JPH0611874U - 圧電振動子駆動回路 - Google Patents

圧電振動子駆動回路

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JPH0611874U
JPH0611874U JP5289992U JP5289992U JPH0611874U JP H0611874 U JPH0611874 U JP H0611874U JP 5289992 U JP5289992 U JP 5289992U JP 5289992 U JP5289992 U JP 5289992U JP H0611874 U JPH0611874 U JP H0611874U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電振動子の電流波形の位相を検出用抵抗の
両端の電圧波形から検出する場合、検出波形から不要な
ピークを除去し、トランス2次巻線の電圧波形と圧電振
動子の電流に対応する検出波形との位相比較を確実に実
行し、動作の安定化を図る。 【構成】 出力トランス1次巻線W1に直列にスイッチ
ング用トランジスタQ1を接続し、2次巻線W2に圧電
振動子TDとコイルCHと電流検出用抵抗Rとの直列回
路を接続し、さらに電流検出用抵抗Rに並列にコンデン
サCを接続した回路構成を備え、圧電振動子TDの電流
波形に対応した概略正弦波の検出波形を電流検出用抵抗
Rの両端に得て、2次巻線の両端に現れる電圧波形の位
相と前記概略正弦波の検出波形の位相とを比較して駆動
周波数を制御する構成である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ボルト締めランジュバン振動子等の圧電振動子を駆動するための圧 電振動子駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
先に、特開昭63−167098号において、ボルト締めランジュバン振動子 とほぼ同様な構造であって、それ自体で液体を吸い上げ、霧化する超音波ポンプ が提案されている。このような超音波ポンプは吸い上げるべき液体が負荷となり 、液体の水位変動、すなわち負荷変動によって共振点が変化するから、効率良く 駆動するためには駆動回路側の高周波出力の周波数を共振点変化に追随させる必 要がある。また、他の圧電振動子においても負荷変動に伴って共振点が変化する から同様の必要性を生じる。さらに、圧電振動子は温度条件、駆動電圧によって も共振点が変化し、周波数を追随させる必要がある。
【0003】 これらの点を考慮して、本出願人は、特開平1−293170号において、出 力トランスの1次巻線をスイッチング用トランジスタでオン、オフするとともに 、2次巻線に接続される圧電振動子に直列にチョークコイルを挿入して、該チョ ークコイルのインダクタンスを適当に設定することによって圧電振動子両端の電 圧と電流を概略正弦波とし、電流波形の位相と2次巻線両端の電圧波形の位相と を比較することにより、圧電振動子の共振点の変化に追従せしめるようにした1 石式スイッチング回路を備えた圧電振動子駆動回路を提案している。
【0004】 図4は特開平1−293170号で提案したものと同様の動作を行う従来の圧 電振動子駆動回路を示す。この圧電振動子駆動回路は、電源電圧VBに対して出 力トランスT1の1次巻線W1とスイッチング用トランジスタ(FET)Q1と を直列に接続し、2次巻線W2にチョークコイルCH、圧電振動子TD及び電流 検出用抵抗Rを接続した1石式スイッチング回路を備えている。また、トランジ スタQ1のベースには電圧制御発振器1からの方形波の駆動信号が印加されてい る。位相比較手段としての同相比較器2には、検出用抵抗Rの両端の検出波形を 増幅器3で増幅した検出出力信号が圧電振動子TDの電流波形の位相を示す信号 として印加されるとともに、前記電圧制御発振器1の駆動信号がトランス2次巻 線W2の両端の電圧波形の位相を示す信号として印加される。なお、前記出力ト ランスT1はリセット巻線Wrを有し、該リセット巻線Wrの一端にクランプ用ダ イオードD1が接続されている。
【0005】 図4の従来回路において、電圧制御発振器1の駆動信号は方形波であり、スイ ッチング用トランジスタQ1はスイッチング動作をおこなって出力トランスT1 の2次巻線W2の両端には方形波電圧が現れる。しかし、圧電振動子TDに直列 に挿入されたチョークコイルCHのインダクタンスを適当に選択することによっ て圧電振動子TD両端の電圧とTDに流れる電流を概略正弦波にすることができ る(但し、電圧と電流との間には位相差が存在する。)。
