JPH06115723A - 画像形成装置の給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙収容装置として給紙カセットを用い、電
子写真複写機本体のフロント側から着脱する際に、用紙
がローラ部材等に摺動することを防止する。 【構成】 給紙カセット１０のボトムプレート１５に
は、その給紙側の先端部に突出部材１６を一体に設け、
該突出部材１６を給紙カセットの給紙側側板１３に設け
た開口１４から突出させる。また、側板１３の外側には
カム部材２０を配置し、カム面２１により突出部材１６
を係止した状態でボトムプレートをロックする。そし
て、給紙部本体には、前記突出部材とカム部材のピンに
それぞれ作用するガイド部材と、ロック解除部材とを配
置して、給紙カセットを挿入する最終段階で、カム部材
を揺動させてロックを解除し、給紙カセットを引き抜く
途中でボトムプレートを下降位置にロックすることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機等の画
像形成装置において、装置のフロント側から給紙カセッ
トを着脱する機構を設けた給紙機構に関し、特に、給紙
カセットを着脱する際に、ボトムプレートを下降位置に
支持する機構を設け、給紙カセットの移動により、ボト
ムプレートの上下動の動作を自動的に行い得るようにす
る画像形成装置の給紙装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機等の画像形成装置におい
ては、給紙部に複数の給紙トレイ等を装着し、それ等の
給紙トレイに対してサイズの異なる用紙を収容しておく
ことにより、原稿のサイズや縮拡率等に対応させて、必
要な用紙を送り出すことができるようにしている。とこ
ろが、従来の電子写真複写機等では、給紙トレイを装置
の側部から着脱する機構を用いており、そのような給紙
トレイの着脱機構を設ける場合には、装置本体の側部に
余分な空間を必要とするという問題がある。

【０００３】そこで、前述したような問題を解消するた
めに、例えば、特開平１−３０８３５４号公報等に示さ
れるように、給紙トレイを装置のフロント側から着脱す
る機構を構成することが提案されている。前記従来例の
電子写真複写機では、給紙部の一方の側に給紙ローラ等
の部材と、本体部に向けて配置する給紙路を設け、複数
の給紙トレイからそれぞれ用紙を送り出すことができる
ようにしている。また、前記給紙部に装着する給紙トレ
イは、その挿入方向の両側にガイド部材を配置して、給
紙トレイの着脱の動作を容易に行い得るように構成して
いる。

【０００４】さらに、一般の電子写真複写機に用いられ
る給紙トレイでは、用紙をボトムプレート等に載置し、
そのボトムプレートを給紙部に設けた上下動機構を用い
て上昇させ、用紙を給紙ローラに向けて押圧する手段を
設けている。そして、給紙トレイを給紙部に装着した後
で、給紙部に配置したボトムプレート上昇機構を作動さ
せ、用紙を給紙ローラに向けて押圧する機構を設けてい
る。したがって、前述したような給紙装置では、トレイ
には用紙を上下動させる機構を設ける必要がなく、該ト
レイを着脱する際には、用紙はローラ装置に摺動したり
することがないという利点を発揮させることができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述したような比較的
大型の装置では、給紙トレイの装着部に配置する給紙機
構に対して、用紙さばき機構等を配置して、高速で給紙
する動作に対応させることも可能である。しかし、小型
の複写機等の装置では、そのような用紙さばき機構を用
いずに、スナバー爪部材による用紙さばき機構を用いた
給紙カセットを用いることも行われている。そして、そ
のような給紙カセットを用いることにより、給紙装置の
機構を簡素化でき、装置の製造コストを低減させること
ができるようにしている。

【０００６】ところが、前述したような給紙カセットを
用いる給紙装置の場合に、その給紙カセットを複写機の
フロント側から着脱する機構を構成しようとすると、給
紙部から給紙カセットを抜き出す際に、用紙がローラに
対して摺動し、用紙を損傷したりするという問題があ
る。そこで、例えば、実開昭６２−３８２３４号公報等
に示されるように、給紙カセットを給紙部に着脱する際
に、用紙を押し下げる機構を設けておき、用紙がローラ
に摺動しないようにする手段を用いることも考えられ
る。

