JPH06112389A - リードフレームおよびその製造方法 - Google Patents

リードフレームおよびその製造方法

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JPH06112389A
JPH06112389A JP25439992A JP25439992A JPH06112389A JP H06112389 A JPH06112389 A JP H06112389A JP 25439992 A JP25439992 A JP 25439992A JP 25439992 A JP25439992 A JP 25439992A JP H06112389 A JPH06112389 A JP H06112389A
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JP
Japan
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palladium
iron
lead frame
plating
nickel alloy
Prior art date
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Pending
Application number
JP25439992A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoji Inoue
良二 井上
Kazu Sasaki
計 佐々木
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐腐食性を有し、しかもボンディング
ワイヤとの接合性、半田付け性にも優れたリードフレー
ムおよびその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は鉄−ニッケル系合金の表面、好まし
くは平均表面粗さ0.8μmRz以下の表面に、直接パ
ラジウムメッキが形成されていることを特徴とするリー
ドフレームである。また第2の本発明は鉄−ニッケル系
合金の表面にパラジウムが拡散していることを特徴とす
るリードフレームである。また本発明の製造方法は鉄−
ニッケル系合金の表面にパラジウムメッキを形成したの
ち、400〜1000℃の加熱処理により、パラジウム
を鉄−ニッケル系合金に拡散することを特徴とするリー
ドフレームの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄−ニッケル系合金を基
材としパラジウムメッキが施されているリードフレーム
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】42%程度のニッケルを含有する鉄−ニ
ッケル系合金は、熱膨張率がシリコンチップや封止に使
用するガラスと近いことから、ICリードフレーム用材
料として多用されている。この鉄−ニッケル系合金を実
際にICとして使用するには、所定のリードパターンを
エッチングあるいは打ち抜きによって形成し、さらにチ
ップ搭載部と外部と電気的に接続するためのワイヤボン
ディング部に金や銀のメッキを施し、耐腐食性、金やア
ルミニウムでなるボンディングワイヤとの溶接性および
チップとの半田づけ性を確保させる必要があった。上述
の金メッキはこの目的に対して優れた特性を持つもので
あるが、非常に高価であるため、最近は安価な銀メッキ
を使用することが多くなっている。
【0003】しかし、銀は200℃の加熱により酸素を
透過するため基材となる鉄−ニッケル合金を酸化してし
まい、半田付け性を劣化してしまうという欠点や、半田
付けに使用する半田に侵食され易いという欠点を有す
る。またさらに好ましくないことは、銀は硫黄に反応し
やすく空気中に硫黄分が存在すると硫化物を生成し、表
面を変質劣化させてしまうこと、および銀は電位差によ
りエレクトロマイグレーシをおこしやすいという欠点を
有することである。このような銀メッキの欠点を防止す
る手段として、パラジウムあるいはパラジウム合金のメ
ッキを施すことが特開昭59−168659号および特
開昭63−2358号に提案されている。パラジウムは
金と銀の中間のコストであり、優れた耐腐食性を示すと
ともに、銀メッキに見られる硫化の心配がなく、エレク
トロマイグレーションの心配も無いとされ、ICリード
フレームのメッキとして期待されているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した特性
が期待されるパラジウムメッキであるが、特開昭59−
168659号および特開昭63−2358号に提案さ
れているように、ニッケルを下地膜として形成してパラ
ジウム合金を実際に形成してみると、期待した耐腐食性
が得られないという問題が発生した。本発明の目的は、
パラジウムメッキの持つ本来の耐腐食性、ボンディング
ワイヤとの接合性、半田付け性を発揮できるリードフレ
ームおよびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はパラジウムメ
ッキで耐腐食性が劣化する原因を研究したところ、パラ
ジウムメッキと鉄−ニッケル系合金との密着性を高める
ために、下地膜として形成されているニッケル膜が腐食
を促進する原因であることをつきとめ、鉄−ニッケル系
合金表面に直接パラジウムメッキを施すことにより、パ
ラジウムメッキの持つ本来の耐腐食性を発揮できること
を見いだした。
【0006】すなわち本発明は鉄−ニッケル系合金の表
面にパラジウムメッキが形成されていることを特徴とす
るリードフレームである。またピンホールやメッキのク
ラック発生を防止するためには、平均表面粗さを0.8
μmRz以下の平滑面である鉄−ニッケル系合金の表面
にパラジウムメッキを形成することが好ましい。また、
耐腐食性をさらに高めるためには、鉄−ニッケル系合金
の表面にパラジウムが拡散していることが好ましい。こ
のパラジウムが拡散したリードフレームは鉄−ニッケル
系合金の表面にパラジウムメッキを形成したのち、40
0〜1000℃の加熱処理により、パラジウムを鉄−ニ
ッケル系合金表面に拡散することにより得ることができ
る。
【0007】
【作用】本発明の根幹をなす技術は、パラジウムメッキ
を鉄−ニッケル合金に直接設けたことにある。これによ
り、耐腐食性はニッケルの下地膜を設ける場合に比べ著
