JP2007210965A - チロシナーゼ活性阻害剤、その製法及び用途 - Google Patents

チロシナーゼ活性阻害剤、その製法及び用途 Download PDF

Info

Publication number
JP2007210965A
JP2007210965A JP2006033908A JP2006033908A JP2007210965A JP 2007210965 A JP2007210965 A JP 2007210965A JP 2006033908 A JP2006033908 A JP 2006033908A JP 2006033908 A JP2006033908 A JP 2006033908A JP 2007210965 A JP2007210965 A JP 2007210965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
lemongrass
organic solvent
tyrosinase activity
tyrosinase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006033908A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Masuda
俊哉 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokushima NUC
Original Assignee
University of Tokushima NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokushima NUC filed Critical University of Tokushima NUC
Priority to JP2006033908A priority Critical patent/JP2007210965A/ja
Publication of JP2007210965A publication Critical patent/JP2007210965A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】本発明の課題は、天然植物から抽出、分離した物質のチロシナーゼ活性阻害効果とその作用をなす有効成分の製法及び化学組成式を明らかにし、人皮膚における美白用剤、食品類の褐変防止剤等の用途に好適に使用しうるチロシナーゼ活性阻害剤を提供することにある。
【解決手段】レモングラス(Cymbopogon citratus)から極性溶媒(A)を用いて抽出される、チロシナーゼ活性阻害作用を有するレモングラス抽出物。更に、レモングラス(Cymbopogon citratus)から抽出した、次の化学式(I)および(II)で示されるゲラニックアシド化合物を含有するチロシナーゼ活性阻害剤。

Figure 2007210965

Description

本発明は、酵素チロシナーゼの作用を阻害し、メラニン生成を抑制する効果のあるチロシナーゼ活性阻害剤に関し、天然植物から抽出される成分、特にレモングラス(Cymbopogon citratus)の葉の抽出物又はこれに含まれる化合物を有効成分として含有するチロシナーゼ活性阻害剤とその製法及び用途に関する。
過剰な紫外線刺激による人皮膚の黒色化やシミ・ソバカスなどの生成は、一般に
人皮膚細胞中の酵素チロシナーゼが、チロシンないしドーパを酸化して生成した黒色のメラニンによることが知られている(特許文献1)。さらに人皮膚の美白用皮膚外用剤としてハイドロキノン、コウジ酸、アルブチン或いはビタミンC等のチロシナーゼ活性阻害剤がよく知られている(特許文献2)。しかし、これらのチロシナーゼ活性阻害剤においては、それぞれ安定性、安全性、性能等において一長一短が指摘されており、依然改良の余地が残されている。
一方、レモングラスは古来より食薬用ハーブとしてその葉は食品や料理の賦香、矯臭、またハーブティーやアロマテラピィーオイルとして健康増進目的に愛用されている。また、レモングラスから抽出、分離して得られる物質については、消化器系機能調整、中枢神経系機能調整、抗菌など種々の作用を持つとして知られている。例えば、レモングラスの溶剤抽出物が抗酸化作用を示すこと(特許文献3)、レモングラスの水蒸気蒸留水や水溶性溶媒抽出物が過酸化脂質生成抑制作用、保湿作用、抗菌作用を示すこと(特許文献4)、レモングラス抽出物がリパーゼ阻害活性を有すること(特許文献5)、レモングラス抽出物がTNF産生促進作用を示すこと(特許文献6)などが開示されている。しかしながら、レモングラスから抽出、分離して得られる物質がチロシナーゼ活性阻害作用を有することについては知られていない。
特公平4−2562号公報 特開2001−316268号公報 特開平3−56585号公報 特開平7−277920号公報 特開2001−120237号公報 特開2003−321385号公報
