JPH06115576A - 二重構造容器 - Google Patents

二重構造容器

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JPH06115576A
JPH06115576A JP4264943A JP26494392A JPH06115576A JP H06115576 A JPH06115576 A JP H06115576A JP 4264943 A JP4264943 A JP 4264943A JP 26494392 A JP26494392 A JP 26494392A JP H06115576 A JPH06115576 A JP H06115576A
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container
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弘三郎 坂野
Michiko Tsurumaru
迪子 鶴丸
Minoru Tazaki
実 田崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二重構造容器における樹脂製ハウジングと樹
脂製内容器とが確実にしかも高い剥離強度で接合された
二重構造容器を提供し、更に優れた充填密封作業性と高
度の密封信頼性並びに耐腐食性とを有するエアゾール用
二重構造容器を提供する。 【構成】 外装缶と、外装缶の口部に固定された、ハウ
ジングが樹脂製のバルブと、バルブのハウジングに開口
部が固着された樹脂製内容器とからなる二重構造容器に
おいて、前記ハウジングと樹脂製内容器とが金属箔乃至
薄板を介してヒートシールにより結合している二重構造
容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外装缶と樹脂製内容器
とから成る二重構造容器に関するもので、より詳細には
優れた充填密封作業性と高度の密封信頼性並びに耐腐食
性とを有する二重構造容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアゾール缶としては、用途や内
容物及びプロペラント(噴射剤)の種類によって種々の
構造を有するものが使用されているが、一般には、内容
物及びプロペラントを一緒に収容する単一構造型(一室
型)の容器と、内容物を樹脂製内容器に及びプロペラン
トを樹脂製内容器と外装缶との間に収容する二重構造型
(二室型)の容器とが知られている。高粘性内容物を吐
出する場合や内容物とプロペラントとの混合や両者の相
互作用を防止する上では、後者の二重構造容器が好まし
い。
【0003】この様な二重構造容器としては、内容器の
外装缶への取り付け部を外装缶のビード部にかぶせ、マ
ウンティングカップをクリンチする際に同時に固定する
ものが一般的である。。
【0004】また、実開昭62−109762号公報に
は、エアゾール容器内に固定したバルブのハウジングに
内容器を連通固定し、バルブのステム内に、内容器とノ
ズルとを連絡する内容物用通路と、内容器と外装缶との
間の空間に通ずる噴射剤用通路とを設けたものが記載さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】前者のタイプの二重
構造容器では、噴射剤を収容する外装缶と内容器との空
間及び内容物を収容する内容器とバルブカップとの空間
を、同時にクリンチにより密封しなければならないため
に、密封操作を慎重に行わなければならず、そのため密
封作業性がどうしても低下するという問題がある。ま
た、内容器が外装缶のビードとバルブカップとの間には
さみ込まれるため、その耐傷性や強度等の点で制約を受
けるという不都合もある。
【0006】後者のタイプの二重構造容器は、バルブの
ハウジングに内容器が直接連通固定されるため、前者の
容器に見られる欠点は生じないが、バルブのハウジング
と内容器との固定のさせ方が問題であり、両者の接触面
がパイプ状(立体状)となっているため、内容器とハウ
ジングとを十分に圧接して、潜在的な漏洩通路の形成無
しに固定するのは必ずしも容易ではない。
【0007】従って、本発明の目的は、二重構造容器に
おける樹脂製ハウジングと樹脂製内容器とが確実にしか
も高い剥離強度で接合された二重構造容器を提供するに
ある。本発明の他の目的は、優れた充填密封作業性と高
度の密封信頼性並びに耐腐食性とを有するエアゾール用
二重構造容器を提供するにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、外装
缶と、外装缶の口部に固定されたハウジングが樹脂製の
バルブと、バルブのハウジングに開口部が固着された樹
