JPH06107935A - 崩壊性成形ボードおよびその製造方法 - Google Patents

崩壊性成形ボードおよびその製造方法

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JPH06107935A
JPH06107935A JP4258461A JP25846192A JPH06107935A JP H06107935 A JPH06107935 A JP H06107935A JP 4258461 A JP4258461 A JP 4258461A JP 25846192 A JP25846192 A JP 25846192A JP H06107935 A JPH06107935 A JP H06107935A
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JP
Japan
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aliphatic polyester
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average molecular
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JP4258461A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Hatta
均 八田
Katsutomo Yoshii
克友 吉井
Takashi Fujimaki
隆 藤巻
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 無機または有機のボード材料をバインダーで
連結して成形した成形ボードであって、該バインダーが
グリコールと脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体を主
な構成単位とする脂肪族ポリエステルからなる崩壊性成
形ボード。 【効果】 脂肪族ポリエステルをバインダーに用いた成
形ボードは、悪臭の発生がなく、加工性、機械的強度に
優れており、また使用後の廃棄にあたり、土中に埋没す
れば脂肪族ポリエステルが分解し、成形ボードの一部ま
たは全体が原形をとどめないまでに崩壊するので廃棄処
理においては機械的に破砕する必要もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪族ポリエステルを
バインダーとして使用する、悪臭の発生がない崩壊性成
形ボードおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは使
用後に土の中に埋めることによりバインダーが分解し、
成形品の一部、または成形品が原形をとどめないまでに
崩壊する崩壊性成形ボードおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、成形ボードの製造において、その
バインダーとしては一般にノボラック型フェノール樹脂
が使用されている。そして、このバインダーとしてのノ
ボラック型フェノール樹脂には、硬化剤としてヘキサメ
チレンテトラミンが5〜15重量%配合されている。し
かし、このようなノボラック型フェノール樹脂とヘキサ
メチレンテトラミンとを混合した微粉末のノボラック型
フェノール樹脂をバインダーとして使用した場合、硬化
剤として使用しているヘキサメチレンテトラミンより悪
臭ガス、特にアンモニアが多く発生し、成形ボードの臭
気が強いという問題点がある。
【0003】また、ノボラック型フェノール樹脂をバイ
ンダーとする成形ボードは、使用後は繰り返し再使用さ
れることは少なく、廃棄されることが一般的である。ノ
ボラック型フェノール樹脂をバインダーに使用している
場合は、ノボラック型フェノール樹脂の特性から、容易
に自然崩壊(例えば生分解)しないため、廃棄処理に問
題があった。そのために焼却による廃棄が一般的である
が発熱量が高いため、焼却設備をいためる等燃焼廃棄も
困難を伴っている。
【0004】そのため、成形ボードの分野においては、
高温、多湿等の悪条件下でも悪臭を発生することがな
く、かつ使用後に光または微生物等によって、原形をと
どめないまでに完全に崩壊するか、または部分的に分解
させることにより、かさ高さを減少させる成形ボードの
出現が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
ノボラック型フェノール樹脂をバインダーとする成形ボ
ードの欠点を克服し、悪臭の発生がなく、加工性および
機械的強度に優れ、かつ土中に埋没した場合、微生物に
よって一部または完全に分解でき、使用後に廃棄処分し
易い、崩壊性成形ボードおよびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
従来のノボラック型フェノール樹脂をバインダーとする
成形ボードの欠点を改良すべく種々検討した結果、特定
の脂肪族ポリエステルをバインダーとして使用すること
により、上記目的が達成されることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、無機または有機のボ
