JPH06107597A - (R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エステルの製造法 - Google Patents

(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エステルの製造法

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JPH06107597A
JPH06107597A JP7913793A JP7913793A JPH06107597A JP H06107597 A JPH06107597 A JP H06107597A JP 7913793 A JP7913793 A JP 7913793A JP 7913793 A JP7913793 A JP 7913793A JP H06107597 A JPH06107597 A JP H06107597A
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JP
Japan
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hydroxy
unsaturated
gamma
beta
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JP7913793A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Sugimura
秀幸 杉村
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Noguchi Institute
Original Assignee
Noguchi Institute
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Abstract

(57)【要約】 【目的】(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エス
テルの簡便な製造。 【構成】β,γ−不飽和 α−ケト(−)−8−フェニ
ルメンチルエステル及び(−)−トランス−2−フェニ
ルシクロヘキシルエステルを適当な還元剤を用いてαカ
ルボニル基を還元し(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−
不飽和エステルを簡便に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然生理活性物質の部分
構造として知られ、また、医薬品や農薬の合成中間体と
して有用な(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エ
ステルの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の方法】(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽
和カルボン酸誘導体の合成法としては、酸化還元酵素を
用いて、β,γ−不飽和 α−ケトカルボン酸を還元し
(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和カルボン酸へ
変換する方法が最近開発されている[Tetrahedron,47巻,
9019ヘ゜ーシ゛(1991年)およびTetrahedron Lett.,33巻,817ヘ
゜ーシ゛(1992年)]。また、その光学的な対掌体である
(S)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エステルの化
学合成法も最近報告されている[J.Org.Chem.,56巻,4337
ヘ゜ーシ゛,(1991年)]。しかしながら、β,γ−不飽和 α−
ケトエステルの化学的な還元法によるものは未だ報告さ
れていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、β,γ−
不飽和 α−ケトエステルを高い選択性をもって化学的
に不斉還元することができれば、(R)−α−ヒドロキ
シ−β,γ−不飽和エステルが従来よりもより簡便、か
つ迅速に入手可能となる方法を提供できると考えられ
る。
【0004】本発明は、この様な観点から簡便な反応操
作により(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エス
テルを製造する方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、既に周知
の方法により得られるβ,γ−不飽和 α−ケトエステ
ルを不斉還元の手法を用いて(R)−α−ヒドロキシ−
β,γ−不飽和エステルへ変換する方法を開発すべく研
究を重ねた結果、下記化3(化3中、Rは、アルキル
基、アリール基を示し、R*は、不斉補助剤を示す。)
の反応工程において、不斉補助剤として(−)−8−フ
ェニルメンチル基もしくは(−)−トランス−2−フェ
ニルシクロヘキシル基を用い、還元剤として水素化ホウ
素トリ(s−ブチル)リチウムを用いることで、ジアス
テレオ選択的な還元を可能とし、(R)−α−ヒドロキ
シ−β,γ−不飽和エステルが得られることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【化3】
【0006】すなわち、本発明は一般式[1]で表され
るβ,γ−不飽和 α−ケトエステルを適当な還元剤で
処理することによりαカルボニル基をジアステレオ選択
的に還元することを特徴とする一般式[2]で示される
(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エステルの製
造法に関するものである。
【0007】以下、本発明について詳述する。本発明方
法における原料化合物であるβ,γ−不飽和 α−ケト
エステルは、一般式[1]で表されるものであるが、R
の具体例としてはフェネチル、ペンタデシルなどのアル
キル基、フェニルなどのアリール基等を挙げることがで
きる。R *の具体例としては、(−)−メントール、
(−)−8−フェニルメントール、(−)−トランス−
2−フェニルシクロヘキシル等の光学活性なアルコール
類を挙げることができる。
【0008】還元剤は、水素化ホウ素系還元剤が好まし
く、その使用量は、一般式[1]化合物中1モルに対し
て1モルから2モル、好ましくは1.2モルが用いられ
る。
【0009】水素化ホウ素系還元剤の具体例としては、
水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素トリ(s−ブチル)リ
チウム、水素化ホウ素トリ(s−ブチル)カリウムなど
を挙げることができる。
【0010】反応は、エーテル、テトラヒドロフランな
どのエーテル系溶媒を用いて実施し、反応温度は−10
0〜−40℃、好ましくは−78℃である。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する。
NMRスペクトルは、JEOL社製EX−400を用い
て測定した。
【0012】
【実施例1】2−(R)−ヒドロキシ−6−フェニル−
3−ヘキセン酸(−)−8−フェニルメンチルの製造
【0013】2−オキソ−6−フエニル−3−ヘキセン
酸(−)−8−フェニルメンチル138mg(0.33
mmol)のエーテル溶液(6ml)に、−78℃にて
水素化ホウ素トリ(s−ブチル)リチウムのヘキサン溶
液(1M)を0.37mlを滴下し1時間攪はんする。
メタノール(0.7ml)、10%水酸化ナトリウム水
溶液(0.5ml)、30%過酸化水素水(0.5m
l)を加え1時間以上かけて室温に戻す。水を加えエー
テルで抽出し、抽出液を乾燥後、濾過、濃縮し薄層クロ
マトグラフィーにて精製し、標記化合物を112mg
(81%,R:S=98.5:1.5)で得る。1HN
MRにより構造を確認した。そのデータを以下に示す。
【0014】1HNMR(CDCl3):δ= 0.87 (d, 3
H, J=6.8), 0.97-1.15 (m, 3H), 1.22 (s, 3H), 1.31
(s, 3H), 1.46 (m, 1H), 1.57-1.68 (m, 2H), 1.88 (m,
1H),1.94 (br, 1H), 2.06 (ddd, 1H, J=3.4, 10.7, 1
2.2), 2.34 (dt, 2H, J=6.8,7.8), 2.67 (t, 2H, J=7.