しく向上し、パラジウムメッキの本来有する耐腐食性を
確保できる。また基材となる鉄−ニッケル合金の表面の
平均粗さを0.8μmRz以下の平滑面とすることによ
り、鉄−ニッケル基材表面の形状欠陥によって、メッキ
にピンホールやクラックの発生を防止することができ
る。本発明において、パラジウムメッキの一部を鉄−ニ
ッケル合金基材に拡散することは、メッキ膜直下の鉄−
ニッケル合金の標準電極電位が上昇し、パラジウムとの
電位差が小さくなり、耐腐食性をさらに改善することが
できる。またこのようなパラジウムの拡散は、パラジウ
ムメッキの密着強度も高めることにもなる。
【0008】上述したパラジウムの拡散のための加熱温
度を400℃〜1000℃と規定したのは、400℃未
満の温度ではほとんどパラジウムの拡散が起こらず実用
的でないためであり、1000℃を越える温度ではパラ
ジウムメッキ層の表面に鉄およびニッケルが拡散し過ぎ
て、ボンディングワイヤとの接合性、半田付け性が劣化
するためである。このパラジウムの拡散のための加熱処
理の雰囲気はパラジウムの酸化をさけるために、真空中
または非酸化性雰囲気を使用することが望ましい。これ
はパラジウムが酸化するとボンディングワイヤとの接合
性、半田付け性が劣化するためである
【0009】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明する。 (実施例1)板厚 0.15mm、表面平均粗さ 1.2
μmの42wt%のニッケルを含有する鉄合金のリード
フレーム用素材であるシートを準備し、この表面に直接
パラジウムを0.2μmの厚さに電気メッキし、試料1
とした。また比較例として、同様のシートにニッケルを
1.0μmの厚さに無電解メッキした後、パラジウムを0.
2μmの厚さに電気メッキした試料2を作製した。これ
らの試料を塩水噴霧試験(JIS−Z2371)により
行い、0.5時間後、8×8mm2のメッキ部に発生し
た錆の起点数を計測し、耐腐食性の評価を行った。結果
を表1に示す。表1に示す錆の起点数はメッキ試料10
個の合計である。表1より、パラジウムを直接メッキし
た試料1がニッケルを下地膜とする試料2よりも錆の起
点数が少なく耐腐食性に優れていることがわかる。
【0010】
【表1】
【0011】(実施例2)実施例1と同様のリードフレ
ーム素材のシートを使用して、このシートの表面を研磨
または酸洗することにより、表2に示す表面粗さの異な
るシートを準備した。得られたシートに実施例1の試料
1と同様に直接パラジウムを0.2μmの厚さに電気メ
ッキし、得られた試料を実施例1と同様の塩水噴霧試験
を行い耐腐食性を評価した。結果を表2に示す。表2に
示す錆の起点数はメッキサンプル10個の合計である。
なお、表2には比較のため実施例1の試料1の錆の起点
数も記載した。表2より平均表面粗さが0.8μmRz
以下の場合に錆の起点数が30以下となり耐腐食性を改
善する上で表面の平滑化が好ましいことが解る。
【0012】
【表2】
【0013】(実施例3)実施例2と同様にして平均表
面粗さが0.6μmRzであるリードフレーム素材のシ
ートを作製し、この表面に直接パラジウムを0.2μm
の厚さに電気メッキした。このシートを200℃〜10
00℃で2分間保持する加熱処理を行い、パラジウムの
拡散を行った。得られた試料を実施例1と同様に塩水噴
霧試験により錆の起点数を計測して、耐腐食性の評価を
行った。結果を表3に示す。ここに示す錆の起点数はメ
ッキサンプル10個の合計である。なお、表3にある試
料No.5は実施例2で作製した試料No.5である。
表3より、400℃以上の加熱処理で著しく耐腐食性が
改善されることが解った。さらにこれらの試料をエネル
ギー分散型X線分析装置により、メッキ表面の鉄の存在
の有無を確認したところ、高温になるとボンディングワ
イヤとの接合性、半田付け性が劣化させる鉄の存在が確
認された。また表2より鉄がメッキ表面に拡散するのを
防止するとともに、耐腐食性を確保する最も好ましい加
熱温度は500℃〜700℃であることが解る。
【0014】
【表3】
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、鉄−ニッケル系合金に
直接パラジウムをメッキしているため、ニッケルを下地
膜としたリードフレームに比べて優れた耐腐食性を有
し、しかもボンディングワイヤとの接合性、半田付け性
にも優れたリードフレームを提供できる。また本発明で
はパラジウムを拡散させることにより、パラジウムと鉄
−ニッケル系合金との電位差を緩和でき、極めて耐腐食
性に優れたリードフレームも提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄−ニッケル系合金の表面に直接パラジ
    ウムメッキが形成されていることを特徴とするリードフ
    レーム。
  2. 【請求項2】 平均表面粗さ0.8μmRz以下である
    鉄−ニッケル系合金の表面に直接パラジウムメッキが形
    成されていることを特徴とするリードフレーム。
  3. 【請求項3】 鉄−ニッケル系合金の表面にパラジウム
    が拡散していることを特徴とするリードフレーム。
  4. 【請求項4】 鉄−ニッケル系合金の表面にパラジウム
    メッキを形成したのち、400〜1000℃の加熱処理
    により、パラジウムを鉄−ニッケル系合金に拡散するこ
    とを特徴とするリードフレームの製造方法。
JP25439992A 1992-09-24 1992-09-24 リードフレームおよびその製造方法 Pending JPH06112389A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2299590A (en) * 1995-04-06 1996-10-09 Samsung Aerospace Ind Lead frame manufacturing method involving annealing
US5958607A (en) * 1996-03-26 1999-09-28 Samsung Aerospace Industries, Ltd. Lead frame for semiconductor device

Cited By (3)

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