JPH06116282A - ピノレジノール配糖体、これを含有する胡麻抽出物及びこれらの分離方法並びにこれらを用いる脂質の酸化防止方法 - Google Patents

ピノレジノール配糖体、これを含有する胡麻抽出物及びこれらの分離方法並びにこれらを用いる脂質の酸化防止方法

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JPH06116282A JP28936792A JP28936792A JPH06116282A JP H06116282 A JPH06116282 A JP H06116282A JP 28936792 A JP28936792 A JP 28936792A JP 28936792 A JP28936792 A JP 28936792A JP H06116282 A JPH06116282 A JP H06116282A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、安全且つ有効な水溶性の天然抗酸化
剤として活用できる、新規のピノレジノール配糖体、こ
れを含有する胡麻抽出物及びこれらの分離方法並びにこ
れらを用いる脂質の酸化防止方法を提供するものであ
る。 【構成】本発明のピノレジノール配糖体は胡麻種子中に
存在する特定構造のリグナン化合物配糖体であることを
特徴としている。またその分離方法は破砕された脱脂ゴ
マ種子から水性抽出液を得た後に少なくとも液体クロマ
トグラフィーを用いて分画することを特徴としている。
更にこれらを用いる脂質の酸化防止方法は上記ピノレジ
ノール配糖体を脂質が共存する水系媒体中へ含有させる
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規のピノレジノール配
糖体、これを含有する胡麻抽出物及びこれらの分離方法
並びにこれらを用いる脂質の酸化防止方法に関する。食
品中の脂質が酸化されると、該食品の風味が損なわれる
ばかりでなく、その酸化生成物が癌の発生原因になると
の指摘がなされている。また生体構成脂質が酸化される
と、癌の発生原因になるとの指摘もなされている。本発
明は、かかる脂質の酸化を安全且つ有効に防止できる新
規のピノレジノール配糖体、これを含有する胡麻抽出物
及びこれらの分離方法並びにこれらを用いる脂質の酸化
防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、抗酸化剤として、ブチルヒドロキ
シトルエン(BHT)やブチルヒドロキシアニソール
(BHA)等の合成抗酸化剤が使用されている。ところ
が、これら従来の合成抗酸化剤にはそれ自体に発癌性の
疑いがあるという欠点がある。
【0003】そこで従来、抗酸化剤として、セサミノー
ル、セサモリノール、ピノレジノール等の天然抗酸化剤
が提案されている(特開昭62−581)。これらは、
胡麻種子中に含まれるリグナン化合物であり、天然抗酸
化剤であるため、相応にして安全であるという利点があ
る。ところが、これら従来の天然抗酸化剤には、いずれ
も油溶性(非水溶性)であるため、その使用に制約が伴
うという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の合成抗酸化剤にはそれ自体に発癌性
の疑いがあり、また従来の油溶性の天然抗酸化剤にはそ
の使用に制約が伴うという点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
叙上の如き課題を解決する安全且つ有効な水溶性の天然
抗酸化剤を得るべく鋭意研究した結果、胡麻種子中に含
まれる微量物質の分離を行うことにより、胡麻種子中に
は新規のピノレジノール配糖体が含まれていて、該ピノ
レジノール配糖体が安全且つ有効な水溶性の天然抗酸化
剤であることを見出した。
【0006】すなわち本発明は、下記の式1で示される
ピノレジノール配糖体、これを含有する胡麻抽出物及び
これらの分離方法並びにこれらを用いる脂質の酸化防止
方法に係る。
【0007】
【式1】
【0008】本発明のピノレジノール配糖体は胡麻種子
中に存在する。胡麻種子を各種の方法で抽出及び分画す
ることにより本発明の胡麻抽出物及び本発明のピノレジ
ノール配糖体が得られる。
