JP3619475B2 - 磁性積層膜、磁気記録媒体、磁気抵抗効果積層膜、及び磁気ヘッド - Google Patents
磁性積層膜、磁気記録媒体、磁気抵抗効果積層膜、及び磁気ヘッド Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性積層膜に関し、特に、高記録密度磁気記録媒体、磁気抵抗効果積層膜、及び磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−169026号公報には、反強磁性的結合膜を用いたスピンバルブセンサの記載がある。特開2001−6132号公報には、金属酸化物の第一のシード層と非磁性金属の第二のシード層を用いた磁気読み取りヘッドの記載がある。特開平6−236527号公報には、非磁性背後層を有する磁気抵抗センサの記載がある。特開平11−8424には、磁性層の外側に金属反射膜を有する磁気抵抗効果素子の記載がある。特開平2000−156530号公報には、下地結晶層と酸素等を含む結晶成長制御層とを有する積層薄膜機能デバイスの記載がある。特開平11−213343号公報には、Si層、拡散調整層、金属下地層を有する磁気抵抗効果素子の記載がある。特開平10−302232号公報には、NaCl型酸化物を下地膜に用いた硬磁性膜の記載がある。特開平10−275722号公報には、ZnOなどの下地膜を用いたCr合金反強磁性膜の記載がある。特開平8−153314号公報には、3d遷移金属元素の酸化物からなるバッファ層を用いた多層磁気抵抗効果膜の記載がある。特開平8−235540号公報には、3d遷移金属元素の酸化物からなるバッファ層を用いた、反強磁性層が接している多層磁気抵抗効果膜の記載がある。
【0003】
特開平6−76382号公報には、ZnOなどの下地層を用いた光磁気記録媒体の記載がある。特開平5−234164号公報には、ZnOなどの下地層を用いた貴金属を含む光磁気媒体の記載がある。特開平5−182262号公報には、ZnOなどの透光性下地層を用いた貴金属/遷移金属層積層膜からなる光磁気媒体の記載がある。特開平5−174436号公報には、ZnOに添加元素を加えた下地層にPt層を積層した光磁気媒体の記載がある。特開平8−69644号公報には、ZnO層と貴金属の下地層に用いた光磁気媒体の記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、記録密度の充分に高い磁気記録装置、特にその再生部に外部磁界に対して十分な感度と出力で作用する磁気抵抗効果型磁気ヘッドを実現し、さらに十分に対称性の良い良好な特性を得ることが出来ず、記憶装置としての充分な機能を実現することが困難であった。
【0005】
近年、強磁性金属層を非磁性金属層を介して積層した多層膜とすると大きな磁気抵抗が得られることが知られている(巨大磁気抵抗効果)。この場合、非磁性導電層で隔てられた2層の強磁性層の、磁化と磁化のなす角度によって電気抵抗が変化する。この巨大磁気抵抗効果を磁気抵抗効果素子に用いる場合には、スピンバルブとよばれる構造が提唱されている。即ち、反強磁性膜/強磁性層/非磁性導電層/軟磁性自由層の構造を有し、反強磁性膜/強磁性層界面に発生する交換結合磁界によって反強磁性膜と密着した強磁性層の磁化を実質的に固定し、他方の軟磁性自由層が外部磁界によって磁化回転することで出力を得る。
【0006】
上記磁化固定の効果を固定バイアス、この効果を生じる反強磁性膜を固定バイアス膜とよぶことにする。また、上記磁化が実質的に固定される強磁性層を固定層、もしくは強磁性固定層と呼ぶことにする。同様に外部磁場によって磁化回転する軟磁性膜を自由層もしくは軟磁性自由層と呼ぶことにする。固定層は、感知すべき磁界に対して、実質的に磁化が固定されていることがその機能であり、固定バイアス膜は反強磁性膜の代わりに硬磁性膜、すなわち比較的大きな磁界が加わらない限り磁化が変化しない材料で代替することもできる。最近、スペキュラー効果や、Synthetic ferrimagnetと呼ばれるような強磁性固定層を多層構造にする構造も提唱されているが、非磁性中間層に直接接合する界面の強磁性層の磁化が実質的に固定されている点ではすべて同様である。上記のような磁気抵抗効果を有する薄膜に電極を設置し、所定の磁気ギャップを有するシールドの間隙内に配置して磁気抵抗効果素子として用いることができる。
【0007】
上記のような多層膜の磁気抵抗効果では、積層構成の個々の単位が1nm程度とごく薄い為、積層膜の結晶性がその特性を大きく左右する。これを制御するために、しばしば用いられる構成あるいは技術が、下地膜である。下地膜はバッファ層、シード層などと呼ばれることもある。この技術では、基体上に積層膜を形成する際に、基体表面に最初に下地膜を形成し、この上に積層膜を形成する。このような構成及び技術を用いることで積層膜の結晶性を向上し、結晶粒径を大きく形成せしめ、あるいは平坦な表面をもった積層構造を実現して磁気抵抗効果素子としての機能を向上せしめた積層膜を形成することができる。
【0008】
一般に、積層膜と下地膜は同一の真空中で連続して形成してその効果を発揮せしめるが、下地膜が特に耐食性、耐酸化性にすぐれた材料、例えば金や酸化ニッケルなどである場合には下地膜形成後にいったん大気中に暴露した後に別の装置などに移動して積層膜を形成することも可能で、あるいは大気暴露後の積層膜形成直前に適切なエッチング工程などを加えることも可能である。
【0009】
従来用いられてきた下地膜としては、例えばNiFe薄膜を形成するのにTaあるいはHf,Nb,Zr,Ti,Wなどを5nm形成してから後、NiFeを連続形成すると、NiFe膜が強い(111)の結晶配向を示し、電気抵抗が低い薄膜が形成できることが知られている。さらに、上記Ta/NiFeの積層構成を下地膜とし、スピンバルブ膜やMnPt,MnIr反強磁性膜などを結晶配向させることが行われている。また、特開平8−153314号公報及び特開平8−235540号公報には、遷移金属酸化物を下地膜に用いることで多層膜やスピンバルブ膜の特性を向上できる旨の記載がある。
【0010】
一方で、光記録媒体についての報告では、ZnO透明下地膜上にPt/Co多層膜などの光磁気記録媒体を、特にPt側を下に作製することで良好な特性が得られる旨の報告があるが、その詳細や本質、磁気抵抗効果膜、あるいはハードディスクなどの磁気記録媒体への応用は検討されていなかった。
【0011】
上記のようなさまざまな下地が従来用いられて、磁性薄膜の結晶性の改善が行われ、その結果として、例えば磁気特性の良好で抵抗変化率の高いスピンバルブ型磁気抵抗効果素子が作製されている。しかしながら従来、下地層を用いた積層膜には、以下に述べるような短所があった。
