JPH06118392A - プラズマアドレス表示装置 - Google Patents
プラズマアドレス表示装置Info
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- JPH06118392A JPH06118392A JP5059666A JP5966693A JPH06118392A JP H06118392 A JPH06118392 A JP H06118392A JP 5059666 A JP5059666 A JP 5059666A JP 5966693 A JP5966693 A JP 5966693A JP H06118392 A JPH06118392 A JP H06118392A
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- JP
- Japan
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- plasma
- display device
- substrate
- electrode
- stripe
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-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/01—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour
- G02F1/13—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
- G02F1/133—Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
- G02F1/1333—Constructional arrangements; Manufacturing methods
- G02F1/133374—Constructional arrangements; Manufacturing methods for displaying permanent signs or marks
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 プラズマアドレス表示装置の放電空間構造を
改良し機械的強度を高めて大型化を可能にする。 【構成】 プラズマアドレス表示装置は上側基板1、中
間基板2及び下側基板3を順に積層した構造を有してい
る。上側基板1と中間基板2の間に液晶セル4が形成さ
れる。又、中間基板2と下側基板3の間にプラズマセル
5が形成される。プラズマセル5はストライプ状に分割
された放電領域を線順次で活性化し液晶セル4のアドレ
ッシングを行なう。この放電領域は、ストライプ状の溝
6が形成された中間基板2の主面と下側基板3の対向す
る主面とを互いに重ね合わせて設けられたストライプ状
の空間からなる。
改良し機械的強度を高めて大型化を可能にする。 【構成】 プラズマアドレス表示装置は上側基板1、中
間基板2及び下側基板3を順に積層した構造を有してい
る。上側基板1と中間基板2の間に液晶セル4が形成さ
れる。又、中間基板2と下側基板3の間にプラズマセル
5が形成される。プラズマセル5はストライプ状に分割
された放電領域を線順次で活性化し液晶セル4のアドレ
ッシングを行なう。この放電領域は、ストライプ状の溝
6が形成された中間基板2の主面と下側基板3の対向す
る主面とを互いに重ね合わせて設けられたストライプ状
の空間からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶セル等の表示セルと
プラズマセルの二層構造からなるプラズマアドレス表示
装置に関する。より詳しくはプラズマセルの放電空間構
造に関する。
プラズマセルの二層構造からなるプラズマアドレス表示
装置に関する。より詳しくはプラズマセルの放電空間構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶セルを用いたマトリクスタイ
プの表示装置を高解像度化及び高コントラスト化する為
の手段としては、各画素毎に薄膜トランジスタ等のスイ
ッチング素子を設け、これを線順次で駆動する方式(所
謂アクティブマトリクスアドレス方式)が一般に知られ
ている。しかしながら、この場合薄膜トランジスタの様
な半導体素子を基板上に多数設ける必要があり、特に大
面積化した時に製造歩留りが悪くなるという短所があ
る。
プの表示装置を高解像度化及び高コントラスト化する為
の手段としては、各画素毎に薄膜トランジスタ等のスイ
ッチング素子を設け、これを線順次で駆動する方式(所
謂アクティブマトリクスアドレス方式)が一般に知られ
ている。しかしながら、この場合薄膜トランジスタの様
な半導体素子を基板上に多数設ける必要があり、特に大
面積化した時に製造歩留りが悪くなるという短所があ
る。
【0003】この短所を解決する手段として、ブザク等
は特開平1−217396号公報において、薄膜トラン
ジスタ等からなるスイッチング素子に代えてプラズマス
イッチを利用する方式を提案している。以下、プラズマ
放電に基くスイッチを利用して液晶セルを駆動するプラ
ズマアドレス表示装置の構成を簡単に説明する。図8に
示す様に、この装置は液晶セル101とプラズマセル1
02と両者の間に介在する中間板103とからなる積層
フラットパネル構造を有している。プラズマセル102
は下側のガラス基板104を用いて形成されており、そ
の表面に複数の溝105が設けられている。この溝10
5は例えば行列マトリクスの行方向に沿ってストライプ
状に形成されている。各溝105は中間板103によっ
て密封されており個々に分離した放電空間106を構成
している。この放電空間106にはイオン化可能なガス
が封入されている。隣接する溝105を隔てる隔壁10
7は個々の放電空間106を区分けするとともに、各放
電空間106のギャップスペーサとしての役割も果たし
ている。各溝105の底部には、互いに平行な一対のプ
ラズマ電極108,109が設けられている。一対の電
極はアノード及びカソードとして機能し放電空間106
内のガスをイオン化してプラズマを発生する。プラズマ
により満たされた放電空間は行走査単位となる。
は特開平1−217396号公報において、薄膜トラン
ジスタ等からなるスイッチング素子に代えてプラズマス
イッチを利用する方式を提案している。以下、プラズマ
放電に基くスイッチを利用して液晶セルを駆動するプラ
ズマアドレス表示装置の構成を簡単に説明する。図8に
示す様に、この装置は液晶セル101とプラズマセル1
02と両者の間に介在する中間板103とからなる積層
フラットパネル構造を有している。プラズマセル102
は下側のガラス基板104を用いて形成されており、そ
の表面に複数の溝105が設けられている。この溝10
5は例えば行列マトリクスの行方向に沿ってストライプ
状に形成されている。各溝105は中間板103によっ
て密封されており個々に分離した放電空間106を構成
している。この放電空間106にはイオン化可能なガス
が封入されている。隣接する溝105を隔てる隔壁10
7は個々の放電空間106を区分けするとともに、各放
電空間106のギャップスペーサとしての役割も果たし
ている。各溝105の底部には、互いに平行な一対のプ
ラズマ電極108,109が設けられている。一対の電
極はアノード及びカソードとして機能し放電空間106
内のガスをイオン化してプラズマを発生する。プラズマ
により満たされた放電空間は行走査単位となる。
【0004】一方、液晶セル101は上側のガラス基板
110を用いて構成されている。このガラス基板110
は中間板103に所定の間隙を介して対向配置されてお
り間隙内には液晶層111が充填されている。又、ガラ
ス基板110の内表面には透明導電膜からなる信号電極
112が形成されている。この信号電極112はストラ
イプ状の放電空間106と直交しており列駆動単位とな
る。列駆動単位と行走査単位の交差部分にマトリクス状
の画素が規定される。
110を用いて構成されている。このガラス基板110
は中間板103に所定の間隙を介して対向配置されてお
り間隙内には液晶層111が充填されている。又、ガラ
ス基板110の内表面には透明導電膜からなる信号電極
112が形成されている。この信号電極112はストラ
イプ状の放電空間106と直交しており列駆動単位とな
る。列駆動単位と行走査単位の交差部分にマトリクス状
の画素が規定される。
【0005】かかる構成を有する表示装置においては、
プラズマ放電が行なわれる放電空間106を線順次で切
換え走査するとともに、この走査に同期して液晶セル側
の信号電極112にアナログ駆動電圧を印加する事によ
り表示駆動が行なわれる。放電空間106内にプラズマ
が発生すると内部は略一様にアノード電位になり1行毎
