JPH06109440A - 工具測定装置 - Google Patents
工具測定装置Info
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- JPH06109440A JPH06109440A JP25796792A JP25796792A JPH06109440A JP H06109440 A JPH06109440 A JP H06109440A JP 25796792 A JP25796792 A JP 25796792A JP 25796792 A JP25796792 A JP 25796792A JP H06109440 A JPH06109440 A JP H06109440A
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- JP
- Japan
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- tool
- axis
- measured
- measuring
- measuring device
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- A Measuring Device Byusing Mechanical Method (AREA)
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 エンドミルやボールエンドミル、ツイストド
リル等の複雑な形状を有する旋削工具の複数の寸法、形
状精度を1回の段取りにより簡単、迅速に、かつ高精度
に測定可能な工具測定装置を提供する。 【構成】 被測定工具24はチャック22を介してワー
クスピンドル20に取着される。ワークスピンドル20
は、所定の軸線の回りには回転可能であるが、同軸線に
沿って長手方向には動作不能に固定されている。これに
対して、測定手段たる透過型レーザ測定装置42、44
と、顕微鏡30と、電気マイクロメータは、X軸、U
軸、Y軸方向に移動可能に構成されたテーブル6、1
2、16上に固定されている。従って、被測定工具24
を回転軸回りに回転させ、或いは各テーブルをX、U軸
およびY軸方向に移動させて、その移動距離を測定する
ことにより、被測定工具24の各部の寸法、形状精度を
測定するように構成されている。
リル等の複雑な形状を有する旋削工具の複数の寸法、形
状精度を1回の段取りにより簡単、迅速に、かつ高精度
に測定可能な工具測定装置を提供する。 【構成】 被測定工具24はチャック22を介してワー
クスピンドル20に取着される。ワークスピンドル20
は、所定の軸線の回りには回転可能であるが、同軸線に
沿って長手方向には動作不能に固定されている。これに
対して、測定手段たる透過型レーザ測定装置42、44
と、顕微鏡30と、電気マイクロメータは、X軸、U
軸、Y軸方向に移動可能に構成されたテーブル6、1
2、16上に固定されている。従って、被測定工具24
を回転軸回りに回転させ、或いは各テーブルをX、U軸
およびY軸方向に移動させて、その移動距離を測定する
ことにより、被測定工具24の各部の寸法、形状精度を
測定するように構成されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンドミルやツイスト
ドリル等の工具の寸法、形状精度を測定するための工具
測定装置に関し、特に被測定工具の複数の寸法、形状精
度を1回の段取りで順次、測定可能に構成された工具測
定装置に関する。
ドリル等の工具の寸法、形状精度を測定するための工具
測定装置に関し、特に被測定工具の複数の寸法、形状精
度を1回の段取りで順次、測定可能に構成された工具測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の工具は、工具メーカまたは工
作機械製造メーカにおける創成製作、或いは再研削の最
終工程で、その寸法、形状精度が測定される。この測定
される形状パラメータは、例えばエンドミルやボールエ
ンドミル、ツイストドリル等の切削工具においては、工
具全長、刃長、工具径、刃の振れ、テーパ角、ボール半
径、すくい角、逃げ角、ねじれ角、逃げ面幅等、その工
具が使用される加工目的や要求される精度により多岐に
渡っている。従来、こうした工具の寸法、形状精度は、
例えばJIS規格に規定された測定方法、つまりノギス
やマイクロメータ、ダイヤルゲージ等を駆使して測定さ
れてきた。こうした従来の測定方法は、工作機械の精度
がそれほど高くない場合には簡便であり有効な方法であ
った。然しながら近時、工作機械の動作性能が高くなる
のに伴い、工作精度の向上のために寸法、形状精度のよ
り高い工具が要求されるようになっている。高精度の工
具に対しては、従来の測定方法では要求される寸法精
度、形状精度まで測定することが困難である。そこで、
こうした近時の状況を踏まえて、より高度な測定装置、
或いは測定方法として透過型レーザ測定装置等により光
学的、非接触式に工具の寸法、形状精度を測定する方
法、装置が提案されており実用化に至っている。然しな
がら、これら提案された測定方法、装置は、いずれも特
定の形状パラメータを専門的に測定する方法、装置であ
ったり、或いは複数の形状パラメータを測定可能であっ
ても個々の形状パラメータを測定する度に被測定工具を
設置し直す必要があり煩瑣性の問題がある。更には、創
成製作または再研削された工具の寸法、形状精度のデー
タを、工具本体または工具を保持するための工具ホルダ
に備えられた所謂工具IDチップに記録して、工具の交
換、再研削時期の決定、或いは再研削する場合の履歴デ
ータに使用することが、近時実施されるようになってお
り、こうした工具IDチップに測定データを書き込み、
或いはIDチップから読み取り可能な工具測定装置が要
求されている。
作機械製造メーカにおける創成製作、或いは再研削の最
終工程で、その寸法、形状精度が測定される。この測定
される形状パラメータは、例えばエンドミルやボールエ
ンドミル、ツイストドリル等の切削工具においては、工
具全長、刃長、工具径、刃の振れ、テーパ角、ボール半
径、すくい角、逃げ角、ねじれ角、逃げ面幅等、その工
具が使用される加工目的や要求される精度により多岐に
渡っている。従来、こうした工具の寸法、形状精度は、
例えばJIS規格に規定された測定方法、つまりノギス
やマイクロメータ、ダイヤルゲージ等を駆使して測定さ
れてきた。こうした従来の測定方法は、工作機械の精度
がそれほど高くない場合には簡便であり有効な方法であ
った。然しながら近時、工作機械の動作性能が高くなる
のに伴い、工作精度の向上のために寸法、形状精度のよ
り高い工具が要求されるようになっている。高精度の工
具に対しては、従来の測定方法では要求される寸法精
度、形状精度まで測定することが困難である。そこで、
こうした近時の状況を踏まえて、より高度な測定装置、
或いは測定方法として透過型レーザ測定装置等により光
学的、非接触式に工具の寸法、形状精度を測定する方
法、装置が提案されており実用化に至っている。然しな
がら、これら提案された測定方法、装置は、いずれも特
定の形状パラメータを専門的に測定する方法、装置であ
ったり、或いは複数の形状パラメータを測定可能であっ
ても個々の形状パラメータを測定する度に被測定工具を
設置し直す必要があり煩瑣性の問題がある。更には、創
成製作または再研削された工具の寸法、形状精度のデー
タを、工具本体または工具を保持するための工具ホルダ
に備えられた所謂工具IDチップに記録して、工具の交
換、再研削時期の決定、或いは再研削する場合の履歴デ
ータに使用することが、近時実施されるようになってお
り、こうした工具IDチップに測定データを書き込み、
或いはIDチップから読み取り可能な工具測定装置が要
求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、エンドミルやボールエンドミル、ツイストドリル等
の複雑な形状を有する切削工具の工具全長、刃長、工具
径、刃の振れ、テーパ角、ボール半径、すくい角、逃げ
角、ねじれ角、逃げ面幅等の多数の寸法、形状精度を1
回の段取りにより簡単、迅速に、かつ高精度に測定可能
な工具測定装置を提供することにある。
は、エンドミルやボールエンドミル、ツイストドリル等
の複雑な形状を有する切削工具の工具全長、刃長、工具
径、刃の振れ、テーパ角、ボール半径、すくい角、逃げ
角、ねじれ角、逃げ面幅等の多数の寸法、形状精度を1
回の段取りにより簡単、迅速に、かつ高精度に測定可能
な工具測定装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、エンドミルやツイストドリル等の工
具の寸法、形状精度を測定するための測定装置であっ
て、前記工具を所定の略水平な軸線の回りに回転自在に
保持すると共に、その回転角度を検知可能に構成された
工具保持手段と、前記工具を保持する前記工具保持手段
を前記軸線の回りに回転駆動するための回転駆動手段
と、略水平面内で前記軸線の方向、及び同軸線に対して
垂直な方向に動作可能に構成されると共に、その変位量
を検知可能に構成されたテーブル手段と、前記テーブル
手段を、各々所定の軸線に沿って直線駆動させるための
テーブル駆動手段と、レーザ発振器とレーザ受光素子と
を有し、該レーザ発振器とレーザ受光素子との間の測定
領域にレーザ光線を走査して、測定対象物により遮蔽さ
れたレーザ光線の明暗に対応する出力電圧により、測定
対象物の寸法を測定可能に構成された透過型レーザ測定
装置であって、前記測定領域が互いに垂直となるように
前記テーブル上に固定された2つの透過形レーザ測定器
と、前記工具保持手段により所定位置に保持された工具
を、上方より観察可能に前記テーブル上に固定された顕
微鏡であって、その光軸が前記軸線に対して垂直となる
ように配置された顕微鏡と、前記工具の表面に接触し
て、該工具の鉛直方向の寸法を測定可能に構成された電
気マイクロメータと、測定された前記工具の前記軸線回
りの回転角と、前記テーブル手段の各々の案内手段に沿
った移動量と、前記透過形レーザ測定器による測定値
と、前記電気マイクロメータによる測定値を所定の手順
に従って演算、処理して前記工具の寸法、形状パラメー
タを得る演算、処理手段とを具備して構成され、前記工
具保持手段に保持された工具の寸法、形状精度等の複数
の形状パラメータを、非接触式に、或いは接触式にて順
次測定可能な工具測定装置が提供される。