(1)金属の下地膜を用いると高い結晶配向性が得られるが、金属下地膜を十分厚くしないと結晶粒径の増加の効果が十分でなく、しかしながら下地膜を厚くすると電気抵抗上の分流が大きくなり磁気抵抗などの特性が著しく劣化する。
(2)酸化物の下地膜を用いると電気抵抗上の分流は少ないが、結晶配向性の向上及び結晶粒径の増加の効果が十分でなく、また効果を得るにはミクロン程度のきわめて厚い下地膜の膜厚にしたり、形成時の基板温度を500℃以上などのきわめて高温にする必要があって磁気ヘッドなどへの応用を困難にする。
【0012】
上記の問題により、磁気ギャップ内の所定の間隙に配置可能で、作製可能な、結晶性を改善して磁気特性と抵抗変化率の改善された磁気抵抗効果素子の作製は困難で、したがって安定性と高感度の両立した磁気ヘッド製造は従来達成できなかった。
そこで本発明の目的は、容易かつ安定に作製できる高結晶性の積層膜、特に磁性積層膜の構造を提供することにある。
さらに具体的には、本発明の目的は、高密度記録に対応した長期信頼性の高い磁気ヘッド及び磁気記録媒体を提供することにあり、そのための、結晶性の高い磁気抵抗効果積層膜及び磁気記録膜を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では高結晶性の積層膜、特に磁性積層膜を得るために、基体と積層膜との間に下地膜を用いる。下地膜は酸化物からなる酸化物下地膜及び金属からなる金属下地膜の積層下地膜とする。積層構成として、基体/酸化物下地膜/金属下地膜/積層膜とする。上記構成は同一真空中で連続形成することが望ましいが、下地膜が特に耐食性、耐酸化性にすぐれた材料、例えば金や酸化亜鉛である部分で、下地膜形成後にいったん大気中に暴露した後に別の装置などに移動してそれ以降の部分及び積層膜を形成することも可能であり、大気暴露後の積層膜等形成直前に適切なエッチング工程などを加えることも可能である。
【0014】
ここで酸化物下地膜は、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Mg,Cuのいずれかの酸化物からなる、高結晶性及び高結晶配向性を有する結晶性酸化物薄膜である。また、基体とは、セラミクスなどからなる基板であって、その表面にアルミナなどの薄膜が形成されていたり、磁気シールドなどが形成されていても本発明の主旨に反するものではない。また上記金属下地膜はCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biあるいはこれらの合金であり、上記酸化物下地膜にエピタキシャル成長して高結晶性と高結晶配向を受け継ぎ、積層膜に伝達する機能を有する。
【0015】
上記高結晶性の積層膜としては、Ni,Fe,Cu,Coなどの3d遷移金属元素を主成分とした薄膜及び積層膜が特に結晶性向上効果が著しい。また、Cr,Mnなどを含む3d遷移金属元素にPt,Ir,Re,Os,Cu,Rh,Au,Agなどを加えた合金でも同様の効果がある。例えば磁気抵抗効果型の磁気ヘッドを構成する磁気抵抗効果素子の巨大磁気抵抗効果積層膜などは上記材料の積層体であって特に望ましい。その他に磁気記録媒体などに用いることもできる。
【0016】
本発明ではこのような材料、構成、を用いた積層膜、特に磁性薄膜において、結晶性を向上することによって特性を向上することができる。
以下、上記積層下地膜を磁気抵抗効果型磁気センサーに用いる場合について述べる。
【0017】
本発明の一態様では、高記録密度に対応した巨大磁気抵抗効果を用いた磁気センサーを磁気ヘッドに搭載した磁気記録装置を提供するために、スピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果積層膜、すなわち、軟磁性自由層/非磁性導電層/強磁性固定層/反強磁性膜の積層構造を有する磁気抵抗効果素子を用いる。ここで反強磁性膜は強磁性固定層の磁化を実質的に固定するための交換結合バイアスを印加するものであって、直接強磁性固定層に密着して形成するか、あるいは間接的に磁気的結合を経て効果をもたらしてもよい。あるいは反強磁性膜の代わりに他のバイアス印加手段、例えば、硬磁性膜の残留磁化を用いたり、電流バイアスを用いてもよい。
【0018】
本発明では結晶性を改善した磁気抵抗効果積層膜を作製し、高記録密度に対応した磁気センサを磁気ヘッドに搭載した磁気記録再生装置を得るために、上記磁気抵抗効果素子の積層構成を積層下地膜上に形成する。すなわち、基体/酸化物下地膜/金属下地膜/磁気抵抗効果積層膜の構成であって、より具体的には基体/酸化物下地膜/金属下地膜/軟磁性自由層/非磁性導電層/強磁性固定層/反強磁性膜、あるいは基体/酸化物下地膜/金属下地膜/反強磁性膜/強磁性固定層/非磁性導電層/軟磁性自由層の構成を適用する。ここで基体とは、セラミクスなどからなる基板であって、その表面にアルミナなどの薄膜が形成されていたり、磁気シールドなどが形成されていて磁気ヘッドとしての機能を実現する。基体上に形成された膜、例えばアルミナと、上記酸化物下地膜とが、共に酸化物ではあるが、この場合にはアルミナが下地膜でない点は明確に区別される。すなわち基体上に作製されたアルミナは微結晶体であって、上記酸化物下地膜、金属下地膜、磁気抵抗積層膜と結晶的連続性を有さないからである。同様に酸化物下地膜の下部に他の酸化物などが配置されていても、これらは結晶的連続性を有さない、基体の一部として区別される。
【0019】
本発明ではこのような材料、構成、を用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッドと、これを再生部とした磁気記録再生装置において、高記録密度、すなわち記録媒体上に記録される記録波長が短く、また、記録トラックの幅が狭い記録を実現して、十分な再生出力を得、記録を良好に保つことができる。特に高い抵抗変化率によって高い再生出力が得られることに加えて、従来より高い電流密度に対しても安定で寿命の長い磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を得ることができる。
【0020】
本発明の特徴を以下に列記する。
(1)基体上に形成された下地膜と、前記下地膜の上に形成された磁性膜とを備える磁性積層膜において、前記下地膜は、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Mg,Cuのいずれかの酸化物からなる酸化物下地膜と、前記酸化物下地膜の上に形成されたCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biあるいはこれらの合金からなる金属下地膜との積層膜であり、前記磁性膜は、3d遷移金属、あるいは3d遷移金属と貴金属(Pt,Ru,Rh,Re,Ir,Os,Cu)の合金、もしくはこれらの積層膜からなる金属薄膜であることを特徴とする磁性積層膜。