の画素選択が行なわれる。即ち、放電空間106はサン
プリングスイッチとして機能する。プラズマサンプリン
グスイッチが導通した状態で各画素に駆動電圧が印加さ
れるとサンプリングホールドが行なわれ画素の点灯もし
くは消灯が制御できる。プラズマサンプリングスイッチ
が非導通状態になった後にもアナログ駆動電圧はそのま
ま画素内に保持される。
プラズマ放電が行なわれる放電空間106を線順次で切
換え走査するとともに、この走査に同期して液晶セル側
の信号電極112にアナログ駆動電圧を印加する事によ
り表示駆動が行なわれる。放電空間106内にプラズマ
が発生すると内部は略一様にアノード電位になり1行毎
の画素選択が行なわれる。即ち、放電空間106はサン
プリングスイッチとして機能する。プラズマサンプリン
グスイッチが導通した状態で各画素に駆動電圧が印加さ
れるとサンプリングホールドが行なわれ画素の点灯もし
くは消灯が制御できる。プラズマサンプリングスイッチ
が非導通状態になった後にもアナログ駆動電圧はそのま
ま画素内に保持される。
【0006】上述した構造とは別に、スクリーン印刷技
術を用いてプラズマ電極並びに隔壁を構成する従来例
が、例えば特開平4−265931号公報に開示されて
おり、製造が簡単でしかも大画面化及び高精細化に適し
たプラズマアドレス表示装置が得られる。図9に示す様
に、この表示装置も液晶セル201とプラズマセル20
2とを中間板203を介して積層したフラットパネル構
造を有する。液晶セル201は図8に示した液晶セル1
01と基本的に同一の構造を有する。一方プラズマセル
202については、中間板203と下側の基板204と
の間にイオン化可能なガスが封入されており放電空間2
05を構成する。基板204の内側主面にはストライプ
状のプラズマ電極206が形成されている。プラズマ電
極はスクリーン印刷法等により平坦な基板上に形成でき
るので生産性や作業性が優れているとともに微細化が可
能である。プラズマ電極206の上には隔壁207が形
成されており放電空間205を分割し行走査単位を構成
する。この隔壁207もスクリーン印刷等により形成で
き、その頂部が中間板203の下側主面に当接してい
る。ストライプ状のプラズマ電極206は交互にアノー
ドA及びカソードKとして機能し、両者の間にプラズマ
放電を発生させる。
術を用いてプラズマ電極並びに隔壁を構成する従来例
が、例えば特開平4−265931号公報に開示されて
おり、製造が簡単でしかも大画面化及び高精細化に適し
たプラズマアドレス表示装置が得られる。図9に示す様
に、この表示装置も液晶セル201とプラズマセル20
2とを中間板203を介して積層したフラットパネル構
造を有する。液晶セル201は図8に示した液晶セル1
01と基本的に同一の構造を有する。一方プラズマセル
202については、中間板203と下側の基板204と
の間にイオン化可能なガスが封入されており放電空間2
05を構成する。基板204の内側主面にはストライプ
状のプラズマ電極206が形成されている。プラズマ電
極はスクリーン印刷法等により平坦な基板上に形成でき
るので生産性や作業性が優れているとともに微細化が可
能である。プラズマ電極206の上には隔壁207が形
成されており放電空間205を分割し行走査単位を構成
する。この隔壁207もスクリーン印刷等により形成で
き、その頂部が中間板203の下側主面に当接してい
る。ストライプ状のプラズマ電極206は交互にアノー
ドA及びカソードKとして機能し、両者の間にプラズマ
放電を発生させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の様に
プラズマスイッチを利用した表示装置ではトランジスタ
スイッチを用いたものより大面積化が容易であると考え
られるが、実用化に当たっては様々な課題がある。特
に、何れの従来例においても液晶セルとプラズマセルを
互いに隔てる中間板には様々な問題点が含まれる。中間
板は、一般にガラス板等の誘電材料から構成されてお
り、液晶層に対して十分な電界を加える為に、板厚をで
きるだけ薄くする必要があり、通常50μm程度に設定
されている。一様な表示を得る為には、画面全体に渡っ
て板厚を均一に制御する必要がある。しかしながら、画
面が大型化するにつれて、精度良く中間板を加工する事
が困難になる。又、ハンドリングミス等により容易に破
損が生じるという欠点がある。さらに、極めて薄い中間
板を下側の基板に対して平坦に接着する事が困難であ
る。加えて、放電空間を形成した後内部にプラズマガス
を封入するが、そのガス圧は通常数百Torr程度である。
大気圧との差圧分だけ液晶セル側から圧力を受け、薄い
中間板は放電空間側に凹変形し平面度が維持できなくな
るという課題がある。
プラズマスイッチを利用した表示装置ではトランジスタ
スイッチを用いたものより大面積化が容易であると考え
られるが、実用化に当たっては様々な課題がある。特
に、何れの従来例においても液晶セルとプラズマセルを
互いに隔てる中間板には様々な問題点が含まれる。中間
板は、一般にガラス板等の誘電材料から構成されてお
り、液晶層に対して十分な電界を加える為に、板厚をで
きるだけ薄くする必要があり、通常50μm程度に設定
されている。一様な表示を得る為には、画面全体に渡っ
て板厚を均一に制御する必要がある。しかしながら、画
面が大型化するにつれて、精度良く中間板を加工する事
が困難になる。又、ハンドリングミス等により容易に破
損が生じるという欠点がある。さらに、極めて薄い中間
板を下側の基板に対して平坦に接着する事が困難であ
る。加えて、放電空間を形成した後内部にプラズマガス
を封入するが、そのガス圧は通常数百Torr程度である。
大気圧との差圧分だけ液晶セル側から圧力を受け、薄い
中間板は放電空間側に凹変形し平面度が維持できなくな
るという課題がある。
【0008】上述した構造上の問題点に加え、従来のプ
ラズマセルは電気特性上及び光学特性上問題を含んでい
る。例えば、プラズマ電極と液晶セル側の信号電極との
間で容量結合が生じ、線順次走査による選択期間以外に
もアナログ駆動電圧が液晶層に印加され所謂クロストー
クが発生するという問題がある。例えば図8に示した従
来例の場合、プラズマ放電を線順次で行なう為全てのア
ノードを接地電位(例えば0V)に固定し、各カソード
を順次負電位に切り換えていた。しかし、この場合アナ
ログ駆動電圧の書き込みを終了した画素は、放電空間1
06の浮遊容量及び共通接地されたアノードを介して他
の行走査単位上に位置する画素と閉ループを形成してし
まう。この為、ある画素に書き込まれた画像信号は、同
一信号ライン上で他の走査ラインと交差する部分の画素
に書き込まれたアナログ駆動電圧から影響を受けクロス
トークが発生してしまう。この為、個々の画素の透過率
が所望のレベルから変動し表示品質が損なわれる。
ラズマセルは電気特性上及び光学特性上問題を含んでい
る。例えば、プラズマ電極と液晶セル側の信号電極との
間で容量結合が生じ、線順次走査による選択期間以外に
もアナログ駆動電圧が液晶層に印加され所謂クロストー
クが発生するという問題がある。例えば図8に示した従
来例の場合、プラズマ放電を線順次で行なう為全てのア
ノードを接地電位(例えば0V)に固定し、各カソード
を順次負電位に切り換えていた。しかし、この場合アナ
ログ駆動電圧の書き込みを終了した画素は、放電空間1
06の浮遊容量及び共通接地されたアノードを介して他
の行走査単位上に位置する画素と閉ループを形成してし
まう。この為、ある画素に書き込まれた画像信号は、同
一信号ライン上で他の走査ラインと交差する部分の画素
に書き込まれたアナログ駆動電圧から影響を受けクロス
トークが発生してしまう。この為、個々の画素の透過率
が所望のレベルから変動し表示品質が損なわれる。
【0009】又、プラズマ電極端に電界集中が起り易
く、電極端部の凹凸により放電均一性が損なわれるとい
う問題がある。例えば、図9に示した従来例ではストラ
イプ状のプラズマ電極206がスクリーン印刷により形
成されている。この為、プラズマ電極端部は必ずしもシ
ャープではなくスクリーンメッシュの跡等が残る為凹凸
がある。従って、互いに離間するアノードAとカソード
Kとの間の電極間距離にばらつきが生じ、接近した領域
で過大な放電電流が流れてしまう。かかる放電不均一性
は表示品質を著しく低下させる。
く、電極端部の凹凸により放電均一性が損なわれるとい
う問題がある。例えば、図9に示した従来例ではストラ
イプ状のプラズマ電極206がスクリーン印刷により形
成されている。この為、プラズマ電極端部は必ずしもシ
ャープではなくスクリーンメッシュの跡等が残る為凹凸
がある。従って、互いに離間するアノードAとカソード
Kとの間の電極間距離にばらつきが生じ、接近した領域
で過大な放電電流が流れてしまう。かかる放電不均一性
は表示品質を著しく低下させる。
【0010】さらに、放電空間内にプラズマ電極を形成
すると外部入射光が部分的に遮光される為、表示装置と