脂製内容器とからなる二重構造容器において、前記ハウ
ジングと樹脂製内容器とを金属箔乃至薄板を介してヒー
トシールにより結合させ、両者の結合を確実なものとす
る。
【0009】即ち、本発明では金属箔乃至薄板の特性
(誘導渦電流の発生)を利用して、ヒートシールを高周
波誘導加熱により行う。
【0010】用いる金属箔乃至薄板は、ハウジング構成
樹脂に対してヒートシール性を有する第一の樹脂層と内
容器構成樹脂に対してヒートシール性を有する第二の樹
脂層とでサンドイッチされた積層体からなるのがよく、
この積層体をハウジングと内容器との間に介在させるこ
とにより、いっそう確実で迅速なヒートシールが可能と
なる。
【0011】本発明では、ハウジングの内容器取付部が
フランジ部とフランジ部よりも小径で下方に延びている
延長部とを備えており、一方内容器の開口部は前記延長
部に嵌合する頸部と頸部から径外方に広がっているフラ
ンジ部とこのフランジから上方に延びており且つハウジ
ングのフランジ部外径にほぼ相当する内径を有する延長
部とを備えており、ハウジングフランジ部と内容器フラ
ンジ部との間に金属箔乃至薄板が環状に配置され、金属
箔乃至薄板の外周縁は樹脂で封入されていることが、特
に好ましい。
【0012】
【作用】この種の二重構造容器において、バルブのハウ
ジングに内容器を直接ヒートシールしたものは未だ知ら
れていないが、本発明では、樹脂製のハウジングと樹脂
製の内容器との間に金属箔乃至薄板を介在させることに
より、両者のヒートシールを確実にしかも強固に行うこ
とができる。
【0013】即ち、金属箔乃至薄板は、熱の伝導性が良
好であり、ヒートシールに際して接合すべきハウジング
構成樹脂の表面及び内容器構成樹脂の表面の両方を、接
合すべき全周にわたって、一様な温度に保ち、一様なヒ
ートシールを可能にするという作用を行う。
【0014】しかも、金属箔乃至薄板は、高周波誘導コ
イルに電流を通じると、渦電流が誘導され、それのみが
選択的に高温に加熱されるという特徴を有する。そのた
め、樹脂製のハウジングと樹脂製の内容器との間に金属
箔乃至薄板を介在させ、高周波誘導加熱すると、この金
属箔乃至薄板からの熱伝導により、両者の樹脂表面層を
短時間の内にしかも選択的に融着温度に加熱して、優れ
た作業性と生産性を以てハウジングと内容器の一体構造
物を製造し得ることになる。しかも、本発明のヒートシ
ール構造物では、ハウジング及び内容器の接合すべき表
面樹脂層のみが高温に加熱され、他の部分が高温に加熱
されるのを回避することができるため、ハウジングが熱
変形したり、或いは内容器が熱により溶断乃至薄肉化す
るのを防止でき、顕著な利点が奏される。
【0015】特に、金属箔乃至薄板として、ハウジング
構成樹脂に対してヒートシール性を有する第一の樹脂層
と内容器構成樹脂に対してヒートシール性を有する第二
の樹脂層とでサンドイッチされた積層体を用いると、ヒ
ートシール界面がヒートシール性のよい樹脂層同士とな
り、しかも金属箔乃至薄板には予め樹脂層が設けられて
いるため、いっそう確実で迅速なヒートシールが可能と
なる。
【0016】また、ハウジングの内容器取付部を、フラ
ンジ部とフランジ部よりも小径で下方に延びている延長
部とから構成し、一方内容器の開口部を、ハウジング延
長部に嵌合する頸部と、頸部から径外方に広がっている
フランジ部と、このフランジから上方に延びており且つ
ハウジングのフランジ部外径にほぼ相当する内径を有す
る延長部とで構成し、しかもハウジングフランジ部と内
容器フランジ部との間に金属箔乃至薄板を環状(平面
状)に配置すると、ハウジングフランジ部と内容器フラ
ンジ部とを、金属箔乃至薄板の環状面(平面)に対して
垂直方向に圧接させ、所定の押圧荷重のもとにヒートシ
ールが可能となる。しかも、ハウジングのフランジ部よ
りも上方に延長して内容器の延長部が設けられているた
め、ヒートシールの際この内容器延長部を構成する樹脂
が溶融して、金属箔乃至薄板の外周縁を被覆し、樹脂中
に封入し、金属箔乃至薄板の腐食や金属箔乃至薄板と樹
脂層との接着界面への内容物の侵入による接着強度の低
下を防止するという作用を呈する。
【0017】
【発明の好適態様】
(二重構造容器)本発明の二重構造容器の一例を示す
「図1」(一部断面側面図)において、この容器1は外
装缶10と、外装缶の口部に固定されたバルブ20と、
バルブのハウジングに開口部が固着された樹脂製内容器
30とからなる。この具体例では、外装缶10は、シー
ムレスのツーピース缶胴であり、絞り成形、絞りしごき
成形、衝撃押しだし成形等で形成された有底缶胴11と
上蓋12とからなっている。有底缶胴11は、ほぼスト
レートな胴部13とドーム状に窪んだ底部14とを備え
ており、胴部13の上部には小径に絞られたネック部1