【０００７】しかしながら、前記従来例の用紙押し下げ
機構は、給紙カセットの着脱方向が複写機の側部に限定
されるものであり、フロント側からの着脱に対応させる
ことが困難である。さらに、給紙カセットの着脱に際し
て、ボトムプレートを下降位置にロックすることができ
ず、給紙カセットを引き抜いた後で、オペレータがボト
ムプレートを押し下げてロックさせることが必要である
ために、オペレータに余分な負担を強いることになる。
また、給紙カセットを着脱する動作の途中で、用紙を上
下動させるために、用紙がローラ装置に摺動するという
問題が残っており、特に、給紙カセットを装置のフロン
ト側で着脱する機構を構成しようとすると、用紙がロー
ラ部材に余分な力を加えるという問題がある。

【０００８】

【発明の目的】本発明は、装置本体のフロント側から給
紙カセットを着脱する装置を構成する場合に、前述した
ような問題が発生することを防止するもので、給紙カセ
ットの着脱の動作に対応させて、ボトムプレートを自動
的に下降位置にロックする手段を設け、用紙とローラ部
材とに支障が生じないようにする装置を提供することを
目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段および作用】本発明は、画
像形成装置の給紙部に対して、複数の給紙カセットを装
置本体のフロント側より着脱可能に設け、前記給紙カセ
ットでは、用紙を載置するボトムプレートをスプリング
等の付勢手段を介して給紙位置に向けて付勢し、給紙部
に設けた給紙ローラ装置に対して、用紙を押し上げる機
構を設けた装置に関する。本発明においては、前記ボト
ムプレートの給紙側の端部に突出部材を一体に設け、前
記突出部材を給紙カセットの給紙側側板に設けた開口を
介して突出させ、前記突出部材に対するロック機構とし
てのカム部材を配置し、前記カム部材と突出部材とに対
応させて、給紙部の給紙部側板に対してガイド部材とロ
ック解除部材とを配置している。そして、本発明におい
ては、給紙カセットを給紙部に装着する際に、給紙位置
にまで挿入した段階で、ボトムプレートに対するロック
状態を解除し、さらに、給紙カセットを引き抜く際に、
給紙カセットを引き抜き方向に移動させるのみで、ボト
ムプレートを下降させてロックする状態を設定すること
ができる。

【００１０】したがって、本発明においては、給紙カセ
ットに対してボトムプレートの上下動のための突出部材
を配置し、該突出部材に対するロック機構としてのカム
部材を配置するのみであり、給紙部にはガイド部材とロ
ック解除部材とを設けるのみで、その機構を比較的簡単
なものとすることができる。そして、オペレータは、ボ
トムプレートの上下動のために特別の操作を行う必要が
ないので、従来の給紙トレイを用いた画像形成装置の場
合と同様に、給紙カセットの着脱の動作を容易に行うこ
とができる。さらに、給紙カセットを着脱する際に、用
紙がローラ部材に接した状態のまま移動することがない
ので、ローラ部材に余分な応力が付与されることがな
く、給紙の動作を安定した状態で行わせることができ
る。

【００１１】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の画像形
成装置の給紙装置を説明する。図１に示される例は、本
発明の給紙カセットの給紙側の側面の構成を示してい
る。前記給紙カセット１０は、フロントカバー１１に設
けたハンドルを用いて、複写機のフロント側からの着脱
を行うように構成しており、該給紙カセット１０の内部
には、図３に示されるように、用紙を載置するボトムプ
レート１５を上下動可能に設けている。また、前記図３
に見られるように、ボトムプレート１５に対して、給紙
カセットの底板との間にスプリング１７を設けて、該ス
プリング１７によりボトムプレート１５を上昇させる方
向に付勢している。

【００１２】さらに、前記ボトムプレート１５の先端部
には、突出部材１６を一体に設け、該突出部材１６を給
紙カセットの給紙側の側板１３に設けた開口１４を介し
て、側板の外側に突出させている。前記側板１３の外側
には、支軸２２を介して揺動可能なカム部材２０を配置
し、前記カム部材２０のカム面２１が、突出部材１６に
係合する位置で、該突出部材１６を押し下げた状態で保
持できるようにしている。また、前記カム部材２０に
は、外側に突出するピン２３を配置しており、前記ピン
に対して給紙部のフレームに設けたロック解除部材が係
合して、カム部材によるロックの解除を行うようにす
る。

