JPH0611307Y2 - タイル取付用パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、壁面をタイル仕上げする際に使用されるタ
イル取付用パネルの改良に関するものである。

（従来技術及びその課題） 従来、壁面をタイル貼りする場合、壁面に先ずパネルを
固設させ、このパネルにタイルを掛止し、タイルが壁面
に沿って列設されるが、外側より壁面側へ雨水が侵入す
ることがあったり、又、冬期等において室内外の温度差
が激しい場合等において壁内に結露水が発生することが
あり、このような湿気のため木造住宅の壁材等が内部か
ら腐食することがあり、タイル面と壁面間の通気性を良
好化させるために、例えば第５図に示すようなパネル５
５が使用されていた。即ち、下地面を構成する合板５２
の表面側には無機質板５３が貼着され、その表面に防水
シート５４が貼着されて壁面が構成され、この壁面の表
面に多数の掛止片５５ａを形成したパネル５５が固設さ
れ、このパネル５５の掛止片５５ａに表面側より次々と
タイルが列設されており、このパネル５５は壁面との通
気性を良好化させるため凹凸状に形成されたものであっ
て、壁面に固定された時に通気路Ｒ，Ｒが縦方向に形成
され、この通気路Ｒ，Ｒにより湿気が良好に排除される
構造となっていた。又、パネル５，５の通気路Ｒは水平
方向に形成される場合もあった。

このような従来構造のパネルにおいては、通気路Ｒを形
成させるために凹凸状に形成されているため、壁面に固
定する際に釘打ちが困難であり、又、壁面形状等に対応
させて現場にて切断することが困難であるという問題点
があり、又、製作も困難でコスト高となるという問題点
もあり、さらに運搬時等にパネルを重ね合わせて運搬す
ることが困難となる等の問題点を有していた。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記従来の問題点に鑑み案出したものであっ
て、切断等が容易で安価に形成し得るタイル取付用のパ
ネルを提供せんことを目的とし、その要旨は、壁面に固
設された状態で表面側に突出形成された多数の掛止片に
タイルを掛止し得るタイル取付用のパネルであって、該
パネルの裏面側には、パネルが壁面に固設された時にパ
ネルと壁面間に通気層を形成し得る多数の裏面側掛止片
が突出形成され、該裏面側掛止片及び前記表面側の掛止
片は、前記パネルをプレス等で打ち抜いて裏面側及び表
面側へそれぞれ折り曲げ起立させたものであることであ
る。

（作用） タイル取付用のパネルには表面側にタイルを掛止可能な
掛止片が突出状に形成されているとともに、裏面側にも
掛止片が突出形成されているため、このパネルを壁面に
固設した時には裏面側の掛止片が壁面に当接し、壁面と
パネル間に裏面側の掛止片の高さ分の通気層が形成され
ることとなり、この通気層が湿気の排出機能を良好に発
揮する。又、裏面側掛止片及び表面側の掛止片はプレス
等で打ち抜き折り曲げて簡単に製造することができ、打
ち抜きにより形成される打抜穴を介し通気層と外気とを
連通させることができ、通気性が良好となる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本例パネルにタイルを掛止し列設させた状態の
要部斜視図であり、パネル１はアルミ等の板材にて適宜
寸法に長方形状等に形成されたものであって、所定間隔
をおいて補強用のリブ１ａ，１ａが凹み状に形成されて
いるとともに、上下方向にも補強用のリブ１ｂが形成さ
れている。又、パネル１には上下左右方向に所定間隔を
おいて表面側に突出状に表側掛止片２が突出形成されて
おり、この表側掛止片２にタイルＴを列設状に掛止する
ことができる。

第２図は掛止片２の要部拡大図を示すが、この表側掛止
片２は、パネル１をプレス等で打ち抜いて表面側に折り
曲げ起立させて形成したものであり、本例においては打
抜穴Ｈの対向する位置に裏面側に折り曲げ起立された裏
側掛止片３が一体状に形成されている。この裏側掛止片
３は前記表側掛止片２と対称形状に形成されたものであ
って、表側掛止片２の上端部は上傾状に形成されている
のに対し、裏側掛止片３の下端部は下傾状に形成されて
いる。

