JPH0336001B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、建物や外壁や塀等の構築物に用いら
れるコンクリートブロツクの製造方法に関するも
のである。

［従来の技術］ コンクリートブロツクのなかには、表面に凹凸
を形成するとともに、モルタルに混合する粗骨材
の色や大きさを適宜選択することによつて該表面
に適切な色や大きさの粗骨材を分布させ、ブロツ
クの表面に自然的美観を表現するようにしたもの
である。そして、このようなコンクリートブロツ
クは、次のような方法で製造するのが一般的であ
る。すなわち、まず、外郭を形成する型枠と、分
割面となる部位に空洞を形成する中子と、この中
子を吊下げる吊板とを有してなるコンクリートブ
ロツク成形型枠内を準備する。そして、この成形
型の型枠内に砂、砂利等の粗骨材とモルタルとを
混合してなるコンクリートを振動する型枠に流し
込んで、コンクリートブロツク単体２個分を一体
とするコンクリートブロツク複合体１を形成す
る。次いで、このコンクリートブロツク複合体１
の両側および下側の部位の中心線に沿わせて支え
刃２，３をそれぞれあてがつて支持しつつ、該コ
ンクリートブロツク複合体１の上側の部位の中心
線１に沿わせてあてがつた上刃４により衝撃を与
える（第９図）。そして、かかる衝撃によつて該
コンクリートブロツク複合体１を前記中心線１を
境に破断して２分割し、この分割によつて生じる
分割面５が凹凸形状をなす２個のコンクリートブ
ロツク単体６を製造する（第１０図）ものであ
る。

［発明が解決しようとする問題点］ ところが、従来の製造方法には次のような不都
合がある。

すなわち、従来のコンクリートブロツク成形型
は、第１１図に示すように、分割面５となる部位
に空洞７を形成する中子８を１枚の吊板９により
吊下げるとともに、該吊板９を分割の際境界とな
る上部線上にあがつている。そのため、第１２図
に示すように、砂、砂利等の質量の大きい粗骨材
１１とモルタル１２とを混合してなるコンクリー
ト１３を型枠１４内に流し込むと、吊板９は型枠
１４に固着しているので該型枠１４が振動すると
一体に振動し、かかる吊板９の振動によつて前記
粗骨材１１がはじかれ、第１２図中略二点鎖線Ａ
より上の領域では質量の大なる粗骨材１１ははじ
かれるのみで、分割面付近に砂及びモルタル１２
が集結し粗骨材１１をほとんど含まない部分Ｂが
生じてしまう（第１３図）。そのため、分割面５
で分割すると、第１４図に示すように、該分割面
５が粗骨材１１の偏つた分布により見苦しいもの
になり自然的美観を損なつてしまうという不都合
がある。なお、１０は分割面５以上の位置に設け
た空洞である。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、このような不都合を解決するため
に、前記のような方法で製造する場合、すなわ
ち、型枠に固定支持された吊板により中子を吊下
げた上で、この型枠内に砂、砂利等の質量の大き
い粗骨材とモルタルとを混合してなるコンクリー
トを振動を与えつつ流し込んで、コンクリートブ
ロツク複合体を形成し、このコンクリートブロツ
ク複合体を分割面で破断分割してコンクリートブ
ロツク単体を製造する場合において、前記中子を
吊下げる吊板を対をなすものにし該吊板を分割面
となる部位の両側に設けたことを特徴とする。

［作用］ このような手段を講じることによつて、粗骨材
が吊板にはじかれて分割面から排除されることは
なくなり、粗骨材が略均等に分布した分割面を有
した自然的美観を損なわないコンクリートブロツ
クを製造することができる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を第１図〜第８図を参
照して説明する。なお、従来のものと同一または
相当する部分には同一の記号を付して説明する。

型枠１４、中子１５，１６、吊板１７，１８お
よび振動装置１９を有してなるコンクリートブロ
ツク成形型２１によりコンクリートブロツク複合
体１を成形するようにしている。型枠１４は、断
面四角状態をなし、コンクリートブロツク複合体
１の外郭を形成するもので、その内周面に前記コ
ンクリートブロツク複合体１の両端開口部２２，
２３に対応する凸部２４，２５を有している。中
子１５，１６は、中心線１に対称に型枠１４内の
所定位置に設けられ、コンクリートブロツク複合
体１に空洞７，１０を形成するものである。この
うち中子１６は分割面２７となる部位に空洞７を
形成するものである。吊板１７，１８は、型枠１
４に固定支持されて該型枠１４上に架設され、前
記中子１５，１６の上端を固定支持して吊下げて
いるものである。この吊板１７，１８のうち前記
中子１６を吊下げる吊板１８を、前記分割面２７
となる部位の端部となる前記中心線１の両側に対
称に設けた一対のものとしている。また、振動装
置１９は、型枠１４の両側端に取着してなり、偏
心した分銅２８をシヤフト２９により一体に回転
させて、該分銅２８の回転により生じる遠心力に
よつて１４を振動させるようにしたものである。

このような構成のコンクリートブロツク成形型
２１の下側に上下に移動可能な底板３１を設ける
とともに、上側に上下に移動可能なしめ固めおよ
び型ぬき用の組ロツト３２を設け、この組ロツト
３２とコンクリートブロツク成形型２１との間に
コンクリートを供給するコンクリートホツパー３
３を搬出入するようになつている。

