JPH0610623A - 直動型油圧ラッシュアジャスタ - Google Patents

直動型油圧ラッシュアジャスタ

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JPH0610623A
JPH0610623A JP21131892A JP21131892A JPH0610623A JP H0610623 A JPH0610623 A JP H0610623A JP 21131892 A JP21131892 A JP 21131892A JP 21131892 A JP21131892 A JP 21131892A JP H0610623 A JPH0610623 A JP H0610623A
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JP
Japan
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reservoir
chamber
oil
sub
lash adjuster
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Pending
Application number
JP21131892A
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English (en)
Inventor
Akihiko Hosaka
明彦 保坂
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Nittan Corp
Original Assignee
Nittan Valve Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リザーバ内へのエアーの浸入を防止すること
により、機関再始動時に高圧室内にエアーが吸い込まれ
ない構造であって、組立の簡単な直動型油圧ラッシュア
ジャスタの提供。 【構成】 オイル供給口20の設けられたバケットX内
に、ラッシュアジャスタの油圧ユニットYが内蔵される
とともに、該バケットXの内側から延出して油圧ユニッ
トYを取り囲むようにスリーブ30を据え付けること
で、前記オイル供給口20から注入されてくる作動油を
油圧ユニットY側の主リザーバ52に供給する副リザー
バ40が該油圧ユニットY周りに形成された直動型油圧
ラッシュアジャスタにおいて、副リザーバ40内に、バ
ケットXのリザーバ成形外壁に沿って円環状に周回して
オイル供給口20に連通する第1の室12と、第1の室
12の内側を円環状に周回して主リザーバ52に連通す
る第2の室16とに画成する隔壁及び副リザーバ40内
を周回して第1の室12と第2の室16に開口する油通
路10形成溝を設けたリング体11を収容一体化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バケット内にラッシ
ュアジャスタの油圧ユニットが内蔵された直動型油圧ラ
ッシュアジャスタの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関における動弁機構は、一般に摩
耗や熱膨張の影響を受けやすく、弁間隔が運転中変化し
て出力や騒音に悪影響を及ぼす。そのため、この間隙を
適切に補正する油圧ラッシュアジャスタが用いられるよ
うになった。そのうち、内燃機関の装備の軽量化を目的
として、カムがバルブの軸端部を直打ちするように構成
された直動型動弁機構でも、図28に示すような油圧ラ
ッシュアジャスタが用いられている。
【0003】この油圧ラッシュアジャスタはバケットX
とその内部に収納される油圧ラッシュアジャスタ用油圧
ユニットYから構成され、カム80とバルブ81軸端部
との間に介装されている。そのうち、前記油圧ユニット
Yは、底部に油孔51を有する有底筒状のプランジャ5
0と、該プランジャ50の外周に摺動自在に環装され、
前記底部との間に高圧室60を形成する同じく有底筒状
のボデイ70と、該高圧室60内に介装され、該ボデイ
70をその閉塞面側に付勢する弾性体61と、同じく該
高圧室60内に設けられ、前記油孔51の開閉を司るチ
ェックボール62や該チェックボール62を保持するチ
ェックボールスプリング63及びチェックボールケージ
64とから構成されている。この油圧ユニットYはバケ
