JP2018115292A - エチレングリコール誘導体を含有するアセチル化パルプ組成物、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含有する樹脂組成物、及びそれらの製造方法 - Google Patents

エチレングリコール誘導体を含有するアセチル化パルプ組成物、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含有する樹脂組成物、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維強化組成物の製造に用いられるアセチル化パルプ組成物、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含み、強度特性に優れる樹脂組成物、及びそれらの製造方法の提供。
【解決手段】パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ及び式(1)で表されるエチレングリコール誘導体を含有することを特徴とする、アセチル化パルプ組成物。該組成物及び樹脂を含有する繊維強化組成物。R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2(1)(R1及びR2はH又はアセチル基;R1及びR2が同時に水素原子ではない;nは0〜13の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレングリコール誘導体を含有するアセチル化パルプ組成物、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含有する樹脂組成物、及び、それらの製造方法に関する。
更に詳しくは、パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ及び
下記式(1):
R1−O−(CH2−CH2−O)−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体を含有する、アセチル化パルプ組成物、
これから製造される、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含有する樹脂組成物、及び、それらの製造方法に関する。
ミクロフィブリル化セルロースは、植物繊維や製紙用パルプをミクロ又はナノレベルの太さまで解繊したもので、軽量で高強度である。これと樹脂との複合体は強度特性に優れることから、セルロースを解繊する方法や樹脂との親和性・混和性を向上させるためにセルロースを化学変性する試みがなされてきた。
例えば、特許文献1には、アシル基置換度0.01〜0.5を有する、表面アシル化セルロースあるいは表面アシル化リグノセルロース、及びこれを含有するプラスチック用配合材料が記載されている。特許文献2には、アセチル化リグノパルプ等のエステル化リグノパルプの開示があり、これをミクロフィブリル化したものと樹脂とを混合した樹脂組成物が開示されている。特許文献3には、アセチル化パルプと熱可塑性樹脂とを混練して製造したアセチル化リグノセルロースナノファイバーと熱可塑性樹脂を含む繊維強化樹脂組成物が開示されている。
これら特許文献1〜3には、アセチル化パルプ、アセチル化セルロース、又は、ミクロフィブリル化されたアセチル化セルロースを含有する樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、これら特許文献1〜3に開示されたアセチル化パルプ、アセチル化セルロースを含有する樹脂組成物が、アセチル化ポリエチレングリコール誘導体を含有するとの記載はない。
一方、特許文献4及び5には、一次壁及び二次壁外層を傷つけてなる化学修飾パルプ及び/又はセルロース系繊維を、水、エチレングリコール、ブチレングリコール等のセルロース非晶領域膨潤剤の存在下に混練することによって、パルプ及び/又はセルロース系繊維を解繊する方法が開示されている。また、特許文献6には、リグニン含有量が0〜5重量%の植物由来繊維集合体又は化学修飾繊維集合体を、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラヒドロフラン等の液体物質と混合物・攪拌してミクロフィブリル化セルロースファイバーを製造する方法が開示されている。
しかしながら、これら特許文献4〜6には、ジアセチル化エチレングリコール、ジアセチル化ジエチレングリコール等のアセチル化エチレングリコール誘導体がアセチル化パルプの解繊に使用できるとの記載はないし、アセチル化パルプとアセチル化エチレングリコール誘導体とを含むアセチル化パルプ組成物の記載もない。
特開平9-221501号公報 特開2009-19200号公報(特許5398180号) 国際公開WO2016/148233 特開2005-42283号公報(特許4013870号) 特開2007-262649号公報(特許4127316号) 特開2010-216021号公報(特許5500842号)
本発明者らは、樹脂との混練時に解繊性に優れかつ樹脂との混和によって優れた強度特性が得られ、しかもその製造が容易な植物繊維由来の素材について種々検討を行った。
本発明の目的は、繊維強化組成物の製造に用いられるアセチル化パルプ組成物、フィブリル化されたアセチル化パルプを含む優れた樹脂組成物、及びそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、
パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ(アセチル化パルプと称することもある)及び
下記式(1):
R−O−(CH2−CH2−O)−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体を含有する組成物(「アセチル化パルプ組成物」又は「アセチル化エチレングリコール誘導体含有アセチル化パルプ組成物」と称することもある)を、樹脂と溶融混錬すると混錬中に、このアセチル化パルプ組成物中のアセチル化パルプがミクロフィブリル化され易く、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含有して強度特性に優れる繊維強化組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
用語の定義
本明細書において、以下の用語は、夫々次の意味を有する。
・リグノセルロース:リグニン含有量の多少にかかわらず植物中に存在するリグニンとセルロースが結合した物質、又は/及び、リグニンとセルロースとの混合物を意味する。
・パルプ:木材、竹、稲わら等の植物中に含まれる植物繊維を分離したものであって、セルロース又は/及びリグノセルロースを含むものを意味する。
・リグノパルプ:リグノセルロースを含むパルプを意味する。
・アセチル化エチレングリコール誘導体:前記式(1)で示されるエチレングリコール誘導体(モノアセチル化エチレングリコール誘導体又は/及びジアセチル化エチレングリコール誘導体)を意味する。
・エチレングリコール類:下記式(2):
H−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−H・・・(2)
(式中、nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール又は/及びエチレングリコール重縮合体を意味する。
本明細書で使用される下記の略称は、夫々次の意味に用いられることがある。
・AcP:アセチル化パルプ。パルプは、上記定義の通り、植物から分離した植物繊維を意味し、これはセルロース又は/及びリグノセルロースを含むものである。AcPはアセチル化植物繊維(AcPF)と称することもある。
・AcP組成物(本発明):AcP及び式(1)で表されるエチレングリコール誘導体を含有するアセチル化パルプ組成物
・AcLP:アセチル化リグノパルプ
・AcC:アセチル化セルロース
・AcLC:アセチル化リグノセルロース
・MFC:ミクロフィブリル化セルロース
・MFLC: ミクロフィブリル化リグノセルロース
・MFAcC:ミクロフィブリル化されたアセチル化セルロース
・MFAcLC:ミクロフィブリル化されたアセチル化リグノセルロース
・MFAcP:ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプであって、MFAcC、MFAcLC、又はMFAcCとMFAcLCの混合物
本発明は下記のアセチル化エチレングリコール誘導体を含有するAcP組成物、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含有する樹脂組成物、及びそれらの製造方法に関する。
項1.
パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ(AcP)及び
下記式(1):
R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体を含有することを特徴とする、
アセチル化パルプ組成物(AcP組成物)。
項2.
前記アセチル化パルプがアセチル化リグノパルプである、前記項1に記載のアセチル化パルプ組成物。
項3.
前記パルプ成分中に存在する水酸基の水素原子のアセチル基による置換度が0.3〜2.5である、前記項1又は2に記載のアセチル化パルプ組成物。
項4.
紙状、シート状又は不織布状である、前記項1〜3のいずれかに記載のアセチル化パルプ組成物。
項5.
綿状又は粉状である、前記項1〜3のいずれかに記載のアセチル化パルプ組成物。
項6.
パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ組成物の製造方法であって、
下記式(2):
H−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−H・・・(2)
(式中、nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール又はその重縮合体を含有するパルプと
アセチル化剤とを反応させて、
パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ及び
下記式(1):
R1−O−(CH2−CH2−O)−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体を含有する、
アセチル化パルプ組成物を製造する方法。
項7.
(1)パルプを構成するセルロース又は/及びリグノセルロース中の一部の水酸基の水素原子がアセチル化され、且つミクロフィブリル化された、アセチル化パルプ、
(2)下記式(1):
R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。ただし、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体、及び
(3)樹脂
を含有する、繊維強化樹脂組成物。
項8.
繊維強化樹脂組成物の製造方法であって、
請求項1〜5のいずれかに記載のアセチル化パルプ組成物と樹脂とを溶融混錬する工程を含むことを特徴とする、
(1)パルプを構成するセルロース又は/及びリグノセルロース中の一部の水酸基の水素原子がアセチル化され且つミクロフィブリル化された、アセチル化パルプ、
(2)下記式(1):
R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R及びRは、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体、及び
(3)樹脂を含有する、
繊維強化樹脂組成物を製造する方法。
本発明のアセチル化パルプ(AcP)組成物(AcP組成物)は、パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ組成物であって、前記式(1)で表されるエチレングリコール誘導体を含有するもの(アセチル化エチレングリコール誘導体含有アセチル化パルプ組成物)を意味する。
本発明のAcP組成物と樹脂とを溶融混練すると、AcP組成物中のアセチル化パルプは溶融樹脂中でミクロフィブリル化されて、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプ、アセチル化エチレングリコール誘導体及び樹脂を含む繊維強化組成物を得ることができる。
パルプは、前記定義の通り、植物から分離した植物繊維を意味し、これはセルロース又は/及びリグノセルロースを含むものなので、本発明の繊維強化樹脂組成物は、(1)ミクロフィブリル化された、アセチル化セルロース又は/及びアセチル化リグノセルロース、(2)アセチル化エチレングリコール誘導体及び(3)樹脂の混合物を意味する。
本発明のAcP組成物は、特定のエチレングリコール誘導体を含有するので樹脂と溶融混練した時に、AcP組成物中のアセチル化セルロース(AcC)又は/及びアセチル化リグノセルロース(AcLC)が容易に解繊し、ミクロフィブリル化されたアセチル化セルロース(MFAcC)又は/及びミクロフィブリル化されたアセチル化リグノセルロース(MFAcLC)(即ち、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプ(MFAcP))となり易い。
その結果、このMFAcPは、樹脂と均一に混合し易く、MFAcPを含有する樹脂組成物中の植物繊維成分の含有量が比較的少ない量であっても、この樹脂組成物からなる成形体は優れた強度特性を示す。
また、本発明の樹脂組成物は、パルプからの一貫製造が容易である。
更には、原料パルプとしてリグノパルプを使用する場合は、リグノパルプは、リグニンを含まないパルプよりもその製造工程が簡単であり、製造に使用する薬剤が少なく、且つ植物からの収率が高い。
そのため、本発明のMFAcLCを含有する樹脂組成物は、特に低い製造コストで製造できるという利点がある。
PEG600を含有するリグノセルロースをアセチル化して得たアセチル化リグノセルロース(AcLC)から、アセトンで抽出された油状物質のFT-IRスペクトルを示す図である。 実施例7における成形体のX線CT像を示す図である。
[1]アセチル化エチレングリコール誘導体含有アセチル化パルプ組成物
本発明のアセチル化エチレングリコール誘導体を含有するアセチル化パルプ組成物(アセチル化パルプ組成物、AcP組成物)は、
下記式(2):
H−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−H・・・(2)
(式中、nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール又はその重縮合体を含有するパルプと、
アセチル化剤とを反応させることを特徴とする方法により製造することができる(本発明6)。
本発明の方法により製造できるAcP組成物は、
パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ及び
下記式(1):
R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体(アセチル化エチレングリコール誘導体)を含有することを特徴とする(本発明1)。
本発明のAcP組成物では、前記アセチル化パルプは、アセチル化リグノパルプであることが好ましい(本発明2)。
本発明のAcP組成物では、パルプ成分中に存在する水酸基の水素原子のアセチル基による置換度は0.3〜2.5であることが好ましい(本発明3)。
