JPH06111252A - 磁気抵抗センサ及びその製造方法、磁気記憶システム - Google Patents

磁気抵抗センサ及びその製造方法、磁気記憶システム

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JPH06111252A JP5161294A JP16129493A JPH06111252A JP H06111252 A JPH06111252 A JP H06111252A JP 5161294 A JP5161294 A JP 5161294A JP 16129493 A JP16129493 A JP 16129493A JP H06111252 A JPH06111252 A JP H06111252A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 読取り要素の抵抗の成分が2つの隣接する磁
性層の磁化の方向の間の角度の余弦として変動するスピ
ン・バルブ効果に基づく磁気抵抗読取りセンサの提供。 【構成】 センサ読取り要素は非磁性金属層(45)に
よって分離された2つの隣接する強磁性層(43、4
7)を含んでいる。反強磁性体の層(51)が強磁性層
の一方の上に形成され、一方の強磁性層の磁化方向(4
8)を固定ないし「ピン止め」する交換バイアス場をも
たらす。軟磁性体の中間層(49)が強磁性層と反強磁
性層の間に付着され、強磁性層と反強磁性層を分離し、
特に強磁性体が鉄または鉄合金である場合に、交換結合
を強化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は総括的に磁気媒体に記録
されている情報信号を読み取るための磁気変換器に関
し、詳細にいえば反強磁性交換結合を利用して、変換器
に長手方向バイアス・フィールドを提供する改善された
磁気抵抗読取り変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術は磁気抵抗(MR)センサと呼
ばれる磁気読取り変換器、あるいは高い線形密度で磁気
表面からのデータの読取りができることが示されている
ヘッドを開示している。MRセンサは読取り要素によっ
て検知された磁束の強度及び方向の関数としての、磁性
体製の読取り要素の抵抗変化によって磁場信号を検出す
る。これらの従来技術のMRセンサは読取り要素の抵抗
成分が磁化と要素を通るセンス電流の方向の間の余弦の
2乗(cos2)として変化する異方性磁気抵抗(AM
R)効果に基づいて作動する。AMR効果の詳細な説明
については、「Memory, Storage, and Related Applica
tions」、D. A. Thompsonn他、IEEE Trans. Mag. MAG-1
1, p. 1039 (1975)を参照されたい。
【0003】米国特許第4949039号明細書は磁性
層の磁化の逆平行整合によって生じる強化MR効果をも
たらす積層磁気構造を記載している。積層構造に使用可
能な材料として、該米国特許明細書は強磁性遷移金属及
び合金を挙げているが、すぐれたMR信号振幅に好まし
い材料をリストで示していない。該米国特許明細書はさ
らに反強磁性タイプの交換結合を使用して、強磁性体の
隣接した層がCrまたはYの薄い中間層によって分離さ
れている逆平行整合を得ることを記載している。
【0004】1990年12月11日出願の係属米国出
願第07/625343号は2つの未結合の強磁性層の
間の抵抗が2つの層の磁化の間の角度の余弦として変化
することが認められ、かつセンサ中を流れる電流の方向
と無関係であるMRセンサを開示している。この機構は
材料の選択した組合せに対して、大きさがAMRよりも
大きく、「スピン・バルブ」(SV)磁気抵抗と呼ばれ
る磁気抵抗をもたらす。1991年2月8日出願の係属
米国出願第07/652852号は非磁性金属材料の薄
膜層によって分離されている強磁性体の2つの薄膜層を
含んでおり、強磁性層の少なくとも一方がコバルトまた
はコバルト合金製である、上述の効果に基づくMRセン
