JPH0610760A - V型エンジンのクランク室 - Google Patents

V型エンジンのクランク室

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Publication number
JPH0610760A
JPH0610760A JP16962592A JP16962592A JPH0610760A JP H0610760 A JPH0610760 A JP H0610760A JP 16962592 A JP16962592 A JP 16962592A JP 16962592 A JP16962592 A JP 16962592A JP H0610760 A JPH0610760 A JP H0610760A
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JP
Japan
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air
crankshaft
crank chamber
piston
bank
Prior art date
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Application number
JP16962592A
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English (en)
Inventor
Yoshio Kamata
芳穂 鎌田
Yasuo Yukitake
康夫 雪竹
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 シリンダブロックとその下部に結合されるク
ランクケースにより形成されたV型エンジンのクランク
室9で、クランクシャフト10の回転方向上流側のバン
クのピストン4の裏側空間のシリンダボア3内に、エア
を供給するエア供給手段12が設けられている。 【効果】 ピストン4が上昇すると、エア供給手段12
からエアが供給され、ピストン4の裏側空間に負圧が発
生することが防止されるから、対向するピストン6の下
降により生じた正圧部分から、オイルミストが負圧部分
に流れて、オイルミストがクランクシャフト10の回転
に対する抵抗となることが防止され、高回転運転領域に
おける出力損失を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、V型エンジンのクラン
ク室に関するものであり、さらに詳細には、高回転運転
領域における出力損失を低減することのできるV型エン
ジンのクランク室に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、レシプロエンジンにおいては、
高回転運転状態になると、クランク室内のオイルミスト
が増大し、ピストンの往復運動により、正圧部分および
負圧部分が交互に生ずるため、このオイルミストが、激
しく流動して、出力の低下を招くという問題があった。
【0003】このような問題を解決するため、実開昭6
4−49655号は、直列多気筒エンジンにおいて、点
火時期が、180度異なる気筒のシリンダボアの下部に
連通孔を設けて、ピストンが上昇することにより生じた
負圧部分に、ピストンが下降することにより生じた正圧
部分から、エアを流入させることによって、圧力変動を
防止して、オイルミストの流動を抑制するようにした直
列多気筒エンジンを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラン
クシャフトの回転によっても、オイルミストは流動し、
回転上流側に、負圧部分が発生すると、クランクシャフ
トの回転によるオイルミストの流動方向と逆方向のオイ
ルミストの流れが生じ、クランクの回転に対する抵抗に
なるという問題があり、とくに、クランクシャフトの両
側に、気筒が設けられたV型エンジンにおいては、回転
上流側の気筒のピストンの上昇により、負圧部分が生ず
ると、対向する回転下流側の気筒のピストンの下降によ
って生じた正圧部分から、オイルミストが流れ、クラン
クシャフトの回転に対する抵抗となって、出力の低下を
招くという問題があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、クランクシャフトの軸方向か
ら見て、V型に配置されたバンクが設けられたシリンダ
ブロックと、該シリンダブロックの下部に結合されるク
ランクケースとにより形成されたV型エンジンのクラン