ード材料をバインダーで連結して成形した成形ボードで
あって、該バインダーがグリコールと脂肪族ジカルボン
酸またはその誘導体を主な構成単位とする脂肪族ポリエ
ステルからなることを特徴とする崩壊性成形ボードに関
する。
【0008】また、本発明は、無機または有機のボード
材料100重量部に対して、グリコールと脂肪族ジカル
ボン酸またはその誘導体を主な構成単位とする脂肪族ポ
リエステル5〜50重量部を混合した後マット状のフリ
ースを形成し、次いで加熱成形することを特徴とする崩
壊性成形ボードの製造方法に関する。
【0009】本発明において使用される無機または有機
のボード材料とは、木材パルプ、ぼろパルプ、合成パル
プ、木材チップ、木粉等の有機材料、ガラスウール、ロ
ックウール等の無機材料であり、これらは単独または混
合して使用してもよい。ボード材料として、土中で分解
性を有するボード材料を使用すると、得られる成形ボー
ドは土中に埋没した場合、完全に崩壊する。また、ボー
ド材料として、土中で分解性を有しないガラスウール等
を使用すると、得られる成形ボードは土中に埋没しても
バインダーのみ分解する。
【0010】本発明で使用される脂肪族ポリエステル
は、グリコールと脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体
を主な構成単位とするものであるが、分子量を十分に高
くするため、両端に大多数の、また分子内に少数のヒド
ロキシル基を有する比較的高分子量の脂肪族ポリエステ
ルポリオールプレポリマーを合成した後カップリング剤
により、更にこれらプレポリマーをカップリングさせた
ものが好ましい。特に有利に使用される脂肪族ポリエス
テルプレポリマーは、グリコールと脂肪族ジカルボン酸
またはその誘導体とを反応せしめて得られる両末端基が
実質的にヒドロキシル基であり、数平均分子量が5,0
00以上、好ましくは10,000以上の比較的高分子
量で、融点が60℃以上の飽和脂肪族ポリエステルポリ
オールである。
【0011】数平均分子量が5,000未満、例えば2,
500程度であると、脂肪族ポリエステルポリオールプ
レポリマー100重量部に対して、0.1〜5重量部と
いう少量のカップリング剤を用いても良好な物性を有す
る脂肪族ポリエステルを得ることができない。数平均分
子量が5,000以上の脂肪族ポリエステルポリオール
プレポリマーは、ヒドロキシル価が30以下であり、少
量のカップリング剤の使用で、溶融状態といった過酷な
条件下でも反応中にゲルを生ずることなく、高分子量脂
肪族ポリエステルを合成することができる。
【0012】用いられるグリコールとしては、例えばエ
チレングリコール、ブタンジオール−1,4、ヘキサン
ジオール−1,6、デカメチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
等があげられる。エチレンオキシドも利用することがで
きる。これらのグリコールは併用しても良い。
【0013】グリコールと反応して脂肪族ポリエステル
を形成する脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体として
は、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、
ドデカン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、或いはそ
のジメチルエステル等の低級アルコールエステル等があ
り、これらは市販されているので本発明に利用すること
ができる。脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体は併用
しても良い。これらの化合物は予め低分子のエステルと
しておいて脱グリコール反応により高分子量化しても良
い。
【0014】これらグリコールおよび脂肪族ジカルボン
酸またはその誘導体は脂肪族系が主成分であるが、少量
の他成分、例えば芳香族系を併用しても良い。但し、他
成分を導入すると生分解性が悪くなるため、その使用量
は20重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好
ましくは5重量%以下である。
【0015】当然のことながら、例えば、長鎖長の分枝
を導入して分子量分布を広げることによって優れた物性
をもつ脂肪族ポリエステルにするために、目的を損なわ
ない範囲内で、三価以上の多価アルコール、多価オキシ
カルボン酸(またはその酸無水物)、三価以上の多価カ
ルボン酸(またはその酸無水物)等の成分の併用は可能
である。
【0016】三価以上の多価アルコール成分の例として
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリット等があげられる。また、脱水した形のモノエポ
キシ化合物であるグリシドールも使用し得る。この成分
の使用量は、脂肪族ジカルボン酸またはその酸無水物成
分全体100モル%に対して、0.1〜5モル%であ
り、エステル化の当初から加えるのが良い。
【0017】多価オキシカルボン酸またはその酸無水物
成分は、市販品がいずれも利用可能ではあるが、低コス