本発明のAcP組成物は、紙状、シート状又は不織布状であることが好ましい(本発明4)。
本発明のAcP組成物は、綿状又は粉状であることが好ましい(本発明5)。
前記式(1)で表されるエチレングリコール誘導体(アセチル化エチレングリコール誘導体)とアセチル化パルプとを含むAcP組成物(アセチル化エチレングリコール誘導体含有アセチル化パルプ組成物)は、溶媒中で、前記式(2)で表されるエチレングリコール又はその重縮合体(以下、「エチレングリコール類」とも記す)を、付着又は含浸させたパルプ(即ち、エチレングリコール類を含有するパルプ)に、アセチル化剤を反応させるか、気体状のアセチル化剤を反応させることにより製造することができる。
アセチル化されたエチレングリコール誘導体を含有するAcP組成物〔(例えば、アセチル化NUKP(針葉樹未漂白クラフトパルプ)〕を樹脂(例えばPA6)と溶融混練して製造した組成物は、アセチル化されたエチレングリコール類を含まない場合に比べ、強度特性が向上する。
AcP組成物の製造方法(液相法及び気相法)
本明細書では、溶媒とアセチル化剤とを含む反応液中で、エチレングリコール類を含有するパルプ(以下「エチレングリコール類含有パルプ」とも記す)にアセチル化剤を反応させる方法を液相法と呼ぶ。液相法では、エチレングリコール類を含むパルプを反応液に浸漬し、静置するか、又は反応液を攪拌若しくは還流させながら反応を行う。
本明細書では、気体状のアセチル化剤をエチレングリコール類含有パルプと反応させる方法を気相法と呼ぶ。気相法ではエチレングリコール類含有パルプを、気体状のアセチル化剤中に静置するか、又は気体状のアセチル化剤を還流させながら反応を行う。
本発明に使用されるパルプとしては、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、バガス、藁、ビート絞りかす等に含まれる植物性原料由来の繊維を用いることができる。本発明に使用される木材由来パルプとしては、例えば、シトカスプルース、松、スギ、ヒノキ、ユーカリ、アカシア等の針葉樹又は広葉樹由来のパルプを例示することができる。本発明に使用されるパルプには、例えば、脱墨古紙、段ボール古紙、雑誌、コピー用紙等の古紙由来のパルプも用いることもできる。
本発明では、上記の一種の植物繊維又は二種以上の植物繊維を組み合わせて用いることもできる。
本発明に使用されるパルプは、植物性原料を機械パルプ化法、化学パルプ化法又は機械パルプ化法と化学パルプ化法との組み合わせにより処理して得られるパルプを使用することができる。このようなパルプとしては、各種クラフトパルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹酸素晒し未漂白クラフトパルプ(NOKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)が好ましい。砕木パルプ(GP)、リファイナーGP (RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ(MP)も用いることが好ましい。
植物性原料由来のパルプは、リグノセルロースを含み、主にセルロース、ヘミセルロース、リグニンから構成される。
本発明では、リグニンが完全には除去されずにパルプ中にリグニンが少量でも存在するパルプを、リグノパルプと称する。従って、上記の各種パルプ化法で処理して得られるパルプも、たとえ少量でも検出し得るリグニンを含むパルプは、本明細書ではリグノパルプと称する。
リグノパルプは原料からの収率が大きいこと、工程数が少ないこと及び処理薬剤が少ないことから、本発明において有利に使用することができる。含有されるリグニン量は、クラーソン法で定量することができる。
本発明では、パルプを予めリファイナー若しくはビーター又はこれらを組み合わせて使用して予めパルプを離解,叩解、解繊等の処理をして、処理後のカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)値(濾水度)が40mL〜500mLであるパルプを使用するのが好ましい。さらに好ましい濾水度は50mL〜200mLである。
反応させるパルプの形状は、繊維塊状又は綿状でも良い。
反応させるパルプの形状として、通常の紙製造の抄紙工程で得られる、紙状、シート状又は不織布状のパルプを使用すると、前記式(2)のエチレングリコール類を、付着又は吸着させることにより、エチレングリコール類を均一に含有するパルプを容易に調製することができる。
反応させるパルプの形状として、紙状、シート状又は不織布状であることが好ましい。
エチレングリコール類含有パルプにアセチル化剤を反応させることによって、エチレングリコール類とパルプとが、共にアセチル化され、前記式(1)で表されるアセチル化エチレングリコール誘導体を含有するAcP組成物を製造することができる。
本明細書では、本発明のAcP組成物は、パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ及び前記式(1)で表されるエチレングリコール誘導体を含有する組成物を意味する。
アセチル化エチレングリコール誘導体を含有するAcP組成物は、樹脂と溶融混錬することによって、その組成物中のアセチル化パルプが樹脂中で容易にミクロフィブリル化される。
従って、アセチル化エチレングリコール誘導体を含有するAcP組成物を用いて、ミクロフィブリル化されたアセチルパルプ(MFAcP)(即ち、ミクロフィブリル化されたアセチル化セルロース(MFAcC)又は/及びミクロフィブリル化されたアセチル化リグノセルロース(MFAcLC))を含有する本発明の繊維強化樹脂組成物を製造することができる。
エチレングリコール誘導体を含むAcP組成物が、紙状、シート状又は不織布状である場合は、これら紙状、シート状又は不織布状のAcP組成物を切断、粉砕等の手段により、加工することで、綿状又は粉状のAcP組成物として樹脂との溶融混練工程に供することが可能である。
紙状、シート状又は不織布状の、アセチル化エチレングリコール誘導体を含有するAcP組成物を粉砕する際には、樹脂の存在下に粉砕混合することもできる。
液相法のアセチル化反応に使用される溶媒は、アセチル化剤と反応せず、エチレングリコール類が可溶性であり、パルプが膨潤し易く、かつ、反応後に反応系からの除去が容易な溶媒が好適に使用される。
好ましい溶媒として酢酸、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジオキサン等の極性溶媒を例示することができる。
アセチル化剤
アセチル化剤として、無水酢酸、アセチルクロリド等のハロゲン化アセチル等を使用することが好ましい。無水酢酸を使用すると、反応系から副生成物を除去し易い点で、好ましい。
