JPH0610539B2 - 流量制御ノズル装置 - Google Patents

流量制御ノズル装置

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JPH0610539B2
JPH0610539B2 JP63207434A JP20743488A JPH0610539B2 JP H0610539 B2 JPH0610539 B2 JP H0610539B2 JP 63207434 A JP63207434 A JP 63207434A JP 20743488 A JP20743488 A JP 20743488A JP H0610539 B2 JPH0610539 B2 JP H0610539B2
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electromagnetic
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    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23NREGULATING OR CONTROLLING COMBUSTION
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    • F23N1/005Regulating fuel supply using electrical or electromechanical means

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  • Feeding And Controlling Fuel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、所望液体を噴霧吐出するための流量制御ノズ
ルおよびこれに付属する電気制御回路から成る流量制御
ノズル装置に関するものであり、殊に燃料油を加圧し、
これをノズルから噴霧吐出して燃焼させるガンタイプ油
バーナ等に使用される流量制御ノズル装置に関するもの
である。このようなガンタイプ油バーナは、暖房機器、
湯沸かし機、熱風乾燥機等に使用され、所望温度を達成
するために、燃料供給量が正確に調整可能であることが
要求される。
〔従来の技術〕
上述のような流量制御ノズルとしては、本願出願人によ
り先に出願された、特開昭58-14508号公報(アメリカ合
衆国特許第4621771号)、特公昭61-5048号公報に開示さ
れたものや特願昭62-106329号明細書に記載された技術
がある。
これらの先行技術では、いずれも液体噴霧中、ノズルの
電磁コイルにパルス電流を通電して軟磁性材料の電磁プ
ランジャを往復作動させ、これと連動するコントロール
弁体とこの弁体が係合するノズルチップの先端の中心に
鑽孔されたオリフィスとの間隙、すなわちオリフィスの
開口度合いと単位時間あたりの開口回数を加減して、所
望の吐出流量を得るものである。そのために、電磁コイ
ルに供給するパルス電流の通電周期ならびに周期中の導
通期間すなわちデューティ比を可変調整可能なパルス制
御回路が電磁コイルに接続されている。
上述の先行技術において、電磁コイルにパルス電流を供
給した場合に、その所定周期において、周期中の導通期
間tmsとノズルからの液体吐出流量Qとの関係は、第2
図に示す線図によって表される。横軸のtmsに比例して
縦軸のQが増加する関係にある。図中のLowは、第3C
図に示す同一周期中の導通期間の少ない帯域の流量であ
り、Middleは、同じく導通期間が中間の帯域(第3B
図)の、Highは同じく導通期間が大きい帯域(第3A
図)のそれぞれの矩形パルス電流に対応した流量を示す
ものである。
周期と流量の関係もほぼ比較的な線図を示すことは、前
記先行技術にかかる公報ならびに明細書に示されてお
り、所望吐出流量に適した周期を選ぶことにより流量の
可変調整が可能となる。通常は、それぞれ異なるバーナ
の機能、容量等および制御回路の特性によって、前記周
期を調整する必要があることから、この周期をも可変調
整可能にしておく必要がある。
そして、このような周期の調整によってオリフィスから
の液体吐出流量を制御する場合においては、周期が長い