【0009】本発明で用いる原料の胡麻種子としては、
栽培種であるセサマムインディカム( sesamum indicum
)の他に、各種の野生種が挙げられる。これらの胡麻
種子は、抽出効率からみて破砕されていることが好まし
く、また胡麻種子中には約50%の油分が含まれている
ので、抽出効率からみて油分もなるべく除去されている
ことが好ましい。したがって本発明では、胡麻種子を破
砕し、脱脂した後に、抽出する。このように破砕された
脱脂胡麻種子としては、ミルで破砕した後にヘキサンで
油分を抽出した脱脂胡麻種子を用いることができるが、
通常の食用胡麻油製造工程においてエキスペラーで搾油
した後の脱脂胡麻種子も用いることができる。
【0010】上記の破砕された脱脂胡麻種子から本発明
の胡麻抽出物及び本発明のピノレジノール配糖体を抽出
するために用いる溶媒としては水、水溶性溶媒又はこれ
らの混合溶媒が挙げられる。かかる水溶性溶媒としては
メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール等の低級アルコール類、アセト
ン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドが挙
げられるが、溶媒としては水、低級アルコール類、及び
水と低級アルコール類との混合溶媒が好ましく、なかで
も水とエタノールとの混合溶媒が特に好ましい。
【0011】抽出操作は破砕された脱脂胡麻種子の2〜
7倍重量の溶媒を用いて行うことが好ましい。2倍以下
では溶媒が破砕された脱脂胡麻種子に吸収されて抽出操
作が困難であり、逆に7倍以上では抽出効率が悪い。抽
出操作は任意の温度で行うことができるが、目的物質を
変質させないようにするため、50℃以下で行うのが好
ましい。好ましい抽出操作として、室温で3〜5倍重量
の溶媒を用いて8〜24時間撹拌し、次いで濾過する方
法が挙げられる。
【0012】かくして得られた抽出液を、目的物質を変
質させないよう50℃以下で濃縮又は乾燥して本発明の
ピノレジノール配糖体を0.03〜0.3重量%含有す
る胡麻抽出物が得られる。そしてこの胡麻抽出物を必要
に応じ前記した溶媒を適宜選択使用して再抽出し、その
抽出液を液体クロマトグラフィー等を用いて分画するこ
とにより本発明のピノレジノール配糖体を高濃度に含有
する区分が得られ、更に少なくとも液体クロマトグラフ
ィーを用いて分画を繰り返すことにより本発明のピノレ
ジノール配糖体が単体として得られる。
【0013】本発明は液体クロマトグラフィーを用いる
分画方法それ自体を特に制限するものではなく、かかる
分画方法としては公知の方法が適用できる。例えばその
固定相としてはシリカゲル、アルミナ、ODSシリカ、
架橋ポリスチレン、イオン交換樹脂等の公知の担体を適
宜に選択使用することができ、また展開溶媒としては
水、水溶性溶媒又はこれらの混合溶媒を適宜に組み合わ
せて用いることができる。そして分画操作は、単独の固
定相を用いて行うことができ、又は別種の固定相を用い
繰り返して行うこともできる。
【0014】かくして単離される本発明のピノレジノー
ル配糖体は、詳しくは後述するような分析結果乃至理化
学的性質を有しており、かかる分析結果乃至理化学的性
質から、前記の式1で示される化学構造を有するもので
あることが決定された。
【0015】本発明のピノレジノール配糖体及びこれを
含有する胡麻抽出物は水溶性物質であって、水系媒体中
に共存する脂質の酸化を防止するのに有効である。
【0016】本発明のピノレジノール配糖体又はこれを
含有するゴマ抽出物を適用して酸化防止の対象とする脂
質としてはトリグリセライド、リン脂質、糖脂質、ステ
ロール類、リポ蛋白等の生体脂質、動植物油脂、脂肪酸
等が挙げられ、これらの他にもカロチノイド、ヘマチン
色素等の動植物体色素等も酸化防止の対象として挙げら
れるが、本発明がこれらのものに限定されるというもの
ではない。
【0017】本発明のピノレジノール配糖体又はこれを
含有するゴマ抽出物を用いて上記のような脂質の酸化を
防止するには、脂質と水系媒体とが共存する系におい
て、ピノレジノール配糖体又はこれを含有するゴマ抽出
物を該水系媒体中へ含有させることによって達成され
る。
【0018】脂質と水系媒体とが共存する系としては、
水系媒体中に油脂類が乳化分散されている系(牛乳、ド
