JP3602256B2 - 電磁ポンプおよび液体燃料供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば民生用の石油燃焼器などに白灯油などの液体燃料を供給する電磁ポンプおよび液体燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この電磁ポンプは、シリンダ内にフリーピストン状のプランジャーを電磁力で往動させかつこれをばね圧で復動させている。この往動時に、電磁ポンプは、加圧された流体燃料の圧力で吐出用逆止弁を押し開かせながら流体燃料を吐出口より吐出させるようになっている。このような電磁ポンプの液体燃料供給制御について、図5を参照して説明する。
【0003】
図5は従来の電磁ポンプおよびその制御部の構成図である。
図5において、この電磁ポンプ51には、上記電磁力を発生させるための電磁コイル52が配設されている。この電磁コイル52の一方端子は、流体燃料吐出量調整用の固定抵抗器53を介してパルス出力駆動回路54の一方の出力端子に接続され、また、電磁コイル52の他方端子はパルス出力駆動回路54の他方の出力端子に接続されており、電磁コイル52は、パルス出力駆動回路54から駆動パルスで供給される断続電流によって繰り返し励磁されて、各駆動パルス毎に、そのパルス幅およびパルス波高値に応じた電磁力を発生させるものである。
【0004】
この電磁ポンプ51におけるプランジャーの1往復当たりの液体燃料の吐出量は、パルス出力駆動回路54から出力される駆動パルスのパルス幅に相当した通電時間とそのパルス波高値に相当した印加電圧とで定まる。例えば、駆動パルスの通電時間を長くしたときには、プランジャーが復動用のばね圧に抗して充分なストローク分だけ往動し、また、印加電圧を高くしたときにはプランジャーが勢い良く往動するため、これらの何れの場合にもその吐出量が多くなる。また、この電磁ポンプ51による単位時間当たりの液体燃料の吐出量は、駆動パルスの周波数で定まり、この周波数が高いほどその吐出量が多くなる。
【0005】
このように、液体燃料の吐出量は、駆動パルスのパルス幅に相当した通電時間とそのパルス波高値に相当した印加電圧、さらにはその周波数で設定されているが、電磁ポンプ51のポンプ構成部品の寸法精度やばね類の付勢力の誤差などがその吐出量に影響している。このため、電磁ポンプ51の組立て後に、その吐出量を全数検査して固定抵抗器53の抵抗値を調整することでその許容範囲内に収まるように調整しなければならない。なお、燃焼制御部としては、このパルス出力駆動回路54の他に、燃焼運転全般に亘る自動制御回路55が備えられている。
【0006】
ここで、電磁ポンプ51の固定抵抗器53による液体燃料の吐出量の調整について、さらに詳しく説明する。
【0007】
まず、燃焼器の燃焼量を所定の範囲内に収めるためには所定の駆動パルスにおいて電磁ポンプ51の吐出量が所定範囲内に収まっていることが必要である。電磁ポンプ51の単位時間当たりの吐出量は、プランジャーの1往復当たりの吐出量と駆動パルスの周波数とで定まっている。また、駆動電源の周波数精度にもよるが、通常は、水晶発振子やマイクロコンピュータなどによって制御が行われており、駆動パルスの周波数には誤差が殆どない。
【0008】
一方、プランジャーの1往復当たりの液体燃料の吐出量は、駆動パルスの印加電圧と、その通電時間であるパルス幅とを一定に設定しても、ポンプ構成部品の寸法精度やばね類の付勢力の僅かな誤差によっても影響を受けるため、電磁ポンプ51毎にバラツキが生じる。この液体燃料の吐出量のバラツキは±15パーセントが実情であり、例えば燃焼器の最大燃焼量の±10パーセントの範囲内に収めるためには、電磁ポンプ51以外の燃焼器部品のバラツキを考慮すると、電磁ポンプ51の吐出量のバラツキは±5パーセントの範囲内に収める必要がある。
【0009】
