JP2007262649A - 脂肪族ポリエステル組成物の製造方法とそれに用いるパルプ並びにそのミクロフィブリル化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂成分の前処理を必要とすることなく、汎用の混練手段で、樹脂成分中に繊維成分を均一に微細分散させて、高剛性で高強度なファイバー/生分解性樹脂複合材料を製造する。
【解決手段】脂肪族ポリエステル(A)1〜100重量%と、ポリ乳酸(B)99〜0重量%とからなる樹脂成分1〜99.9重量部と、一次壁及び二次壁外層を傷つけた前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)からなる繊維成分99〜0.1重量部とを、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下で溶融混練する脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。溶融混練中に繊維成分を解繊してミクロフィブリル化すると共に樹脂成分中に均一に微細分散させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用雑貨や包装材料などの分野で使用され、廃棄された後は土壌中などの自然環境下において微生物により生物的に分解され、最終的に炭酸ガスと水に完全分解される、環境に優しい生分解性の脂肪族ポリエステル組成物であって、高強度で高剛性な脂肪族ポリエステル組成物を工業的に有利に製造する方法と、それに適切に用いられる前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維並びにそのミクロフィブリル化方法に関する。
高剛性、高強度の生分解性複合材料として、植物繊維と生分解性樹脂との複合材料が検討されている。例えば、特開平06−345944号公報、特開2002−292608号公報には、パルプ又はセルロース系繊維を生分解性樹脂中に分散させることにより、剛性に優れた生分解性複合材料を得ることができることが記載されている。
ところで、熱可塑性樹脂とファイバーからなる複合材料においては、その機械強度等の特性が、材料中に分散したファイバーのアスペクト比により制御されることは公知である。そして、高アスペクト比のセルロース系ファイバーを得るために、パルプ又はセルロース系繊維の特徴である親水性を利用したミクロフィブリル状化方法について、特公昭48−6641号公報、特公昭50−38720号公報に記載されており、パルプを、リファイナー、更にはホモジナイザー等により高度に繰り返し磨砕、ないし叩解を行うことにより、ミクロフィブリル状セルロースファイバーを得ている。
特開平06−345944号公報 特開2002−292608号公報 特公昭48−6641号公報 特公昭50−38720号公報
パルプ又はセルロース系繊維を生分解性樹脂中に微細分散させることは難しく、生分解性樹脂中にこれらを均一に微細分散させるためには、生分解性樹脂原料を予め微粉状化又は微細繊維状化する必要がある。即ち、生分解性樹脂を予め微粉状化又は微細繊維状化することなく、パルプ又はセルロース系繊維が微細分散した複合材料は得られず、植物繊維/生分解性樹脂複合材料の製造には、必ず、生分解性樹脂複合材料の微粉状化又は微細繊維状化という煩雑な前処理が必要とされる。
また、このような植物繊維/生分解性樹脂複合材料の製造には、湿式混練工程、湿式圧縮成形工程、更にはその後の乾燥工程等の複雑な工程を経る必要があり、汎用の熱可塑性樹脂の装置や成形工程を適用することはできず、この結果、多大な労力エネルギーを費やし、得られる複合材料は高価となるため、実用化が困難であるという問題もある。
従って、本発明は、生分解性樹脂の煩雑な前処理やパルプの微細繊維化を必要とせず、汎用の混練手段を採用することにより、樹脂成分中に繊維成分を均一に微細分散させてミクロフィブリル状セルロースファイバーとし、高強度で高剛性な生分解性脂肪族ポリエステル組成物を製造する方法とそれに用いるパルプ及びセルロース系繊維並びにそのミクロフィブリル化方法を提供することを目的とする。
本発明の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法は、(a)脂肪族ジオールと、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させて得られる脂肪族ポリエステル(A)1〜100重量%と、ポリ乳酸(B)99〜0重量%とからなる樹脂成分1〜99.9重量部と、一次壁及び二次壁外層を傷つけた前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)からなる繊維成分99〜0.1重量部とを、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下で溶融混練処理することを特徴とする(ただし、樹脂成分と繊維成分との合計で100重量部とする。)。
なお、本発明において、「脂肪族」とは「脂環族」をも含む広義の「脂肪族」を意味する。また、脂肪族ポリエステル(A)は、(a)脂肪族ジオールと、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体と、(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させて得られるものであっても良い。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、繊維成分として、パルプ及び/又はセルロース系繊維を前処理して一次壁及び二次壁外層を傷つけたものを用いることにより、樹脂成分の前処理を必要とすることなく、汎用の溶融混練方法で樹脂成分中に繊維成分を均一に微細分散させ、ミクロフィブリル状セルロースファイバーとすることができ、汎用の成形加工法で高剛性で高強度な複合材料を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