上記酸化物下地膜、金属下地膜、及び金属薄膜は強い結晶配向性を有する。
【0021】
(2)基体上に形成された下地膜と、前記下地膜の上に形成された磁性膜とを備える磁気記録媒体において、前記下地膜は、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Mg,Cuのいずれかの酸化物からなる酸化物下地膜と、前記酸化物下地膜の上に形成されたCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biあるいはこれらの合金からなる金属下地膜との積層膜であり、前記磁性膜は、Coと3d遷移金属の合金、あるいは3d遷移金属と貴金属(Pt,Ru,Rh,Re,Ir,Os,Cu)の合金、もしくはこれらの積層膜からなる金属薄膜であることを特徴とする磁性積層膜。
上記酸化物下地膜、金属下地膜、及び金属薄膜は強い結晶配向性を有する。
【0022】
(3)基体上に形成された下地膜と、前記下地膜の上に形成された磁性膜とを備える磁気抵抗効果積層膜において、前記下地膜は、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Mg,Cuのいずれかの酸化物からなる酸化物下地膜と、前記酸化物下地膜の上に形成されたCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biあるいはこれらの合金からなる金属下地膜との積層膜であり、前記磁性膜は、3d遷移金属、あるいは3d遷移金属と貴金属(Pt,Ru,Rh,Re,Ir,Os,Cu)の合金、もしくはこれらの積層膜からなる金属薄膜であることを特徴とする磁気抵抗効果積層膜。
上記酸化物下地膜、金属下地膜、及び金属薄膜は強い結晶配向性を有する。
【0023】
(4)磁化方向が固定された強磁性固定層と、外部の磁界に応じて磁化が回転する軟磁性自由層とを有し、前記強磁性固定層の磁化と前記軟磁性自由層の磁化がなす角度の変化によって磁気抵抗効果を生じる磁気センサー膜を備える磁気ヘッドにおいて、前記磁気センサー膜が、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Mg,Cuのいずれかの酸化物、あるいはこれらを主に含んだ高結晶性酸化物層、すなわち最密面などの特定の結晶方位が基板に対して配向してなる酸化物層、からなる下地膜の上に形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
【0024】
強磁性固定層の磁化方向は、反強磁性膜あるいは硬磁性層膜などの固定バイアス膜と積層され、交換結合などによって感知すべき磁界に対して実質的に固定されている。磁気抵抗効果には、巨大磁気抵抗効果、トンネル磁気抵抗効果が含まれる。
【0025】
(5)磁化方向が固定された強磁性固定層と、外部の磁界に応じて磁化が回転する軟磁性自由層とを有し、前記強磁性固定層の磁化と前記軟磁性自由層の磁化がなす角度の変化によって磁気抵抗効果を生じる磁気センサー膜を備える磁気ヘッドにおいて、前記磁気センサー膜が、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Mg,Cuのいずれかの酸化物、あるいはこれらを主に含んだ高結晶性酸化物層と、前記酸化物層の上に形成されたCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biから選択された金属あるいはこれらの合金からなる金属層を積層した下地膜の上に形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
【0026】
センサー膜は、基体/高結晶性酸化物層/下地金属層/反強磁性膜/強磁性固定層/非磁性中間層/軟磁性自由層の積層構造とすることができる。あるいは、センサー膜は、基体/高結晶性酸化物層/下地金属層/軟磁性自由層/非磁性中間層/強磁性固定層/反強磁性膜の積層構造としてもよい。
【0027】
(6)上記(4)又は(5)記載の磁気ヘッドにおいて、前記強磁性固定層又は前記軟磁性自由層の一部に酸化物層形成工程にて形成された酸化物層を有することを特徴とする磁気ヘッド。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の巨大磁気抵抗効果積層膜を構成する薄膜は、高周波マグネトロンスパッタリング装置により以下のように作製した。アルゴン1〜6mTorrの雰囲気中にて、厚さ1mmのセラミックス基板に以下の材料を順次積層した。スパッタリングターゲットとしてタンタル、ニッケル−20at%鉄合金、Cu、コバルト、MnPt、ルテニウム、アルミナの各ターゲットを用いた。Coターゲット上には、Fe及びNiなどの1cm角のチップを適宜配置して組成を調整した。積層膜は、各ターゲットを配置したカソードに各々高周波電力を印加して装置内にプラズマを発生させておき、各カソードごとに配置されたシャッターを一つずつ開閉して順次各層を形成した。また、成膜室に微量の酸素を導入し、薄膜形成中の基板を所定時間放置してごく薄い酸化膜を形成する工程も適宜用いた。膜形成時には永久磁石を用いて基板に平行におよそ80Oeの磁界を印加して、一軸異方性をもたせた。
【0029】
形成した膜を、真空中、磁場中で270℃、3時間の熱処理を行ってMnPt反強磁性膜を相変態させ、室温での磁気抵抗を測定して評価した。基体上の素子の形成はフォトレジスト工程によってパターニングした。その後、基体はスライダー加工し、磁気記録装置に搭載した。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例を説明する。
【0030】
図1は、本発明の高結晶性積層膜の構成例を示す図である。高結晶性積層膜101は、基体50上に積層した下地膜14と磁性膜19からなる。下地膜14は酸化物下地膜141と金属下地膜142の積層体からなり、基体50の側に酸化物下地膜141が、磁性膜19の側に金属下地膜142がそれぞれ界面を接している。この積層構造により、結晶性及び配向性が良好な磁性膜19を得ることができ、結果として良好な磁気特性や高い異方性磁気抵抗変化などを得ることができる。
【0031】