そこで、電磁ポンプ51を所定の吐出量以上になるように製造し、その液体吐出量に応じた抵抗値の固定抵抗器53を電磁コイル52と直列に接続することで、その電磁コイル52に印加される印加電圧を下げるようにして、電磁ポンプ51の吐出量のバラツキを±5パーセントの範囲内に収めるようにその液体燃料の吐出量を調整している。
【0010】
このように、液体燃料の吐出量を調整するということは、電磁コイル52による電磁力を調整してプランジャーの1往復当たりの吐出量を調整することであり、例えば、固定抵抗器53の抵抗値を小さくして電磁コイル52への印加電圧を高くしたときには、プランジャーは勢いよく速く往動するため、パルス幅が一定であってもその移動量が大きくなってその吐出量が増えることになる。また逆に、例えば、固定抵抗器53の抵抗値を大きくして電磁コイル52への印加電圧を低くしたときには、プランジャーの勢いは少なく遅く往動するため、パルス幅が一定であってもその移動量が少なくなってその吐出量は減少することになる。
【0011】
したがって、電磁ポンプ51の固定抵抗器53による液体燃料の吐出量の調整は、まず、電磁ポンプ51を固定抵抗器53のない状態で一定の駆動パルスで所定の吐出量以上となるように製造する。次に、その電磁ポンプ51を固定抵抗器53のない状態で一定の駆動パルスを供給してその吐出量を測定する。さらに、この測定された吐出量に対する、予め実験で求められた吐出量と抵抗値との関係から所定の吐出量の許容範囲内となる抵抗値の固定抵抗器53を選定し、上記電磁ポンプ51の電磁コイル52と直列に接続する。これによって、電磁コイル52に印加される印加電圧は固定抵抗器53で電圧降下して下がり、電磁ポンプ51毎の吐出量のバラツキを例えば±5パーセントなどの所定範囲内に収まるように調整することができる。
【0012】
次に、燃焼器における液体燃料の燃焼量制御について詳しく説明する。
この燃焼量制御、即ち、電磁ポンプ51の液体燃料の吐出量を制御する方法には、以下に示すような3通りの方法がある。
【0013】
(1)駆動パルスの周波数を変化させる方法(図6参照)
(2)駆動パルスの通電時間であるパルス幅を変化させる方法(図7参照)
(3)上記(1)と(2)の方法を併用する方法(図8参照)
上記(1)の方法では、図6に示すように、駆動パルスのパルス幅を一定(図6ではパルス幅5.6msec)にして駆動パルスの周波数成分だけを変化させることによって電磁ポンプ51の吐出量を制御するもので、その吐出量は、通常使用されている4〜30Hzの周波数範囲内でほぼ周波数に正比例している。例えば、駆動パルスの周波数が20Hzのときに電磁ポンプ51の吐出量が5(ml/min)程度であり、周波数が20Hzよりも高い場合にも低い場合にもその特性ラインの傾きは一定である。ところが、30Hz以上の周波数領域でその吐出量は飽和しており、その特性ラインの傾きは少なくなる。
【0014】
また、上記(2)の方法では、図7に示すように、駆動パルスの周波数を一定(図6では周波数10Hz)にして駆動パルスのパルス幅だけを変化させることによって電磁ポンプ51の液体燃料の吐出量を制御するもので、例えば、駆動パルスのパルス幅が10msecのときに電磁ポンプ51の吐出量は5(ml/min)程度であり、パルス幅を長くしたときにはプランジャーが復動用のばね圧に抗して長い時間往動し、1往復のプランジャーのストロークが長くなってその吐出量が増えることになる。また逆に、パルス幅を短くしたときにはプランジャーが復動用のばね圧に抗して短い時間往動し、1往復のプランジャーのストロークが短くなってその吐出量が減少することになる。
【0015】
この場合、プランジャーの動きは、印加電圧に対する電流の遅れとその位置による電磁力の大きさ、さらにスプリングの撓み量に比例した反発力および流体の負荷との関係で加速度的に移動するため、パルス幅とその吐出量との関係は図7の特性ラインA,Bのように3次曲線に近いものとなっている。これらの特性ラインA,Bは電磁ポンプ51毎に異なっている様子を示している。
