JPH0611847B2 - 難燃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル樹脂組成物

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JPH0611847B2
JPH0611847B2 JP63189253A JP18925388A JPH0611847B2 JP H0611847 B2 JPH0611847 B2 JP H0611847B2 JP 63189253 A JP63189253 A JP 63189253A JP 18925388 A JP18925388 A JP 18925388A JP H0611847 B2 JPH0611847 B2 JP H0611847B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、射出成形時の金型温度が100℃以下でも耐熱
性、機械的強度に優れ、かつ火災などの燃焼時にも成形
品の溶融物の滴下がなく、高度な難燃性を有する成形品
を与えるポリエステル樹脂組成物に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステ
ルは、その優れた機械的性質、熱的性質、化学的性質の
バランスをいかしてエンジニアリングプラスチックとし
て、電気・電子部品、機械部品、自動車部品などへの応
用が期待されている。
しかし、ポリエチレンテレフタレートは高結晶性プラス
チックではあるが、同じ熱可塑性ポリエステルの1種で
あるポリブチレンテレフタレートに比べると、射出成形
時の金型温度を130℃以上という高温にしなければ結晶
化が充分進行せず、耐熱性、機械的強度の優れた成形品
をうることができないという問題がある。
ポリエチレンテレフタレートの結晶化を促進させる方法
としてこれまで多数の方法が提案されているが、その中
でも特開昭56-38321号公報などに示されているポリエー
テル化合物を共重合させる方法や、特公昭45-26225号公
報などに示されているα−オレフィンとα,β−不飽和
カルボン酸との共重合体の金属塩を結晶化促進剤として
用いる方法は、比較的低い金型温度でも優れた耐熱性を
有する成形品がえられるという点で比較的優れている。
しかしながら、ポリエーテル化合物を共重合させる方法
や該結晶化促進剤を配合する方法には、種々の難燃剤を
添加して難燃性を付与しても燃焼時に成形品が溶融・滴
下しやすくなるという問題がある。この現象は比較的薄
肉の成形品に起こりやすく、火災の際にその下にある可
燃物を発火させるおそれがあるので、とりわけ電気およ
び電子部品の分野では使用が制限される。
燃焼時の溶融滴下を防止する方法としては、たとえば西
独国特許出願公開第2,158,432号、同2,243,509号、同2,
226,931号各明細書に記載されているアスベスト、コロ
イドシリカなどの無機化合物を添加する方法、特開昭51
-100147号、同59-19148号の各公報に記載されているエ
ポキシ樹脂に代表される2官能性エポキシ化合物を添加
する方法などが知られている。しかし、これらの方法に
よる薄肉成形品では、溶融滴下を防止する効果はいまだ
不充分である。
もちろん、難燃剤の添加量を大幅に増加させることによ
りある程度は溶融滴下を防止しうるが、樹脂本来の物性
を著しく低下させ、製品コストを大幅に上昇させるの
で、実用性に乏しいというのが実情である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはこのような実情に鑑み、100℃以下という
比較的低い金型温度で成形しても優れた耐熱性、機械的
強度を有し、かつ燃焼時に溶融物の滴下がなく、高度な
難燃性を有する成形品を与えるポリエステル樹脂組成物
をうるべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエーテル化合物
などによって結晶化特性が改良され、ハロゲン系難燃
剤、アンチモン化合物などの難燃剤によって難燃化され
た熱可塑性ポリエステルに、α−オレフィンとα,β−
不飽和カルボン酸のグリシジルエステルとからなる特定
の共重合体を添加することによって、優れた耐熱性、機
械的強度および難燃性を有する成形品を与えるポリエス
テル樹脂組成物がえられることを見出し、本発明に到達
した。
すなわち、本発明は (A)ポリエチレンテレフタレートおよびエチレンテレフ
タレートオリゴマーとポリエーテル化合物との共重合体
の混合物からなり、ポリエーテル化合物に由来する単位
の含有率が2〜30%(重量%、以下同様)である熱可塑
性ポリエステル100部(重量部、以下同様)、 (B)α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との共
重合体の金属塩0.1〜20部、 (C)ハロゲン系難燃剤5〜50部、 (D)アンチモン化合物0.5〜15部、 (E)α−オレフィン70〜99%とα,β−不飽和カルボン
酸のグリシジルエステル1〜30%との共重合体0.5〜50