トで入手できるといった点からは、リンゴ酸、酒石酸な
らびにクエン酸が好適である。この成分の使用量は、脂
肪族ジカルボン酸またはその酸無水物成分全体100モ
ル%に対して、0.1〜5モル%であり、エステル化の
当初から加えることができる。
【0018】三価以上の多価カルボン酸またはその酸無
水物成分の例としては、トリメシン酸、プロパントリカ
ルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタ
テトラカルボン酸無水物等があげられる。特に、無水ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸等が好適である。こ
の成分の使用量は、脂肪族ジカルボン酸またはその酸無
水物成分全体100モル%に対して、0.1〜5モル%
であり、エステル化の当初から加えることができる。
【0019】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル用
ポリエステルポリオールプレポリマーは、両末端基が実
質的にヒドロキシル基であるが、そのためには合成反応
に使用する主成分のグリコールおよび脂肪族ジカルボン
酸またはその誘導体の使用割合は、グリコールをいくぶ
ん過剰に使用する必要がある。
【0020】比較的高分子量のポリエステルポリオール
プレポリマーを合成するには、エステル化に続く脱グリ
コール反応の際に、脱グリコール反応触媒を使用するこ
とが必要である。脱グリコール反応触媒としては、例え
ばアセトアセトイル型チタンキレート化合物、並びに有
機アルコキシチタン化合物等のチタン化合物があげられ
る。これらのチタン化合物は併用もできる。これらの例
としては、例えばジアセトアセトキシオキシチタン(日
本化学産業(株)社製“ナーセムチタン”)、テトラエト
キシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシ
チタン等があげられる。脱グリコール反応触媒の使用割
合は、ポリエステルポリオールプレポリマー100重量
部に対して0.001〜1重量部、望ましくは0.01
〜0.1重量部である。脱グリコール反応触媒はエステ
ル化の最初から加えても良く、また脱グリコール反応の
直前に加えても良い。
【0021】この結果、ポリエステルポリオールプレポ
リマーは通常数平均分子量5,000以上、好ましくは
10,000以上、融点60℃以上のものが容易に得ら
れ、結晶性があれば一層好ましい。
【0022】本発明の脂肪族ポリエステルを得るために
は、更に数平均分子量が5,000以上、望ましくは1
0,000以上の末端基が実質的にヒドロキシル基であ
るポリエステルポリオールプレポリマーに、更に数平均
分子量を高めるためにカップリング剤が使用される。カ
ップリング剤としては、ジイソシアナート、オキサゾリ
ン、ジエポキシ化合物、多価酸無水物等があげられ、特
にジイソアナートが好適である。なお、オキサゾリンや
ジエポキシ化合物の場合はヒドロキシル基を酸無水物等
と反応させ、末端をカルボキシル基に変換してからカッ
プリング剤を使用することが必要である。
【0023】ジイソシアナートには特に制限はないが、
例えば次の種類があげられる。2,4−トリレンジイソ
シアナート、2,4−トリレンジイソシアナートと2,6
−トリレンジイソシアナートとの混合体、ジフェニルメ
タンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシア
ナート、キシリレンジイソシアナート、水素化キシリレ
ンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、特にヘキサメチレン
ジイソシアナートが生成樹脂の色相、ポリエステル添加
時の反応性等の点から好ましい。
【0024】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルポリオールプレポリマー100重量部に対して
0.1〜5重量部、望ましくは0.5〜3重量部であ
る。0.1重量部未満ではカップリング反応が不十分で
あり、5重量部を超えるとゲル化が発生する。
【0025】添加は、ポリエステルポリオールプレポリ
マーが均一な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下
で行われることが望ましい。固形状のポリエステルポリ
オールプレポリマーに添加し、エクストルーダーを通し
て溶融、混合することも不可能ではないが、脂肪族ポリ
エステル製造装置内か、或いは溶融状態のポリエステル
ポリオールプレポリマー(例えばニーダー内での)に添
加することが実用的である。
【0026】本発明においては、前記、脂肪族ポリエス
テルポリオールプレポリマーを合成した後、カップリン
グ剤により高分子量化した脂肪族ポリエステルの他に、
カップリング剤を使用せず、グリコールと脂肪族ジカル
ボン酸またはその誘導体を主成分とし、少量の三価以上
の多価アルコール、多価オキシカルボン酸またはその酸
無水物、または三価以上の多価カルボン酸またはその酸
無水物の存在下または不存在下にエステル化し、生成し
たポリエステルポリオールを脱グリコール反応触媒の存
在下、180〜230℃の温度および0.005〜0.