液相法での反応を加速するために、塩基の存在下で反応を行うことが好ましい。塩基として、ピリジン、ジメチルアニリン等のアミン類、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の酢酸のアルカリ金属塩、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩を好適に使用することができる。
液相法の反応温度は、通常、室温〜100℃で行うことが好ましい。
アセチル化剤のパルプに対する使用量は、パルプの含水量、目的とするアシル化パルプのアシル化程度により、適宜調整することができる。
アセチル化剤のパルプに対する使用量として、例えば、含水率5〜10質量%程度、エチレングリコール含有率(乾燥パルプ当たり)10質量%程度のパルプを、無水酢酸でアセチル化する場合には、パルプ固形分換算100g当たりに90〜200ml程度の無水酢酸を使用してアセチル化することが好ましい。
気相法においても、アセチル化剤は無水酢酸、ハロゲン化アセチル等を用いることが好ましい。例えば、エチレングリコール類を含有するパルプ(エチレングリコール類を例えば、吸着又は付着させたパルプ)に、気体状態のアセチル化剤を80〜100℃で接触させて行うことができる。
気相法で塩基を使用する場合は、パルプにこれら塩基を付着又は吸着させて行う。
気相法でのアセチル化剤のパルプに対する使用量は、液相法での場合と同程度である。
パルプアセチル化の置換度
パルプ成分中に存在する水酸基の水素原子がアセチル基により置換された程度を説明する。
本発明では「パルプアセチル化の置換度」といい、アセチル化のDSとも記す。
セルロースの水酸基の水素原子がアセチル基で置換された程度(以下、「置換度」、「DS」とも記す)は、セルロースの繰り返し単位中の水酸基がアセチル化された平均個数として定義される。純粋なセルロースの繰り返し単位はグルコピラノース残基(グルコース残基)でありこれは水酸基3個を有している。アセチル化セルロースにおけるDSの上限値は3である。
本発明のアセチル化パルプの調製では、原料としてリグノパルプを用いることが可能である。リグノパルプをアセチル化することにより調製されるアセチル化パルプは、アセチル化リグノパルプと呼ぶ。
原料パルプとしてリグノパルプを使用する場合は、リグノパルプは、リグニンを含まないパルプよりもその製造工程が簡単であり、製造に使用する薬剤が少なく、且つ植物繊維からの収率が高い。
そのため、本発明のMFAcLPを含有する樹脂組成物は、特に低い製造コストで製造できるという利点がある。
リグノパルプの構成成分であるリグノセルロースは、セルロースと共にヘミセルロースとリグニンとを含む。へミセルロースに含まれるキシランにおけるキシロース残基やアラビノガラクタンにおけるガラクトース残基の水酸基数は2であり、また、リグニン残基の水酸基数も2であり、これらの水酸基数は3より小さい。従って、リグノセルロースの平均的な繰り返し単位中の水酸基数は3よりも小さく、上限値は3より小さい。
このことから、アセチル化リグノセルロースのDSの上限値は3より小さく、その上限値は含有するヘミセルロース及びリグニンの含量に依存し、2.7〜2.8程度である。
本発明のアセチル化パルプのDSは、パルプがセルロースで構成されている時は、アセチル化セルロースのDSを意味し、パルプがリグノセルロースで構成されているときはアセチル化リグノセルロースのDSを意味する。
本発明のアセチル化パルプでは、DSは、0.3〜2.5程度が好ましく、0.5〜1.7程度がより好ましく、0.6〜1.5程度が更に好ましく、0.7〜1.5が最も好ましい。DSを、好ましくは0.7〜1.5程度に設定することによって、適度の結晶化度と溶解パラメータ(SP)とを有するアセチル化パルプを得ることができる。
DSは、中和滴定法、FT-IR、二次元NMR(1H及び13C-NMR)等の各種分析方法により分析することができる。
エチレングリコール類
エチレングリコール類を含有するパルプは、エチレングリコール類を溶媒(好ましくは水)に溶解し、この溶液をパルプに噴霧又は含浸させ、これから溶媒を除去することにより製造することができる。なお、溶媒は完全に除去されなくても良い。
エチレングリコール類を含有するパルプのエチレングリコール類の含有量は、パルプ乾燥質量に対して2〜20質量%程度が好ましく、3〜15質量%程度がより好ましく、8〜10質量%程度が更に好ましい。
本発明で使用されるエチレングリコール類は、下記式(2):
H−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−H・・・(2)
(式中、nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール又はその重縮合体である。
式(2)で表されるエチレングリコール又はその重縮合体は、nが0〜13の整数の化合物又はこれらの混合物である。
本発明で使用されるエチレングリコール類として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400及びポリエチレングリコール600(本願明細書では、これらを夫々、EG、DEG、TEG、PEG200、PEG300、PEG400、PEG600と記載することもある)及びこれら群のうちの二種以上の混合物を例示することができる。
本発明の方法により、
パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ(AcP)及び、
下記式(1):
R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体を含有するAcP組成物を製造することができる。
[2]繊維強化樹脂組成物
本発明の繊維強化樹脂組成物は、
前記AcP組成物(アセチル化エチレングリコール誘導体含有アセチル化パルプ組成物)と樹脂とを溶融混錬する工程を含むことを特徴とする方法により製造することができる(本発明8)。
本発明の方法により製造できる繊維強化樹脂組成物は、
(1)パルプを構成するセルロース又は/及びリグノセルロース中の一部の水酸基の水素原子がアセチル化され、且つミクロフィブリル化された、アセチル化パルプ、
(2)下記式(1):
R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
(式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
で表されるエチレングリコール誘導体、及び
(3)樹脂
を含有することを特徴する(本発明7)。
繊維強化樹脂組成物に使用される樹脂
本発明の繊維強化樹脂組成物は、ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプで補強されていることから、この繊維強化樹脂組成物を用いて、強度に優れる成形体を作製することができる。