して見た場合開口率が低下しコントラストが悪くなると
いう問題がある。例えば、図8に示す従来例では、スト
ライプ状溝105の底部に一対のプラズマ電極108,
109が設けられており、この分開口率の低下を招く。
すると外部入射光が部分的に遮光される為、表示装置と
して見た場合開口率が低下しコントラストが悪くなると
いう問題がある。例えば、図8に示す従来例では、スト
ライプ状溝105の底部に一対のプラズマ電極108,
109が設けられており、この分開口率の低下を招く。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題に鑑み、本発明は加工精度に優れ且つ安定した寸法精
度を有するストライプ状の放電空間構造を提供する事を
目的とする。併せて、クロストークの抑制、放電均一性
の向上及び開口率の改善に効果的なプラズマ電極構造を
提供する事を目的とする。かかる目的を達成する為に以
下の手段を講じた。即ち、上側基板と中間基板の間に形
成された表示セルと、中間基板と下側基板の間に形成さ
れたプラズマセルとの積層構造からなり、ストライプ状
に分割された放電領域を線順次で活性化し表示セルのア
ドレッシングを行なうプラズマアドレス表示装置におい
て、前記放電領域はストライプ状の溝が形成された中間
基板の主面と下側基板の対向する主面とを互いに重ね合
わせて設けられたストライプ状の空間からなる事を特徴
とする。かかる構造では、プラズマ電極は該ストライプ
状の各溝を互いに隔てる肉厚部に整合して中間基板の主
面に形成されている。あるいは、これに代えてプラズマ
電極は該下側基板の主面に沿ってストライプ状に形成さ
れているものであっても良い。
題に鑑み、本発明は加工精度に優れ且つ安定した寸法精
度を有するストライプ状の放電空間構造を提供する事を
目的とする。併せて、クロストークの抑制、放電均一性
の向上及び開口率の改善に効果的なプラズマ電極構造を
提供する事を目的とする。かかる目的を達成する為に以
下の手段を講じた。即ち、上側基板と中間基板の間に形
成された表示セルと、中間基板と下側基板の間に形成さ
れたプラズマセルとの積層構造からなり、ストライプ状
に分割された放電領域を線順次で活性化し表示セルのア
ドレッシングを行なうプラズマアドレス表示装置におい
て、前記放電領域はストライプ状の溝が形成された中間
基板の主面と下側基板の対向する主面とを互いに重ね合
わせて設けられたストライプ状の空間からなる事を特徴
とする。かかる構造では、プラズマ電極は該ストライプ
状の各溝を互いに隔てる肉厚部に整合して中間基板の主
面に形成されている。あるいは、これに代えてプラズマ
電極は該下側基板の主面に沿ってストライプ状に形成さ
れているものであっても良い。
【0012】本発明の好ましい態様によれば、プラズマ
電極は中間基板に形成されたストライプ状の各溝を互い
に仕切る隔壁の底面及び側面に形成されている。隔壁側
面に形成されたプラズマ電極の幅寸法は、例えば溝の形
成された中間基板の総厚に対し1/4以下に設定されて
いる。このプラズマ電極は、隔壁底面に形成された部分
が比較的低抵抗の膜材料からなり、隔壁側面に形成され
た部分が比較的高抵抗の膜材料からなる。かかる構成を
有するプラズマ電極は交互にアノード及びカソードとし
て切り換わる。これに代えて、一本おきにアノード及び
カソードとして固定しても良い。この場合カソードは対
応する隔壁を境として互いに隣接する溝に夫々属する様
に分割される。
電極は中間基板に形成されたストライプ状の各溝を互い
に仕切る隔壁の底面及び側面に形成されている。隔壁側
面に形成されたプラズマ電極の幅寸法は、例えば溝の形
成された中間基板の総厚に対し1/4以下に設定されて
いる。このプラズマ電極は、隔壁底面に形成された部分
が比較的低抵抗の膜材料からなり、隔壁側面に形成され
た部分が比較的高抵抗の膜材料からなる。かかる構成を
有するプラズマ電極は交互にアノード及びカソードとし
て切り換わる。これに代えて、一本おきにアノード及び
カソードとして固定しても良い。この場合カソードは対
応する隔壁を境として互いに隣接する溝に夫々属する様
に分割される。
【0013】
【作用】従来と異なり、本発明では放電空間を構成する
ストライプ状の溝が中間基板に形成されている。従っ
て、中間基板は各溝の底部となる肉薄部と、隣接する各
溝を隔てる隔壁となる肉厚部とが交互に配列した構造と
なっている。溝の深さをできるだけ大きく設定する事に
より、肉薄部の厚みを十分小さくする事ができ液晶層に
対して大きな電界を印加できる。一方、下側の基板は所
定の厚みを有する平板材料から構成され、溝の形成され
た中間基板の主面に対して貼り合わせる事により、個々
に分離した放電空間を構築できる。中間基板及び下側基
板はともに十分な板厚を有しており大型化した場合でも
加工やハンドリングに困難は生じない。又、前述した様
に肉薄部と肉厚部は互いに一体化した構造を有してお
り、優れた機械的強度を備えている為負圧が加わっても
変形する惧れがない。又、プラズマ電極については、予
め中間基板か下側基板の何れか一方に形成しておく事が
でき、加工プロセスは容易である。例えば、中間基板側
にプラズマ電極を設ける場合には、溝形成と同時にパタ
ニングできる。逆に、下側基板に形成する場合には、そ
の主面が平坦であるのでパタニングは容易である。
ストライプ状の溝が中間基板に形成されている。従っ
て、中間基板は各溝の底部となる肉薄部と、隣接する各
溝を隔てる隔壁となる肉厚部とが交互に配列した構造と
なっている。溝の深さをできるだけ大きく設定する事に
より、肉薄部の厚みを十分小さくする事ができ液晶層に
対して大きな電界を印加できる。一方、下側の基板は所
定の厚みを有する平板材料から構成され、溝の形成され
た中間基板の主面に対して貼り合わせる事により、個々
に分離した放電空間を構築できる。中間基板及び下側基
板はともに十分な板厚を有しており大型化した場合でも
加工やハンドリングに困難は生じない。又、前述した様
に肉薄部と肉厚部は互いに一体化した構造を有してお
り、優れた機械的強度を備えている為負圧が加わっても
変形する惧れがない。又、プラズマ電極については、予
め中間基板か下側基板の何れか一方に形成しておく事が
でき、加工プロセスは容易である。例えば、中間基板側
にプラズマ電極を設ける場合には、溝形成と同時にパタ
ニングできる。逆に、下側基板に形成する場合には、そ
の主面が平坦であるのでパタニングは容易である。
【0014】本発明の一態様によれば、プラズマ電極が
ストライプ状の各溝を互いに仕切る隔壁の底面及び側面
に形成されている。特に、側面に形成されたプラズマ電
極の部分は、従来と異なり基板平面に対して略直立して
いる。従って、液晶セル側に形成された信号電極に対し
て対面しておらず垂直関係にある。この為、従来に比し
プラズマ電極と信号電極間の容量結合が少なくなりクロ
ストークを有効に抑制できる。又、互いに対向する隔壁
側部に形成されたプラズマ電極の間でプラズマ放電が発
生する為、電極端部における電界集中が起りにくい構造
となっており放電均一性を改善できる。さらに、プラズ
マ電極は隔壁の底面を除き側面に沿って略直立している
ので外部入射光を遮光する領域が少なくなり開口率を改
善できる。
ストライプ状の各溝を互いに仕切る隔壁の底面及び側面
に形成されている。特に、側面に形成されたプラズマ電
極の部分は、従来と異なり基板平面に対して略直立して
いる。従って、液晶セル側に形成された信号電極に対し
て対面しておらず垂直関係にある。この為、従来に比し
プラズマ電極と信号電極間の容量結合が少なくなりクロ
ストークを有効に抑制できる。又、互いに対向する隔壁
側部に形成されたプラズマ電極の間でプラズマ放電が発
生する為、電極端部における電界集中が起りにくい構造
となっており放電均一性を改善できる。さらに、プラズ
マ電極は隔壁の底面を除き側面に沿って略直立している
ので外部入射光を遮光する領域が少なくなり開口率を改
善できる。
【0015】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は、本発明にかかるプラズマアド
レス表示装置の第一実施例を示す模式的な部分断面図で
ある。本装置は、何れもガラス板等の透明材料からなる
上側基板1、中間基板2、下側基板3を順に重ねた積層
構造を有している。上側基板1と中間基板2の間には表
示セル例えば液晶セル4が形成される。又、中間基板2
と下側基板3との間にはプラズマセル5が設けられる。
詳細に説明する。図1は、本発明にかかるプラズマアド
レス表示装置の第一実施例を示す模式的な部分断面図で
ある。本装置は、何れもガラス板等の透明材料からなる
上側基板1、中間基板2、下側基板3を順に重ねた積層
構造を有している。上側基板1と中間基板2の間には表
示セル例えば液晶セル4が形成される。又、中間基板2
と下側基板3との間にはプラズマセル5が設けられる。
【0016】中間基板2の裏側主面には行方向(図示で