従って、本発明の課題とするところは、天然植物の抽出物についてチロシナーゼ活性阻害能を調査・研究し、チロシナーゼ活性阻害剤の新しい供給源となり得る植物を開発することにより、人皮膚における美白用剤、或いはチロシン又はチロシナーゼの基質となりうるフェノール成分を含む食品類の褐変防止剤等の用途に好適に使用しうるチロシナーゼ活性阻害剤を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するに当たり、亜熱帯に位置し多様な植生を有する沖縄地方において栽培される伝統的薬草や食用植物36種53部位(以下「サンプル」という)についてチロシナーゼ活性阻害作用を調査研究し、その中から前記阻害作用の強いサンプルを選択し、選択したサンプルの抽出物について有効成分の化学組成を分析確認した。その結果、特にレモングラスの葉の抽出物が特に強いチロシナーゼ活性阻害作用を呈することを見出し、さらに前記抽出物中に含まれるチロシナーゼ活性成分のうち顕著な活性をもつ化合物として、公知の化合物ゲラニックアシドである下記化学式(I)および(II)で示される化合物を見出して、本発明を完成した。
Figure 2007210965
Figure 2007210965
すなわち、本発明は下記(1)〜(13)に掲げる態様を含むものである。
(1)レモングラス(Cymbopogon citratus)から極性溶媒(A)を用いて抽出される、チロシナーゼ活性阻害作用を有するレモングラス抽出物。
(2)次の抽出工程a−cまたはa−dにより得られる前記(1)に記載のレモングラス抽出物。
a.レモングラスを、極性溶媒(A)を用いて抽出し抽出物を得る工程
b.工程aで得られた抽出物を非極性有機溶媒(B)と極性溶媒(C)を用いて分画し極性溶媒抽出物を得る工程
c.工程bで得られた抽出物に対し有機溶媒(D)と水とを用いて分画し有機溶媒抽出物を得る工程
d.工程cの水分画に対し有機溶媒(E)と水とを用いてさらに分画し有機溶媒抽出物を得る工程
(3)前記(1)または(2)に記載のレモングラス抽出物を含有するチロシナーゼ活性阻害剤。
(4)前記(1)または(2)に記載のレモングラス抽出物を含有する美白化粧料。
(5)前記(1)または(2)に記載のレモングラス抽出物を含有する皮膚外用剤。
(6)前記(1)または(2)に記載のレモングラス抽出物を含有する食品褐変防止剤。
(7)次の抽出工程a−cまたはa−dにより得られる、チロシナーゼ活性阻害作用を持つレモングラス抽出物の製法。
a.レモングラスを、極性溶媒(A)を用いて抽出し抽出物を得る工程
b.工程aで得られた抽出物を非極性有機溶媒(B)と極性溶媒(C)を用いて分画し極性溶媒抽出物を得る工程
c.工程bで得られた抽出物に対し有機溶媒(D)と水を用いて分画し有機溶媒抽出物を得る工程
d.工程cの水分画に対し有機溶媒(E)と水とを用いてさらに分画し有機溶媒抽出物を得る工程
(8)前記化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、前記化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有するチロシナーゼ活性阻害剤。
(9)前記化学式(I)及び(II)の化合物がレモングラス由来である前記(7)に記載のチロシナーゼ活性阻害剤。
(10)前記化学式(I)及び(II)の化合物が次の抽出工程e−hにより得られる前記(7)に記載のチロシナーゼ活性阻害剤。
e.レモングラスを、極性溶媒(A)を用いて抽出し抽出物を得る工程
f.工程eで得られた抽出物を非極性有機溶媒(B)と極性溶媒(C)を用いて分画し極性溶媒抽出物を得る工程
g.工程fで得られた抽出物に対し有機溶媒(D)と水を用いて分画し有機溶媒抽出物を得る工程
h.工程gの有機溶媒分画に対しカラムクロマトグラフィーを用いて分画する工程
(11)前記化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、前記化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する美白化粧料。
(12)前記化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、前記化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用剤。
(13)前記化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、前記化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する食品褐変防止剤。