前述の如く、従来の植物繊維/生分解性樹脂複合部材では、生分解性樹脂中への繊維成分の均一微細分散のために、生分解性樹脂を予め微粉状化又は微細繊維状化しており、このための前処理に多大な労力を要した。しかも、混練、成形、その後の乾燥等にも煩雑な操作が必要であった。
一方で、熱可塑性樹脂への繊維成分の均一分散のために、繊維成分を高度に繰り返し磨砕ないし叩解することによりミクロフィブリル化することが行われているが、この繊維成分のミクロフィブリル化は、水分の存在下における煩雑な操作と多大な労力が必要である上に、ミクロフィブリル化された繊維はスラリー状であるために、その取り扱いが困難であり、混練機への供給は必ずしも容易ではない。しかも、予めミクロフィブリル化された繊維は、樹脂との混練中にフロッグ(固まり)を作りやすく、高アスペクト比のファイバーとなりにくい。
本発明者らは、このような前処理操作に多大な労力を費やすことなく、簡易な前処理のみで、しかも、特別な混練手段を必要とすることなく、汎用の混練手段により、樹脂成分中に繊維成分を均一に微細分散させる方法について鋭意検討した結果、一次壁及び二次壁外層を傷付けるという簡易な前処理を施したパルプ及び/又はセルロース系繊維を、セルロース非晶領域膨潤剤の存在下に樹脂成分と溶融混練させることにより、この溶融混練中に繊維成分を解繊してミクロフィブリル化すると共に樹脂成分中に均一に微細分散させることができることを見出した。即ち、前処理により一次壁及び二次壁外層が傷付けられたパルプ及び/又はセルロース系繊維は、溶融混練中に解繊され易く、容易に解繊されて溶融樹脂中に均一に微細分散される。しかも、一次壁及び二次壁外層を傷付けたのみのパルプ及び/又はセルロース系繊維は、その取り扱いも容易であり、混練操作も円滑に行える。
本発明のパルプ及びセルロース系繊維は、例えば、このような脂肪族ポリエステル組成物の製造方法に適切に用いられるものであって、一次壁及び二次壁外層を傷つけてなることを特徴とする。
また、本発明のパルプ及び/又はセルロース系繊維のミクロフィブリル化方法は、一次壁及び二次壁外層を傷つけてなるパルプ及び/又はセルロース系繊維(C)を、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下に混練することにより、繊維成分を解繊することを特徴とする。
本発明の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法によれば、樹脂成分の煩雑な前処理工程を必要とすることなく、繊維成分について簡易な前処理を施すのみで、汎用の混練手段により、樹脂成分中に繊維成分を均一に微細分散させて、高剛性で高強度なファイバー/生分解性樹脂複合材料を製造することができる。
本発明によれば、汎用の熱可塑性樹脂の混練手段及び成形手段を採用して、高強度、高剛性のファイバー/生分解性樹脂複合成形品を製造することができることから、汎用熱可塑性樹脂の射出成形、フィルム、シートなどの押出成形設備への適用が可能であり、生産効率の向上と、生産コストの低減を図ることができる。
以下に本発明の脂肪族ポリエステル組成物の製造方法とそれに用いるパルプ及びセルロース系繊維並びにそのミクロフィブリル化方法の実施の形態を詳細に説明する。
[脂肪族ポリエステル(A)]
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル(A)は、ポリエステル生成条件下に、(a)脂肪族ジオールと、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその機能的誘導体と、必要に応じて(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させて得られるものであり、好ましくは、この反応をゲルマニウム触媒の存在下に行って得られるものである。
<(a)脂肪族ジオール>
本発明に用いられる(a)脂肪族ジオール(脂環族ジオールを含む)は、水酸基を2個持つ化合物であるが、その好ましい具体例は下記一般式(I)で表されるものである。
HO−R−OH …(I)
一般式(I)中、Rは、2価の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜11、特に好ましくは炭素数2〜6の脂肪族炭化水素基である。Rは、分岐鎖を有するものであっても良く、シクロアルキレン基であっても良い。Rは、好ましくは−(CH)n−(ただし、nは2〜11の整数、好ましくは2〜6の整数を示す。)である。
本発明に用いることができる(a)脂肪族ジオールは特に限定されないが、その具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,6−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上の混合物として用いても良い。
得られる脂肪族ポリエステル(A)の物性の点からは、(a)脂肪族ジオールは、1,4−ブタンジオールであることが特に好ましい。
<(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体>
本発明に用いられる(b)脂肪族ジカルボン酸(脂環族ジカルボン酸を含む)及び/又はその誘導体は、下記一般式(II)で表されるもの、或いはそれらの炭素数1〜4の低級アルキルエステル又はそれらの無水物などである。
HOOC−R−COOH …(II)
一般式(II)中、Rは直接結合、又は2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数2〜11、特に好ましくは炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基である。Rは、分岐鎖を有するものであっても良く、シクロアルキレン基であっても良い。Rは好ましくは−(CH)m−(ただし、mは0又は1〜11の整数、好ましくは0又は1〜6の整数を示す。)である。