めに、本発明では、エンドミルやツイストドリル等の工
具の寸法、形状精度を測定するための測定装置であっ
て、前記工具を所定の略水平な軸線の回りに回転自在に
保持すると共に、その回転角度を検知可能に構成された
工具保持手段と、前記工具を保持する前記工具保持手段
を前記軸線の回りに回転駆動するための回転駆動手段
と、略水平面内で前記軸線の方向、及び同軸線に対して
垂直な方向に動作可能に構成されると共に、その変位量
を検知可能に構成されたテーブル手段と、前記テーブル
手段を、各々所定の軸線に沿って直線駆動させるための
テーブル駆動手段と、レーザ発振器とレーザ受光素子と
を有し、該レーザ発振器とレーザ受光素子との間の測定
領域にレーザ光線を走査して、測定対象物により遮蔽さ
れたレーザ光線の明暗に対応する出力電圧により、測定
対象物の寸法を測定可能に構成された透過型レーザ測定
装置であって、前記測定領域が互いに垂直となるように
前記テーブル上に固定された2つの透過形レーザ測定器
と、前記工具保持手段により所定位置に保持された工具
を、上方より観察可能に前記テーブル上に固定された顕
微鏡であって、その光軸が前記軸線に対して垂直となる
ように配置された顕微鏡と、前記工具の表面に接触し
て、該工具の鉛直方向の寸法を測定可能に構成された電
気マイクロメータと、測定された前記工具の前記軸線回
りの回転角と、前記テーブル手段の各々の案内手段に沿
った移動量と、前記透過形レーザ測定器による測定値
と、前記電気マイクロメータによる測定値を所定の手順
に従って演算、処理して前記工具の寸法、形状パラメー
タを得る演算、処理手段とを具備して構成され、前記工
具保持手段に保持された工具の寸法、形状精度等の複数
の形状パラメータを、非接触式に、或いは接触式にて順
次測定可能な工具測定装置が提供される。
【0005】
【実施例】先ず、図1から図5を参照して本発明に係る
工具測定装置の構成について説明する。本発明による工
具測定装置は、被測定工具24を把持し所定位置に固定
するために、定盤(ベース)2の上面に固定されたワー
クヘッド18を具備している。該ワークヘッド18は、
略水平な所定の軸線a軸回りに回転自在に設けられたワ
ークスピンドル20を有している。該ワークスピンドル
20の先端には被測定工具24を固定するためのチャッ
ク22が設けられている。被測定工具24は該チャック
22により、その回転軸を上記a軸と一致させて回転自
在に所定位置に固定される。また、被測定工具24を保
持するチャック22は、被測定工具24のシャンク末端
と当接して同シャンク末端を所定位置S(図9参照)に
停止させるための停止手段(図示せず)を有している。
前記ワークスピンドル20は電動モータ25により回転
駆動され、その角度位置は、該ワークスピンドル20の
回転軸(以下a軸と記述する)と同軸に設けられたロー
タリエンコーダ等の角度位置検出手段28により検出さ
れる。また、該ワークスピンドル20は、電動モータ2
5と同軸に設けられたハンドル26により手操作によっ
ても回転駆動されるように構成されている。
工具測定装置の構成について説明する。本発明による工
具測定装置は、被測定工具24を把持し所定位置に固定
するために、定盤(ベース)2の上面に固定されたワー
クヘッド18を具備している。該ワークヘッド18は、
略水平な所定の軸線a軸回りに回転自在に設けられたワ
ークスピンドル20を有している。該ワークスピンドル
20の先端には被測定工具24を固定するためのチャッ
ク22が設けられている。被測定工具24は該チャック
22により、その回転軸を上記a軸と一致させて回転自
在に所定位置に固定される。また、被測定工具24を保
持するチャック22は、被測定工具24のシャンク末端
と当接して同シャンク末端を所定位置S(図9参照)に
停止させるための停止手段(図示せず)を有している。
前記ワークスピンドル20は電動モータ25により回転
駆動され、その角度位置は、該ワークスピンドル20の
回転軸(以下a軸と記述する)と同軸に設けられたロー
タリエンコーダ等の角度位置検出手段28により検出さ
れる。また、該ワークスピンドル20は、電動モータ2
5と同軸に設けられたハンドル26により手操作によっ
ても回転駆動されるように構成されている。
【0006】前記定盤2の上面には、また、前記軸線a
に対して平行に延設された、アリガイド等の周知の案内
手段より成るX軸ガイド4が固定されており、X軸テー
ブル6が該X軸ガイド4に沿って滑動自在に設けられて
いる。ここで、X軸ガイド4に沿ってX座標を定義す
る。前記X軸テーブル6は電動モータ34によりボール
ネジ(図示せず)を介して駆動される。該X軸テーブル
6は、また、電動モータ34と同軸のハンドル36を用
いて手操作により移動させることも可能である。該X軸
テーブル6のX軸方向の変位量は、X軸上の任意の基準
点P1 (図示せず)に対する移動距離として、リニアエ
ンコーダ等の位置検出手段(図示せず)により検出され
る。
に対して平行に延設された、アリガイド等の周知の案内
手段より成るX軸ガイド4が固定されており、X軸テー
ブル6が該X軸ガイド4に沿って滑動自在に設けられて
いる。ここで、X軸ガイド4に沿ってX座標を定義す
る。前記X軸テーブル6は電動モータ34によりボール
ネジ(図示せず)を介して駆動される。該X軸テーブル
6は、また、電動モータ34と同軸のハンドル36を用
いて手操作により移動させることも可能である。該X軸
テーブル6のX軸方向の変位量は、X軸上の任意の基準
点P1 (図示せず)に対する移動距離として、リニアエ
ンコーダ等の位置検出手段(図示せず)により検出され
る。
【0007】前記X軸テーブル6の上面にはローラーガ
イド等の周知の案内手段より成るU軸ガイド10(図3
参照)が固定されている。該U軸ガイド10は前記a軸
およびX軸と平行に延設されており、U軸テーブル12
が該U軸ガイド10に沿って滑動自在に設けられてい
る。ここで、該U軸ガイド10に沿ってU座標を定義す
る。U軸テーブル12は電動モータ38によりボールネ
ジ(図示せず)を介して駆動される。U軸テーブル12
は、また、X軸テーブル6と同様に電動モータ38と同
軸のハンドル40を用いて手操作により移動させること
も可能である。該U軸テーブル12のU軸方向の変位量
は、U軸上の任意の基準点P2 (図示せず)に対する移
動距離として、リニアエンコーダ等の位置検出手段(図
示せず)により検出される。該U軸テーブル12は、X
軸ガイド4とU軸ガイド10との組み合わせにより、X
軸ガイド4に沿って高速に移動して粗位置決めされ、U
軸ガイド10に沿って低速移動して微細位置決めされる
ように構成されている。然しながら、各々のガイドに沿
った位置検出精度には差異は無く、いずれも数μのオー
ダで高精度に検出される。
イド等の周知の案内手段より成るU軸ガイド10(図3
参照)が固定されている。該U軸ガイド10は前記a軸
およびX軸と平行に延設されており、U軸テーブル12
が該U軸ガイド10に沿って滑動自在に設けられてい
る。ここで、該U軸ガイド10に沿ってU座標を定義す
る。U軸テーブル12は電動モータ38によりボールネ
ジ(図示せず)を介して駆動される。U軸テーブル12
は、また、X軸テーブル6と同様に電動モータ38と同
軸のハンドル40を用いて手操作により移動させること
も可能である。該U軸テーブル12のU軸方向の変位量
は、U軸上の任意の基準点P2 (図示せず)に対する移
動距離として、リニアエンコーダ等の位置検出手段(図
示せず)により検出される。該U軸テーブル12は、X
軸ガイド4とU軸ガイド10との組み合わせにより、X
軸ガイド4に沿って高速に移動して粗位置決めされ、U
軸ガイド10に沿って低速移動して微細位置決めされる
ように構成されている。然しながら、各々のガイドに沿
った位置検出精度には差異は無く、いずれも数μのオー
ダで高精度に検出される。
【0008】U軸テーブル12の上面には、X軸および
U軸に対して略垂直に延設されたローラーガイド等の周
知の案内手段より成るY軸ガイド14(図1参照)が固
定されており、Y軸テーブル16が該Y軸ガイド14に
沿って滑動自在に設けられている。ここで、該Y軸ガイ
ド14に沿ってY座標を定義する。そして、更に、上記
X、U軸およびY軸に垂直に、略鉛直方向にZ座標を定
義する。Y軸テーブル16は電動モータ48によりボー
ルネジ(図示せず)を介して駆動される。Y軸テーブル
16は、また、X軸テーブル6やU軸テーブル12と同
様に、電動モータ48と同軸のハンドル50を用いて手
操作により移動させることも可能である。該Y軸テーブ
ル16のY軸方向の変位量は、Y軸上の任意の基準点P
3 (図示せず)に対する移動距離として、リニアエンコ
ーダ等の位置検出手段(図示せず)により検出される。
U軸に対して略垂直に延設されたローラーガイド等の周
知の案内手段より成るY軸ガイド14(図1参照)が固
定されており、Y軸テーブル16が該Y軸ガイド14に
沿って滑動自在に設けられている。ここで、該Y軸ガイ
ド14に沿ってY座標を定義する。そして、更に、上記
X、U軸およびY軸に垂直に、略鉛直方向にZ座標を定
義する。Y軸テーブル16は電動モータ48によりボー
ルネジ(図示せず)を介して駆動される。Y軸テーブル
16は、また、X軸テーブル6やU軸テーブル12と同
様に、電動モータ48と同軸のハンドル50を用いて手
操作により移動させることも可能である。該Y軸テーブ
ル16のY軸方向の変位量は、Y軸上の任意の基準点P
3 (図示せず)に対する移動距離として、リニアエンコ
ーダ等の位置検出手段(図示せず)により検出される。
【0009】Y軸テーブル16の上面には2組の透過型
レーザ測定装置42、44が設けられている。該透過型
レーザ測定装置42、44はレーザ発振器とレーザ受光
素子とを有しており、レーザ発振器から照射されたレー
ザ光線は高速回転する多角形反射鏡(例えば、8面体の
略円筒状の反射鏡)により反射され、コリメータレンズ
により平行光線となって測定領域を高速で走査し、集光
レンズにより受光素子に集光されるように構成されてい
る。測定領域を走査するレーザ光線は、同測定領域に配
置された測定対象物(本発明においては被測定工具2
4)により遮蔽され、前記受光素子はこの遮蔽されたレ
ーザ光線の明暗に対応する出力電圧を出力する。そし
て、該透過型レーザ測定装置は前記出力電圧によりレー
ザ光線の影の部分の寸法(つまり測定対象物の寸法)、
或いは反対にレーザ光線の透過している部分の寸法(つ
まりナイフエッジ等のレーザ光線遮蔽物と測定対象物と