ットX内に内蔵され、該バケットXのフェイスディスク
90裏面とプランジャ50中空部との間に油溜用の主リ
ザーバ52が、更にバケットX内側から延出して油圧ユ
ニットYを取り囲むようにスリーブ30を据え付けるこ
とによって、該プランジャ50の周壁面に隔てられた主
リザーバ52周りに、オーバーフローリセス53を介し
これと連通する副リザーバ40が形成され、シリンダヘ
ッドのオイルフィード孔100及びバケットXのオイル
供給口20を通じてそこに作動油が供給される。他方、
カム80はバケットXの前記フェイスディスク90に、
また、バルブ81軸端部はボデイ70の閉塞面にそれぞ
れ接触し、該カム80が当該油圧ラッシュアジャスタを
介してバルブ81軸端部を直打ちする形式が採られてい
る。
【0004】このような油圧ラッシュアジャスタは高圧
室60内に満たされた作動油に圧力をかけたときに該作
動油自身に生じる体積の圧縮及び外部へのリークダウン
による弾力効果と、圧力が更に付加され体積の圧縮がこ
れ以上進まなくなった際に生じるこの作動油の剛性効果
とを共に利用し、また、圧力解除時には高圧室60内へ
介装された弾性体61の伸びようとする反発力を生じる
ことで、熱変形等の原因により発生した動弁機構の隙間
をゼロとするよう補正作動するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の直動
型油圧ラッシュアジャスタが水平対向エンジン或いは傾
斜したエンジンに装着され、該油圧ラッシュアジャスタ
の取付け状態が鉛直状態にない場合、或いは使用状態に
おいてたまたま傾斜する状態になった場合、内燃機関の
停止に伴って、主副両リザーバ40,52内の作動油が
ボデイ70とスリーブ30のクリアランスから漏洩して
しまい、図29に示されるように、かわってそこヘエア
ーが浸入してくる。
【0006】一方、機関再始動時において、ボトムド状
態の油圧ラッシュアジャスタは所定位置へ伸長する際、
作動油の不足分を補うためにリザーバ40,52から高
圧室60内へ作動油の吸い込みが行なわれるが、これに
伴い、浸入した前記エアーは、主リザーバ52から高圧
室60内へ入り、プランジャ50が押圧された時に高圧
室60内に生ずべき作動油の剛性を極端に低下(スポン
ジ状態になる)させてしまい、弁間隙の適正な補正がで
きなくなったり、弁の着座ノイズが大きくなったりす
る。ここでボトムド状態とは、カムノーズ80aがバケ
ットXのフェイスディスク90を押圧したまま内燃機関
が停止した場合、上記油圧ユニットYが、図29に示す
ように圧縮され、最も短縮された状態になることを言
う。この状態から機関を再始動すると、プランジャ50
とボデイ70の摺動ストロークが最大となり、高圧室6
0内への油の吸い込み量が最も多くなる。従ってこの時
に該高圧室60内への上記エアーの吸い込みも最大とな
り、その中の作動油の剛性の低下は著しいものとなる。
【0007】そこで同発明者は特願平2−298965
号において、図30に示されるように、オイル供給口2
の設けられたバケットX内にラッシュアジャスタの油圧
ユニットYが内蔵されるとともに、該バケットX内側か
ら延出して油圧ユニットYを取り囲むようにスリーブ3
を据え付けることで、前記オイル供給口2から注入され
てくる作動油を油圧ユニットY側の主リザーバ52に供
給する副リザーバ4が該油圧ユニットY周りに形成され
た直動型油圧ラッシュアジャスタにおいて、図30に示
す線A−Aに沿う断面を示す図31のように、副リザー
バ4内にリング体を収容一体化することにより、オイル
供給口2に連通し、副リザーバ4内を周回して該副リザ
ーバ4内に開口する油通路1を設け、機関停止時に作動
油の漏洩があっても、スリーブ3とボディ70のクリア
ランスの最下位置Zと同位置まで油面が下がった時に作
動油の漏洩が止まる。従って図32に模式的に示される
ように前記最下位置Zと同高さまで油面が降下するだけ
で、副リザーバ4内にまで油面の降下が波及せず、従っ
てリザーバ52,4内へのエアーの浸入を防止できる油
圧ラッシュアジャスタを提案した。
【0008】しかしこの提案では、油通路がバケットの
オイル供給口に対し周方向所定位置となることが不可欠
で、このため油圧ラッシュアジャスタの組立時に油通路
を形成するリング体をオイル供給口に対し位置決めしな
ければならず、面倒であるという新たな問題が生じた。
本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、
