JPH06115650A - シリンダライナ供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 多数のシリンダライナＳが転がり搬送される
傾斜する搬送シュート２１が、エンジンの気筒数に応じ
て４列並べられた搬送路２０と、この搬送路２０の下方
に連続して搬送路２０と直角に曲がり各搬送シュート２
１からシリンダライナＳを１つずつ受ける整列シュート
３１を有する供給路３０とからなる装置において、各搬
送シュート２１ごとにシリンダライナＳを１つずつ分別
する第１、第２のストッパ５０、５１の他に、第２のス
トッパ５１の下流側の供給路３０の近くであって、整列
シュート３１がシリンダライナＳを受ける位置から等距
離の位置に第３のストッパ５２を設け、ここからシリン
ダライナＳを整列シュート３１に送り込むようにした。 【効果】 整列シュート３１に転がり込むシリンダライ
ナＳの勢いが弱くなって確実に整列シュート３１に収ま
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シリンダライナをシリ
ンダブロックの鋳造装置側に供給するシリンダライナ供
給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】炭素鋼等からなる円筒状のシリンダライ
ナを鋳込んでシリンダブロックを鋳造するダイカストマ
シン等の鋳造装置には、シリンダライナを供給する装置
が付設されているのが一般的である。そのシリンダライ
ナ供給装置としては、エンジンの気筒数に応じた数の搬
送シュートが並べられた傾斜する搬送路に、鋳造装置側
に臨む供給路が連続して設けられて構成されたものがあ
る。

【０００３】詳しくは、搬送装置の各搬送シュートは、
所定角度傾斜してその上方端からシリンダライナが横向
きに、つまりその軸線方向に直交する状態で投入されて
シリンダライナを下方端に搬送し、供給路には、搬送路
の各搬送シュートからシリンダライナをそれぞれ受け、
鋳造装置側に、シリンダライナをその軸線方向に沿う方
向に搬送して供給する整列シュートが並べられている。
シリンダライナは、搬送路の各搬送シュートにそれぞれ
多数投入されて転がりながら供給路の各整列シュートに
受け渡されることによりその搬送方向を直角に変えられ
るとともにエンジンのボア間隔に配列された後、鋳造装
置側に供給される。

【０００４】傾斜する搬送路の各搬送シュートにおける
供給路の近くには、一旦シリンダライナを停止させるス
トッパ（あるいは減速機構）が、搬送路に直交する状態
で設けられ、このストッパを開いて（減速機構の場合は
この減速機構を通して）シリンダライナを供給路の各整
列シュートに移すようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記ストッパから供給
路の各搬送シュートにシリンダライナが移される際、特
にそれら搬送シュートのうちの外側、つまり搬送路から
供給路にわたって直交するカーブ部分の外側、を転がる
シリンダライナの、ストッパ（減速機構）から供給路の
整列シュートに至る距離が内側より長いので、この外側
を転がるシリンダライナの勢いが強く、転がり出たりと
びはねたりして、確実に供給路の整列シュートに収まら
ない場合が生じるといった不都合が生じていた。

【０００６】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、搬送路の各搬送シュートから供給路の各整列シ
ュートに確実にシリンダライナが送り込まれる構成のシ
リンダライナ供給装置を提供することを目的としてい
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであって、請求項１として、所
定角度傾斜し、その上方端から投入される多数のシリン
ダライナを、その軸線方向に直交する状態で下方端に搬
送する搬送シュートが、複数列並べられてなる搬送路
と、この搬送路の下方端に連続して設置され、前記各搬
送シュートに対して直交して延び、各搬送シュートから
シリンダライナを受けて該シリンダライナをその軸線方
向に沿う方向に搬送して鋳造装置側に供給する整列シュ
ートが複数列並べられた供給路とを具備するシリンダラ
イナ供給装置において、前記各搬送シュートの前記整列
シュート近傍であって整列シュートに至る距離が略等し
い位置に、搬送シュートに投入されて搬送される前記シ
リンダライナを一旦停止させるストッパをそれぞれ設け
た構成を特徴とした。