ときは吐出脈動が大となる。反対に周期が短いときは殆
ど直流電流を電磁コイルに付勢したときのように電磁プ
ランジャとコントロール弁体の往復運動ができなくな
る。したがってこれを避けるために狭い周波数帯域で周
期を選択しなければならない。さらに、周期の変換時に
もインダクタンスによる抵抗の変化を考慮した構成を必
要とし、かかる煩雑さを避けるためにも、前述のような
所定周期中の導通時間の可変調整が多く採用されるので
ある。
上述した従来技術による流量制御ノズルにおいて、その
吐出流量、すなわち燃料油の燃焼による熱量を所望値に
変換するために前記導通期間を変換するときは、第4図
および第5図のそれぞれに点線で示したようなオーバー
シュート状態の生じることが知られている。各図は、縦
軸に周期中の導通期間tmsおよびこれに対応した流量Q
を、横軸に前記High、Middle、Lowの各帯域段階における
経過時間Tをとって流量の変化を表したものである。
第4図、第5図における流量制御ノズルは、軸心上の両
端から2つのバネをもって圧支され、両者の反発力によ
って釣り合い保持されているフリーピストン式の電磁プ
ランジャを使用するものであるものとする。この場合、
流量制御ノズルの電磁コイル(以下、単に電磁コイルと
いう)にパルス電流を通電開始しまたは導通期間中の電
流値を増加した場合の初期にオーバーシュートが現れて
いる。これは、突入電流または電流の実効値の増大によ
って、アンペアターンの急激な増大に起因する磁力の変
化により、後述する環状磁極の方へ大きく引きつけられ
てその行程長が増大し、比導通期間に前記バネの反発力
によって旧位置に復帰しようとする際にジャンピングを
繰り返す短時間の過渡現象によって、電磁プランジャと
連動するコントロール弁体がオリフィスとの開口度合い
を大きくして吐出流量の増大をもたらすものと解され
る。
吐出流量を低減させるために、前記導通期間を短縮すべ
く切り換えた時点においては、一旦吐出流量の落ち込み
があり、その後経時的に暫増した後安定する。これは、
Highで表された大流量QからMiddleまたはLowの低い流
量へ導通時間を切り換えたとしても、大きな電流実効値
により電磁コイル自体の発熱温度が大きく、したがって
電磁コイルの抵抗値も大となっているところから、すぐ
には温度、したがって抵抗値も低下しないことに起因す
るものである。このような発熱が、プランジャケース内
を通流する液体によって吸収されるとともに外気にも放
散されてコイル温度が低下し、これに伴って抵抗値も減
少することから、低い流量における本来の抵抗値とな
り、点線で示したような時間経過を辿って所定電流値に
落ち着く現象を呈するものである。
一定電圧下における電流値と抵抗値とは相互に反比例す
る関係にあり、また抵抗値は温度に正比例するから、図
示された吐出流量の変化は、起磁力すなわちアンペアタ
ーンにおける電流値の変化を示すものと解してよい。
なお、電磁コイルへの通電によって生じる温度上昇は、
通電後、周囲の環境にもよるが大体において一定時間、
例えば1時間位でほぼその上昇が止まり、平衡状態とな
ることは一般に知られている。また、磁気回路が飽和状
態であっても、電流実効値の変化はアンペヤターンの変
化となって磁力は変動する。従って、磁力を一定に保持
することは電磁コイルへのその電気抵抗値の変化に対応
して印加電圧の電位を加減調整して定電流を付勢するこ
とである。
図中、それぞれの周期中の導通期間tmsごとの流量Qは
それぞれ約30分の経過時間T内における変化を表して
いる。これによって、前記流量安定には約10分前後の
時間を要することが判る。
また、燃焼機器の燃焼による輻射熱や周囲温度の上昇熱
を電磁コイルが、吸収した場合にもその直流電気抵抗値
が上昇して、付勢する電流値が低下し、したがって流量
の低下を招来する。電磁コイルの軸心縦貫孔に挿嵌され
たプランジャケース内を流動通過する流体の温度が上昇
した場合も、この熱を吸収し、前述と同様に流量低下に
つながることは論をまたない。
このような流量低下現象は、特に、周期中における導通
期間の少ない、すなわちデューティ比の小さいLow範囲
に調整された場合に顕著である。その状態は、横軸に時
間Tをとり縦軸に流量Qをとった第6図の点線による線
図により図示される。
通過流体の温度上昇等の変化は、周囲温度の変化に負う
