JPH0611485B2

JPH0611485B2 - 人工石の製法

Info

Publication number: JPH0611485B2
Application number: JP60234188A
Authority: JP
Inventors: 一郎神前
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1985-10-19
Filing date: 1985-10-19
Publication date: 1994-02-16
Anticipated expiration: 2009-02-16
Also published as: JPS6294308A

Description

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野この発明は、自然石の破断面と同様の破断面を有する人
工石の製造法に関する。

（ロ）従来の技術従来、コンクリートブロックの表面に破断面を発生させ
て、自然石の風合を持たせるために種々の加工がなさ
れ、例えば、自然石の切石の表面の風合を出すために、
コンクリートブロックに亀裂を入れ、この分割面を化粧
面とする方法が試みられた。

（ハ）発明が解決しようとする問題点しかしながら、分割前のコンクリートブロックは組織中
に空隙が多く存在して強度が弱く、また組織が粗雑であ
り、また組織を構成した骨材間の結着が弱いため、破断
面が崩れやすく、自然石の切石表面のような鋭い稜角を
持った破断面を得ることができず、甚しい場合は破断面
に露出した骨材が剥離脱落するという欠点があった。

（ニ）問題点を解決するための手段本発明では、遠心成型機の型枠の内底面に、鋭角Ｖ形断
面の突条を設けると共に、同型枠の開口部には、同型枠
の内側方向に鋭角の刃を形成した型厚板を設け、同型枠
内に混練コンクリートを注入して外形表面に切欠溝を有
するコンクリート製のブロックを成型し、さらに、同切
欠溝を始端として、前記遠心成型機により遠心力の加わ
る方向と同一方向に同ブロックを分割・破断して、同ブ
ロックに破断面を発生させることを特徴とする人工石の
製法を提供せんとするものである。

（ホ）作用この発明では、コンクリートブロックの成型に際し、遠
心成形機を用いて、遠心力を利用して混練コンクリート
を型枠中に強力に充填して、上記組織中の骨材密度を高
め、また、空隙の原因となる過剰の水分が遠心分離作用
によって除去されて、緻密で、骨材間の結着力が強い組
織のコンクリートブロックを得ることができ、このブロ
ックに設けた切欠溝を始端とする亀裂を遠心成型機によ
り遠心力の加わる方向と同一方向に発生させて同ブロッ
クを分割することにより、同ブロックを希望の面で分割
でき、しかも、骨材組織が緻密かつ強固であるから鋭い
稜角を持った破断面を得ることができて、自然石の切石
表面と酷似した化粧面を得ることができる。

（ヘ）効果この発明によれば、遠心成型コンクリートブロックに形
成した切欠溝を始端として遠心成型機により遠心力の加
わる方向と同一方向に同ブロックを分割することによ
り、この破断面を自然石の切石表面と酷似した化粧面と
することができ、自然石の風合を得ることができるとい
う効果がある。

（ト）実施例この発明の実施例を説明するに先立って、第１、第２、
第３図によってこの発明に用いる遠心成型機について説
明すると、Ａは遠心成型機を示し、モーターに連結した
油圧ポンプ１からの油圧により、星型の油圧モーター２
を回転せしめ、同モーター２の回転作動を連動機構３を
介して回転主軸４の一端に伝達し、同主軸４の他端には
回転円板５を連設し、同円板５の外側面に複数のアーム
６の基端７を放射状等間隔に連設し、同アーム６の中途
部８にて略Ｌ字形状に前方向に屈折してアーム６は先端
部９を形成している。同先端部９の内側面１０は平面状
で回転主軸４の軸芯と平行に設定されており、複数のア
ーム６の先端部の内側面１０にて後述の回転枠体１１の
外周面１２に当接している。