【０００８】また請求項２として、前記整列シュート
の、前記搬送シュートから前記シリンダライナを受ける
位置に、該シリンダライナを吸着する磁石等の吸着手段
を設けたことを特徴としている。

【０００９】

【作用】本発明によれば、搬送路の搬送シュートから供
給路の整列シュートへのシリンダライナの受け渡しを、
ストッパから行う。このストッパと整列シュートとの距
離は、各搬送シュートごとに異なることなく互いに等し
く、両者は接近しているので、整列シュートに搬送され
るシリンダライナの勢いは弱く、したがって転がり出た
りとびはねたりすることなく、確実に整列シュートに収
まる。

【００１０】また、整列シュートのシリンダライナを受
ける位置に磁石等の吸着手段を設ければ、より一層確実
にシリンダライナが整列シュートに収まる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図１および図２は、それぞれ本実施例のシリン
ダライナ供給装置１の全体を示す平面図および側面図で
あり、本装置は、エンジンのシリンダブロックを鋳造す
るダイカストマシン等の図示せぬ鋳造装置側に、エンジ
ンの気筒数と同数の円筒状のシリンダライナＳ（図４に
示す）を一括して搬送する装置であって、この場合、４
つのシリンダライナＳを一括して鋳造装置側に供給する
ものである。

【００１２】このシリンダライナ供給装置１は、所定角
度傾斜し、その上方端（図１、図２で右方端）から投入
されたシリンダライナＳを、その軸線方向に直交する状
態で下方端（同各図で左方端）に搬送する搬送路２０
と、この搬送路２からシリンダライナＳを受けて鋳造装
置側に供給する供給路３０とから概ね構成されている。

【００１３】搬送路２０は、所定角度傾斜する搬送シュ
ート２１が前記気筒数、つまり４つ並べられて構成され
ている。各搬送シュート２１は、その長さ方向に対し、
シリンダライナＳが横向きの状態で、つまりその軸線方
向を直交させた状態で下方端方向に転がることを可能と
するガイドレール２２により形成されており、このよう
な姿勢で上方端から投入されたシリンダライナＳを、下
方に搬送させていく。なお、ガイドレール２２は、図３
に示すように、シリンダライナＳの周面が載る下側の左
右一対のガイドレール２２ａと、その上に配されてシリ
ンダライナＳの両端面に当接するガイドレール２２ｂと
から構成されている。

【００１４】一方、供給路３０は、図４に示すように、
前記搬送路２０の下方端に連続して設置されており、搬
送路２０の各搬送シュート２１に対して直交して延び、
各搬送シュート２１からシリンダライナＳを受けてシリ
ンダライナＳをその軸線方向に沿う方向に搬送して鋳造
装置側に供給する整列シュート３１が並べられて構成さ
れている。整列シュート３１は、供給路３０を構成する
水平に設置された供給路ブロック３２に対し形成された
Ｖ溝状のもので、シリンダライナＳは、その軸線方向を
溝に沿った状態とされ、供給路３０の端部に送られる。
このように送られる４つのシリンダライナＳの間隔は、
エンジンのボア間隔と等しくなるよう設定され、供給路
３０の端部には、供給路３０の各整列シュート３１から
ボア間隔に配列された４つのシリンダライナＳを受ける
とともに鋳造装置に送り込む移送ブロック４０が配備さ
れている。各整列シュート３１に並んだシリンダライナ
Ｓは、プッシャ４１により順送りに移送ブロック４０に
送られる。この移送ブロック４０は、シリンダライナＳ
が収まる収容溝４３が形成されて降り、各収容溝４３の
底部にはシリンダライナＳの脱落を防ぐ磁石４２が埋め
込まれている。