ところが大きい。さらに、前記流体を流量制御ノズルに
供給する燃料供給ポンプ等の定圧ポンプが、リリーフ弁
等を備えていて余剰圧力流体をその吸入側に戻してポン
プ内部で流体を循環させる電磁ポンプであるような場合
には、吐出流量の減少に伴い、電磁コイルの発熱量を外
部に放出する放熱量が少なくなり、流体のさらなる温度
上昇をもたらす。
上述のように、従来技術における流量制御ノズルにあっ
ては、使用機器において所望の熱量を得ようとして燃焼
量を加減するためにデューティ比の切り換えを行うと、
燃料供給量の漸減現象または漸増現象による流量の不安
定な状態が生ずる。これに加えて、周囲温度や内部を通
過する流体温度の変化に起因する電流変動により、通過
流量の変動が生じて、所期の燃焼状態による熱量の保持
が困難になる欠点があった。このことは、燃焼量の調節
のためにデューティ比、したがってパルス電流の周期中
における導通時間を変化せしめる際における回路調整に
長時間を必要とし、また、製品検査時にも特性が安定す
るまでの待ち時間が長くなり、浪費時間が多くなる等の
欠陥があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上に説明した従来の技術に見られる諸難点に鑑み、本発
明の課題は噴出流量を可変しても、また周囲の温度やノ
ズルを通過する流体の温度が変化しても、噴霧吐出され
る液体に関して設定した所望流量値を広い範囲にわたり
常に維持できる流量制御ノズル装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題は、本発明により、加圧供給手段5より供給
された流体を導入する流入口44と、導入された流体を
所望流量にして噴出させる噴出口であるオリフィス12
と、流体の流路中に軸方向に摺動可能に配設され、オリ
フス12を開閉するコントロール弁体20に連結し、両
端をばね22,33で付勢された軟磁性材料の電磁プラ
ンジャ25と、前記流体の所望流量に応じたデューティ
比の励磁用矩形波パルス電流により前記電磁プランジャ
25を断続的に軸方向に往復移動させて流体の導通期間
を決める電磁コイル10とを備えたノズル1および所望
流量に対応する励磁電流を上記電磁コイル10に供給す
る電流制御部2から成り、電磁コイル10に対して直流
発生器BD,C、電流駆動部108および励磁電流
の実測値を検出する電流検出器Rを直列に接続して成
る閉じた励磁電流回路部と、励磁用矩形波パルスを発生
するパルス発生器OSC、発生した矩形波パルスの電圧
値を分圧可変して所望励磁電流値を定めるためにある電
流設定器VR、および前記電流検出素子Rから得られ
た実測電流値に対応する検出電圧を前記電流設定器VR
で設定した所望励磁電流に対応する出力電圧に一致させ
るように、前記電流駆動部108を駆動する比較増幅器
ICから成る励磁電流制御駆動部とを前記電流制御部
2内に設けている流量制御ノズル装置によって解決され
ている。
〔発明の作用〕
本発明にかかる流量制御ノズルの作用は、以下の通りで
ある。すなわち、電磁コイルに非通電で停止している場
合には、軟磁性材料の電磁プランジャをコントロール弁
体の方向へ押す復帰バネの反発力によって、前記電磁プ
ランジャと連動するために前記ノズルチップの側に圧設
される補助バネのバネ受座を介して連接するコントロー
ル弁体が、前記補助バネの反発力に抗しかつこれに勝っ
た力で、前記ノズルチップの先端の中心に鑽孔されたオ
リフィスを閉塞している。
ここで前記電磁コイルにパルス状電流を付勢すると、電
磁プランジャを前記復帰バネの反発力に抗する方向へ吸
引する断続的磁力を発生し、この断続的磁力が復帰バネ
の反発力と交互に作用することから、電磁プランジャと
共にコントロール弁体が往復運動する。
この場合、電磁プランジャが所望位置に偏位して微往復
振動するように、電磁コイルへ付勢するパルス状電流の
周期ならびに周期中の導通期間の帯域を選んで、流体の
噴霧吐出量を制御するものである。前記電磁プランジャ
およびコントロール弁体の微往復作動時の行程長のほぼ
1/2をバルブリフトの平均値とするオリフィスの開口度
合いとし、これを調整する。このように、電磁プランジ
ャが所望位置に偏位して微往復振動するように作動する
のは、前記電磁プランジャとコントロール弁体の往復作
