JPH0611733B2 - 芳香族二酢酸エステル類の製法 - Google Patents
芳香族二酢酸エステル類の製法Info
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- JPH0611733B2 JPH0611733B2 JP61263265A JP26326586A JPH0611733B2 JP H0611733 B2 JPH0611733 B2 JP H0611733B2 JP 61263265 A JP61263265 A JP 61263265A JP 26326586 A JP26326586 A JP 26326586A JP H0611733 B2 JPH0611733 B2 JP H0611733B2
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、芳香族二酢酸エステル類の製法に関するもの
である。更にくわしくは、有機ハロゲン化物を塩基性化
合物及びパラジウム含有触媒の存在下に、アルコール及
び一酸化炭素とともにカルボニル化することを特徴とす
る、芳香族二酢酸エステル類の製法に関するものであ
る。
である。更にくわしくは、有機ハロゲン化物を塩基性化
合物及びパラジウム含有触媒の存在下に、アルコール及
び一酸化炭素とともにカルボニル化することを特徴とす
る、芳香族二酢酸エステル類の製法に関するものであ
る。
芳香族二酢酸エステル類はポリエステル等のポリマー製
造する中間体として重要な一群の化合物である。一般式 X−CH2−Ar−CH2−X (式中Ar,Xは前記と同じ)の有機ハロゲン化物か
ら、一般式 R−O2CCH2−Ar−CH2CO2R (式中Ar、Rは前記と同じ)の芳香族二酢酸エステル
類を得る方法はいくつか報告されている。
造する中間体として重要な一群の化合物である。一般式 X−CH2−Ar−CH2−X (式中Ar,Xは前記と同じ)の有機ハロゲン化物か
ら、一般式 R−O2CCH2−Ar−CH2CO2R (式中Ar、Rは前記と同じ)の芳香族二酢酸エステル
類を得る方法はいくつか報告されている。
一つは、ハロゲン化物にアルカリシアン化物を反応さ
せ、引続きニトリルをケン化して酸にし、エステル化す
る方法であるが、多工程にわたる反応結果が著しく不十
分であり、又毒性のシアン化合物を扱わなければならな
い。
せ、引続きニトリルをケン化して酸にし、エステル化す
る方法であるが、多工程にわたる反応結果が著しく不十
分であり、又毒性のシアン化合物を扱わなければならな
い。
次に、ハロゲン化物をアルコール、塩基性化合物の存在
下にカルボニル化する方法がある。コバルト化合物を触
媒とした場合には、実施例として触媒の分添およびガス
の連続パージを伴う処方が記載されており、操作が煩雑
である(特開昭57−183740号)。ロジウム化合
物を触媒として用いる場合には、実施例においてpHを
7−9に維持しながら塩基を分添することが記載されて
おりこれも操作が煩雑である(特公昭56−1613
4)。また、パラジウム化合物を触媒として用い、塩基
としてアルカリ金属化合物を共存させる方法も提案され
ているが反応速度が遅く、またハロゲン原子の求核置換
反応生成物を副生し、目的物の収率が悪い(米国特許第
4016194(1977)およびJ.Organometal.Chem.,188,223(1
980))。
下にカルボニル化する方法がある。コバルト化合物を触
媒とした場合には、実施例として触媒の分添およびガス
の連続パージを伴う処方が記載されており、操作が煩雑
である(特開昭57−183740号)。ロジウム化合
物を触媒として用いる場合には、実施例においてpHを
7−9に維持しながら塩基を分添することが記載されて
おりこれも操作が煩雑である(特公昭56−1613
4)。また、パラジウム化合物を触媒として用い、塩基
としてアルカリ金属化合物を共存させる方法も提案され
ているが反応速度が遅く、またハロゲン原子の求核置換
反応生成物を副生し、目的物の収率が悪い(米国特許第
4016194(1977)およびJ.Organometal.Chem.,188,223(1
980))。
本発明者らは、このような事情に鑑み、芳香族二酢酸エ
ステル類の有利な製法につき、鋭意研究、探索した結
果、パラジウム含有触媒の存在下で共存する塩基性化合