樹脂として、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド(ナイロン樹脂、PA)、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリ乳酸とポリエステル共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、(熱可塑性)ポリウレタン、ポリアセタール(POM)、ビニルエーテル樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂(例えばトリアセチル化セルロース、ジアセチル化セルロース)等を好ましく使用することができる。
ポリアミド(アミド系樹脂)として、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジポアミド、ポリアミド66、PA66)、ナイロン6(ε-カプロラクタムの開環重合体、ポリアミド6、PA6)、ナイロン11(ウンデカンラクタムを開環重縮合したポリアミド、ポリアミド11、PA11)、ナイロン12(ラウリルラクタムを開環重縮合したポリアミド、ポリアミド12、PA12)、ナイロン46(ポリアミド46、PA46)、ナイロン610(ポリアミド610、PA610)、ナイロン612(ポリアミド612、PA612)等の脂肪族アミド系樹脂を使用することが好ましい。ポリアミド樹脂として、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンと塩化テレフタロイルや塩化イソフタロイル等の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族ポリアミド等を使用することが好ましい。
ポリアセタール(POM)として、トリオキサン、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド等の重合体及び共重合体を好ましく使用することができる。
これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上の混合樹脂として用いてもよい。
分子構造内に極性の高いアミド結合を有するポリアミド樹脂(PA)は、セルロース系材料との親和性が高いという理由から、PA6、PA66、PA11、PA12等、及びポリアミド共重合樹脂等を用いることが好ましい。
更に、構造部材として汎用性を有するポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE、特に高密度ポリエチレン:HDPE)及びこれら汎用性ポリオレフィンと相溶性の高い無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP)が好ましい。
ポリエステルとして、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、不飽和ポリエステル等を好ましく使用することができる。
芳香族ポリエステルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール等のジオール類とテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸との共重合体を好ましく使用することができる。
脂肪族ポリエステルとしては、ジオール類とコハク酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸との重合体や共重合体、グリコール酸や乳酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体又は共重合体、ジオール類、脂肪族ジカルボン酸及び上記ヒドロキシカルボン酸の共重合体等を好ましく使用することができる。
不飽和ポリエステルとしては、ジオール類、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、及び必要に応じてスチレン等のビニル単量体との共重合体を好ましく使用することができる。
樹脂の中でも、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。樹脂の中でも、力学的特性、耐熱性、表面平滑性及び外観に優れるという点から、PA、POM、PP、無水マレイン酸変性PP、PE、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリ乳酸とポリエステル共重合樹脂、ポリスチレン及びABS樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いることが好ましい。
本発明の繊維強化樹脂組成物において、(3)樹脂100質量部に対して、(1)パルプを構成するセルロース又は/及びリグノセルロース中の一部の水酸基の水素原子がアセチル化され、且つミクロフィブリル化された、アセチル化パルプ(ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプ)の含有量は、0.1〜40質量部程度であることが好ましい。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、マスターバッチとして使用することもできる。マスターバッチとして使用する場合、(3)樹脂100質量部に対して、(1)ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプの含有量は、10〜40質量部程度であることが好ましい。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、力学的特性、耐熱性、表面平滑性及び外観に優れる。
(1)ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプは、軽量であり、強度を有し、低線熱膨張係数を有する。組成物が(1)ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含んでも、組成物は汎用の熱可塑性プラスチックと同様に、加熱すると軟化して成形し易くなり、冷やすと再び固くなる性質(熱可塑性)を持ち、良好な加工性を発現できる。
繊維強化樹脂組成物の製造方法
本発明の繊維強化樹脂組成物は、前記AcP組成物と樹脂とを溶融混錬(混合)する工程を含むことを特徴とする方法により製造することができる。
製造方法では、混練処理や混合処理を「複合化」ともいう。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、(1)ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプを含むので、その繊維同士が、水素結合によって凝集することを抑制できる。