回転枠体１１は、中央部に円孔を穿設した略円板状の内
枠１３と外枠１４との間に後述するコンクリート製のブ
ロックＢを形成するための型枠１５多数を架設状に配設
して全体として略円筒状の回転体形状に構成されてお
り、型枠１５の上記平板の一端に当る部分を内枠１３の
内部方向に開放して、内枠１３の内部に注入した混練コ
ンクリートがこの開放部を介して型枠１５内部に流入
し、回転主軸４から伝達された回転枠体１１の回転によ
り発生する遠心力により混練コンクリートを型枠１５内
部に圧入て、緻密かつ強固なコンクリートのブロックＢ
を成型するものである。

型枠１５は鋼板を略ハット形状に屈折形成した内外型枠
１５−１，１５−２を互い違いに組合わせて内側方向に
は開放し、外側方向には閉塞した空間を形成し、同空間
に混練コンクリートを注入するように構成し、この型枠
１５の内側の回転主軸４から遠方の型枠１５の内底面及
び内側壁面にそれぞれ鋭角Ｖ形断面の突条１５−３を突
設し、同主軸４に近い方の型枠開口部には、型枠１５の
内側方向に鋭角の刃を形成した型厚板１５−４を架設し
て、同型枠１５中に充填される混練コンクリートの外形
表面に略Ｖ字状の切欠溝が形成されるようにしている。

なお、第２図に示した型枠１５は平板状ブロックを形成
するためのもので、第３図に示した型枠１５は断面略正
方形状のブロックを形成するためのものであり、この他
の必要に応じ種々の形状のものが考えられる。

上記のように構成した遠心成型機Ａにて混練コンクリー
トを成型してブロックを得るには、緩やかに遠心成型機
Ａの回転枠体１１を回転させながら、外枠１４の開口を
通して混練コンクリートを同枠１４内部に注入して、各
型枠１５の内部に混練コンクリートを充満させる。

次いで、回転枠体１１の回転を高め、型枠１５中の混練
コンクリートに遠心力を作用させて同コンクリートを高
圧力で同型枠１５に充填すると共に、同コンクリート中
の過剰水分を遠心分離作用にて分離除去して、骨剤組織
が緻密で、かつ、空隙のない、骨剤が相互に緊密に結着
した成型ブロックを得るものである。

このブロックは回転枠体１１を成型機本体から取外し、
型枠１５を分離して取出されるものであるが、このブロ
ックは脱型直後からすでに相当の強度を有しており、そ
の後の養生によって更に強度及び硬度が増加するもので
ある。

次にこのブロックに亀裂を発生させて化粧面たる分割面
を得る工程について第４、第５、第６図を用いて説明す
ると、第４図は、脱型後のブロックＢを示しており、こ
のブロックＢは、平板状のもので、周端面に略Ｖ字形断
面の切欠溝１６が形成されており、この切欠溝１６は、
前述の形枠１５の内部に設けた突条１５−３及び型厚板
１５−４により成型されたものである。

次に、このブロックＢを分割して化粧面とするための破
断面を得る工程について説明する。（第５図参照）１７は、先端を切欠溝１６の鋭角Ｖ形状よりも更に鋭角
に形成した刃１７−１を有した楔であり、この楔１７を
ブロックＢの四周端面に形成された切欠溝１６の底部に
あてがい、四方の楔１７に打撃を加えることで、同切欠
溝１６を始端とする亀裂をブロックＢの遠心成型機Ａに
より遠心力の加わる方向と同一方向に発生させて破断面
１８を発生させるものである。

この分割工程は、ブロックＢの成型後、所定の養生期間
を経過して行うものであり、この期間は、混練コンクリ
ートに使用したセメントの種類、骨材の種類、大小、及
び後述する種石の種類等により決定される。

また、切欠溝１６はブロックＢの四周縁に形成して全周
面から亀裂を発生させるようにしているが、ブロックＢ
の形状等により対向した二側縁のみに切欠溝１６を形成
して２分割するようにしてもよく、また、分割に際し、
切欠溝１６中に断続的に配設した刃幅が短い楔多数を用
いて分割することもできる。また、切欠溝１６を遠心成
型後、切削または研削等の方法で形成することもでき
る。