5があり、次いで上蓋12との二重巻締部16がある。
【0018】上蓋12の中央には小径筒状の支持部17
及び開口部18があって、この支持部とエアタイトな状
態でバルブ20が設けられている。バルブ20は樹脂製
のハウジング21を備えており、このハウジング21
に、内容器30がヒートシールにより一体化されてい
る。
【0019】バルブ及び内容器とのヒートシール部の構
造を拡大して詳細に示す「図2」において、バルブ20
は、大まかに言って、樹脂製ハウジング21とこのハウ
ジングに対して上下に摺動可能に設けられたステム50
とからなっている。ハウジング21は全体として筒状
で、上部外方に上蓋の筒状支持部17と係合する係合部
23、下方に内容器の取付(ヒートシール)部24及び
中心部にステム50の収容及び移動用内部空間29を備
えている。
【0020】ハウジングの内容器取付部24はフランジ
部25とフランジ部よりも小径で下方に延びている延長
部26とを備えており、フランジ部の内方には内容物通
路27を備えた中仕切28が設けられている。
【0021】一方、樹脂製内容器30は、胴部31と、
底部32と、胴部上部に対して肩部33を介して連なる
開口部34とからなるが、この開口部34は、ハウジン
グの延長部26に嵌合する頸部35と、頸部から径外方
に広がっているフランジ部36と、このフランジから上
方に延びており且つハウジングのフランジ部25の外径
にほぼ相当する内径を有する延長部37とを備えてい
る。
【0022】本発明では、上記ハウジングフランジ部2
5と内容器フランジ部36との間に金属箔乃至薄板40
を環状に配置し、この金属箔乃至薄板40を高周波誘導
加熱することにより、両フランジ25、36をヒートシ
ールさせる。この際、内容器延長部37の樹脂も溶融流
動して、金属箔乃至薄板40の外周縁41もこの溶融流
動した樹脂38で被覆され、保護されることになる。
【0023】本発明に好適に使用される金属箔乃至薄板
40の断面構造を示す「図3」において、このものは、
金属基体42と、その一方の表面に施された、ハウジン
グ構成樹脂に対してヒートシール性を有する第一の樹脂
層43と、その他方の表面に施された、内容器構成樹脂
に対してヒートシール性を有する第二の樹脂層44との
積層体からなる。この積層体を、第一の樹脂層43がハ
ウジングフランジ側に、第二の樹脂層44が内容器フラ
ンジ側にそれぞれ位置するように配置して、ヒートシー
ルを行うことにより、強固でしかも確実なヒートシール
による一体化が可能となる。
【0024】バルブの構造を示す「図2」において、ス
テム50は、ハウジング21の内部空間29に収容され
ていると共に、上蓋12の開口部18を通して、その上
端部51が上方に突き出している。ステム50の下端に
は小径の突起部52があり、この突起部52とハウジン
グの中仕切28との間にはステム50を常時上向きに賦
勢する押しスプリング53が設けられている。ステム5
0の中間部分には、間隔をおいて第一の通孔54と第二
の通孔55とが設けられており、これら通孔54、55
の上側には上向きに次第に径が増大するテーパ面56が
形成されている。また、ステム50の内部には、噴射剤
通路57と内容物通路58が形成されている。
【0025】ステム50が上昇した位置にあるとき、そ
の第一の通孔54とハウジング21の係止部23の上端
とはほぼ同一の水平面に位置するように構成され、一方
ステムの第二の通孔55もほぼ同一水平面に位置するよ
うにハウジングの内部空間29には段差部22が形成さ
れている。ステム50とハウジング21とは、その第一
の通孔54とハウジング21の係止部23の上端との間
に位置する第一の環状のガスケット59により密封され
ていると共に、その第二の通孔55とハウジング21の
段差部22との間に位置する第二の環状のガスケット6
0によっても密封されている。第一の環状のガスケット
59は同時にハウジング21と上蓋12とをも密封して
いる。また、第二の環状のガスケット60は同時にハウ
ジング21の内部空間29を、上部の噴射剤用空間61
と下方の内容物収容空間62とに分割している。尚、ハ
ウジング21の内部空間には、第一の環状のガスケット
59と第二の環状のガスケット60とを所定の間隔に保
持するためのスペーサ(センターリング)63が設けら
れている。
【0026】ステム50が上昇した位置にあるとき、噴
射剤通路57は第一の環状のガスケット59により密閉
され、内容物通路58は第二の環状のガスケット60に
より密閉されている。ステム50を押し下げると、噴射
剤通路57の下方出口は第一の環状のガスケット59と
の係合が解除されて、上部の噴射剤用空間61と接続さ
れ、一方内容物通路58の下方出口は第二の環状のガス