物を適切に選択することにより、高収率、高選択率かつ
簡便に、有機ハロゲン化物から目的物を得る方法を見出
し、本発明を完成するに至った。
ステル類の有利な製法につき、鋭意研究、探索した結
果、パラジウム含有触媒の存在下で共存する塩基性化合
物を適切に選択することにより、高収率、高選択率かつ
簡便に、有機ハロゲン化物から目的物を得る方法を見出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、一般式 X−CH2−Ar−CH2−X (Xはハロゲン原子を表し、Arは二価の芳香族核を表
す。これらは不活性置換基を有していてもよく、また多
環、縮合環でもよい)で表される有機ハロゲン化物をア
ミン類及びパラジウム含有触媒の存在下に、一般式RO
H(式中Rは炭素数1〜10のアルキル、シクロアルキ
ル、アラルキル、アリール基を表す)で示されるアルコ
ール及び、一酸化炭素と反応させることを特徴とする、
一般式 R−O2C−CH2−Ar−CH2−CO2−R (Ar,Rは前記と同じ)で示される芳香族二酢酸エス
テル類の工業的に有利な製法が提供される。
す。これらは不活性置換基を有していてもよく、また多
環、縮合環でもよい)で表される有機ハロゲン化物をア
ミン類及びパラジウム含有触媒の存在下に、一般式RO
H(式中Rは炭素数1〜10のアルキル、シクロアルキ
ル、アラルキル、アリール基を表す)で示されるアルコ
ール及び、一酸化炭素と反応させることを特徴とする、
一般式 R−O2C−CH2−Ar−CH2−CO2−R (Ar,Rは前記と同じ)で示される芳香族二酢酸エス
テル類の工業的に有利な製法が提供される。
本発明は次の当量関係により進行していると推定され
る。
る。
X−CH2−Ar−CH2X+2CO+2ROH〔pd〕 →RO2CCH2−Ar−CH2CO2R+2HX 反応を継続させて完結させるためには生成するハロゲン
化水素を補捉するためのアミン類の添加が好ましい。
化水素を補捉するためのアミン類の添加が好ましい。
本発明の方法に用いる有機ハロゲン化物(一般式X−C
H2−Ar−CH2−X)のArは二価の芳香族核であ
り、不活性置換基が置換してもよい。そのような不活性
置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ニ
トリル基、ハロゲンである。また、Xはハロゲン原子で
あり、パラジウム触媒に対する反応性面を考慮するなら
ば、塩素、臭素又は沃素原子のものを用いるのが好まし
い。
H2−Ar−CH2−X)のArは二価の芳香族核であ
り、不活性置換基が置換してもよい。そのような不活性
置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ニ
トリル基、ハロゲンである。また、Xはハロゲン原子で
あり、パラジウム触媒に対する反応性面を考慮するなら
ば、塩素、臭素又は沃素原子のものを用いるのが好まし
い。
このような有機ハロゲン化物を例示すれば、α,α′-
ジハロキシレン類、例えばα,α′-ジクロロ-p-キシレ
ン、α,α′-ジブロモ-p-キシレン、α,α′-ジヨー
ド-p-キシレン、α,α′-ジクロロ-m-キシレン、α,
α′-ジクロロ-o-キシレン、ビス(ハロメチル)ビフェニ
ル類、例えば、4,4′-ビス(クロロメチル)-1,1′-
ビフェニル、4,4′-ビス(ブロモメチル)-1,1′-
ビフェニル、ビス(ハロメチル)ナフタレン類、例えば、
1,4-ビス(クロロメチル)ナフタレン、1,5-ビス
(クロロメチル)ナフタレン、2,6-ビス(クロロメチ
ル)ナフタレン、2,3-ビス(クロロメチル)ナフタレ
ン、ビス(クロロメチル)アントラセン類、例えば、1,
4-ビス(クロロメチル)アントラセン、9,10-ビス
(クロロメチル)アントラセン、4,4″-ビス(クロロメ
チル)-1,1′:4′,1″-テルフェニル、4,4-
ビス(クロロメチル)-1,1′:4′,1″:4″,1
クオターフェニル、2,7-ビス(クロロメチル)フェ
ナントレン、2,7-ビス(クロロメチル)ピレン、3,
6-ビス(クロロメチル)デュレン、3,4-ビス(クロロ
メチル)シクロヘキシルベンゼン、3,4-ビス(クロロ
メチル)アニソール、3,4-ビス(クロロメチル)トルエ
ン、3,5-ビス(クロロメチル)クロロベンゼン、3,
5-ビス(クロロメチル)アセトフェノン、3,6-ビス