レッシング、バニシングクリームや乳液等の化粧品
等)、油脂中に水系媒体が乳化分散されている系(マヨ
ネーズ、コールドクリーム等の化粧品、バター、マーガ
リン、チョコレート等)、水系媒体中にカロチノイドが
分散されている系(天然ジュース、トマトケチャップ
等)、魚肉、豚肉、牛肉等の脂質と水系媒体とが共存す
る生食肉組織系、ハム、ソーセージ等の食肉加工品等、
更には水と脂質とが共存する各種の生体組織が挙げられ
る。
【0019】本発明は本発明のピノレジノール配糖体又
はこれを含有するゴマ抽出物を前記した水と脂質とが共
存する系に含有させる量について特に制限するものでは
ないが、その含有量は通常脂質1g当たり本発明のピノ
レジノール配糖体として1〜200μMである。
【0020】本発明は本発明のピノレジノール配糖体又
はこれを含有するゴマ抽出物を前記した水と脂質とが共
存する系に含有させる方法について特に制限するもので
はない。例えば、生体組織を除き、他の対象物に対して
はそのまま又はその水溶液を添加することができる。ま
た液体でない対象物に対してはその水溶液を塗布又はそ
の水溶液に浸漬することができる。更に食肉加工品に対
してはその原料の混練時に添加することができる。そし
て生体組織に対しては、通常服用が最も好ましいが、静
脈若しくは皮下注射等によってその水溶液を注入するこ
ともできる。
【0021】
【実施例】中国産胡麻種子500gをすりつぶしてフラ
スコに採り、ヘキサン1リットルを加えて室温で5時間
撹拌した後、濾過した。この操作を更に2回繰り返し、
固形物を室温で通風乾燥して、脱脂胡麻種子230gを
得た。この脱脂胡麻種子230gをフラスコに採り、エ
タノール736g及び水184gを加えて、室温で15
時間撹拌した後、濾過して、濾液710gを得た。この
濾液を40℃以下の温度で減圧下に80gまで濃縮し、
更に凍結乾燥して、胡麻抽出物55gを得た。
【0022】この胡麻抽出物55gを下記の条件で液体
クロマトグラフィーを用いて分画した。 固定相:アンバーライトXAD−2(ロームアンドハー
ス社製) カラム径:55mm カラム長:370mm 展開溶媒: 1)水 ;3000ml 2)50%メタノール水;3000ml 3)メタノール ;3000ml 4)アセトン ;3000ml ここで50%メタノール水で流出してきた区分を回収し
た後、40℃以下の温度で減圧下に濃縮し、更に凍結乾
燥して、淡褐色固状物4.6gを得た。
【0023】この淡褐色固状物4.6gを下記の条件で
液体クロマトグラフィーを用いて更に分画した。 固定相:デベロシルODS−10(野村化学社製) カラム径:20mm カラム長:250mm 展開溶媒:メタノール/水=30/70(v/v) 展開溶媒流量:6ml/分 検出:UV 285nm ここで保持時間23分で流出する区分を回収した後、4
0℃以下の温度で減圧下に濃縮し、更に凍結乾燥して、
固状物66.6mgを得た。
【0024】この固状物66.6mgを下記の条件で液体
クロマトグラフィーを用いて更に分画した。 固定相:デベロシルphenyl−7(野村化学社製) カラム径:8mm カラム長:250mm 展開溶媒:メタノール/水=30/70(v/v) 展開溶媒流量:3ml/分 検出:UV 285nm ここで保持時間約16分で流出する区分を回収した後、
40℃以下の温度で減圧下に濃縮し、更に凍結乾燥し
て、白色固体26.1mgを得た。
【0025】かくして抽出し、分画して得た白色固体が
前記の式1で示される本発明のピノレジノール配糖体で
あることを、以下の各種分析結果乃至理化学的性質によ
り確認した。
【0026】マススペクトル、紫外線吸収スペクトル、
比旋光度、1HNMR、13CNMRの測定結果 マススペクトル[M+1]+:845 紫外線吸収スペクトル: λmax;278,228 εmax;5790,15800 旋光度[α]D:−12.01 HNMR δ :5.2(J=7.3Hz),4.7
(J=7.9Hz),4.3(J=7.9Hz)
【0027】13CNMRによるケミカルシフト 54.3,54.4,57.0,57.3,60.9,
62.0,69.5,70.1,70.2,70.9,
72.5,72.7,74.4,76.3,76.7,
76.9,77.0,77.2,82.1,86.8,
87.1,99.6,103.6,103.9,11
