JPH06107943A - 熱可塑性ポリウレタン組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン組成物

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JPH06107943A
JPH06107943A JP25646492A JP25646492A JPH06107943A JP H06107943 A JPH06107943 A JP H06107943A JP 25646492 A JP25646492 A JP 25646492A JP 25646492 A JP25646492 A JP 25646492A JP H06107943 A JPH06107943 A JP H06107943A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長い射出成形時間を採用しない場合において
も高い寸法精度を有する柔軟な射出成形品を製造するこ
とが可能な、低硬度の熱可塑性ポリウレタン樹脂を提供
する。 【構成】 数平均分子量1700以上の高分子ジオール
成分をソフトセグメントとする窒素原子含有率(Na)
が4.0重量%以下の熱可塑性ポリウレタン(a)およ
び窒素原子含有率(Nb)が3.5重量%以上である対
数粘度数0.85dl/g以下の熱可塑性ポリウレタン
(b)からなる熱可塑性ポリウレタン組成物である。こ
の熱可塑性ポリウレタン組成物では、Nb−Naが
0.5重量%以上、(b)の流出開始温度(Tfb)
と(a)の流出開始温度(Tfa)の差(Tfb−Tf
a)が0〜80℃、(a)/(b)の重量比が60/
40〜98/2である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリウレタン
組成物に関する。本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物
は、低硬度であり、かつ射出成形により寸法精度の高い
成形品を与えることから、柔軟性および寸法精度が要求
される成形品の素材として有用である。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタン樹脂は耐衝撃性、
耐屈曲性、耐摩耗性、低温特性、耐油性などに優れた特
性を有しているため、成形材料として広範に利用されて
いる。しかも、近年そのソフトな風合と、しっとりした
タッチ感が注目され、時計バンド、靴底、カメラグリッ
プ、電気・精密機械等のパーツなどの柔軟な射出成形品
としても用途がさらに広がりつつある。しかしながら、
熱可塑性ポリウレタンは一般に射出成形品の寸法精度が
低く、充分な寸法精度を達成するためには長い金型冷却
時間を必要とするという欠点を有しており、とくに、い
わゆる低硬度品と呼ばれる硬度85以下の熱可塑性ポリ
ウレタンには、上記の電気・精密機械等のパーツとして
実用可能な程度に高い寸法精度を有する射出成形品を与
えるものがほとんどないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、長い射
出成形時間を採用しない場合においても高い寸法精度を
有する柔軟な射出成形品を製造することが可能な低硬度
の熱可塑性ポリウレタン樹脂を得るべく検討を行い、低
硬度の熱可塑性ポリウレタン中に少量の高硬度の熱可塑
性ポリウレタンを混合することにより全体の硬さの上昇
を最小限に止め、かつ射出成形での寸法精度を著しく改
善し得る場合があること、この低硬度の熱可塑性ポリウ
レタンと高硬度の熱可塑性ポリウレタンからなる組成物
においては、射出成形時に高硬度の熱可塑性ポリウレタ
ンの未溶融が生じないように、相互の流出開始温度の差
が小さくなるような熱可塑性ポリウレタンの組み合わせ
が重要であることを見出し、さらに検討を重ねた結果、
本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、数平
均分子量1700以上の高分子ジオール成分をソフトセ
グメントとする窒素原子含有率(Na)が4.0重量%
以下の熱可塑性ポリウレタン(a)および窒素原子含有
率(Nb)が3.5重量%以上である対数粘度数0.8
5dl/g以下の熱可塑性ポリウレタン(b)からな
り、NbとNaとの差(Nb−Na)が0.5重量%以
上であり、該熱可塑性ポリウレタン(b)の流出開始温
度(Tfb)と該熱可塑性ポリウレタン(a)の流出開
始温度(Tfa)の差(Tfb−Tfa)が0〜80℃
の範囲内であり、該熱可塑性ポリウレタン(a)と該熱
可塑性ポリウレタン(b)との重量比が(a)/(b)
で60/40〜98/2の範囲内であることを特徴とす
る熱可塑性ポリウレタン組成物である。
【0005】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物を構
成する熱可塑性ポリウレタン(a)および熱可塑性ポリ
ウレタン(b)はそれぞれ、一般に、高分子ジオール、
ジイソシアネートおよび鎖伸長剤をウレタン化反応させ
ることにより製造され、分子主鎖は実質的に、高分子ジ
オール成分からなるソフトセグメントおよびジイソシア
ネート成分と鎖伸長剤成分とからなるハードセグメント
から構成される。
【0006】熱可塑性ポリウレタン(a)を構成する高
分子ジオール成分の数平均分子量は、1700以上であ
ることが必要である。該数平均分子量が1700未満で
あると、得られる射出成形品の寸法精度および機械的性