脂肪族ジカルボン酸の好ましい具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、その機能的誘導体としてはこれらの酸無水物が挙げられる。
これらは1種を単独で用いても、2種以上の混合物として用いても良い。即ち、各群内及び/又は各群間で併用しても良い。
得られる脂肪族ポリエステル(A)の物性の点からは、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体は、コハク酸又は無水コハク酸、或はこれらとアジピン酸との混合物であることが好ましい。
<(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体>
本発明に利用可能な(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸(脂環族ヒドロキシカルボン酸を含む)及び/又はその誘導体の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、分子中に1個の水酸基と1個のカルボン酸基を有するものであれば特に限定されるものではないが、下記一般式(III)の脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位に相当する脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好適であり、誘導体としてはそれらの炭素数1〜4の低級アルキルエステル又はそれらの分子内エステルが好適である。
HO−R−COOH …(III)
一般式(III)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜11、特に好ましくは炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基である。Rはシクロアルキレン基であっても良いが、好ましいのは鎖状炭化水素基である。なお、この「鎖状」とは、「直鎖状」であるもののみならず、「分岐鎖状」のものも包含する。
(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体としては、より好ましくは、1つの炭素原子に水酸基とカルボキシル基とが結合したものであり、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。下記一般式(IV)で表される2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸、或いはその誘導体を用いた場合には、重合速度が増大するため、特に好ましい。
Figure 2007262649
(一般式(IV)中、aは0又は1以上の整数、好ましくは0又は1〜10、より好ましくは0又は1〜5の整数である。)
この2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸、又はカプロラクトン等のラクトン類を開環させたものが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上の混合物として用いても良い。なお、これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、又はラセミ体のいずれでも良く、形状としては固体、液体、或いは水溶液であっても良い。特に、使用時の重合速度の増大が特に顕著で、なおかつ入手容易な乳酸及びこれらの水溶液が好ましい。乳酸は、50%、70%、90%の水溶液が一般的に市販されており、入手が容易である。しかも、乳酸を用いることにより脂肪族ポリエステル(A)とポリ乳酸(B)との相溶性が高められる。
<脂肪族ポリエステル(A)及びその製造>
本発明で用いる脂肪族ポリエステル(A)は、上記成分(a),(b)、必要に応じて更に成分(c)を、ポリエステル生成条件下に、好ましくはゲルマニウム化合物からなる触媒の存在下で反応させる方法によって製造される。
(a)脂肪族ジオールの使用量は、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体に対して実質的に等モルであるが、実際の製造過程においてはエステル化反応中に留出することがあることから、(a)脂肪族ジオールは、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体100モルに対して、1〜50モル、好ましくは5〜30モル過剰に用いられる。
(c)成分を用いる場合、(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体の使用量は、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体100モルに対し、一般に0.04〜60モル、好ましくは1〜20モル、より好ましくは3〜10モルである。(c)2官能脂肪族オキシカルボン酸及び/又はその重合体がこの範囲よりも少ないと、これを用いたことによる重合反応性の向上効果が現れにくく、高分子量脂肪族ポリエステルを得難くなり、この範囲よりも多いと耐熱性、強度が不十分となる。
(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体の添加時期は、ポリエステル生成反応以前であれば特に限定されないが、例えば、予め触媒を(c)脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体溶液に溶解させた状態で原料仕込時又はエステル化反応中に添加する方法、或いは、原料仕込時に触媒を添加すると同時に添加する方法、などが好ましい。
本発明で用いる脂肪族ポリエステル(A)の製造は、一般に上記原料をゲルマニウム化合物系触媒の存在下で実施する。