(クロロメチル)アセトフェノン、3,5-ビス(クロロメ
チル)ベンゾニトリル、α,ω-ビス(4-クロロメチルフ
ェニル)アルカン、(アルカンは炭素数1〜10の直鎖、分
枝鎖、環状鎖のもの) p,p′-ビス(クロロメチル)ジフェニルエーテル、
2,3,5,6-テトラクロル-p-キシレンジクロリド、
p,p′-ビス(クロロメチル)ベンゾフェノンなどが挙
げられる。
ジハロキシレン類、例えばα,α′-ジクロロ-p-キシレ
ン、α,α′-ジブロモ-p-キシレン、α,α′-ジヨー
ド-p-キシレン、α,α′-ジクロロ-m-キシレン、α,
α′-ジクロロ-o-キシレン、ビス(ハロメチル)ビフェニ
ル類、例えば、4,4′-ビス(クロロメチル)-1,1′-
ビフェニル、4,4′-ビス(ブロモメチル)-1,1′-
ビフェニル、ビス(ハロメチル)ナフタレン類、例えば、
1,4-ビス(クロロメチル)ナフタレン、1,5-ビス
(クロロメチル)ナフタレン、2,6-ビス(クロロメチ
ル)ナフタレン、2,3-ビス(クロロメチル)ナフタレ
ン、ビス(クロロメチル)アントラセン類、例えば、1,
4-ビス(クロロメチル)アントラセン、9,10-ビス
(クロロメチル)アントラセン、4,4″-ビス(クロロメ
チル)-1,1′:4′,1″-テルフェニル、4,4-
ビス(クロロメチル)-1,1′:4′,1″:4″,1
クオターフェニル、2,7-ビス(クロロメチル)フェ
ナントレン、2,7-ビス(クロロメチル)ピレン、3,
6-ビス(クロロメチル)デュレン、3,4-ビス(クロロ
メチル)シクロヘキシルベンゼン、3,4-ビス(クロロ
メチル)アニソール、3,4-ビス(クロロメチル)トルエ
ン、3,5-ビス(クロロメチル)クロロベンゼン、3,
5-ビス(クロロメチル)アセトフェノン、3,6-ビス
(クロロメチル)アセトフェノン、3,5-ビス(クロロメ
チル)ベンゾニトリル、α,ω-ビス(4-クロロメチルフ
ェニル)アルカン、(アルカンは炭素数1〜10の直鎖、分
枝鎖、環状鎖のもの) p,p′-ビス(クロロメチル)ジフェニルエーテル、
2,3,5,6-テトラクロル-p-キシレンジクロリド、
p,p′-ビス(クロロメチル)ベンゾフェノンなどが挙
げられる。
添加する塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、N-メチルピロリジンジシクロヘキシ
ルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン,2,
2,6,6-テトラメチルピペリジンのごとき、第2
級、第3級アルキルアミン類が好適に用いられる。ま
た、2,4,6-コリジンのような複素環アミンも用い
ることができる。これらアミン類の使用量は一般的には
有機ハロゲン化物の使用量に対して2当量以上であれば
よく、塩基性化合物が反応温度で液体である場合には、
これを大過剰(10〜1000倍)に用いて溶媒としての役割を
兼ねさせることも、本発明の有利な態様である。
リブチルアミン、N-メチルピロリジンジシクロヘキシ
ルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン,2,
2,6,6-テトラメチルピペリジンのごとき、第2
級、第3級アルキルアミン類が好適に用いられる。ま
た、2,4,6-コリジンのような複素環アミンも用い
ることができる。これらアミン類の使用量は一般的には
有機ハロゲン化物の使用量に対して2当量以上であれば
よく、塩基性化合物が反応温度で液体である場合には、
これを大過剰(10〜1000倍)に用いて溶媒としての役割を
兼ねさせることも、本発明の有利な態様である。
使用するアルコールには、制限は無く、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、t−ブタノール、ヘキサ
ノール、アリルアルコール、エチレングリコール、シク
ロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、ク
レゾールなどを挙げることができる。その使用量は一般
的には有機ハロゲン化物に対して2当量以上であればよ
く、これを大過剰(10〜1000倍)に用いて溶媒としての役
割を兼ねさせることも、本発明の有利な態様の一つであ
る。
タノール、イソプロパノール、t−ブタノール、ヘキサ