は紙面に対して垂直方向)に沿ってストライプ状に配列
された複数の溝6が形成されている。各溝6の底部(図
示では天井部)に残された肉薄部7は例えば50μm程
度の厚み寸法を有しており、十分薄型化されている。一
方隣接する溝6を互いに隔てる隔壁となる肉厚部8はハ
ンドリングを容易にし且つ実用的な機械的強度を保証す
る為に十分な厚み寸法を有している。本実施例では、こ
の肉厚部8に沿ってプラズマ電極が一体的に形成されて
いる。このプラズマ電極は交互に切り換えられアノード
A、カソードKとして機能する。一対のアノードAとカ
ソードKは溝6を介してその側端部が互いに対向してい
る。対面する一対の側端部が平行電極を構成し、両者の
間にプラズマが発生する。この為、プラズマ電極は所望
の膜厚を有する事が好ましい。ストライプ状に溝6及び
プラズマ電極が形成された中間基板2の裏側主面に対し
て、下側基板3の平坦な対向主面が密着され、各溝6を
封止して各々放電空間(プラズマチャネル)を構成す
る。即ち、中間基板2と下側基板3は周辺部全周に沿っ
てフリットシール9等により互いに接合される。この様
にして封止された溝6にはイオン化可能なガスが封入さ
れている。ガス種は例えばヘリウム、ネオン、アルゴン
あるはこれらの混合気体から選ぶ事ができる。
は紙面に対して垂直方向)に沿ってストライプ状に配列
された複数の溝6が形成されている。各溝6の底部(図
示では天井部)に残された肉薄部7は例えば50μm程
度の厚み寸法を有しており、十分薄型化されている。一
方隣接する溝6を互いに隔てる隔壁となる肉厚部8はハ
ンドリングを容易にし且つ実用的な機械的強度を保証す
る為に十分な厚み寸法を有している。本実施例では、こ
の肉厚部8に沿ってプラズマ電極が一体的に形成されて
いる。このプラズマ電極は交互に切り換えられアノード
A、カソードKとして機能する。一対のアノードAとカ
ソードKは溝6を介してその側端部が互いに対向してい
る。対面する一対の側端部が平行電極を構成し、両者の
間にプラズマが発生する。この為、プラズマ電極は所望
の膜厚を有する事が好ましい。ストライプ状に溝6及び
プラズマ電極が形成された中間基板2の裏側主面に対し
て、下側基板3の平坦な対向主面が密着され、各溝6を
封止して各々放電空間(プラズマチャネル)を構成す
る。即ち、中間基板2と下側基板3は周辺部全周に沿っ
てフリットシール9等により互いに接合される。この様
にして封止された溝6にはイオン化可能なガスが封入さ
れている。ガス種は例えばヘリウム、ネオン、アルゴン
あるはこれらの混合気体から選ぶ事ができる。
【0017】一方、液晶セル4は中間基板2と上側基板
1とを所定の間隙を介してシール材10等により互いに
貼り合わせ、両者の間隙内に液晶層11を封入充填して
構成される。上側基板1の内表面には列方向に沿ってス
トライプ状にパタニングされた信号電極Dが形成されて
いる。この信号電極Dは列駆動単位を構成し、前述した
溝6内に設けられた放電空間は行走査単位を構成する。
両単位の間に液晶層11を含む画素が規定される。液晶
層11はともに平坦な中間基板2の表側主面と上側基板
1の内表面に接しており、層厚は画面全体に渡って均一
に制御可能である。液晶セル4及びプラズマセル5の外
面には夫々偏光板12,13が貼着されている。
1とを所定の間隙を介してシール材10等により互いに
貼り合わせ、両者の間隙内に液晶層11を封入充填して
構成される。上側基板1の内表面には列方向に沿ってス
トライプ状にパタニングされた信号電極Dが形成されて
いる。この信号電極Dは列駆動単位を構成し、前述した
溝6内に設けられた放電空間は行走査単位を構成する。
両単位の間に液晶層11を含む画素が規定される。液晶
層11はともに平坦な中間基板2の表側主面と上側基板
1の内表面に接しており、層厚は画面全体に渡って均一
に制御可能である。液晶セル4及びプラズマセル5の外
面には夫々偏光板12,13が貼着されている。
【0018】次に、図2を参照して図1に示した第一実
施例の製造方法を説明する。特に、本発明の要部をなす
プラズマセルの加工方法を詳細に説明する。(A)は中
間基板2のストライプパタン形状を示す平面図である。
中間基板2の中央画面領域にはストライプ状にパタニン
グされた溝6が形成されている。隣接する溝6の間には
プラズマ電極が形成されており、交互にアノードAとカ
ソードKになる。各プラズマ電極の端部は画面領域から
周辺に向って延設されており、外部接続に用いられる。
この様なパタンは、例えはパウダービーム加工あるいは
サンドブラスト加工により形成できる。即ち、先ず中間
基板2の主面に所定の厚みで電極膜を成膜する。次にフ
ォトレジストをコーティングしストライプ状にパタニン
グする。露出した部分にパウダービームを照射し電極膜
及び中間基板2のガラス材料を機械的にエッチングしプ
ラズマ電極及び溝6を同時に形成する。なお、各プラズ
マ電極の取り出し部については、予め別加工によりパタ
ニングしておく。本実施例では、パウダービームを用い
てエッチング加工を行なっているがこれに限られるもの
ではない。例えば、所定の溶液を用いて化学的なエッチ
ング処理を施しても良い。
施例の製造方法を説明する。特に、本発明の要部をなす
プラズマセルの加工方法を詳細に説明する。(A)は中
間基板2のストライプパタン形状を示す平面図である。
中間基板2の中央画面領域にはストライプ状にパタニン
グされた溝6が形成されている。隣接する溝6の間には
プラズマ電極が形成されており、交互にアノードAとカ
ソードKになる。各プラズマ電極の端部は画面領域から
周辺に向って延設されており、外部接続に用いられる。
この様なパタンは、例えはパウダービーム加工あるいは
サンドブラスト加工により形成できる。即ち、先ず中間
基板2の主面に所定の厚みで電極膜を成膜する。次にフ
ォトレジストをコーティングしストライプ状にパタニン
グする。露出した部分にパウダービームを照射し電極膜
及び中間基板2のガラス材料を機械的にエッチングしプ
ラズマ電極及び溝6を同時に形成する。なお、各プラズ
マ電極の取り出し部については、予め別加工によりパタ
ニングしておく。本実施例では、パウダービームを用い
てエッチング加工を行なっているがこれに限られるもの
ではない。例えば、所定の溶液を用いて化学的なエッチ
ング処理を施しても良い。
【0019】一方(B)は下側基板3の平面図である。
基板3の周辺に沿って画面領域を囲む様にフリットシー
ル9が印刷されている。又、画面領域には、1本の溝1
4が形成されている。この溝14は中間基板2に形成さ
れたストライプ状の溝6と直交する様に設けられてい
る。かかる構成を有する下側基板3を中間基板2に対し
て貼り合わせ加熱及び加圧処理を施して両者を気密封止
する。この際、ストライプ状の溝6は下側基板3に予め
形成されていた1本の溝14により互いに連通する事と
なる。即ち、下側基板3に形成された1本の溝14は、
ストライプ状の放電空間を横断する連通路を構成する。
両基板の周囲に沿って気密性を保つ様にフリットシール
9で接着した後、この連通路を介して所定のプラズマガ
スを各放電空間に導入する。ガス封入の終わった段階で
排気口(図示せず)を封止する。
基板3の周辺に沿って画面領域を囲む様にフリットシー
ル9が印刷されている。又、画面領域には、1本の溝1
4が形成されている。この溝14は中間基板2に形成さ
れたストライプ状の溝6と直交する様に設けられてい
る。かかる構成を有する下側基板3を中間基板2に対し
て貼り合わせ加熱及び加圧処理を施して両者を気密封止
する。この際、ストライプ状の溝6は下側基板3に予め
形成されていた1本の溝14により互いに連通する事と
なる。即ち、下側基板3に形成された1本の溝14は、
ストライプ状の放電空間を横断する連通路を構成する。
両基板の周囲に沿って気密性を保つ様にフリットシール
9で接着した後、この連通路を介して所定のプラズマガ
スを各放電空間に導入する。ガス封入の終わった段階で
排気口(図示せず)を封止する。
【0020】図3は本発明にかかるプラズマセルの耐圧
構造を示す模式図である。(A)に示す様に、本発明で
は溝6の底部を形成する肉薄部7と、隣接する溝6を互
いに隔てる隔壁となる肉厚部8は互いに一体的に連結さ
れており、機械的強度が優れている。溝6の負圧により
外部から大きな圧力が加わっても肉薄部7は容易に変形
せず、平坦度を保つ事ができる。
構造を示す模式図である。(A)に示す様に、本発明で
は溝6の底部を形成する肉薄部7と、隣接する溝6を互
いに隔てる隔壁となる肉厚部8は互いに一体的に連結さ
れており、機械的強度が優れている。溝6の負圧により
外部から大きな圧力が加わっても肉薄部7は容易に変形
せず、平坦度を保つ事ができる。
【0021】一方、(B)は比較の為先に図8に示した
従来のプラズマセル構造を再掲してある。下側基板10
4の主面にストライプ状の溝105が形成されており、
その上を薄い中間板103が被覆している。この中間板