能が不充分となる。熱可塑性ポリウレタン(a)の高分
子ジオール成分の数平均分子量の上限についてはとくに
制限はないが、高すぎると樹脂の流動性が低下し、射出
成形が困難となることがあるので、射出成形の容易さな
らびに得られる射出成形品の寸法精度および機械的性能
の高さの点から、該数平均分子量は2000〜5000
の範囲内であることが好ましい。一方、熱可塑性ポリウ
レタン(b)の高分子ジオール成分の数平均分子量は、
とくに制限されるものではないが、高すぎると樹脂の流
動性が低下し、射出成形が困難となることがあり、また
低すぎると得られる射出成形品の機械的性能が不充分と
なることがあるので、500〜5000の範囲内である
ことが好ましい。なお、熱可塑性ポリウレタン(a)お
よび熱可塑性ポリウレタン(b)において、それらが含
む高分子ジオール成分の数平均分子量は、製造原料とし
て使用した高分子ジオールの数平均分子量と実質上同じ
である。高分子ジオール成分としては、ポリ(テトラメ
チレンアジペート)ジオール、ポリ(3−メチルペンタ
メチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレン
アジペート)ジオール、1,9−ノナンジオールと2−
メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物をアルキ
レングリコール成分とするポリ(アルキレンアジペー
ト)ジオール、1,9−ノナンジオールと2−メチル−
1,8−オクタンジオールと1,4−ブタンジオールと
の混合物をアルキレングリコール成分とするポリ(アル
キレンアジペート)ジオール、ポリカプロラクトンジオ
ール等のポリエステルジオール;ポリ(ヘキサメチレン
カーボネート)ジオール、1,9−ノナンジオールと2
−メチル−1,8−オクタンジオールとの混合物をアル
キレングリコール成分とするポリ(アルキレンカーボネ
ート)ジオール等のポリカーボネートジオール;ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオ
キシテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオー
ルなどの高分子ジオールから誘導される構成単位が例示
される。熱可塑性ポリウレタン(a)中の高分子ジオー
ル成分および熱可塑性ポリウレタン(b)中の高分子ジ
オール成分については、両者の化学構造および分子量が
同一でもよく、また異なってもよい。
【0007】熱可塑性ポリウレタン(a)および熱可塑
性ポリウレタン(b)をそれぞれ製造するためのジイソ
シアネートとしては4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネートが、また鎖伸長剤としては1,4−ブタンジ
オールが、得られる射出成形品の寸法精度が一層良好と
なり易いことから好ましい。
【0008】熱可塑性ポリウレタン(a)の重量%で表
す窒素原子含有率(Na)は、4.0重量%以下である
ことが必要である。Naが4.0重量%を越える熱可塑
性ポリウレタンでは硬度が高すぎるため、低硬度の熱可
塑性ポリウレタン組成物が得られない。熱可塑性ポリウ
レタン(b)の重量%で表す窒素原子含有率(Nb)
は、3.5重量%以上であることが必要である。Nbが
3.5重量%未満の場合、得られる射出成形品の寸法精
度の向上効果が充分に発現せず、寸法精度を高めるため
に長い射出成形時間が必要となる。またNbとNaとの
差(Nb−Na)は、0.5重量%以上であることが必
要である。該差が0.5重量%未満の場合には、熱可塑
性ポリウレタン(b)の配合に由来する射出成形品の寸
法精度の向上効果が充分に発現しない。なお、熱可塑性
ポリウレタンの窒素原子含有率は、製造原料(高分子ジ
オール、ジイソシアネートおよび鎖伸長剤)の分子量、
組成比等を選択することにより、任意に調節することが
できる。
【0009】熱可塑性ポリウレタン(b)の対数粘度数
(ηinh )は、0.85dl/g以下であることが必要
である。該対数粘度数が0.85dl/gより大きい場
合は、射出成形品の寸法精度の向上効果が充分に発現せ
ず、寸法精度を高めるために長い射出成形時間が必要と
なる。熱可塑性ポリウレタン(b)の対数粘度数の下限
についてとくに制限はないが、低すぎると熱可塑性ポリ
ウレタン(a)との溶融流動性の差が大きくなり、得ら
れる成形品の品質が不均一となりやすくなるので、該対
数粘度数は0.4dl/gを下回らないことが望まし
い。一方、熱可塑性ポリウレタン(a)の対数粘度数に
ついてとくに制限はないが、高すぎると溶融流動性が悪
く、射出成形性が低下し、また低すぎると得られる成形
品の力学的性能が低くなるので、該対数粘度数としては
0.7〜1.3dl/gの範囲内が好ましい。
【0010】熱可塑性ポリウレタン(a)および熱可塑
性ポリウレタン(b)の流出開始温度の差(Tfb−T
fa)は、0〜80℃の範囲内であることが必要であ
る。Tfb−Tfaが80℃を越えると、射出成形時に
熱可塑性ポリウレタン(b)の流動性が不良となり、得
られる射出成形品が不均質となる。
【0011】本発明で使用する上記熱可塑性ポリウレタ
ン(a)および熱可塑性ポリウレタン(b)の製造方法
としては、とくに限定されることなく、公知のポリウレ
タンの製造方法を採用することができる。好ましい製造
方法としては、上記高分子ポリオール、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートお
よび1,4−ブタンジオール等の鎖伸長剤を、溶媒の不
存在下で多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶融重合
法に反応させる方法が挙げられる。また、熱可塑性ポリ
ウレタン(a)および熱可塑性ポリウレタン(b)には
それぞれ、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、
滑剤、着色剤等を任意に添加してもよい。
【0012】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物で
は、熱可塑性ポリウレタン(a)と熱可塑性ポリウレタ
ン(b)との重量比が(a)/(b)で60/40〜9
8/2の範囲内であることが必要である。熱可塑性ポリ
ウレタン(b)が熱可塑性ポリウレタン(a)の60重
量部に対して40重量部より多い場合には、熱可塑性ポ
リウレタン組成物の硬度が高くなり、得られる射出成形
品の柔軟性が不充分となる。また熱可塑性ポリウレタン
(b)が熱可塑性ポリウレタン(a)の98重量部に対
して2重量部より少ない場合には、得られる射出成形品
の寸法精度の向上効果が充分に発現せず、寸法精度を高
めるために長い射出成形時間が必要となる。本発明の熱
可塑性ポリウレタン組成物の形態としては、特に限定さ
れず、熱可塑性ポリウレタン(a)のチップまたはフレ
ークと熱可塑性ポリウレタン(b)のチップまたはフレ
ークとのブレンド物、熱可塑性ポリウレタン(a)と熱
可塑性ポリウレタン(b)とが溶融混練された均一ブレ
ンド物などが例示される。
【0013】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、
通常の熱可塑性ポリウレタンに採用されるような射出成
形法に準じて、各種成形品を製造することができる。本
発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、電気・精密機械
のパーツ等の柔軟性と寸法精度の両方が要求される射出
成形品の素材としてとくに有用である。
【0014】
【作用】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物において
は、副成分の熱可塑性ポリウレタン(b)が、主成分の
熱可塑性ポリウレタン(a)に由来する硬度の低さをあ
まり損なうことなく、射出成形時に核剤として作用する
ために、得られる射出成形品の寸法精度を向上し得るも
のと推定される。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。実施例では化合物名を以下の表1で示す略号で
表す。
【0016】
【表1】
【0017】実施例および比較例で得られた熱可塑性ポ
リウレタンの数平均分子量は、その酸価および水酸基価
に基づき決定した。熱可塑性ポリウレタンの窒素原子含
有率(NaおよびNb)は、元素分析法により定量し
た。熱可塑性ポリウレタンの対数粘度数(ηinh)は、
オストワルド粘度管を用いて測定した(溶媒:ジメチル
ホルムアミド;濃度:0.5%;測定温度:30℃)。
また熱可塑性ポリウレタンの流出開始温度(Tfaおよ
びTfb)については、高化式フローテスターを用いて
昇温法により3℃間隔でポリマー流出速度を測定し(ノ
ズル:孔径1mm,孔長10mm;荷重:100kg
f;昇温速度:5℃/分)、ポリマー流出速度を1×1
-3〜5×10-3ml/秒の範囲で温度に対してプロッ
トし、流出速度が0ml/秒となる温度を外挿法により
求め、それを流出開始温度とした。実施例および比較例
で得られた熱可塑性ポリウレタン組成物の射出成形品の
寸法精度は、次の方法で評価した。すなわち、シリンダ
ー温度155〜190℃の射出成形機(日精樹脂製、
5.0オンス)および周縁部にゲートを設けた直径12
0mm、厚さ2mmの円板金型(金型温度:30℃)を
用いて、射出時間15秒、冷却時間50秒の条件で、直
径約120mm、厚さ2mmの円板状のテストピースを
作製し、このテストピースを用いて以下の数式に基づき
成形歪(%)を算出し、それを射出成形品の寸法精度の
評価基準とした。成形歪の値が0%に近いものほど、寸
法精度が高いことを意味する。
【0018】
【数1】
【0019】[ここで、Lはテストピースにおける円板
外周上の金型ゲート部分から円板中心を通って反対側の
外周までの距離(mm)を表す]
【0020】さらに実施例および比較例で得られた熱可
塑性ポリウレタン組成物の硬度は、JIS−K−731
1に準拠し、A硬度計を使用して測定した。
【0021】実施例1 高分子ジオールとしての数平均分子量4000のPMP
A、BDおよびMDIを、それぞれ85℃、50℃およ
び50℃に加熱した貯槽から液状で、高分子ジオール/
MDI/BDのモル比が1/3/2となる量で、定量ポ
ンプにより同方向二軸スクリュー押出機に連続的に仕込
み、連続溶融重合を行った。このとき前記押出機の加熱
ゾーンを、前部、中間部および後部の三つの帯域に分け
中間部の温度を230℃、後部の温度を200℃とし
た。生成ポリマーをストランド状で水中へ連続的に押し
出し、ペレット化したのち、80℃で6時間真空乾燥し
た。このようにして得られた熱可塑性ポリウレタン[熱
可塑性ポリウレタン(a)に相当する]の窒素原子含有
率は1.7重量%であり、ηinh は0.95dl/gで
あり、また流出開始温度(Tfa)は151℃であっ
た。高分子ジオール/MDI/BDのモル比を1/8.