使用されるゲルマニウム化合物系触媒は、ゲルマニウム化合物の1種のみからなるものであっても良く、2種以上からなるものであっても良く、また、ゲルマニウム化合物の1種又は2種以上と公知のポリエステルの製造に用いることのできる任意の触媒、例えばチタン、アンチモン、スズ、マグネシウム、亜鉛、カルシウム等の反応系に可溶な金属化合物触媒と組み合わせて使用することもできる。ゲルマニウム化合物としては、例えばテトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物、又は酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウムなどの無機ゲルマニウム化合物が特に好ましい。価格や入手のし易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム又はテトラブトキシゲルマニウムなどが特に好ましい。これらの触媒の使用量は、使用するモノマー量、すなわち成分(a)〜(c)の合計量に対して一般に0.001〜3重量%、より好ましくは0.005〜1.5重量%である。触媒の添加時期はポリエステル生成以前であれば特に制限されないが、原料仕込み時に添加しておいても良く、減圧開始時に添加しても良い。前述の如く、原料仕込み時に(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体と同時に添加するか、或いは(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体或いはその水溶液に触媒を溶解して添加するのが、特に好ましい。
脂肪族ポリエステル(A)を製造する際の温度、時間、圧力などの条件は、目的物である脂肪族ポリエステル(A)が得られる条件であれば特に限定されないが、温度は150〜260℃、好ましくは180〜230℃、重合時間は1時間以上、好ましくは2〜15時間、重縮合反応時の減圧度は1.33×10Pa以下、より好ましくは0.27×10Pa以下の範囲から選択することが好ましい。
このようにして得られる脂肪族ポリエステル(A)は、(a)成分及び(b)成分を主要ポリエステル構成員とするものであって、その製造に際して前記した通りの配合比で原料を配合すれば、一般的に、(a)脂肪族ジオール単位と(b)脂肪族ジカルボン酸(機能的誘導体)単位のモル比が実質的に等しくなっており、脂肪族ポリエステル共重合体の全構成成分のモル数を100モルとしたとき、(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位は、好ましくは0.02〜30モルである。特に、(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分が乳酸である場合、このような範囲で(c)成分を導入することにより脂肪族ポリエステル(A)とポリ乳酸(B)との相溶性が高められ、非常に好ましい。
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル(A)の数平均分子量Mnは、一般に、1万以上30万以下、通常は3万以上30万以下である。
なお、本発明に使用される脂肪族ポリエステル(A)には、その効果を損なわない限りにおいて、(d)他の共重合成分を導入することができる。(d)他の共重合成分として、3官能以上の多価ヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸、多価アルコールなどを添加した場合、溶融粘度を高めることができ、好ましい。このような成分としては、具体的にはリンゴ酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスルトール、トリメリット酸などが挙げられるが、得られる脂肪族ポリエステル(A)の物性からは、リンゴ酸、トリメチロールプロパン、グリセリンなどが特に好ましい。このような(d)他の共重合成分の割合は、脂肪族ポリエステル共重合体の全構成成分のモル数を100モルとしたとき、好ましくは0.001〜3モルである。
[ポリ乳酸(B)]
本発明に使用されるポリ乳酸(B)は、特に限定されないが、十分な強度を有するために必要な数平均分子量は3万以上、好ましくは10万以上である。ポリ乳酸(B)の数平均分子量の上限は特に制限はないが、通常100万以下、好ましくは50万以下である。得られるポリ乳酸(B)の物性から、ポリ乳酸(B)を構成するL体とD体のモル比はL/Dは100/0〜0/100の全ての組成で使用できるが、弾性率の高いものを得る上で、L体が95モル%以上であることが好ましい。ポリ乳酸(B)の製造法は特に限定されるものではなく、ラクチドを経由する開環重合法、或いは乳酸の直接重縮合法が挙げられる。
[一次壁及び二次壁外層を傷付けた前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)]
<パルプ及び/又はセルロース系繊維>
本発明に使用されるパルプ及び/又はセルロース系繊維としては、クラフトパルプ、サルファイトパルプなどの木材の化学処理パルプ、古紙から再生された再生パルプ、人造セルロース繊維、酢酸菌によるバクテリアルセルロース繊維、ホヤ等の動物由来のセルロース繊維やこれらを化学修飾したもの等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。これらのうち、コストの面、地球環境の面より、植物由来の木材、古紙等から得られたパルプが好ましい。なお、パルプ及び/又はセルロース系繊維の代表的な化学修飾方法としては、アセチル化、シアノエチル化等がある。
<パルプ及び/又はセルロース系繊維の前処理>
パルプ及びセルロース系繊維は、図2に示すように、一次壁1、二次壁外層2、二次壁中層3、二次壁内層4よりなる積層構造を有する。図1中、各層内の細線はセルロースのミクロフィブリルの配向方向を示している。パルプの一次壁1、二次壁外層2は、この積層構造の70〜90%を占める二次壁中、内層3,4の鞘状のたがとして機能し、二次壁中の内層3,4を強固に結束している。