ク室において、高回転運転領域における出力損失を低減
することのできるV型エンジンのクランク室を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【発明の構成】本発明のかかる目的は、前記バンクのう
ち、前記クランクシャフトの回転方向における上流側に
位置するバンクのピストン裏側空間部のシリンダボア内
に、エアを供給するエア供給手段を設けることによって
達成される。本発明の好ましい実施態様においては、前
記エア供給手段が、ピストンが下死点に位置していると
きに、ピストンの頂部の下方に位置するように配置され
ている。
【0007】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記エア供給手段が、エンジン本体の所定部位に設
けられた容積部に連通する連通通路により形成されてい
る。本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記
エア供給手段が、シリンダヘッドの間の空間部に連通す
る連通通路により形成されている。本発明のさらに他の
好ましい実施態様においては、前記エア供給手段が、エ
ア噴射手段により構成されている。
【0008】本発明の別の好ましい実施態様において
は、クランクシャフトの回転方向上流側のクランク室内
の負圧発生部分に配置されたエア噴射手段を含む複数の
エア噴射手段が設けられ、各エア噴射手段が、クランク
シャフトの回転方向に沿って、エアを噴射するように構
成されている。本発明の他の好ましい実施態様において
は、クランクシャフトの回転方向上流側のクランク室内
の負圧発生部分に配置されたエア噴射手段およびクラン
ク室の底部に配置されたエア噴射手段を含む複数のエア
噴射手段が設けられ、各エア噴射手段が、クランクシャ
フトの回転方向に沿って、エアを噴射するように構成さ
れるとともに、クランク室の底部に設けられた前記エア
噴射手段から噴射されるエアの噴射方向の略延長上に、
オイル補集手段が設けられている。
【0009】
【発明の作用】本発明によれば、バンクのうち、クラン
クシャフトの回転方向における上流側に位置するバンク
のピストン裏側空間部のシリンダボア内に、エアを供給
するエア供給手段が設けられているので、回転上流側の
気筒のピストンが上昇すると、エア供給手段から、エア
が供給されて、クランクシャフトの回転方向における上
流側に位置するバンクのピストン裏側空間部のシリンダ
ボア内における負圧の発生が防止され、したがって、対
向する回転下流側の気筒のピストンの下降によって生じ
た正圧部分から、負圧部分に向かって、オイルミストが
流れることが防止されるから、オイルミストの流れが、
クランクシャフトの回転に対する抵抗となることはな
く、高回転運転領域における出力損失を低減することが
可能になる。
【0010】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
クランクシャフトの回転方向上流側のクランク室内の負
圧発生部分に配置されたエア噴射手段を含む複数のエア
噴射手段が設けられ、各エア噴射手段が、クランクシャ
フトの回転方向に沿って、エアを噴射するように構成さ
れているから、回転上流側の気筒のピストンが上昇した
ときに、負圧部分が生ずるのを防止することができると
ともに、クランクシャフトの回転方向に沿ったオイルミ
ストの流れを促進することができ、オイルミストの流れ
が、クランクシャフトの回転に対する抵抗となることは
なく、高回転運転領域における出力損失を低減すること
が可能になる。
【0011】本発明の他の好ましい実施態様によれば、
クランクシャフトの回転方向上流側のクランク室内の負
圧発生部分に配置されたエア噴射手段およびクランク室
の底部に配置されたエア噴射手段を含む複数のエア噴射
手段が設けられ、各エア噴射手段が、クランクシャフト
の回転方向に沿って、エアを噴射するように構成される
とともに、クランク室の底部に設けられたエア噴射手段
から噴射されるエアの噴射方向の略延長上に、オイル補
集手段が設けられているから、回転上流側の気筒のピス
トンが上昇したときに、負圧部分が生ずるのを防止する
ことができるとともに、クランクシャフトの回転方向に
沿ったオイルミストの流れを促進することができ、オイ
ルミストの流れが、クランクシャフトの回転に対する抵
抗となることはなく、高回転運転領域における出力損失
を低減することが可能になるとともに、クランクシャフ
トのメインジャーナルおよびピンジャーナルからクラン