動時には、その僅かな摺動摩擦抵抗と、電磁プランジャ
に加わる流体の流動抵抗および圧力抵抗などにより、そ
の往復作動の抵抗があり、さらに、パルス電流の周期中
の非導通期間における復帰バネの反発力に基づき十分に
復帰させる時間がなく、オリフィス側への復行程時の死
点が、次の行程についてはあたかも偏位したようにみえ
るためである。なお、前記電磁コイルに付勢する電流パ
ルスの周期を短くするか、周期中の導通期間を長くする
と、電流実効値が増してオリフィスの開口度合いが増大
し、これにつれて噴霧吐出流量も増大する。
一方、これとは逆に、電磁コイルへ付勢するパルス状電
流の周期を長くすると、オリフィスの開口度数が減少
し、周期中の導通期間を短くすると電流実効値も減少し
て、前記行程長が短縮し、結果的に開口度合いが減少す
るため噴霧吐出量が減少する。
本発明によれば、要求される使用状態に最適の周期を選
定し、その選定された周期における導通期間を無段階的
もしくは段階的に加減して流量制御ノズルからの噴出噴
霧量を調整するものである。なお、前記無段階的もしく
は段階的に周期中の導通期間を加減制御することに付い
ては、前述の本出願人が先に提案した技術の各公報に開
示されているので、その説明は省略する。前記従来技術
による導通期間の変換時、及び周囲温度や流体温度等の
運転条件の相違に起因する電磁コイルの電気抵抗値の変
化によって、電磁コイルを付勢する電流の実効値が変化
し、したがって吐出流量に変動を来す現象は、本発明に
かかる定電流制御機能を備えた駆動制御回路を有する流
量制御ノズルによって解決される。
すなわち、前記各種原因に基づく温度変化によって電流
値に生ずる変動を基準電流値と比較し、その結果をフィ
ードバックして印加電圧の加減調整を行い、もって電磁
コイルに対し常に定電流を付勢することで、アンペアタ
ーン、したがって起磁力を一定に保ち、流量制御ノズル
のオリフィスからの吐出流量を、第4図の実線で示され
るように、変動のない所定値に維持することができる。
〔実施例の説明〕
以下、実施例を示す添付図を参照しつつ本発明を開示す
る。
第1図は、本発明にかかる流量制御ノズルの実施例の構
成を示すものである。
先端の中心にオリフィス12が鑽孔されたノズルチップ
11が、ノズルホルダ28に螺締着されている。截頭円
錐形の頭部を有するコーンチップ14は、通孔18を設
けたチップ押さえ17によってノズルチップ11の内洞
のテーパ部13に、その截頭母面が当接するように緊着
されている。
コーンチップ14の截頭円錐の母面には、切線放射状に
かつ複数個の流動路を兼ねた旋回溝15が刻設されてい
る。そしてコーンチップ14の中心縦貫孔は、ガイド穴
16として形成され、これに摺動往復自在にコントロー
ル弁体20が嵌装される。該コントロール弁体20は、
先端部をテーパにして央部に球面を付したニードルとし
てある。
コントロール弁体20とバネ受座23を介して当接すべ
き軟磁性材料の電磁プランジャ25の端部との間に、適
度の硬さと弾力をもつ、例えば合成ゴム等で形成された
緩衝部材24が、前記バネ受座23に嵌着介装してあ
る。
コントロール弁体20もバネ受座23に嵌着固定され
る。
前記チップ押さえ17とばね受座23との間に補助バネ
22が圧設され、その反発力によってバネ受座23と緩
衝部材24を介してコントロール弁体20は、電磁プラ
ンジャ25に押圧され、そして電磁プランジャ25の他
端が、復帰バネ33によって反対側から押圧される。復
帰バネ33の反発力は補助バネ22の反発力よりも大き
くしてあるから、コントロール弁体20の他の一端のテ
ーパ部分をノズルチップ11のオリフィス12の端面に
押圧してこれを閉塞している。
前記チップ押さえ17は、フィルタ19を備えており、
その中心縦貫孔に前記コーンチップ14を大きな間隙を
もって挿嵌せしめ、この間隙を通孔21としてあり、か
つコーンチップ14を前記テーパ部13に押圧するよう
に、ノズルチップ11のめねじに螺締着してある。電磁
プランジャ25は、電磁コイル10の軸心縦貫孔の両端
にそれぞれ嵌装された環状磁路30と環状磁極31に挿
嵌したプランジャケース29内に摺動往復自在に嵌装さ
れ、前記環状磁路30側はこれと共に、ノズルホルダ2
8に、前記環状磁極31側は、これと共に本体40にそ
れぞれ気密を保つように接続されている。