【0016】
さらに、上記(3)の方法では、上記(1)の方法のように最大燃焼量から最小燃焼量までを周波数のみで変化させると、駆動パルスの周波数の高い領域では電磁ポンプ51の駆動音が高くなって聞き辛く、また、流量安定性が悪くなるという問題があり、また、周波数の低い領域では、電磁ポンプ51の駆動がパルス駆動であるため液体燃料の脈流による燃焼異常が生じ易くなるという問題があったが、その吐出量の周波数制御とパルス幅制御とを併せることで、液体燃料の吐出量の可変範囲における周波数の可変範囲を狭めることができて、上記各問題を解決することができる。したがって、図8に示すように、駆動パルスの周波数が10.5Hzまではパルス幅が3.5msecの特性ラインで液体燃料の吐出量を制御し、また、駆動パルスの周波数が10.5Hzを超えると、パルス幅が7.4msecのより傾斜の大きい特性ラインで液体燃料の吐出量を制御する。これらの特性ラインが変わる10.5Hzの周波数では、液体燃料の吐出量を連続的に変化させるために、同一の吐出量となるように一旦7.5Hzの周波数まで下げている。この場合にも、30Hz以上の周波数になると、上記(1)の方法と同様に、液体燃料の吐出量は飽和することになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような固定抵抗器53による液体燃料の吐出量調整方法で調整された電磁ポンプ51の吐出量は、さらに燃焼量を制御するため上記(1)〜(3)の方法により駆動パルスの周波数やパルス幅を制御して変化させているが、そのうち(1)の駆動パルスの周波数を制御する方法においては、上記したように電磁ポンプ51の駆動音が変化すること、流量が不安定であること、液体燃料の脈流で燃焼異常が生じ易くなることなどの問題があった。
【0018】
つまり、駆動パルスの周波数が30Hz以上の高い領域では高周波音となって聞き辛く、かつ流量が不安定でその飽和部分の特性は個々の電磁ポンプ51で異なっている。この特性の飽和部分を含むような周波数範囲で制御するような場合には、最大燃焼量で固定抵抗を選択して調整しても、最小燃焼方向に周波数を少なくするように吐出量の制御を行うと、その特性にバラツキが発生し最小燃焼時の許容範囲内に液体燃料の吐出量が収まらないという問題も有していた。また、温度制御において燃焼を消してしまうと臭いの問題などが残るため、最小燃焼量に対応する液体燃料の吐出量を維持する必要があるが、駆動パルスの周波数が例えば4Hzに対応する微小吐出量の最小燃焼時には液体燃料の脈流による燃焼異常が発生するという問題も有していた。
【0019】
また、(2)のパルス幅を制御する方法や、(1)の方法の問題点を解決した(3)の方法においては、上記液体燃料の吐出量のバラツキと同様にパルス幅を変化させたときの吐出量の変化特性が個々の電磁ポンプ51でバラツキがあるため、上記最大燃焼量で所定抵抗値の固定抵抗器53を選択して吐出量を所定範囲内に調整した場合、最小燃焼方向でパルス幅を短くして行く制御を行うと、その特性のバラツキにより最大燃焼でのバラツキが所定範囲内に入っていても、最小燃焼でのバラツキが最大燃焼でのバラツキよりもそのバラツキの範囲が大きく、最小燃焼でのバラツキが所定範囲内に入らなくなる場合が発生するという問題を有していた。また逆に、上記最小燃焼量で所定抵抗値の固定抵抗器53を選択して吐出量を所定範囲内に調整した場合、最大燃焼方向でパルス幅を長くして行く制御を行うと、その特性のバラツキにより最小燃焼でのバラツキが所定範囲内に入っていても、最大燃焼でのバラツキが最小燃焼でのバラツキよりもそのバラツキの範囲が大きく、最大燃焼でのバラツキが所定範囲内に入らなくなる場合が発生するという問題を有していた。
【0020】
