JPH0610839Y2 - スライド棚の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、収納箱に設けたダボを利用して取り付けるス
ライド棚の構造に関する。

［背景技術］ 従来から収納箱の側板にダボを設け、棚を収納箱内に入
れて棚をダボに係止して支持させることで、収納箱に棚
を取り付けるようにしていた。ところが、従来のダボに
棚を係止して支持させるようにしたものにおいては、棚
が固定的なものであって、棚を収納箱から引き出して使
用するというようなことができず、使用勝手が悪かっ
た。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて考案したものであって、そ
の目的とするところは、収納箱に設けたダボを利用して
取り付けるものであるにもかかわらず、収納箱から棚を
引き出して使用できて使い勝手がよいスライド棚を提供
するにある。

［考案の開示］ 本考案のスライド棚の構造は、対向する一対の側枠６の
後端部間に連結枠７を架設して前端部が開口した略コ字
状の枠体１を形成し、枠体１に対して棚２を前方に引き
出し自在に取着し、各側枠６の長手方向に沿って側方に
向けて開口する凹溝部９を設け、各側枠６の前部に下方
に向けて開口する凹部１０を設け、前方が開口した収納
箱４内部の両側面にそれぞれ隣合うように一対のダボ５
を突設し、収納箱４の奥端側に位置するダボ５に凹溝部
９を着脱自在に係合すると共に収納箱４の前面開口側に
位置するダボ５に凹部１０を着脱自在に係止して成るも
のであって、このような構成を採用することで上記した
本考案の目的を達成できたものである。すなわち本考案
にあっては、棚２を引き出し自在に取り付けた枠体１を
収納箱４に設けたダボ５を利用して収納箱４に取り付け
るので、収納箱４に取り付けた枠体１に対して棚２を引
き出すことができ、棚２を収納箱４内に位置させた状態
やあるいは棚２を収納箱４から外に突出させた状態を選
択して使用できるようになったものである。

以下本考案を実施例により詳述する。枠体１は左右に対
向する一対の側枠６と側枠６の後端部間に架設されて側
枠６同士を連結する連結枠７とを枠組みして構成してあ
る。側枠６は断面リップ付きコ字状をしており、縦片８
の中央部を側枠６内に凹設して凹溝部９が設けてあり、
凹溝部９の前部内には逆Ｕ状をした下向き凹部１０が設
けてあり、凹溝部９の下片から縦片８及び側枠６の下横
片１１にかけて切り欠き部１２が設けてあって、切り欠
き部１２が凹溝部９の下片部分において下向き凹部１０
に連通しているものである。棚２の両側には断面リップ
付きコ字状のカバー部材１３が固着してある。この棚２
は対向する側枠６間にスライド機構１４を介してスライ
ド自在に取り付けられるものである。第４図においては
スライド機構１４を図面上で省略したものとなってい
る。スライド機構１４は第５図に示すように固定側レー
ル１５と移動側レール１６と中間レール１７とにより構
成してあり、固定側レール１５と中間レール１７とがベ
アリング１８を介してスライド自在となっていると共に
中間レール１７と移動側レール１６とがベアリング１８
を介してスライド自在となっている。そして固定側レー
ル１５は側枠６内にはめ込まれてねじなどで固着され、
移動側レール１６はカバー部材１３内にはめ込まれてね
じなどで固着されるものである。したがって側枠６に固
着した固定側レール１５に対して中間レール１７がスラ
イドし、中間レール１７に対して移動側レール１６がス
ライドすることで移動側レール１６を固着した棚２が側
枠６に対してスライドするものである。収納箱４の対向
する側板１９にはダボ５が前後に設けてある。このダボ
５に上記枠体１を着脱自在に取り付けるものであるが、
この場合、凹溝部９及び下向き凹部１０がダボ係止部３
となっている。すなわち、ダボ係止部３である側方及び
後方に開口する凹溝部９を後ろのダボ５に係止し、ダボ
係止部である下方に開口した下向き凹部１０に前のダボ
５を係止するものである。ここで枠体１はダボ５と凹溝
部９との係止により上下方向の抜けが防止され、またダ
ボ５と下向き凹部１０との係止により前後方向及び下へ
の抜けが防止されるものである。