【0006】 圧電振動子TDの負荷条件、温度条件、電源電圧変動等に起因する圧電振動子 TDの共振点の変化に対応した駆動周波数の制御は、図5(A)のトランス2次巻 線W2の両端の方形波電圧V2の波形と、同図(B)に示す圧電振動子TDの概略 正弦波の電流ITDの波形との位相比較によって行なうことができる(現実には電 流ITDは後述するような不要なピークをもっているが、ここでは理想的な波形で あるものとして説明する)。すなわち、方形波電圧V2の波形のトランジスタQ 1のオンに対応する電圧極性からオフに対応する電圧極性への切替わり時点P( トランジスタQ1のオフによる電圧立ち上がり時期)と、概略正弦波の電流ITD の振動波形の極性転換時点P′(電流ITDがゼロを通過する時期)とが略一致する 如く駆動周波数を制御すればよい。これは、トランジスタQ1のオフ期間におけ る概略正弦波の電流ITDの振動周期が圧電振動子TDの持つ共振周波数frのとき の周期に一致することを利用するもので、駆動周波数と圧電振動子の共振周波数 との差が大きくなると時点P,P′の位置ずれが大きく、駆動周波数と圧電振動 子の共振周波数とが一致すると時点P,P′は一致する。なお、この時点Pと P′の関係は前記スイッチング用トランジスタQ1の1周期中のオン期間の割合 (デューティー比)を変化させた場合にも成立する。また、トランジスタQ1のデ ューティー比が50%であれば、図5(A)のトランジスタQ1のオンによる電 圧立ち下がり時期P1と、電流ITDの振動波形の極性転換時点P1′とが略一致す る如く駆動周波数を制御してもよい。現実には、圧電振動子TDの電流波形の位 相は、検出用抵抗Rの両端の検出波形の位相として検出し、2次巻線W2の両端 の方形波電圧波形の位相は、これと位相関係が等しい電圧制御発振器1の駆動信 号の位相から検出して同相比較器2で位相比較し、同相比較器2は位相差に比例 した制御電圧ΔVを前記電圧制御発振器1に加えて時点P,P′(又はP1,P1 ′)が略一致する如く電圧制御発振器1の出力である駆動信号周波数を変化させ る(同相比較器2及び電圧制御発振器1はフェーズロックループを構成する。) 。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、圧電振動子TDにチョークコイルCHを直列に接続し、両者を実質 的な直列共振状態として、できるだけ圧電振動子TDの電圧VTDと電流ITDの波 形を正弦波に近付けたとしても、実際は図6(A)のような波形となることが多 い。図6(B)は圧電振動子TDの電流ITDの波形と2次巻線両端の方形波電圧 V2の波形、同図(C)は同相比較器2内の電圧位相のロジックレベル、同図( D)は同相比較器2内の電流位相のロジックレベルである。
【0008】 とくに、前記圧電振動子TDの電流ITDの波形が立ち上り付近にて不要なピー クを持つと、同相比較器2内の電流位相波形(ロジックレベル)は図6(D)に 示す如くなり、不要なアップエッジUが発生してしまい、同相比較器2は正常に 動作できなくなり、電圧制御発振器1の出力周波数も不定となる(ランダムに変 動してしまう)。
【0009】 本考案は、上記の点に鑑み、圧電振動子の電流波形の位相を検出用抵抗の両端 の電圧波形から検出する場合、検出波形から不要なピークを除去し、トランス2 次巻線の電圧波形と圧電振動子の電流に対応する検出波形との位相比較を確実に 実行可能とし、ひいては動作の安定化を図った圧電振動子駆動回路を提供するこ とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の圧電振動子駆動回路は、出力トランスの 1次巻線に直列にスイッチング用トランジスタを接続し、2次巻線に圧電振動子 とコイルと電流検出用抵抗との直列回路を接続し、前記トランジスタのスイッチ ング動作により前記1次巻線に流れる電流を断続する1石式スイッチング回路を 備え、前記圧電振動子を共振周波数近傍において駆動する回路において、前記電 流検出用抵抗に並列関係にコンデンサを接続し、前記圧電振動子の電流波形に対 応した概略正弦波の検出波形を前記電流検出用抵抗の両端に得て、前記2次巻線 の両端に現れる電圧波形の位相と前記概略正弦波の検出波形の位相とを比較して 駆動周波数を制御する構成としている。
【0011】
【作用】
本考案の圧電振動子駆動回路は、圧電振動子に流れる電流を検出するために当 該圧電振動子に直列に挿入された検出用抵抗にコンデンサを並列関係に接続する ことで検出用抵抗両端の検出波形から不要なピークを除去できる。この結果、検 出波形に含まれる不要なピークに起因する同相比較器の誤動作を解消し、安定し た電圧制御発振器の制御ができる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案に係る圧電振動子駆動回路の実施例を図面に従って説明する。