部ならびに (F)ガラス繊維10〜150部 からなる難燃性ポリエステル樹脂組成物 に関する。
[実施例] 本発明における(A)成分として、ポリエチレンテレフタ
レートおよびエチレンテレフタレートオリゴマーとポリ
エーテル化合物との共重合体の混合物からなり、ポリエ
ーテルに由来する単位の含有率が2〜30%である熱可塑
性ポリエステルが使用される。
前記ポリエチレンテレフタレートは、酸成分としてテレ
フタル酸またはそのエステル形成能を有する誘導体と、
グリコール成分としてエチレングリコールまたはそのエ
ステル形成能を有する誘導体とを用いてえられる、線状
飽和のポリエチレンテレフタレートのことである。
前記のごときポリエチレンテレフタレートは、通常0.35
〜1.20の固有粘度(フェノール/テトラクロルエタン=
50/50(重量比)、0.5%濃度、25℃、以下同様)を有
するものであるが、結晶化速度と機械的強度とのバラン
スがよくなるという点から固有粘度0.40〜0.70のものが
好ましく、0.45〜0.65のものがさらに好ましい。
前記エチレンテレフタレートオリゴマーとポリエーテル
化合物との共重合体とは、後述のごときエチレンテレフ
タレートオリゴマーと後述のごときポリエーテル化合物
とから製造された、ブロック共重合体などの共重合体の
ことである。
前記のごとき共重合体は、通常0.35〜1.20程度の固有粘
度を有するものであるが、結晶化速度と機械的強度との
バランスがよくなるという面からは、固有粘度0.50〜0.
80のものが好ましい。
前記エチレンテレフタレートオリゴマーとは、複数のエ
チレンテレフタレート単位を有するエチレンテレフタレ
ートオリゴマーのみならず、エチレンテレフタレート単
位、さらにはときとして含まれるテレフタレート単位の
みをも含む概念である。
また前記ポリエーテル化合物とは、一般式(II): (式中、R3は炭素数2〜18の2価の基、は5〜40の整
数、個のR3は同じである必要はない)で表わされるセ
グメント(ポリエーテルの未満を除く部分)を含有する
化合物のことである。
前記R3の具体例としては、たとえばエチレン、プロピレ
ン、イソプロピレン、ブチレン、ビスフェノールA残基
などがあげられ、一般式(II)で表わされるポリエーテル
セグメントを含有する化合物のうち、たとえばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、一般式(I): (式中、R1およびR2はそれぞれ炭素数2〜4の2価の炭
化水素基、Xは、たとえば -C(CH3)2-、-CH2-、-S-、-SO2-、-CO-などの2価の結合基ま
たは直接結合、mおよびnはそれぞれ5〜20の整数、R1
およびR2は同じである必要はなく、またm個のR1、n個
のR2はそれぞれ同じである必要はない)で表わされる単
位を有するポリエーテル化合物および該ポリエーテル化
合物などの誘導体などがえられる組成物の結晶化速度を
速くし、射出成形時の熱安定性をよくするなどの点から
好ましい。これらのポリエーテル化合物は単独で用いて
もよく、2種以上併用してもよい。
共重合体中におけるエチレンテレフタレートオリゴマー
に由来する単位の含有割合は好ましくは40〜96%、さら
に好ましくは60〜90%であり、該割合が40%未満になる
とえられる組成物の機械的強度、耐湿性がわるくなりや
すくなり、96%をこえると結晶化促進効果が低下する傾
向が生じる。
前記共重合体はポリエチレンテレフタレートとポリエー
テル化合物とをポリエチレンテレフタレート合成反応容
器中で共重合させて製造してもよく、押出機中で共重合
させて製造してもよい。
(A)成分である熱可塑性ポリエステル中のポリエーテル
化合物に由来する単位の含有率は2〜30%、好ましくは
5〜20%であり、該含有率が2%未満になると結晶化促
進効果が充分でなくなり、30%をこえると機械的強度お
よび耐湿性が著しく低下する。
前記のごとき熱可塑性ポリエステルは、通常0.35〜1.20
の固有粘度を有するものであるが、結晶化速度と機械的
強度とのバランスがよくなるという点からすると固有粘
度0.40〜0.70のものが好ましく、0.45〜0.65のものがと
くに好ましい。
本発明に用いる(B)成分であるα−オレフィンとα,β
−不飽和カルボン酸との共重合体の金属塩を形成する共
重合体は、たとえばエチレン、プロピレンなどのα−オ
レフィン70〜99.5モル%、さらには90〜98モル%とアク
リル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸な
どのα,β−不飽和カルボン酸0.5〜30モル%、さらに
は2〜10モル%とを共重合させたもので、それに含まれ
るカルボキシル基の5モル%以上、さらには10モル%以
上が金属塩になっているものが好ましい例としてあげら
れる。
前記金属塩を形成する金属としては1〜3価の金属であ
ればとくに限定なく使用しうるが、ナトリウムまたはカ
リウムなどのアルカリ金属であるのが好ましい。
前記共重合体の金属塩のうちでは、エチレンとメタクリ
ル酸との共重合体の金属塩(たとえば三井・デュポンポ