サを開示している。一方の強磁性層の磁化は他方の強磁
性層の磁化に直角に、外部印加磁場ゼロで反強磁性層に
対する交換結合によって維持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、SV
効果に基づく改善された積層構造の磁気抵抗センサ及び
その製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の原理によれば、
スピン・バルブ効果に基づくMR読取りセンサは非磁性
金属材料の薄膜層によって分離された強磁性体の第1及
び第2の薄膜層を含む適切な物質上に形成された積層構
造を含んでおり、強磁性体の層の一方は鉄及び鉄合金か
らなる群から選択された材料で形成されている。強磁性
体の第1層の磁化方向は外部印加磁場ゼロで強磁性体の
第2層の磁化方向に直角に維持されている。一方の鉄ま
たは鉄合金の強磁性体層の磁化方向は、薄い軟磁性中間
層を横切る隣接した反強磁性層によって与えられる反強
磁性交換結合によってその方向に限定または維持され
る。鉄強磁性層及び軟磁性中間層は磁化の方向または向
きがほぼ固定されている2重層を形成する。他方の強磁
性層の磁化方向は外部印加磁場に応じて自由に回転す
る。電流源はMRセンサにセンス電流をもたらし、検知
される印加外部磁場の関数として、強磁性体の自由層の
磁化の回転によるMRセンサの抵抗の変動に比例した読
取り要素両端における電圧降下を発生する。読取り要素
の抵抗変化の大きさは磁気媒体に格納されたデータ・ビ
ットを表すものなどの外部印加磁場に応じた、自由層の
磁化の方向と固定層の磁化の方向の間の角度の変化の余
弦の関数である。
【0007】
【実施例】図1を参照すると、本発明は図1に示すよう
な磁気ディスク記憶システムに実施されたものとして説
明されているが、本発明をたとえば磁気テープ記録シス
テムなどの他の記録システムにも適用できることは明ら
かであろう。少なくとも1枚の回転磁気ディスク12が
スピンドル14に支持され、ディスク駆動モータ18に
よって回転される。各ディスク上の記録媒体はディスク
12の同心データ・トラック(図示せず)という環状パ
ターンの形状になっている。
【0008】少なくとも1個のスライダ13がディスク
12上に配置されており、各スライダ13は通常読み書
きヘッドと呼ばれる1個または複数個の磁気読み書き変
換器を支持している。ディスクが回転すると、スライダ
13がディスク表面22上を内外へ半径方向に移動する
ので、ヘッド21は希望するデータが記録されているデ
ィスクの異なる部分にアクセスすることができる。各ス
ライダ13はサスペンション15によってアクチュエー
タ・アーム19に接続されている。サスペンション15
は若干のバネ力をもたらし、スライダ13をディスク表
面22に向かってバイアスする。各アクチュエータ・ア
ーム19はアクチュエータ手段27に接続されている。
図1に示すようなアクチュエータ手段は、たとえば、ボ
イス・コイル・モータ(VCM)である。VCMは固定
磁場内で運動可能なコイルからなっており、コイルの運
動の方向及び速度はコントローラによって供給されるモ
ータ電力信号によって制御される。
【0009】ディスク記憶システムの作動時に、ディス
ク12の回転はスライダ13とディスク表面22の間に
エア・ベアリングを発生し、スライダに上向きの力すな
わち揚力を働かせる。したがって、エア・ベアリングは
サスペンション15の若干のバネ力と釣り合い、作動中
に小さいほぼ一定の間隔でスライダ13をディスク表面
から離隔させ、これから若干上方に支持する。
【0010】ディスク記憶システムの各種の構成要素は
作動時に、アクセス制御信号や内部クロック信号など
の、制御ユニット29によって発生する制御信号によっ
て制御される。通常、制御ユニット29は、たとえば、
論理制御回路、記憶手段及びマイクロプロセッサからな
っている。制御ユニット29は線23の駆動モータ制御
信号や、線28のヘッド位置及びシーク制御信号などの
制御信号を発生し、各種のシステム作動を制御する。線