図中には、各膜の材料例を示し、また膜厚の例を数字(単位はナノメートル)で示した(以下の図においても同じ)。酸化物下地膜141は酸化亜鉛(ZnO)とすると高い結晶性が得られてよい。また、金属下地膜142はCuとすると酸化物下地膜141の高い結晶性が金属下地膜142及びそれ以上の膜に連続して成長させることができてよい。酸化物下地膜141は1nm以上で効果があるが、5nm以上が特によい。また厚さ1μmを超えると表面凹凸発生の恐れがあるので1μm以下の厚さがよい。金属下地膜142は1nmで十分効果があり、5nm以上で効果が飽和する傾向なので、0.5〜5nm程度の膜厚がよい。磁性膜19の例として本図ではNiFe膜を挙げたが、Co,Ni,Feの合金であれば同様の効果があり、また、Mn,Cr,Cuを含んでいても同様の効果がある。
【0032】
図2は、本発明の高結晶性積層膜の硬磁性膜への応用例を示す図である。高結晶性積層膜101は、基体50上に下地膜14、下地膜181、硬磁性膜18を積層してなる。下地膜14は酸化物下地膜141と金属下地膜142の積層体からなり、基体50の側に酸化物下地膜141が、硬磁性膜18の側に金属下地膜142が配置されている。下地膜181は硬磁性膜18の保磁力を増大させるための下地であってCr,Tiなどからなるが、省略したり、金属下地膜142と一体としてもかまわない。
【0033】
本実施例によると、硬磁性膜18を良好な結晶性及び配向性、例えばC軸配向性で得ることができ、結果として良好な磁気特性、大きな保磁力と角型比や高い結晶磁気異方性などを得ることができる。このため、磁気記録再生装置の記録媒体として高い性能を示す薄膜を得ることができる。図2には、図1と同様に酸化物下地膜141及び金属下地膜142にZnO及びCuを用いた例を示した。硬磁性膜18にはCoCrPtやCoPt膜を用いることができる。
【0034】
図3は、本発明の高結晶性下地膜を用いたスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜の構成例を示す図である。基体50上に下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性導電層12、軟磁性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。下地膜14は酸化物下地膜141と金属下地膜142の積層体からなり、基体50の側に酸化物下地膜141が、反強磁性膜11の側に金属下地膜142がそれぞれ界面を接してなる。下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性導電層12、軟磁性自由層13および保護膜37はスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10を構成する。ここで、保護膜37および下地膜14をスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10の一部として図示したが、保護膜37および下地膜14をスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10と同時に形成することが一般的であるため、上記のように表記してあり、したがって保護膜37および下地膜14をスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10の一部でないと考えても本発明の主旨に反するものではない。本実施例によると巨大磁気抵抗効果積層膜10を良好な結晶性及び配向性で得ることができ、結果として良好な磁気特性と高い抵抗変化率とを得ることができる。
【0035】
ここで、強磁性固定層15は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152、及び反平行結合膜154の積層体からなる。反平行結合膜154は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化を互いに反平行に配列させる交換結合を印加して、強磁性固定層の実質的な磁化の量を第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化量の差分に制御する効果がある。しかし、強磁性固定層15を単層の磁性体から形成したり、2層や4層以上の積層体から形成してもよいし、強磁性固定層15内に数nm程度の酸化物を含有していてもよい。また、本実施例の軟磁性自由層13は第一の自由層軟磁性膜131と第二の自由層軟磁性膜132の積層体からなるが、軟磁性自由層13を単層の磁性体から形成したり、2層以上の積層体から形成しても構わない。ただし、非磁性導電層12に近い側をCo合金、反対側をNiFe合金から形成した本構成例では、軟磁気特性と高い抵抗変化率を両立できて好ましい。保護膜37についても、図示の例ではCu及びTa/Ta−Oの積層体からなる構成例としたが、単層あるいは保護膜を省略した構成としてもよい。
【0036】
図には、第一の強磁性膜151、第二の強磁性膜152、第二の自由層軟磁性膜132にはCoFe膜を、第一の自由層軟磁性膜131にはNiFe膜を、反強磁性膜11にはMnPt膜を、非磁性中間層12にはCuを、反平行結合膜154にはRuを用いた例を示したが、これらの膜は下地膜14に連続的に結晶成長して高結晶性、高配向性を実現することができる。
【0037】
図4は、本発明の高結晶性下地膜を用いたスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜の別の構成例を示す図である。基体50上に下地膜14、軟磁性自由層13、非磁性中間層12、強磁性固定層15、反強磁性膜11、保護膜37を連続して形成してなる。下地膜14は酸化物下地膜141と金属下地膜143の積層体からなり、基体50の側に酸化物下地膜141が、軟磁性自由層13の側に金属下地膜143がそれぞれ界面を接している。下地膜14、軟磁性自由層13、非磁性中間層12、強磁性固定層15、反強磁性膜11、保護膜37はスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10を構成する。ここで、保護膜37および下地膜14をスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10の一部として図示したが、保護膜37および下地膜14をスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10と同時に形成することが一般的であるため、上記のように表記してあり、したがって保護膜37および下地膜14をスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10の一部でないと考えても本発明の主旨に反するものではない。本構成例では金属下地膜143はスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜10の背後層の効果を兼ねていてもよい。同様に軟磁性自由層13の磁歪を調整する層としての機能を有していてもよい。このような構成により巨大磁気抵抗効果積層膜10を良好な結晶性及び配向性で得ることができ、結果として良好な磁気特性と高い抵抗変化率とを得ることができる。