しかして、上記のように枠体１を収納箱４に設けたダボ
５に係止して取り付けるのであるが、棚２は使用に当た
って枠体１から引き出さない状態、あるいは少し引き出
した状態、あるいはいっぱいに引き出した状態を自由に
選べるものである。例えば棚２に収納物を載せて収納し
ている状態で、収納物を取り出したり、あるいは新たに
収納物を載せたりする場合には棚２を引き出して行うと
便利となるものである。

一方棚２の取り付け位置を変えたい場合には、枠体１を
取り外すのであるが、枠体１を取り外すにはまず枠体１
の前部を上方に上げて下向き凹部１０を前のダボ５から
外し、その後に枠体１を前方に引き出すことで凹溝部９
から後ろのダボ５を外すし、別のダボ５に取り付けるも
のである。また棚２が必要でなくなった場合には上記と
同じ手順で枠体１を取り外すものである。

［考案の効果］ 本考案にあっては、叙述のように対向する一対の側枠の
後端部間に連結枠を架設して前端部が開口した略コ字状
の枠体を形成し、枠体に対して棚を前方に引き出し自在
に取着し、各側枠の長手方向に沿って側方に向けて開口
する凹溝部を設け、各側枠の前部に下方に向けて開口す
る凹部を設け、前方が開口した収納箱内部の両側面にそ
れぞれ隣合うように一対のダボを突設し、収納箱の奥端
側に位置するダボに凹溝部を着脱自在に係合すると共に
収納箱の前面開口側に位置するダボに凹部を着脱自在に
係止してあるので、収納箱に取り付けた枠体に対して棚
を引き出すことができ、棚を収納箱内に位置させた状態
やあるいは棚を収納箱から外に突出させた状態を選択し
て使用できるものであり、しかも収納箱に設けたダボを
利用して棚を引き出し自在に取り付けた枠体を取り付け
るので、棚を収納箱に対して引き出し自在とする構成と
するにあたって収納箱には従来と同じようにダボを設け
るだけでよいという利点があり、既存のダボを有する収
納箱にも棚を引き出し自在に取り付けることができるも
のである。また枠体がダボに対して着脱自在であるた
め、棚が必要でないときには枠体を取り外しておくこと
で邪魔にならないようにできるものである。また、枠体
に棚を取付けた状態とし、枠体を収納箱内に入れると共
に収納箱の奥端側に位置するダボを側枠の後端縁より側
枠の凹溝部内に挿入し、次いで収納箱の前面開口側に位
置するダボを凹部に入れることで枠体と棚とを組み立て
た状態で収納箱内に取付けることができるものであり、
また、枠体の前端を上方に持ち上げるようにして凹部を
ダボより外し、枠体を収納箱より引き抜くようにして凹
溝部よりダボを外すことで枠体と棚とを収納箱内より一
緒に取り外すことができるものであり、組み立て及び分
解を手間取ることなく簡易に行うことができ、メンテナ
ンス性を高いものにすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は同上の棚を引き出し
た状態の斜視図、第３図はダボに枠体を取り付けた状態
の側面図、第４図は枠体と棚との一部省略概略分解斜視
図、第５図は枠体と棚とのスライド機構を示す分解斜視
図であって、１は枠体、２は棚、３はダボ係止部、４は
収納箱、５はダボである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対向する一対の側枠の後端部間に連結枠を
   架設して前端部が開口した略コ字状の枠体を形成し、枠
   体に対して棚を前方に引き出し自在に取着し、各側枠の
   長手方向に沿って側方に向けて開口する凹溝部を設け、
   各側枠の前部に下方に向けて開口する凹部を設け、前方
   が開口した収納箱内部の両側面にそれぞれ隣合うように
   一対のダボを突設し、収納箱の奥端側に位置するダボに
   凹溝部を着脱自在に係合すると共に収納箱の前面開口側
   に位置するダボに凹部を着脱自在に係止して成るスライ
   ド棚の構造。