従来の熱可塑性樹脂系複合材料では、この鞘状たがを完全に解きほぐし、集合体のセルロース繊維をミクロフィブリル状化させるために、数十回のリファイナー、高圧ホモジナイザーによる繰り返し磨砕、叩解を行っているが、本発明では、上述のパルプ及び/又はセルロース系繊維に対して一次壁及び二次壁外層を傷付ける軽度の前処理を施して、最外層の鞘状たがを崩壊し易くしたものを用いる。
この前処理法としては、公知のリファイナー処理、媒体撹拌ミル処理、振動ミル処理、石臼式処理等が挙げられるが、好ましくはリファイナー処理である。
なお、パルプをリファイナー、グラインダー等で機械処理されたセミケミカルパルプも一般に提供されているが、後述の保水率を満たすものであれば、このセミケミカルパルプを前処理パルプとして利用することもできる。
このような前処理による一次壁及び二次壁外層の傷付き状況は、顕微鏡による前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維の形態観察や、前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維の保水率により把握することができる。保水率とは、固形分2重量%濃度のスラリーを遠心分離器により1000Gで15分間処理した後の(含水量/固形分量)×100%の重量百分率であり、前処理無しパルプ及びセルロース系繊維の保水率は通常100〜120%である。本発明では、前処理により保水率が150〜600%、特に200〜400%となったパルプ及び/又はセルロース系繊維を用いることが好ましい。
前処理されたパルプ及び/又はセルロース系繊維(C)は、平均直径が十数μm〜数十μmのセルロース繊維の集合体であるが、例えば後述の二軸押出機による樹脂成分との溶融混練により、平均直径が数μm〜0.005μmで長さ/直径比(アスペクト比)が10以上、例えば20〜200のミクロフィブリル状化セルロースが、そのセルロース繊維の集合体から分岐(解繊)して、樹脂成分中にあたかも蜘蛛の巣の様に均一に微細分散する。
また、この一次壁及び二次壁外層を傷つけてなるパルプ及び/又はセルロース系繊維は、後述するセルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下に樹脂成分なしで混練することにより、繊維成分を解繊してミクロフィブリル化しておくこともでき、このようにして得られたパルプ及び/又はセルロース系繊維は、脂肪族ポリエステル組成物のみならず、各種用途に有効に使用することができる。
[セルロース非晶領域膨潤剤(D)]
本発明で用いるセルロース非晶領域膨潤剤(D)とは、セルロース繊維と水素結合能を有する低分子化合物であり、前処理されたパルプ及び/又はセルロース系繊維(C)のセルロース繊維集合体ないしはセルロース繊維の非晶領域に含浸、拡散可能な化合物である。
セルロース非晶領域膨潤剤(D)の具体的な化合物としては、水、エチレングリコール、ブチレングリコール、メチルアルコール、エチルアルコール等があり、好ましいのは水、エチレングリコール、メチルアルコールである。これらのセルロース非晶領域膨潤剤(D)は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
[脂肪族ポリエステル組成物]
<脂肪族ポリエステル組成物の配合>
本発明において、脂肪族ポリエステル(A)、必要に応じて配合されるポリ乳酸(B)、前処理パルプ及び/又はセルロース繊維(C)の配合割合は、脂肪族ポリエステル(A):100〜1重量%とポリ乳酸(B):0〜99重量%の混合物よりなる樹脂成分1〜99.9重量部に対して、前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(D)が99〜0.1重量部である。
脂肪族ポリエステル(A)はポリ乳酸(B)より剛性、耐熱性が劣るが、前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)の微細分散性に優れることから、好ましくは、樹脂成分の配合は脂肪族ポリエステル(A)100〜40重量%に対しポリ乳酸(B)0〜60重量%であり、より好ましくは脂肪族ポリエステル(A)100〜60重量%に対しポリ乳酸(B)0〜40重量%である。脂肪族ポリエステル(A)、ポリ乳酸(B)の形態は粒状、粉状、繊維状の何れでも良いが、操作性の面から粒状であることが好ましい。
樹脂成分(脂肪族ポリエステル(A)及びポリ乳酸(B)の合計)1〜99.9重量部に対する繊維成分(前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C))の割合は、99〜0.1重量部である。高剛性、高強度複合材料のためには、繊維成分を多量に配合することが望ましいが、この場合には成形加工時の流れ性が低下し、問題となる。好ましい配合比は樹脂成分5〜97重量部に対して繊維成分は95〜3重量部、より好ましくは樹脂成分35〜95重量部に対し繊維成分65〜5重量部である(ただし、樹脂成分と繊維成分との合計で100重量部とする。)。
なお、本発明の製造法による脂肪族ポリエステル組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて脂肪族ポリエステル(A)、ポリ乳酸(B)、前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)以外の成分、例えば、滑材、ワックス類、着色剤、安定剤、その他の各種の添加剤を配合しても良いことは言うまでもない。
溶融混練に当たって用いるセルロース非晶領域膨潤剤(D)の、繊維成分即ち、前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)に対する使用量は、繊維成分の保水率以上で有れば良いが、後述の分散工程での微細化効果と、その後の分離性から、前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)の100〜600重量%、特に200〜500重量%であることが好ましい。