ケット60との係合が解除されて、下方の内容物収容空
間62と接続される。
【0027】ステム50を押し下げた状態で、噴射剤通
路57を経て、外装缶10と内容器30との間の空間に
噴射剤を充填する。充填終了後、図示されていないが、
ノズルチップのような手段で噴射剤通路57の上方出口
を密閉する。これにより、ステム50が押し下げられて
も、噴射剤は外部に噴出することがない。次いで、ステ
ム50を押し下げた状態で、内容物通路58を経て内容
器30内に内容物を充填する。ステム50を押し下げる
と、内容物通路58が解放され、内容器30に噴射剤の
圧力が作用し、内容物は通路58を経て外部に吐出乃至
噴射されることになる。
【0028】本発明の二重構造容器の他の例を示す「図
4」において、この例では、外装缶10として、小径に
ネックイン加工され、上端にビード19を有するものが
使用されており、上蓋12としては、バルブカップが使
用され、両者の係合封止はクリンチにより行われてい
る。
【0029】本発明の二重構造容器の更に他の例を示す
「図5」において、この例では、外装缶10として、底
部に巻締部16aを有するものが使用されており、上蓋
としては、目金蓋12aとバルブカップ12bとの組み
合わせが使用されている。目金蓋12aと缶胴とは二重
巻締16により行われ、バルブカップ12bは目金蓋の
ビード19に対してクリンチにより係合封止される。
【0030】更に他の例を示す「図6」において、この
例では外装缶は「図5」と同様に目金蓋と底蓋を巻締め
た缶である。勿論、「図4」と同様にモノブロック缶も
使用できる。この中でバルブ50bは、一般的なエアゾ
ール製品において使用されているものと同様で、内容物
の通路となる。噴射剤は缶底の孔より充填された後、プ
ラグ64で密封される。プラグ64がゴム製の場合は注
射針状のものを差し込み、これを通じて噴射剤を充填す
ることができる。
【0031】(各素材及び製造法)ハウジングを構成す
る樹脂は、高度の機械加工が可能で、機械的性質に優れ
たものであれば、任意のプラスチックを使用することが
可能であるが、本発明ではポリアミドを用いることが望
ましい。ポリアミドとしては、例えばナイロン6、ナイ
ロン6,6、ナイロン6/6,6共重合体、メタキシリ
レンアジパミド、ナイロン6,10等を使用できる。
【0032】一方内容器としては、単層或いは多層の樹
脂製容器が使用されるが、これらの容器は、ヒートシー
ルされる部分が、ヒートシール性を有する限り任意の樹
脂から成っていることができる。適当な樹脂としては、
結晶性ポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共
重合体、結晶性ポリブテン−1、結晶性ポリ4−メチル
ペンテン−1、低−、中−或いは高密度ポリエチレン等
のポリオレフィン類;ポリスチレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体等の芳香族ビニル重合体;ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン樹脂等のハロゲン化ビニル重合体;
アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリ
ル−スチレン−ブタジエン共重合体の如きニトリル重合
体;ナイロン6、ナイロン6,6、パラ又はメタキシリ
レンアジパミドの如きポリアミド類;ポリエチレンテレ
フタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポ
リエステル類;各種ポリカーボネート;ポリオキシメチ
レン等のポリアセタール類等の熱可塑性樹脂を挙げるこ
とができる。これらの内でも、ポリオレフィンが好適で
ある。
【0033】内容器のガスバリヤー性を向上させるため
に、ヒートシール性樹脂層とガスバリヤー性樹脂との積
層体を用いることもできる。ガスバリヤー性樹脂の最も
適当な例としては、エチレン−ビニルアルコール共重合
体を挙げることができ、例えば、エチレン含有量が20
乃至60モル%、特に25乃至50モル%であるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以
上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られ
る共重合体ケン化物が使用される。また、ガスバリヤー
性樹脂の他の例としては、炭素数100個当りのアミド
基の数が5乃至50個、特に6乃至20個の範囲にある
ポリアミド類を用いることもできる。
【0034】内容器の成形に際しては、各樹脂層に対応
する押出機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキュラー
ダイ等のダイスを通して所定の形状に押出す。また、各
樹脂層に対応する射出機で溶融混練した後、射出金型中
に射出して、内容器用のプリフォームを製造する。成形
物は、フイルム、シート、内容器形成用パリソン乃至は
パイプ或いはプリフォーム等の形をとり得る。パリソ
ン、パイプ或いはプリフォームからの内容器の形成は、
押出物を一対の割型でピンチオフし、その内部に流体を
吹込むことにより容易に行われる。また、パイプ乃至は
プリフォームを冷却した後、延伸温度に加熱し、軸方向
に延伸すると共に、流体圧によって周方向にブロー延伸
することにより、器壁が延伸された内容器が得られる。
また、フイルム乃至シートを、真空成形、圧空成形、張
出成形、プラグアシスト成形等の手段に付することによ
り、内容器が得られる。更に、フイルムにあっては、こ
れを袋状に重ね合せ或いは折畳み、周囲をヒートシール
して袋状の内容器とすることもできる。内容器の開口部
は本体と一体に成形してもよいし、或いは射出成形等に
より別個に製造し、後から融着等により一体化してもよ
い。
【0035】内容器の器壁は、噴射剤の圧力により容易
に変形されるような可撓性を有するべきであり、そのた
めにその厚さは、0.1乃至0.8mm、特に0.3乃
至0.5mmの範囲にあることが好ましい。
【0036】ハウジングと内容器との間に介在させる金
属箔乃至薄板としては、一般に厚みが0.005乃至
0.08mm、特に0.03乃至0.07mmの範囲内
にある任意の金属が使用されるが、軽量で接着性のよい
アルミ箔乃至薄板が適している。これらの金属箔乃至薄
板は、その表面をクロメート処理やジルコニュウム処理
等の表面処理がされていてもよい。
【0037】金属箔乃至薄板に対する積層用樹脂の適当
な例は、ハウジング樹脂に対しては、ハウジング構成樹
脂と同種の樹脂、即ちポリアミド類が使用され、特に融
点の低い共重合ポリアミドを使用すると、比較的低温で
もヒートシールが容易に行われる。一方、内容器樹脂に
対しても、これと同種の樹脂、例えばポリオレフィン類
を使用することにより、ヒートシールが容易に行われ
る。共重合ポリアミドや酸変性ポリオレフィンは金属箔
乃至薄板との接着性にも優れている。金属箔乃至薄板に
対する積層用樹脂層の厚さは、一般に0.01乃至0.
12mm、特に0.03乃至0.08mmの厚さを有す
るのがよい。フィルムの金属板乃至箔への積層は、熱融
着法、ドライラミネーション、押出コート法等により行
われ、フィルムと金属板との間に接着性(熱融着性)が
乏しい場合には、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系
接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミド
系接着剤、コポリエステル系接着剤等を介在させること
ができる。
【0038】本発明では、外装缶を構成する金属材とし
て、各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板ある
いはアルミ等の軽金属材から成るスラグが使用される。
表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧
延し、亜鉛メッキ、すずメッキ、ニッケルメッキ、電解
クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または
二種以上行ったものを用いることができる。好適な表面
処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板であり、特に
10乃至300mg/m2 の金属クロム層と1乃至50
mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層とを備
えたものであり、このものは塗膜密着性と耐腐食性との
組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例は、0.5
乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有する硬質ぶりき
板である。このぶりき板は、金属クロム換算でクロム量
が1乃至30mg/m2 となるようなクロム酸処理或は
クロム酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。
【0039】軽金属としては、所謂純アルミニウムの他
にアルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加工性
との点で優れたアルミニウム合金は、Mn:0.2乃至
2.0重量%、Mg:0.5乃至5重量%、Zn:0.
2乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃至0.30
重量%、残部がAlの組成を有するものである。アルミ
ニウム合金板も、金属クロム換算で、クロム量が5乃至
300mg/m2 となるようなクロム酸処理或はクロム
酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。所望に
より、成形前或いは後に表面処理を施すことがある。軽
金属材から成るスラグとしては純アルミが望ましい。
【0040】外装缶における金属の厚みは、要求される
耐圧性や金属の種類によっても相違するが、表面処理鋼
板の場合、一般に0.1乃至0.5mm、特に0.15
乃至0.3mm、アルミ板の場合、一般に0.2乃至
2.0mm、特に0.4乃至1.0mmの範囲にあるの
がよい。
【0041】外装缶の成形は、それ自体公知の任意の手
段で行うことができる。シームレス缶胴の場合、金属板
を絞り加工或いは深絞り加工に付して有底缶胴とする。
勿論、深絞り時或いはこれに引続いて、曲げ伸しによる
薄肉化加工やしごき加工を行うこともできる。金属がア
ルミである場合には、アルミの衝撃押し出し加工で有底
缶胴を製造することもできる。側面継ぎ目缶の場合、金
属板を筒状に成形し、端縁部をそれ自体公知の電気抵抗
溶接法で溶接し、この溶接継目を樹脂で被覆して、缶胴
とする。また、端縁部をナイロン系接着剤を介して熱接
着して缶胴とすることもできるし、更に端縁部に金属錫
層が存在する場合にはハンダ付で接合することもでき
る。目金蓋、底蓋、或いはバルブカップの成形はプレス
成形で行うことができる。
【0042】外装缶には何れかの段階、例えば成形前の
平板或いは成形後のカップの段階で金属板に樹脂の保護
被覆を施す。保護被覆の形成は、保護塗料を設けること
により、或は熱可塑性樹脂フィルムをラミネートするこ
とにより行われる。
【0043】本発明では、バルブのハウジングと内容器
との接合を、両者の間に金属箔乃至薄板を介在させ、こ
の金属箔乃至薄板を高周波誘導加熱することにより行
う。高周波誘導加熱は、金属を極めて単時間の内、例え
ば0.5 秒以内に加熱しうることが特徴であり、しかも
ハウジング及び内容器の樹脂は金属箔乃至薄板基体側か
ら加熱されるため、ヒートシール面以外には加熱の影響
がでないことが顕著な特徴である。
【0044】高周波誘導加熱は、嵌合したハウジング及
び内容器のフランジの外周に高周波誘導加熱コイルを配
置し、これに高周波電流を通ずることにより行われる。
高周波としては、25乃至400Hzの周波数が使用さ
れ、加熱時間は0.1乃至2.0秒程度の短時間で十分
である。ハウジング及び内容器のヒートシールは、バル
ブを上蓋に取り付ける前に行ってもよいし、バルブを上
蓋に取り付けた後行ってもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明では、外装缶と内容器とからなる
二重構造容器において、樹脂製のハウジングと樹脂製の
内容器との間に金属箔乃至薄板を介在させることによ
り、両者のヒートシールを確実にしかも強固に行うこと
ができる。即ち、金属箔乃至薄板は、熱の伝導性が良好
であり、ヒートシールに際して接合すべきハウジング構
成樹脂の表面及び内容器構成樹脂の表面の両方を、接合
すべき全周にわたって、一様な温度に保ち、一様なヒー
トシールを可能にすることができる。
【0046】しかも、金属箔乃至薄板は、高周波誘導コ
イルに電流を通じると、渦電流が誘導され、それのみが
選択的に高温に加熱されるという特徴を有する。そのた
め、樹脂製のハウジングと樹脂製の内容器との間に金属
箔乃至薄板を介在させ、高周波誘導加熱すると、この金
属箔乃至薄板からの熱伝導により、両者の樹脂表面層を
短時間の内にしかも選択的に融着温度に加熱して、優れ
た作業性と生産性を以てハウジングと内容器の一体構造
物を製造し得ることになる。しかも、本発明のヒートシ
ール構造物では、ハウジング及び内容器の接合すべき表
面樹脂層のみが高温に加熱され、他の部分が高温に加熱
