JPH0610643Y2 - ネットワーク電子部品 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は複数の抵抗素子よりなる抵抗ネットワークや
複数のコンデンサ素子よりなるコンデンサネットワーク
などのネットワーク電子部品に関するものである。

「従来の技術」 第８図にネットワーク電子部品１の等価回路を示す。こ
の例は電子素子２として抵抗素子を用いた抵抗ネットワ
ークの場合である。このネットワークは２個の電子素子
２が直列接続されたものが複数個並列の接続されてい
る。その各直列接続部の接続点から端子電極４，５，
６，７が導出され、また、並列接続のための２個の共通
導体8a,8bから端子電極９，１０が導出される。

従来においてはこのような閉回路からなるネットワーク
電子部品１が絶縁基板の一面上に形成されていた。

「考案が解決しようとする課題」 ネットワーク電子部品を構成する個々の電子素子がそれ
ぞれ抵抗値精度の高いものが要求される場合は、個々の
電子素子に対して例えばレーザービームでトリミングす
ることで所望の抵抗値を得ることができる。

そのトリミングを行うには抵抗値の測定を行う必要があ
るが、各電子素子が閉回路に接続されているために、個
々の電子素子を通常の測定器で測定することは不可能で
ある。例えば特定の電子素子を測定する場合、これに接
続される他の電子素子の影響をキャンセルするような特
殊な測定器が必要である。

しかし、電子素子が低い抵抗値の場合は特殊な測定器で
も精度の高い測定は困難であり、抵抗値精度の高いネッ
トワーク電子部品を得ることができなかった。

この考案は通常の測定器を用いて個々の電子素子のイン
ピーダンス値精度を高くすることができるネットワーク
電子部品を提供することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 この考案では、絶縁基板の両面上にそれぞれ複数の電子
素子が並置して形成され、その両面の電子素子の同一側
の一端はそれぞれ共通導体に接続され、各電子素子の他
端はそれぞれ個別の電極に接続され、絶縁基板を介して
対向措置された前記個別の電極が各別の金属導体でそれ
ぞれ互いに接続される。

「実施例」 第１図および第２図にこの考案の実施例を示し、第８図
に示したネットワーク電子部品を構成した場合である。
例えばセラミックからなる絶縁基板１１の両面上にそれ
ぞ複数個の電子素子２が並置して形成される。

この実施例では電子素子２として抵抗体が使用される。
これら両面の各電子素子２の同一側の一端は共通導体１
２，１３にそれぞれ接続され、共通導体１２，１３の各
一端はそれぞれ直角に折り曲げ延長されて共通の電極１
４，１５とされる。電子素子２の他端はそれぞれ個別の
電極16〜19,２０〜２３に接続される。

この例では共通の電極１４，１５と絶縁基板11を介して
対向した遊び電極２４，２５が設けられる。これら共通
の電極１４，１５および個別の電極１６〜１９，２０〜
２３および遊び電極２４，２５は絶縁基板１１の同一側
の縁に沿って形成される。

個別の電極１６〜１９と２０〜２３とは絶縁基板１１を
介して互いに対向配置される。このようにして第３図に
示すように絶縁基板１１の両面に一対の開回路が例えば
印刷手段で形成される。

この開回路の状態で各電子素子２の抵抗値を通常の測定
器で測定し、必要によりレーザビームでトリミングして
所望の抵抗値とする。この後、絶縁基板１１の両面に絶
縁基板１１を介して対向配置された各電極は各別の金属
導体２６によりそれぞれ接続されて閉回路となったネッ
トワーク電子部品１が得られる。

なお、金属導体２６としては第４図に示すような絶縁基
板１１の両面を挟持する爪２６−１を一端に設けたリー
ド端子でもよく、また第５図に示すように絶縁基板１１
の側面から両面にわたって形成した導体層２６−２でも
よい。この導体層26−２は印刷手段あるいはメッキ手段
で形成される。

第６図、第７図にこの考案の第２の実施例を示す。この
例ではまず第６図に示すように絶縁基板１１−１の分割
溝２７で分けられた二つの領域に第３図に示した一対の
開回路が分離して同一面上に形成される。この状態で各
電子素子２をトリミングした後に分割溝２７を境にして
絶縁基板１１−１は二分割され、これらは形成された電
子素子２が表面に露出されるように重ねられ、金属導体
２６の爪２６−１で重ねた二枚の絶縁基板が挟持される
とともに、対向配置された電極がそれぞれ接続されて閉
回路としたネットワーク電子部品とされる。

「考案の効果」 以上述べたように、この考案によると、製造途中の開回
路の状態で各電子素子の所望の値にトリミングすること
ができるので、高精度のネットワーク電子部品を提供す
ることができる。また第２の実施例のように絶縁基板を
重ねた二枚のもので構成する場合は製造時において必要
とする複数の電子素子および電極のすべてを絶縁基板１
１−１の一面に形成することができるので、第１の実施
例よりも製造工程が大幅に簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のネットワーク電子部品の第１の実施
例を示し、(イ)はその正面図、(ロ)は背面図、第２図は第
１図 (ロ)のＡ−Ａ断面図、第３図は絶縁基板の両面上
に形成された開回路を示し、(イ)はその正面図、(ロ)は背
面図、第４図は金属導体２６の一例を示す斜視図、第５
図は導体層の金属導体２６を形成した状態を示す側断面
図、第６図は分割溝を形成した絶縁基板上に一対の開回
路を形成した状態を示す正面図、第７図はこの考案の第
２の実施例を示す側断面図、第８図はネットワーク電子
部品の等価回路図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】絶縁基板の両面にそれぞれ複数の電子素子
   が並置して形成され、 これら両面の前記電子素子の同一側の一端はそれぞれ共
   通導体に接続され、 前記電子素子の各他端はそれぞれ個別の電極に接続さ
   れ、 前記絶縁基板を介して対向配置された前記個別の電極が
   それぞれ各別の金属導体で互いに接続されているネット
   ワーク電子部品。