クウエブ上に漏れたオイルを、エア噴射手段から吹き出
したエアにより捕捉することができ、クランク室の底部
に設けられたエア噴射手段から噴射されるエアの噴射方
向の略延長上に設けられたオイル補集手段により、オイ
ルを効果的に補集することが可能になるから、クランク
室内のオイルミストの量を低減することができ、高回転
運転領域における出力損失を低減することが可能にな
る。
【0012】
【実施例】以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例
につき、詳細に説明を加える。図1は、本発明の実施例
に係るV型エンジンのクランク室の略断面図である。図
1において、本発明の実施例に係るV型エンジンは、第
1バンク1および第2バンク2を備え、第1バンク1の
シリンダボア3内には、その内部を摺動するピストン4
が設けられ、第2バンク2のシリンダボア5内には、そ
の内部を摺動するピストン6が設けられている。ピスト
ン4とピストン6とは、それぞれ、シリンダボア3、シ
リンダボア5内を、交互に、上昇し、下降するように構
成されており、その結果、ピストン4に取付けられたピ
ストンロッド7およびピストン6に取付けられたピスト
ンロッド8によって、クランク室9内のクランクシャフ
ト10は、矢印Aの方向に回転されるように構成されて
いる。クランクシャフト10には、クランクウエブ11
が、クランクシャフト10とともに回転可能に取付けら
れている。また、クランクシャフト10の回転方向上流
側に位置する第1バンク1のシリンダボア3内の下端部
近傍には、連通孔12が開口しており、連通孔12は、
連通通路13を介して、シリンダヘッド14、15の図
示しない容積室に接続されている。
【0013】図1においては、第1バンク1のピストン
4が上昇し、第2バンク2のピストン6が下降した状態
が示されている。かかる状態においては、ピストン4の
下方のシリンダボア3の内部およびその近傍のクランク
室9内は、負圧状態になり、他方、ピストン6の下方の
シリンダボア5の内部およびその近傍のクランク室9内
は、正圧状態になる。その結果、クランク室9内のオイ
ルミストは、ピストン6の下方のシリンダボア5の内部
およびその近傍のクランク室9の部分から、ピストン4
の下方のシリンダボア3の内部およびその近傍のクラン
ク室9の部分に向かって流れ、クランクシャフト10お
よびクランクウエブ11に同伴されて流れるオイルミス
トの流れの方向と向きが反対になり、クランクシャフト
10の回転に対して抵抗として作用するので、エンジン
の出力が低下する。とくに、高回転運転領域において
は、かかる現象が短い周期で生ずるため、エンジン出力
の低下が著しくなる。しかるに、本実施例においては、
連通通路13を介して、シリンダヘッド14、15の図
示しない容積室に連通する連通孔12が、第1バンク1
のシリンダボア3の下端部近傍に開口しているので、第
1バンク1のピストン4が上昇を開始すると、シリンダ
ヘッド14、15の容積室から連通通路13および連通
孔12を介して、エアが、第1バンク1のシリンダボア
3の下端部近傍に供給され、したがって、ピストン4の
下方のシリンダボア3の内部およびその近傍のクランク
室9の部分が、負圧状態になることが防止されるから、
ピストン4の上昇およびピストン6の下降に伴って、回
転するクランクシャフト10およびクランクウエブ11
に同伴されて流れるオイルミストの流れと逆向きに、オ
イルミストの流れが生成されることが確実に防止され、
エンジンの出力損失を低減することが可能になる。ここ
に、クランクシャフト10の回転方向下流側に位置する
第2バンク2のシリンダボア5内の下端部近傍には、連
通孔は開口してはおらず、したがって、ピストン6が上
昇するときには、ピストン6の下方のシリンダボア5の
内部およびその近傍のクランク室9内が、負圧状態にな
るが、その場合には、ピストン4の下方のシリンダボア
3の内部およびその近傍のクランク室9内は、正圧状態
になっており、ピストン6の上昇およびピストン4の下
降に伴うオイルミストの流れは、回転するクランクシャ
フト10およびクランクウエブ11に同伴されて流れる
オイルミストの流れと同じ向きになるから、クランクシ
ャフト10の回転に対して抵抗として作用することはな
く、したがって、第2バンク2のシリンダボア5の下端
部近傍に、連通孔を形成する必要はない。
【0014】図2は、本発明の別の実施例に係るV型エ
ンジンのクランク室の略断面図である。図2に示された
実施例においては、連通孔12が、連通通路13を介し
て、シリンダヘッド14、15の容積室に連通する代わ