よって、AcP組成物と(3)樹脂(マトリックス材料)との溶融混錬工程において、溶融混錬中にアセチル化パルプが解繊して生成した(1)ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプ同士の凝集が抑制され、(1)ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプは(3)熱可塑性樹脂中で均一に分散される。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、AcP組成物と(3)樹脂との溶融混練(混合)工程において、繊維径が数十から数百μmのアセチル化パルプが、混練と同時に繊維径が数十nm〜数百nmのアセチル化パルプに容易に解繊される。
本発明の繊維強化樹脂組成物の製造に使用されるAcP組成物は、低コストで調製でき、処理の簡便性に優れていることから実用化が容易である。本発明の繊維強化樹脂組成物の製造に使用されるAcP組成物中のAcPは、樹脂中で分散性が良く、解繊(ミクロフィブリル化)も促進される。
本発明の繊維強化樹脂組成物では、例えばPA6、POM、PP、MAPP等の樹脂(マトリックス)とAcP組成物とを溶融混練して、せん断応力を利用してAcP組成物中のAcPを解繊することができる。そのAcPは、ミクロフィブリル化(ナノファイバー化)され、樹脂中に良好に分散される。
本発明の繊維強化樹脂組成物の製造においては、AcP組成物を、樹脂と共に、一軸又は多軸混練機(好ましくは多軸混練機)で、加熱下に樹脂を溶融し混練することが好ましい。
加熱する場合、混合する温度は、使用する(3)樹脂に合わせて調整することができる。加熱温度は、樹脂供給業者が推奨する、最低加工温度から、この推奨加工温度より20℃高い温度の範囲が好ましい。
加熱温度として、PA6を用いる時は200〜240℃程度が好ましく、POMを用いる時は170℃〜190℃が好ましく、PP及びMAPPを用いる時は160〜180℃程度が好ましい。
加熱温度(混合温度)をこの温度範囲に設定することにより、(1)ミクロフィブリル化されたアセチル化パルプ(ミクロフィブリル化されたアセチル化植物繊維)と(3)樹脂(マトリックス材料)とを均一に混合することができる。
AcP組成物と樹脂を溶融混錬するに先立ち、予め、AcP組成物と樹脂を混合することもできる。この混合方法として、ベンチロール、バンバリーミキサー、ニーダー、プラネタリーミキサー等の混練機により混練する方法、攪拌羽により混合する方法、公転・自転方式の攪拌機により混合する方法等により、混合することが好ましい。
本製造工程においては、ポリエチレングリコール類を含有する未解繊のパルプをアセチル化し、得られたAcP組成物と樹脂との複合化の際の加熱溶融混錬機のせん断応力により、樹脂と複合化しながらAcP組成物中のAcPを解繊するため、製造工程が簡単で製造費用の低コスト化が図れ、更にダメージの少ないミクロフィブリル化されたアセチル化パルプが分散した高性能な繊維強化樹脂組成物を得ることが可能となる。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、力学的特性、耐熱性、表面平滑性及び外観に優れた繊維強化樹脂組成物である。本発明の繊維強化樹脂組成物は、力学的特性において、曲げ試験等の静的特性、及び衝撃試験等の動的特性をバランス良く向上できる。
本発明の繊維強化樹脂組成物は、例えば、相溶化剤;界面活性剤;でんぷん類、アルギン酸等の多糖類;ゼラチン、ニカワ、カゼイン等の天然たんぱく質;タンニン、ゼオライト、セラミックス、金属粉末等の無機化合物;着色剤;可塑剤;香料;顔料;流動調整剤;レベリング剤;導電剤;帯電防止剤;紫外線吸収剤;紫外線分散剤;消臭剤;酸化防止剤等の添加剤を配合してもよい。任意の添加剤の含有割合としては、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜含有されてもよい。
[3]成形材料及び成形体(成型材料及び成型体)
本発明の繊維強化樹脂組成物を用いて、成形材料及び成形体(成型材料及び成形体)を製造することができる。成形体の形状としては、フィルム状、シート状、板状、ペレット状、粉末状、立体構造など各種形状等の各種形状の成形体が挙げられる。成形方法として、金型成形、射出成形、押出成形、中空成形、発泡成形等を用いることができる。
成形体(成型体)は、植物繊維を含むマトリックス成形物(成形物)が使用される繊維強化プラスチック分野に加え、熱可塑性及び機械強度(引張り強度等)が要求される分野にも使用できる。
本発明の繊維強化樹脂組成物及びこれから製造される成形体は、自動車、電車、船舶、飛行機等の輸送機器の内装材、外装材、構造材等;パソコン、テレビ、電話、時計等の電化製品等の筺体、構造材、内部部品等;携帯電話等の移動通信機器等の筺体、構造材、内部部品等;携帯音楽再生機器、映像再生機器、印刷機器、複写機器、スポーツ用品等の筺体、構造材、内部部品等;建築材;文具等の事務機器等、容器、コンテナー等として有効に使用することができる。
本発明の繊維強化樹脂組成物を用いると、力学的特性、耐熱性、表面平滑性、外観等に優れる成形体を得ることができる。更に、成形体は、力学的特性において、曲げ試験等の静的特性、及び衝撃試験等の動的特性をバランス良く向上でき、植物繊維の凝集塊が発生せず、表面平滑性及び外観に優れる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.使用原料
(1)原料リグノパルプ(LP)
・調整方法:日本製紙株式会社製の針葉樹未晒クラフトパルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ、NUKP)のスラリーをシングルディスクリファイナーに通液させ、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)値(濾水度)が50mLになるまで、繰返しリファイナー処理することにより解繊して調整した。
・組成(質量%):セルロース(Cel)77.8%、グルコマンナン(GlcMan)5.4%、キシラン(Xy)l7.3%、アラビノガラクタン(AraGal)0.9%[アラビナン(Ara)0.45、ガラクタン(Gal)0.45)]、リグニン(Lig)8.6%
・濾水度(CSF):50mL
(2)使用樹脂
・PA6(ナイロン6、ユニチカ株式会社製ナイロン6A 1020LP)
(3)エチレングリコール類
・エチレングリコール(EG):和光純薬工業から購入
・トリエチレングリコール(TEG):和光純薬工業から購入
・ポリエチレングリコール600(PEG600):ナカライテスク株式会社から購入