前記ノズルホルダ28と電磁コイル10とは、電磁コイ
ル10を囲繞して継鉄としての機能を有するコイルカバ
ー36と下板37との間に挟設され、本体40にコイル
カバー36を小ねじ38で螺着することによって固定さ
れる。
本体40と調整ねじ35をもってこれに螺着する調整ロ
ッド34との間にOリング45が介装されて気密を保持
している。
調整ロッド34の先端には、バネ座32が装着され、前
記電磁プランジャ25の端部との間に復帰バネ33が圧
設されている。
調整ロッド34を回動すると、調整ねじ35によって、
電磁プランジャ25を圧設保持している復帰バネ33と
補助バネ22との撓みの程度を変えて、電磁プランジャ
25と環状磁極31との磁気空隙ならびに電磁コイル1
0との相対位置関係を変化させ、かつ前記撓みの変化に
よる反発力を変化させる。その結果、通電付勢時に電磁
コイル10に発生する磁力に対する電磁プランジャ25
の作動状態を変え、したがってコントロール弁体20を
してオリフィス12との開口の度合いを、電磁コイル1
0へ付勢するパルス電流の周期中における導通期間に適
合する所期の流量に予め微調整することを容易にする。
本体40の流入路41側に、フィルタ42を介して流入
口44を備えた接手43を接続してある。
駆動制御回路3は、交流電源4に接続されている。な
お、駆動制御回路3は直流電源に接続してもよい。この
場合には、変圧器や整流回路を省略することができる。
貯液槽6の燃料油7なとの液体は、吸入配管8によって
ポンプ5に導かれ、図示しない配管や接手によって、接
手43に接続された流路を矢印aのように本体40に導
かれる。このように構成された、本発明の流量制御ノズ
ルを用いて燃料油などの噴霧量を制御することについて
以下説明する。
ポンプ5によって圧送された流体は、接手43の流入口
44から矢印aに示すように流入し、フィルタ42で濾
過されて流入路41から本体40内、プランジャケース
29、電磁プランジャ25に貫通した通孔26および通
孔27、ノズルホルダ28内、通孔21、通孔18、フ
ィルタ19、旋回溝15を順次通過して、ノズルチップ
11のオリフィス12に到る。
電磁コイル10にリード線9を介してパルス状断続電流
を付勢すると、導通時に発生する磁力のために、電磁プ
ランジャ25は復帰バネ33の反発力に逆らって環状磁
極31の方向に偏位し、したがってコントロール弁体2
0は補助バネ22の反発力で同様に偏位して、オリフィ
ス12を開口し、非導通時は静止時の旧位置に復帰しよ
うとして往復運動をする。
この往復運動は、前記パルスの所定周期に同調するが、
周期中の導通期間の大なる段階では、電磁コイル10に
流れる電流の実効値が大であるため、大きな磁力で電磁
プランジャ25は環状磁極31の方向へ吸引されるの
で、その行程長も大きくなり、したがってコントロール
弁体20がオリフィス12に対する開口度合いを増し、
オリフィス12からの吐出噴霧量も多くなる。これとは
反対に、前記導通期間の小なる段階では、前記電流実効
値も減少するので、前記開口度合いが減じ、オリフィス
12からの噴霧吐出量が少なくなる。
なお、前記電磁プランジャ25とコントロール弁体20
の往復作動については、前述の作用欄に十分に開示して
いるのでここでは省略する。
このような開口状態におけるオリフィス12から旋回溝
15によって旋回性を付与された燃料油などの液体が噴
霧吐出され、これに電気火花などで着火させて燃焼を継
続する。
前記電磁コイル10へ付勢するパルス状電流の周期中の
導通期間の変換によって、オリフィスからの噴霧吐出流
量比は、およそ1:6の範囲で可変制御可能である。
前述の電磁プランジャ25とコントロール弁体20との
間に緩衝部材24を介装したことは、電磁コイル10へ
の付勢パルス状電流によるオリフィス12からの吐出脈
動を平滑化すると共に、コントロール弁体20とオリフ
ィス12間のチャタリングを防止するもので、これらは
先に述べた先行技術において説明されている通りであ
る。
前記導通期間の変換時および、周囲温度、流体の温度等
の変化に起因する電磁コイルの電気抵抗値の変動のため
に、電磁コイルに付勢する電流実効値が変化すれば、直
ちにこれを検知して、基準電流値と比較し、比較結果を
フィードバックして電磁コイルへの印加電圧の加減調整
を行い、これによって定電流制御が働き、かつ常にこれ