28の制御信号は選択したスライダ13を関連するディ
スク12上の希望するトラックへ最適に移動し、位置決
めするための希望する電流プロファイルを提供する。読
取り及び書込み信号は記録チャネル25によって読み書
きヘッド21との間で伝えられる。
【0011】典型的な磁気ディスク記憶システムの上記
の説明ならびに添付の図1は、説明のためのみのもので
ある。ディスク記憶システムが多数のディスク及びアク
チュエータを含んでいることのできるものであり、各ア
クチュエータは多数のスライダをサポートできることは
明かであろう。
【0012】図2を参照すると、本発明の原理によるM
Rセンサ30は、たとえば、ガラス、セラミックまたは
半導体などの適当な基板31からなっており、この上に
軟強磁性体の第1薄膜層33、非磁性金属材料の薄膜層
35及び強磁性体の第2薄膜層37が付着される。強磁
性体の2つの層33、37の磁化は外部印加磁場なし
で、矢印32及び38によって示されるように、互いに
関して約90度の角度に向けられている。さらに、強磁
性体の第2層37の磁化方向は矢印38で示されるよう
に好ましい方向に固定されている。それ故、第2強磁性
層37の磁化方向は固定ないしピン止めされたままであ
るが、強磁性体の第1層33は外部印加磁場(図2に示
す磁場hなどの)に応じて、図2の層33上の破線の矢
印によって示されるように、その方向を自由に回転する
ことができる。
【0013】比較的高い電気抵抗を有する交換バイアス
材料の薄膜層39を強磁性体の第2薄膜層37に密着し
て付着させ、交換結合によるバイアス場をもたらす。好
ましい実施例において、層39はたとえば鉄マンガン
(FeMn)またはニッケル・マンガン(NiMn)が
好ましい、適切な反強磁性体からなっている。あるい
は、図2に示す構造を、たとえば、反強磁性層39をま
ず付着させ、次いで層37、35、及び33をこの順序
で付着させるという逆の順序で付着させることもでき
る。本発明構造において、シード層を使用して、反強磁
性層39が希望する構造を有するようにすることができ
る。
【0014】本発明の好ましい実施例によれば、強磁性
層33、37の一方または両方は鉄(Fe)または鉄合
金のいずれかからなっている。非磁性金属スペーサ層3
5はたとえば銅(Cu)、あるいは銀(Ag)または金
(Au)あるいはこれらの合金などのその他の適切な貴
金属からなっている。センサ読取り要素が強磁性/非磁
性/強磁性積層構造からなるスピン・バルブ効果に基づ
くMRセンサは、参照することによって、本明細書に記
載されているかのように本明細書の一部をなす上述の米
国特許願第07/625343号に詳細に記載されてい
る。固定FeまたはFe合金層37を、たとえば、Fe
Mnの層39によって交換バイアスをかけることがで
き、この場合、交換バイアスは以下で詳細に説明するフ
ィールド・アニール・プロセスをしようすることによっ
て大幅に増加させることができる。
【0015】スピン・バルブ構造を利用しているMRセ
ンサにおいて、交換異方性を最大限のものとすることが
望ましい。スピン・バルブ効果に基づく最適なMRセン
サの場合、固定ないし「ピン止め」された層37は検知
対象の磁場全体にわたってほぼ飽和状態のままでなけれ
ばならない。図3は研磨したSiウェハに付着されたF
eMnの薄膜が重ねられた交換結合バイアス場を示して
いる。特に、Si/V(30Å)/Fe(X)/FeM
n(150Å)/V(100Å)(X=40Å及び60
Å)という構造を有する薄膜は、付着時のフィルムで、
約0.02erg−cm-2という交換エネルギーに対応
した約30Oeの交換を示す。フィルムを空気中で、1
80℃で約10分間アニールし、約250Oe以上の印
加磁場内で冷却させた場合、交換場は約0.1erg−
cm-2の交換相互作用自由エネルギーにそれぞれ対応し
た約135及び150OeというHexchまで実質的に増
加する。アニールしたFe/FeMnフィルムの交換異
方性はNiFe/FeMnのものとほぼ同じ大きさであ
り、MRセンサ用には充分なものである。