【００１３】前記図１に示されるように、給紙カセット
の給紙側の側板に配置するカム部材２０は、図２に実線
で示される位置に保持される状態で、突出部材１６を下
降位置にロックして、用紙を下降させた状態に維持す
る。これに対して、図２の鎖線で示される位置にカム部
材２０を揺動させると、突出部材１６を開口１４に沿っ
て上下動させる動作を許容するので、ボトムプレートに
対して配置するスプリングの力により、用紙を給紙位置
に向けて上昇させることができる。また、前記カム部材
２０が突出部材１６に対するロックを解除する状態で
は、上昇位置に保持されている突出部材を下降させるこ
ともできるので、給紙カセットを引き抜く際に、ボトム
プレートを下降させながら移動することを可能にする。

【００１４】前記給紙カセットに対応させて、複写機の
給紙部には、図４に示されるような突出部材１６に対す
る作動部材を配置し、該作動部材を、給紙カセットに設
けた突出部材１６とカム部材２０とに対応させて、給紙
部側板６に設けたガイド部材７とロック解除部材８とに
より構成している。前記作動部材のうち、ガイド部材７
は、突出部材１６の上面に接して、突出部材の上下動の
規制を行う部材として用いられ、給紙カセットを給紙位
置に挿入した際に、突出部材の上昇を許容できる形状に
形成されている。また、ロック解除部材８はカム部材２
０のピン２３に対応する位置に配置されるもので、給紙
カセットを装着する最後の段階で、カム部材を揺動させ
て、突出部材に対するロック状態を解除し、スプリング
により付勢されるボトムプレートを上昇させて、給紙位
置に配置するローラ部材に対して用紙を位置決めするこ
とができるようにされる。

【００１５】前述したように構成される本発明の給紙カ
セットは、図５に示されるように、フロントローディン
グタイプの電子写真複写機１に使用することができる。
前記図５に示される電子写真複写機１では、電子写真方
式を用いた記録機構を設けた本体２の下部に、給紙部５
を配置し、該給紙部に複数の給紙カセット１０、１０ａ
……を装着可能に構成している。そして、前記給紙カセ
ットをフロントカバー１１に設けたハンドル１２を介し
て、給紙部から引き出し可能に構成している。前記給紙
カセットには、前記図１に示されたようなロック機構を
配置し、給紙部本体には、図４に示されたようなガイド
部材を配置しており、給紙カセットを着脱する動作に応
じて、用紙を載置するボトムプレートを上下動させる機
構を構成している。

【００１６】前述したように構成される本発明の給紙装
置において、給紙カセットを給紙部に装着する際には、
図２、３に示されるように、カム部材２０がボトムプレ
ートの突出部材１６を押し下げた位置にセットされてい
る。そして、前記給紙カセットを給紙部に挿入すると、
その挿入の動作の最終段階で、ロック解除部材８に対し
てカム部材のピン２３が当接し、カム部材２０を図２の
反時計方向に揺動させ、突出部材１６に対するロック状
態を解除する。そのロック解除の動作により、スプリン
グにより付勢されているボトムプレート１５は、用紙を
載置した状態で上方に持ち上げられ、用紙の上面を図示
を省略したローラ装置に対して押圧する状態となり、該
ローラ装置が駆動されることにより、給紙の動作が行わ
れる。

【００１７】また、給紙部に装着されている給紙カセッ
トを引き抜く際には、突出部材１６は図４に示されるガ
イド部材７の下面に接する位置から、図の左側に向けて
該ガイド部材７に摺動しながら下降される。そして、所
定の距離だけ引き抜き方向に移動して、ロック解除部材
８がピン２３に係合する位置を通過し終えると、カム部
材２０は突出部材１６を押圧する位置に、その自重によ
り復帰しようとする。そして、その状態では、まだ突出
部材は下降位置に復帰されていないが、さらに給紙カセ
ットを引き抜くことにより、ガイド部材７が突出部材を
十分に下降させた位置で、突出部材の上面にカム部材２
０のカム面２１が移動して、ボトムプレートが下降した
位置でロックする。したがって、前記ボトムプレートを
カム部材によりロックしたままで、給紙カセットを給紙
部から引き抜くことができる。