その目的は、リザーバ内へのエアーの浸入を防止するこ
とにより、機関再始動時に高圧室内にエアーが吸い込ま
れない構造であって、組立の簡単な直動型油圧ラッシュ
アジャスタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る直動型油圧ラッシュアジャスタにおい
ては、オイル供給口の設けられたバケット内に、ラッシ
ュアジャスタの油圧ユニットが内蔵されるとともに、該
バケット内側から延出して油圧ユニットを取り囲むよう
にスリーブを据え付けることで、前記オイル供給口から
注入されてくる作動油を油圧ユニット側の主リザーバに
供給する副リザーバが該油圧ユニット周りに形成された
直動型油圧ラッシュアジャスタにおいて、前記副リザー
バ内に、バケットのリザーバ成形外壁に沿って円環状に
周回してオイル供給口に連通する第1の室と、前記第1
の室の内側を円環状に周回して主リザーバに連通する第
2の室とに画成する隔壁及び副リザーバ内を周回して第
1の室と第2の室に開口する油通路形成溝を設けたリン
グ体を収容一体化するようにしたものである。
【0010】上記構成のうち、副リザーバ内を周回する
油通路が1周以上周回していない場合、副リザーバ第2
の室への開口部が副リザーバ第1の室への開口部の近傍
に位置するような構成が望ましい。また、この油通路自
身の副リザーバ第1の室からの油圧ユニットY周り周回
数は1周乃至2周以上になるようにしてもよい。また請
求項2では、請求項1記載の直動型油圧ラッシュアジャ
スタにおいて、リング体とバケット間当接部又は/及び
リング体とスリーブ間当接部に、これらの当接部をシー
ルするシール材を介在させるようにしたものである。
【0011】
【作用】機関停止時に作動油の漏洩があっても、スリー
ブ3とボディ70のクリアランスの最下位置Zと同位置
まで油面が下がった時に作動油の漏洩が止まる。従って
図33に模式的に示されるように前記最下位置Zと同高
さまで油面が降下するだけで、副リザーバ4(副リザー
バ第2の部屋16)内にまで油面の降下が遡及せず、従
って副リザーバ4(副リザーバ第2の部屋)内へのエア
ーの浸入を防止できる。
【0012】またリング体によって形成される副リザー
バ第1の室は円環状であるため、副リザーバを第1,第
2の室に画成しかつ両室を連通する油通路を形成するリ
ング体がバケットに対し周方向の如何なる位置にあって
も、オイル供給口と副リザーバ第1の室との連通状態が
確保される。請求項2では、リング体とバケット間に温
度変化による伸縮量の差が生じたり、或いは両者間の寸
法誤差があったとしても、シール材によってこの伸縮差
や寸法誤差が吸収され、リング体をバケット及びスリー
ブに密着保持する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき添付図面
に基づき説明する。図1は水平対向型のエンジンに取り
付けられた動弁機構で、この動弁機構はバケットXと油
圧ユニットYで構成される油圧ラッシュアジャスタがカ
ム80とバルブ81の間に介装される形式を採る直動型
の動弁機構である。図3及び図4は図1に示す動弁機構
に用いられている油圧ラッシュアジャスタを示し、図3
は同ラッシュアジャスタの拡大縦断面図、図4は同ラッ
シュアジャスタの拡大水平断面図である。
【0014】図1,3,4において、上記油圧ユニット
Yは、底部に油孔51を有する有底円筒状のプランジャ
50と、該プランジャ50の外周に摺動自在に環装さ
れ、前記底部との間に高圧室60を形成するボデイ70
と、プランジャ50内に形成され、前記油孔51を介し
て高圧室60と連通する主リザーバ52とを有してお
り、その他の高圧室60内に介装された弾性体や油孔5
1の開閉を司るチェックボール、チェックボールスプリ
ング及びチェックボールケージ等もその構成として有し
ている。
【0015】またバケットXは前記主リザーバ52側を
覆うように油圧ユニットYの周りに取り付けられ、かつ
その内側の油圧ユニットY周りには、オーバーフローリ
セス53によって主リザーバ52と連通する副リザーバ
40がスリーブ30により形成されている。そしてバケ
ットXの周壁面(同図ではバケットXの周壁面上部に図
示される)に、シリンダヘッド側のオイルフィード孔
(図示なし)から供給されてくる作動油を副リザーバ4
0内に導入するためのオイル供給口20が穿設されてい
る。
【0016】一方、副リザーバ40内には、リング体1