に対応するので、オリフィス12から所定噴霧吐出量を
維持する。
第7図は、前記駆動制御回路の実施例を示すものであ
り、その概要は以下の通りである。
図において、商用交流電源4からの電圧は、複数変圧器
Tでそれぞれ逓降されて、ダイオードブリッジに組んだ
全波整流器BD1,BD2でそれぞれ平滑された直流電流とな
る。前記整流器BD1と接続する発振器OSCにより所定の周
期および周期中の導通期間をそれぞれ設定したパルスを
発振する。この発振器OSCの回路は、前記先行技術にか
かる諸文献に開示されたものまたは適宜特性のCPUに
よって構成することができる。
発振器OSCからの出力は、演算増幅器IC1の正の入力端子
に接続される。演算増幅器IC1の出力端子側は、抵抗R1,
R2で分圧された出力が自身の負の入力端子に接続される
と共に、抵抗R3を介して次の演算増幅器IC2の正の入力
端子に接続される。
前記演算増幅器IC1、抵抗R1,R2をもって構成された回路
101は、増幅部であり、同様に演算増幅器IC2,IC3
もって構成される回路もそれぞれ増幅部103,105
として機能する。
図示の回路における各接続手段は、図によって明らかで
あり、その回路の各部分の作用については、この技術分
野に従事する通常の知識を有する者にあっては自明に属
するものであるので詳述はしない。
抵抗R3、ツェナダイオードZDを含む基準電圧設定部1
02は、商用電源電圧の変動によるこの回路の電圧変動
を防止する機能を有する。
抵抗R5,R4、ダイオードD1、コンデンサC1をもってなる
回路104は、後述する流量制御ノズル1の電磁コイル
CNへ付勢する電流を、印加初期においても所定値に維
持するためのソフトスタート部として機能する。すなわ
ち、流量制御ノズル1の噴霧吐出量を安定化せしめるた
めに、温度変化による該電磁コイルCNの抵抗値の変化
に対応して印加電圧を加減調整するときに、該電磁コイ
ルCNへの誘導負荷による前記電圧印加初期にアンダー
シュートする変動分をコンデンサC1で吸収し、正常化し
ようとするものである。
抵抗R6、可変抵抗VRおよび抵抗R7をもってなる回路1
06は、前記電磁コイルCNへ付勢する電流設定部であ
る。
電流比較検出回路107は、電磁コイルCNを流れる電
流の電流比較検出を行うものであり、演算増幅器IC4
抵抗R9とから構成される。この演算増幅器IC4の正の入
力端子には、電流設定部106からの信号が印加され、
そして負の入力端子には、トランジスタQのエミッタE
と抵抗R9との接続点からのフィードバック信号が入力せ
しめられる。
駆動部108は、トランジスタQ及び抵抗R8から構成さ
れる。回路107の演算増幅器IC4の出力端子は、抵抗R
8を介して駆動部108のトランジスタQのベースBに
接続される。このトランジスタQのコレクタCは前記電
磁コイルCNの一端に接続されている。
前記整流器BD2で整流された直流電流は、電磁コイルC
Nの他の一端に接続されると共に、平滑コンデンサC2
介して接地されている。
電磁コイルCNと並列に接続されているダイオードD
2は、電磁コイルCNへの通電周期ごとの非通電周期に
おいて発生する逆起電力を吸収する、所謂サージクラン
プ部109を構成している。
以上説明したように、駆動電流制御回路3は、下記のよ
うに構成される。すなわち、商用交流電源4から複巻変
圧器Tをもって逓降された一方の電圧は、整流器BD1
経てリード線9の一方を介して電磁コイルCN,10に
通電される。また、逓降された他方の電圧は、整流器BD
2を経て発振器OSCによって周期と周期中の導通期間を設
定したパルスを上述した回路各部101〜108を経
て、前記リード線9の他の一方を介して電磁コイルC
N,10の他方側に導通するように接続されている。こ
こに示した、回路各部101〜108は、全体として定
電流制御機能を発揮する定電流制御部を構成する。
そして、前記発振器OSCからのパルス電流の通電によっ
て前記流量制御ノズル1は作動し、かつその周期中の導
通期間の変換によって流量を加減調節するものである。
前記電磁コイルCN,10の温度による抵抗の変化が電
流値の変化となるために生ずる流量の変化を防止するた
め、該電流値の変化を検知してこれを基準電流値と比較
し、その比較結果をフィードバックして印加電圧の電位