【0013】 図1は本考案の圧電振動子駆動回路の実施例を示す。この図において、出力ト ランスT1の1次巻線W1とスイッチング用トランジスタ(FET)Q1とを直 列に接続し、2次巻線W2にチョークコイルCHと圧電振動子TDと電流検出用 抵抗Rとの直列回路を接続するとともに、検出用抵抗RにコンデンサCを並列に 接続している。ここで、圧電振動子TDの等価制動容量が500PF、チョーク コイルCHのインダクタンスが3300μHで、駆動周波数が67kHz前後であ る場合、コンデンサCの静電容量は1000PFとした。なお、その他の回路構 成は図4の従来回路と同じである。
【0014】 この実施例の場合、図2下段のように、圧電振動子TDの電流波形に対応して いて不要なピークの無い(波形の乱れの無い)概略正弦波の検出波形を検出用抵 抗Rの両端に得ることができる(なお、図2の上段の波形はコンデンサCの無い 従来の場合)。したがって、同相比較器2に誤動作は発生せず、トランス2次巻 線の方形波電圧V2の電圧波形と圧電振動子の電流に対応する検出波形(R両端 の電圧波形)との位相差が実質的に零となる如く同相比較器2を介して電圧制御 発振器1の発振周波数を制御することができる。
【0015】 なお、検出用抵抗RにコンデンサCを付加した結果、検出用抵抗Rの両端の検 出電圧波形の位相は、圧電振動子TDの電流の位相よりも僅かに進むため、図3 の周波数と圧電振動子TDのインピーダンスとの関係を示すグラフにおいて、共 振点frから僅かにずれた周波数fr+Δfで動作することになるが、fr近傍の 圧電振動子TDが効率良く動作する周波数範囲内であれば差し支えない。
【0016】 前記実施例の回路において、圧電振動子TDの等価制動容量が500PF、チ ョークコイルCHのインダクタンスが3300μHで、駆動周波数が67kHz前 後である場合、コンデンサCの静電容量を2000PF以上に設定したときは、 一次側電源の瞬断の際に悪影響が出てきた。すなわち、一次側電源瞬断後の再起 動において、駆動周波数が共振点frとかけ離れた値となる。この問題点を回避 するために、コンデンサCの静電容量は、圧電振動子TDの等価制動容量の1倍 乃至3倍程度の範囲内に設定することが望ましい。
【0017】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の圧電振動子駆動回路によれば、圧電振動子の電 流波形の位相を検出用抵抗の両端の電圧波形から検出する場合、検出波形から不 要なピークを除去し、トランス2次巻線の電圧波形と圧電振動子の電流に対応す る検出波形との位相比較を確実に実行可能とし、ひいては動作の安定化を図るこ とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る圧電振動子駆動回路の実施例を示
す回路図である。
【図2】実施例における検出用抵抗の両端の検出波形を
従来の検出波形と比較して示す波形図である。
【図3】圧電振動子のインピーダンスの周波数特性及び
圧電振動子の動作点を示すグラフである。
【図4】従来の圧電振動子駆動回路の回路図である。
【図5】図4の回路の制御動作の原理を説明するための
波形図である。
【図6】従来回路の場合の欠点を説明するための波形図
である。
【符号の説明】
1 電圧制御発振器 2 同相比較器 C コンデンサ CH チョークコイル Q1 トランジスタ R 検出用抵抗 T1 出力トランス TD 圧電振動子

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力トランスの1次巻線に直列にスイッ
    チング用トランジスタを接続し、2次巻線に圧電振動子
    とコイルと電流検出用抵抗との直列回路を接続し、前記
    トランジスタのスイッチング動作により前記1次巻線に
    流れる電流を断続する1石式スイッチング回路を備え、
    前記圧電振動子を共振周波数近傍において駆動する圧電
    振動子駆動回路において、 前記電流検出用抵抗に並列関係にコンデンサを接続し、
    前記圧電振動子の電流波形に対応した概略正弦波の検出
    波形を前記電流検出用抵抗の両端に得て、前記2次巻線
    の両端に現れる電圧波形の位相と前記概略正弦波の検出
    波形の位相とを比較して駆動周波数を制御することを特
    徴とする圧電振動子駆動回路。
JP1992052899U 1992-07-04 1992-07-04 圧電振動子駆動回路 Expired - Lifetime JP2567311Y2 (ja)

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