本発明によると、レモングラスの抽出物が優れたチロシナーゼ活性阻害効果を有していること、また、レモングラスから抽出された化合物が、特に前記化合物(I)は、従来からよく知られている非常に強力な活性を有するコウジ酸に匹敵するチロシナーゼ阻害活性を有し、また、前記化合物(I)および(II)ともに、これも従来から良く知られているアルブチンと比較しても、遙かに優れたチロシナーゼ活性阻害効果を示すことが明らかとなり、且つその有効成分の製法及び化学式が明らかとなったことにより、天然物由来の新規なチロシナーゼ活性阻害剤が人皮膚の美白用剤、食品褐変防止剤等の用途に、従来にまして容易に提供できることとなり、又、レモングラスの活用による農業生産性の向上、地域産業の活性化への波及効果も期待できる。
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。チロシナーゼ活性阻害作用を有する本発明のレモングラス抽出物は、レモングラス(Cymbopogon citratus)を極性溶媒(A)で抽出することにより得られる。
前記レモングラスとしては、植物そのものやその乾燥物、あるいは市販の乾燥粉末などが使用される。使用するレモングラスの部位は、葉または茎、若しくはその混合物など部位によらず好適に利用可能であるが、特に好ましくは、レモングラスの葉を使用する。また、レモングラスの葉や茎、あるいはその乾燥物はそのまま抽出を行うこともできるが、粉砕・裁断した後に抽出を行ってもよい。
本発明のレモングラス抽出物は、上述したレモングラスを極性溶媒(A)で抽出すること(下記抽出工程a)により得られるが、次の抽出工程a−cまたはa−dによっても得られる。
a.レモングラスを、極性溶媒(A)を用いて抽出し抽出物を得る工程
b.工程aで得られた抽出物を非極性有機溶媒(B)と極性溶媒(C)を用いて分画し極性溶媒抽出物を得る工程
c.工程bで得られた抽出物に対し有機溶媒(D)と水を用いて分画し有機溶媒抽出物を得る工程
d.工程cの水分画に対し有機溶媒(E)と水を用いてさらに分画し有機溶媒抽出物を得る工程
次に、本発明のレモングラス抽出物の具体的な抽出方法を例示する。
a.レモングラス乾燥物を、室温下、10〜15倍(重量比)の極性溶媒(A)中、5〜10時間攪拌しながら浸積することにより、レモングラスの抽出液を得る。得られた抽出液から溶媒を減圧下で蒸発させ、レモングラスの抽出物を得る。
b.工程aで得られた抽出物を極性溶媒(C)に懸濁し、これに非極性有機溶媒(B)を加えて分配する。次いでそれぞれに分画して濃縮することにより、非極性有機溶媒分画(以下「分画1」という。)と残余の極性溶媒可溶部を得る。
c.工程bの残渣の極性溶媒可溶部を水に懸濁し、これに有機溶媒(D)を加えて分配し、濃縮により有機溶媒分画(以下「分画2」という。)を得る。
d.工程cの残余の水懸濁液は、有機溶媒(E)と分配し、それぞれ濃縮することにより、有機溶媒分画(以下「分画3」という。)及び残余の水分画(以下「分画4」という。)を得る。
上記極性溶媒(A)としては、メタノール、エタノール、アセトン等の極性有機溶媒、水、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液、メタノール−水混合物等の極性有機溶媒−水混合物溶液等が使用でき、特にメタノールが好適に使用できる。
上記非極性有機溶媒(B)としては、ヘキサン、ヘプタン等の非極性有機溶媒、特にへキサンが好適に使用できる
上記極性溶媒(C)としては、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒、水、メタノール−水混合物等のアルコール−水混合物溶液等が使用でき、好ましくはメタノール−水水溶液、特にメタノール−水を9:1の割合で混合した溶液が好適に使用できる。
上記有機溶媒(D)としては、酢酸エチル、エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、ブタノール等の有機溶媒が広く使用でき、好ましくは酢酸エチルが好適に使用できる。
上記有機溶媒(E)としては、酢酸エチル、エーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、ブタノール等の有機溶媒が広く使用でき、好ましくはブタノールが好適に使用できる。
(チロシナーゼ阻害活性率の測定)
チロシナーゼ阻害活性は、ドーパの酸化物であり、黒色メラニン生成の中間たるドーパクロームの生成度を、475nmにおける吸光度の変化を測定することにより測定する。具体的には、抽出物のリン酸緩衝液(pH6.8)をマイクロプレートに入れ、そこにドーパ(シグマ社製 D9628)を加え、次にチロシナーゼを加えて、マイクロプレートリーダー(バイオラッド社製)を用い475nmの吸光度の増加度(a)を読み取る。一方、抽出物を加えないもの(コントロール実験と呼ぶ)で、同様な操作を行い、得られた吸光度の増加度(b)を用い、式[(b−a)/b]×100を用いてチロシナーゼ活性阻害率(%inhibition±SD)を得る。
この方法を用いて、上記工程aで得られたレモングラスの抽出物についてチロシナーゼ阻害活性を測定した所、高いチロシナーゼ阻害活性を見いだすことができた。また、前記各工程で得られた分画1〜4についてもチロシナーゼ阻害活性を測定した所、チロシナーゼ阻害活性は分画2及び分画3において特に高いことを見いだすことができた。