1mmHgの高真空下で脱グリコール反応を行って得られ
る、カップリング剤を含まない高分子量の脂肪族ポリエ
ステルも使用することができる(特願平4−12220
5号)。
【0027】上記に示した2方法で得られた脂肪族ポリ
エステルのうちで、本発明の成形ボードのバインダーと
して特に有効に使用できるものは、数平均分子量が2
5,000〜70,000、融点が60〜120℃のも
のが好ましく、かつカップリング剤によって高分子化し
た脂肪族ポリエステルのウレタン結合量が0.03〜3
重量%のものが好ましい。数平均分子量が25,000
未満では強度面でやや脆い性質となり、実用上好ましく
ない。一方、数平均分子量が70,000を超えると、
成形加工性に劣る。また、融点が60℃未満では、耐熱
性が不十分で実用的な成形ボードが得られず、120℃
を超えるものは製造が困難である。ウレタン結合量はC
13NMRにより測定され、仕込み量とよく一致する。ウ
レタン結合量が0.03重量%未満ではウレタン結合に
よる高分子量化の効果が少なくて脆く、3重量%を超え
るとゲル化が発生する。
【0028】本発明の成形ボードは、無機または有機の
ボード材料100重量部に対して、グリコールと脂肪族
ジカルボン酸またはその誘導体を主な構成単位とする脂
肪族ポリエステル5〜50重量部、好ましくは10〜3
5重量部を混合した後マット状のフリースを形成し、次
いで加熱成形して製造することができる。
【0029】無機または有機のボード材料100重量部
に対して脂肪族ポリエステルの配合量が5重量部未満で
は、成形ボードの強度が低下し、一方脂肪族ポリエステ
ルの配合量が50重量部を超える場合には成形ボードの
コストが高くなって経済的に不利である。
【0030】本発明の崩壊性成形ボードは、無機または
有機のボード材料と脂肪族ポリエステルを混合し、フリ
ース成形機によりフリースを形成し、次いで温度80〜
230℃、圧力10〜200kg/cm2、時間30秒〜1時
間で熱圧成形して製造することができる。なお、無機ま
たは有機のボード材料と脂肪族ポリエステルを混合する
に際しては、脂肪族ポリエステルはあらかじめ粉砕機、
例えばターボジェットで粉砕し粉末化しておくことが好
ましい。
【0031】本発明の崩壊性成形ボードは、従来公知の
樹脂用の各種添加剤、例えば着色剤、顔料、可塑剤、安
定剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて含有していてもよ
い。
【0032】本発明の崩壊性成形ボードは、悪臭を発生
することもなく、また加工性、機械的強度等に優れてお
り、自動車の内装材、家電器具類裏板、住宅の内壁材や
天井材、コンクリートパネル等として有用である。ま
た、本発明の崩壊性成形ボード(成形品)は、使用後の
廃棄にあたり、土中に埋没すれば、土中の微生物により
成形ボードのバインダーとしての脂肪族ポリエステルは
完全に崩壊し、成形ボードは一部または元の状態をとど
めないまでに全体形状が崩壊する。従って、廃棄処理に
あたっては機械的に破砕する必要もない。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。なお、分子量の測定は、次のようにGPC法
によった。 使用機種:Shodex GPC SYSTEM-11(昭和電工社製) 溶離液 :HFIP(ヘキサフロロイソプロパノール)/5m
M CF3COONa サンプルカラム :HFIP-800PおよびHFIP-80M×2本 リファレンスカラム:HPIP-800R×2本 ポリマー溶液 :0.1wt%、200μl 操作条件:液流量1.0ml/分、カラム温度40℃、圧
力30kg/cm2 検出器 :Shodex RI 分子量スタンダード:PMMA(Shodex STANDARD M-75) また、曲げ強度試験は、ボードから50mm×200mmの
テストピースを切り出し、テンシロン(東洋ボールドウ
イン製、UTM+CR−7000型)にて、曲げ強度1
0mm/分で測定した。崩壊性試験は、ボードから50mm
×200mmに切断したテストピースを地面下5cmの土中
に埋没し、6ケ月後のテストピースの状態を評価した。
アンモニア発生量は、3リットルの臭い袋にボード10
gを入れ、水1cc、窒素ガス2リットルを入れ、オーブ
ンにて80℃で1時間加熱した後、室温にて1時間放置
冷却し、臭気の測定を行う。
【0034】実施例1 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計を付した700リッ
トルの反応器を窒素置換してから、1,4−ブタンジオ
ール183kg、コハク酸224kgを仕込んだ。窒素気流
中において昇温を行い、200℃にて3時間、さらに窒
素を停止して20〜2mmHgの減圧下に3.5時間にわた
り脱水縮合によるエステル化反応を行った。採取された
試料は、酸価が9.2mg/g、数平均分子量(Mn)が5,
160、また重量平均分子量(Mw)が10,670であ
った。引続いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソ
プロポキシチタン34gを添加した。温度を上昇させ、
温度215〜220℃で15〜0.2mmHgの減圧に5.