【００１５】さて、搬送路２０における供給路３０の近
くには、搬送路２０の上流側から順に、第１、第２およ
び第３のストッパ５０、５１、５２が設置されている。

【００１６】これらストッパ５０、５１、５２は、図４
に示すように、搬送路２０の上方に設置されたバー６０
と、このバー６０に一体に固定され各搬送シュート２１
内に挿入されるストッパ片６１とから構成されている。
ストッパ片６１は、コ字状に形成され、下に延びる両端
部が、左右一対のガイドレール２２ｂの内側に位置して
シリンダライナＳが当たるようになっている。

【００１７】ここで第１および第２のストッパ５０、５
１のバー６０は、搬送路２０ｂの長さ方向に直交し、互
いの間隔は、シリンダライナＳがその間に１つ入る程度
に設定されている。

【００１８】そして第３のストッパ５２は、第２のスト
ッパ５１からある程度離れ供給路３０の近傍において、
各搬送シュート２１に応じたストッパ片６１が、供給路
３０の各整列シュート３１における搬送シュート２１よ
りシリンダライナＳを受ける位置から等距離の位置にな
るよう、そのバー６０が斜めに設置されている。

【００１９】また、供給路３０の各整列シュート３１に
おける搬送シュート２１からシリンダライナＳを受ける
位置には、磁石（吸着手段）７０がそれぞれ埋め込まれ
ている。これら磁石７０は、前記プッシャ４１の力でシ
リンダライナＳが整列シュート３１上を動かされる程度
の磁力のものが好適である。

【００２０】上記各ストッパ５０、５１、５２は、上下
動することにより各搬送シュート２０を転がってくるシ
リンダライナＳの動きを規制するが、その制御とともに
上記本実施例のシリンダライナ供給装置１の作用を説明
していく。

【００２１】まず初期設定として、各ストッパ５０、５
１、５２を作動状態、すなわちバー６０が下降して各ス
トッパ片６１が各搬送シュート２１を転がって搬送され
るシリンダライナＳを停止させる状態とする。多数のシ
リンダライナＳ…を、搬送路２０の上方端から各搬送シ
ュート２１に投入すると、はじめに第１のストッパ５０
にせき止められる。次いで、第１のストッパ５０を解除
つまり作動させて第２のストッパ５１までシリンダライ
ナＳ…を送り、第２のストッパ５１でシリンダライナＳ
…をせき止める。

【００２２】次いで、第１のストッパ５０を作動させそ
の各ストッパ片６１を、第１のストッパ５０に当たって
いる先頭のシリンダライナＳと２番目のシリンダライナ
Ｓの間に挿入する。これで２番目以降のシリンダライナ
Ｓ…は第１のストッパ５０にせき止められ、先頭の４つ
のシリンダライナＳだけ第２のストッパ５１に停止させ
られた状態となる。

【００２３】続いて、第２のストッパ５１を解除する。
すると第２のストッパ５１で停止させられていた４つの
シリンダライナＳは第３のストッパ５２まで転がりそこ
で停止する。また、動作とともに第２のストッパ５１を
作動させた後、上記のようにこの第２のストッパ５１ま
でシリンダライナＳを送るとともに、第１のストッパ５
０も作動状態にしておく。

【００２４】次に第３のストッパ５２を解除する。する
と、各搬送シュート２１を転がる１つ１つのシリンダラ
イナＳが供給路３０の各整列シュート３１に転がり込
み、そこで受けられる。

【００２５】このように各搬送シュート２１から各整列
シュート３１にシリンダライナＳが受け渡されるとき、
第３のストッパ５２の各ストッパ片６１からシリンダラ
イナＳを受ける位置までの距離が等しくかつ短いので、
シリンダライナＳの転がる勢いは弱く、したがって転が
り出たりとびはねたりすることなく、確実に各整列シュ
ート３１に収まる。しかも各整列シュート３１のシリン
ダライナＳを受ける位置には磁石７０が埋め込まれてい
るので、これら磁石にシリンダライナＳが吸着されるこ
とにより、一層確実にシリンダライナＳが整列シュート
３１に収まる。

【００２６】次いで、前記プッシャ４１が作動して供給
路３０に並んだ４つのシリンダライナＳを一括して前記
移送ブロック４０に送り込み、この後それらシリンダラ
イナＳは鋳造装置に移送される。