の間隔の寸法)の双方を測定可能に構成されている。図
1、2、3を参照すると、上記2組の透過型レーザ測定
装置42、44は、一方のレーザ測定装置42がX、U
軸およびY軸に対して垂直にレーザ光線を照射し、他方
のレーザ測定装置44が、X、U軸およびZ軸に対して
垂直にレーザ光線を照射するように配置されていること
が理解される。つまり、上記レーザ測定装置42、44
の各測定領域L1 、L2 は相互に垂直に構成されてい
る。
レーザ測定装置42、44が設けられている。該透過型
レーザ測定装置42、44はレーザ発振器とレーザ受光
素子とを有しており、レーザ発振器から照射されたレー
ザ光線は高速回転する多角形反射鏡(例えば、8面体の
略円筒状の反射鏡)により反射され、コリメータレンズ
により平行光線となって測定領域を高速で走査し、集光
レンズにより受光素子に集光されるように構成されてい
る。測定領域を走査するレーザ光線は、同測定領域に配
置された測定対象物(本発明においては被測定工具2
4)により遮蔽され、前記受光素子はこの遮蔽されたレ
ーザ光線の明暗に対応する出力電圧を出力する。そし
て、該透過型レーザ測定装置は前記出力電圧によりレー
ザ光線の影の部分の寸法(つまり測定対象物の寸法)、
或いは反対にレーザ光線の透過している部分の寸法(つ
まりナイフエッジ等のレーザ光線遮蔽物と測定対象物と
の間隔の寸法)の双方を測定可能に構成されている。図
1、2、3を参照すると、上記2組の透過型レーザ測定
装置42、44は、一方のレーザ測定装置42がX、U
軸およびY軸に対して垂直にレーザ光線を照射し、他方
のレーザ測定装置44が、X、U軸およびZ軸に対して
垂直にレーザ光線を照射するように配置されていること
が理解される。つまり、上記レーザ測定装置42、44
の各測定領域L1 、L2 は相互に垂直に構成されてい
る。
【0010】更に、U軸テーブル12の上面には、X軸
テーブル6またはU軸テーブル12をX軸またはU軸上
に沿って被測定工具24に対して相対的に位置決めする
ための顕微鏡30が固定されている。該顕微鏡30は、
その光軸が被測定工具24の回転軸aと垂直に交差する
ように予め配置されており、該顕微鏡30により上方か
ら被測定工具24を目視、観察しながら、U軸テーブル
12とX軸テーブル6を各々U軸ガイド10とX軸ガイ
ド4に沿って適宜に移動させ、以て両者の相対的位置を
調節するように構成されている。また、上記顕微鏡30
に小型カメラ(CCDカメラ)を備えて、ディスプレー
上(図示せず)に拡大表示して目視、観察を容易にし、
或いは複数の作業員により同時的に目視、観察して作業
員の訓練に役立てることも可能である。
テーブル6またはU軸テーブル12をX軸またはU軸上
に沿って被測定工具24に対して相対的に位置決めする
ための顕微鏡30が固定されている。該顕微鏡30は、
その光軸が被測定工具24の回転軸aと垂直に交差する
ように予め配置されており、該顕微鏡30により上方か
ら被測定工具24を目視、観察しながら、U軸テーブル
12とX軸テーブル6を各々U軸ガイド10とX軸ガイ
ド4に沿って適宜に移動させ、以て両者の相対的位置を
調節するように構成されている。また、上記顕微鏡30
に小型カメラ(CCDカメラ)を備えて、ディスプレー
上(図示せず)に拡大表示して目視、観察を容易にし、
或いは複数の作業員により同時的に目視、観察して作業
員の訓練に役立てることも可能である。
【0011】Y軸テーブル12の上面にはX、U軸と垂
直に配置された周知の案内手段より成るV軸ガイド60
が固定されており、V軸テーブル62が該V軸ガイド6
0に沿って移動可能に設けられている。V軸テーブル6
2には、電気マイクロメータ52を取り付けるための固
定部材58が略垂直に立設されており、該固定部材58
はボルト等の周知の方法によりV軸テーブル62の所定
位置に固定されている。そして、固定部材58はブラケ
ット54を有しており、該ブラケット54は固定部材5
8に沿って鉛直方向に移動可能に設けられており、先端
部に電気マイクロメータ52が取着されている。該電気
マイクロメータ52は、静電容量式または変位トランス
式の周知の電気マイクロメータであり、その先端の測定
部が測定対象物と接触して移動し、その変位量を電気的
に変換して長さを電気的に測定するように構成されてい
る。本実施例において該電気マイクロメータ52は、先
端の測定部が略鉛直方向に移動するように配置されてお
り、被測定工具24の鉛直方向の寸法を測定するように
構成されている。更に、ブラケット54は直線線上を前
進、後退する周知のマイクロメータ56により前記固定
部材58に沿って鉛直方向に調節され、被測定工具24
に対する電気マイクロメータ52の先端の測定部の鉛直
方向の位置は、該マイクロメータ56により調節され
る。上記電気マイクロメータ52は、主に被測定工具2
4の切れ刃の逃げ角およびすくい角を測定するための手
段であり、逃げ角およびすくい角以外の測定パラメータ
を測定する間は、他の測定手段との干渉を回避するため
に、上記V軸テーブル62をV軸ガイド60に沿って移
動させ、或いはマイクロメータ56によりブラケット5
4を鉛直方向に移動させて、該電気マイクロメータ52
を測定領域から離隔する。
直に配置された周知の案内手段より成るV軸ガイド60
が固定されており、V軸テーブル62が該V軸ガイド6
0に沿って移動可能に設けられている。V軸テーブル6
2には、電気マイクロメータ52を取り付けるための固
定部材58が略垂直に立設されており、該固定部材58
はボルト等の周知の方法によりV軸テーブル62の所定
位置に固定されている。そして、固定部材58はブラケ
ット54を有しており、該ブラケット54は固定部材5
8に沿って鉛直方向に移動可能に設けられており、先端
部に電気マイクロメータ52が取着されている。該電気
マイクロメータ52は、静電容量式または変位トランス
式の周知の電気マイクロメータであり、その先端の測定
部が測定対象物と接触して移動し、その変位量を電気的
に変換して長さを電気的に測定するように構成されてい
る。本実施例において該電気マイクロメータ52は、先
端の測定部が略鉛直方向に移動するように配置されてお
り、被測定工具24の鉛直方向の寸法を測定するように
構成されている。更に、ブラケット54は直線線上を前
進、後退する周知のマイクロメータ56により前記固定
部材58に沿って鉛直方向に調節され、被測定工具24
に対する電気マイクロメータ52の先端の測定部の鉛直
方向の位置は、該マイクロメータ56により調節され
る。上記電気マイクロメータ52は、主に被測定工具2
4の切れ刃の逃げ角およびすくい角を測定するための手
段であり、逃げ角およびすくい角以外の測定パラメータ
を測定する間は、他の測定手段との干渉を回避するため
に、上記V軸テーブル62をV軸ガイド60に沿って移
動させ、或いはマイクロメータ56によりブラケット5
4を鉛直方向に移動させて、該電気マイクロメータ52
を測定領域から離隔する。
【0012】これまで、本発明による工具測定装置の構
成を図1から図5に基づいて説明してきたが、更に、装
置の構成を理解し易くするために測定領域の概略図であ
る図6を参照して、本発明による工具測定装置の構成を
説明する。図6を参照すると、被測定工具24はチャッ
ク22を介してワークスピンドル20に取着されてい
る。ワークスピンドル20は、所定の軸線aの回りに回
転自在にワークヘッド18に取着されているが、同軸線
aに沿って長手方向には動作不能に構成されている。従
って、被測定工具24もまた軸線aの回りには回転可能
であるが、同軸線aに沿って長手方向には動作不能に固
定されている。これに対して、測定手段たる透過型レー
ザ測定装置42、44(図6では各々の透過型レーザ測
定装置42、44から照射されるレーザ光線による測定
領域L1 、L2のみが示されている)と、顕微鏡30
と、電気マイクロメータ52は、X軸、U軸、Y軸方向
に移動可能に構成されたテーブル6、12、16上に固
定されている。従って、本発明による工具測定装置は、
被測定工具24を回転軸回りに回転させ、或いは各テー
ブルをX、U軸およびY軸方向に移動させて、その移動
距離を測定することにより、被測定工具24の各部の寸
法、形状精度を測定するように構成されている。種々の
測定パラメータを順次測定するために、例えば、被測定
工具または測定手段を極座標的に動作させる方法も存在
するが、本発明による工具測定装置は、上記被測定工具
24の回転軸a回りの回転角と、テーブルの垂直に交差
する2方向の直線的変位という、比較的測定が容易で、
しかも高精度に測定可能な測定方法を組み合わせること
により、測定値の精度を保証している点が1つの特徴と
なっている。なお、これまでの説明および図6から明ら
かなように、略水平に延設されたワークスピンドル20
の回転軸、つまり被測定工具24の回転軸をa軸とし、
該a軸対して平行にX軸およびU軸を、該a軸、X軸、
U軸に対して垂直な略水平方向にY軸を、そしてa軸、
X軸、U軸、Y軸に対して垂直な略鉛直方向にZ軸を規
定する。
成を図1から図5に基づいて説明してきたが、更に、装
置の構成を理解し易くするために測定領域の概略図であ
る図6を参照して、本発明による工具測定装置の構成を
説明する。図6を参照すると、被測定工具24はチャッ
ク22を介してワークスピンドル20に取着されてい
る。ワークスピンドル20は、所定の軸線aの回りに回
転自在にワークヘッド18に取着されているが、同軸線
aに沿って長手方向には動作不能に構成されている。従
って、被測定工具24もまた軸線aの回りには回転可能
であるが、同軸線aに沿って長手方向には動作不能に固
定されている。これに対して、測定手段たる透過型レー
ザ測定装置42、44(図6では各々の透過型レーザ測
定装置42、44から照射されるレーザ光線による測定
領域L1 、L2のみが示されている)と、顕微鏡30
と、電気マイクロメータ52は、X軸、U軸、Y軸方向
に移動可能に構成されたテーブル6、12、16上に固
定されている。従って、本発明による工具測定装置は、
被測定工具24を回転軸回りに回転させ、或いは各テー
ブルをX、U軸およびY軸方向に移動させて、その移動
距離を測定することにより、被測定工具24の各部の寸
法、形状精度を測定するように構成されている。種々の
測定パラメータを順次測定するために、例えば、被測定
工具または測定手段を極座標的に動作させる方法も存在
するが、本発明による工具測定装置は、上記被測定工具
24の回転軸a回りの回転角と、テーブルの垂直に交差