1.8,112.0,115.6,116.8,12
0.3,120.7,133.8,136.5,14
6.1,146.2,148.9,149.8
【0028】酵素水解 上記で得た白色固体3mgを、PH5.0に調整した水2
gに溶解し、β−グルコシダーゼ3mgを加えて、40℃
で20時間加水分解を行った。ここに酢酸エチル2mlを
加えて抽出操作を行い、酢酸エチル溶解性区分と、水溶
性区分とに分けた。酢酸エチル溶解性区分をカラムとし
てデベロシルODSカラム(野村化学社製、8mmφ×2
50mm)を用い、また展開溶媒としてメタノール/水=
50/50(v/v)を用いた3ml/分の展開溶媒流量
で液体クロマトグラフィーを(検出はUV285nm)
行ったところ、保持時間5.2分にピークが現れ、これ
はピノレジノールと一致した。水溶性区分はカラムとし
てデベロシルNH2−5カラム(野村化学社製、4.6m
mφ×250mm)を用い、また展開溶媒としてアセトニ
トリル/水=70/30(v/v)を用いた1ml/分の
展開溶媒流量で液体クロマトグラフィーを(検出はR
I)行ったところ、保持時間5.2分にピークが検出さ
れた。これはグルコースと一致した。
【0029】糖のメチル化 上記で得た白色固体5mgをジメチルスルホキシド0.3
mlに溶解し、窒素気流下にメチルスルフィニルカルバニ
オンを0.3ml添加して3時間反応させ、更に0.3ml
のヨウ化メチルを添加して1.5時間反応させてメチル
化物を得た。このメチル化物に0.2mlの水を添加し、
6規定のトリフルオロ酢酸水溶液を0.4ml加えて95
℃で2時間加水分解を行った。得られた部分メチル化糖
に無水酢酸0.3mlとピリジン0.3mlを添加し、37
℃で一晩反応させ、部分メチル化アルジトールアセテー
トを得た。これを下記の条件でGC−マススペクトルに
より分析した。 固定相:DB−1(ジェイアンドダブリュサイエンティ
フィック社製) カラム径:0.25mmφ カラム長:15m キャリアーガス:He キャリアーガス流量:30ml/分 カラム温度:180→240℃ カラム昇温速度:4℃/分 保持時間4分51秒と6分26秒にピークが現れた。保
持時間4分51秒のピークからは101(100)、1
17(71)、129(68)、145(59)、16
1(77)、205(30)のマスフラグメントが得ら
れ、1,5−ジ−O−アセチル−2,3,4,6−テト
ラ−O−メチル−D−グルシトールと同定した。また保
持時間6分26秒のピークからは129(100)、1
89(60)のマスフラグメントが得られ、1,2,
5,6−テトラ−O−アセチル−3,4−ジ−O−メチ
ル−D−グルシトールと同定した。この結果から(1→
2)及び(1→6)で分岐したグルコシド結合が確定し
た。
【0030】抗酸化活性の評価1 リノール酸の酸化に対する抗酸化効果 50mlの共栓付きフラスコに0.05Mリン酸緩衝液
(PH7.0)を10ml、1.3%リノール酸/エタノ
ール溶液を10ml、蒸留水5ml及び本発明のピノレジノ
ール配糖体水溶液(100μM/ml)を0.2ml入れ、
40℃の恒温器中に保存した。本発明のピノレジノール
配糖体水溶液0.2mlにかえて水を0.2ml加えた空実
験も平行して行った。4日後、上記のサンプルを0.2
ml、75%エタノールを9.4ml、30%チオシアン酸
アンモニウム水溶液を0.2ml及び0.02M塩化第一
鉄/3.5%塩酸水溶液を0.2ml試験管に採り、よく
撹拌した後、3分後に500nmの吸光度を測定した。
結果としてリノール酸の過酸化物量は空実験の14%し
か生成しておらず、本発明のピノレジノール配糖体に強
力な抗酸化効果のあることが示された。
【0031】抗酸化活性の評価2 生体膜の酸化に対する防御効果 以下の操作により赤血球膜ゴーストの脂質膜に対するt
−ブチルハイドロパーオキサイドによる過酸化脂質生成
における防御効果を評価した。ウサギの保存血液100
mlに対し、10mMリン酸緩衝液(PH7.4)/15
2mM塩化ナトリウム水溶液を300ml加え、3500
rpmで20分間遠心分離を行い、赤血球以外の組織が
含まれる上澄みを除去した。この操作を3回行った。得
られた沈殿に10mMリン酸緩衝液(PH7.4)を3
00ml加え、11500rpmで40分間遠心分離を行