1が収容一体化されることによって、バケットX内周に
沿った円環状の副リザーバ第1の室12と、この第1の
室12の内側に位置し、主リザーバ52を周回する副リ
ザーバ第2の室16と、第1,第2の室12,16の境
界に沿って周回し、第1,第2の室にそれぞれ連通する
油通路10が形成されている。即ち、リング体11に
は、円筒型の縦壁13の内側に横断面L字型の油通路形
成壁17が連接一体化された構造で、縦壁13は副リザ
ーバ40を第1の室12と第2の室16とに分離画成
し、油通路形成壁17はスリーブ30と協働して油通路
10を形成している。そしてリング体11は例えばスリ
ーブ30に接合一体化されている。
【0017】縦壁13の下方には開口部14が設けられ
て、この開口部14を介して第1の室12と油通路10
が連通する。また横断面L字型の油通路形成壁17の開
口部14近傍に開口部18が設けられ、この開口部18
を介し油通路10と副リザーバ第2の室16とが連通す
る。そしてラッシュアジャスタの組立ては、まずバケッ
トX内にリング体11を収容し、その後スリーブ30を
収容し、さらにスリーブ30をバケットXにカシメ固定
することによって、リング体11をスリーブ30とバケ
ットフェース部間に挟持状態に一体化する。或いはスリ
ーブ30にリング体11を予め接合一体化したものを組
付け後、カシメ固定するようにしてもよい。なお符号3
1はカシメ部を示す。
【0018】以上示した構成を有する本実施例の作用を
説明する前に、本発明の創案に至るまでに行なわれた従
来の直動型油圧ラッシュアジャスタにおける作動油の漏
洩現象の検討結果につき言及する。動弁機構の設置態様
により、従来型の油圧ラッシュアジャスタが、図2に示
されるように水平方向に装着されたり、傾斜状態で装着
された場合、エンジン停止時にオイル供給口20がどの
高さ位置にあるかによって副リザーバ40内の作動油の
漏洩状態に違いがあることが明らかにされた。
【0019】即ち、図2のオイル供給口20の位置と、
スリーブ30とボデイ70のクリアランスの最下位値Z
とを模式的に示した図5(a),(b),(c)のう
ち、同図(a)に示されるようにオイル供給口20の方
が機関停止時に前記最下位値Zより高い所にある場合
は、当初リザーバ40,52中に満たされていた作動油
も、オイル供給口20がエアーの入口、スリーブ30と
ボデイ70のクリアランスがリザーバ40,52内作動
油の出口となり、斜線部分(前記クリアランスの垂直方
向最下位置Z)まで漏洩する。また同図(b)に示され
るようにオイル供給口20とクリアランス最下位値Zが
機関停止時に略同じ高さにある場合は、前述の入口、出
口の関係がなくなるため作動油は漏洩しにくい。一方同
図(c)に示されるように、機関停止時にオイル供給口
20の方が低い位置になった場合、前記クリアランスが
エアーの入口、オイル供給口20がリザーバ40,52
内作動油の出口となり、漏洩作用が働くが、スリーブ3
0とボデイ70のクリアランスにある作動油の表面張力
によりエアーの浸入は妨げられ、漏洩しにくい。
【0020】以上の説明で明らかなように、スリーブ3
0とボデイ70のクリアランスの最下位値Zよりオイル
供給口20が高い位置にあるときに機関が停止した場合
に、リザーバ40,52内作動油油面が該最下位値Zに
なるまで漏洩するのであるから、作動油油面がこの最下
位値Zと同じ高さまで下がったときに、リザーバ40,
52内にエアーの浸入がなく作動油が依然残っているよ
うな構成にすれば良い。
【0021】そこで本発明者等はこのような油面の降
下、即ちエアーの浸入をリザーバ40,52内とは別の
場所で許容し、該リザーバ40,52内にはエアー浸入
がないような構成を検討した。その結果創案された構成
が上述した本発明の構成である。以下図2の従来構成に
対し、油通路10が副リザーバ40内に更に設けられた
構成を有する図1,3,4に示す油圧ラッシュアジャス
タの作用につき説明する。なお説明の都合上、オイル供
給口20と副リザーバ第1の室の開口部24が同一方向
に位置するものとして説明する。
【0022】上述の本実施例の構成では、エンジン停止
時に油通路10の第1の室への開口部14がスリーブ3
0とボデイ70のクリアランスの最下位値Zより高い位
置にある場合、前記図32に模式的に示されるように、
油面の降下が該最下位値Zと同じ高さまで前記油通路1
0内で起こるが、それ以上、即ち油通路10が跡切れる