(化合物の同定)
前記各工程で得られた分画1〜4のうち、最強の阻害率を示した分画2について、有効成分をシリカゲルやセファデックスLH−20を用いたクロマトグラフィーにより単離し、核磁気共鳴吸収スペクトル(NMRスペクトル)、質量分析スペクトル(MSスペクトル)による測定解析すること、また市販のゲラニックアシド(アルドリッチ社製 16333-3)とシリカゲルTLCおよびNMRで比較することにより、本発明の下記化学式(I)および(II)で示されるゲラニックアシド化合物を確認した。
Figure 2007210965
Figure 2007210965
前記化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、前記化学式(II)で示されるシスゲラニックアシドは、高いチロシナーゼ活性阻害作用を有するため、チロシナーゼ活性阻害剤として有用である。また、前記化学式(I)および(II)で示されるゲラニックアシドは、塩の形でもチロシナーゼ活性阻害剤として使用可能である。前記化学式(I)および(II)で示されるゲラニックアシドは揮発性を有するが、塩の形にすることで揮発性を容易にコントロールすることが可能となる。前記塩としては、本発明の効果に悪影響を与えないものであれば特に制限はされないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、その他アンモニウム塩や有機アミン塩等が挙げられる。
本発明のチロシナーゼ活性阻害剤は、前記化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、前記化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及び上述したようなこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含有する。
前記化合物(I)および(II)で示されるゲラニックアシドは、レモングラス等の植物から抽出することにより得ることもできるし、公知の方法により製造することもできる。また、これら化合物の塩も公知の方法により製造することができる。
以上詳述したように、本発明によれば、上記a工程で得られたレモングラスの抽出物、上記a−c工程またはa−d工程で得られたレモングラス抽出物が優れたチロシナーゼ阻害活性効果を持つこと、また、レモングラス抽出物に含まれる成分の一つである前記化学式(I)および(II)で示されるゲラニックアシドが優れたチロシナーゼ活性阻害作用を持つことが明らかになったことにより、天然物由来のチロシナーゼ活性阻害剤の原料としてレモングラスの利用、また、有効成分の製法及び有効成分の各種用途への利用が可能になる。
(用途)本発明のチロシナーゼ活性阻害剤は、従来のチロシナーゼ活性阻害剤と同様に、医薬品、医薬部外品、化粧料、食品、食品添加物、飼料等の有効成分として利用可能であり、特に、美白効果を目的とした皮膚外用剤や化粧料、食品の褐変防止剤の有効成分として好適に用いられる。この場合、チロシナーゼ阻害剤の添加量は、特に限定されるものではなく、皮膚外用剤や化粧料、食品褐変防止剤の種類によって異なるが、レモングラス抽出物として0.1〜50.0重量%、好ましくは1〜20重量%、上記化学式(I)および(II)で示されるゲラニックアシド化合物として、0.01〜10.0重量%程度、好ましくは0.1〜5.0重量%程度であり、目的に合わせて適宜配合すればよい。
本発明のチロシナーゼ活性阻害剤を皮膚外用剤として利用する場合、その形態としては、軟膏剤、クリーム剤、乳剤、ゲル剤、ローション剤、トリートメント剤、貼付剤等が挙げられる。又、本発明のチロシナーゼ活性阻害剤を化粧料として利用する場合、その形態としては、クリーム、乳液、化粧水、ローション、ジェル、美容液、パックなどの基礎化粧品、又、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼け止めリップクリームなどの日焼け止め化粧料、又、メイクアップベースクリーム、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、口紅などのメイクアップ化粧料、さらには、ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション、浴用剤などのボディ用化粧料などが挙げられる。
上述したような皮膚外用剤や化粧料には、有効成分である本発明のチロシナーゼ活性阻害剤の他に、通常外用剤や化粧料などの製造に使用される原料、例えば界面活性剤、油分、水、保湿剤、アルコール類、増粘剤、安定剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、顔料、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、各種ビタミン類、各種アミノ酸類などを配合することもできる。さらに、他のチロシナーゼ活性阻害剤などの美白剤を配合することもできる。このような皮膚外用剤や化粧料を製造するには、常法にしたがい、皮膚外用剤や化粧料の製造の任意の段階で、本発明のチロシナーゼ活性阻害剤を適量添加すればよい。
