JPH0611582B2 - 孔版印刷装置の排版装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、孔版印刷装置の排版装置に係り、特に排版装
置に組み込まれる排版原紙の収容構造に係る。

従来の技術 孔版印刷装置に於ける排版の自動化のために、使用済み
の孔版原紙を版胴より剥ぎ取ってこれを自動排版する排
版装置が既に知られており、この種の排版装置は、実公
昭６０−３００号、実開昭５７−１７９９７２号、実開
昭５８−３２６６号の各公報に示されている。

上述の如き排版装置に於ては、版胴より剥ぎ取られた孔
版原紙が排版搬送手段により排版方向へ搬送されて排版
ボックスの如き容器に集められるようになっており、使
用済みの孔版原紙を版胴より取り外す排版作業が手を汚
すことなく行われる。

発明が解決しようとする問題点 上述の如き排版装置に於ては、排版ボックスの如き容器
に排版された孔版原紙が溜ると、手にてそれを取り除く
ことが行われ、この取り除き作業も手を汚すことなく行
われることが要求される。

本発明は一切の排版作業を手を汚すことなく簡便に行わ
れるようにする改良された排版装置を提供することを目
的としている。

問題点を解決するための手段 上述の目的は、本発明によれば、版胴より剥ぎ取られた
孔版原紙を上下両面より挾んで水平方向に送るローラ対
と、前記ローラ対の孔版原紙送出側に形成され壁面の一
部を開閉可能なカバーによって郭定された室空間と、前
記室空間の下方に帯状原紙収容シートのロールを収容す
るシート収容室と、前記シート収容室内に装填された帯
状原紙収容シートのロールより引出された帯状シートを
前記ローラ対の孔版原紙送出側の下方より前記室空間内
へ導く通路を与える帯状シート案内手段と、前記帯状シ
ート案内手段を通って前記室空間内に導入された帯状シ
ートの先端部を前記ローラ対の孔版原紙送出側の上方に
て選択的に把持するシートクランプと、前記室空間を挾
んで前記ローラ対に対向する壁面に組込まれ前記帯状シ
ートを横方向に切断するシートカッタ刃とを有している
孔版印刷装置の排版装置によって達成される。

発明の作用及び効果 上記の如き排版装置によれば、前記シート収容室に帯状
のシートのロールを装填しておき、これより前記帯状シ
ート案内手段を通して帯状シートを前記室空間内へ適当
な長さ引出し、その先端を前記シートクランプに固定し
ておけば、前記ローラ対により版胴から剥ぎ取られて前
記室空間内へ送り出されてきた孔版原紙は該帯状シート
により受けられ、該帯状シートは横倒しのＵ字形となっ
て該室空間内に収容される孔版原紙を包む。こうして横
倒しのＵ字形の帯状シート内に包まれた状態に溜められ
た孔版原紙を室空間より取り出して廃棄するときには、
前記カバーを開き、前記シートクランプを解除し、横倒
しのＵ字形に湾曲した帯状シートをＵ字形のＵの底の部
分からその両側を手の親指と他の四本の指の間に挾む要
領にて掴み、これを室空間外へ取り出す。このとき帯状
シートのロールに繋がっている部分はロールより前記帯
状シート案内手段を通って室空間内へ引出される。孔版
原紙を包んだ帯状シートの横倒しＵ字形部が室空間より
取出されたところで、ロールに繋がる部分が前記シート
カッタ刃により切断されればよい。切断後室空間内に残
された帯状シートの先端をシートクランプに係止すれ
ば、排版装置は直ちに次の孔版原紙の取出しに備えた状
態となる。

このように帯状原紙収容シートが原紙を挾んで水平方向
に送るローラ対の孔版原紙送出側の下方に装填された帯
状シートのロールより帯状シート案内手段を通ってロー
ラ対の孔版原紙送出側の下方より室空間内へ導入され、
ローラ対の孔版原紙送出部を横切るように延在した後そ
の先端部にてローラ対の上方の位置でシートクランプに
より保持され、又室空間を挾んでローラ対に対向する壁
面にシートカッタ刃が組込まれていることにより、横倒
しＵ字形に曲げられた帯状シートに包まれた状態にて一
塊りの孔版原紙を取出して廃棄する度に、自動的に次の
孔版原紙包み込みのための帯状シート引出しの準備の大
半を終了することができる。