リケミカル(株)よりハイミランとして市販されてい
る)がとくに好ましい。
該共重合体の金属塩は単独で用いてもよく、2種以上併
用してもよい。
該共重合体の金属塩の使用量は、熱可塑性ポリエステル
100部に対して0.1〜20部、好ましくは0.5〜10部であ
り、該量が0.1部未満では結晶化促進効果が充分でな
く、また20部をこえると成形品の耐熱性や機械的強度な
どが損われる。
本発明に用いる(C)成分であるハロゲン系難燃剤は、熱
可塑性ポリエステル系樹脂のハロゲン系難燃剤として一
般に使用されうる化合物であればとくに限定なく使用し
うる。
このようなハロゲン系難燃剤の具体例としては、(1)ポ
リジブロモスチレン、ポリトリブロモスチレン、ポリペ
ンタブロモスチレンなどのハロゲン化ポリスチレン化合
物、(2)トリブロモフェノール縮合物、トリクロロフェ
ノール縮合物、テトラブロモフェノール縮合物、テトラ
クロロフェノール縮合物、ペンタブロモフェノール縮合
物、ペンタクロロフェノール縮合物などのハロゲン化フ
ェノールより誘導されたハロゲン化ポリフェニレンオキ
サイド化合物、(3)ポリペンタブロモベンジルアクリレ
ート、ポリペンタクロロベンジルアクリレート、ポリペ
ンタブロモベンジルメタクリレート、ポリペンタクロロ
ベンジルメタクリレートなどのハロゲン化ベンジルアル
コールとα,β−不飽和カルボン酸とのエステル化合物
の重合体、(4)ビスフェノールA、ビスフェノールS、
ビスフェノールFなどのジハロゲン化またはテトラハロ
ゲン化物からなるハロゲン化ビスフェノール類と塩化シ
アヌル、臭化シアヌルなどのハロゲン化シアヌルとの縮
合物、(5)ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビス
フェノールFなどのジハロゲン化またはテトラハロゲン
化物をハロゲン化ビスフェノール類とするハロゲン化ポ
リカーボネート、(6)ビスフェノールA、ビスフェノー
ルS、ビスフェノールFなどのジハロゲン化またはテト
ラハロゲン化物からなるハロゲン化ビスフェノール類を
エピクロルヒドリンと縮合させてえられるビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、(7)ヘキサブロモジフェニルエーテ
ル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフ
ェニルエーテルなどからなるハロゲン化ジフェニルエー
テル化合物などがあげられる。
ハロゲン系難燃剤は単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
ハロゲン系難燃剤の添加量は、熱可塑性ポリエステル10
0部に対して5〜50部、好ましくは10〜30部である。添
加量が5部未満では難燃効果に乏しく、50部をこえると
耐熱性、機械的強度が低下する。
本発明に用いる(D)成分であるアンチモン化合物は、前
記ハロゲン系難燃剤と併用することにより相乗的な難燃
効果を発揮しうるアンチモン化合物であれば、とくに限
定なく使用しうる。
このようなアンチモン化合物の具体例としては、たとえ
ば三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酒石酸アンチ
モン、アンチモン酸ナトリウムなどがあげられる。
アンチモン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
アンチモン化合物の添加量は、熱可塑性ポリエステル10
0部に対して0.5〜15部、好ましくは1〜10部である。該
添加量が0.5部未満では難燃効果に乏しく、また15部を
こえると耐熱性、機械的強度が低下する。
本発明に用いる(E)成分であるα−オレフィンとα,β
−不飽和カルボン酸グリシジルエステルとからなる共重
合体は、成形品燃焼時の溶融滴下の防止、衝撃強度およ
び柔軟性の向上などのために使用される成分である。
該共重合体中のα,β−不飽和カルボン酸グリシジルエ
ステルに由来する単位の含有量は1〜30%、好ましくは
5〜15%であり、α−オレフィンに由来する単位の含有
量は70〜99%、好ましくは85〜95%である。前記α,β
−不飽和カルボン酸グリシジルエステルに由来する単位
の含有量が1%未満では、本発明の目的の1つである燃
焼時の溶融滴下防止効果が充分でなく、30%をこえると
該共重合体自体の柔軟性が損われるため、成形品の耐衝
撃性を低下させるので好ましくない。
前記共重合体構成するα−オレフィンの具体例として
は、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキ
セン、1-オクテンなどがあげられる。これらは単独で用
いてもよく2種以上併用してもよい。
また前記共重合体を構成するα,β−不飽和カルボン酸
グリシジルエステルの具体例としては、たとえばアクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、シクヤヘキ