【0016】ここで、図4も参照すると、本発明の原理
によるMRセンサ40は、たとえば、ガラス、セラミッ
クまたは半導体などの適切な基板41からなっており、
この上に軟強磁性体の第1薄膜層43、非磁性金属材料
の薄膜層45、及び強磁性体の第2薄膜層47が付着さ
れている。強磁性体の2つの層43、47の磁化は、外
部印加磁場なしで、矢印42及び48によって示される
ように、互いに関して約90度の角度に向けられてい
る。さらに、強磁性体の第2層47の磁化方向は矢印4
8で示されるように好ましい方向に固定またはピン止め
されている。第2強磁性層47の磁化方向は固定されて
いるが、強磁性体の第1層43は図4の層43の破線の
矢印によって示されるように、外部印加磁場(図4に示
す磁場のような)に応じて、その軸を自由に回転するこ
とができる。
【0017】電気抵抗が比較的高い反強磁性体の薄膜層
51を、強磁性体の第2薄膜層47に隣接して付着さ
せ、第2層47に交換バイアス場を設ける。軟磁性層4
9を第2強磁性層47と交換バイアス層51の間に付着
させ、交換バイアス層51を第2強磁性層47から分離
する。好ましい実施例において、層51は、たとえば、
FeMnまたはNiMnであることが好ましい適当な反
強磁性体からなっている。あるいは、図4に示す構造
を、たとえば、反強磁性層51をまず付着させ、次いで
層49、47、45及び43をこの順序で付着させると
いう逆の順序で付着させることもできる。この逆の構造
において、シード層をまず付着してから、反強磁性層5
1を付着し、反強磁性層が希望する構造を有するように
してもよい。
【0018】図4に示す本発明の好ましい実施例によれ
ば、強磁性層43、47の一方または両方は鉄(Fe)
または鉄合金のいずれかからなっている。交換バイアス
層51に隣接する強磁性層47がFeまたはFe合金で
あり、厚さが10ないし100Åの範囲であることが好
ましい。軟磁性分離層ないし中間層49が10Å以上、
すなわち10ないし40Åの範囲の厚さを有しているこ
とが好ましい。非磁性金属スペーサ層45はたとえばC
u、あるいはAgまたはAuもしくはその合金などのそ
の他の適切な貴金属からなっている。金属スペーサ層4
5の厚さは2つの強磁性層43、47の実質的な磁気減
結合を確保するに充分厚いものであるが、伝導電子の平
均自由行程長よりも充分薄いものである。第2強磁性層
47及び軟磁性中間層49は、磁化方向が交換結合によ
って反強磁性層51に固定されている2重層を形成す
る。
【0019】図4に示すようなMRスピン・バルブ・セ
ンサ40の特定の実施例は、研磨シリコン(Si)基板
上にスパッタ付着されたNiFe軟磁性層49によって
分離されたFe強磁性層47及びFeMn反強磁性層5
1からなっている。図5ないし図8は、図2及び図3に
関して説明したように、空気中でアニールし、磁場内で
冷却した後の構造に対するヒステリシス(M−H)ルー
プのグラフである。詳細にいえば、検討した構造はSi
/V(30Å)/Fe(x)/Ni80Fe20(y)/F
50Mn50(150Å)/V(100Å)(ただし、x
及びyはそれぞれ強磁性層47及び軟磁性層49の厚さ
である)であった。厚さy=0、10、20及び30Å
の軟磁性層場合の、厚さx=20、40及び60Åの強
磁性層のM−Hループを図5ないし図8に示す。交換場
(Hexch)、飽和保磁力(Hc)及び界面結合エネルギ
ー(A=Hexchst)(ただし、Msは飽和磁化であ
り、tは強磁性層の厚さである)それぞれの変化のグラ
フを図9ないし図11に示す。すべてのサンプルについ
て、ループの直角度は変動せず、約s=0.6という値
である。同様に、保磁力の直角度はサンプルごとに変動
せず、約sx=0.8という値である。異なる層の測定
した磁化を考慮した場合、図11は交換エネルギーを4
0Å以上のFeの厚さ及び10Å以上のNiFeの厚さ
に対して、約0.08erg/cm2に維持できること
を示している。界面交換エネルギーのこの値はNiFe
/FeMn交換フィルムで得られるもの(通常、約0.