【0038】
本実施例では、強磁性固定層15は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152、及び反平行結合膜154の積層体からなる。反平行結合膜154は第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化を互いに反平行に配列させる交換結合を印加して、強磁性固定層の実質的な磁化の量を第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化量の差分に制御する効果がある。ここで強磁性固定層15を単層の磁性体から形成したり、2層や4層以上の積層体から形成してもよい。また、本実施例の軟磁性自由層13は第一の自由層軟磁性膜131及び第二の自由層軟磁性膜132の積層体からなるが、軟磁性自由層13を単層の磁性体から形成したり、2層以上の積層体から形成しても構わない。ただし、非磁性導電層12に近い側をCo合金、反対側をNiFe合金した本構成例では、軟磁気特性と高い抵抗変化率を両立できて好ましい。保護膜37についてもCu及びTa/Ta−Oの積層体からなる構成例としたが、単層あるいは保護膜を省略した構成としてもよい。
【0039】
図には、第一の強磁性膜151、第二の強磁性膜152、第二の自由層軟磁性膜132にはCoFe膜を、第一の自由層軟磁性膜131にはNiFe膜を、反強磁性膜11にはMnPt膜を、非磁性中間層12にはCuを、反平行結合膜154にはRuを用いた例を示したが、これらの膜は下地膜14に連続的に結晶成長して高結晶性、高配向性を実現することができる。
【0040】
図5は、本発明の高結晶性下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの構成例を示す図である。図は磁気媒体に対向する対向面から眺めた模式図である。基体50上に下部磁気シールド35、下部ギャップ膜71を形成し、その上に、巨大磁気抵抗効果積層膜10が形成されてなり、さらに上部ギャップ膜72、上部磁気シールド36を形成して、再生信号を検出する再生ギャップ43を形成してなる。
【0041】
電極40は、巨大磁気抵抗効果積層膜10のトラック幅方向の両端部に接触して配置し、感知電流の印加と電気抵抗の変化の検出を行う。磁区制御膜41は巨大磁気抵抗効果積層膜10のトラック幅方向の端部に配置され、巨大磁気抵抗効果積層膜10の軟磁性自由層13を単磁区化させる。磁区制御膜41及び電極40の形成方法及びその形状は、ここではいわゆるリフトオフ法によって作製した構造で記述してあるが、他にさまざまな方法が利用できる。巨大磁気抵抗効果積層膜10は、図4の積層構成例と同様な構造を有するので詳細な説明は省略するが、反強磁性膜11が第二の強磁性膜152に印加する一方向異方性によって第二の強磁性膜152の磁化は図中のマークの方向、すなわち紙面に垂直な方向に実質的に固定され、さらに反平行結合膜154による反強磁性的な結合力によって第一の強磁性膜151の磁化は第二の強磁性膜の磁化と反平行の方向に実質的に固定される構成となっている。また、本構成例では酸化物下地膜141を巨大磁気抵抗効果積層膜10よりもトラック幅方向に長い構成で示した。このような構成にすると電極40と下部磁気シールド35との間の電気的短絡を防止する効果があり、さらに磁区制御膜41及び電極40の下地となる効果もあって望ましいが、酸化物下地膜141を巨大磁気抵抗効果積層膜10と同一形状に一括して形成しても構わない。
【0042】
図6は本発明の高結晶性下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの別の構成例を示す図である。図は磁気媒体に対向する対向面から眺めた模式図である。
巨大磁気抵抗効果積層膜10の基体50上に下部磁気シールド35、下部ギャップ膜71を形成し、その上に、巨大磁気抵抗効果積層膜10が形成されてなり、さらに上部ギャップ膜72、上部磁気シールド36を形成して、再生信号を検出する再生ギャップ43を形成してなる。電極40は、巨大磁気抵抗効果積層膜10のトラック幅方向の両端部に接触して配置し、感知電流の印加と電気抵抗の変化の検出を行う。磁区制御膜41は巨大磁気抵抗効果積層膜10のトラック幅方向の端部に配置され、巨大磁気抵抗効果積層膜10の軟磁性自由層13を単磁区化させる。磁区制御膜41及び電極40の形成方法及びその形状は、ここではいわゆるリフトオフ法によって作製した構造で記述してあるが、他にさまざまな方法が利用できる。巨大磁気抵抗効果積層膜10は、図3の積層構成例と同様な構造を有するので詳細な説明は省略する。また、第二の強磁性膜152及び第一の強磁性膜151の磁化の固定方向についても図5の構成例とほぼ同一なので省略する。また、本構成例では酸化物下地膜141を巨大磁気抵抗効果積層膜10よりもトラック幅方向に長い構成で示した。このような構成にすると電極40と下部磁気シールド35との間の電気的短絡を防止する効果がさらに磁区制御膜41及び電極40の下地となる効果もあって望ましいが、酸化物下地膜141を巨大磁気抵抗効果積層膜10と同一形状に一括して形成しても構わない。
【0043】
図7は、本発明の高結晶性下地膜を用いたトンネル磁気抵抗効果型磁気ヘッドの構成例を示す図である。図は磁気媒体に対向する対向面から眺めた模式図である。
基体50上に下部磁気シールド35、下部導電性ギャップ膜711を形成し、その上に、トンネル磁気抵抗効果積層膜102が形成されてなり、さらに上部導電性ギャップ膜721、上部磁気シールド36を形成して、再生信号を検出する再生ギャップ43を形成してなる。73は絶縁膜である。感知電流の印加と電気抵抗の変化の検出を行う電極は、トンネル磁気抵抗効果積層膜102の膜厚方向に電流を印加するために、本図で示した構成例のように下部導電性ギャップ膜711、上部導電性ギャップ膜721、及び上部磁気シールド36などから構成することができる。本図には示していないが、磁区制御膜をトンネル磁気抵抗効果積層膜102のトラック幅方向の両端部やあるいは積層した上部もしくは下部に配置して、トンネル磁気抵抗効果積層膜102の軟磁性自由層13を単磁区化させることが望ましい。
【0044】