さらに本発明のチロシナーゼ活性阻害剤を食品褐変防止剤として利用する場合、その対象となる食品としては、各種フルーツ、椎茸、マッシュルームなどのきのこ類、カニやエビなどの海産物などが挙げられる。その使用方法としては、本発明のチロシナーゼ活性阻害剤を適当な媒体で希釈し、この溶液を対象物に噴霧、浸漬、または共存揮発させることで食品表面の褐変を防止することができる。
本発明の実験例を基に具体的に説明するが、本発明の主旨とするところは、決してこれに限定されるものではない。
(植物の成分抽出とチロシナーゼ阻害活性)
沖縄地方において栽培される伝統的薬草や食用植物36種53部位の植物乾燥体をサンプルとし、エタノールで抽出した。抽出は、室温下で、サンプル約30gをエタノール350mgに浸漬し、6時間攪拌しながら行った。続いてエタノールを減圧下で蒸発させ、抽出物を得た。次に得られた抽出物のチロシナーゼ阻害活性率を測定し、比較的高い阻害率を示すサンプルを選別した。選別されたサンプルの抽出植物名(部位)と測定結果を表1に示す。
なお、前記36種53部位の各サンプル名は、リュウキュウヨモギ(地上部)、バンジロウ(葉部)及び同(実部)、ロブスターユーカリ(葉部)、ボタンボウフウ(地上部)、ガジュツ(根茎部)、ヨモギ(地上部)、ハルウコン(根茎部)、ニガウリ(実部)、ビョウヤナギ(葉部)、同(枝部)及び同(地下部)、フウトウカズラ(地上部)、クチナシ(枝部)及び同(葉部)、ゲットウ(葉部)、同(葉柄部)、同(実部)及び同(根茎部)、アカメガシワ(枝部)及び同(葉部)、ブッソウゲ(枝部)、同(葉部)及び同(花部)、トウガン(実部)、サキシマスオウノキ(葉部)及び同(枝部)、ニガニガグサ(地上部)、トウアズキ(茎葉部)、ヒハツモドキ(地上部)、ジュズダマ(葉部)、サツマイモ(カライモ種)(地上部)及び同(塊根部)、サルカケミカン(枝葉部)及び同(茎部)、クミスクチン(地上部)、レモングラス(地上部)、キダチアロエ(葉部)、クコ(葉部)、ナンテン(葉部)、コヘンルーダ(茎葉部)、ホソバハダン(地上部)、ヒレザンショウ(実部)、同(葉部)及び同(枝部)、ツルグミ(枝部)及び同(葉部)、オモト(全草)、エビスグサ(種子部)、シマトウガラシ(実部)、サツマイモ(シモン種)(塊根部)、シークワシャー(枝部)及び同(葉部)である。
Figure 2007210965
表1に記載する活性測定法の詳細は次のとおりである。最終植物抽出物の測定濃度が0.15mg/mlとなるように調製した1/15Mリン酸緩衝液(pH6.8)120μlを96穴マイクロプレートに入れ、そこに2.5mMのドーパ(シグマ社製 D9628)40μlを加え、40U/mlのチロシナーゼ(シグマ社製)40μlを23℃で加えると同時に攪拌後、マイクロプレートリーダー(バイオラッド社製)を用い、2ないし5分後の475nmの吸光度の増加度(a)を読み取る。一方、何もサンプルを加えないもの(コントロール実験と呼ぶ)で、同様な操作を行い、得られた吸光度の増加度(b)を用い、式[(b−a)/b]×100を用いてチロシナーゼ活性阻害率(%inhibition±SD)を得る。
前記の阻害活性測定法においては、吸光度の増加の測定は、ドーパの酸化物であり黒色物質メラニン生成の重要な中間体であるドーパクロームの生成度を、475nmの吸光度を用いて、吸光度測定器・マイクロプレートリーダー(バイオラッド製 Model550)を用いて測定することによる。阻害度は、酵素チロシナーゼによる着色度合によることから、阻害度が大きいほどドーパクロームの生成が少ないので吸光度が低く、透過率が高い。すなわちチロシナーゼ無添加のサンプル混合液の透過率を100%としたときの検体液の透過率を「阻害率%±SD(標準偏差)」(%inhibition±SD)で表現している。
(測定結果)
表1から明らかなとおり、ゲットウ(根茎部)、サキシマスオウノキ(枝部)、レモングラス(地上部)、ナンテン(葉部)及びツルグミ(枝部)の5サンプルに阻害活性が認められた。なお、レモングラスはナンテンの葉部に続く強度の阻害活性を示すことが判明した。
(溶媒分画)
前項でナンテンに注ぐ阻害活性が認められたレモングラスについて、再度溶剤抽出を行った。なお、用いた植物体は、レモングラス地上部のほとんどを占める葉部を用い、抽出溶剤としては、前記で用いたエタノールと比較的同じ成分を抽出できると考えられる安価なメタノールを用いた。この方法により、レモングラス葉部4kgから得られた抽出物を、さらに有機溶剤を用いて分画した。これを図1に示す。レモングラスについては、抽出物の分画原料200gを含水メタノール1Lに懸濁し、ヘキサン1Lと分配して、それぞれ濃縮し、ヘキサン分画31g(分画1)と残りのメタノール可溶部を得た。メタノール可溶部は濃縮後、再度1Lの水に懸濁し、酢酸エチル1Lで分配した。酢酸エチル分画(分画2)を濃縮により54gを得た。一方、水懸濁液は、再度ブタノール1lと分配し、それぞれ濃縮することにより、ブタノール分画34g(分画3)、水分画(総収量不明)(分画4)を得た。結果を以下の表2に示す。