所まで以上に下がることはないので、そこから先の油通
路10及び副リザーバ第2の室16及び主リザーバ52
内は作動油で満たされることになり、高圧室60内にエ
アーを吸い込む虞がなくなる。
【0023】以上のようなことから逆に本発明の構成
中、油通路10の必要長さについて考えてみる。図6に
示すようにスリーブ30とボデイ70のクリアランスの
最下位値Zより開口部14がわずかに高い位置にあると
き、該油通路10内の作動油油面は図面上左側の最下位
値Z延長線上にくる。従って該油通路10としてはエア
ーが副リザーバ第2の室16内に浸入しないようにする
ため、上記最下位値Z延長線より少し下方にまで延びて
いなければならない。
【0024】一方、これまでの説明では、昼夜における
周囲の環境の温度差による作動油の膨張・収縮のない状
況のもとでの作動油漏洩作用のことを考えてきたが、状
況によってはこの環境温度差による作動油の膨張・収縮
があり、そのために作動油が漏洩することもある。即
ち、スリーブ30とボデイ70のクリアランスの最下位
値Zより開口部14が下になった場合でも、昼,環境温
度が高く作動油が膨張した時には該作動油は開口部14
から洩れ、夜,環境温度が下がると作動油が収縮した場
合に、開口部14からエアーを吸い込むことになる。
【0025】このエアーは図7に示されるように油通路
10上方に次第に溜ることになる。一旦エアーが吸い込
まれると、エアーの膨張・収縮率は作動油より大きいた
め、周囲の環境の温度差により作動油の漏洩及びエアー
の浸入は二次曲線的に増加し、図8の破線に示されるよ
うにエアーが膨張した所で油通路10内のエアーは開口
部14と連通し、最終的には開口部14が前記クリアラ
ンスの最下位値Zより上にある場合と同じ状況となるた
め、油通路10の油面は図9に示されるように該最下位
値Zの破線位置まで漏洩する。この状態で作動油が収縮
すると、油通路10の油面は図9に示される実線の位置
となる。従って油通路10が副リザーバ40内を1周以
上周回していない状態で設けられる場合であっても、同
図に示されるように副リザーバ第2の室16への開口部
18が前記開口部14近傍になるように油通路10の設
計を行なうと良い。
【0026】なお前記した実施例における作用はオイル
供給口20と開口部14とが同一方向に位置する場合を
前提として説明したが、図4に示されるように開口部1
4がオイル供給口20と反対側位置する場合には、オイ
ル供給口20と開口部14間に形成された周回する副リ
ザーバ第1の室12によって副リザーバ第2の室16へ
のエアーの侵入が抑制されるので、主リザーバ52への
エアーの侵入防止効果が特に高い。
【0027】図10,11は本発明の第2の実施例を示
すもので、図10はラッシュアジャスタの拡大縦断面
図、図11はラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
10に示す線XI−XIに沿う断面図)である。この第2の
実施例では、リング体11BによってバケットXのフェ
ース側に副リザーバ第1の室12が形成され、バケット
Xに穿設されたオイル供給口20は斜めに延びて副リザ
ーバ第1の室12に連通している。リング体11Bは、
円筒型の縦壁13の下側縁に横断面コ字型の油通路形成
壁17が連接一体化された構造で、縦壁13上端部が外
側に湾曲してバケットフェース部との接触面積が大きく
されてシール性が高められている。またリング体11B
の油通路形成壁17の外側面がバケット内周に係合し
て、リング体11BがバケットX内に位置決めされる。
その他は前記第1の実施例のラッシュアジャスタの構造
と同一であり、同一の符号を付すことによりその説明を
省略する。
【0028】図12〜図14は本発明の第3の実施例を
示すものであり、図12はラッシュアジャスタの拡大縦
断面図、図13および図14はそれぞれラッシュアジャ
スタの拡大水平断面図である。この第3の実施例におけ
るリング体11Cは、スリーブ30の縦壁とバケット内
周面にそれぞれ接する油通路形成壁17内に渦巻状に油
通路10が形成された構造で、油通路形成壁17に設け
られた上下貫通孔によって副リザーバ第2の室16との
開口部18が形成されている。
【0029】本実施例のリング体11Cも前記第2の実
施例のリング体11Bと同様、副リザーバ40内を第1
の室12と第2の室16とに画成する円筒型の縦壁13
の下側縁に、横断面コ字型の油通路形成壁17が連接一