このことは、最小燃焼量および最大燃焼量付近での電磁ポンプ51の液体燃料の吐出量が所定の燃焼量と差が生じることによる燃焼空気との混合比のずれによる赤火や不完全燃焼などの原因となる。これらの赤火や不完全燃焼などの場合には液体燃料の量に対して熱量が少なくなって熱出力効率が悪くなる。
【0021】
本発明は、上記問題を解決するもので、最大燃焼時および最小燃焼時の両方において、より正確な液体燃料の吐出量で燃焼制御させることができて燃焼効率の良い電磁ポンプおよび液体燃料供給装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体燃料供給装置は、電磁コイルに供給される駆動パルスのパルス幅、パルス周波数およびパルス波高値に応じて液体燃料の吐出量が変化する電磁ポンプにおいて、前記駆動パルスの波高値切換用の抵抗部材が前記電磁コイルに複数個接続されて配設され、これら抵抗部材は、それぞれ、前記電磁コイルに所定の駆動パルスを供給したときのポンプ吐出量が各々所定の許容範囲内となるように抵抗値が選定された固定抵抗器であり、ポンプ吐出量のバラツキを調整することを特徴とする。
【0023】
この構成により、パルス幅またはパルス周波数を変化させたときの液体燃料の吐出量の変化特性が個々の液体燃料供給装置でバラツキがあっても、少なくとも液体燃料の最大燃焼量と最小燃焼量を所定吐出量範囲内に調整するように、供給される駆動パルスの波高値を設定し、駆動パルスの所定のパルス幅またはパルス周波数で、パルス波高値を切り換えるようにしているので、少なくとも最大燃焼および最小燃焼での吐出量のバラツキが所定吐出量範囲内となり、最大燃焼時および最小燃焼時の両方およびそれらの間において、より正確な液体燃料の吐出量で燃焼制御させることが可能となる。したがって、最小燃焼時および最大燃焼時、これらの間で燃焼空気との混合比のずれによる赤火や不完全燃焼などが防止され、燃焼効率のよい液体燃料供給装置となる。
【0026】
また、好ましくは、本発明の液体燃料供給装置は、前記電磁ポンプと、この電磁ポンプの電磁コイルに供給される駆動パルスの所定のパルス幅またはパルス周波数で、前記複数の抵抗部材のうちの所定の抵抗部材を選択し、この選択された所定の抵抗部材を介して前記駆動パルスを前記電磁コイルに供給するパルス出力手段とを有することを特徴とする。
【0027】
この構成により、例えば最大燃焼量で所定抵抗値の抵抗部材を選択して吐出量を所定範囲内に調整すると共に、最小燃焼量で所定抵抗値の抵抗部材を選択して吐出量を所定範囲内に調整するようにすれば、少なくとも最大燃焼時および最小燃焼時での吐出量のバラツキを所定範囲内にそれぞれ容易に納めることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液体燃料供給装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は本発明の一実施形態を示す電磁ポンプおよびその制御部の構成図である。
【0030】
図1において、この電磁ポンプ11には、電磁力を発生させるための電磁コイル12が配設されている。この電磁コイル12の一方端子には、流体燃料吐出量調整用の固定抵抗器13,14の一方端が接続され、これらの固定抵抗器13,14の他方端はそれぞれパルス出力駆動回路15の両出力端子P1,P2にそれぞれ接続されている。これらの両出力端子P1,P2は、リレー接点や電子スイッチなどのスイッチ接点を介して出力端を2系統に分岐した先端部に設けられている。また、電磁コイル12の他方端子はパルス出力駆動回路15のコモン端子に接続されており、電磁コイル12は、固定抵抗器13または固定抵抗器14を介して、パルス出力駆動回路15からの駆動パルスによる断続電流によって繰り返し励磁されて、各駆動パルス毎に、そのパルス周波数、パルス幅(通電時間)およびパルス波高値(印加電圧)に応じた電磁力を発生させるものである。