Figure 2007210965
(可溶画分のチロシナーゼ活性阻害率)
上記分画法で得られた分画1ないし4について、前記活性測定法にてチロシナーゼ阻害活性を測定した。その結果を図2に示す。図2から明らかなとおり、レモングラスの葉の抽出物の可溶画分の中でも、特に酢酸エチル分画(分画2)が最も阻害率が高く、次にブタノール分画(分画3)という結果を得た。なお、HO分画の活性は−41%でむしろ活性促進効果を示した。
(レモングラス葉部抽出物の酢酸エチル可溶分画からチロシナーゼ阻害活性物質の同定)
続いて最強の阻害活性を示したナンテンの葉部の抽出物酢酸エチル可溶画分(分画4)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画し、チロシナーゼ阻害活性を測定した。分画によって得た各フラクションの収量とそのチロシナーゼ阻害活性データを図3に示す。図3から明らかなように、フラクション5が活性、収量ともに最も高いデータを示した。このフラクション5をさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、セファデックスLH−20カラムクロマトグラフィー、シリカゲルTLCによる精製を繰り返し、化合物(I)および化合物(II)を得た。これらの核磁気共鳴吸収スペクトル(H NMRおよび13C NMRスペクトル)、質量分析スペクトル(MSスペクトル)よる測定解析および市販のゲラニックアシド(アルドリッチ社製 16333-3)とシリカゲルTLCおよびNMRを用いた比較実験の結果、化学構造を決定した。すなわち各化合物は前記化学式(I)で表されるトランスゲラニックアシドおよび前記化学式(II)で表されるシスゲラニックアシドであることが確認された。化合物(I)および(II)の前記機器分析データは表3および4に示す通りであった。
Figure 2007210965
Figure 2007210965
(チロシナーゼ活性阻害率比較)
精製単離した化合物(I)および(II)と従来からチロシナーゼ活性阻害剤として多用されているコウジ酸およびアルブチンのチロシナーゼ活性阻害率を測定し、比較した。その結果を図4に示す。図4から明らかなとおり、本発明の化合物(I)(IC50=2.4×10-2 mM)がコウジ酸(IC50=1.1×10-2 mM)に匹敵し、また化合物(I)(II)(IC50=1.4×10-1 mM)ともにアルブチン(本実験では、活性が弱くIC50値が得られなかった)に比べて極めて高いチロシナーゼ活性阻害率を示し、新しいチロシナーゼ活性阻害剤として好適な物質であることが明らかとなった。また同時に、これらを含有する前記レモングラスの葉部がその原料として極めて有用であることが明らかとなった。
本発明のゲラニックアシド化合物は、酵素チロシナーゼの作用を阻害し、メラニン生成を抑制する効果、又はポリフェノールの酸化を抑制する効果、いわゆるチロシナーゼ阻害活性を有する。しかも、食用ハーブとしてよく知られているレモングラスから抽出、分離して得られる物質であるため、安全性も高い。従って、チロシナーゼ活性阻害剤として非常に有用であり、従来のチロシナーゼ活性阻害剤と同様に、医薬品、医薬部外品、化粧料、食品、食品添加物、飼料等の有効成分として利用可能である。特に、人皮膚の黒色化やシミ・ソバカスなどの色素沈着の防止・改善を目的とした美白用の皮膚外用剤や化粧料、さらに各種フルーツ、きのこ類、カニやエビなどの海産物などの食品褐変防止剤として好適に利用できる。
本発明のレモングラス抽出物の抽出方法を示すフロー図である。 本発明のレモングラス抽出物のチロシナーゼ阻害活性を示すグラフ図である。 本発明のレモングラス抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画して得られた各フラクションの収量とチロシナーゼ阻害活性を示すグラフ図である。 本発明のレモングラス抽出物から得た化合物(I)と化合物(II)のチロシナーゼ阻害活性を、コウジ酸およびアルブチンと比較したグラフ図である。

Claims (13)

  1. レモングラス(Cymbopogon citratus)から極性溶媒(A)を用いて抽出される、チロシナーゼ活性阻害作用を有するレモングラス抽出物。
  2. 次の抽出工程a−cまたはa−dにより得られる請求項1に記載のレモングラス抽出物。
    a.レモングラスを、極性溶媒(A)を用いて抽出し抽出物を得る工程
    b.工程aで得られた抽出物を非極性有機溶媒(B)と極性溶媒(C)を用いて分画し極性溶媒抽出物を得る工程
    c.工程bで得られた抽出物に対し有機溶媒(D)と水とを用いて分画し有機溶媒抽出物を得る工程
    d.工程cの水分画に対し有機溶媒(E)と水とを用いてさらに分画し有機溶媒抽出物を得る工程