する2方向の直線的変位という、比較的測定が容易で、
しかも高精度に測定可能な測定方法を組み合わせること
により、測定値の精度を保証している点が1つの特徴と
なっている。なお、これまでの説明および図6から明ら
かなように、略水平に延設されたワークスピンドル20
の回転軸、つまり被測定工具24の回転軸をa軸とし、
該a軸対して平行にX軸およびU軸を、該a軸、X軸、
U軸に対して垂直な略水平方向にY軸を、そしてa軸、
X軸、U軸、Y軸に対して垂直な略鉛直方向にZ軸を規
定する。
【0013】次に、本発明による工具測定装置のシステ
ム構成の概略を示す図7を参照すると、工具測定装置本
体720はシステム的に大きく分けて、計測部721
と、駆動制御部726とから構成されていることが理解
される。駆動制御部726は上記X軸テーブル6と、U
軸テーブル12と、Y軸テーブル16を、各々X軸、U
軸、Y軸に沿って動作させるためのパルスモータ34、
38、48とワークスピンドル20をa軸の回りに回転
させるためのパルスモータ25から成る一連のパルスモ
ータ群727と、テーブルの動作を所定の移動範囲から
逸脱しないように羈束するためのリミットスイッチ72
8とにより構成されている。他方、計測部721はX軸
テーブル6、U軸テーブル12、Y軸テーブル16の各
テーブルのX軸、U軸、Y軸に沿った位置を検出し、マ
イクロメータ56のZ軸に沿った位置を検出するための
一連の検出手段722と、ワークスピンドル20の角度
位置を検出するためのロータリエンコーダ28より成る
角度位置検出手段723と、透過型レーザ測定装置4
2、44より成る光学検出手段724と、電気マイクロ
メータ52より成る接触式の位置検出手段725とから
構成されている。
ム構成の概略を示す図7を参照すると、工具測定装置本
体720はシステム的に大きく分けて、計測部721
と、駆動制御部726とから構成されていることが理解
される。駆動制御部726は上記X軸テーブル6と、U
軸テーブル12と、Y軸テーブル16を、各々X軸、U
軸、Y軸に沿って動作させるためのパルスモータ34、
38、48とワークスピンドル20をa軸の回りに回転
させるためのパルスモータ25から成る一連のパルスモ
ータ群727と、テーブルの動作を所定の移動範囲から
逸脱しないように羈束するためのリミットスイッチ72
8とにより構成されている。他方、計測部721はX軸
テーブル6、U軸テーブル12、Y軸テーブル16の各
テーブルのX軸、U軸、Y軸に沿った位置を検出し、マ
イクロメータ56のZ軸に沿った位置を検出するための
一連の検出手段722と、ワークスピンドル20の角度
位置を検出するためのロータリエンコーダ28より成る
角度位置検出手段723と、透過型レーザ測定装置4
2、44より成る光学検出手段724と、電気マイクロ
メータ52より成る接触式の位置検出手段725とから
構成されている。
【0014】そして、工具測定装置本体720は、バス
ライン714を中心として各種のインターフェース71
3、715、716と、CPU712と、メモリ711
等により構成されるマイクロコンピュータ710により
数値制御される。そして、上記計測部721により読み
込まれた各データもまた、CPU712により自動的に
演算、処理される。更に、コンピュータ710はインタ
ーフェース713を介して、工具IDチップライタおよ
びリーダ731と、キーボード732と、ディスプレイ
734と、プリンタ735、外部メモリ736等とに接
続しており外部とデータを交換可能に構成されている。
ここで、上記工具IDチップは上述したように工具の創
成製作、再研削の履歴を保存するために、工具または工
具を保持するための工具ホルダに具備されるメモリチッ
プである。上述の記載から理解されるように、本発明に
よる工具測定装置は測定されたデータに基づいて工具各
部の寸法、形状精度を自動的に演算、処理すると共に、
こうして得られた工具の寸法、形状精度を自動的に上記
工具IDチップに書き込み可能に構成されている点が1
つの利点となっている。
ライン714を中心として各種のインターフェース71
3、715、716と、CPU712と、メモリ711
等により構成されるマイクロコンピュータ710により
数値制御される。そして、上記計測部721により読み
込まれた各データもまた、CPU712により自動的に
演算、処理される。更に、コンピュータ710はインタ
ーフェース713を介して、工具IDチップライタおよ
びリーダ731と、キーボード732と、ディスプレイ
734と、プリンタ735、外部メモリ736等とに接
続しており外部とデータを交換可能に構成されている。
ここで、上記工具IDチップは上述したように工具の創
成製作、再研削の履歴を保存するために、工具または工
具を保持するための工具ホルダに具備されるメモリチッ
プである。上述の記載から理解されるように、本発明に
よる工具測定装置は測定されたデータに基づいて工具各
部の寸法、形状精度を自動的に演算、処理すると共に、
こうして得られた工具の寸法、形状精度を自動的に上記
工具IDチップに書き込み可能に構成されている点が1
つの利点となっている。
【0015】以下に、本発明による工具測定装置による
工具各部の測定方法を説明するが、それに先立ち本発明
による工具測定装置により測定される工具の形状パラメ
ータについて説明する。図8を参照すると、本発明によ
る工具測定装置の測定対象となる工具は、エンドミル、
ボールエンドミル、ツイストドリル等であり、主たる測
定対象パラメータは工具全長l0 、刃長l1 、工具径
D、刃の振れΔr、テーパ角ΘT 、ボール半径R、すく
い角ΘR 、逃げ角ΘC 、ねじれ角ΘH 、逃げ面幅BF 等
である。工具全長l0 は、工具の回転軸に平行に測定し
た切れ刃先端からシャンク末端までの長さである。刃長
l1 は、工具の軸に平行に測定した刃部の長さである。
工具径Dは刃部先端外形の寸法である。刃の振れΔr
は、シャンクを基準として回転したときの外周刃の半径
方向の最大値と最小値との差である。テーパ角ΘTは刃
部のテーパである。ボール半径Rは、ボールエンドミル
の球状先端部の半径であり、本発明による第1の実施例
では、創成製作または再研削する場合の目標値R0 と創
成製作または再研削された工具の実際の値Rとの最大誤
差δRmax ととして評価され、第2の実施例ではボール
半径の平均値Rm により評価される。逃げ角ΘC は仕上
げ面に対する逃げ面の角度である。すくい角ΘR は基準
面に対する切れ刃のすくい面の傾きを表す角度である。
ねじれ角ΘH はねじれのつる巻き線とその一点を通過す
る軸に平行な直線とがなす角度である。逃げ面幅B
F は、仕上げ面との接触を回避するために逃がした面の
幅である。上記形状パラメータは、本発明による工具測
定装置の実施例を説明するために単に一例として列挙し
たものであり、本発明による工具測定装置は、例えば、
溝長や、みぞ幅、マージン幅等上記パラメータ以外にも
測定可能であることは言うまでもない。
工具各部の測定方法を説明するが、それに先立ち本発明
による工具測定装置により測定される工具の形状パラメ
ータについて説明する。図8を参照すると、本発明によ
る工具測定装置の測定対象となる工具は、エンドミル、
ボールエンドミル、ツイストドリル等であり、主たる測
定対象パラメータは工具全長l0 、刃長l1 、工具径
D、刃の振れΔr、テーパ角ΘT 、ボール半径R、すく
い角ΘR 、逃げ角ΘC 、ねじれ角ΘH 、逃げ面幅BF 等
である。工具全長l0 は、工具の回転軸に平行に測定し
た切れ刃先端からシャンク末端までの長さである。刃長
l1 は、工具の軸に平行に測定した刃部の長さである。
工具径Dは刃部先端外形の寸法である。刃の振れΔr
は、シャンクを基準として回転したときの外周刃の半径
方向の最大値と最小値との差である。テーパ角ΘTは刃
部のテーパである。ボール半径Rは、ボールエンドミル
の球状先端部の半径であり、本発明による第1の実施例
では、創成製作または再研削する場合の目標値R0 と創
成製作または再研削された工具の実際の値Rとの最大誤
差δRmax ととして評価され、第2の実施例ではボール
半径の平均値Rm により評価される。逃げ角ΘC は仕上
げ面に対する逃げ面の角度である。すくい角ΘR は基準
面に対する切れ刃のすくい面の傾きを表す角度である。
ねじれ角ΘH はねじれのつる巻き線とその一点を通過す
る軸に平行な直線とがなす角度である。逃げ面幅B
F は、仕上げ面との接触を回避するために逃がした面の
幅である。上記形状パラメータは、本発明による工具測
定装置の実施例を説明するために単に一例として列挙し
たものであり、本発明による工具測定装置は、例えば、
溝長や、みぞ幅、マージン幅等上記パラメータ以外にも
測定可能であることは言うまでもない。
【0016】図9を参照して工具長l0 の測定方法につ
いて説明する。上述のように、被測定工具24を保持す
るチャック22は、被測定工具24のシャンク末端と接
触して同シャンク末端を所定位置Sに停止させるための
停止手段を有している。また、ワークヘッド18、ワー
クスピンドル20およびチャック22はa軸に沿って移
動しないので、X軸上の所定点P1 と上記所定点Sとの
間の距離lは予め測定され定数としてマイクロコンピュ
ータ710のメモリ711内に記録、保持される。透過
型レーザ測定装置44によりレーザ光線を走査し、レー
ザ測定領域L2 をa軸に対して垂直な断面方向に形成す
る(図9には透過型レーザ測定装置44によるレーザ測
定領域L2 が示されている)。次いで、X軸テーブル6
またはU軸テーブル12をX軸またはU軸に沿って移動
させ、上記レーザ測定領域L2 を被測定工具24の切れ
刃先端に一致させる。そして、レーザ測定領域L2 の位
置をX軸テーブル6およびU軸テーブル12の位置座標
を基礎として求め、上記X軸上の所定点P1 と被測定工
具24の先端との間の距離dlを測定する。被測定工具
24の工具長l0 は以下の式より求められる。 l0 =dl−l
いて説明する。上述のように、被測定工具24を保持す
るチャック22は、被測定工具24のシャンク末端と接
触して同シャンク末端を所定位置Sに停止させるための
停止手段を有している。また、ワークヘッド18、ワー
クスピンドル20およびチャック22はa軸に沿って移
動しないので、X軸上の所定点P1 と上記所定点Sとの
間の距離lは予め測定され定数としてマイクロコンピュ
ータ710のメモリ711内に記録、保持される。透過
型レーザ測定装置44によりレーザ光線を走査し、レー
