この段階で培養上
澄液中の蛋白質は殆んど耐熱性のネオプルラナーゼのみ
であることが、SDSポリアクリルアミド電気泳動によ
り確認された。
【0044】ネオプルラナーゼ活性測定法により関連菌
株を測定したところ、次のようであった。
【0045】組換えプラスミドpPP10を保持するバ
チルス ズブチリスNA1より得たネオプルラナーゼ
は、60℃、65℃で夫々60分間熱処理したところ、
夫々90%以上、60%程度の酵素活性を維持してお
り、耐熱性に富むことが確認された。
【0046】
【発明の効果】一般に好熱菌であるバチルス ステアロ
サーモフイルスは、枯草菌に較べ培養時の最終菌体濃度
が低く、菌体生産物を大量に取得するのが比較的困難で
ある。そこで本発明ではバチルス ステアロサーモフイ
ルス中の耐熱性酵素であるネオプルラナーゼの遺伝子を
枯草菌に組込むことにより、ネオプルラナーゼを大量に
取得することを可能としたものである。就中、バチルス
ステアロサーモフイルスTRS40のDNAをヒンド
III により処理して得られるDNA断片をpTB522
に組込んだバチルス ズブチリスNA1は本願発明を効
果的に実現可能とするものである。しかして本発明によ
るときは、宿主菌にα−アミラーゼ及びプロテアーゼ欠
損の変異株であるバチルス ズブチリスNA1を用いる
ので、培養濾液に含まれる菌体外分泌酵素は殆んど本菌
株にクローン化された耐熱性のネオプルラナーゼのみと
なり、その遺伝子が増幅されることにより、当該酵素の
生産性を顕著に向上せしめ得ることや、中温菌に好熱菌
の遺伝子がクローン化されたことにより、たとえば60
℃・15分間の加熱処理により培養濾液中の耐熱性のネ
オプルラナーゼ以外の蛋白質は殆んど変性沈でんしてし
まうことから、目的酵素の濃縮・精製はバチルス ステ
アロサーモフイルスTRS40を培養しこれから本件酵
素を濃縮・精製するよりも遙かに簡便・効率的に行うこ
とができる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】ベクタープラスミドpTB522を用いて調製
した組換えプラスミドpPP10の制限酵素地図。図
中、太線で示した2.2MdのヒンドIII 断片に相当す
る部分は、バチルス ステアロサーモフイルスTRS4
0由来の耐熱性ネオプルラナーゼ遺伝子である。ただ
し、円内の数字は分子サイズをMdで表わしたもの。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:125) (C12N 15/56 C12R 1:07)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バチルス ステアロサーモフイルス(Ba
    cillus stearothermophilus)TRS40(微工研菌寄託
    第9609号)の染色体DNAを制限酵素ヒンドIII
    (Hind III)により処理して得られるネオプルラナ
    ーゼをコードするDNA断片とヒンドIII で処理して得
    られたベクター断片を結合させた分子量2.2Mdの組
    換えDNAを複製維持した枯草菌を栄養培地で培養し、
    その培養物からネオプルラナーゼを回収することを特徴
    とする形質転換された枯草菌によるネオプルラナーゼの
    製造法。
JP5085761A 1987-12-25 1993-03-18 形質転換された枯草菌によるネオプルラナーゼの製造法 Expired - Fee Related JPH0691818B2 (ja)

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JP2014054221A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Hayashibara Co Ltd 新規α−グルカン転移酵素とそれらの製造方法並びに用途

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JP2014054221A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Hayashibara Co Ltd 新規α−グルカン転移酵素とそれらの製造方法並びに用途

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