ノール、アリルアルコール、エチレングリコール、シク
ロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、ク
レゾールなどを挙げることができる。その使用量は一般
的には有機ハロゲン化物に対して2当量以上であればよ
く、これを大過剰(10〜1000倍)に用いて溶媒としての役
割を兼ねさせることも、本発明の有利な態様の一つであ
る。
本発明の反応はパラジウム触媒の存在下に実施すること
により有利な反応速度で進行する。この場合に用いられ
るパラジウム含有触媒としては、配位子中に、ホスフィ
ン類、ホスファイト類、ホスフィナイト類、アルシン
類、第3級アミン類、ピリジン塩基類及びビピリジルか
ら選ばれた少なくとも1種を有するパラジウム含有触媒
が用いられる。これを例示すると例えばテトラキス(ト
リフェニルホスフイン)パラジウム、テトラキス(トリ
フェニルアルシン)パラジウム、カルボニルトリス(ト
リフェニルホスフイン)パラジウム、無水マレイン酸ビ
ス(トリフェニルホスフイン)パラジウムなど零価パラ
ジウム錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフイン)
パラジウム、ジブロモビス(トリフェニルアルシン)パ
ラジウム、ジクロロ-1,1′-ビス(ジフェニルホスフ
イノ)フェロセンパラジウム、ジクロロ-1,1′-ビス
(ジフェニルアルシノ)フェロセンパラジウム、ジクロ
ロ-α,ω-(ジフェニルホスフイノ)アルカンパラジウ
ム(アルカンは炭素数1〜10の直鎖、分枝鎖、環状鎖の
もの)、ジクロロ-α,α′-ビス(ジフェニルホスフイ
ノ)-ο-キシレンパラジウム、ビスアセタトビス(トリ
フェニルホスフイン)パラジウムなどの二価パラジウム
錯体、ヨードフェニルビス(トリフェニルホスフイン)
パラジウム、ヨードパラトリルビス(トリフェニルアル
シン)パラジウム、クロロベンゾイルビス(トリフェニ
ルホスフイン)パラジウム、ヨードメチルビス(トリブ
チルホスフイン)パラジウム、ジメチル1,2-(ジフエ
ニルホスフイノ)エタンパラジウム、ジヒドリドビス(ト
リシクロヘキシル)ホスフインパラジウムなどの有機又
水素化パラジウム錯体などをあげることができるが、反
応系中で有機ハロゲン化物と反応して有機パラジウム錯
体を生ずるものであれば、そのような前駆体も用いるこ
とができる。また、これらの触媒にホスフイン類、ホス
ファイト類、ホスフィナイト類、アルシン類、第3級ア
ミン類、ピリジン塩基類、ビピリジルなどの配位子を添
加し、反応に用いてもよい。パラジウム金属の析出を抑
えるため、意図的に過剰の配位子の共存が推奨される場
合もある。これらの触媒の使用量はいわゆる触媒量でよ
く、一般的にはハロゲン化合物に対するモル比で0.1〜
0.00001の範囲で選択される。
により有利な反応速度で進行する。この場合に用いられ
るパラジウム含有触媒としては、配位子中に、ホスフィ
ン類、ホスファイト類、ホスフィナイト類、アルシン
類、第3級アミン類、ピリジン塩基類及びビピリジルか
ら選ばれた少なくとも1種を有するパラジウム含有触媒
が用いられる。これを例示すると例えばテトラキス(ト
リフェニルホスフイン)パラジウム、テトラキス(トリ
フェニルアルシン)パラジウム、カルボニルトリス(ト
リフェニルホスフイン)パラジウム、無水マレイン酸ビ
ス(トリフェニルホスフイン)パラジウムなど零価パラ
ジウム錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフイン)
パラジウム、ジブロモビス(トリフェニルアルシン)パ
ラジウム、ジクロロ-1,1′-ビス(ジフェニルホスフ
イノ)フェロセンパラジウム、ジクロロ-1,1′-ビス
(ジフェニルアルシノ)フェロセンパラジウム、ジクロ
ロ-α,ω-(ジフェニルホスフイノ)アルカンパラジウ
ム(アルカンは炭素数1〜10の直鎖、分枝鎖、環状鎖の
もの)、ジクロロ-α,α′-ビス(ジフェニルホスフイ
ノ)-ο-キシレンパラジウム、ビスアセタトビス(トリ
フェニルホスフイン)パラジウムなどの二価パラジウム
錯体、ヨードフェニルビス(トリフェニルホスフイン)
パラジウム、ヨードパラトリルビス(トリフェニルアル
シン)パラジウム、クロロベンゾイルビス(トリフェニ
ルホスフイン)パラジウム、ヨードメチルビス(トリブ