5/7.5に変更する以外は前述した方法と同様にし
て、熱可塑性ポリウレタン[熱可塑性ポリウレタン
(b)に相当する]を得た。この熱可塑性ポリウレタン
の窒素原子含有率は3.9重量%であり、ηinh は0.
77dl/gであり、また流出開始温度(Tfb)は2
02℃であった。熱可塑性ポリウレタン(a)および熱
可塑性ポリウレタン(b)の各乾燥ペレットを、(a)
/(b)の重量比で80/20となるようにブレンドし
た後、前述した射出成形法で溶融混練・射出成形を行う
ことにより、円板状のテストピースを得た。得られた評
価結果を表2に示す。
【0022】実施例2〜5および比較例1〜6 表2に示す2種の熱可塑性ポリウレタン(いずれも表2
に示す高分子ジオール、MDIおよびBDを溶融重合し
て得られたもの)を所定の重量比でブレンドし、前述し
た射出成形法で溶融混練・射出成形を行うことにより、
円板状のテストピースを得た(ただし比較例2では、1
種の熱可塑性ポリウレタンのみを射出成形に供した)。
得られた評価結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】なお表2中、比較例5における「成形品寸
法精度」の欄中の「流動不良」とは、射出成形時での樹
脂の流動性が悪く、所定形状の成形品(円板状テストピ
ース)が得られなかったことを表す。
【0025】上記表2から、実施例1〜5の本発明の組
成物では、硬度が80未満、成形歪が2%以下であるこ
とから、柔軟性に優れかつ寸法精度の高い射出成形品が
得られたことがわかる。これに対し、熱可塑性ポリウレ
タン(b)のηinh が0.85dl/gより大きい場合
(比較例1)、熱可塑性ポリウレタン(b)を全く使用
しない場合(比較例2)、熱可塑性ポリウレタン(b)
の窒素原子含有率が3.5重量%未満の場合(比較例
3)および熱可塑性ポリウレタン(a)の高分子ジオー
ル成分の数平均分子量が2000未満の場合(比較例
6)では、いずれも得られた射出成形品の寸法精度が低
いことがわかる。熱可塑性ポリウレタン(b)が熱可塑
性ポリウレタン(a)の60重量部に対して40重量部
より多い場合(比較例4)には、熱可塑性ポリウレタン
組成物の硬度が高く、得られた射出成形品の柔軟性が不
充分であることがわかる。また、2種の熱可塑性ポリウ
レタンの間での流出開始温度の差(Tfb−Tfa)が
80℃を越える場合(比較例5)には、射出成形時での
流動性が悪く満足な形状の成形品が得られなかったこと
がわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、上記の実施例から明ら
かなとおり、長い射出成形時間を採用しない場合におい
ても高い寸法精度を有する射出成形品を製造することが
可能な低硬度の熱可塑性ポリウレタン組成物が提供され
る。本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、柔軟性に
優れかつ寸法精度の高い射出成形品を製造するための素
材として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量1700以上の高分子ジオ
    ール成分をソフトセグメントとする窒素原子含有率(N
    a)が4.0重量%以下の熱可塑性ポリウレタン(a)
    および窒素原子含有率(Nb)が3.5重量%以上であ
    る対数粘度数0.85dl/g以下の熱可塑性ポリウレ
    タン(b)からなり、NbとNaとの差(Nb−Na)
    が0.5重量%以上であり、該熱可塑性ポリウレタン
    (b)の流出開始温度(Tfb)と該熱可塑性ポリウレ
    タン(a)の流出開始温度(Tfa)の差(Tfb−T
    fa)が0〜80℃の範囲内であり、該熱可塑性ポリウ
    レタン(a)と該熱可塑性ポリウレタン(b)との重量
    比が(a)/(b)で60/40〜98/2の範囲内で
    あることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン組成物。
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