体化された構造であるが、油通路形成壁17には渦巻状
に延びる溝が形成され、この溝によって1周半にわたり
周回する油通路10が形成されている。また油通路形成
壁17はバケット内周面及びスリーブ縦壁に係合してリ
ング体11Cが位置決めされる。
【0030】図15〜図17は本発明の第4の実施例を
示すもので、図15はラッシュアジャスタの拡大縦断面
図、図16および図17はそれぞれラッシュアジャスタ
の拡大水平断面図である。この第4の実施例におけるリ
ング体11Dは、横断面H型の縦壁13からなり、外側
の縦壁13aの外側に副リザーバ第1の室12が、内側
の縦壁13bの内側に副リザーバ第2の室16がそれぞ
れ形成されている。そして内外の縦壁13a,13b間
に挾まれた領域に上下二段の油通路10a,10bが形
成され、両油通路10a,10bは水平隔壁に開けられ
た孔10cによって連通している。また内側の縦壁13
bには油通路10aが第2の室と連通する開口部18が
設けられている。
【0031】図18〜20は本発明の第5の実施例を示
すもので、図18はラッシュアジャスタの拡大縦断面
図、図19および図20はそれぞれラッシュアジャスタ
の拡大水平断面図である。この第5の実施例のリング体
11Eは、円筒型の縦壁13の内側に、油通路10を形
成する横断面変形T字型延出部17が連接一体化されて
いる。変形T字型延出部には上下貫通孔18eが開けら
れて、油通路10と副リザーバ第2の室とが連通してい
る。また油通路10の内側には変形T字型延出部17に
よって、スリーブ縦壁を周回する油通路10eが形成さ
れている。そしてこのT字型延出部17に開けられた切
欠17eによって油通路10eと油通路10とが連通し
ている。また油通路10eに臨むスリーブ30の縦壁に
はエア抜き用の小孔30aが穿設されており、この小孔
30a及びスリーブ・プランジャ間の隙間から副リザー
バ内40のエアを積極的に導出することにより、主リザ
ーバ52へのエアの侵入を防止するようになっている。
【0032】図21〜23は本発明の第6の実施例を示
すもので、図21はラッシュアジャスタの拡大縦断面
図、図22および図23はそれぞれラッシュアジャスタ
の拡大水平断面図である。前記した第5の実施例のリン
グ体11Eでは、T字型延出部17に形成した1個の切
欠17eにより油通路10と油通路10eとが連通され
ていたが、この第6の実施例のリング体11Fでは、T
字型延出部の縦壁下側縁に周方向等分8個の切欠17f
を設け、これらの切欠17fにより油通路10と油通路
10eとが連通する構造となっている。その他は前記第
5の実施例に示すリング体と同一構造であるため、同一
の符号を付すことによりその説明を省略する。
【0033】図24〜26は本発明の第7の実施例を示
すもので、図24はラッシュアジャスタの拡大縦断面
図、図25および図26はそれぞれラッシュアジャスタ
の拡大水平断面図である。この第7の実施例では、リン
グ体11Gが副リザーバ第1の室12と副リザーバ第2
の室16とを分離画成する円筒型の縦壁13の内側に、
スリーブ30と協働して油通路10を形成するフランジ
状の水平延出部が連接一体化された構造となっている。
その他は前記第6の実施例で示すリング体の11F構造
と同一であり、同一の符号を付すことによりその説明は
省略する。
【0034】図27は本発明の第8の実施例を示すもの
で、ランシュアジャスタの拡大縦断面図を示す。この実
施例では、リング体11HとバケットX間及びリング体
11Hとスリーブ間に、油に対し膨潤しにくいフッ素系
ゴムやアクリル系ゴム或いはこれらのゴムと同程度の弾
性をもつ耐熱性に優れた合成樹脂等からなるシール材1
10を介在させて、副リザーバ第1の室12及び副リザ
ーバ第2の室16と油通路間のシール性を高め、第1の
室12から油通路へ、また油通路から第2の室16へ勝
手に空気が侵入しない構造となっている。その他は前記
第4の実施例(図15〜17参照)と同一構造であり、
同一の符号を付すことによりその説明は省略する。
【0035】即ち、円盤形状のリング体11Hは一般に
樹脂や金属で形成されるが、リング体11Hとバケット
Xの線膨張差や寸法誤差等により、リング体11Hとバ
ケットX間,リング体11Hとスリーブ30間に気泡の
通過できる隙間が生じる虞れがあるが、リング体11H
とバケットX間の軸方向への線膨張差をシール材110
で吸収することによって、リング体11HをバケットX
及びスリーブ30に密着保持し、気泡が勝手に副リザー