1erg/cm2)に匹敵するものである。しかしなが
ら、強磁性フィルムの保磁力が大幅に低いことにより、
ピン止めされた強磁性層をFe及びNiFe層の厚さの
関数として50−200Oeの範囲の最大外部印加フィ
ールドに対して、ほぼ飽和状態に維持することが可能と
なる。全体として、強磁性層と反強磁性層を分離するた
めに軟磁性層を挿入することによって、交換場の大き
さ、あるいは強磁性フィルムの直角度または保磁力の直
角度の大きさに影響を及ぼすことなく、Fe/FeMn
交換結合フィルムの磁気特性を大幅に改善することがで
きる。詳細にいえば、軟磁性中間層を使用することによ
って、上述の構造が効率のよい磁気抵抗センサとしてセ
ットされる外部印加磁場の範囲を拡張される。
【0020】本発明によるMRスピン・バルブ・センサ
の他の実施例が図12に示されている。たとえば、T
a、RuまたはCrVなどの適切な下地層53を基板4
1に付着させてから、第1強磁性層43を付着する。下
地層53の目的は以降の層の組織、粒径及び形態を最適
のものとすることである。形態がスピン・バルブ構造の
大きなMR効果特性を得る際に重要になるのは、これに
よって、2つの強磁性層43及び47の間にきわめて薄
い非磁性体スペーサ層45を使用することを可能とする
からである。下地層は電流分路効果を最小限のものとす
るため、高い抵抗率も有していなければならない。下地
層53を、図2及び図4に関して上述した逆構造によっ
て使用することもできる。基板41が充分高い抵抗率を
有する材料製であり、充分平坦な表面を有し、適切な結
晶学構造を有している場合、下地層53を省くことがで
きる。
【0021】軟強磁性体の第1薄膜層43、非磁性金属
材料の薄膜層45及び強磁性体の第2薄膜層47を下地
層53上に付着する。2つの強磁性層43、47の磁化
は、外部印加磁場なしで、互いに関して約90度の角度
に向けられている。上述のように、強磁性体の第2層4
7の磁化方向は交換結合によってもたらされるバイア場
によって定位置にピン止めされている。たとえば、Ni
Feなどの軟磁性体の薄膜層49を第2強磁性層47上
に直に付着した後、反強磁性体の層51を軟磁性層49
上に直に付着する。第2強磁性層47及び軟磁性中間層
49は磁化の方向が交換結合によって、反強磁性層51
に対して固定されている2重層を形成する。
【0022】強磁性層43、47はCo、Fe、Ni及
びこれらの合金、たとえば、NiFe、NiCo及びF
eCoなどの任意の適切な磁性体から製造することがで
きる。軟磁性層49と接触している第2強磁性層47
を、FeまたはFe合金で製造することが好ましい。強
磁性層43、47の厚さは約10Åないし約150Åの
範囲から選択することができる。
【0023】上述したように、交換ハバイアス層、51
は厚さが約10Åないし約40Åの範囲のNiFeの軟
磁性層49と接触した、厚さが約50Åないし約150
Åの範囲内の反強磁性FeMnの層であることが好まし
い。
【0024】非磁性スペーサ層45は伝導率の高い金属
であることが好ましい。Au、Ag及びCuなどの貴金
属が大きなMR応答をもたらし、Pt及びPdが小さい
MR応答をもたらすのに対し、Cr及びTaがもたらす
のはごくわずかなMR応答だけである。上述の応答の場
合、スペーサ層45の厚さは約10Åないし約40Åの
範囲内であることが好ましい。
【0025】たとえば、TaまたはZrなどの抵抗率の
高い材料のキャッピング層55を備えて、MRセンサ上
に付着する。リード線57を設け、MRセンサと電流源
59及び検出手段61の間の回路を形成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する磁気ディスク記憶システムの
単純化したブロック線図である。