・ポリエチレングリコール1540(PEG1540):和光純薬から購入、
・ポリエチレングリコール6000(PEG6000):ナカライテスク株式会社から購入
2.アセチル化エチレングリコール誘導体を含有するアセチル化リグノパルプ組成物
(本発明AcP組成物)の製造法
2-1.液相法によるアセチル化リグノパルプ(AcLP)組成物の製造方法
<実施例1>(試験番号328)
(1)ポリエチレングリコール600(PEG600)を含有するシート状リグノパルプ組成物の調製
前記原料リグノパルプ(日本製紙株式会社製のリグノパルプ(NUKP)を予備解繊して得たもの)を抄紙してシート状リグノパルプを調製し、固形分換算で15g(縦15cm、長さ55cm、厚さ約0.15mm、含水率35.6%)のシート状リグノパルプを秤取した。
このシート状リグノパルプに、ポリエチレングリコール600(PEG600)の水溶液(約35gの水に1.5gのPEG600を水約35g溶解して調整)を均一に含侵させた。
このシート状リグノパルプを一晩、空気中で乾燥させ、PEG600を10質量%(対乾燥パルプ質量%)含む、含水率10.7%のシート状リグノパルプ(シート状のPEG600含有リグノパルプ)を得た。
(2)シート状のPEG含有リグノパルプ(原料パルプシート)のアセチル化
上記のシート状のPEG含有リグノパルプを、無水酢酸20mL、酢酸カリウム0.3g及び酢酸10mLの混合溶液に浸漬して100℃で20時間反応させた。
リグノパルプはDSが1.02までアセチル化された。
シート状のリグノパルプのアセチル化のDSは以下のようにして求めた。
アセチル化されたシート状のリグノパルプの1部をサンプリングし、これをアセトン中で1時間撹拌し、その後にろ過する操作により洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返し、その後に乾燥して試料を得た。この試料のFT-IRスペクトルを測定して、セルロース及びへミセルロースのCH2の変角振動に基づく1315cm-1の吸収バンドの高さを1としてスペクトルを標準化した。
そして、下記の式にてDS値を算出した。
DS=0.0113X−0.0122
(式中、Xは標準化されたスペクトルの1733cm-1付近のエステルカルボニルの吸収ピーク面積を示す。)
アセチル化反応の後、シート状のリグノパルプを反応液から引き上げて液滴が落ちない程度の濡れ具合にした。その後、80℃で1晩減圧乾燥し、含水率4.5%の、アセチル化PEGを含有するシート状アセチル化リグノパルプ組成物を得た。
このシート状アセチル化リグノパルプ組成物の一部の量(15g)を取り、ソックスレー抽出器を使用して抽出溶媒アセトンで2日間抽出し、次いで溶媒を留去して油状物1.1gを得た。この油状物の赤外線吸収スペクトルは、1735cm-1に強い吸収ピークを示した(図1参照)。
このことから、上記アセチル化反応により原料のシート状リグノパルプに含有されていたPEG600もアセチル化されて、アセチル化PEG600を含有するアセチル化リグノパルプ組成物が得られたことが確認できた。
<実施例2>(試験番号325)
PEG600の代わりにエチレングリコール(EG)を使用した以外は、実施例1と同様の操作でアセチル化EGを含有するシート状アセチル化リグノパルプ組成物を得た。
<実施例3>(試験番号327)
PEG600の代わりにトリエチレングリコール(TEG)を使用した以外は、実施例1と同様の操作で、アセチル化TEGを含有するシート状アセチル化リグノパルプ組成物を得た。
<比較例1>(試験番号324)
シート状のリグノパルプ(NUKP)にPEG600を含浸させずにシート状リグノパルプを作成した。これを、実施例1と同様の操作でアセチル化し、アセチル化エチレングリコール誘導体を含有しない、シート状のアセチル化リグノパルプを作成した。
<実験結果>
実施例1〜3のシート状アセチル化リグノパルプ組成物及び比較例1のシート状アセチル化リグノパルプの調製条件、並びに、実施例1〜3のシート状アセチル化リグノパルプ組成物中のアセチル化パルプ(AcLP)のDS値及び比較例のシート状アセチル化リグノパルプ(AcLP)のDS値を表1に示す。
2-2気相法によるアセチル化リグノパルプ(AcLP)組成物の製造方法
<実施例4>(試験番号295)
(1)ポリエチレングリコール600(PEG600)を含有するシート状のリグノパルプの調製
前記原料リグノパルプ(日本製紙株式会社製のリグノパルプ(NUKP)を予備解繊して得たもの)を抄紙してシート状リグノパルプを調製し、固形分換算で15g(縦15cm、長さ55cm、厚さ約0.15mm、含水率35.6%)のシート状リグノパルプを秤取した。
このシート状リグノパルプに、ポリエチレングリコール600(PEG600)水溶液(1.5gのPEG600を約35gの水に溶解して調製)を均一に含侵させた。
このシート状リグノパルプを2日間凍結乾燥させ、PEG600を10質量%(対乾燥パルプ質量%)含む、含水率6.41%のシート状のリグノパルプ(PEG600含有シート状リグノパルプ)を得た。
(2)PEG600含有シート状リグノパルプ(原料パルプシート)のアセチル化(気相法)
容器底部に支持台を備えた気相反応容器を使用して、上記のPEG600含有シート状リグノパルプを、以下のようにして、気相法によりアセチル化した。
PEG600含有シート状リグノパルプを、支持台上に静置し、次いで、このPEG600含有シート状リグノパルプに直接触れないように14mlの無水酢酸を反応容器内に入れた。
次いで、室温で反応容器内の気圧を30hPaまで減圧し、次いで、反応器内温を80℃まで昇温して、気体状の無水酢酸とPEG600含有シート状リグノパルプとを20時間反応させた。
リグノパルプは、DSが0.79までアセチル化された。
反応終了後シートを80℃で1晩減圧乾燥し、アセチル化PEG600を含有するシート状のアセチル化リグノパルプ組成物(含水率5.0%、DS:0.79)を得た。
<実施例5>(試験番号319)
PEG600の代わりにエチレングリコール(EG)を使用した以外は実施例4と同様の操作で、アセチル化EGを含有するシート状のアセチル化リグノパルプ組成物を得た。
<実施例6>(試験番号294)
PEG600の代わりにトリエチレングリコール(TEG)を使用した以外は実施例4と同様の操作で、アセチル化TEGを含有するシート状のアセチル化リグノパルプ組成物を得た
<比較例2>(試験番号291)
リグノパルプ(NUKP)から、シート状リグノパルプ(PEG600含有無)を作成した。これを、実施例4と同様の操作でアセチル化し、シート状のアセチル化リグノパルプ(アセチル化エチレングリコール誘導体を含有しない)を作成した。
<比較例3>(試験番号311)