バ第1の室12から油通路を経て第2の室16に侵入し
ないようになっている。
【0036】なおシール材110は、リング体11Hと
バケットX間,リング体11Hとスリーブ30間の双方
に設けられているが、双方に設けなくとも少なくとも一
方に設ければシール効果がある。また前記した第1〜第
7の実施例においても、リング体とバケット間当接部又
は/及びリング体とスリーブ間当接部にシール材を設け
て、油通路の副リザーバ第1の室,第2の室に対するシ
ール性を高めるようにしてもよい。
【0037】以上、本実施例では水平対向型のエンジン
で水平方向に動弁機構が設置される直動型油圧ラッシュ
アジャスタの構成について説明してきたが、図28に示
されるように動弁機構が斜めに設置される直動型油圧ラ
ッシュアジャスタについても本発明の構成は適用でき同
様な作用・効果を奏することは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の構成を有
する直動型油圧ラッシュアジャスタによれば、機関停止
時に前記クリアランスからの作動油の漏洩がある場合
に、その漏洩による作動油油面の降下(エアー侵入)も
油通路内で起こるだけなので、副リザーバ第2及び主リ
ザーバへのエアーの侵入が防止されることになる。その
ため、ボトムド状態から内燃機関が再始動する時にも、
高圧室内へのエアーの吸い込みが抑止され、油圧ラッシ
ュアジャスタの本来持つべき機能が十分発揮されること
になる。
【0039】また副リザーバの第1の室は円環状である
ため、副リザーバを第1,第2の室に画成しかつ両室を
連通する油通路を形成するリング体がバケットに対し周
方向に如何なる位置にあっても、オイル供給口と副リザ
ーバ第1の室との連通状態が確保されるので、油圧ラッ
シュアジャスタの組付時、即ちバケットにリング体を組
付ける際にリング体を周方向に位置決めする必要が全く
なく、従ってラッシュアジャスタの組立てが簡単化され
る。
【0040】また請求項2では、リング体とバケットの
温度変化による伸縮量の差或いは両者の寸法誤差をシー
ル材が吸収し、リング体をバケット及びスリーブに密着
保持するので、リング体とバケット間当接部やリング体
とスリーブ間当接部を通って副リザーバ第1の室のエア
ーが副リザーバ第2の室に侵入することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平対向型エンジンの動弁機構中に設けられた
本発明の一実施例構成を示す説明図
【図2】同様な構成の動弁機構中に設けられた従来の直
動型油圧ラッシュアジャスタの構成を示す説明図
【図3】同動弁機構に用いられているラッシュアジャス
タの拡大縦断面図
【図4】同動弁機構に用いられているラッシュアジャス
タの水平断面図
【図5】従来型の油圧ラッシュアジャスタの作動油漏洩
作用を示す説明図
【図6】油通路の設置長さの説明を行なう断面図
【図7】周囲の環境温度差による作動油の膨張・収縮が
ある場合の本実施例構成の説明を行なう断面図
【図8】周囲の環境温度差による作動油の膨張・収縮が
ある場合の本実施例構成の説明を行なう断面図
【図9】周囲の環境温度差による作動油の膨張・収縮が
ある場合の本実施例構成の説明を行なう断面図
【図10】本発明の第2実施例のラッシュアジャスタの
拡大縦断面図
【図11】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
10に示す線XI−XIに沿う断面図)
【図12】本発明の第3実施例のラッシュアジャスタの
拡大断面図
【図13】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
12に示す線XIII−XIIIに沿う断面図)
【図14】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
12に示す線XIV−XIVに沿う断面図)
【図15】本発明の第4実施例のラッシュアジャスタの
拡大縦断面図
【図16】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
15に示す線XVI−XVIに沿う断面図)
【図17】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
15に示す線XVII−XVIIに沿う断面図)
【図18】本発明の第5実施例のラッシュアジャスタの