セン-4-カルボン酸グリシジルなどがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記共重合体を製造する際に、α−オレフィンおよび
α,β−不飽和カルボン酸グリシジルエステルにさらに
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
スチレン、アクリロニトリルなどを、α−オレフィンお
よびα,β−不飽和カルボン酸グリシジルエステルの合
計重量に対して30%以下の範囲で加えて共重合体を製造
てもよい。
前記α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステルとからなる共重合体の添加量は熱可塑性ポ
リエステル100部に対して0.5〜50部、好ましくは2〜25
部である。該共重合体の添加量が0.5部未満では本発明
の目的の1つである燃焼時の溶融滴下防止効果が充分で
なく、また50部をこえると耐熱性、機械的強度が低下す
る。
本発明に用いる(F)成分であるガラス繊維にはとくに限
定はなく、たとえば一般に市販されている繊維長1.5〜5
0mm程度、好ましくは3〜6mm程度のごときチョップド
ストランドガラス繊維などのガラス繊維であればいずれ
も使用しうる。
ガラス繊維の配合量は、熱可塑性ポリエステル100部に
対して10〜150部、好ましくは20〜100部である。ガラス
繊維の配合量が10部未満では耐熱性、機械的強度が低下
し、150部をこえると成形加工性が低下する。
本発明の組成物は上記(A)〜(F)成分から調製されるが、
調製方法にはとくに限定はなく、たとえば押出機による
混合ペレット化などの通常の方法で調製しうる。
本発明の組成物には、要すればガラス繊維以外の炭素繊
維、チタン酸カリウムなどの繊維状強化材、タルク、ク
レー、硫酸バリウム、マイカ、ウォラストナイト、PM
F、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸
化亜鉛、シリカ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスフ
レーク、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機充
填材を適宜配合してもよい。さらに、これらの強化材の
ほかに、離型剤、滑剤、着色剤、安定剤、発泡剤などを
配合してもよい。
本発明の燃焼性ポリエステル樹脂組成物は、ポリエーテ
ル化合物によって結晶化特性が改良され、ハロゲン系難
燃剤およびアンチモン化合物で難燃化された熱可塑性ポ
リエステルに、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボ
ン酸グリシジルエステルとからなる特定の共重合体が添
加されているので、たとえば100℃以下という比較的低
い金型温度で成形したばあいにも優れた耐熱性、機械的
強度を有し、かつ燃焼時に分解溶融物の滴下がなく高度
な難燃性を有する成形品がえられる。
このような、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物
は、電機器具部品、弱電やOA機器のハウジング、電動
工具ハウジング、自動車の内装部品など、とくに薄肉成
形品で優れた耐熱性、機械的強度、難燃性が要求される
分野に好適に使用されうる。
つぎに実施例および比較例をあげて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらになんら制約されるもの
ではない。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)(固
有粘度0.7)80%と、エチレンテレフタレートオリゴマー
およびビスフェノールA変形ポリエチレングリコール
(ユニオールDA-1000、日本油脂(株)製)からなる共
重合体(ポリエーテル共重合率30%、固有粘度0.65)20
%との混合物100部、ハイミラン17074部、臭素含有
率68%の臭素化ポリスチレン(パイロチェック68PB、
日産フェロ有機化学(株)製)20部、三酸化アンチモン
5部およびエチレン(89%)−メタクリル酸グリシジル(11
%)共重合体(温度190℃、荷重2160gにおけるMFR(AST
MD-1238E)が3.0g/10min.)5部をドライブレンドした
ものとガラス繊維(繊維長3mm)25部とを、二軸押出機
(PCM-45、池貝鉄工(株)製)を用いて樹脂温度280℃以
上で溶融混合してペレット化した。
えられたペレットを樹脂温度280℃、金型温度60℃で射
出成形して試験片を作製し、成形品の特性を下記の方法
によって評価した。結果を第1表に示す。
(引張強度) ASTM-D638に準拠して測定。
(熱変形温度) ASTM-D-648-56 Note-1に準拠し、1/16インチ厚成形品
を4枚はり合わせたものを試験片とし、18.6kg/cm2
荷応用力下で測定。
(難燃性) 1/36インチ厚試験片を用いてUL-94垂直試験法に準拠
して測定。また溶融滴下数は5本の試験片を燃焼したば
あいに溶融滴下がおこった試験片の数を測定。たとえば