103は周辺部に沿って下側基板104と接着されてい
るのみであり、画面領域では互いに分離している。従っ
て、大きな負圧が加わると、薄い中間板103は凹変形
し、隔壁107の頂部から離間する部分が生じる。この
様に、従来構造では中間板103の平坦度を維持する事
ができず、均一な画像品質が得られない。
従来のプラズマセル構造を再掲してある。下側基板10
4の主面にストライプ状の溝105が形成されており、
その上を薄い中間板103が被覆している。この中間板
103は周辺部に沿って下側基板104と接着されてい
るのみであり、画面領域では互いに分離している。従っ
て、大きな負圧が加わると、薄い中間板103は凹変形
し、隔壁107の頂部から離間する部分が生じる。この
様に、従来構造では中間板103の平坦度を維持する事
ができず、均一な画像品質が得られない。
【0022】図4は本発明にかかるプラズマアドレス表
示装置の第二実施例を示す模式的な部分断面図である。
基本的に、図1に示した実施例と同一の構造を有してお
り、対応する部分には対応する参照番号を付して理解を
容易にしている。異なる点は、アノードAやカソードK
を構成するプラズマ電極が、下側基板3の主面上に形成
されている事である。即ち、中間基板2の裏側主面には
ストライプ状の溝6のみが形成されておりプラズマ電極
と分離している。この為、図1に示した第一実施例と異
なり、プラズマ電極の幅寸法を、溝の隔壁を構成する肉
厚部8の幅寸法よりも大きく設定でき、プラズマ電極の
露出面積を大きくする事が可能になり、効率的なプラズ
マ放電を実現できる。但し、中間基板2と下側基板3と
を貼り合わせてフリットシールする際、両者の位置合わ
せを精度良く行なう必要がある。
示装置の第二実施例を示す模式的な部分断面図である。
基本的に、図1に示した実施例と同一の構造を有してお
り、対応する部分には対応する参照番号を付して理解を
容易にしている。異なる点は、アノードAやカソードK
を構成するプラズマ電極が、下側基板3の主面上に形成
されている事である。即ち、中間基板2の裏側主面には
ストライプ状の溝6のみが形成されておりプラズマ電極
と分離している。この為、図1に示した第一実施例と異
なり、プラズマ電極の幅寸法を、溝の隔壁を構成する肉
厚部8の幅寸法よりも大きく設定でき、プラズマ電極の
露出面積を大きくする事が可能になり、効率的なプラズ
マ放電を実現できる。但し、中間基板2と下側基板3と
を貼り合わせてフリットシールする際、両者の位置合わ
せを精度良く行なう必要がある。
【0023】図5は図4に示した中間基板2及び下側基
板3のストライプパタンを示す平面図である。(A)に
示す様に、中間基板2の中央画面領域には所定のピッチ
で溝6が形成されている。この溝6は、前述した様にサ
ンドブラスト法により精度良く加工できる。先ず、レジ
ストを塗布した後フォトリソグラフィー技術により溝と
なる部分のみを露出させ、その他の部分をマスクする。
続いて、研磨粒子を基板2に噴射し、露出部を所定の深
さだけ削り取る。
板3のストライプパタンを示す平面図である。(A)に
示す様に、中間基板2の中央画面領域には所定のピッチ
で溝6が形成されている。この溝6は、前述した様にサ
ンドブラスト法により精度良く加工できる。先ず、レジ
ストを塗布した後フォトリソグラフィー技術により溝と
なる部分のみを露出させ、その他の部分をマスクする。
続いて、研磨粒子を基板2に噴射し、露出部を所定の深
さだけ削り取る。
【0024】一方(B)は下側基板3の表面に形成され
たプラズマ電極のストライプパタンを示す。このプラズ
マ電極は例えばスクリーン印刷技術を用いて厚膜導電材
料を印刷焼成する事により形成される。この後、プラズ
マ電極の取り出し部を除いてフリットシール9により画
面領域を囲む。この様にして用意された下側基板3及び
中間基板2を重ね合わせ加圧加熱してプラズマセルを作
成する。この際、プラズマ電極のストライプパタンと溝
6のストライプパタンが互いに精度良く整合する様に位
置合わせする事が重要である。
たプラズマ電極のストライプパタンを示す。このプラズ
マ電極は例えばスクリーン印刷技術を用いて厚膜導電材
料を印刷焼成する事により形成される。この後、プラズ
マ電極の取り出し部を除いてフリットシール9により画
面領域を囲む。この様にして用意された下側基板3及び
中間基板2を重ね合わせ加圧加熱してプラズマセルを作
成する。この際、プラズマ電極のストライプパタンと溝
6のストライプパタンが互いに精度良く整合する様に位
置合わせする事が重要である。
【0025】図6を参照してプラズマアドレス表示装置
の動作を簡潔に説明する。図6は表示装置に用いられる
駆動回路の一例を示している。この駆動回路は信号回路
21と走査回路22と制御回路23とから構成されてい
る。信号回路21には信号電極D1ないしDmがバッフ
ァを介して接続されている。一方、走査回路22には同
じくバッファを介してカソードK1ないしKnが接続さ
れている。アノードA1ないしAnは共通に接地されて
いる。カソードは走査回路22により線順次走査される
とともに、信号回路21はこれに同期して各信号電極に
アナログ駆動電圧を供給する。制御回路23は信号回路
21と走査回路22の同期制御を行なうものである。各
カソードに沿って放電領域が形成され行走査単位とな
る。一方、各信号電極は列駆動単位となる。両単位の間
に画素24が規定される。
の動作を簡潔に説明する。図6は表示装置に用いられる
駆動回路の一例を示している。この駆動回路は信号回路
21と走査回路22と制御回路23とから構成されてい
る。信号回路21には信号電極D1ないしDmがバッフ
ァを介して接続されている。一方、走査回路22には同
じくバッファを介してカソードK1ないしKnが接続さ
れている。アノードA1ないしAnは共通に接地されて
いる。カソードは走査回路22により線順次走査される
とともに、信号回路21はこれに同期して各信号電極に
アナログ駆動電圧を供給する。制御回路23は信号回路
21と走査回路22の同期制御を行なうものである。各
カソードに沿って放電領域が形成され行走査単位とな
る。一方、各信号電極は列駆動単位となる。両単位の間
に画素24が規定される。
【0026】図7は図6に示す2個の画素24を切り取
って模式的に示したものである。各画素24は信号電極
D1,D2及び中間基板2によって挟持された液晶層1
1からなるサンプリングキャパシタと、プラズマサンプ
リングスイッチS1との直列接続からなる。プラズマサ
ンプリングスイッチS1は放電空間(プラズマチャネ
ル)の機能を等価的に表わしたものである。即ち、プラ
ズマチャネルが活性化するとその内部は略全体的にアノ
ード電位に接続される。一方、プラズマ放電が終了する
とプラズマチャネルは浮遊電位となる。サンプリングス
イッチS1を介して個々の画素24のサンプリングキャ
パシタにアナログ駆動電圧を書き込み所謂サンプリング
ホールドを行なうのである。アナログ駆動電圧のレベル
によって各画素24の階調的な点灯あるいは消灯が制御
できる。
って模式的に示したものである。各画素24は信号電極
D1,D2及び中間基板2によって挟持された液晶層1
1からなるサンプリングキャパシタと、プラズマサンプ
リングスイッチS1との直列接続からなる。プラズマサ
ンプリングスイッチS1は放電空間(プラズマチャネ
ル)の機能を等価的に表わしたものである。即ち、プラ
ズマチャネルが活性化するとその内部は略全体的にアノ
ード電位に接続される。一方、プラズマ放電が終了する
とプラズマチャネルは浮遊電位となる。サンプリングス
イッチS1を介して個々の画素24のサンプリングキャ
パシタにアナログ駆動電圧を書き込み所謂サンプリング
ホールドを行なうのである。アナログ駆動電圧のレベル
によって各画素24の階調的な点灯あるいは消灯が制御
できる。
【0027】以上に説明した第一実施例及び第二実施例
は、主としてプラズマセルに形成されたストライプ状溝
の剛性構造に焦点を当てて説明を行なったものである。
次に、クロストークの抑制、放電均一性の改善及び開口
率の改善を主とした目的とする電極構造について実施例
を挙げ説明を加える。図10は、本発明にかかるプラズ
マアドレス液晶表示装置の第三実施例を示す模式的な部
分断面図である。中間基板51の上側には所定の間隙を
介して一方の基板52が接合されており、両基板間には
液晶層53が封入されている。又基板52の内表面には
列方向に沿ってストライプ状の信号電極54が形成され
ている。中間基板51の下側主面には行方向に沿ってス
トライプ状の溝55が形成されている。個々の溝55を
気密封止する様に、他方の基板56が接合している。プ
ラズマ電極57は、ストライプ状の各溝55を互いに仕
切る隔壁58の底面59及び側面60に連続して形成さ
れている。密封された溝55の内部にはイオン化可能な
ガスが封入され、プラズマチャネル61を構成する。こ
の構造では、プラズマ電極57は交互にアノードA及び
カソードKとして機能する。この場合、一本のカソード