ザ測定領域L2 をa軸に対して垂直な断面方向に形成す
る(図9には透過型レーザ測定装置44によるレーザ測
定領域L2 が示されている)。次いで、X軸テーブル6
またはU軸テーブル12をX軸またはU軸に沿って移動
させ、上記レーザ測定領域L2 を被測定工具24の切れ
刃先端に一致させる。そして、レーザ測定領域L2 の位
置をX軸テーブル6およびU軸テーブル12の位置座標
を基礎として求め、上記X軸上の所定点P1 と被測定工
具24の先端との間の距離dlを測定する。被測定工具
24の工具長l0 は以下の式より求められる。 l0 =dl−l
【0017】図10を参照して刃長l1 の測定方法につ
いて説明する。先ず、X軸テーブル6またはU軸テーブ
ル12を各々X軸ガイド4、U軸ガイド10に沿って移
動し、顕微鏡30の焦点を被測定工具24の切れ刃の先
端に一致させ、次いで、X軸テーブル6またはU軸テー
ブル12を再びX軸ガイド4、U軸ガイド10に沿って
移動させて、顕微鏡30の焦点を切れ刃の終端に一致さ
せる。このときの顕微鏡30のX軸またはU軸に沿った
移動距離を、X軸テーブル6またはU軸テーブル12の
位置座標を基礎に求め刃長l1 とする。
いて説明する。先ず、X軸テーブル6またはU軸テーブ
ル12を各々X軸ガイド4、U軸ガイド10に沿って移
動し、顕微鏡30の焦点を被測定工具24の切れ刃の先
端に一致させ、次いで、X軸テーブル6またはU軸テー
ブル12を再びX軸ガイド4、U軸ガイド10に沿って
移動させて、顕微鏡30の焦点を切れ刃の終端に一致さ
せる。このときの顕微鏡30のX軸またはU軸に沿った
移動距離を、X軸テーブル6またはU軸テーブル12の
位置座標を基礎に求め刃長l1 とする。
【0018】図11から図14を参照して工具径Dの測
定方法を説明する。先ず、透過型レーザ測定装置44に
よる測定領域L2 をa軸に垂直な断面方向に形成する
(図11には透過型レーザ測定装置44によるレーザ測
定領域L2 が示されている)。次いで、X軸テーブル6
またはU軸テーブル12をX軸ガイド4またはUガイド
10に沿って移動し、上記レーザ測定領域L1 またはL
2 を被測定工具24の工具径Dを測定する所望の位置に
合わせる。次いで、被測定工具24をワークスピンドル
20によりa軸の回りに低速で回転させ、このとき被測
定工具24レーザ光線を遮蔽した長さの最大値Dmax を
工具径Dとする(図12参照)。
定方法を説明する。先ず、透過型レーザ測定装置44に
よる測定領域L2 をa軸に垂直な断面方向に形成する
(図11には透過型レーザ測定装置44によるレーザ測
定領域L2 が示されている)。次いで、X軸テーブル6
またはU軸テーブル12をX軸ガイド4またはUガイド
10に沿って移動し、上記レーザ測定領域L1 またはL
2 を被測定工具24の工具径Dを測定する所望の位置に
合わせる。次いで、被測定工具24をワークスピンドル
20によりa軸の回りに低速で回転させ、このとき被測
定工具24レーザ光線を遮蔽した長さの最大値Dmax を
工具径Dとする(図12参照)。
【0019】被測定工具24が有する切れ刃の数が、図
12に示すように偶数(図12に示す被測定工具24は
2枚刃である)の場合には、上記測定方法により工具径
Dを測定するために格別の問題はない。然しながら、図
13に図示するように切れ刃の数が奇数(図13に示す
被測定工具24は3枚刃である)の場合には、上記測定
方法で測定される値は、実際の工具径Dとは異なること
が理解される。そこで本発明では図14に示すように、
先ず、ナイフエッジ64をa軸からの距離zで、レーザ
測定領域L2 の一部を遮蔽するように配置する。次い
で、切れ刃端部68と該ナイフエッジ64の先端66と
の間の距離dzを測定する。このとき工具径Dは、所定
値zと、測定値dzの最小値dzmin とにより以下の式
から求められる。 D=2・(z−dzmin )
12に示すように偶数(図12に示す被測定工具24は
2枚刃である)の場合には、上記測定方法により工具径
Dを測定するために格別の問題はない。然しながら、図
13に図示するように切れ刃の数が奇数(図13に示す
被測定工具24は3枚刃である)の場合には、上記測定
方法で測定される値は、実際の工具径Dとは異なること
が理解される。そこで本発明では図14に示すように、
先ず、ナイフエッジ64をa軸からの距離zで、レーザ
測定領域L2 の一部を遮蔽するように配置する。次い
で、切れ刃端部68と該ナイフエッジ64の先端66と
の間の距離dzを測定する。このとき工具径Dは、所定
値zと、測定値dzの最小値dzmin とにより以下の式
から求められる。 D=2・(z−dzmin )
【0020】次に、刃の振れΔrの測定方法について説
明する。刃の振れΔrは、図14と同様にレーザ測定領
域L2 にナイフエッジを配置して測定される。つまり、
上述のように被測定工具24を低速で回転させながら、
dzを測定する。このとき刃の振れΔrは、得られたd
zの最大値dzmax と、最小値dzmin とに基づき以下
の式から求められる。 Δr=dzmax −dzmin
明する。刃の振れΔrは、図14と同様にレーザ測定領
域L2 にナイフエッジを配置して測定される。つまり、
上述のように被測定工具24を低速で回転させながら、
dzを測定する。このとき刃の振れΔrは、得られたd
zの最大値dzmax と、最小値dzmin とに基づき以下
の式から求められる。 Δr=dzmax −dzmin
【0021】次に、図15を参照して工具のテーパ角Θ
T の測定方法を説明する。先ず、被測定工具24の先端
部近傍の第1の位置において、上記工具径Dの測定方法
により第1の工具径D1 を測定する。次いで、X軸テー
ブル6またはU軸テーブル12を、図15の矢印で示す
ようにワークヘッド18の方向に所定距離u移動させ、
第2の位置において同様に第2の工具径D2 を測定す
る。このときテーパ角ΘT は以下の式から求められる。 ΘT =Tan-1(((D1 −D2 )/2))/u 上記方法に対して、第1の位置と第2の位置とを入れ換
えて同様に測定可能であることは言うまでもない。
T の測定方法を説明する。先ず、被測定工具24の先端
部近傍の第1の位置において、上記工具径Dの測定方法
により第1の工具径D1 を測定する。次いで、X軸テー
ブル6またはU軸テーブル12を、図15の矢印で示す
ようにワークヘッド18の方向に所定距離u移動させ、
第2の位置において同様に第2の工具径D2 を測定す
る。このときテーパ角ΘT は以下の式から求められる。 ΘT =Tan-1(((D1 −D2 )/2))/u 上記方法に対して、第1の位置と第2の位置とを入れ換
えて同様に測定可能であることは言うまでもない。
【0022】次に、図16から図22を参照してボール
エンドミル等の球状先端部のボール半径Rの測定方法に
ついて説明する。上述のように、本発明の第1の実施例
においてボール半径Rは、創成製作または再研削する目
標値R0 と実際に創成製作または再研削させれ工具のボ
ール半径Rとの最大度誤差δRmax とを用いて、 R=R0 ±δRmax により評価される。そして、第2の実施例ではボール半
径の平均値Rm により評価される。
エンドミル等の球状先端部のボール半径Rの測定方法に
ついて説明する。上述のように、本発明の第1の実施例
においてボール半径Rは、創成製作または再研削する目
標値R0 と実際に創成製作または再研削させれ工具のボ
ール半径Rとの最大度誤差δRmax とを用いて、 R=R0 ±δRmax により評価される。そして、第2の実施例ではボール半
径の平均値Rm により評価される。
【0023】ボール半径Rは、ボールエンドミル等の工
具の球状先端部の半径であるから、1つの方法として、
図14に示した工具径Dの測定方法と同様の方法により
工具の球状先端部の任意の位置における工具径Dを測定
し、この工具径Dから演算により求めることができる。
つまり、図16(a)を参照すると、ボールエンドミル
等の被測定工具24の球状先端部が理想的な球形に創成
製作または再研削されたとして、その仮想的な中心Oを
通過するY軸に平行な軸線から所望の距離uにおいて、
透過型レーザ測定装置44によりレーザ光線を球状先端
部に走査し、この位置における工具径Dを測定する。こ
のとき、球状先端部のボール半径Rは、以下の式により
表される。 R=(u2 +(D/2)2 )1/2 或いは、図16(b)に示すように、a軸からの距離y
において、透過型レーザ測定装置42によりレーザ光線
を工具の球状先端部を走査して、この位置における球状
先端部の中心Oを通過するY軸からの距離duを測定す
る。このとき、ボール半径Rは以下の式により表され
る。 R=(du2 +y2 )1/2
具の球状先端部の半径であるから、1つの方法として、
図14に示した工具径Dの測定方法と同様の方法により
工具の球状先端部の任意の位置における工具径Dを測定
し、この工具径Dから演算により求めることができる。
つまり、図16(a)を参照すると、ボールエンドミル
等の被測定工具24の球状先端部が理想的な球形に創成
製作または再研削されたとして、その仮想的な中心Oを
通過するY軸に平行な軸線から所望の距離uにおいて、
透過型レーザ測定装置44によりレーザ光線を球状先端
部に走査し、この位置における工具径Dを測定する。こ
のとき、球状先端部のボール半径Rは、以下の式により
表される。 R=(u2 +(D/2)2 )1/2 或いは、図16(b)に示すように、a軸からの距離y
において、透過型レーザ測定装置42によりレーザ光線
を工具の球状先端部を走査して、この位置における球状
先端部の中心Oを通過するY軸からの距離duを測定す
る。このとき、ボール半径Rは以下の式により表され
る。 R=(du2 +y2 )1/2
【0024】然しながら、上記方法には若干の問題があ
る。透過型レーザ測定装置から照射されるレーザ光線
は、周知のように一定のスポット径δr(通常3/10
0mmから5/100mm)を有しており、各々の方法
により得られた測定値は、球状先端部の一定領域におい
ては誤差が大きくなる。つまり、図16(a)に示した
方法では、工具先端点PP近傍において正確な測定が困
難となり(図17(a)参照)、同様に図16(b)に
示した方法では、工具の球状先端部と円筒部の接合点S
S近傍において正確な測定が困難となる(図17(b)
参照)という問題である。これを回避するために、例え
ば図18に図示するように、透過型レーザ測定装置42
を後部の球状先端部の中心Oを通過するZ軸回りに18