  3. 請求項1または2に記載のレモングラス抽出物を含有するチロシナーゼ活性阻害剤。
  4. 請求項1または2に記載のレモングラス抽出物を含有する美白化粧料。
  5. 請求項1または2に記載のレモングラス抽出物を含有する皮膚外用剤。
  6. 請求項1または2に記載のレモングラス抽出物を含有する食品褐変防止剤。
  7. 次の抽出工程a−cまたはa−dにより得られる、チロシナーゼ活性阻害作用を持つレモングラス抽出物の製法。
    a.レモングラスを、極性溶媒(A)を用いて抽出し抽出物を得る工程
    b.工程aで得られた抽出物を非極性有機溶媒(B)と極性溶媒(C)を用いて分画し極性溶媒抽出物を得る工程
    c.工程bで得られた抽出物に対し有機溶媒(D)と水を用いて分画し有機溶媒抽出物を得る工程
    d.工程cの水分画に対し有機溶媒(E)と水とを用いてさらに分画し有機溶媒抽出物を得る工程
  8. 化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有するチロシナーゼ活性阻害剤。
    Figure 2007210965
    Figure 2007210965
  9. 前記化学式(I)及び(II)の化合物がレモングラス由来である請求項7に記載のチロシナーゼ活性阻害剤。
  10. 前記化学式(I)及び(II)の化合物が次の抽出工程e−hにより得られる請求項7に記載のチロシナーゼ活性阻害剤。
    e.レモングラスを、極性溶媒(A)を用いて抽出し抽出物を得る工程
    f.工程eで得られた抽出物を非極性有機溶媒(B)と極性溶媒(C)を用いて分画し極性溶媒抽出物を得る工程
    g.工程fで得られた抽出物に対し有機溶媒(D)と水を用いて分画し有機溶媒抽出物を得る工程
    h.工程gの有機溶媒分画に対しカラムクロマトグラフィーを用いて分画する工程
  11. 化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する美白化粧料。
  12. 化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用剤。
  13. 化学式(I)で示されるトランスゲラニックアシド、化学式(II)で示されるシスゲラニックアシド、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する食品褐変防止剤。
JP2006033908A 2006-02-10 2006-02-10 チロシナーゼ活性阻害剤、その製法及び用途 Pending JP2007210965A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006033908A JP2007210965A (ja) 2006-02-10 2006-02-10 チロシナーゼ活性阻害剤、その製法及び用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006033908A JP2007210965A (ja) 2006-02-10 2006-02-10 チロシナーゼ活性阻害剤、その製法及び用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007210965A true JP2007210965A (ja) 2007-08-23

Family

ID=38489720

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006033908A Pending JP2007210965A (ja) 2006-02-10 2006-02-10 チロシナーゼ活性阻害剤、その製法及び用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007210965A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5828355B1 (ja) * 2014-09-22 2015-12-02 和伎獅子株式会社 発毛・育毛用及び肌状態改善用粉末状皮膚外用剤
JP2017031185A (ja) * 2016-09-21 2017-02-09 一丸ファルコス株式会社 キネシン抑制剤
KR102622428B1 (ko) * 2023-03-10 2024-01-08 월드냉장식품(주) 비타민과 영양소의 파괴를 줄이고 무기질과 유기산의 함량을 늘린 사과생즙의 제조방법

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09315960A (ja) * 1996-05-29 1997-12-09 Nippon Flour Mills Co Ltd メイラード反応抑制剤、化粧料、食品添加物及び食品
JP2004035424A (ja) * 2002-07-01 2004-02-05 Mitsukan Group Honsha:Kk メイラード反応抑制物質