【００２７】上記手順が繰り返されて４つ１組のシリン
ダライナＳが鋳造装置に送り込まれるが、その作動は、
図示せぬ制御装置により自動的に繰り返しなされる。

【００２８】上記本実施例のシリンダライナ供給装置１
によれば、上述の如く、各搬送シュート２１から各整列
シュート３１へのシリンダライナＳの受け渡しは、第３
のストッパ５２の各ストッパ片６１から行われるが、こ
の第３のストッパ５２の各ストッパ片６１と整列シュー
ト３１との距離は、各搬送シュート２１ごとに異なるこ
となく互いに等しくかつ短い。その結果、各整列シュー
ト３１に転がり込むシリンダライナＳの勢いは弱く、し
たがって転がり出たりとびはねたりすることなく、確実
に各整列シュート３１に収まる。しかも、各整列シュー
ト３１のシリンダライナＳを受ける位置には磁石７０が
埋め込まれこれにシリンダライナＳが吸着されるので、
より一層確実にシリンダライナＳが整列シュート３１に
収まる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のシリンダ
ライナ供給装置によれば、所定角度傾斜し、その上方端
から投入される多数のシリンダライナを、その軸線方向
に直交する状態で下方端に搬送する搬送シュートが、複
数列並べられてなる搬送路と、この搬送路の下方端に連
続して設置され、前記各搬送シュートに対して直交して
延び、各搬送シュートからシリンダライナを受けて該シ
リンダライナをその軸線方向に沿う方向に搬送して鋳造
装置側に供給する整列シュートが複数列並べられた供給
路とを具備するシリンダライナ供給装置において、前記
各搬送シュートの前記整列シュート近傍であって整列シ
ュートに至る距離が略等しい位置に、搬送シュートに投
入されて搬送される前記シリンダライナを一旦停止させ
るストッパをそれぞれ設けたもので、搬送路の搬送シュ
ートから供給路の整列シュートへのシリンダライナの受
け渡しをストッパから行うことにより、整列シュートに
搬送されるシリンダライナの勢いが弱くなり、したがっ
てシリンダライナは、転がり出たりとびはねたりするこ
となく、確実に整列シュートに送り込まれる。

【００３０】さらに、整列シュートの、搬送シュートか
らシリンダライナを受ける位置にシリンダライナを吸着
する磁石等の吸着手段を設ければ、より一層確実にシリ
ンダライナが整列シュートに収まる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の平面図である。

【図２】同側面図である。

【図３】ガイドレールを説明するための正面図である。

【図４】搬送路から供給路に至る部分の斜視図である。

【符号の説明】

１ シリンダライナ供給装置 ２０ 搬送路 ２１ 搬送シュート ３０ 供給路 ３１ 整列シュート ５２ 第３のストッパ ７０ 磁石（吸着手段） Ｓ シリンダライナ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定角度傾斜し、その上方端から投入さ
   れる多数のシリンダライナを、その軸線方向に直交する
   状態で下方端に搬送する搬送シュートが、複数列並べら
   れてなる搬送路と、 この搬送路の下方端に連続して設置され、前記各搬送シ
   ュートに対して直交して延び、各搬送シュートからシリ
   ンダライナを受けて該シリンダライナをその軸線方向に
   沿う方向に搬送して鋳造装置側に供給する整列シュート
   が複数列並べられた供給路とを具備するシリンダライナ
   供給装置において、 前記各搬送シュートの前記整列シュート近傍であって整
   列シュートに至る距離が略等しい位置に、搬送シュート
   に投入されて搬送される前記シリンダライナを一旦停止
   させるストッパがそれぞれ設けられていることを特徴と
   するシリンダライナ供給装置。
2. 【請求項２】 前記整列シュートの、前記搬送シュート
   から前記シリンダライナを受ける位置に、該シリンダラ
   イナを吸着する磁石等の吸着手段が設けられていること
   を特徴とする請求項１記載のシリンダライナ供給装置。