8), 4.26 (m, 1H, J=1.5, 5.9), 4.89 (dt, 1H, J=4.4,
10.7), 5.43 (dd, 1H, J=5.9, 15.6), 5.86 (ddt, 1H,
J=1.5, 6.8, 15.6), 7.1-7.2 (m, 4H), 7.2-7.35 (m,
6H).
【0015】
【実施例2】2−(R)−ヒドロキシ−3−オクタデセ
ン酸(−)−8−フェニルメンチルの製造
【0016】2−オキソ−3−オクタデセン酸(−)−
8−フェニルメンチル470mg(0.92mmol)
のエーテル溶液(18ml)に、−78℃にて水素化ホ
ウ素トリ(s−ブチル)リチウムのヘキサン溶液(1
M)を1.10mlを滴下し1時間攪はんする。メタノ
ール(1.5ml)、10%水酸化ナトリウム水溶液
(1.0ml)、30%過酸化水素水(1.0ml)を
加え1時間以上かけて室温に戻す。水を加えエーテルで
抽出し、抽出液を乾燥後、濾過、濃縮し薄層クロマトグ
ラフィーにて精製し、標記化合物を348mg(74
%,R:S=100:0)で得る。1HNMRにより構
造を確認した。そのデータを以下に示す。
【0017】1HNMR(CDCl3):δ= 0.87 (t, 3
H, J=6.8), 0.88 (d, 3H, J=6.8),0.98-1.13 (m, 2H),
1.17-1.38 (m, 28H), 1.31 (s, 3H), 1.45 (m, 1H), 1.
57-1.66 (m, 2H), 1.89 (m, 1H, J=12.2), 1.97-2.09
(m, 4H), 4.27 (dd, 1H, J=5.1, 6.3), 4.88 (dt, 1H,
J=4.4, 10.7), 5.37 (dd, 1H, J=6.3, 15.1), 5.80 (d
t, 1H, J=6.8, 15.1), 7.15-7.20 (m, 1H), 7.23-7.34
(m, 4H).
【0018】
【実施例3】2−(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−
3−ブテン酸(−)−8−フェニルメンチルの製造
【0019】2−オキソ−4−フェニル−3−ブテン酸
(−)−8−フェニルメンチル108mg(0.28m
mol)のエーテル溶液(5ml)に、−78℃にて水
素化ホウ素トリ(s−ブチル)リチウムのヘキサン溶液
(1M)を0.33mlを滴下し1時間攪はんする。メ
タノール(0.7ml)、10%水酸化ナトリウム水溶
液(0.5ml)、30%過酸化水素水(0.5ml)
を加え1時間以上かけて室温に戻す。水を加えエーテル
で抽出し、抽出液を乾燥後、濾過、濃縮し薄層クロマト
グラフィーにて精製し、標記化合物を98mg(90
%,R:S=98.5:1.5)で得る。1HNMRに
より構造を確認した。そのデータを以下に示す。
【0020】1HNMR(CDCl3):δ= 0.86 (d, 3
H, J=6.3), 0.99-1.36 (m, 3H), 1.22 (s, 3H), 1.31
(s, 3H), 1.46 (m, 1H), 1.58-1.70 (m, 2H), 1.90 (m,
1H,J=11.7), 2.09 (dt, 1H, J=3.4, 10.7), 2.05-2.13
(br, 1H), 4.49 (d, 1H, J=5.4), 4.93 (dt, 1H, J=4.
4, 10.7), 6.15 (dd, 1H, J=5.4, 16.1), 6.73 (d, 1H,
J=16.1), 7.15-7.42 (m, 10H).