0°回転させる方法、或いは反対に被測定工具24を回
転させる方法が考え得る。然しながら、透過型レーザ測
定装置42を回転させる、或いは被測定工具24を回転
させるためにはその駆動、位置決め機構が複雑となり、
その結果、装置の大型化が不可避となるばかりではな
く、測定誤差も大きくなるという新たな問題が生じる。
る。透過型レーザ測定装置から照射されるレーザ光線
は、周知のように一定のスポット径δr(通常3/10
0mmから5/100mm)を有しており、各々の方法
により得られた測定値は、球状先端部の一定領域におい
ては誤差が大きくなる。つまり、図16(a)に示した
方法では、工具先端点PP近傍において正確な測定が困
難となり(図17(a)参照)、同様に図16(b)に
示した方法では、工具の球状先端部と円筒部の接合点S
S近傍において正確な測定が困難となる(図17(b)
参照)という問題である。これを回避するために、例え
ば図18に図示するように、透過型レーザ測定装置42
を後部の球状先端部の中心Oを通過するZ軸回りに18
0°回転させる方法、或いは反対に被測定工具24を回
転させる方法が考え得る。然しながら、透過型レーザ測
定装置42を回転させる、或いは被測定工具24を回転
させるためにはその駆動、位置決め機構が複雑となり、
その結果、装置の大型化が不可避となるばかりではな
く、測定誤差も大きくなるという新たな問題が生じる。
【0025】そこで本発明による工具測定装置では、図
19に示すように被測定工具24の球状先端部の中心O
に関して、軸線aからの角度αにおいて測定領域を領域
I、領域IIの2つに分割し、領域Iでは透過型レーザ
測定装置42(図19では透過型レーザ測定装置42に
よるレーザ測定領域L1 で図示している)により、そし
て領域IIでは透過型レーザ測定装置44(図19では
透過型レーザ測定装置44によるレーザ測定領域L2 で
図示している)により各々独立して測定するように構成
し、上記問題を克服している。ここで、上記2つの透過
型レーザ測定装置42、44を、各々のレーザ測定領域
L1 、L2 が相互に重なるように配置すると、一方のレ
ーザ測定領域L1 またはL2 に配置されたナイフエッジ
70または64が、他方のレーザ測定領域L2またはL
1 と干渉して測定を阻害する。そこで、本発明による工
具測定装置では、図20(a)、(b)に示すように、
各々のレーザ測定領域L1 、L2 に設けられたナイフエ
ッジ70、64が他方のレーザ測定領域L2 、L1 と干
渉しないように、透過型レーザ測定装置42、44を相
互に所定距離v、wだけオフセットしている。
19に示すように被測定工具24の球状先端部の中心O
に関して、軸線aからの角度αにおいて測定領域を領域
I、領域IIの2つに分割し、領域Iでは透過型レーザ
測定装置42(図19では透過型レーザ測定装置42に
よるレーザ測定領域L1 で図示している)により、そし
て領域IIでは透過型レーザ測定装置44(図19では
透過型レーザ測定装置44によるレーザ測定領域L2 で
図示している)により各々独立して測定するように構成
し、上記問題を克服している。ここで、上記2つの透過
型レーザ測定装置42、44を、各々のレーザ測定領域
L1 、L2 が相互に重なるように配置すると、一方のレ
ーザ測定領域L1 またはL2 に配置されたナイフエッジ
70または64が、他方のレーザ測定領域L2またはL
1 と干渉して測定を阻害する。そこで、本発明による工
具測定装置では、図20(a)、(b)に示すように、
各々のレーザ測定領域L1 、L2 に設けられたナイフエ
ッジ70、64が他方のレーザ測定領域L2 、L1 と干
渉しないように、透過型レーザ測定装置42、44を相
互に所定距離v、wだけオフセットしている。
【0026】図19を参照して、第1の実施例によるボ
ール半径Rの測定方法を更に詳細に説明する。領域Iの
測定において、ナイフエッジ70を球状先端部の仮想的
な中心Oを通過するY軸方向の軸線から所定距離uui
の位置に配置する。次いで、被測定工具24の回転軸a
から任意の距離yi の位置において、透過型レーザ測定
装置42により被測定工具の先端部を走査して、上記ナ
イフエッジ70の先端72と被測定工具24の測定点7
4との間の距離dui を測定する。このとき、測定点7
4の座標は(ui , yi )で示され、(ui , yi )に
おけるボール半径R1iは、以下の式により表される。 ui =uui −dui R1i=(ui 2 +yi 2 )1/2 yi の値を領域I内において順次変化させて上記測定お
よび演算を繰り返し、N1 個のR1iを得る。
ール半径Rの測定方法を更に詳細に説明する。領域Iの
測定において、ナイフエッジ70を球状先端部の仮想的
な中心Oを通過するY軸方向の軸線から所定距離uui
の位置に配置する。次いで、被測定工具24の回転軸a
から任意の距離yi の位置において、透過型レーザ測定
装置42により被測定工具の先端部を走査して、上記ナ
イフエッジ70の先端72と被測定工具24の測定点7
4との間の距離dui を測定する。このとき、測定点7
4の座標は(ui , yi )で示され、(ui , yi )に
おけるボール半径R1iは、以下の式により表される。 ui =uui −dui R1i=(ui 2 +yi 2 )1/2 yi の値を領域I内において順次変化させて上記測定お
よび演算を繰り返し、N1 個のR1iを得る。
【0027】領域IIの測定において、ナイフエッジ6
4を軸線aから所定距離zzj の位置に配置する。次い
で、球状先端部の仮想的な中心Oを通過するY軸方向の
軸線から任意の距離uj の位置において、透過型レーザ
測定想定44により被測定工具24の球状先端部を走査
して、上記ナイフエッジ64の先端66と被測定工具2
4の測定点68との間の距離dzj を測定する。このと
き、測定点68の座標は(uj , zj )で示され、(u
j , zj )におけるボール半径R1jは、以下の式により
表される。 zj =zzj −dzj R2j=(uj 2 +zj 2 )1/2 uj の値を領域I内において順次変化させて上記測定お
よび演算を繰り返し、N2 個のR2jを得る。そして、得
られたR1i(i=1〜N1 )、R2j(j=1〜N2 )
と、ボール半径の目標値R0 とにより、ボール半径の誤
差δR1i、δR2jを、 δR1i=|R0 −R1i|、δR2j=|R0 −R2j| の式から求め、その最大値δRmax を用いてボール半径
Rを、 R=R0 ±δRmax として評価する。
4を軸線aから所定距離zzj の位置に配置する。次い
で、球状先端部の仮想的な中心Oを通過するY軸方向の
軸線から任意の距離uj の位置において、透過型レーザ
測定想定44により被測定工具24の球状先端部を走査
して、上記ナイフエッジ64の先端66と被測定工具2
4の測定点68との間の距離dzj を測定する。このと
き、測定点68の座標は(uj , zj )で示され、(u
j , zj )におけるボール半径R1jは、以下の式により
表される。 zj =zzj −dzj R2j=(uj 2 +zj 2 )1/2 uj の値を領域I内において順次変化させて上記測定お
よび演算を繰り返し、N2 個のR2jを得る。そして、得
られたR1i(i=1〜N1 )、R2j(j=1〜N2 )
と、ボール半径の目標値R0 とにより、ボール半径の誤
差δR1i、δR2jを、 δR1i=|R0 −R1i|、δR2j=|R0 −R2j| の式から求め、その最大値δRmax を用いてボール半径
Rを、 R=R0 ±δRmax として評価する。
【0028】次に、ボール半径Rの測定方法の第2の実
施例を説明する。第1の実施例では、ボールエンドミル
等の球状先端部の中心Oを創成製作、再研削する際の理
想的な中心Oとして仮想してボール半径Rを測定した。
然しながら、創成製作、再研削されたボールエンドミル
の端部は現実には完全な球形には成形されないので、理
想的な球形を仮定してその中心Oを想定すると、測定さ
れたボール半径Rには中心Oを想定したことによる誤差
が含まれることになる。そこで、本発明の第2の実施例
では図21に示すように、実際に創成製作、再研削され
た被測定工具24の球状先端部を透過型レーザ測定器4
2により走査して、被測定工具24のU軸方向に最も突
出した点PPを検出し、該点PPを通過するU軸に平行
な軸線を被測定工具24の中心軸aaとし、該中心軸a
a上に球状先端部の中心Oを求め、実際の形状に即した
測定方法により上記誤差を可及的に低減している。
施例を説明する。第1の実施例では、ボールエンドミル
等の球状先端部の中心Oを創成製作、再研削する際の理
想的な中心Oとして仮想してボール半径Rを測定した。
然しながら、創成製作、再研削されたボールエンドミル
の端部は現実には完全な球形には成形されないので、理
想的な球形を仮定してその中心Oを想定すると、測定さ
れたボール半径Rには中心Oを想定したことによる誤差
が含まれることになる。そこで、本発明の第2の実施例
では図21に示すように、実際に創成製作、再研削され
た被測定工具24の球状先端部を透過型レーザ測定器4
2により走査して、被測定工具24のU軸方向に最も突
出した点PPを検出し、該点PPを通過するU軸に平行
な軸線を被測定工具24の中心軸aaとし、該中心軸a
a上に球状先端部の中心Oを求め、実際の形状に即した
測定方法により上記誤差を可及的に低減している。
【0029】図22を参照すると、先ず領域Iにおいて
透過型レーザ測定装置42の測定領域L1 をaa軸から
任意の位置y1iに配置する。次いで、u軸上の所定点P
2 から所定の距離uu1iの位置に、測定領域L1 の一部
を遮蔽するようにナイフエッジ70を配置し、該ナイフ
エッジ70の先端部72と、被測定工具24のy1iにお
ける測定点74との間の距離du1iを測定し、 u1i=uu1i−du1i からui を求める。上記測定を領域I内においてy1iの
値を変化させて繰り返し(u1i、y1i)を求める。次
に、領域IIにおいて、透過型レーザ測定装置44の測
定領域L2 をu軸上の所定点P2 からの距離u2iに配置
する。次いで、a軸から所定の距離yy2iの位置に、測
定領域L2 の一部を遮蔽するようにナイフエッジ64を
配置し、該ナイフエッジ64の先端66と、被測定工具
24のu2iにおける測定点68との間の距離dy2iを測
定し、 y2i=yy2i−dy2i からy2iを求める。上記測定を領域II内においてu2i
の値を変化させて繰り返し(u2i,y2i)を求める。こ