JP2004250445A (ja) * 2003-01-31 2004-09-09 Yakult Honsha Co Ltd グリケーション阻害剤及びその利用

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09315960A (ja) * 1996-05-29 1997-12-09 Nippon Flour Mills Co Ltd メイラード反応抑制剤、化粧料、食品添加物及び食品
JP2004035424A (ja) * 2002-07-01 2004-02-05 Mitsukan Group Honsha:Kk メイラード反応抑制物質
JP2004250445A (ja) * 2003-01-31 2004-09-09 Yakult Honsha Co Ltd グリケーション阻害剤及びその利用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5828355B1 (ja) * 2014-09-22 2015-12-02 和伎獅子株式会社 発毛・育毛用及び肌状態改善用粉末状皮膚外用剤
JP2016064992A (ja) * 2014-09-22 2016-04-28 和伎獅子株式会社 発毛・育毛用及び肌状態改善用粉末状皮膚外用剤
JP2017031185A (ja) * 2016-09-21 2017-02-09 一丸ファルコス株式会社 キネシン抑制剤
KR102622428B1 (ko) * 2023-03-10 2024-01-08 월드냉장식품(주) 비타민과 영양소의 파괴를 줄이고 무기질과 유기산의 함량을 늘린 사과생즙의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6196346B2 (ja) リグナン系化合物の皺改善用途
KR101310980B1 (ko) 구기자 나무가지 추출물을 함유하는 항산화, 항염증 및 주름 개선용 화장료 및 건강기능식품 조성물
JP2006273811A (ja) メイラード反応阻害剤
KR20170046364A (ko) 상동나무 열매 추출물의 분획물을 유효성분으로 함유하는 피부 미백용 조성물
KR101069907B1 (ko) 비목나무 유래 추출물, 분획물 또는 화합물을 함유하는 피부 미백용 조성물
JP2007210965A (ja) チロシナーゼ活性阻害剤、その製法及び用途
JP2006176420A (ja) チロシナーゼ活性阻害剤、その製法及び用途
JP2008013481A (ja) ゲットウ(Alpiniaspeciosa)由来のチロシナーゼ活性阻害剤及びリポキシゲナーゼ活性阻害剤
KR101050484B1 (ko) 락톤계 화합물을 유효성분으로 함유하는 피부 미백용 조성물
KR101256971B1 (ko) 데커시놀의 추출방법 및 상기 데커시놀을 포함하는 화장료 조성물
KR100530669B1 (ko) 락테이트 및 감초 추출물을 포함하는 피부 미백용 화장료조성물
JP2000128729A (ja) 化粧料
KR102153355B1 (ko) 콜레르파 라세모사 추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 포함하는 항염증 또는 항산화 조성물
JP2002249772A (ja) 抗酸化剤及びこれを含有する組成物
JPH06305978A (ja) チロシナーゼ阻害剤、美白化粧品および変色防止剤
JP2013053159A (ja) (2z,8z)―メトリカリア酸メチルエステルを有効成分として含む皮膚美白用組成物
JP4553730B2 (ja) 経口用育毛剤
WO2008156330A1 (en) Use of xanthorrhizol for anti-wrinkle treatment
JP5761743B2 (ja) 皮膚外用剤
US11202751B2 (en) Whitening cosmetic composition comprising Caragana sinica root extract
KR20200079140A (ko) 해양심층수 속새 추출물 및 그 제조방법
KR102438389B1 (ko) 포도나무 뿌리 유래의 스틸벤 유도체를 유효성분으로 함유하는 피부 주름의 예방 또는 개선용 조성물
KR102226569B1 (ko) 엉겅퀴 추출물 또는 이의 분획물을 포함하는 피부 미백용 화장료 조성물
KR101221711B1 (ko) 비쭈기나무 추출물을 유효성분으로 함유하는 화장료 조성물
WO2022254867A1 (ja) 新規フェニルプロパノイド化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120229

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120612