次に、コンクリートブロツクの製造方法を説明
する。

まず、コンクリートブロツク成形型２１の上側
へコンクリート３１を収容したコンクリートホツ
パー３３を搬入する。そして、振動装置１９のシ
ヤフト２９を回転させ分銅２８を一体に回転させ
て遠心力により型枠１４、中子１５，１６および
吊板１７，１８を振動させつつコンクリートホツ
パー３３からコンクリート１３を前記コンクリー
トブロツク成形型２１に流し込む。続いて、コン
クリートホツパー３３をコンクリートブロツク成
形型２１の上から他へ移動させ、組ロツト３２を
加工させてコンクリートをしめ固め（第３図）、
さらに組ロツド３２を下降させて、成形されたコ
ンクリートブロツク複合体１を底板３１に載せて
押下げ、コンクリートブロツク成形型２１の下側
へ押し出す（第４図）。そして、硬化したコンク
リートブロツク複合体１を前述した方法で中心線
い１を境に２分割し、分割面２７が凹凸形状をな
すコンクリートブロツク単体６を得るものであ
る。

このようにしてコンクリートブロツクの製造を
行なうものであるが、本実施例にあつては、分割
面２７となる部位に空洞７を形成する中子１６を
吊下げる吊板１８を、前記分割面２７に対応する
中心線１の両側に対称に設けた一対のものとして
いるので、コンクリート１３を流し込む時に粗骨
材１１が吊板１８によつてはねとばされても、分
割面２７となる部位には粗骨材１１も含まれ、コ
ンクリートブロツク１３が固まつた状態では分割
面２７となる部分には１２に粗骨材１１が偏りな
く混合される（第７図）。したがつて、分割によ
りコンクリートブロツク単体６を得た場合に、そ
の分割面２７はどの部分も粗骨材１１の分布に偏
りのない略均等のものとなる（第８図）。

なお、本発明は前記実施例に限られないのは勿
論であり、吊板は分割面となる部位に対称に設け
られたものではなくてもよいが、対称であれば、
コンクリートブロツク複合体を分割したときに、
品質の一定した複数のコンクリートブロツク単体
を得ることができる。

その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
変形が可能である。

［発明の効果］ 本発明は、以上のような構成であるから、粗骨
材の分布の偏りをなくして分割面全体を略均等に
でき、自然的美観を損なうことのないコンクリー
トブロツクの製造方法を提供できるものである。

すなわち、本発明によれば、型枠に固定支持さ
れた吊板により中子を吊下げた上で、その型枠内
に砂、砂利等の質量の大きい粗骨材とモルタルと
を混合してなるコンクリートを振動を与えつつ流
し込んで、コンクリートブロツク複合体を形成
し、このコンクリートブロツク複合体を分割面で
破断分割してコンクリートブロツク単体を製造す
る場合に生じる特有の問題点を簡単な構成により
確実に解消することができる。詳述すれば、分割
することによつて製品となる分割製造方式のコン
クリートブロツクにおいて、その分割する部分に
空洞を形成する場合、その空洞は分割面に対して
対象に形成するのが一般的である。一方、このよ
うな空洞を形成するための中子を懸吊支持する吊
板は、中子の中央に設けるのが従来の常識であ
る。そのため、常識に沿つた設計をすれば、吊板
は、必ず、分割面の真上に配置されることにな
る。しかして、このよう従来装置により製造すれ
ば、粗骨材が分割面の真上に配置され型枠ととも
に振動する吊板により弾かれて分割面部分から排
除されることになり、前述したように不良品が発
生し易くなる。これに対して、本発明は、従来の
常識に反し、中子を２枚の吊板により懸吊支持す
るという特異な構成を採用したものであり、その
構成により、分割面に粗骨材を均等に分布させる
ことができるという効果を得ることができる。こ
の効果は、製品の価値を飛躍的に高めることがで
きるという点において、極めて有意義なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第８図は本発明の一実施例を示し、第
１図はコンクリートブロツク成形型を示す平面
図、第２図〜第４図はコンクリートブロツク複合
体の製造工程を示す正面図、第５図は要部を示す
斜視図、第６図、第７図はコンクリートブロツク
複合体成形時におけるモルタルと粗骨材との混合
状態を示す説明図、第８図は分割面の形態を示す
正面図である。第９図、第１０図はコンクリート
ブロツク複合体の分割工程を示す概略斜視図であ
る。第１１図〜第１４図は従来例を示し、第１１
図は第５図相当の斜視図、第１２図、第１３図は
それぞれ第６図、第７図相当の説明図、第１４図
は第８図相当の正面図である。 １……コンクリートブロツク複合体、５，２７
……分割面、６……コンクリートブロツク単体、
７，１０……空洞、８，１５，１６……中子、
９，１７，１８……吊板、１３……コンクリー
ト、１４……型枠、２１……コンクリートブロツ
ク成形型。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外郭を形成する型枠と、分割面となる部位に
   空洞を形成する中子と、前記型枠に固定支持され
   この中子を吊下げる吊板とを有してなるコンクリ
   ートブロツク成形型枠内に砂、砂利等の質量の大
   きい粗骨材とモルタルとを混合してなるコンクリ
   ートを振動を与えつつ流し込んで、コンクリート
   ブロツク複合体を形成し、このコンクリートブロ
   ツク複合体を分割面で破断分割してコンクリート
   ブロツク単体を製造するようにしたコンクリート
   ブロツクの製造方法であつて、前記分割面の両側
   に設けた対をなす吊板により前記中子を吊下げる
   ようにしたことを特徴とするコンクリートブロツ
   クの製造方法。