5本の試験片のうち溶融滴下した試験片の数が0である
ばあいには0/5とした。
実施例2 実施例1で用いた臭素化ポリスチレンの代わりに臭素含
有率83%のデカブロモジフェニルエーテル(AFR-1021、
旭硝子(株)製)15部を用いた他は、実施例1と同様に
して試験片を作製して特性を評価した。結果を第1表に
示す。
実施例3 実施例1で用いたガラス繊維(繊維長3mm)25部を60部
に増量した他は、、実施例1と同様にして試験片を作製
して特性を評価した。結果を第1表に示す。
実施例4 実施例1で用いたエチレン(89%)−メタクリル酸グリ
シジル(11%)共重合体5部の代わりに、エチレン(84
%)−メタクリル酸グリシジル(11%)−酢酸ビニル
(5%)共重合体(温度190℃、荷重2160gにおけるMFR
(ASTM-D-1238E)が7.0g/10min.)5部を用いた他は、実
施例1と同様にして試験片を作製して特性を評価した。
結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1で用いた熱可塑性ポリエステルをPET単独で100
部にした他は、実施例1と同様にして試験片を作製して
特性を評価した。結果を第1表に示す。
比較例2 比較例1で用いたエチレン(89%)−メタクリル酸グリ
シジル(11%)共重合体を使用しなかった他は、比較例
1と同様にして試験片を作製して特性を評価した。結果
を第1表に示す。
比較例3 比較例1で用いたハイミラン1707を使用しなかった他
は、比較例1と同様にして試験片を作製して特性を評価
した。結果を第1表に示す。
比較例4 実施例1で用いたエチレン(89%)−メタクリル酸グリ
シジル(11%)共重合体を使用しなかった他は、実施例
1と同様にして試験片を作製して特性を評価した。結果
を第1表に示す。
比較例5 実施例1で用いたエチレン(89%)−メタクリル酸グリ
シジル(11%)共重合体5部の代わりに2官能性エポキ
シ化合物であるテレフタル酸ジグリシジル(ブレンマー
DGT、日本油脂(株)製)5部を用いた他は、実施例1
と同様にして試験片を作製して特性を評価した。結果を
第1表に示す。
比較例6 実施例1で用いたエチレン(89%)−メタクリル酸グリ
シジル(11%)共重合体5部の代わりに2官能性エポキ
シ化合物であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピ
コート828、シェル化学(株)製)5部を用いた他
は、実施例1と同様にして試験片を作製して特性を評価
した。結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の組成物を用いると、100℃以下という低温金型
を用いたばあいでも機械的強度、耐熱性に優れた成形品
をうることができる。しかもえられる成形品は難燃性に
優れ、燃焼時に溶融物が滴下しないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23:26 63:00)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリエチレンテレフタレートおよびエ
    チレンテレフタレートオリゴマーとポリエーテル化合物
    との共重合体の混合物からなり、ポリエーテル化合物に
    由来する単位の含有率が2〜30重量%である熱可塑性ポ
    リエステル100重量部、 (B)α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との共
    重合体の金属塩0.1〜20重量部、 (C)ハロゲン系難燃剤5〜50重量部、 (D)アンチモン化合物0.5〜15重量部、 (E)α−オレフィン70〜99重量%とα,β−不飽和カル
    ボン酸グリシジルエステル1〜30重量%との共重合体0.
    5〜50重量部ならびに (F)ガラス繊維10〜150重量部 からなる難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記ポリエーテル化合物が、ポリエチレン
    グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
    チレングリコールおよび一般的(I): (式中、R1およびR2はそれぞれ炭素数2〜4の2価の炭
    化水素基、Xは2価の結合基または直接結合、mおよび
    nはそれぞれ5〜20の整数、m個のR1、n個のR2はそれ
    ぞれ同じである必要はない)で表わされる単位を有する
    化合物のうちの少なくとも1種である請求項1記載の難
    燃性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記Xが-CH2-、-C(CH3)2-、-S-、-SO2-また
    は-CO-である請求項2記載の難燃性ポリエステル樹脂組
    成物。
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