<脂肪族ポリエステル組成物の製造(溶融混練)>
本発明においては、好ましくは二軸押出機を用いてセルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下に、樹脂成分と繊維成分を溶融混練することにより、繊維成分を解繊すると共に樹脂成分中に繊維成分を均一に微細分散させて脂肪族ポリエステル組成物を製造する。
ここで、使用される二軸押出機は、汎用の熱可塑性樹脂の混合、可塑化、押出に使用される装置であり、二本のスクリュウの回転方向は異方向、同方向回転どちらでも良い。スクリュウの噛み合いは完全噛み合い型、不完全噛み合い型、非噛み合い型があるが、繊維成分の分散性の面から完全噛み合い型が好ましい。スクリュウ長さ/スクリュウ直径比は20〜70であれば良い。具体的な二軸押出機としては、日本製鋼所製「TEX」、東芝機械社製「TEM」、クルップ・ウエルナー社製「ZSK」等を用いることができる。
本発明に係る溶融混練は、このような二軸押出機を用いて、スクリュウ構成の組み合せにより、例えば次の(1)又は(2)の工程を経て行うことが好ましい。
(1) 二軸押出機に樹脂成分、繊維成分及びセルロース非晶領域膨潤剤を供給して、二軸押出機内でセルロース非晶領域膨潤剤の存在下に繊維成分を樹脂成分中に解繊、分散させる解繊・分散工程と、その後、樹脂成分を溶融させると共に溶融樹脂成分中に繊維成分を更に解繊、微細分散させる溶融・分散工程と、その後、セルロース非晶領域膨潤剤を分離すると共に混練物を押し出すセルロース非晶領域膨潤剤分離・押出工程。
この場合において、解繊、分散工程は、温度が30〜90℃であることが好ましく、溶融・分散工程は温度が120〜200℃であることが好ましく、その後のセルロース非晶領域膨潤剤分離・押出工程は温度が120〜200℃であることが好ましい。また、スクリュウ回転数は全工程とも50〜400rpmの範囲であることが好ましく、長時間滞留による脂肪族ポリエステル(A)の加水分解を防止するためには、スクリュウ長さ/スクリュウ直径比は小さい方が好ましく、25〜50が好ましい。
(2) 二軸押出機に樹脂成分を供給して、二軸押出機内で樹脂成分を溶融させる溶融工程と、その後、繊維成分及びセルロース非晶領域膨潤剤の混合物を二軸押出機に加圧注入してセルロース非晶領域膨潤剤の存在下に繊維成分を樹脂成分中で解繊、微細分散させる溶融・解繊・分散工程と、その後、該セルロース非晶領域膨潤剤を分離すると共に混練物を押し出すセルロース非晶領域膨潤剤分離・押出工程。
この場合において、溶融工程は、温度が120〜200℃であることが好ましく、溶融・解繊・分散工程は温度が120〜180℃であることが好ましく、その後のセルロース非晶領域膨潤剤分離・押出工程は温度が120〜200℃で、圧力が大気圧〜真空であることが好ましい。また、スクリュウ回転数は全工程とも50〜400rpmの範囲であることが好ましい。また、溶融・解繊・分散工程においては、セルロース非晶領域膨潤剤(D)と繊維成分との混合物は、ポンプを用いて、圧力が大気圧〜数MPaの溶融樹脂成分中に加圧注入し、セルロース非晶領域膨潤剤(D)を分離させることなく、更に溶融、解繊、微細分散を行うことが好ましい。この場合のスクリュウ長さ/スクリュウ直径比は30〜70が好ましい。
上記(1),(2)のいずれの方法においても、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の二軸押出機への注入は、繊維成分と予備混合し液状でポンプで供給しても良く、必要に応じてセルロース非晶領域膨潤剤(D)を液状で単独で供給しても良い。また、繊維成分の短繊維状化を図るために、上記溶融混練工程を加圧条件として、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の蒸発揮散を防止することもできる。更に、必要に応じて、樹脂成分の溶融工程に加圧ポンプによりセルロース非晶領域膨潤剤(D)を添加することもできる。溶融混練後は脱圧することにより、更には減圧することによりセルロース非晶領域膨潤剤(D)を分離することができる。
このようにして押出、粒状化された脂肪族ポリエステル組成物は乾燥工程を必要とせず、ポリエステル樹脂に必須の成形加工前の表面付着水の分離のための予備乾燥のみで成形加工に供することができる。
なお、得られる脂肪族ポリエステル組成物、即ち、樹脂成分中に繊維成分が均一に微細分散した複合材料の特性は、樹脂成分中に分散している繊維成分の形態に大きく依存し、セルロース繊維の集合体であるよりもミクロフィブリル状化していることが好ましい。本発明では、上述のように、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下に好ましくは二軸押出機を用いて樹脂成分と繊維成分との溶融混練を行うと、樹脂成分である脂肪族ポリエステル(A)とポリ乳酸(B)を混合、混練媒体として、良好な混合、混練性のもとに、繊維成分を解繊すると共に樹脂成分中に均一微細分散させることができる。そして、セルロース非晶領域膨潤剤(D)は、このような溶融混練工程において、セルロースミクロフィブリル間の凝集力を低下させ、セルロース繊維の集合体をミクロフィブリル状に解繊しやすくするとともに、解繊されたミクロフィブリル状化セルロース同士の凝集を防止する機能を有し、均一微細分散性を高める効果を奏する。ただし、セルロース繊維の集合体を完全にミクロフィブリル状化することは困難であり、本発明により製造される脂肪族ポリエステル組成物中の繊維成分には、セルロース繊維の集合体から解繊されたミクロフィブリル状化セルロースだけでなく、セルロース繊維の集合体も存在する。
<脂肪族ポリエステル組成物の成形法>
本発明の方法で製造される脂肪族ポリエステル組成物の成形方法には、通常の熱可塑性樹脂組成物の成形方法と同様な方法をいずれも適用することができる。具体的には、射出成形、押出成形、中空成形、発泡成形等を採用することができる。