5時間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は
数平均分子量(Mn)が16,800、また重量平均分子
量(Mw)が43,600であった。このポリエステル
(Al)は凝縮水を除くと収量は339kgであった。
【0035】ポリエステル(Al)339kgを入れた反応
器にヘキサメチレンジイソシアナート5,420gを添
加し、約190℃で1時間カップリング反応を行った。
粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかった。次い
で抗酸化剤としてイルガノックス1010(チバガイギ
ー社製)を1,700gおよび滑剤としてステアリン酸
カルシウムを1,700g加えて、さらに30分間撹拌
を続けた。この反応生成物をエクストルーダーにて水中
に押出し、カッターで裁断してペレットにした。90℃
で6時間、真空乾燥した後のポリエステル(B1)の収量
は300kgであった。
【0036】得られたポリエステル(B1)は、僅かにア
イボリー調の白色ワックス状結晶で、DSC法により測
定した融点が110℃、数平均分子量(Mn)が35,
500、重量平均分子量(Mw)が170,000、J
IS K7210により測定したMFR(190℃)は
1.0g/10分、密度は1.2g/cm2であった。
【0037】木材パルプを反毛機にてよく開繊した。こ
の開繊した木材パルプ100重量部に、前記ポリエステ
ル(B1)のペレットをターボジェットで粉砕して得ら
れた粉末を30重量部配合し、フリース成形機により、
マット状のフリースを成形した。次いでプレス温度20
0℃、プレス圧25kg/cm2、プレス時間5分で成形し、
厚さ2mmのボードを作製した。
【0038】実施例2 700リットルの反応機を窒素置換してから、1,4−
ブタンジオール177kg、コハク酸198kg、アジピン
酸25kgを仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、190
〜210℃にて3.5時間、さらに窒素を停止して20
〜2mmHgの減圧下にて3.5時間にわたり脱水縮合によ
るエステル化反応を行った。採取された試料は、酸価が
9.6mg/g、数平均分子量(Mn)が6,100、また
重量平均分子量(Mw)が12,200であった。引続
いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプロポキシ
チタン20gを添加した。温度を上昇させ、温度210
〜220℃で15〜0.2mmHgの減圧下にて6.5時
間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は数平
均分子量(Mn)が17,300、また重量平均分子量
(Mw)が46,400であった。このポリエステル
(A2)は、凝縮水を除くと収量は337kgであった。
【0039】ポリエステル(A2)337kgを含む反応器
にヘキサメチレンジイソシアナート4.66kgを添加
し、180〜200℃で1時間カップリング反応を行っ
た。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかった。
次いで抗酸化剤としてイルガノックス1010(チバガ
イギー社製)を1.70gおよび滑剤としてステアリン酸
カルシウムを1.70g加えて、さらに30分間撹拌を続
けた。この反応生成物をエクストルーダーにて水中に押
出し、カッターで裁断してペレットにした。90℃で6
時間、真空乾燥した後のポリエステル(B2)の収量は3
00kgであった。
【0040】得られたポリエステル(B2)は、僅かにア
イボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が103℃、
数平均分子量(Mn)が36,000、重量平均分子量(M
w)が200,900、MFR(190℃)は0.52g/
10分、オルトクロロフェノールの10%溶液の粘度は
680ポイズ、温度190℃、剪断速度100sec-1
おける溶融粘度2.2×104ポイズであった。
【0041】木材パルプを反毛機にてよく開繊した。こ
の開繊した木材パルプ100重量部に、前記ポリエステ
ル(B2)のペレットをターボジェットで粉砕して得られ
た粉末を30重量部配合し、フリース成形機により、マ
ット状のフリースを成形した。次いでプレス温度180
℃、プレス圧25kg/cm2、プレス時間5分で成形し、厚
さ2mmのボードを作製した。
【0042】実施例3 700リットルの反応機を窒素置換してから、エチレン
グリコール145kg、コハク酸251kg、クエン酸4.
1kgを仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、190〜2
10℃にて3.5時間、さらに窒素を停止して20〜2
mmHgの減圧下にて5.5時間にわたり脱水縮合によるエ
ステル化反応を行った。採取された試料は、酸価が8.