りに、シリンダヘッド14とシリンダヘッド15の間の
空間部16に連通している点でのみ、図1に示された実
施例と異なっている。
【0015】したがって、本実施例によれば、連通通路
13を介して、シリンダヘッド14とシリンダヘッド1
5の間の空間部16に連通する連通孔12が、第1バン
ク1のシリンダボア3内の下端部近傍に開口しているの
で、第1バンク1のピストン4が上昇を開始すると、シ
リンダヘッド14とシリンダヘッド15の間の空間部1
6から連通通路13および連通孔12を介して、エア
が、第1バンク1のシリンダボア3の下端部近傍に供給
され、したがって、ピストン4の下方のシリンダボア3
の内部およびその近傍のクランク室9の部分が、負圧状
態になることが防止されるから、ピストン4の上昇およ
びピストン6の下降に伴って、回転するクランクシャフ
ト10およびクランクウエブ11に同伴されて流れるオ
イルミストの流れと逆向きに、オイルミストの流れが生
成されることが確実に防止され、エンジンの出力損失を
低減することが可能になる。
【0016】図3は、本発明の他の実施例に係るV型エ
ンジンのクランク室の略断面図である。図3において、
第1バンク1のシリンダボア3の直下方のクランク室9
内に、クランクシャフト10の回転方向に沿って、シリ
ンダボア3内に向けて、エアを噴射可能なエア噴射手段
20が設けられるとともに、クランク室9内のオイルミ
ストを回収して、オイルセパレータ21により、オイル
とエアとを分離するために、スカベンジ通路22および
スカベンジポンプ23が設けられている。また、オイル
タンク24から、圧力ポンプ25によって、潤滑用のオ
イルが、クランクシャフト10に供給されている。スカ
ベンジポンプ23によって、クランク室9から、スカベ
ンジ通路22を介して、回収されたオイルミストは、オ
イルセパレータ21によって、オイルとエアとに分離さ
れ、分離されたエアは、圧力ポンプ26により、エア噴
射手段20に送られる。他方、分離されたオイルは、オ
イルタンク24に送られて、必要に応じて、圧力ポンプ
25により、クランクシャフト10に供給される。ま
た、オイルタンク24内のオイルミストが、オイルセパ
レータ21により、オイルとエアとに分離されるよう
に、オイルタンク24内の上部空間も、オイルセパレー
タ21に連通されている。
【0017】本実施例においては、クランクシャフト1
0の回転方向上流側の第1バンク1のピストン4が上昇
するときに、圧力ポンプ26によって、エア噴射手段2
0から、エアが、クランクシャフト10の回転方向に沿
って、第1バンク1のシリンダボア3内に向けて、噴射
されるように、図示しない制御手段により、エア噴射の
タイミングが制御されており、したがって、第1バンク
1のピストン4が上昇を開始すると、エア噴射手段20
から、エアが、第1バンク1のシリンダボア3内に向け
て、噴射され、ピストン4の下方のシリンダボア3の内
部およびその近傍のクランク室9の部分が、負圧状態に
なることが防止されるから、ピストン4の上昇およびピ
ストン6の下降に伴って、回転するクランクシャフト1
0およびクランクウエブ11に同伴されて流れるオイル
ミストの流れと逆向きに、オイルミストの流れが生成さ
れることが確実に防止され、エンジンの出力損失を低減
することが可能になる。さらに、エアの噴射速度を制御
することにより、オイルミストのクランクシャフト10
の回転方向への流れを促進して、クランクシャフト10
の回転に対する抵抗を低減することができるから、エン
ジンの出力損失をより一層低減することが可能になる。
【0018】図4は、本発明のさらに他の実施例に係る
V型エンジンのクランク室の略断面図である。図4に示
される実施例においては、3つのエア噴射手段30、3
1、32が設けられている点でのみ、図3に示された実
施例と異なっている。すなわち、第1エア噴射手段30
は、図3に示された実施例におけるエア噴射手段20と
全く同様に、第1バンク1のシリンダボア3の直下方の
クランク室9内に、クランクシャフト10の回転方向に
沿って、シリンダボア3内に向けて、エアを噴射可能な
ように設けられているが、さらに、第2エア噴射手段3
1が、クランク室9の上部に、クランクシャフト10の
回転方向に沿って、エアを噴射可能なように設けられる
とともに、第2バンク2のシリンダボア5の直下方のク
ランク室9内に、クランクシャフト10の回転方向に沿
って、エアを噴射可能に、第3エア噴射手段32が設け
られている。これら第1エア噴射手段30、第2エア噴
射手段31および第3エア噴射手段32は、それぞれ、