本発明に係る脂肪族ポリエステル組成物は、十分な剛性と機械強度を有し、押出成形、射出成形法などの各種成形加工が可能であるため、家庭用雑貨、各種包装材など、幅広い用途の成形品に好適に利用可能であり、使用後、廃棄された後は、生分解されることにより、廃棄物の減量、環境保全に有効である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明の具体的態様をより詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の例における特性値は下記方法により測定したものである。
(1)数平均分子量(Mn)
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法によって測定した。サンプルをクロロホルムに溶解し、GPC装置(東ソー(株)製,HLC−8120型)を用いてポリスチレン換算により測定した。カラムはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)を使用した。
(2)流れ性:メルトフローレイシオ(MFR)
荷重2.16kgで190℃にて、JIS K7210に準拠して測定した。
(3)3点曲げ剛性、破断強度
射出成形品を23℃、50%相対湿度、24時間の状態調節し、JIS K 7203に準拠して3点曲げ剛性と破断強度を測定した。
(4)射出成形品の外観
射出成形品を目視にて観察し、繊維の凝集体の有無による均一性を評価した。
(5)繊維の形態写真
パルプのみの場合:前処理パルプ又は前処理無しパルプと水の混合液の一部を凍結乾燥
し、走査型電子顕微鏡にて撮影した。
組成物中の場合:組成物をクロロホルムにて溶解し、蒸留水を添加してパルプ又は繊維
を水層側に抽出し、抽出液の一部を凍結乾燥し、走査型電子顕微鏡に
て撮影した。
脂肪族ポリエステル(A)としては、下記製造例1で製造した脂肪族ポリエステル(A)を用いた。
製造例1:脂肪族ポリエステル(A)の製造
撹拌装置、窒素導入管、加熱装置、温度計、助剤添加口を備えた容量300mlの反応容器に、コハク酸(b)118.1g、1,4−ブタンジオール(a)99.1g、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解させた90%乳酸(c)水溶液6.3g(コハク酸100モルに対し、6.3モル)、及びリンゴ酸(d)0.2g(コハク酸100モルに対し、0.15モル)を仕込み、窒素雰囲気中、180℃にて0.5時間反応させた後、220℃に昇温し、0.5時間反応させた。引き続いて0.07×10Paの減圧下において2.5時間、重合反応させた。得られたポリエステルは乳白色であり、数平均分子量Mnは75,300、融点は110℃であった。また、H−NMRによる乳酸導入率はコハク酸100モルに対し、6.3モルであった。
また、ポリ乳酸(B)及びパルプとしては、次のものを用い、セルロース非晶領域膨潤剤(D)としては水を用いた。
[ポリ乳酸(B)]
(株)島津製作所製 商品名「ラクティ#5400」(数平均分子量Mn:88000,MFR:4.5g/10min.,融点173℃)
[パルプ]
前処理パルプ(C):クラフトパルプをリファイナー処理したもの(保水率=390
%、繊維形態写真は図2(a)に示す通りであり、一次壁及び
二次壁外層が傷付けられていることが分かる。)
前処理なしパルプ:リファイナー処理無しのクラフトパルプ(保水率=100%、繊
維形態写真は図2(b)に示す通りであり、表面に傷付きはない
ことが分かる。)
実施例1,2
脂肪族ポリエステル(A)とポリ乳酸(B)、パルプ及びセルロース非晶領域膨潤剤としての水を表1に示した配合にて、二軸押出機にて混練した。用いた二軸押出機の仕様は次の通りである。
[二軸押出機]
日本製鋼所(株)製二軸押出機「TEX30」
スクリュウ直径=30mm
スクリュウ長さ/スクリュウ直径比=42
スクリュウの噛み合い=完全噛み合い型
スクリュウ回転数=100rpm
処理能力=最終組成物量として5kg/hr
まず、脂肪族ポリエステル(A)及びポリ乳酸(B)の粒状物をブレンドして重量式フィーダーで二軸押出機に供給した。二軸押出機は、スクリュウ構成により、溶融工程、溶融・解繊・分散工程、水分離・押出工程の3工程を押出方向に設定した。各工程の設定温度は次の通りである。
溶融工程=180℃
溶融・解繊・分散工程=150℃
水分離・押出工程=150℃
パルプはセルロース非晶領域膨潤剤としての水と所定の割合で予備混合して混合液とし、この混合液を高圧ポンプにより溶融工程と溶融・解繊・分散工程との境界部で二軸押出機に注入した。
溶融・解繊・分散工程はスクリュウ構成により1.5MPaの加圧部とし、水分離・押出工程の圧力は真空ポンプにより53.2kPaとした。
得られた組成物を下記仕様の射出成形機で射出成形し、得られた成形品について評価を行い、結果を表1に示した。
なお、実施例2において得られた組成物中の繊維の形態写真を図3(a)に示す。
[射出成形機]
東芝機械(株)製射出成形機「IT55T」
形締め圧=55t
金型=ASTM
金型温度=40℃
バレル温度設定=170℃
射出・保圧時間=10秒
実施例3,4
実施例1において、ポリ乳酸(B)を用いず、表1に示す配合としたこと以外は同様にして脂肪族ポリエステル組成物を得、同様に射出成形を行って、射出成形品の評価結果を表1に示した。
比較例1
実施例1において、パルプ及び水を用いなかったこと以外は同様にして脂肪族ポリエステル組成物を得、同様に射出成形を行って、射出成形品の評価結果を表1に示した。
比較例2
実施例2において、前処理パルプ(C)の代りに前処理無しパルプを用いたこと以外は同様にして脂肪族ポリエステル組成物を得、同様に射出成形を行って、射出成形品の評価結果を表1に示した。
この比較例2において得られた組成物中の繊維の形態写真を図3(b)に示す。
比較例3
実施例3において、水を用いず、二軸押出機において水分離を行わなかったこと以外は同様にして脂肪族ポリエステル組成物を得、同様に射出成形を行って、射出成形品の評価結果を表1に示した。