チルホスフイン)パラジウム、ジメチル1,2-(ジフエ
ニルホスフイノ)エタンパラジウム、ジヒドリドビス(ト
リシクロヘキシル)ホスフインパラジウムなどの有機又
水素化パラジウム錯体などをあげることができるが、反
応系中で有機ハロゲン化物と反応して有機パラジウム錯
体を生ずるものであれば、そのような前駆体も用いるこ
とができる。また、これらの触媒にホスフイン類、ホス
ファイト類、ホスフィナイト類、アルシン類、第3級ア
ミン類、ピリジン塩基類、ビピリジルなどの配位子を添
加し、反応に用いてもよい。パラジウム金属の析出を抑
えるため、意図的に過剰の配位子の共存が推奨される場
合もある。これらの触媒の使用量はいわゆる触媒量でよ
く、一般的にはハロゲン化合物に対するモル比で0.1〜
0.00001の範囲で選択される。
本発明は0℃〜200℃、好ましくは10℃〜150℃の反応温
度に於て実施され、一酸化炭素の分圧は0.5気圧以上で
ある。
度に於て実施され、一酸化炭素の分圧は0.5気圧以上で
ある。
本発明の方法は溶媒の有無にかかわらず実施することが
出来るが、溶媒を用いる場合には、アミノ基、カルボキ
シル基、水酸基などの活性なプロトン源を含むものを除
いて、通常用いられる溶媒、すなわちベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン、エーテル、テトラヒドロフラン、ヘキサ
メチルホスホロトリアミド(HMPA)、ジブチルエーテル、
アセトニトリル、塩化メチレン、アセトンなどから選ば
れる。
出来るが、溶媒を用いる場合には、アミノ基、カルボキ
シル基、水酸基などの活性なプロトン源を含むものを除
いて、通常用いられる溶媒、すなわちベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン、エーテル、テトラヒドロフラン、ヘキサ
メチルホスホロトリアミド(HMPA)、ジブチルエーテル、
アセトニトリル、塩化メチレン、アセトンなどから選ば
れる。
反応混合物からの生成物の分離精製は通常の手段を用い
る。一例としては、反応混合物を塩酸酸性とし、次にエ
ーテル−水混合物中に移して、エーテル層を分けとりエ
ーテルを除去したのち、蒸留、再結晶、又はカラムクロ
マトグラフィー等により目的物を単離する。
る。一例としては、反応混合物を塩酸酸性とし、次にエ
ーテル−水混合物中に移して、エーテル層を分けとりエ
ーテルを除去したのち、蒸留、再結晶、又はカラムクロ
マトグラフィー等により目的物を単離する。
本発明の方法によれば、容易に入手可能な〔たとえば、
オーガニック・リアクション(Organic Reaction)、第1
巻、63ページ(1942)参照〕ハロゲン化物のカル
ボニル化することによって一段の反応で芳香族二酢酸エ
ステル類が容易に得られる。従って、従来のカルボニル
化反応と比べて、操作が簡便かつ収率が高いという特徴
を合わせもつ本法は、工業的見地から芳香族二酢酸エス
テル類の合成法として有利に利用できる。
オーガニック・リアクション(Organic Reaction)、第1
巻、63ページ(1942)参照〕ハロゲン化物のカル
ボニル化することによって一段の反応で芳香族二酢酸エ
ステル類が容易に得られる。従って、従来のカルボニル
化反応と比べて、操作が簡便かつ収率が高いという特徴
を合わせもつ本法は、工業的見地から芳香族二酢酸エス
テル類の合成法として有利に利用できる。
以下実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1. 容量27mlのSUS316製オートクレーブに、窒素雰囲気下
で、α,α′-ジクロロ-p-キシレン(2mmol)、メタノー
ル(5ml)、ジシクロヘキシルメチルアミン(8mmol)、PdCl
2(PPh3)2(0.02mmol)を仕込み、一酸化炭素を室温で20気
圧まで圧入し、80℃で4時間反応させた。反応液を塩酸
酸性とし、エーテル抽出し、抽出を濃縮した。ガスクロ
マトグラフィーで定量の結果、p-ビス(メトキシカルボ
ニルメチル)ベンゼンが91.8%収率で生成していることを
認めた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、純品を88.8%収率で得た。mp56.5-57.5℃ 比較例1 ジシクロヘキシルメチルアミンの代わりに同モル量の酢