Kは隣接する2ライン分のプラズマチャネル61によっ
て共用されている。従って、実際に1ライン毎にプラズ
マチャネルの線順次走査を行なう場合には、カソードK
及びアノードA両者を電気的に切り換える事により対応
する。
は、主としてプラズマセルに形成されたストライプ状溝
の剛性構造に焦点を当てて説明を行なったものである。
次に、クロストークの抑制、放電均一性の改善及び開口
率の改善を主とした目的とする電極構造について実施例
を挙げ説明を加える。図10は、本発明にかかるプラズ
マアドレス液晶表示装置の第三実施例を示す模式的な部
分断面図である。中間基板51の上側には所定の間隙を
介して一方の基板52が接合されており、両基板間には
液晶層53が封入されている。又基板52の内表面には
列方向に沿ってストライプ状の信号電極54が形成され
ている。中間基板51の下側主面には行方向に沿ってス
トライプ状の溝55が形成されている。個々の溝55を
気密封止する様に、他方の基板56が接合している。プ
ラズマ電極57は、ストライプ状の各溝55を互いに仕
切る隔壁58の底面59及び側面60に連続して形成さ
れている。密封された溝55の内部にはイオン化可能な
ガスが封入され、プラズマチャネル61を構成する。こ
の構造では、プラズマ電極57は交互にアノードA及び
カソードKとして機能する。この場合、一本のカソード
Kは隣接する2ライン分のプラズマチャネル61によっ
て共用されている。従って、実際に1ライン毎にプラズ
マチャネルの線順次走査を行なう場合には、カソードK
及びアノードA両者を電気的に切り換える事により対応
する。
【0028】図10に示したプラズマセルを作成する手
順としては、先ずガラス等からなる中間基板51に溝5
5を形成する。溝の形成は例えば化学的エッチングによ
り可能である。エッチャントには弗酸、硼弗化水素酸が
使われる。溝形成後、電極材料をスパッタリング法や真
空蒸着法で膜付けした後、フォトリソグラフィ及びエッ
チングでパタニングし、隔壁58の底面59及び側面6
0のみにプラズマ電極57を形成する。次に、下側の基
板56と中間基板51の周囲を気密性を保つ様にフリッ
トガラス等でシールする。その後、溝55をイオン化可
能なガスで置換し、排気口(図示せず)を封止する。
順としては、先ずガラス等からなる中間基板51に溝5
5を形成する。溝の形成は例えば化学的エッチングによ
り可能である。エッチャントには弗酸、硼弗化水素酸が
使われる。溝形成後、電極材料をスパッタリング法や真
空蒸着法で膜付けした後、フォトリソグラフィ及びエッ
チングでパタニングし、隔壁58の底面59及び側面6
0のみにプラズマ電極57を形成する。次に、下側の基
板56と中間基板51の周囲を気密性を保つ様にフリッ
トガラス等でシールする。その後、溝55をイオン化可
能なガスで置換し、排気口(図示せず)を封止する。
【0029】本実施例の第一の特徴事項として、プラズ
マ電極57は隔壁58の側面60に沿って形成されてい
る。従って、プラズマ電極57は基板平面に対して略直
立しており、プラズマチャネル61の有効開口寸法を極
めて大きくとれる。これに対して、比較の為図11に従
来のプラズマセルの断面形状を示す。なお、比較を容易
にする為図10に示した構造と対応する部分には対応す
る参照番号を付してある。この従来例ではプラズマチャ
ネル61を構成する溝55が下側基板56の主面に形成
されている。又、一対のプラズマ電極57が、溝55の
底部62に沿って形成されている。従って、図10に示
した第三実施例に比較し、各プラズマチャネル61の有
効開口寸法は小さくなっている。即ち、プラズマ電極5
7により被覆されているプラズマチャネル61の領域は
外部入射光が遮光されるので、有効開口とはなり得な
い。
マ電極57は隔壁58の側面60に沿って形成されてい
る。従って、プラズマ電極57は基板平面に対して略直
立しており、プラズマチャネル61の有効開口寸法を極
めて大きくとれる。これに対して、比較の為図11に従
来のプラズマセルの断面形状を示す。なお、比較を容易
にする為図10に示した構造と対応する部分には対応す
る参照番号を付してある。この従来例ではプラズマチャ
ネル61を構成する溝55が下側基板56の主面に形成
されている。又、一対のプラズマ電極57が、溝55の
底部62に沿って形成されている。従って、図10に示
した第三実施例に比較し、各プラズマチャネル61の有
効開口寸法は小さくなっている。即ち、プラズマ電極5
7により被覆されているプラズマチャネル61の領域は
外部入射光が遮光されるので、有効開口とはなり得な
い。
【0030】再び図10に戻って本実施例の第二の特徴
事項を説明する。図示する様に、隔壁58の側面に形成
されたプラズマ電極57の露出部分は基板平面に対して
略直立しており、液晶セル側の信号電極54とは略垂直
になる。従って、従来構造に比べプラズマ電極57と信
号電極54との間の結合容量が少なく、クロストークを
効果的に抑制できる。この点を明らかにする為、図12
に結合容量分布の計算機シュミレーション結果を示す。
なお、このシュミレーションでは液晶層の部分を省略し
ている。図12のグラフにおいて、横軸にプラズマチャ
ネル中央からの幅方向位置(μm)をとり、縦軸に結合
容量をとってある。このシュミレーションに当ってスト
ライプ状プラズマチャネルの配列ピッチは500μmに
設定している。従って、個々のプラズマチャネルの幅寸
法は約400μm程度である。図12のグラフにおい
て、破線で示すカーブAは第三実施例に関する測定結果
を表わしており、点線で示すカーブBは図8に示した従
来例のシュミレーション結果を表わしており、実線で示
すカーブCは同じく図9に示した従来例のシュミレーシ
ョン結果を表わしている。本実施例によれば、何れの従
来例に比較しても、プラズマチャネルの幅方向中央部分
において結合容量が低減化されており、クロストークを
効果的に抑制できる。
事項を説明する。図示する様に、隔壁58の側面に形成
されたプラズマ電極57の露出部分は基板平面に対して
略直立しており、液晶セル側の信号電極54とは略垂直
になる。従って、従来構造に比べプラズマ電極57と信
号電極54との間の結合容量が少なく、クロストークを
効果的に抑制できる。この点を明らかにする為、図12
に結合容量分布の計算機シュミレーション結果を示す。
なお、このシュミレーションでは液晶層の部分を省略し
ている。図12のグラフにおいて、横軸にプラズマチャ
ネル中央からの幅方向位置(μm)をとり、縦軸に結合
容量をとってある。このシュミレーションに当ってスト
ライプ状プラズマチャネルの配列ピッチは500μmに
設定している。従って、個々のプラズマチャネルの幅寸
法は約400μm程度である。図12のグラフにおい
て、破線で示すカーブAは第三実施例に関する測定結果
を表わしており、点線で示すカーブBは図8に示した従
来例のシュミレーション結果を表わしており、実線で示
すカーブCは同じく図9に示した従来例のシュミレーシ
ョン結果を表わしている。本実施例によれば、何れの従
来例に比較しても、プラズマチャネルの幅方向中央部分
において結合容量が低減化されており、クロストークを
効果的に抑制できる。
【0031】図13の(A)に示すグラフは、プラズマ
電極高さと結合容量との関係を示す。ここで、プラズマ
電極高さHは、(B)に示す様に隔壁の側面に形成され
たプラズマ電極の幅寸法を表わしている。なお、(A)
のグラフにプロットする時、このプラズマ電極高さHを
中間基板の総厚hで規格化してある。(B)に示す様
に、総厚hは溝の深さとガラス等の誘電体の厚さを足し
合わせたものである。又、(A)のグラフでは、プラズ
マチャネルの配列ピッチpを中間基板の総厚hで規格化
した値をパラメータとしてとってある。グラフから明ら
かな様に、プラズマ電極高さHが中間基板の総厚hの1
/4以下では結合容量が小さいが、これを超えると急激
に増大する事がわかる。この傾向は中間基板の総厚hに
対しプラズマチャネルの配列ピッチpが実用範囲で変化
した場合でも同様である。但し、ピッチpが大きい程結
合容量は小さくできる。
電極高さと結合容量との関係を示す。ここで、プラズマ
電極高さHは、(B)に示す様に隔壁の側面に形成され
たプラズマ電極の幅寸法を表わしている。なお、(A)
のグラフにプロットする時、このプラズマ電極高さHを
中間基板の総厚hで規格化してある。(B)に示す様
に、総厚hは溝の深さとガラス等の誘電体の厚さを足し
合わせたものである。又、(A)のグラフでは、プラズ
マチャネルの配列ピッチpを中間基板の総厚hで規格化
した値をパラメータとしてとってある。グラフから明ら
かな様に、プラズマ電極高さHが中間基板の総厚hの1
/4以下では結合容量が小さいが、これを超えると急激
に増大する事がわかる。この傾向は中間基板の総厚hに
対しプラズマチャネルの配列ピッチpが実用範囲で変化
した場合でも同様である。但し、ピッチpが大きい程結