PEG600の代わりにPEG1540を使用した以外は、実施例4と同様の操作でアセチル化PEG1540を含有するシート状のアセチル化リグノパルプ組成物を作成した。
<比較例4>(試験番号312)
PEG600の代わりにPEG6000を使用した以外は、実施例4と同様の操作でアセチル化PEG6000を含有するシート状のアセチル化リグノパルプ組成物を作成した。
<実験結果>
実施例4〜6のアセチル化リグノパルプシート組成物及び比較例2〜4のアセチル化リグノパルプシート又はアセチル化リグノパルプシート組成物の調製条件並びに、得られたシート状のアセチル化リグノパルプ組成物中のアセチル化リグノパルプ(AcLP)のDS値及びシート状アセチル化リグノパルプのDS値を表2及び3に示す。
3.ミクロフィブリル化されたアセチル化リグノセルロース含有樹脂組成物
(繊維強化樹脂組成物)とその成形体の製造
(1)繊維強化樹脂組成物の製造
<実施例7>(アセチル化PEG600を含有するアセチル化リグノパルプ組成物からの製造)
上記でられたアセチル化PEG600を含有するシート状のアセチル化リグノパルプ組成物を縦2cm、横2cmの小片に裁断し、ブレンダーで粉砕して綿状にした。
これをナイロン6(PA6)の粉体と共に、セルロース成分が10%になるような比率で混ぜて、再びブレンダーで粉砕混合しPEG600を含有する綿状のアセチル化リグノパルプと粉状のPA6の混合物を得た。この混合物を下記の条件で溶融混練し、造粒してミクロフィブリル化されたアセチル化リグノセルロースを含有する樹脂組成物(本発明の繊維強化樹脂組成物)を得た。
・混練装置:テクノベル社製「TWX-15型」
・混練条件:温度=200℃
吐出=3-8g/min
スクリュ−回転数=200rpm
(2)成形体の製造と強度試験
上記で得られたミクロフィブリル化されたアセチル化リグノセルロースを含有する樹脂組成物(繊維強化樹脂組成物)を下記条件で射出成形し成形体(試験片)を作成した。
・射出成形機:日精樹脂社製「NP7型」
・成形条件:成型温度=220℃
金型温度=40℃
射出率=4-6cm3/秒
得られた試験片について、電気機械式万能試験機(インストロン社製)を用い、試験速度を1.5mm/分として弾性率及び引張強度を測定した(ロードセル5kN)。
その際、支点間距離を4.5cmとした。
<実験結果>
樹脂組成物(繊維強化樹脂組成物)の製造結果を表4〜6に示す。
(3)アセチル化リグノセルロースの樹脂中での解繊性
上記のアセチル化リグノセルロース含有成形体をX線CTスキャナ(SKYSCAN製、SKYSCAN1172)を用いて観察した(分解能1.45μm/ピクセル)。
このX-CT像は弾性率の大きいもの程、μm単位で存在する繊維の輪郭が不明瞭になり白いモヤ状の像が観察された。
樹脂との混練でアシル化リグノセルロースの解繊が進みミクロフィブリル化しているといえる。
実施例7のX線CT像を図2に例示する。

Claims (8)

  1. パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ及び
    下記式(1):
    R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
    (式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
    で表されるエチレングリコール誘導体を含有することを特徴とする、
    アセチル化パルプ組成物。
  2. 前記アセチル化パルプがアセチル化リグノパルプである、請求項1に記載のアセチル化パルプ組成物。
  3. 前記パルプ成分中に存在する水酸基の水素原子のアセチル基による置換度が0.3〜2.5である、請求項1又は2に記載のアセチル化パルプ組成物。
  4. 紙状、シート状又は不織布状である、請求項1〜3のいずれかに記載のアセチル化パルプ組成物。
  5. 綿状又は粉状である、請求項1〜3のいずれかに記載のアセチル化パルプ組成物。
  6. パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ組成物の製造方法であって、
    下記式(2):
    H−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−H・・・(2)
    (式中、nは0〜13の整数を示す。)
    で表されるエチレングリコール又はその重縮合体を含有するパルプと
    アセチル化剤とを反応させて、
    パルプ成分中に存在する一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたアセチル化パルプ及び
    下記式(1):
    R1−O−(CH2−CH2−O)−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
    (式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
    で表されるエチレングリコール誘導体を含有する、
    アセチル化パルプ組成物を製造する方法。
  7. (1)パルプを構成するセルロース又は/及びリグノセルロース中の一部の水酸基の水素原子がアセチル化され、且つミクロフィブリル化された、アセチル化パルプ、
    (2)下記式(1):
    R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
    (式中、R1及びR2は、水素原子又はアセチル基を示す。ただし、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
    で表されるエチレングリコール誘導体、及び
    (3)樹脂
    を含有する、繊維強化樹脂組成物。
  8. 繊維強化樹脂組成物の製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載のアセチル化パルプ組成物と樹脂とを溶融混錬する工程を含むことを特徴とする、
    (1)パルプを構成するセルロース又は/及びリグノセルロース中の一部の水酸基の水素原子がアセチル化され且つミクロフィブリル化された、アセチル化パルプ、
    (2)下記式(1):
    R1−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−O−R2・・・(1)
    (式中、R及びRは、水素原子又はアセチル基を示す。但し、R1及びR2が同時に水素原子ではない。nは0〜13の整数を示す。)
    で表されるエチレングリコール誘導体、及び
    (3)樹脂を含有する、
    繊維強化樹脂組成物を製造する方法。
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