酸ナトリウムを用いた以外は実施例1と全く同様にして
反応を行わせたところ、p−ビス(メトキシカルボニル
メチル)ベンゼンが収率19.8%で生成した。また、
p−(アセトキシメチル)メトキシカルボニルメチルベ
ンゼン25.6%、p−(メトキシメチル)メトキシカ
ルボニルメチルベンゼン13.5%が副生した。
で、α,α′-ジクロロ-p-キシレン(2mmol)、メタノー
ル(5ml)、ジシクロヘキシルメチルアミン(8mmol)、PdCl
2(PPh3)2(0.02mmol)を仕込み、一酸化炭素を室温で20気
圧まで圧入し、80℃で4時間反応させた。反応液を塩酸
酸性とし、エーテル抽出し、抽出を濃縮した。ガスクロ
マトグラフィーで定量の結果、p-ビス(メトキシカルボ
ニルメチル)ベンゼンが91.8%収率で生成していることを
認めた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、純品を88.8%収率で得た。mp56.5-57.5℃ 比較例1 ジシクロヘキシルメチルアミンの代わりに同モル量の酢
酸ナトリウムを用いた以外は実施例1と全く同様にして
反応を行わせたところ、p−ビス(メトキシカルボニル
メチル)ベンゼンが収率19.8%で生成した。また、
p−(アセトキシメチル)メトキシカルボニルメチルベ
ンゼン25.6%、p−(メトキシメチル)メトキシカ
ルボニルメチルベンゼン13.5%が副生した。
実施例2〜6. 実施例1のジシクロヘキシルメチルアミンに代えて、以
下の塩基を用いて、実施例1の反応を繰り返した。結果
を実施例1とともに表1に示した。
下の塩基を用いて、実施例1の反応を繰り返した。結果
を実施例1とともに表1に示した。
実施例7〜10 実施例1のメタノールに代えて、以下のアルコールを用
いて、実施例1の反応を繰り返した。
いて、実施例1の反応を繰り返した。
その結果を表2に示した。
実施例11〜17. 内容積27mのSUS316製オートクレーブに、窒素
雰囲気下α,α′-ジクロロ-p-キシレン(2mmol)、メタ
ノール(2.5m)、ジシクロヘキシルメチルアミン(4.4m
mol)、下記のパラジウム触媒(0.02mmol)を仕込み、一酸
化炭素を室温で20気圧まで圧入し、80℃で、4時間反応
させた。反応液を塩酸酸性にし、エーテル抽出し、抽出
液を濃縮後、p-ビス(メトキシカルボニルメチル)ベン
ゼンをガスクロマトグラフィー定量した。その結果を表
3に示した。
雰囲気下α,α′-ジクロロ-p-キシレン(2mmol)、メタ
ノール(2.5m)、ジシクロヘキシルメチルアミン(4.4m
mol)、下記のパラジウム触媒(0.02mmol)を仕込み、一酸
化炭素を室温で20気圧まで圧入し、80℃で、4時間反応
させた。反応液を塩酸酸性にし、エーテル抽出し、抽出
液を濃縮後、p-ビス(メトキシカルボニルメチル)ベン
ゼンをガスクロマトグラフィー定量した。その結果を表
3に示した。
実施例18〜21 実施例17において、メタノール(2.5m)のかわりに
メタノール(8.0mmol)と下記の溶媒(2.5m)を用いて、
実施例17の反応を繰り返した。その結果を表4に示し
た。
メタノール(8.0mmol)と下記の溶媒(2.5m)を用いて、
実施例17の反応を繰り返した。その結果を表4に示し
た。
実施例22〜24 実施例1において、メタノール(5m)の代わりにメタ
ノール(8.0mmol)と下記の溶媒5m)を用いて、実施例
1の反応を繰り返した。
ノール(8.0mmol)と下記の溶媒5m)を用いて、実施例
1の反応を繰り返した。
その結果を表5に示した。
実施例25〜30 実施例17において、α,α′-ジクロロ-p-キシレンの
代わりに下記のジハロゲン化物を用いて、実施例17の
反応を繰り返した。
代わりに下記のジハロゲン化物を用いて、実施例17の
反応を繰り返した。
その結果を表−6に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正人 茨城県筑波郡谷田部町東1丁目1番地 工 業技術院化学技術研究所内 (56)参考文献 米国特許4016194
Claims (3)
- 【請求項1】一般式: X−CH2−Ar−CH2−X (式中、Xはハロゲン原子を表し、Arは二価の芳香族