合容量は小さくできる。
【0032】再び図10に戻って本実施例の第三の特徴
事項を説明する。各隔壁58の側面に形成されたプラズ
マ電極57の部分は、カソードKとアノードAとの間で
互いに対面している。図8あるいは図9に示した従来の
同一平面上にアノード及びカソードが配置されている場
合に比べ、プラズマ電極端に電界が集中する事がなく、
放電均一性を向上できる。この点を明らかにする為、図
14に、計算機シュミレーションによるプラズマチャネ
ル内の電界分布を等電位曲線として表わした。但し、こ
の電界分布は放電プラズマが発生する以前の状態を表わ
したものである。図14から明らかな様に、互いに対面
するカソードKとアノードAとの間で等電位曲線は略平
行であり、放電を不均一にする電界集中は生じない。こ
れに対して、図15は図8に示した従来例におけるプラ
ズマチャネル内の電界分布を表わしている。図から明ら
かな様に、アノードA、カソードKの電極端部において
等電位線は密に分布しており、極端な電界集中が発生し
ている事がわかる。同じく図16は、図9に示した従来
例におけるプラズマチャネル内の電界分布を表わしてい
る。同様に、アノードA、カソードKの電極端部におい
て等電位線が密に分布しており、極端に電界集中が起っ
ている。
事項を説明する。各隔壁58の側面に形成されたプラズ
マ電極57の部分は、カソードKとアノードAとの間で
互いに対面している。図8あるいは図9に示した従来の
同一平面上にアノード及びカソードが配置されている場
合に比べ、プラズマ電極端に電界が集中する事がなく、
放電均一性を向上できる。この点を明らかにする為、図
14に、計算機シュミレーションによるプラズマチャネ
ル内の電界分布を等電位曲線として表わした。但し、こ
の電界分布は放電プラズマが発生する以前の状態を表わ
したものである。図14から明らかな様に、互いに対面
するカソードKとアノードAとの間で等電位曲線は略平
行であり、放電を不均一にする電界集中は生じない。こ
れに対して、図15は図8に示した従来例におけるプラ
ズマチャネル内の電界分布を表わしている。図から明ら
かな様に、アノードA、カソードKの電極端部において
等電位線は密に分布しており、極端な電界集中が発生し
ている事がわかる。同じく図16は、図9に示した従来
例におけるプラズマチャネル内の電界分布を表わしてい
る。同様に、アノードA、カソードKの電極端部におい
て等電位線が密に分布しており、極端に電界集中が起っ
ている。
【0033】図17に、前述した第三実施例の変形を示
す。(C)に表わす様に、この変形例では、プラズマ電
極57は隔壁58の底面59に形成された部分が比較的
低抵抗の膜材料63から構成されており、隔壁58の側
面60に形成された部分が比較的高抵抗の膜材料64か
らなる。これは次の理由による。即ち、放電電流を導く
プラズマ電極は、抵抗値ができる限り低い事が望まし
い。放電電流による電圧降下でプラズマチャネル長手方
向で電位勾配が起るが、これを低減する為である。この
理由で、底面59に成膜される電極材料としてはアルミ
ニウム等比較的低抵抗の膜材料が適している。しかし、
実際の放電に関与する側面60においては、逆に高抵抗
の電極材料が適している。即ち、放電が局所的に発生し
た時には、その部分の電圧降下は大きい方が、放電が抑
制され全体に均一なプラズマ放電が得られるからであ
る。従って、側面60に形成されるプラズマ電極の膜材
料としてはタングステン等が適している。かかる電極構
造の作成方法としては、例えば以下の方法が挙げられ
る。即ち、図17の(A)に示す様に、溝形成後、先ず
スパッタリング法により基板51表面に均等に高抵抗膜
64を膜付けする。次に、(B)に示す様に低抵抗膜6
3を真空蒸着法で膜付けする。この順序は逆であっても
構わない。蒸着の際、蒸着源と基板の距離を離して、基
板に対しできるだけ垂直に蒸着される様にする。蒸着法
の場合には、陰になる部分が蒸着されないので選択的に
隔壁底面のみに低抵抗膜63を膜付けできる。その後、
フォトリソグラフィ及びエッチングでパタニングする事
により、(C)に示したプラズマ電極構造が得られる。
す。(C)に表わす様に、この変形例では、プラズマ電
極57は隔壁58の底面59に形成された部分が比較的
低抵抗の膜材料63から構成されており、隔壁58の側
面60に形成された部分が比較的高抵抗の膜材料64か
らなる。これは次の理由による。即ち、放電電流を導く
プラズマ電極は、抵抗値ができる限り低い事が望まし
い。放電電流による電圧降下でプラズマチャネル長手方
向で電位勾配が起るが、これを低減する為である。この
理由で、底面59に成膜される電極材料としてはアルミ
ニウム等比較的低抵抗の膜材料が適している。しかし、
実際の放電に関与する側面60においては、逆に高抵抗
の電極材料が適している。即ち、放電が局所的に発生し
た時には、その部分の電圧降下は大きい方が、放電が抑
制され全体に均一なプラズマ放電が得られるからであ
る。従って、側面60に形成されるプラズマ電極の膜材
料としてはタングステン等が適している。かかる電極構
造の作成方法としては、例えば以下の方法が挙げられ
る。即ち、図17の(A)に示す様に、溝形成後、先ず
スパッタリング法により基板51表面に均等に高抵抗膜
64を膜付けする。次に、(B)に示す様に低抵抗膜6
3を真空蒸着法で膜付けする。この順序は逆であっても
構わない。蒸着の際、蒸着源と基板の距離を離して、基
板に対しできるだけ垂直に蒸着される様にする。蒸着法
の場合には、陰になる部分が蒸着されないので選択的に
隔壁底面のみに低抵抗膜63を膜付けできる。その後、
フォトリソグラフィ及びエッチングでパタニングする事
により、(C)に示したプラズマ電極構造が得られる。
【0034】図18は、図10に示した第三実施例のさ
らに別の変形を示す模式図である。(A)は断面形状を
示し、(B)は平面形状を示す。図10に示した実施例
と対応する部分については対応する参照番号を付して理
解を容易にしている。本変形例では、プラズマ電極57
は一本おきにアノードA及びカソードKとして固定され
ている。カソードKの方は、対応する隔壁58を境とし
て互いに隣接するプラズマチャネル61,61に夫々属
する様に分割されている事を特徴とする。(B)に示す
様に、かかる構造では1ライン分のプラズマチャネル6
1に対して、一本のカソードが配設される事になる。従
って、アノードA1,A2,A3,A4を所定の電位に
固定し、カソードK1,K2,K3,K4,K5,K6
を順次選択する事により、プラズマチャネルを1ライン
毎に線順次走査できる。
らに別の変形を示す模式図である。(A)は断面形状を
示し、(B)は平面形状を示す。図10に示した実施例
と対応する部分については対応する参照番号を付して理
解を容易にしている。本変形例では、プラズマ電極57
は一本おきにアノードA及びカソードKとして固定され
ている。カソードKの方は、対応する隔壁58を境とし
て互いに隣接するプラズマチャネル61,61に夫々属
する様に分割されている事を特徴とする。(B)に示す
様に、かかる構造では1ライン分のプラズマチャネル6
1に対して、一本のカソードが配設される事になる。従
って、アノードA1,A2,A3,A4を所定の電位に
固定し、カソードK1,K2,K3,K4,K5,K6
を順次選択する事により、プラズマチャネルを1ライン
毎に線順次走査できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、液
晶セルとプラズマセルを仕切る中間基板にストライプ状
の溝を形成して放電空間を設けている。この為、各溝の
底部を構成する肉薄部と、隣接する溝を互いに隔てる隔
壁となる肉厚部とが一体化されており、構造的に安定で
あり負圧が加わっても平面度を維持する事ができるとい
う効果がある。又、中間基板は肉薄部と肉厚部が交互に
配列した構造となっており、少なくとも一次元方向に関
し所定の剛性を有している。この為、画面の大型化を図
ってもハンドリングが容易であるという効果がある。さ
らに、従来の薄い中間板を用いた構造と異なり、本発明
では所定の厚みを有する中間基板を利用しサンドブラス
ト等によりストライプ状の溝を形成している為、大型化
した場合にも十分な寸法精度及び平坦度を確保する事が
できるという効果がある。
晶セルとプラズマセルを仕切る中間基板にストライプ状
の溝を形成して放電空間を設けている。この為、各溝の
底部を構成する肉薄部と、隣接する溝を互いに隔てる隔
壁となる肉厚部とが一体化されており、構造的に安定で
あり負圧が加わっても平面度を維持する事ができるとい
う効果がある。又、中間基板は肉薄部と肉厚部が交互に
配列した構造となっており、少なくとも一次元方向に関
し所定の剛性を有している。この為、画面の大型化を図
ってもハンドリングが容易であるという効果がある。さ
らに、従来の薄い中間板を用いた構造と異なり、本発明
では所定の厚みを有する中間基板を利用しサンドブラス