こで、領域IIにおける測定方法の説明の便宜上、本来
zで表示すべき変数がyで表示されている点を注意す
る。
透過型レーザ測定装置42の測定領域L1 をaa軸から
任意の位置y1iに配置する。次いで、u軸上の所定点P
2 から所定の距離uu1iの位置に、測定領域L1 の一部
を遮蔽するようにナイフエッジ70を配置し、該ナイフ
エッジ70の先端部72と、被測定工具24のy1iにお
ける測定点74との間の距離du1iを測定し、 u1i=uu1i−du1i からui を求める。上記測定を領域I内においてy1iの
値を変化させて繰り返し(u1i、y1i)を求める。次
に、領域IIにおいて、透過型レーザ測定装置44の測
定領域L2 をu軸上の所定点P2 からの距離u2iに配置
する。次いで、a軸から所定の距離yy2iの位置に、測
定領域L2 の一部を遮蔽するようにナイフエッジ64を
配置し、該ナイフエッジ64の先端66と、被測定工具
24のu2iにおける測定点68との間の距離dy2iを測
定し、 y2i=yy2i−dy2i からy2iを求める。上記測定を領域II内においてu2i
の値を変化させて繰り返し(u2i,y2i)を求める。こ
こで、領域IIにおける測定方法の説明の便宜上、本来
zで表示すべき変数がyで表示されている点を注意す
る。
【0030】こうして、被測定工具24の球状先端部の
輪郭は、離散的な点の集合(u1i,y1i)および
(u2i,y2i)として求められる。これまでの説明で
は、便宜的に領域Iにおける測定点には下付の添字1
を、そして領域IIにおける測定点には下付の添字2を
付して表示したが、実際にCPU内で実行される演算、
処理過程では領域I、IIに関係なく複数の離散的な輪
郭点の集合(ui ,yi )として処理される。以下に得
られデータの演算、処理方法について説明する。上述の
ようにして得られた球状先端部の輪郭を示す点の集合か
ら、任意に2つの点を選択し第1の点を(ui ,
yi )、第2の点を(uj ,yj )とする。該2点を結
ぶ線分の2等分線は、 (ui −uj )・u+(yi −yj )・y+C=0 C=(ui −uj )・(ui +uj )+(yi −yj )・(yi −yj ) で表される。該2等分線と中心軸aaとの交点は、(−
C/(ui −uj ),0)であるから、点(ui ,
yi )におけるボール半径Rijは、 Rij=((ui +C/(ui −uj ))2 +yi )1/2
輪郭は、離散的な点の集合(u1i,y1i)および
(u2i,y2i)として求められる。これまでの説明で
は、便宜的に領域Iにおける測定点には下付の添字1
を、そして領域IIにおける測定点には下付の添字2を
付して表示したが、実際にCPU内で実行される演算、
処理過程では領域I、IIに関係なく複数の離散的な輪
郭点の集合(ui ,yi )として処理される。以下に得
られデータの演算、処理方法について説明する。上述の
ようにして得られた球状先端部の輪郭を示す点の集合か
ら、任意に2つの点を選択し第1の点を(ui ,
yi )、第2の点を(uj ,yj )とする。該2点を結
ぶ線分の2等分線は、 (ui −uj )・u+(yi −yj )・y+C=0 C=(ui −uj )・(ui +uj )+(yi −yj )・(yi −yj ) で表される。該2等分線と中心軸aaとの交点は、(−
C/(ui −uj ),0)であるから、点(ui ,
yi )におけるボール半径Rijは、 Rij=((ui +C/(ui −uj ))2 +yi )1/2
【0031】上記演算を、全ての点の組み合わせに付い
て実行する。つまり、ある輪郭点(ui ,yi )につい
てn−1個のボール半径Rij(i, j=1〜n,i≠
j:nは得られた輪郭点の総数)が求められる。次い
で、得られたボール半径Rijを平均化するが、ここで、
ボール半径Rijを求める基礎となった2点(ui ,
yi )、(uj ,yj )間の距離が長い組み合わせによ
り求められたボール半径Rijの方が、2点間の距離が短
い組み合わせにより求められたボール半径Rijよりも信
頼性が高いと考えられる。そこで、この信頼性の高さを
以下に示す重み係数ωijにより評価してRijを平均化
し、より精度の高いボール半径を求める。 ωij=1/(tanΘi +tanΘj ) このとき、平均ボール半径Rm は、 Rm =(ΣΣωij・Rij)/ΣΣωij により求められる。
て実行する。つまり、ある輪郭点(ui ,yi )につい
てn−1個のボール半径Rij(i, j=1〜n,i≠
j:nは得られた輪郭点の総数)が求められる。次い
で、得られたボール半径Rijを平均化するが、ここで、
ボール半径Rijを求める基礎となった2点(ui ,
yi )、(uj ,yj )間の距離が長い組み合わせによ
り求められたボール半径Rijの方が、2点間の距離が短
い組み合わせにより求められたボール半径Rijよりも信
頼性が高いと考えられる。そこで、この信頼性の高さを
以下に示す重み係数ωijにより評価してRijを平均化
し、より精度の高いボール半径を求める。 ωij=1/(tanΘi +tanΘj ) このとき、平均ボール半径Rm は、 Rm =(ΣΣωij・Rij)/ΣΣωij により求められる。
【0032】次に、図23から図26を参照して、すく
い角ΘR および逃げ角ΘC の測定方法について説明す
る。従来、すくい角ΘR および逃げ角ΘC は、例えば図
23、24に示すように、先ずブロックを使用して、被
測定工具の直径上の両側の刃を水平に調節し、次いで周
知のすくい角、逃げ角測定用ブレードを用いて測定して
いた。こうした測定方法は簡便であるが、測定誤差が大
きいばかりではなく、すくい角、逃げ角測定用ブレード
の被測定工具へのあてがい方や、目盛りの読み方が測定
者により一定していなかったり、或いは工具の創成製
作、再研削の履歴を保存するための工具IDティップへ
の入力が自動的に実施されない等の問題がある。
い角ΘR および逃げ角ΘC の測定方法について説明す
る。従来、すくい角ΘR および逃げ角ΘC は、例えば図
23、24に示すように、先ずブロックを使用して、被
測定工具の直径上の両側の刃を水平に調節し、次いで周
知のすくい角、逃げ角測定用ブレードを用いて測定して
いた。こうした測定方法は簡便であるが、測定誤差が大
きいばかりではなく、すくい角、逃げ角測定用ブレード
の被測定工具へのあてがい方や、目盛りの読み方が測定
者により一定していなかったり、或いは工具の創成製
作、再研削の履歴を保存するための工具IDティップへ
の入力が自動的に実施されない等の問題がある。
【0033】そこで、上記問題を解決するために本発明
では、先ず、図25に示すように、顕微鏡30を使用し
て被測定工具24の切れ刃両面を鉛直面内で、被測定工
具24の軸心、つまり軸線aと一致するように、被測定
工具24をa軸回りに調節する。次いで、図26(a)
に図示するように、電気マイクロメータ52の先端を被
測定工具24の刃先76に調節し、そして同電気マイク
ロメータ52の先端を逃げ面上を所定距離y移動させ、
電気マイクロメータ52の鉛直方向の移動距離dzを測
定する。このとき逃げ角ΘC は、次式により表される。 ΘC =Tan-1(dz/y) 次いで、図26(b)に図示するように、被測定工具2
4をa軸回りに90°回転させ、同様に電気マイクロメ
ータ52の先端を、被測定工具24の刃先76に調節
し、そして同電気マイクロメータ52の先端を逃げ面上
を所定距離y移動させ、電気マイクロメータ52の鉛直
方向の移動距離dzを測定する。このときすくい角ΘR
は、次式により表される。 ΘR =Tan-1(dz/y)
では、先ず、図25に示すように、顕微鏡30を使用し
て被測定工具24の切れ刃両面を鉛直面内で、被測定工
具24の軸心、つまり軸線aと一致するように、被測定
工具24をa軸回りに調節する。次いで、図26(a)
に図示するように、電気マイクロメータ52の先端を被
測定工具24の刃先76に調節し、そして同電気マイク
ロメータ52の先端を逃げ面上を所定距離y移動させ、
電気マイクロメータ52の鉛直方向の移動距離dzを測
定する。このとき逃げ角ΘC は、次式により表される。 ΘC =Tan-1(dz/y) 次いで、図26(b)に図示するように、被測定工具2
4をa軸回りに90°回転させ、同様に電気マイクロメ
ータ52の先端を、被測定工具24の刃先76に調節
し、そして同電気マイクロメータ52の先端を逃げ面上
を所定距離y移動させ、電気マイクロメータ52の鉛直
方向の移動距離dzを測定する。このときすくい角ΘR
は、次式により表される。 ΘR =Tan-1(dz/y)
【0034】次に、図27、28を参照して工具のねじ
れ角ΘH の測定方法について説明する。従来、ねじれ角
は、例えば図27に示すようにダイヤルゲージを用い
て、刃の1リード分の長さdlを測定し、 ΘH =Tan-1(2πr/dl) として求めていた。然しながら、従来の測定方法は1リ
ード分の長さを正確に測定することが困難であったり、
工具IDチップへの工具履歴の入力が自動的に実施され
ない等の問題がある。そこで、本発明では図28に示す
ように、先ず、顕微鏡30を用いて、工具の切れ刃上の
任意の位置に焦点を合わせ、次いで、顕微鏡30をX、
U軸方向に所定距離u移動させ、再び顕微鏡30の焦点
が被測定工具24の切れ刃上に結ぶように、被測定工具
24をa軸回りに回転させ、その回転角dΘ°を測定す
る。このとき、ねじれ角ΘH は次式により求められる。 ΘH =Tan-1(2πr/u・dΘ°/360°) 尚、上述の方法は、所定距離u移動いた位置において、
顕微鏡30の焦点が再び合うまで被測定工具24を回転
させて、ねじれ角を測定したが、然しながら、透過型レ
ーザ測定装置44を用いて、ねじれ角を求めることも可
能である。つまり、工具径の測定と同様に、被測定工具
24のa軸上のある位置においてレーザ光線を照射しな
がら、被測定工具24をa軸回りに回転させ、工具径が
最大となる角度位置に調節する。次いで、X軸テーブル
6またはU軸テーブル12を所定距離u移動させ、再
び、被測定工具24をa軸回りに回転させて工具径が最
大となる角度位置に調節する。このとき、uと被測定工
具24の回転角dΘ°から同様にねじれ角が求められ
る。
れ角ΘH の測定方法について説明する。従来、ねじれ角
は、例えば図27に示すようにダイヤルゲージを用い
て、刃の1リード分の長さdlを測定し、 ΘH =Tan-1(2πr/dl) として求めていた。然しながら、従来の測定方法は1リ