実施例 以下に添付の図を参照して本発明を実施例について詳細
に説明する。

第１図及び第２図は本発明による孔版印刷装置の排版装
置の一つの実施例を示している。図に於て、１は版胴を
示しており、該版胴は、その外周面にクランプピン２に
よって孔版原紙Ｓの一端を係止し、該孔版原紙をその外
表面に印刷インキによって貼り付けられ、図示されてい
ない駆動装置により図にて反時計廻り方向へ回転駆動さ
れるようになっている。

版胴１の一側部には排版装置３が設けられている。排版
装置３は、版胴１より孔版原紙Ｓを剥ぎ取るための原紙
剥ぎ取り爪４と、前記原紙剥ぎ取り爪により版胴１より
剥ぎ取られた孔版原紙Ｓを版胴１の周面より回転方向に
沿う方向、即ち図にて左右の水平方向へ搬送する上下一
対のセレーションローラ５及び６からなる排版搬送手段
７とを有している。

原紙剥ぎ取り爪４は、軸８により図示されていない機枠
より枢支されてソレノイド装置９と駆動連結され、該ソ
レノイド装置により図示されている如き退避位置と該退
避位置より図にて時計廻り方向へ回動してその尖った先
端にて版胴位置の外周面に極く接近する原紙剥ぎ取り作
用位置との間に回動駆動されるようになっている。

セレーションローラ５及び６は互いに接触し、セレーシ
ョンローラ６は図示されていない電動機によって図にて
反時計廻り方向へ回転駆動されるようになっている。

セレーションローラ５及び６からなる排版搬送手段７の
原紙送出口２４の側には、即ち図にて左側には原紙搬送
手段７側の一端１１ａを枢軸１０によって図示されてい
ない機枠に枢動連結された可動底板１１と開閉可能なア
ッパカバー１２とエンドカバー１３とにより排版収容空
間１４が郭定されている。

可動底板１１の下方には仕切り板１５によりロール状の
原紙収容シートＡを収容するシート収容部１６が設けら
れている。

上側のセレーションローラ５の上方には磁石片１７と金
属製のクランプ片１８とからなる上側シートクランプ１
９が設けられている。仕切り板１５の上面にはゴムの如
く摩擦係数が大きい材料により構成されたシートクラン
プ片２０が設けられており、該シートクランプ片は、可
動底板１１とにより原紙収容シートＡを挾んでこれのク
ランプを行い、可動底板１１と共働して下側シートクラ
ンプ２１をなしている。

エンドプレート１３の上端部にはシートカッタ刃２２が
設けられており、またアッパカバー１２の下底面にはシ
ートカッタ刃２２と共働して原紙収容シートＡの切断を
行う弾性体製の押え部材２３が設けられている。

シート収容部１６に収容されているロールの原紙収容シ
ートＡの使用に際しては、アッパカバー１２を開いて可
動底板１１の端部１１ａを持ち上げた状態にて原紙収容
シートＡをシート収容部１６より引き出してこれをシー
トクランプ片２０上を経て可動底板１１の枢支端部１１
ａより排版収容空間１４内に所定量繰り出し、その後に
アッパカバー１２を元に戻す。これにより原紙収容シー
トＡは可動底板１１とシートクランプ片２０とにより挾
まれて係止される。次に原紙収容シートＡの先端部を磁
石片１７とクランプ片１８とにより挾み、該先端部の係
止を行う。これにより排版収容空間１４内の原紙収容シ
ートＡは、第１図に示されている如く、上側端を上側シ
ートクランプ１９により係止され、下側端を下側シート
クランプ２１により係止されて排版搬送手段７の原紙送
出口２４へ向けて開いた横倒しのＵ字形の袋状をなす。