このように形成されたパネル１を釘等により壁面Ｗに打
ち付けて固定させ、その表面側にタイルＴを列設させた
側面図を第３図に示すと、壁面Ｗにパネル１が固定され
た時には、前記裏側掛止片３が壁面Ｗに当接し、壁面Ｗ
とパネル１間には裏側掛止片３の高さに相当する空間が
形成されることとなり、この空間は空気が流通可能な通
気層Ｒとなる。従って、パネル１側より雨水等が壁面Ｗ
側に侵入した場合とか、冬期等において室内外の温度差
により壁面Ｗに結露水が発生した場合等において、この
通気層Ｒ内に空気が流通して良好な除湿作用が行なわ
れ、壁面Ｗを構成する壁材等の腐食が良好に防止される
こととなる。尚、第３図中ＭはタイルＴ間に施工された
目地である。

このように本例のパネル１は薄い板材をプレス等により
打抜形成して、簡易に表側掛止片２と裏側掛止片３を形
成させることができ、構造が簡単であり製作コストを低
減させて造形することができ、複数枚のパネル１を重ね
合わせて運搬が可能であるとともに、施工時には良好に
壁面との間に通気層Ｒを形成させることができる。又、
薄板状であるため現場にて壁面形状等に適応させて容易
に切断等することができ、さらに、凹凸部がないため釘
打ちが容易で施工作業を良好に行なうことができる。

又、第４図のように、例えば切妻屋根Ｋにパネル１を列
設状に配設させてタイル壁面を造形する場合に、例えば
切妻屋根Ｋ付近においてはパネル１を屋根の傾斜に沿っ
て切断する必要があり、図中Ａ_１，Ｂ_１で示すカットロ
スが生ずることとなるが、本例においてはこのカットロ
ス部Ａ_１，Ｂ_１を図中矢印で示すようにＡ_２又はＢ_２位
置へ反転させ、かつ逆転させて裏面側を配設させること
ができ、この時に裏側掛止片３が表面側に突出すること
となり、裏側掛止片３の上端部は上傾状に配置されるた
め良好にこの裏側掛止片３にタイルＴを列設させること
ができ、現場においてカットロスを少なくして表面側及
び裏面側を有効に利用し使用が可能となる派生的な効果
をも生ずる。

（考案の効果） 本考案のタイル取付用パネルは、壁面に固設された状態
で表面側に突出形成された多数の掛止片にタイルを掛止
し得るタイル取付用のパネルであって、該パネルの裏面
側には、パネルが壁面に固設された時にパネルと壁面間
に通気層を形成し得る多数の裏面側掛止片が突出形成さ
れ、該裏面側掛止片及び前記表面側の掛止片は、前記パ
ネルをプレス等で打ち抜いて裏面側及び表面側へそれぞ
れ折り曲げ起立させたものであることにより、パネルを
壁面に固設させた時に壁面とパネル間に良好な通気層が
形成されるため、この通気層により除湿機能が発揮され
壁面等の腐食を良好に防止することができ、理想的な壁
面構造とすることができる効果を有する。

又、裏面側掛止片及び表面側の掛止片はプレス等で打ち
抜き折り曲げて簡単に製造することができ、打ち抜きに
より形成される打抜穴を介し通気層と外気とを連通させ
ることができ、通気性が良好となる。

又、構造が簡単であり、釘打ち，切断等を容易に行なう
ことができるため、コストを低減させ、かつ作業性，運
搬性等を良好化させることができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は本例パネルにタイ
ルを掛止列設した状態の要部斜視図、第２図はパネルに
形成された掛止片の要部拡大図、第３図は壁面にパネル
を介しタイルを列設させた状態の側面断面図、第４図は
切妻屋根にパネルを配設させる場合の説明図、第５図は
従来のパネル構造を示す斜視図である。 １……パネル、２……表側掛止片 ３……裏側掛止片、Ｗ……壁面 Ｒ……通気層、Ｔ……タイル Ｈ……打抜穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】壁面に固設された状態で表面側に突出形成
   された多数の掛止片にタイルを掛止し得るタイル取付用
   のパネルであって、該パネルの裏面側には、パネルが壁
   面に固設された時にパネルと壁面間に通気層を形成し得
   る多数の裏面側掛止片が突出形成され、該裏面側掛止片
   及び前記表面側の掛止片は、前記パネルをプレス等で打
   ち抜いて裏面側及び表面側へそれぞれ折り曲げ起立させ
   たものであることを特徴とするタイル取付用パネル。