ード分の長さを正確に測定することが困難であったり、
工具IDチップへの工具履歴の入力が自動的に実施され
ない等の問題がある。そこで、本発明では図28に示す
ように、先ず、顕微鏡30を用いて、工具の切れ刃上の
任意の位置に焦点を合わせ、次いで、顕微鏡30をX、
U軸方向に所定距離u移動させ、再び顕微鏡30の焦点
が被測定工具24の切れ刃上に結ぶように、被測定工具
24をa軸回りに回転させ、その回転角dΘ°を測定す
る。このとき、ねじれ角ΘH は次式により求められる。 ΘH =Tan-1(2πr/u・dΘ°/360°) 尚、上述の方法は、所定距離u移動いた位置において、
顕微鏡30の焦点が再び合うまで被測定工具24を回転
させて、ねじれ角を測定したが、然しながら、透過型レ
ーザ測定装置44を用いて、ねじれ角を求めることも可
能である。つまり、工具径の測定と同様に、被測定工具
24のa軸上のある位置においてレーザ光線を照射しな
がら、被測定工具24をa軸回りに回転させ、工具径が
最大となる角度位置に調節する。次いで、X軸テーブル
6またはU軸テーブル12を所定距離u移動させ、再
び、被測定工具24をa軸回りに回転させて工具径が最
大となる角度位置に調節する。このとき、uと被測定工
具24の回転角dΘ°から同様にねじれ角が求められ
る。
【0035】次に、図29を参照して逃げ面幅BF の測
定方法について説明する。逃げ面の測定は、先ず、顕微
鏡30を用いて被測定工具24の逃げ面の端部に焦点を
合わせ、次いで、顕微鏡の焦点が逃げ面の反対側の端部
に一致するように同顕微鏡30をX、U軸方向に移動、
調節してその移動距離duを測定する。このとき、逃げ
面幅BF は、上述の方法により求められたねじれ角ΘH
を用いて次式により求められる。 BF =du・sinΘH
定方法について説明する。逃げ面の測定は、先ず、顕微
鏡30を用いて被測定工具24の逃げ面の端部に焦点を
合わせ、次いで、顕微鏡の焦点が逃げ面の反対側の端部
に一致するように同顕微鏡30をX、U軸方向に移動、
調節してその移動距離duを測定する。このとき、逃げ
面幅BF は、上述の方法により求められたねじれ角ΘH
を用いて次式により求められる。 BF =du・sinΘH
【0036】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
による工具測定装置により、ドリルやエンドミル等の工
具の、複数の形状、寸法パラメータを1回の段取りによ
り順次測定可能となり、創成製作または再研削された工
具の形状、寸法測定に要する時間が短縮可能となると共
に、工具の各測定パラメータの測定は、装置との対話式
により実施されるために、測定過誤や測定者による測定
誤差の変動が低減可能となった。更に、これまでは正確
には測定不可能であったボールエンドミルの形状精度
を、非接触により高精度に測定可能となり、従来面倒で
あった逃げ角やすくい角の測定、或いは現場では計算す
ることが困難であった、ねじれ角や逃げ面幅の測定等が
容易になった。
による工具測定装置により、ドリルやエンドミル等の工
具の、複数の形状、寸法パラメータを1回の段取りによ
り順次測定可能となり、創成製作または再研削された工
具の形状、寸法測定に要する時間が短縮可能となると共
に、工具の各測定パラメータの測定は、装置との対話式
により実施されるために、測定過誤や測定者による測定
誤差の変動が低減可能となった。更に、これまでは正確
には測定不可能であったボールエンドミルの形状精度
を、非接触により高精度に測定可能となり、従来面倒で
あった逃げ角やすくい角の測定、或いは現場では計算す
ることが困難であった、ねじれ角や逃げ面幅の測定等が
容易になった。
【図1】本発明による工具測定装置の立面図である。
【図2】本発明による工具測定装置の平面図である。
【図3】図1の矢示線III−IIIによる断面図であ
る。
る。
【図4】図1の矢示線IV−IVによる断面図である。
【図5】図1の矢示線V−Vによる側面図である。
【図6】本発明による工具測定装置の測定領域の概念図
である。
である。
【図7】本発明による工具測定装置のシステム概念図で
ある。
ある。
【図8】本発明による工具測定装置の測定対象となる工
具の各パラメータを説明するための図である。
具の各パラメータを説明するための図である。
【図9】工具長の測定方法を説明するための図である。
【図10】刃長の測定方法を説明するための図である。
【図11】工具径の測定方法を説明するための図であ
る。
る。
【図12】工具径の測定方法を説明するための図であ
る。
る。
【図13】工具径の測定方法を説明するための図であ
る。
る。
【図14】工具径の測定方法を説明するための図であ
る。
る。
【図15】工具のテーパ角の測定方法を説明するための
図である。
図である。
【図16】工具の球状先端部のボール半径の測定方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図17】工具の球状先端部のボール半径の測定方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図18】工具の球状先端部のボール半径の測定方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図19】工具の球状先端部のボール半径の測定方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図20】工具の球状先端部のボール半径の測定方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図21】工具の球状先端部のボール半径の測定方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図22】工具の球状先端部のボール半径の測定方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図23】従来の、逃げ角とすくい角の測定方法を説明
するための図である。
するための図である。
【図24】従来の、逃げ角とすくい角の測定方法を説明
するための図である。(a)はすくい角、逃げ角測定ブ
レードを使用する逃げ角の測定方法を示す図である。
(b)はすくい角、逃げ角測定ブレードを使用するすく
い角の測定方法を示す図である。
するための図である。(a)はすくい角、逃げ角測定ブ
レードを使用する逃げ角の測定方法を示す図である。
(b)はすくい角、逃げ角測定ブレードを使用するすく
い角の測定方法を示す図である。
【図25】本発明による逃げ角とすくい角の測定方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図26】本発明による逃げ角とすくい角の測定方法を
説明するための図である。(a)は逃げ角の測定方法を
示す図である。(b)はすくい角の測定方法を示す図で
ある。
説明するための図である。(a)は逃げ角の測定方法を
示す図である。(b)はすくい角の測定方法を示す図で
ある。
【図27】従来の、ねじれ角の測定方法を説明するため
の図である。
の図である。
【図28】本発明によるねじれ角の測定方法を説明する
ための図である。
ための図である。
【図29】逃げ面幅の測定方法を説明するための図であ
る。
る。
4…X軸ガイド 6…X軸テーブル 10…U軸ガイド 12…U軸テーブル 14…Y軸ガイド 16…Y軸テーブル 18…ワークヘッド 20…ワークスピンドル 22…チャック 24…被測定工具 25…ワークスピンドル回転駆動用電動モータ 26…ワークスピンドル回転駆動用ハンドル 30…顕微鏡 34…X軸テーブル直線駆動用電動モータ 36…X軸テーブル直線駆動用ハンドル 38…U軸テーブル直線駆動用電動モータ 40…U軸テーブル直線駆動用ハンドル 42…透過型レーザ測定装置 44…透過型レーザ測定装置 48…Y軸テーブル直線駆動用電動モータ 50…Y軸テーブル直線駆動用ハンドル 52…電気マイクロメータ a…被測定工具の回転軸
Claims (1)
- 【請求項1】 エンドミルやツイストドリル等の工具
(24)の寸法、形状精度を測定するための測定装置に
おいて、 前記工具(24)を所定の略水平な軸線(a)の回りに
回転自在に保持すると共に、その回転角度を検知可能に
構成された工具保持手段(18、20、22)と、 前記工具(24)を保持する前記工具保持手段(18、
20、22)を前記軸線(a)の回りに回転駆動するた
めの回転駆動手段(25、26)と、 略水平面内で前記軸線(a)の方向、及び同軸線(a)
に対して垂直な方向に動作可能に構成されると共に、そ
の変位量を検知可能に構成されたテーブル手段(6、1
2、16)と、 前記テーブル手段(6、12、16)を、各々の案内手
段(4、10、14)に沿って直線駆動させるためのテ
ーブル駆動手段(34、36:38、40:48、5
0)と、 レーザ発振器とレーザ受光素子とを有し、該レーザ発振
器とレーザ受光素子との間の測定領域(L1,L2)に
レーザ光線を走査して、測定対象物により遮蔽されたレ
ーザ光線の明暗に対応する出力電圧により、測定対象物
の寸法を測定可能に構成された透過型レーザ測定装置
(42、44)であって、前記測定領域(L1、L2)
が互いに垂直となるように前記テーブル(6、12、1
6)上に固定された2つの透過形レーザ測定器(42、
44)と、 前記工具保持手段(18、20、22)により所定位置
に保持された工具(24)を、上方より観察可能に前記
テーブル(6、12、16)上に固定された顕微鏡(3
0)であって、その光軸が前記軸線(a)に対して垂直
となるように配置された顕微鏡(30)と、 前記工具(24)の表面に接触して、該工具(24)の
鉛直方向の寸法を測定可能に構成された電気マイクロメ
ータ(52)と、 測定された前記工具(24)の前記軸線(a)回りの回
転角と、前記テーブル手段(6、12、16)の各々の
案内手段(4、10、14)に沿った移動量と、前記透
過形レーザ測定器(42、44)による測定値と、前記
電気マイクロメータ(52)による測定値を所定の手順
に従って演算、処理して前記工具(24)の寸法、形状
精度を得る制御装置とを具備して構成され、 前記工具保持手段(18、20、22)に保持された工
具(24)の寸法、形状精度等の複数の形状パラメータ
を非接触式に、或いは接触式にて順次測定可能な工具測
定装置。
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