このときの固定抵抗器13は、最大燃焼時の吐出量が所定範囲内になるようにその抵抗値が選定され、また、固定抵抗器14は、最小燃焼時の吐出量が所定範囲内になるようにその抵抗値が選定されており、パルス出力駆動回路15は駆動パルスのパルス幅に応じて固定抵抗器13,14の何れかに切り換えて液体燃料の吐出量制御がなされている。これらの固定抵抗器13,14およびパルス出力駆動回路15で駆動制御手段が構成されており、駆動パルスの所定パルス幅またはパルス周波数で、この駆動パルスのパルス波高値(印加電圧)を、固定抵抗器13または固定抵抗器14を介することで切り換えるように制御している。この切り換えるときの所定パルス幅は、液体燃料の吐出量が制御される最大燃焼時と最小燃焼時の間のパルス幅である。
【0031】
また、燃焼制御部としては、このパルス出力駆動回路15の他に、燃焼運転全般に亘って制御する自動制御回路16が備えられており、例えば送風ファンの吸い込み口などに配設された温度センサによって現在の温度が監視され、この温度センサで検知されている現在温度と目標温度とが比較され、これらの温度差に応じて、パルス出力駆動回路15に対して駆動パルスのパルス幅を制御させるようになっている。このパルス出力駆動回路15からの駆動パルスで駆動制御される電磁ポンプにより、多段階に液体燃料の吐出量が制御されて最大燃焼と最小燃焼との間を燃焼制御するようになっている。
【0032】
図2は図1の電磁ポンプの構成を示す縦断面図であり、図3は図1の電磁ポンプの構成を示す平面図である。
【0033】
図2および図3において、この電磁ポンプ11は、シリンダ21内にフリーピストン状のプランジャー22がばね23,24で所定位置に釣り合って配設されている。このプランジャー22内には逆止弁25がばね26で軽く付勢された状態で開口部27を開閉自在に配設されている。また、吐出口28側にも、逆止弁29がばね30で軽く付勢された状態でその開口部31を開閉自在に配設されている。この電磁ポンプ11のシリンダ21の外周部にはコイルボビン32が配設されており、そのコイルボビン32に電磁コイル12が巻回されている。この電磁コイル12の両端12a,12bはそれぞれ、コイルボビン32の上部に配設された端子板34の各端子35,36にそれぞれ接続されている。この端子板34には端子35,36の他に端子37,38が設けられており、端子35と端子37間に固定抵抗器13を、端子35と端子38間に固定抵抗器14を接続すると共に、これらの端子36〜38をそれぞれパルス出力駆動回路15の各出力端にそれぞれ接続している。
【0034】
上記構成により、電磁ポンプ11の固定抵抗器13,14による液体燃料の吐出量調整は、まず、電磁ポンプ11を固定抵抗器13,14のない状態で一定の駆動パルスで所定の吐出量以上となるように製造する。次に、その電磁ポンプ11の電磁コイル12に固定抵抗器13,14が接続されていない状態で、最大燃焼時および最小燃焼時に供給される所定の駆動パルスを電磁コイル12にそれぞれ供給してその各吐出量をそれぞれ測定する。所定の駆動パルスとは、例えば周波数10Hzで最大燃焼時の液体燃料の吐出量に対応するパルス幅を10msecとし、また、最小燃焼時の液体燃料の吐出量に対応するパルス幅を5msecとしている。
【0035】
さらに、これらの測定された各吐出量に対する、予め実験で求められた吐出量と抵抗値との関係から所定の吐出量の許容範囲内となる抵抗値の固定抵抗器13,14をそれぞれ選定し、上記電磁ポンプ11の電磁コイル12と直列にそれぞれ接続する。
【0036】
次に、燃焼器における液体燃料の燃焼量制御については、燃焼時には、電磁ポンプ11の電磁コイル12に固定抵抗器13,14の何れかを介してパルス出力駆動回路15から所定パルス幅の駆動パルスが入力されて通電状態となる。この駆動パルスが供給される電磁コイル12で発生する電磁力で、プランジャー22をばね23の付勢力に抗して吐出口28側に移動させる。この往動時に、プランジャー22内の逆止弁25は加圧された流体燃料の圧力で閉じたままであるが、吐出口28側の逆止弁29を流体燃料の圧力で押し開かせながら流体燃料を吐出口28より吐出させることができる。