ト等によりストライプ状の溝を形成している為、大型化
した場合にも十分な寸法精度及び平坦度を確保する事が
できるという効果がある。
【0036】又、本発明によれば、中間基板に設けられ
たストライプ状溝を互いに仕切る隔壁の底面及び側面
に、プラズマ電極を連続して形成しても良い。この構造
では、従来と異なり隔壁側面に形成されたプラズマ電極
の部分が基板平面に対して略直立しており、アノード及
びカソードは互いに対向関係にある。又、プラズマ電極
と液晶セル側の信号電極は互いに略垂直関係にある。従
って、プラズマ電極と信号電極との間の結合容量を低減
できクロストークを抑制するという効果が得られる。
又、隔壁側面に沿ってプラズマ電極が配設されているの
で開口率を大きく設定できるという効果がある。さら
に、プラズマ電極端に電界が集中する事がなく、放電均
一性を向上する事が可能になるという効果がある。
たストライプ状溝を互いに仕切る隔壁の底面及び側面
に、プラズマ電極を連続して形成しても良い。この構造
では、従来と異なり隔壁側面に形成されたプラズマ電極
の部分が基板平面に対して略直立しており、アノード及
びカソードは互いに対向関係にある。又、プラズマ電極
と液晶セル側の信号電極は互いに略垂直関係にある。従
って、プラズマ電極と信号電極との間の結合容量を低減
できクロストークを抑制するという効果が得られる。
又、隔壁側面に沿ってプラズマ電極が配設されているの
で開口率を大きく設定できるという効果がある。さら
に、プラズマ電極端に電界が集中する事がなく、放電均
一性を向上する事が可能になるという効果がある。
【図1】本発明にかかるプラズマアドレス表示装置の第
一実施例を示す模式的な部分断面図である。
一実施例を示す模式的な部分断面図である。
【図2】図1に示す装置に用いられる基板の構成を示す
模式的な平面図である。
模式的な平面図である。
【図3】本発明にかかる装置の構造的な特徴を示す説明
図である。
図である。
【図4】本発明にかかるプラズマアドレス表示装置の第
二実施例を示す模式的な部分断面図である。
二実施例を示す模式的な部分断面図である。
【図5】図4に示す装置に用いられる基板の構成を示す
模式的な平面図である。
模式的な平面図である。
【図6】プラズマアドレス表示装置の動作を説明する為
の回路図である。
の回路図である。
【図7】プラズマアドレス表示装置の画素部分を切り取
って示した模式図である。
って示した模式図である。
【図8】従来のプラズマアドレス表示装置の一例を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図9】従来のプラズマアドレス表示装置の他の例を示
す断面図である。
す断面図である。
【図10】本発明にかかるプラズマアドレス表示装置の
第三実施例を示す模式的な部分断面図である。
第三実施例を示す模式的な部分断面図である。
【図11】従来のプラズマアドレス表示装置を示す部分
断面図である。
断面図である。
【図12】プラズマ電極と信号電極との間の結合容量分
布を示すグラフである。
布を示すグラフである。
【図13】プラズマ電極高さと結合容量との関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図14】第三実施例にかかるプラズマセル内の電界分
布を示すダイヤグラムである。
布を示すダイヤグラムである。
【図15】図8に示した従来例にかかるプラズマセル内
の電界分布を示すダイヤグラムである。
の電界分布を示すダイヤグラムである。
【図16】図9に示した従来例にかかるプラズマセル内
の電界分布を示すダイヤグラムである。
の電界分布を示すダイヤグラムである。
【図17】第三実施例にかかるプラズマセルの一変形例
を示す工程図である。
を示す工程図である。
【図18】第三実施例にかかるプラズマセルの他の変形
例を示す模式図である。
例を示す模式図である。
1 上側基板 2 中間基板 3 下側基板 4 液晶セル 5 プラズマセル 6 溝 7 肉薄部 8 肉厚部 9 フリットシール 10 シール材 11 液晶層 51 中間基板 52 上側基板 53 液晶層 54 信号電極 55 溝 56 下側基板 57 プラズマ電極 58 隔壁 59 底面 60 側面 61 プラズマチャネル A アノード(プラズマ電極) K カソード(プラズマ電極) D 信号電極
Claims (9)
- 【請求項1】 上側基板と中間基板の間に形成された表
示セルと、中間基板と下側基板の間に形成されたプラズ
マセルとの積層構造からなり、ストライプ状に分割され
た放電領域を線順次で活性化し表示セルのアドレッシン
グを行なうプラズマアドレス表示装置において、 前記放電領域はストライプ状の溝が形成された中間基板
の主面と下側基板の対向する主面とを互いに重ね合わせ
て設けられたストライプ状の空間からなる事を特徴とす
るプラズマアドレス表示装置。 - 【請求項2】 プラズマ電極が、該ストライプ状の各溝
を互いに隔てる肉厚部に整合して中間基板の該主面に形
成されている事を特徴とする請求項1記載のプラズマア
ドレス表示装置。 - 【請求項3】 プラズマ電極が、該下側基板の主面に沿
ってストライプ状に形成されている事を特徴とする請求
項1記載のプラズマアドレス表示装置。 - 【請求項4】 プラズマセル内に設けられた該ストライ
プ状の空間を横断する連通路が形成されている事を特徴
とする請求項1記載のプラズマアドレス表示装置。 - 【請求項5】 プラズマ電極が、該ストライプ状の各溝
を互いに仕切る隔壁の底面及び側面に形成されている事
を特徴とする請求項1記載のプラズマアドレス表示装
置。 - 【請求項6】 該隔壁側面に形成されたプラズマ電極の
幅寸法が、溝の形成された中間基板の総厚に対し1/4
以下である事を特徴とする請求項5記載のプラズマアド
レス表示装置。 - 【請求項7】 前記プラズマ電極は、隔壁底面に形成さ
れた部分が比較的低抵抗の膜材料からなり、隔壁側面に
形成された部分が比較的高抵抗の膜材料からなる事を特
徴とする請求項5記載のプラズマアドレス表示装置。 - 【請求項8】 前記プラズマ電極は、交互にアノード及
びカソードとして切り換わる事を特徴とする請求項5記
載のプラズマアドレス表示装置。 - 【請求項9】 前記プラズマ電極は、一本おきにアノー
ド及びカソードとなり、カソードは対応する隔壁を境と
して互いに隣接する溝に夫々属する様に分割されている
事を特徴とする請求項5記載のプラズマアドレス表示装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5059666A JPH06118392A (ja) | 1992-08-20 | 1993-02-24 | プラズマアドレス表示装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24592092 | 1992-08-20 | ||
JP4-245920 | 1992-08-20 | ||
JP5059666A JPH06118392A (ja) | 1992-08-20 | 1993-02-24 | プラズマアドレス表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06118392A true JPH06118392A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=26400734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5059666A Pending JPH06118392A (ja) | 1992-08-20 | 1993-02-24 | プラズマアドレス表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06118392A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6731356B2 (en) | 1996-12-20 | 2004-05-04 | Sharp Kabushiki Kaisha | Liquid crystal display device and method for producing the same |
-
1993
- 1993-02-24 JP JP5059666A patent/JPH06118392A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6731356B2 (en) | 1996-12-20 | 2004-05-04 | Sharp Kabushiki Kaisha | Liquid crystal display device and method for producing the same |
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