クランクシャフト10の回転方向上流側の第1バンク1
のピストン4が上昇するときに、図示しない制御手段に
よって、エアが、所定の方向に、噴射されるように制御
されている。
【0019】本実施例によれば、図3に示された実施例
におけるエア噴射手段20と全く同様に、第1エア噴射
手段30が設けられているので、第1バンク1のピスト
ン4が上昇を開始すると、エア噴射手段20から、エア
が、第1バンク1のシリンダボア3内に向けて、噴射さ
れ、ピストン4の下方のシリンダボア3の内部およびそ
の近傍のクランク室9の部分が、負圧状態になることが
防止され、さらに、第2エア噴射手段31および第3エ
ア噴射手段32から、エアが、クランクシャフト10の
回転方向に沿って、噴射されるから、回転するクランク
シャフト10およびクランクウエブ11に同伴されて流
れるオイルミストの流れが促進されて、クランクシャフ
ト10の回転に対する抵抗が低減され、エンジンの出力
損失をより一層低減することが可能になる。
【0020】図5は、本発明のさらに他の実施例に係る
V型エンジンのクランク室の略断面図である。図5に示
された実施例においては、図4に示された実施例におけ
る第2エア噴射手段31が、クランク室9の上部ではな
く、底部に設けられている点、第2エア噴射手段31お
よび第3エア噴射手段32のエア噴射方向の延長上のク
ランク室9の底部に、それぞれ、複数のオイルミスト補
集口が形成されたオイルミスト補集板からなる第1オイ
ルミスト補集手段40および第2オイルミスト補集手段
41が設けられている点で、図4に示された実施例と異
なっている。
【0021】図6に示されるように、クランクシャフト
10に取付けられた一対のクランクウエブ11に対応す
るクランク室9の底部に、一対の第2エア噴射手段31
が設けられ、これら一対の第2エア噴射手段31から噴
射されるエアの噴射方向の延長上のクランク室9の底部
に、複数のオイルミスト補集口42が形成されたオイル
ミスト補集板43からなる一対の第1オイルミスト補集
手段40が設けられている。また、図示してはいない
が、一対の第3エア噴射手段32の延長上のクランク室
9の底部に、複数のオイルミスト補集口42が形成され
たオイルミスト補集板43からなる一対の第2オイルミ
スト補集手段41が設けられている。
【0022】クランク室9内のオイルミストは、クラン
クシャフト10のメインジャーナルおよびピンジャーナ
ルから漏れたオイルが、クランクウエブ11の先端部に
流れて、クランクウエブ11の回転により、クランク室
9内に拡散され、生成されるものが大部分であるので、
本実施例によれば、クランクウエブ11の先端部からク
ランク室9内に飛散して、生成されたオイルミストは、
第2エア噴射手段31および第3エア噴射手段31から
クランクシャフト10の回転方向に沿って噴射されたエ
アによって、それぞれ、第1オイルミスト補集手段40
および第2オイルミスト補集手段41に強制的に吹き当
てられ、オイルミスト補集板42に衝突して、オイルミ
スト補集口41から回収されるので、クランク室9内の
オイルミストの量を低減することが可能となり、したが
って、クランクシャフト10の回転に対する抵抗を、さ
らに、低減して、エンジンの出力損失をより一層低減す
ることが可能になる。
【0023】本発明は、以上の実施例に限定されること
なく特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の
変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含され
るものであることはいうまでもない。たとえば、図1お
よび図2に示された実施例においては、連通孔12は、
クランクシャフト10の回転方向上流側の第1バンク1
のシリンダボア3内の下端部近傍に形成されているが、
シリンダボア3外の下端部近傍に形成しても、また、ピ
ストン4が下死点に位置しているときに、ピストン4の
頂部の下方のシリンダボア3内に形成してもよく、ピス
トン4の上昇により、負圧が発生し得る部分に形成され
ていればよい。
【0024】また、図4および図5ならびに図6に示さ
れた実施例においては、それぞれ、3つのエア噴射手段
30、31、32が設けられているが、エア噴射手段の
数は任意であり、3つに限定されるものではない。さら
に、図4に示された実施例においては、第1バンク1の
シリンダボア3の直下方のクランク室9内に、クランク
シャフト10の回転方向に沿って、シリンダボア3内に
向けて、エアを噴射可能なエア噴射手段が設けられてい