【００１８】前述したように、本発明においては、給紙
カセットを給紙部に装着する際には、ボトムプレートを
下降位置にロックした状態で挿入し、その給紙カセット
が所定の位置にまで挿入される直前に、ボトムプレート
に対するロックを解除するので、用紙がローラ装置に摺
動したりすることが防止される。また、給紙カセットを
給紙位置から引き抜く際にも、該給紙カセットを引き抜
く動作の初期の段階で、ボトムプレートがガイド部材に
より自動的に下降され、用紙がローラに接する位置から
離間する。そして、給紙カセットが所定の位置にまで引
き抜かれると、ボトムプレートに対して自動的にロック
状態を設定するので、給紙カセットを完全に引き抜いた
状態では、ボトムプレートが下降位置にあるために、該
給紙カセットに対して用紙を補給する作業を容易に行う
ことができる。

【００１９】なお、本発明の給紙カセットにおいて、ボ
トムプレートを付勢するためのスプリングの配置関係
や、ボトムプレートから突出する突出部材の形状は、図
示されたもの以外に、任意の形状のものを用いることが
できる。また、本発明に用いられるカム部材は、突出部
材に対する係止状態と、ロック解除部材による解除の動
作を行い得るものであれば、任意の形状のものを使用す
ることが可能であり、さらに、該カム部材に対してスプ
リング等の部材を設けて、カム部材の揺動の動作を補助
することも可能である。

【００２０】

【発明の目的】本発明の画像形成装置の給紙装置は、前
述したように構成した給紙カセットと、給紙部に配置す
るガイド部材とを用いるものであるから、給紙カセット
を装置のフロント側から着脱する方式の給紙装置を容易
に構成することができる。また、本発明は、給紙カセッ
トに対してボトムプレートの上下動のための突出部材を
配置し、該突出部材に対応させてカム部材を配置するの
みであり、給紙部にはガイド部材とロック解除部材とを
設けるのみで、その機構を比較的簡単なものとすること
ができる。そして、オペレータは、ボトムプレートの上
下動のために特別の操作を行う必要がないので、従来の
給紙トレイを用いた画像形成装置の場合と同様に、給紙
カセットの着脱の動作を容易に行うことができる。さら
に、給紙カセットを着脱する際に、用紙がローラ部材に
接した状態のまま移動することがないので、ローラ部材
に余分な応力が付与されることがなく、給紙の動作を安
定した状態で行わせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の給紙カセットの側部に配置する部材
の構成を示す斜視図である。

【図２】 突出部材とカム部材の関係を示す説明図であ
る。

【図３】 給紙カセットの断面図である。

【図４】 給紙部の側板に配置するガイド部材の説明図
である。

【図５】 本発明の給紙カセットを使用可能な電子写真
複写機の斜視図である。

【符号の説明】

１ 電子写真複写機、 ５ 給紙部、 ７ガイド部
材、８ ロック解除部材、 １０ 給紙カセット、
１３ 側板、１４ 開口、 １５ ボトムプレ
ート、 １６ 突出部材、２０ カム部材、 ２１
カム面、 ２３ ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像形成装置の給紙部に対して、複数の
   給紙カセットを装置本体のフロント側より着脱可能に設
   け、 前記給紙カセットでは、用紙を載置するボトムプレート
   をスプリング等の付勢手段を介して給紙位置に向けて上
   昇させ、給紙部に設けた給紙ローラ装置に対して、用紙
   を押し上げる機構を設けた装置において、 前記ボトムプレートの給紙側の端部に突出部材を一体に
   設け、前記突出部材を給紙カセットの給紙側側板に設け
   た開口を介して突出させ、 前記突出部材に対するロック機構としてのカム部材を配
   置し、前記カム部材と突出部材とに対応させて、給紙部
   の給紙部側板に対してガイド部材とロック解除部材とを
   配置することを特徴とする画像形成装置の給紙装置。