【図2】本発明の原理による磁気抵抗センサの好ましい
実施例の斜視展開図である。
【図3】図2に示す磁気抵抗センサの実施例に対するヒ
ステリシス・ループを表すグラフである。
【図4】本発明の原理による磁気抵抗センサの他の実施
例の斜視展開図である。
【図5】図4に示す磁気抵抗センサを実現する各種の構
造に対するヒステリシス・ループを表すグラフである。
【図6】図4に示す磁気抵抗センサを実現する各種の構
造に対するヒステリシス・ループを表すグラフである。
【図7】図4に示す磁気抵抗センサを実現する各種の構
造に対するヒステリシス・ループを表すグラフである。
【図8】図4に示す磁気抵抗センサを実現する各種の構
造に対するヒステリシス・ループを表すグラフである。
【図9】図4に示す磁気抵抗センサに対する交換フィー
ルドと軟磁性中間層の厚さを表すグラフである。
【図10】図4に示す磁気抵抗センサに対する飽和保磁
力場と軟磁性中間層の厚さを表すグラフである。
【図11】図4に示す磁気抵抗センサに対する交換エネ
ルギーと軟磁性中間層の厚さを表すグラフである。
【図12】本発明にしたがって構成される磁気抵抗セン
サの他の実施例の端面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベルナール・ディーニ フランス国38042 グルノーブル・クレデ ックス シーエヌアールエス 166エック ス (72)発明者 ブルース・アルビン・ガーニイ アメリカ合衆国95051 カリフォルニア州 サンタ・クララ ナンバー1308 フロー ラ・ビスタ・アベニュー 3770 (72)発明者 バージン・サイモン・スペリオス アメリカ合衆国95119 カリフォルニア州 サンノゼ セント・ジュリー・ドライブ 351 (72)発明者 デニス・リチャード・ウィルホイト アメリカ合衆国95037 カリフォルニア州 モーガン・ビル スピリング・ヒル 575

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性金属材料の層によって分離された強
    磁性体の第1及び第2の層であって、強磁性体の前記第
    1層の磁化方向が印加磁場ゼロで強磁性体の前記第2層
    の磁化方向に垂直である第1及び第2の強磁性層と、 前記第2強磁性層に隣接し、これと接触している軟磁性
    体の層と、 軟磁性体の前記層に隣接し、これと接触している反強磁
    性体の層とからなり、該反強磁性層が前記軟磁性層によ
    って前記第2強磁性層から分離され、該軟磁性層と前記
    第2強磁性層とが該反強磁性層に密着した2重層を形成
    し、前記反強磁性層が前記2重層にバイアス場をもたら
    し、これによって該2重層の磁化の方向を固定する磁気
    抵抗センサ。
  2. 【請求項2】強磁性体の前記第1及び第2層の少なくと
    も一方が鉄または鉄合金からなっている請求項1記載の
    磁気抵抗センサ。
  3. 【請求項3】前記軟磁性層がニッケル鉄合金からなって
    おり、かつ前記反強磁性層が鉄マンガン合金ならびに鉄
    マンガン及びニッケル−マンガンからなる群から選択さ
    れた材料からなっている請求項2記載の磁気抵抗セン
    サ。
  4. 【請求項4】前記軟磁性層が少なくとも10Åの厚さを
    有している請求項1記載の磁気抵抗センサ。
  5. 【請求項5】前記反強磁性層が約50Åないし約150
    Åの範囲内の厚さを有している請求項1記載の磁気抵抗
    センサ。
  6. 【請求項6】前記第1及び第2強磁性層が約10Åない
    し約150Åの範囲内の厚さを有している請求項1記載
    の磁気抵抗センサ。
  7. 【請求項7】前記非磁性金属スペーサ層が外皮磁性金属