の加減調整を行い、結果的に電磁コイルCN,10に常
時定電流を付勢して前記吐出流量を所定値に維持するも
のである。
〔発明の効果〕
本発明にかかる構成を有する流量制御ノズルは、上述の
ように、以下のような効果を発揮する。
(a)ガンタイプ油バーナの燃焼量、すなわち流量制御ノ
ズルからの燃料油の噴霧吐出流量を単一のノズルで高い
流量制御比率、例えば1:6程度の比率で任意の流量制
御段階に切り換えた際にも、流量の漸増、漸減現象によ
る変動が生ずることなく、安定化され、各流量制御段階
において所期の熱量を確保維持できる。
(b)大流量から小流量に切り換えた際に、流量が所定以
下に落ち込み、燃料噴霧量の過小による空燃比の激しい
変動もしくは燃料油の供給不足に起因する所謂吹き消え
現象を解消することができる。
(c)周囲温度や燃料油の温度の変化の影響による燃料油
噴霧吐出流量の設定値に対する変動を防止し、所期の熱
量を維持することが可能となる。
(d)燃料油噴霧吐出流量の各制御段階における検査時
に、流量安定までの待ち時間が不要となり、省力化で
き、経済性が増大する。
なお、本発明にかかる流量制御ノズルは、ガンタイプ油
バーナにおける燃料油供給の場合について説明している
が、これに限定されるものではなく、例えば加湿器の水
噴霧や、薬液の噴霧ならびに添加等において流量を切り
換えた場合における流量変化を防止し、所期の流量確保
・安定に効果を発揮し得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる流量制御ノズルの実施例の一
部断面を示す構成図、第2図は、本発明にかかる流量制
御ノズルによる所定周期中の導通期間と噴霧吐出流量と
の関係図、第3A〜3C図は、同じく前記導通期間の、
High,Middle,Lowの三段階における電磁コイルの通電波
形図、第4図は、前記導通期間、すなわち噴霧吐出流量
の各段階における経時的特性の本発明にかかる流量制御
ノズルによるものと従来技術によるものとの比較を示す
線図、第5図および第6図は、従来の流量制御ノズルに
おける前記噴霧吐出流量の経時的変動を示す線図、第7
図は、本発明における定電流制御部を備えた駆動制御回
路の実施例である。 図中における主な参照符号の対応は以下の通り。 1:流量制御ノズル、2:定電流制御部 3:駆動制御回路 10:電磁コイル、11:オリフィス 20:コントロール弁体、25:電磁プランジャ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧供給手段(5)より供給された流体を
    導入する流入口(44)と、導入された流体を所望流量
    にして噴出させる噴出口であるオリフィス(12)と、
    流体の流路中に軸方向に摺動可能に配設され、オリフス
    (12)を開閉するコントロール弁体(20)に連結
    し、両端をばね(22,33)で付勢された軟磁性材料
    の電磁プランジャ(25)と、前記流体の所望流量に応
    じたデューティ比の励磁用矩形波パルス電流により前記
    電磁プランジャ(25)を断続的に軸方向に往復移動さ
    せて流体の導通期間を決める電磁コイル(10)とを備
    えたノズル(1)および所望流量に対応する励磁電流を
    上記電磁コイル(10)に供給する電流制御部(2)か
    ら成る流量制御ノズル装置において、 電磁コイル(10)に対して直流発生器(BD
    )、電流駆動部(108)および励磁電流の実測値
    を検出する電流検出部(R)を直列に接続して成る閉
    じた励磁電流回路部と、励磁用矩形波パルスを発生する
    パルス発生器(OSC)、発生した矩形波パルスの電圧
    値を分圧可変して所望励磁電流値を定めるためにある電
    流設定器(VR)、および前記電流検出素子(R)か
    ら得られた実測電流値に対応する検出電圧を前記電流設
    定器(VR)で指定した所望励磁電流値に対応する出力
    電圧に一致させるように、前記電流駆動部(108)を
    駆動する比較増幅器(IC)から成る励磁電流制御駆
    動部とを前記電流制御部(2)内に設けていることを特
    徴とする流量制御ノズル装置。
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