核を表す。これらのアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキ
シ基、ニトリル基及びハロゲンから選ばれた置換基を有
していてもよく、また、多環、縮合環でもよい。)で表
される有機ハロゲン化物を、アミン類及びホスフィン
類、ホスファイト類、スフィナイト類、アルシン類、第
3級アミン類、ピリジン塩基類及びビピリジルから選ば
れた少なくとも1種を配位子とするパラジウム含有触媒
の存在下に、一般式ROH(式中Rは炭素数1〜10の
アルキル、シクロアルキル、アラルキル又はアリール基
を表す。)で示されるアルコール及び一酸化炭素と反応
させることを特徴とする、一般式 R−O2CCH2−Ar−CH2CO2R (Ar、Rは前記と同じ意味をもつ。)で示される芳香
族二酢酸エステル類の製法。 - 【請求項2】アミン類がトリアルキルアミン又はジアル
キルアミンである特許請求の範囲第1項記載の製法。 - 【請求項3】トリアルキルアミン又はジアルキルアミン
のアルキル基の少なくとも一つが、第2級又は第3級ア
ルキル基である特許請求の範囲第1項又は第2項記載の
製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61263265A JPH0611733B2 (ja) | 1986-11-05 | 1986-11-05 | 芳香族二酢酸エステル類の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61263265A JPH0611733B2 (ja) | 1986-11-05 | 1986-11-05 | 芳香族二酢酸エステル類の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63119441A JPS63119441A (ja) | 1988-05-24 |
JPH0611733B2 true JPH0611733B2 (ja) | 1994-02-16 |
Family
ID=17387056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61263265A Expired - Lifetime JPH0611733B2 (ja) | 1986-11-05 | 1986-11-05 | 芳香族二酢酸エステル類の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0611733B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1990002769A1 (en) * | 1988-09-06 | 1990-03-22 | Idemitsu Petrochemical Company Limited | Branched polycarbonate and process for its production |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4016194A (en) * | 1975-09-24 | 1977-04-05 | Texaco Inc. | Preparative process for preparing phenylenediacetate diesters |
-
1986
- 1986-11-05 JP JP61263265A patent/JPH0611733B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
米国特許4016194 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1990002769A1 (en) * | 1988-09-06 | 1990-03-22 | Idemitsu Petrochemical Company Limited | Branched polycarbonate and process for its production |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63119441A (ja) | 1988-05-24 |
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