    スペーサ層の伝導電子の平均自由行程よりも小さい厚さ
    を有している請求項1記載の磁気抵抗センサ。
  8. 【請求項8】前記非磁性金属スペーサ層が銀、金、銅な
    らびに銀、銅及び金の合金からなる群から選択された材
    料からなっている請求項1記載の磁気抵抗センサ。
  9. 【請求項9】非磁性金属材料の層によって分離された強
    磁性体の第1及び第2の層からなる基板上に積層磁気構
    造を形成し、 強磁性体の前記第2層の上に、これと密着させて反強磁
    性体の層を付着させ、 前記積層磁気構造を空気中で、180℃の温度で所定の
    時間の間アニールし、 前記積層磁気構造を磁場内で冷却するステップからなる
    磁気抵抗センサを製造する方法。
  10. 【請求項10】反強磁性体の層を付着するステップがま
    ず軟磁性体の層を強磁性体の前記第2層上に直接付着す
    るステップを含んでおり、軟磁性体の前記層が反強磁性
    体の前記層を強磁性体の前記第2層から分離している請
    求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】データの記録のための複数個のトラック
    を有する磁気記憶媒体と、 磁気変換器であって、前記磁気記憶媒体と該磁気変換器
    の間の相対運動中に該磁気記憶媒体に関して密接した間
    隔に維持され、かつ非磁性金属材料の層によって分離さ
    れた強磁性体の第1及び第2の層であって、強磁性体の
    前記第1層の磁化方向が印加磁場ゼロで強磁性体の前記
    第2層の磁化方向に垂直である第1及び第2の強磁性層
    と、 前記第2強磁性層に隣接し、これと接触している軟磁性
    体の層と、 軟磁性体の前記層に隣接し、これと接触している反強磁
    性体の層とからなり、該反強磁性層が前記軟磁性層によ
    って前記第2強磁性層から分離され、該軟磁性層と前記
    第2強磁性層とが該反強磁性層に密着した2重層を形成
    し、前記反強磁性層が前記2重層にバイアス場をもたら
    し、これによって該2重層の磁化の方向を固定する磁気
    抵抗センサを含んでいる磁気変換器と、 該磁気変換器を前記磁気記憶媒体の選択されたトラック
    へ移動するために前記磁気変換器に結合されたアクチュ
    エータ手段と、 前記磁気抵抗センサが横切った前記磁気記憶媒体に記録
    されているデータ・ビットを表す磁場に応じた前記磁気
    抵抗材料内の抵抗変化を検出するために前記磁気抵抗セ
    ンサに結合されている検出手段とからなる磁気記憶シス
    テム。
  12. 【請求項12】強磁性体の前記第1及び第2層の少なく
    とも一方が鉄または鉄合金からなっている請求項11記
    載の磁気記憶システム。
  13. 【請求項13】前記軟磁性層がニッケル鉄合金からなっ
    ている請求項11記載の磁気記憶システム。
  14. 【請求項14】前記反強磁性層が鉄マンガン及びニッケ
    ル−マンガンからなる群から選択された材料からなって
    いる請求項11記載の磁気記憶システム。
  15. 【請求項15】前記磁気抵抗センサが前記反強磁性層上
    に付着されたキャッピング層と、 前記磁気抵抗センサを前記検出手段に結合するために前
    記キャッピング層上に付着されたリード線手段とをさら
    に含んでいる請求項11記載の磁気記憶システム。
  16. 【請求項16】前記キャッピング層がタンタル及びジル
    コンからなる群から選択された材料からなっている請求
    項15記載の磁気記憶システム。
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