【0037】
その後、電磁コイル12に駆動パルスが通電されていない状態となり、このときは電磁力が働かないので、プランジャー22はばね23の付勢力で復動して吐出口28側とは反対側に移動することになる。この復動時に、プランジャー22内の逆止弁25はその内部の流体燃料が減圧することで開いて、その開口部を介して液体燃料が内部に流入することになると共に、吐出口28側の逆止弁29は閉じられることになる。以上の動作を繰り返すことによって液体燃料の燃焼量制御がなされている。
【0038】
このとき、図4に示すように、最大燃焼時の吐出量に対応するパルス幅10msecにおいて、基準となる特性ラインを特性ラインAとすると、電磁コイル12に印加される印加電圧は固定抵抗器13で最適に電圧降下して適度に下がることで、最大燃焼時の電磁ポンプ11毎の吐出量のバラツキが特性ラインBのように例えば±5パーセントなどの所定範囲内に収まるようになる。また、液体燃料の吐出量が最大燃焼量から最小燃焼量の方向に変化するとき、パルス出力駆動回路15は、駆動パルスのパルス幅に応じた最適な位置(本実施形態では最大燃焼量と最小燃焼量の間の中央位置)でその出力端を固定抵抗器13から固定抵抗器14に切り換える。この切り換え制御で、最小燃焼時においても、電磁コイル12に印加される印加電圧は固定抵抗器14で最適に電圧降下して適度に下がることで、最小燃焼時の電磁ポンプ11毎の吐出量のバラツキも特性ラインCのように例えば±5パーセントなどの所定範囲内に収まるようになる。
【0039】
したがって、上記液体燃料の吐出量のバラツキと同様にパルス幅を変化させたときの吐出量の変化特性が個々の電磁ポンプ11でバラツキがあっても、最大燃焼量で所定抵抗値の固定抵抗器13を選択して吐出量を所定範囲内に調整し、かつ最小燃焼量で所定抵抗値の固定抵抗器14を選択して吐出量を所定範囲内に調整するので、最大燃焼および最小燃焼での吐出量のバラツキを所定範囲内に入れることができて、最大燃焼時および最小燃焼時の両方およびそれらの間において、より正確な液体燃料の吐出量で燃焼制御させることができる。これによって、特に最小燃焼量および最大燃焼量付近で燃焼空気との混合比のずれによる赤火や不完全燃焼などを防止して、燃焼効率のよい液体燃料供給装置としての電磁ポンプ11およびパルス出力駆動回路15を得ることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、最大燃焼時および最小燃焼時に設定した2個の固定抵抗器13,14を電磁コイル12に並列に接続し、パルス出力駆動回路15が、駆動パルスのパルス幅に応じてその出力端を固定抵抗器13,14の何れかに切り換え制御するように構成したが、3個の固定抵抗器を電磁コイル12に並列に接続し、最大燃焼時および最小燃焼時の他、その間の燃焼時にも所定範囲内に吐出量が入るように、パルス出力駆動回路が、駆動パルスのパルス幅に応じてその出力端を各固定抵抗器の何れかに切り換え制御するようにしてもよい。また、2個や3個の固定抵抗器に限らず、それ以上の複数個の固定抵抗器を電磁コイル12に並列に接続し、最大燃焼時と最小燃焼時の間の各燃焼時にも基準となる特性ラインAに沿うように、パルス出力駆動回路が、駆動パルスのパルス幅に応じてその出力端を各固定抵抗器の何れかに切り換えるように制御するようにしてもよい。この場合には、より正確な吐出量制御となって、より燃焼効率のよい快適な液体燃料供給装置が得られることになる。
【0041】