トンネル磁気抵抗効果積層膜102は、図6の巨大磁気抵抗効果積層膜の構成と類似の構造を有する。基体50上に下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層15、非磁性絶縁ギャップ層121、軟磁性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。下地膜14は酸化物下地膜141と金属下地膜142の積層体からなり、基体50の側に酸化物下地膜141が、強磁性固定層15の側に金属下地膜142がそれぞれ界面を接している。反強磁性膜11が第二の強磁性膜152に印加する一方向異方性によって第二の強磁性膜152の磁化は紙面に垂直な方向に実質的に固定され、さらに反平行結合膜154による反強磁性的な結合力によって第一の強磁性膜151の磁化は第二の強磁性膜の磁化と反平行の方向に実質的に固定される構成となっている。
【0045】
また、本構成例では酸化物下地膜141をトンネル磁気抵抗効果積層膜102の他の構成要素とトラック幅方向にほぼ同一形状に形成した構造で示したが、酸化物下地膜141が他のトンネル磁気抵抗効果積層膜102の他の構成要素より大きな形状に形成してもよい。また、本図ではトンネル磁気抵抗効果積層膜102に酸化物下地膜141を含むように図示してなるが、下地膜をトンネル磁気抵抗効果積層膜の一部と考えてもあるいは考えなくとも本発明の主旨に反するものではない。さらに、本構成例では酸化物下地膜141がトンネル磁気抵抗効果積層膜102と下部導電性ギャップ膜との間にあるが、酸化物下地膜141が感知電流の印加を阻害することがないように、酸化物下地膜141の一部を除去して電気的短絡を取る構成としても良い。しかしながら、酸化物下地膜141は絶縁体というよりは、半導体的な導電性を示すように形成できるため、特にそのような構造を採用しなくとも良い。例えば若干の金属元素を酸化物下地膜141に添加するなどしてさらに導電性を高めてもよい。以上のような構成によって、結晶性を改善して良好な特性を有するトンネル磁気抵抗効果ヘッドを得ることができる。
【0046】
図8は、従来の下地膜及び本発明の高結晶性下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果積層膜のX線回折曲線を示した図である。
従来用いられてきたTa/NiFe下地膜は強い(111)配向を示す下地構成としてよく知られている。Ta/NiFe下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果積層膜は、上記効果によりMnPt(111)及びCoFe/Cu部の(111)に対応するピークが観察され、巨大磁気抵抗効果積層膜の結晶性及び配向性がX線回折強度として現れている。これに対して本発明のZnO/Cu下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果積層膜のX線回折曲線では、極めて強いZnO(002)反射強度と、さらに強いMnPt(111)強度及びCoFe/Cu部(111)強度が観察されている。ZnOは六方晶構造をとっていると考えられる。従来のTa/NiFe下地でのCoFe/Cu部のX線回折のピーク強度は背景強度を差し引いておよそ1700cps(カウント・パー・セコンド)であるのに対して、本発明を用いた場合では3000cpsとおよそ倍増していて、本発明が巨大磁気抵抗効果積層膜の結晶性と配向性を極めて高く向上させていることがわかる。公知例に下地効果の記載のあるNiO膜についても同様の実験を行い、その結果を示したが、この下地ではX線回折強度は極めて弱く、本発明の構成の膜とは結晶性が全く異なることがわかる。
【0047】
図9は、本発明の巨大磁気抵抗効果積層膜のZnO酸化物下地膜の厚さとX線回折強度及び抵抗変化率の関係を示した図である。ZnO/Cu下地膜のCu下地膜の厚さは1nmで一定とした。比較のため、従来技術のTa/NiFe下地を用いた結果も図中に記載してある。ZnO酸化物下地膜の厚さに対して、ZnO膜(002)反射のX線回折強度は2次曲線的に上昇し、ZnO酸化物下地膜が高い結晶性を有することがわかる。ここで、ZnO膜の(002)面は六方晶のC面という高次な面であって、この面が基板表面に対して強い配向を持って優先成長して結晶粒が形成されることが酸化物下地膜に高い結晶性を発現させると考えられる。このように、適正な酸化物を下地膜として薄膜形成すると、酸化物の特性の高次な結晶方位、一般には最密面の方位の結晶粒が成長し、高い結晶性を有した下地膜が得られるのである。
【0048】
一方、ZnO酸化物下地膜上の巨大磁気抵抗効果積層膜のCoFe/Cu部のX線回折強度はZnO酸化物下地膜厚が20nm以上では一定の高い強度を示し、ZnO酸化物下地膜の高い結晶性を継続して結晶成長していることがわかる。ZnO膜の厚さが5nmと比較的薄い場合には回折強度は低くなっているが、下地なしの場合に比べれば極端に強いと言え、むしろ従来技術のTa/NiFe下地に匹敵する結晶性が得られているといって良い。
【0049】
一般にはX線回折の強度と巨大磁気抵抗効果積層膜の抵抗変化率は厳密に一対一で対応するものではないが、本図のZnO酸化物下地膜の膜厚と抵抗変化率の関係は、上記X線回折強度と比較的よく一致し、ZnO/Cu下地膜を用いることで下地なし及びTa/NiFe下地の場合より、抵抗変化率を1〜2%向上した巨大磁気抵抗効果積層膜が得られることを良く示している。
【0050】
図10は、積層下地膜の構成を変えた巨大磁気抵抗効果積層膜のX線回折曲線を示した図である。酸化物下地膜としてZnOを用い、しかしながら金属下地膜を用いなかった場合及びZnO/金属下地膜(NiFe,CoFe,Cu)を用いた結果を示した。
【0051】
すべての結果についてZnO(002)の強い強度が得られており、ZnO酸化物下地膜は高い結晶性が得られていることがわかるが、ZnOのみで金属下地膜なしの場合の巨大磁気抵抗効果積層膜のX線回折曲線はMnPt及びCoFe/Cu部に対応するピークのX線回折強度は微弱であって、上記下地構成はZnO酸化物下地膜の良好な結晶性を巨大磁気抵抗効果積層膜に反映させることができていないことがわかる。すなわち、ZnO酸化物下地膜が高い結晶性を有しているにもかかわらず、その上に形成した他の膜はZnO酸化物下地膜上に結晶的連続性を有して成長せず、積層膜にZnO酸化物下地膜の結晶性を継続して反映させることができていない。同様に金属下地膜部分にNiFe,CoFeを用いた巨大磁気抵抗効果積層膜のMnPt及びCoFe/Cu部に対応するピークのX線回折強度は微弱であって、上記下地構成はZnO酸化物下地膜の良好な結晶性を巨大磁気抵抗効果積層膜に反映させることができていないことがわかる。
【0052】