った。この操作を6回繰り返して行い、赤血球膜ゴース
トを得た。赤血球膜ゴーストの10mMリン酸緩衝液
(PH7.4)溶液(1mgプロテイン/ml)を0.9m
l、t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液(2.1
6mg/ml)を0.05ml及び本発明のピノレジノール配
糖体水溶液(800μM/ml)を0.1mlスクリューキ
ャップ付き試験管に入れ、37℃で20分間振とうした
後、20%トリクロロ酢酸水溶液1ml及び0.67%チ
オバルビツール酸水溶液2mlを加えて、100℃で10
分間加熱発色させ、3500rpmで15分間遠心分離
を行い、上澄みについて532nmの吸光度を測定し
た。この発色は過酸化脂質の生成度に依存する。本発明
のピノレジノール配糖体水溶液0.1mlにかえて水を
0.1ml加えた空実験も平行して行った。結果は空実験
に対し32%の発色しか起こらず、本発明のピノレジノ
ール配糖体に強い過酸化脂質生成抑制効果のあることが
示された。
【0032】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、安全且つ有効な水溶性の天然抗酸化剤として活
用できるという効果がある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式1で示されるピノレジノール配
    糖体。 【式1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のピノレジノール配糖体を
    含有する胡麻抽出物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のピノレジノール配糖体を
    分離する方法であって、ゴマ種子を破砕し、脱脂した
    後、水、水溶性溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して、
    その抽出液を得、次に該抽出液を少なくとも液体クロマ
    トグラフィーを用いて分画し、該ピノレジノール配糖体
    含有区分を得ることを特徴とするピノレジノール配糖体
    の分離方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の胡麻抽出物を分離する方
    法であって、ゴマ種子を破砕し、脱脂した後、水、水溶
    性溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して、その抽出液を
    得ることを特徴とする胡麻抽出物の分離方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のピノレジノール配糖体を
    水系媒体中に含有させて、該水系媒体と共存する脂質の
    酸化を防止することを特徴とする脂質の酸化防止方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のゴマ抽出物を水系媒体中
    に含有させて、該水系媒体と共存する脂質の酸化を防止
    することを特徴とする脂質の酸化防止方法。
  7. 【請求項7】 脂質が生体脂質である請求項5又は6記
    載の脂質の酸化防止方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5767271A (en) * 1994-12-26 1998-06-16 The Nisshin Oil Mills, Ltd. Lignan glycosides and hydroxy radical scavengers
US7396554B2 (en) * 2002-08-16 2008-07-08 Council Of Scientific & Industrial Research Antioxidant sesame extract
JP2009179618A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Hiroshima Univ 有機化合物、並びに抗腫瘍剤、抗酸化剤及び抗菌剤

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