れば、他のエア噴射手段の位置は、図4に示されたもの
に限定されるものではない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、高回転運転領域におけ
る出力損失を低減することのできるV型エンジンのクラ
ンク室を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例に係るV型エンジンの
クランク室の略断面図である。
【図2】図2は、本発明の別の実施例に係るV型エンジ
ンのクランク室の略断面図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施例に係るV型エンジ
ンのクランク室の略断面図である。
【図4】図4は、本発明のさらに他の実施例に係るV型
エンジンのクランク室の略断面図である。
【図5】図5は、本発明のさらに他の実施例に係るV型
エンジンのクランク室の略断面図である。
【図6】図6は、図5に示された実施例における第2エ
ア噴射手段およびオイルミスト補集手段の詳細を示す略
斜視図である。
【符号の説明】
1 第1バンク 2 第2バンク 3、5 シリンダボア 4、6 ピストン 7、8 ピストンロッド 9 クランク室 10 クランクシャフト 11 クランクウエブ 12 連通孔 13 連通通路 14、15 シリンダヘッド 16 空間部 20 エア噴射手段 21 オイルセパレータ 22 スカベンジ通路 23 スカベンジポンプ 24 オイルタンク 25、26 圧力ポンプ 30 第1エア噴射手段 31 第2エア噴射手段 32 第3エア噴射手段 40 第1オイルミスト補集手段 41 第2オイルミスト補集手段 42 オイルミスト補集口 43 オイルミスト補集板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトの軸方向から見て、V
    型に配置されたバンクが設けられたシリンダブロック
    と、該シリンダブロックの下部に結合されるクランクケ
    ースとにより形成されたV型エンジンのクランク室にお
    いて、前記バンクのうち、前記クランクシャフトの回転
    方向における上流側に位置するバンクのピストン裏側空
    間部のシリンダボア内に、エアを供給するエア供給手段
    を設けたことを特徴とするV型エンジンのクランク室。
  2. 【請求項2】 前記エア供給手段が、ピストンが下死点
    に位置しているときに、ピストンの頂部の下方に位置す
    るように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の
    V型エンジンのクランク室。
  3. 【請求項3】 前記エア供給手段が、エンジン本体の所
    定部位に設けられた容積部に連通する連通通路により形
    成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のV
    型エンジンのクランク室。
  4. 【請求項4】 前記エア供給手段が、シリンダヘッドの
    間の空間部に連通する連通通路により形成されたことを
    特徴とする請求項1または2に記載のV型エンジンのク
    ランク室。
  5. 【請求項5】 前記エア供給手段が、エア噴射手段によ
    り構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載
    のV型エンジンのクランク室。
  6. 【請求項6】 クランクシャフトの回転方向上流側のク
    ランク室内の負圧発生部分に配置されたエア噴射手段を
    含む複数のエア噴射手段が設けられ、各エア噴射手段
    が、クランクシャフトの回転方向に沿って、エアを噴射
    するように構成されたことを特徴とするV型エンジンの
    クランク室。
  7. 【請求項7】 クランクシャフトの回転方向上流側のク
    ランク室内の負圧発生部分に配置されたエア噴射手段お
    よびクランク室の底部に配置されたエア噴射手段を含む
    複数のエア噴射手段が設けられ、各エア噴射手段が、ク
    ランクシャフトの回転方向に沿って、エアを噴射するよ
    うに構成されるとともに、クランク室の底部に設けられ
    た前記エア噴射手段から噴射されるエアの噴射方向の略
    延長上に、オイル補集手段が設けらたことを特徴とする
    V型エンジンのクランク室。
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