これに対して本発明のZnO酸化物下地膜/Cu下地膜の構成を用いた巨大磁気抵抗効果積層膜のX線回折曲線では極めて強いMnPt(111)強度及びCoFe/Cu部(111)強度が観察され、本発明の構成が高い結晶性の積層膜を得るのに有効であることがわかる。したがって本発明の構成で述べているように、高い結晶性を有した積層膜を作製し、優れた特性を得るためには、酸化物下地膜と金属下地膜の双方を適切な組み合わせで用いることが必要である。
【0053】
図11は、本発明の下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果積層膜のCu金属下地膜の厚さとX線回折強度及びMR比を示した図である。
Cu金属下地膜の厚さがゼロ、すなわち、金属下地膜を用いていない場合には巨大磁気抵抗効果積層膜のMnPt膜及びCoFe/Cu部のX線回折強度は無視できるほど弱いのに対して、Cu金属下地膜をわずか0.5nm挿入した場合にはX線回折強度はTa/NiFe下地膜を用いた場合より強くなり、十分な下地効果が発揮されていることがわかる。X線回折強度はCu金属下地層の厚さが2nm以上でほぼ飽和し、十分な結晶性向上効果が得られることがわかるが、巨大磁気抵抗効果積層膜の抵抗変化率はCu金属下地膜が1nm付近で最大となって、Cu金属下地膜がそれ以上に厚いとむしろ低下している。これは巨大磁気抵抗効果積層膜のシート抵抗がCu金属下地膜の厚さに対して単調に低下していくことに対応しており、巨大磁気抵抗効果積層膜の性質上、金属下地膜が厚くなると金属下地膜に流れる電流が損失となるためである。したがって巨大磁気抵抗効果積層膜にCu金属下地膜を用いる場合にはCu金属下地膜の厚さは0.5〜3nm以下とすると高い特性を得られる。もちろん、上記のように金属下地膜の分流が損失にならない場合には金属下地膜をより厚くしてもかまわないが、薄膜の性質上、0.1μm以下程度が上限であろう。また、Cu金属下地膜に他の元素を添加してこの部分の電気抵抗を増加させて電流の損失を減少させたり、Cu以外のAg,Au,Ag,Zn,Sn,Ptなどを適宜組み合わせて用いることで分流を抑制することもできる。
【0054】
以上、本発明の構成としてZnO/Cu下地膜の組み合わせについて記述したが、高結晶性積層膜が形成できる原因について考察した結果、(1)結晶性が良好に薄膜形成できる、原子移動度の高い元素の酸化物、及び(2)上記酸化物の表面エネルギーを低下させる、濡れ性と格子連続性に優れた金属元素、の組み合わせであることが重要であると考えられる。したがって、ZnO/Cu以外の材料構成としては低融点金属酸化物/貴金属あるいは低融点金属の組み合わせの下地膜を用いれば同様の結晶性向上効果を得ることができる。低融点金属酸化物としてはZn,Sn,Pb,In,Bi,Mg,Cuのいずれかの酸化物及びこれらの複合酸化物、また、金属下地膜としてはCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biが挙げられる。
【0055】
一方、本発明の下地膜を用いて高結晶性が得られる積層膜としては、上記実施例で具体的に示した3d遷移金属、貴金属(Pt,Ru,Rh,Re,Ir,Os,Cu)の合金、及びこれらの積層膜もしくは3d遷移金属と貴金属の合金であれば上記実施例と同様に結晶性の向上と、これに伴う性能向上を見込むことができる。さらに、貴金属以外の耐酸化性金属として、Crや、Crを含んだ合金でも同様な効果を得ることができる。上記さまざまな酸化物及び金属下地膜の構成の中でも、酸化亜鉛膜とCu膜を組み合わせた場合、特に強い結晶性改善効果と磁気抵抗効果の増大を見出すことができた。
【0056】
図12は、本発明の磁気抵抗効果素子による磁気センサーを搭載した磁気ヘッドの構成例の概念図である。基体50上に磁気抵抗効果積層膜10、電極40、下部磁気シールド35、上部磁気シールド36、下部磁気コア84、コイル42、上部コア83を形成してなり、対向面63を形成してなる。本図では個別に上部シールドと下部コアとを形成した構造になっているが、上部シールドが下部コアを兼ねた構造としてもよい。下部磁気コア84、コイル42、上部磁気コア83は記録ヘッドを構成し、電磁誘導効果によって発生する磁界を対向面63の記録ギャップから発生して磁気ディスク上の記録媒体に記録する。本発明の下地膜を用いた高結晶性の巨大磁気抵抗効果積層膜を用いた磁気センサを磁気ヘッドに組み込むことで、従来より大きな電流に対しても安定で寿命の長い磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を実現することができる。
【0057】
図13は、本発明の磁気記録再生装置の構成例である。磁気的に情報を記録する記録媒体91を保持するディスク95をスピンドルモーター93にて回転させ、アクチュエーター92によってヘッドスライダー90をディスク95のトラック上に誘導する。即ち磁気ディスク装置においてはヘッドスライダー90上に形成した再生ヘッド、及び記録ヘッドがこの機構に依ってディスク95上の所定の記録位置に近接して相対運動し、信号を順次書き込み、及び読み取るのである。アクチュエーター92はロータリーアクチュエーターであることが望ましい。記録信号は信号処理系94を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生ヘッドの出力を、信号処理系94を経て信号として得る。さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せしめるに際して、本再生ヘッドからの高感度な出力を用いてトラック上の位置を検出し、アクチュエーターを制御して、ヘッドスライダーの位置決めを行うことができる。本図ではヘッドスライダー90、ディスク95を各1個示したが、これらは複数であっても構わない。またディスク95は両面に記録媒体91を有して情報を記録してもよい。情報の記録がディスク両面の場合ヘッドスライダー90はディスクの両面に配置する。
上述したような構成について、本発明の磁気ヘッド及びこれを搭載した磁気記録再生装置を試験した結果、充分な出力と、良好なバイアス特性を示し、また動作の信頼性も良好であった。
【0058】
図14は、本発明の磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置の再生出力とセンス電流の関係を示した図である。比較のため従来技術を用いた磁気ヘッドについても示してある。巨大磁気抵抗効果積層膜の構成として、図3に示した本発明の積層構成の磁気ヘッド、及び下地膜14をTa(3nm)/NiFe(3nm)とした従来技術の積層構成の磁気ヘッドを用いた。従来のヘッドに比較して本発明の磁気ヘッドの再生出力はより高い電流に対して安定であることがわかる。これは、本発明の下地膜によって巨大磁気抵抗効果積層膜の結晶性が向上し、膜中の欠陥密度が低下したことで、電流による発熱が減少し、また、結晶性の向上で反強磁性膜の熱的な特性なども向上したためと考えられる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば安定した特性と、出力の高い磁気センサと、これを用いた磁気ヘッドが得られ、特に高い記録密度において良好な再生出力を有する磁気ヘッド及び高密度磁気記録再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高結晶性積層膜の構成例を示す図。