されるのを回避することができるため、ハウジングが熱
変形したり、或いは内容器が熱により溶断乃至薄肉化す
るのを防止でき、顕著な利点が奏される。
【0047】更に、本発明によれば、内容器とバルブと
の密封と、外装缶と上蓋との密封を独立に行えるため、
夫々の密封を確実にしかも良好な作業性をもって、高生
産速度で行えるという利点が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二重構造容器の一例を示す一部断面
側面図である。
【図2】 「図1」の容器のバルブ及び内容器とのヒー
トシール部の構造を拡大して詳細に示す拡大断面図であ
る。
【図3】 本発明に好適に使用される金属箔乃至薄板の
断面構造を示す拡大断面図である。
【図4】 本発明の二重構造容器の他の例を示す一部断
面側面図である。
【図5】 本発明の二重構造容器の更に他の例を示す一
部断面側面図である。
【図6】 本発明の二重構造容器の更に他の例を示す一
部断面側面図である。
【符号の説明】
1は容器、10は外装缶、11は有底缶胴、12は上
蓋、12aは目金蓋、12bはバルブカップ、13は胴
部、14は底部、15はネック部、16及び16aは巻
締部、17は小径筒状の支持部、18は開口部、19は
ビード、20はバルブ、21は樹脂製のハウジング、2
2は段差部、23は係合部、24は内容器の取付(ヒー
トシール)部、25はハウジングのフランジ部、26は
延長部、27は内容物通路、28は中仕切、29はステ
ムの収容及び移動用内部空間、30は樹脂製内容器、3
1は胴部、32は底部、33は肩部、34は開口部、3
5は頸部、36はフランジ部、37は延長部、38は溶
融流動した被覆樹脂、40は金属箔乃至薄板、41は外
周縁、42は金属基体、43はハウジング構成樹脂に対
してヒートシール性を有する第一の樹脂層、44は内容
器構成樹脂に対してヒートシール性を有する第二の樹脂
層、50はステム、51はその上端部、52は小径の突
起部、53は押しスプリング、54は第一の通孔、55
は第二の通孔、56はテーパ面、57は噴射剤通路、5
8は内容物通路、59は第一の環状のガスケット、60
は第二の環状のガスケット、61は上部の噴射剤用空
間、62は下方の内容物収容空間、63はスペーサ(セ
ンターリング)、64はプラグ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装缶と、外装缶の口部に固定された、
    ハウジングが樹脂製のバルブと、バルブのハウジングに
    開口部が固着された樹脂製内容器とからなる二重構造容
    器において、前記ハウジングと樹脂製内容器とが金属箔
    乃至薄板を介してヒートシールにより結合していること
    を特徴とする二重構造容器。
  2. 【請求項2】 ヒートシールが高周波誘導加熱により行
    われていることを特徴とする請求項1記載の二重構造容
    器。
  3. 【請求項3】 金属箔乃至薄板が、ハウジング構成樹脂
    に対してヒートシール性を有する第一の樹脂層と内容器
    構成樹脂に対してヒートシール性を有する第二の樹脂層
    とでサンドイッチされた積層体の形でハウジングと内容
    器との間に介在している請求項1記載の二重構造容器。
  4. 【請求項4】 前記ハウジングの内容器取付部がフラン
    ジ部とフランジ部よりも小径で下方に延びている延長部
    とを備えており、前記内容器の開口部は前記延長部に嵌
    合する頸部と頸部から径外方に広がっているフランジ部
    とこのフランジから上方に延びており且つハウジングの
    フランジ部外径にほぼ相当する内径を有する延長部とを
    備えており、ハウジングフランジ部と内容器フランジ部
    との間に金属箔乃至薄板が環状に配置され、金属箔乃至
    薄板の外周縁は樹脂で封入されていることを特徴とする
    請求項1記載の二重構造容器。
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