8mg/g、数平均分子量(Mn)が6,800、また重量平
均分子量(Mw)が13,500であった。引続いて、
常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプロポキシチタン
20gを添加した。温度を上昇させ、温度210〜22
0℃で15〜0.2mmHgの減圧下にて4.5時間、脱グリ
コール反応を行った。採取された試料は数平均分子量
(Mn)が33,400、また重量平均分子量(Mw)が1
37,000であった。このポリエステル(A3)は凝縮
水を除くと収量は323kgであった。
【0043】ポリエステル(A3)323kgを含む反応器
にヘキサメチレンジイソシアナート3.23kgを添加
し、180〜200℃で1時間カップリング反応を行っ
た。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかった。
次いで、抗酸化剤としてイルガノックス1010(チバ
ガイギー社製)を1.62kgおよび滑剤としてステアリ
ン酸カルシウムを1.62kg加えて、さらに30分間撹
拌を続けた。この反応生成物をエクストルーダーにて水
中に押出し、カッターで裁断してペレットにした。90
℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル(B3)の収
量は300kgであった。
【0044】得られたポリエステル(B3)は、僅かにア
イボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が96℃、数
平均分子量(Mn)が54,000、重量平均分子量(M
w)が324,000、MFR(190℃)は1.1g/
10分であった。
【0045】木材パルプを反毛機によって開繊した。こ
の開繊した木材パルプ100重量部に、前記ポリエステ
ル(B3)のペレットをターボジェットで粉砕して得ら
れた粉末を30重量部配合し、フリース成形機により、
マット状のフリースを成形した。次いでプレス温度16
0℃、プレス圧25kg/cm2、プレス時間5分で成形し、
厚さ2mmのボードを作製した。
【0046】比較例1 フェノール100重量部と50%ホルマリン50.6重
量部を反応釜に仕込み、酸性触媒としてシュウ酸を0.
2重量部添加し、100℃まで昇温後、5時間還流下に
て縮合反応を進める。その後、徐々に50mmHg(絶対圧
力)に減圧し、約160℃まで脱水してノボラック型フ
ェノール樹脂を得た。このノボラック型フェノール樹脂
を冷却後粗粉砕した。粗粉砕したノボラック型フェノー
ル樹脂100重量部、ヘキサメチレンテトラミン10重
量部およびステアリン酸カルシウム1.5重量部を混合
機で十分混合した後、微粉砕してフェノール樹脂組成物
を得た。
【0047】木材パルプを反毛機によって開繊した。こ
の開繊した木材パルプ100重量部に、前記微粉状フェ
ノール樹脂組成物を30重量部を配合し、フリース成形
機により、マット状のフリースを成形した。次いでこの
フリースをプレス温度200℃、プレス圧25kg/cm2
プレス時間5分で成形し、厚さ2mmのボードを作製し
た。
【0048】試験例 前記、実施例1〜3および比較例1で得られたボードの
特性を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の脂肪族ポリエステルをバインダ
ーに用いた成形ボードは、悪臭の発生がなく、加工性、
機械的強度に優れており、また使用後の廃棄にあたり、
土中に埋没すればバインダーとして用いた脂肪族ポリエ
ステルが分解し、一部または全体が原形をとどめないま
でに崩壊する。従って、廃棄処理にあたっては機械的に
破砕する必要もない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 63/91 NLL 7107−4J C08J 5/00 CFD 7016−4F D04H 1/58 A 7199−3B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機または有機のボード材料をバインダ
    ーで連結して成形した成形ボードであって、該バインダ
    ーがグリコールと脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体
    を主な構成単位とする脂肪族ポリエステルからなること
    を特徴とする崩壊性成形ボード。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量が2
    5,000〜70,000、融点が60〜120℃である
    請求項1記載の崩壊性成形ボード。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量が
    5,000以上、融点が60℃以上の脂肪族ポリエステ
    ルポリオールプレポリマー100重量部に、0.1〜5
    重量部のジイソシアナートを反応させて得られるもので
    ある請求項1または請求項2記載の崩壊性成形ボード。
  4. 【請求項4】 無機または有機のボード材料100重量
    部に対して、グリコールと脂肪族ジカルボン酸またはそ
    の誘導体を主な構成単位とする脂肪族ポリエステル5〜
    50重量部を混合した後マット状のフリースを形成し、
    次いで加熱成形することを特徴とする崩壊性成形ボード
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量が2
    5,000〜70,000、融点が60〜120℃である
    請求項4記載の崩壊性成形ボードの製造方法。
  6. 【請求項6】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量が
    5,000以上、融点が60℃以上の脂肪族ポリエステ
    ルポリオールプレポリマー100重量部に、0.1〜5
    重量部のジイソシアナートを反応させて得られるもので
    ある請求項4または請求項5記載の崩壊性成形ボードの
    製造方法。
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