【図2】本発明の高結晶性積層膜の硬磁性膜への応用例を示す図。
【図3】本発明の高結晶性下地膜を用いたスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜の構成例を示す図。
【図4】本発明の高結晶性下地膜を用いたスピンバルブ型磁気抵抗効果積層膜の別の構成例を示す図。
【図5】本発明の高結晶性下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの構成例を示す図。
【図6】本発明の高結晶性下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの別の構成例を示す図。
【図7】本発明の高結晶性下地膜を用いたトンネル磁気抵抗効果型磁気ヘッドの構成例を示す図。
【図8】従来の下地膜及び本発明の高結晶性下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果積層膜のX線回折曲線を示す図。
【図9】本発明の巨大磁気抵抗効果積層膜のZnO酸化物下地膜の厚さとX線回折強度及び抵抗変化率を示す図。
【図10】積層下地膜の構成を変えた巨大磁気抵抗効果積層膜のX線回折曲線を示す図。
【図11】本発明の下地膜を用いた巨大磁気抵抗効果積層膜のCu金属下地膜の厚さとX線回折強度及びMR比を示す図。
【図12】本発明の磁気抵抗効果素子による磁気センサーを搭載した磁気ヘッドの構成例の概念図。
【図13】本発明の磁気記録再生装置の構成例を示す図。
【図14】本発明の磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置の再生出力とセンス電流の関係を示す図。
【符号の説明】
10…巨大磁気抵抗効果積層膜、101…高結晶性積層膜、102…トンネル磁気抵抗効果積層膜、11…反強磁性膜、12…非磁性中間層、121…非磁性絶縁ギャップ層、13…軟磁性自由層、131…第一の自由層軟磁性膜、132…第二の自由層軟磁性膜、14…下地膜、141…酸化物下地膜、142…金属下地膜、143…金属下地膜、15…強磁性固定層、151…第一の強磁性膜、152…第二の強磁性膜、154…反平行結合層、18…硬磁性膜、181…下地膜、19…磁性膜、35…下部磁気シールド、36…上部磁気シールド、37…保護膜、40…電極、41…磁区制御膜、42…コイル、43…再生ギャップ、50…基体、63…対向面、71…下部ギャップ膜、711…下部導電性ギャップ膜、72…上部ギャップ膜、721…上部導電性ギャップ膜、73…絶縁膜、83…上部磁気コア、84…下部磁気コア、90…ヘッドスライダー、91…記録媒体、92…アクチュエーター、93…スピンドル、94…信号処理系、95…磁気ディスク
Claims (5)
- 基体上に形成された下地膜と、前記下地膜の上に形成された磁性膜とを備える磁性積層膜において、
前記下地膜は、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Cuのいずれかの酸化物からなる酸化物下地膜と、前記酸化物下地膜の上に形成されたCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biあるいはこれらの合金からなる金属下地膜との積層膜であり、
前記磁性膜は、3d遷移金属、あるいは3d遷移金属と貴金属(Pt,Ru,Rh,Re,Ir,Os,Cu)の合金、もしくはこれらの積層膜からなる金属薄膜であることを特徴とする磁性積層膜。 - 基体上に形成された下地膜と、前記下地膜の上に形成された磁性膜とを備える磁気記録媒体において、
前記下地膜は、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Cuのいずれかの酸化物からなる酸化物下地膜と、前記酸化物下地膜の上に形成されたCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biあるいはこれらの合金からなる金属下地膜との積層膜であり、
前記磁性膜は、Coと3d遷移金属の合金、あるいは3d遷移金属と貴金属(Pt,Ru,Rh,Re,Ir,Os,Cu)の合金、もしくはこれらの積層膜からなる金属薄膜であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 基体上に形成された下地膜と、前記下地膜の上に形成された磁性膜とを備える磁気抵抗効果積層膜において、
前記下地膜は、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Cuのいずれかの酸化物からなる酸化物下地膜と、前記酸化物下地膜の上に形成されたCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biあるいはこれらの合金からなる金属下地膜との積層膜であり、
前記磁性膜は、3d遷移金属、あるいは3d遷移金属と貴金属(Pt,Ru,Rh,Re,Ir,Os,Cu)の合金、もしくはこれらの積層膜からなる金属薄膜であることを特徴とする磁気抵抗効果積層膜。 - 磁化方向が固定された強磁性固定層と、外部の磁界に応じて磁化が回転する軟磁性自由層とを有し、前記強磁性固定層の磁化と前記軟磁性自由層の磁化がなす角度の変化によって磁気抵抗効果を生じる磁気センサー膜を備える磁気ヘッドにおいて、
前記磁気センサー膜が、Zn,Sn,Pb,In,Bi,Cuのいずれかの酸化物、あるいはこれらを主に含んだ高結晶性酸化物層と、前記酸化物層の上に形成されたCu,Au,Ag,Al,Sn,Pb,In,Biから選択された金属あるいはこれらの合金からなる金属層を積層した下地膜の上に形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。 - 請求項4記載の磁気ヘッドにおいて、前記強磁性固定層又は前記軟磁性自由層の一部に酸化物層形成工程にて形成された酸化物層を有することを特徴とする磁気ヘッド。
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