かくして得たブロックＢの分割面１８は、同ブロックＢ
が遠心成型機Ａにより、緻密かつ強固な組織となってい
るため、分割面１８が自然石の切石表面と酷似した鋭い
稜角を有するものとなっており、特に骨材間の結着力が
強いため、分割時に骨材自体も同時に分割され、骨材自
体の分割面もブロックＢの分割面１８に現出するもので
ある。

この骨材自体の分割面がブロックＢの分割面に現出する
ことを利用して、種石として大サイズの骨材を混練コン
クリートに混入しておき、この種石自体の分割面をブロ
ックＢの分割面１８に現出させて同分割面１８に模様を
作り、同ブロックＢになお一層の風合を持たせることが
できるものであり、本発明の方法では、強度及び硬度が
大なる花崗岩を種石として用いても、完全な種石の分割
をブロックＢの分割面に現出させることができる。

また、分割工程の他実施例を第７図に示しており、この
工程では、切欠溝１６の両側面に符号するように形成し
た２枚の刃体１９を同溝１６に挿入し、同刃体を離反方
向に作動させてブロックＢを分割するものである。

なお、第８図は、取付用の袋ナット及び鉄筋を設けた人
工石の成型過程を示しており、鉄筋（２０）に袋ナット
（２１）多数の頭部を熔接等により連結し、この袋ナッ
ト（２１）及び鉄筋（２０）を型枠（２２）中に挿入し
て同ナット（２１）に型枠（２２）の側壁を挿通したボ
ルト（２３）を螺入して、同鉄筋（２０）及び袋ナット
（２１）を型枠（２２）中にて固定し、前記実施例と同
様に遠心成型機にて型枠（２２）中に混練コンクリート
を注入すれば、内部に鉄筋（２０）を配設したブロック
（Ｃ）が成型される。このブロック（Ｃ）を型枠（２
２）から取外すにはボルト（２３）を抜去して行うもの
であり、脱型後のブロック（Ｃ）の外側面には上記袋ナ
ット（２１）のボルト（２３）を螺入した開口端が面一
状態で露出している。

そして、このブロック（Ｃ）は前記実施例と同様の方法
にて２分割して、分割面を化粧面とした人工石とするも
のである。

この人工石を壁体（２４）等に取付けるには、第１０図
に示すように予め壁体（２４）にボルト挿通孔（２５）
を穿設し、同挿通孔（２５）を挿通した取付ボルト（２
６）を袋ナット（２１）に螺入締付して行われるもので
あり、取付作業が簡便になり、強度も向上している。

【図面の簡単な説明】

第１図は、遠心成型機の全体側面図第２図は、同正面図（一部切欠）第３図は、型枠の他実施例第４図は、成型後のブロツクの斜視図第５図は、ブロック分割工程の説明図第６図は、分割後のブロックを示す斜視図第７図は、分割工程の他実施例図第８図は、他実施例の成型過程を示す断面正面図第９図は、他実施例による人工石の背面図第１０図は、同取付状態を示す断面側面図（Ａ）：遠心成型機（Ｂ）：ブロック（１６）：切欠溝（１６−１）（１６−２）：同両側面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】遠心成型機(A)の型枠(15)の内底面に、鋭
角Ｖ形断面の突条(15-3)を設けると共に、同型枠(15)の
開口部には、同型枠(15)の内側方向に鋭角の刃を形成し
た型厚板(15-4)を設け、同型枠(15)内に混練コンクリートを注入して外形表面に
切欠溝(16)を有するコンクリート製のブロック(B)を成
型し、さらに、同切欠溝(16)を始端して、前記遠心成型機(A)
により遠心力の加わる方向と同一方向に同ブロック(B)
を分割・破断して、同ブロック(B)に破断面を発生させ
ることを特徴とする人工石の製法。