比較例4
比較例3において、前処理パルプ(C)を用いなかったこと以外は同様にして脂肪族ポリエステル組成物を得、同様に射出成形を行って、射出成形品の評価結果を表1に示した。
Figure 2007262649
図2(a),(b)、図3(a),(b)、及び表1より次のことが明らかである。即ち、前処理を行って一次壁及び二次壁外層を傷付けたパルプを用いた実施例2の組成物では、パルプがミクロフィブリル状に均一に微細分散しているのに対して、前処理無しパルプを用いた比較例2の組成物ではパルプが解繊されずに、ちぎれた状態で散在している。そして、パルプがミクロフィブリル状に均一に微細分散した組成物であれば、高剛性で高強度のファイバー/生分解性樹脂複合成形品を得ることができる。
パルプ及びセルロース系繊維の積層構造を示す模式的な斜視図である。 図2(a)は実施例で用いた前処理パルプの形態を示す電子顕微鏡写真であり、図2(b)は比較例で用いた前処理無しパルプの形態を示す電子顕微鏡写真である。 図3(a)は実施例2で得られた組成物中の繊維成分の形態を示す電子顕微鏡写真であり、図3(b)は比較例2で得られた組成物中の繊維成分の形態を示す電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 一次壁
2 二次壁外層
3 二次壁中層
4 二次壁内層

Claims (10)

  1. 一次壁及び二次壁外層を傷つけてなるパルプ。
  2. 一次壁及び二次壁外層を傷つけてなるセルロース系繊維。
  3. 一次壁及び二次壁外層を傷つけてなるパルプ及び/又はセルロース系繊維(C)を、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下に混練することにより、繊維成分を解繊することを特徴とするパルプ及び/又はセルロース系繊維のミクロフィブリル化方法。
  4. (a)脂肪族ジオールと、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させて得られる脂肪族ポリエステル(A)からなる樹脂成分1〜99.9重量部と、
    一次壁及び二次壁外層を傷つけた前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)からなる繊維成分99〜0.1重量部と
    を、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下で溶融混練処理することを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  5. (a)脂肪族ジオールと、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させて得られる脂肪族ポリエステル(A)1重量%以上と、ポリ乳酸(B)99重量%以下とからなる樹脂成分1〜99.9重量部と、
    一次壁及び二次壁外層を傷つけた前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)からなる繊維成分99〜0.1重量部と
    を、セルロース非晶領域膨潤剤(D)の存在下で溶融混練処理することを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  6. 請求項4又は5において、前記前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)が更に化学修飾されたものであることを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  7. 請求項4ないし6のいずれか1項において、該脂肪族ポリエステル(A)が、(a)脂肪族ジオールと、(b)脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体と、(c)2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸及び/又はその誘導体とを反応させて得られることを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  8. 請求項4ないし7のいずれか1項において、前記溶融混練処理が、二軸押出機に前記樹脂成分、繊維成分及びセルロース非晶領域膨潤剤を供給して、該二軸押出機内で該セルロース非晶領域膨潤剤の存在下に前記繊維成分を該樹脂成分中に解繊、分散させる解繊・分散工程と、その後、該樹脂成分を溶融させると共に該繊維成分を更に解繊、微細分散させる溶融・分散工程と、その後、該セルロース非晶領域膨潤剤を分離すると共に混練物を押し出すセルロース非晶領域膨潤剤分離・押出工程とを備えることを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  9. 請求項4ないし8のいずれか1項において、前記溶融混練処理が、二軸押出機に前記樹脂成分を供給して、該二軸押出機内で該樹脂成分を溶融させる溶融工程と、その後、前記繊維成分及びセルロース非晶領域膨潤剤を該二軸押出機に加圧注入して該セルロース非晶領域膨潤剤の存在下に該繊維成分を該樹脂成分中で解繊、微細分散させる溶融・解繊・分散工程と、その後、該セルロース非晶領域膨潤剤を分離すると共に混練物を押し出すセルロース非晶領域膨潤剤分離・押出工程とを備えることを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
  10. 請求項4ないし9のいずれか1項において、前記前処理パルプ及び/又はセルロース系繊維(C)の保水率が150〜600%であることを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物の製造方法。
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