版胴１より原紙剥ぎ取り爪４により剥ぎ取られた孔版原
紙Ｓは、セレーションローラ５及び６によって版胴１の
周面の回動方向に沿う方向へ図にて左側へ搬送され、原
紙送出口２４より排版収容空間１４内に入って該排版収
容空間内の袋状の前記原紙収容シートＡの内側に収容さ
れる。

排版収容空間１４内の袋状の前記原紙収容シートＡの内
側に排版された孔版原紙Ｓが所定量溜ってその排版収容
空間１４が原紙収容シートＡの内側の孔版原紙Ｓにより
満たされたならば、アッパカバー１２を開き、更に可動
底板１１の端部１１ｂをもってこれを持ち上げ、可動底
板１１とシートクランプ片２０とによる原紙収容シート
Ａの係止を解除し、この状態にて次に前記原紙収容シー
トＡの先端部の磁石片１７とクランプ片１８とによる係
止を解除し、排版収容空間１４内にて横倒しのＵ字形を
なす袋状の前記原紙収容シートＡをそのまま、即ち内側
に使用済みの孔版原紙Ｓをくるんだ状態のまま、まだ開
かれているアッパカバー１２とエンドカバー１３との間
より外部へ引き出し、次に第２図に示されている如く、
アッパカバー１２を閉じてシートカッタ刃２２と押え部
材２３とによって原紙収容シートを切断する。そしてこ
の袋状の原紙収容シートＡがその内側に孔版原紙Ｓをく
るんだ状態のまま廃棄されることにより使用済みの孔版
原紙Ｓが原紙収容シートＡごと廃棄される。

これにより孔版原紙の排版及び廃棄が全く手を汚すこと
なく行われるようになる。

原紙収容シートＡの再セットは、再びアッパカバー１２
を開き、上述の要領と同じ要領にて行われればよい。

尚、ロール状の連続した原紙収容シートには、一回の使
用に必要な長さを示すための指標がそのシートに印刷さ
れていてもよい。またロール状の連続した原紙収容シー
トにはその原紙収容シートの切断が簡便に行われるべく
所定長さごとにミシン目が設けられていてもよく、この
場合にはシートカッタ手段によるシートの切断はより容
易且正確に行える。

以上の於ては、本発明を特定の実施例について詳細に説
明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、
本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であることは当
業者にとって明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明による孔版印刷装置の排版装
置の一つの実施例を示す概略縦断面図である。 １……版胴，２……クランプピン，３……排版装置，４
……原紙剥ぎ取り爪，５、６……セレーションローラ，
７……排版搬送手段，８……軸，９……ソレノイド装
置，１０……枢軸，１１……可動底板，１２……アッパ
カバー，１３……エンドカバー，１４……排版収容空
間，１５……仕切り板，１６……シート収容部，１７…
…磁石片，１８……クランプ片，１９……上側シートク
ランプ，２０……シートクランプ片，２１……下側シー
トクランプ，２２……シートカッタ刃，２３……押え部
材，２４……原紙送出口，Ｓ……孔版原紙，Ａ……原紙
収容シート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】版胴より剥ぎ取られた孔版原紙を上下両面
   より挾んで水平方向に送るローラ対と、前記ローラ対の
   孔版原紙送出側に形成され壁面の一部を開閉可能なカバ
   ーによって郭定された室空間と、前記室空間の下方に帯
   状原紙収容シートのロールを収容するシート収容室と、
   前記シート収容室内に装填された帯状原紙収容シートの
   ロールより引出された帯状シートを前記ローラ対の孔版
   原紙送出側の下方より前記室空間内へ導く通路を与える
   帯状シート案内手段と、前記帯状シート案内手段を通っ
   て前記室空間内に導入された帯状シートの先端部を前記
   ローラ対の孔版原紙送出側の上方にて選択的に把持する
   シートクランプと、前記室空間を挾んで前記ローラ対に
   対向する壁面に組込まれ前記帯状シートを横方向に切断
   するシートカッタ刃とを有している孔版印刷装置の排版
   装置。