【0021】
【実施例4】2−(R)−ヒドロキシ−6−フェニル−
3−ヘキセン酸(−)−2−フェニルシクロヘキシルの
製造
【0022】2−オキソ−6−フエニル−3−ヘキセン
酸(−)−2−フェニルシクロヘキシル122mg
(0.34mmol)のエーテル溶液(7ml)に、−
78℃にて水素化ホウ素トリ(s−ブチル)リチウムの
ヘキサン溶液(1M)を0.40mlを滴下し1時間攪
はんする。メタノール(0.7ml)、10%水酸化ナ
トリウム水溶液(0.5ml)、30%過酸化水素水
(0.5ml)を加え1時間以上かけて室温に戻す。水
を加えエーテルで抽出し、抽出液を乾燥後、濾過、濃縮
し薄層クロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を1
03mg(84%,R:S=97:3)で得る。1HN
MRにより構造を確認した。そのデータを以下に示す。
【0023】1HNMR(CDCl3):δ= 1.28-1.62
(m, 4H), 1.79 (m, 1H, J=13.2), 1.86-1.98 (m, 2H),
2.09 (dt, 2H, J=6.8, 8.3), 2.18 (m, 1H), 2.50 (t,
2H,J=8.3), 2.68 (ddd, 1H, J=3.9, 10.7, 12.2), 2.73
(d, 1H, J=6.4), 4.36 (dd, 1H, J=5.4, 6.4), 4.8 (d
d, 1H, J=5.4, 15.1), 5.05 (dt, 1H, J=4.4, 10.8),
5.59 (dt, 1H, J=6.8, 15.1), 7.10-7.32 (m, 10H).
【0024】
【実施例5】2−(R)−ヒドロキシ−3−オクタデセ
ン酸(−)−2−フェニルシクロヘキシルの製造
【0025】2−オキソ−3−オクタデセン酸(−)−
2−フェニルシクロヘキシル285mg(0.63mm
ol)のエーテル溶液(12.5ml)に、−78℃に
て水素化ホウ素トリ(s−ブチル)リチウムのヘキサン
溶液(1M)を0.75mlを滴下し1時間攪はんす
る。メタノール(0.7ml)、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液(0.5ml)、30%過酸化水素水(0.5
ml)を加え1時間以上かけて室温に戻す。水を加えエ
ーテルで抽出し、抽出液を乾燥後、濾過、濃縮し薄層ク
ロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を232mg
(84%,R:S=98:2)で得る。1HNMRによ
り構造を確認した。そのデータを以下に示す。
【0026】1HNMR(CDCl3):δ= 0.88 (t, 3
H, J=6.4), 1.15-1.42 (m, 28H), 1.43-1.62 (m, 2H),
1.70-1.83 (m, 2H), 1.85-1.98 (m, 2H), 2.17 (m, 1
H), 2.68 (ddd, 1H, J=3.9, 10.7, 12.2), 4.34 (dd, 1
H, J=5.9, 6.3), 4.73 (dd, 1H, J=5.9, 15.1), 5.04
(dt, 1H, J=4.4, 10.7), 5.53 (dt, 1H, J=6.8, 15.1),
7.13-7.19 (m, 3H), 7.21-7.27 (m, 2H).
【0027】
【実施例6】2−(R)−ヒドロキシ−4−フェニル−
3−ブテン酸(−)−2−フェニルシクロヘキシルの製
【0028】2−オキソ−4−フェニル−3−ブテン酸
(−)−2−フェニルシクロヘキシル117mg(0.
35mmol)のエーテル溶液(7ml)に、−78℃
にて水素化ホウ素トリ(s−ブチル)リチウムのヘキサ
ン溶液(1M)を0.42mlを滴下し1時間攪はんす
る。メタノール(0.7ml)、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液(0.5ml)、30%過酸化水素水(0.5
ml)を加え1時間以上かけて室温に戻す。水を加えエ
ーテルで抽出し、抽出液を乾燥後、濾過、濃縮し薄層ク
ロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を113mg
(96%,R:S=98:2)で得る。1HNMRによ
り構造を確認した。そのデータを以下に示す。
【0029】1HNMR(CDCl3):δ= 1.20-1.62
(m, 4H), 1.80 (m, 1H), 1.83-1.98(m, 2H), 2.17-2.25
(m,1H), 2.70 (dt, 1H, J=3.4, 12.2), 2.89 (d, 1H,
J=5.9), 4.60 (m, 1H), 5.07 (dt, 1H, J=4.4, 10.3),
5.49 (dd, 1H, J=5.4, 15.6), 6.53 (dd, 1H, J=1.5, 1
5.6), 6.99-7.36 (m, 10H).
【0030】
【発明の効果】本発明によって、簡便な反応操作により
(R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エステルを製
造する方法を提供することが可能となった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】 化1で表されるβ,γ−不飽和 α−ケトエステル(化
    1中、Rは、アルキル基、アリール基を示し、R*は、
    不斉補助剤を示す。)を還元剤で処理することによりα
    カルボニル基をジアステレオ選択的に還元することを特
    徴とする化2で表される(化2中、Rは、アルキル基、
    アリール基を示し、R*は、不斉補助剤を示す。)
    (R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エステルの製
    造法。 【化2】
  2. 【請求項2】不斉補助剤として(−)−8−フェニルメ
    ントールを用いることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の製造法。
  3. 【請求項3】不斉補助剤として(−)−トランス−2−
    フェニルシクロヘキサノールを用いることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  4. 【請求項4】還元剤として、水素化ホウ素トリ(s−ブ
    チル)リチウムを用いることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の製造法。
JP7913793A 1992-03-12 1993-03-12 (R)−α−ヒドロキシ−β,γ−不飽和エステルの製造法 Pending JPH06107597A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016516744A (ja) * 2013-03-27 2016-06-09 ファイザー アイルランド ファーマシューティカルズ プレガバリンの調製のための方法および中間体

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