また、本実施形態では、駆動パルスのパルス幅に応じてその出力端を固定抵抗器13,14の何れかに切り換え制御するように構成したが、駆動パルスのパルス周波数に応じてその出力端を固定抵抗器13,14の何れかに切り換え制御するように構成してもよい。特に、図8に示すように、駆動パルスの所定の周波数までは所定のパルス幅の特性ラインで液体燃料の吐出量を制御し、また、駆動パルスの所定の周波数を超えると、別の所定パルス幅の傾斜の大きい特性ラインで液体燃料の吐出量を制御するような場合にも、本発明を適応させることができて、より正確な吐出量制御をすることができ、より燃焼効率のよい快適な液体燃料供給装置を得ることができる。この場合、パルス幅の異なる特性ラインの切り換え時に固定抵抗器を切り換え制御するようにすればよい。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、所定のパルス幅またはパルス周波数で、パルス波高値を切り換えるようにしているため、少なくとも最大燃焼時と最小燃焼時の間の吐出量のバラツキを所定吐出量範囲内とすることができ、最大燃焼時および最小燃焼時の両方およびそれらの間においても、より正確な液体燃料の吐出量で燃焼制御させることができて、最小燃焼時および最大燃焼時、これらの間で燃焼空気との混合比のずれによる赤火や不完全燃焼などを防止し、燃焼効率のよい液体燃料供給装置を得ることができる。
【0043】
また、駆動パルスの所定のパルス幅またはパルス周波数で抵抗部材を切り換えるようにしているため、液体燃料の吐出量のバラツキを所定誤差範囲内にそれぞれ容易に納めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電磁ポンプおよびその制御部の構成図である。
【図2】図1の電磁ポンプの構成を示す縦断面図である。
【図3】図1の電磁ポンプの構成を示す平面図である。
【図4】本実施形態を適応させた場合の液体燃料の吐出量と駆動パルス幅との関係を示す図である。
【図5】従来の電磁ポンプおよびその制御部の構成図である。
【図6】液体燃料の吐出量と駆動パルスの周波数との関係を示す図である。
【図7】液体燃料の吐出量と駆動パルス幅との関係を示す図である。
【図8】駆動パルス幅に対する液体燃料の吐出量と駆動パルスの周波数との関係を示す図である。
【符号の説明】
11 電磁ポンプ
12 電磁コイル
13,14 固定抵抗器(抵抗部材)
15 パルス出力駆動回路(パルス出力手段)
Claims (2)
- 電磁コイルに供給される駆動パルスのパルス幅、パルス周波数およびパルス波高値に応じて液体燃料の吐出量が変化する電磁ポンプにおいて、
前記駆動パルスの波高値切換用の抵抗部材が前記電磁コイルに複数個接続されて配設され、
これら抵抗部材は、それぞれ、前記電磁コイルに所定の駆動パルスを供給したときのポンプ吐出量が各々所定の許容範囲内となるように抵抗値が選定された固定抵抗器であり、ポンプ吐出量のバラツキを調整することを特徴とする電磁ポンプ。 - 請求項1記載の電磁ポンプと、
この電磁ポンプの電磁コイルに供給される駆動パルスの所定のパルス幅またはパルス周波数で、前記複数の抵抗部材のうちの所定の抵抗部材を選択し、この選択された所定の抵抗部材を介して前記駆動パルスを前記電磁コイルに供給するパルス出力手段とを有することを特徴とする液体燃料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11362696A JP3602256B2 (ja) | 1996-05-08 | 1996-05-08 | 電磁ポンプおよび液体燃料供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11362696A JP3602256B2 (ja) | 1996-05-08 | 1996-05-08 | 電磁ポンプおよび液体燃料供給装置 |
Publications (2)
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