拡大縦断面図
【図19】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
18に示す線XVIII−XVIIIに沿う断面図)
【図20】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
18に示す線IXX−IXXに沿う断面図)
【図21】本発明の第6実施例のラッシュアジャスタの
拡大縦断面図
【図22】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
21に示す線XXII−XXIIに沿う断面図)
【図23】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
21に示す線XXIII−XXIIIに沿う断面図)
【図24】本発明の第7の実施例のラッシュアジャスタ
の拡大縦断面図
【図25】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
24に示す線XXV−XXVに沿う断面図)
【図26】同ラッシュアジャスタの拡大水平断面図(図
24に示す線XXVI−XXVIに沿う断面図)
【図27】本発明の第8の実施例のラッシュアジャスタ
の拡大断面図
【図28】直動型油圧ラッシュアジャスタの従来構成を
示す断面図
【図29】該油圧ラッシュアジャスタのボトムド状態説
明図
【図30】先の提案に係る動弁機構を示す図
【図31】図30に示す線A−Aに沿う断面図
【図32】先の動弁機構に設けられた油圧ラッシュアジ
ャスタの模式図
【図33】本発明に係る動弁機構に設けられた油圧ラッ
シュアジャスタの模式図
【符号の説明】
10,10a,10b,10e 油通路 11,11B〜11H リング体 12 副リザーバ第1の室 14 油通路の副リザーバ第1の室への開口部 16 副リザーバ第2の室 18 油通路の副リザーバ第2の室への開口部 20 オイル供給口 30 スリーブ 40 副リザーバ 110 シール材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイル供給口の設けられたバケット内
    に、ラッシュアジャスタの油圧ユニットが内蔵されると
    ともに、該バケット内側から延出して油圧ユニットを取
    り囲むようにスリーブを据え付けることで、前記オイル
    供給口から注入されてくる作動油を油圧ユニット側の主
    リザーバに供給する副リザーバが該油圧ユニット周りに
    形成された直動型油圧ラッシュアジャスタにおいて、 前記副リザーバ内には、バケットのリザーバ成形外壁に
    沿って円環状に周回してオイル供給口に連通する第1の
    室と、前記第1の室の内側を円環状に周回して前記主リ
    ザーバに連通する第2の室とに画成する隔壁及び副リザ
    ーバ内を周回して前記第1の室と第2の室に開口する油
    通路形成溝が設けられたリング体が収容一体化されたこ
    とを特徴とする直動型油圧ラッシュアジャスタ。
  2. 【請求項2】 前記リング体とバケット間当接部又は/
    及びリング体とスリーブ間当接部に、これらの当接部を
    シールするシール材が介在されたことを特徴とする請求
    項1記載の直動型油圧ラッシュアジャスタ。
  3. 【請求項3】 前記油通路の副リザーバ第2の室への開
    口部が前記油通路の副リザーバ第1の室への開口部近傍
    に設けられたことを特徴とする請求項1記載の直動型油
    圧ラッシュアジャスタ。
  4. 【請求項4】 前記油通路は副リザーバ第2の室への開
    口部が副リザーバ第1の室への開口部から1周乃至2周
    以上周回して設けられたことを特徴とする請求項1記載
    の直動型油圧ラッシュアジャスタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003056316A (ja) * 2001-08-14 2003-02-26 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の吸気弁駆動装置
JP2015098818A (ja) * 2013-11-19 2015-05-28 株式会社オティックス ラッシュアジャスタ

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