JPH061048U - ワイパー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイパーブレードのセット位置から格納位置
への手動操作によるライブアップ作動を可能とし、コス
トダウンを図る。 【構成】 ワイパーピボット４をワイパーリンク５を連
結したリンク側ピボット１０と、ワイパーアーム６を固
定したアーム側ピボット１１とに分割し、リンク側ピボ
ット１０に設けた第１カム１２に、アーム側ピボット１
１に設けた第２カム１３を外嵌して連結してある。第１
カム１２の周側にはカム突起１４を形成してある一方、
第２カム１３の内周にはカム突起１４を受容し、所要の
ストロークでカム突起１４を非係合の空振り領域を形成
するカム溝１５を形成してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車等の車両に用いられるワイパー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のワイパー装置の中でも、例えば図３に示すように、リヤウインドウパ ネル２を開閉式にしたバックドア１に用いられるリヤワイパー装置３にあっては 、その作動電気回路（図示省略）、つまり、ワイパーアーム６によりワイパーブ レード７をリヤウインドウパネル２面内のセット位置Ｓ₁と反転位置Ｓ₂との間で 往復揺動させるモータ駆動回路に、ワイパー停止時にワイパーブレード７を前記 セット位置Ｓ₁から、ドアパネル１Ａ面上の格納位置Ｓ₃へ自動的に揺動角を変え て移動させる所謂ライズアップ作動回路を併設して、リヤワイパー装置３がリヤ ウインドウパネル２の開閉に支障とならないようにしてある。

【０００３】 この類似構造は、例えば特開昭６１−７５０４４号公報に示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述のように作動電気回路に、ワイパー停止時に揺動角を拡大してワイパーブ レード７をリヤウインドウパネル２面上のセット位置Ｓ₁から外れたドアパネル １Ａ面上の格納位置Ｓ₃へ移動させるライズアップ作動回路を併設するため、シ ステムが高価についてしまう。

【０００５】 そこで、本考案はワイパー停止時にワイパーブレードを手動操作により、ウイ ンドウパネル面上のセット位置から外れた格納位置へ容易に移動させることがで き、かつ、ワイパー作動時にはワイパーアームの作動により、ワイパーブレード を前記格納位置から自動的にウインドウパネル面上に移動させて、セット位置と 反転位置とで往，復揺動させることができるワイパー装置を提供するものである 。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

ワイパーピボットを、ワイパーリンクが連結されたリンク側ピボットと、ワイ パーアームを固定したアーム側ピボットとに分割し、その何れか一方に周側にカ ム突起を形成した第１カムを設け、他方にこの第１カムに外嵌し、かつ内周に前 記カム突起を受容して所要のストロークでカム突起と非係合の空振り領域を形成 するカム溝を形成した第２カムを設け、リンク側ピボットとアーム側ピボットと を、これら第１カム，第２カムを介して連結してある。

【０００７】

【作用】

カム突起がカム溝のワイパーブレード往動方向の溝端に係合した状態で、ワイ パーアームを介してワイパーブレードをウインドウパネル面上のセット位置と反 転位置との間で往，復揺動させると、ワイパーブレードをセット位置から反転位 置へ往動させた後、ワイパーブレードのセット位置への復動過程で、カム溝の形 成範囲でリンク側ピボットとアーム側ピボットとが相対回転して、アーム側ピボ ットが停止したままリンク側ピボットが空転、所謂空振り作動する。

【０００８】 そして、カム突起がカム溝のワイパーブレード復動方向の溝端に係合すると、 リンク側ピボットとアーム側ピボットとが一体となって回転し、ワイパーブレー ドをセット位置へ復動させる。

【０００９】 次に、このワイパーブレードのセット位置から反転位置への往動過程で、再び カム溝の形成範囲でリンク側ピボットとアーム側ピボットとが相対回転して、ア ーム側ピボットが停止したままリンク側ピボットが空転し、その後、カム突起が カム溝のワイパーブレード往動方向の溝端に係合することにより、リンク側ピボ ットとアーム側ピボットとが一体となって回転し、ワイパーブレードを反転位置 へ往動させる。

【００１０】 以後、この繰り返しによりワイパーブレードをセット位置と反転位置とで往， 復揺動させて、ウインドウパネル面を扇形状に払拭する。

【００１１】 次に、ワイパー停止によりワイパーブレードがセット位置で停止すると、カム 突起はカム溝のワイパーブレード復動方向の溝端に係合しているから、ワイパー アームを把持してワイパーブレードをカム溝の形成範囲で更に復動側に回動すれ ば、リンク側ピボットに対してアーム側ピボットが前記カム溝の形成範囲で空転 し、ワイパーアームを空振り作動させてワイパーブレードをセット位置から外れ た格納位置へ移動させることができる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例をリヤウインドウパネルを開閉式にしたバックドアに 用いられるリヤワイパー装置を例に採って、図面と共に詳述する。

【００１３】 図１〜４において、１はバックドアで、リヤウインドウパネル２を上縁側をヒ ンジ点として開閉自在に装着してある。

【００１４】 ３はリヤウインドウパネル２の下縁側で、ドアパネル１Ａにワイパーピボット ４を中心として揺動自在に配設したリヤワイパー装置を示し、図外の軸受部材に よりドアパネル１Ａの内，外面を貫通して軸支されたワイパーピボット４と、図 外のワイパーモータの駆動力をワイパーピボット４の角回転として伝達するワイ パーリンク５と、ワイパーピボット４端に連結されたワイパーアーム６，および 該ワイパーアーム６端に装着されたワイパーブレード７とを備えている。

【００１５】 ワイパーアーム６は、ワイパーピボット４の角回転により、ワイパーブレード ７をリヤウインドウパネル２面上のセット位置Ｓ₁と、反転位置Ｓ₂との間で往， 復揺動させて、該リヤウインドウパネル２面を扇形状に払拭すると共に、ワイパ ー停止時にワイパーブレード７を前記セット位置Ｓ₁から、リヤウインドウパネ ル２面の下縁から外れたドアパネル１Ａ面上の格納位置Ｓ₃へ移動できるように なっている。

【００１６】 ドアパネル１Ａのリヤウインドウパネル２下線近傍には、ワイパーブレード７ を前記セット位置Ｓ₁から格納位置Ｓ₃へ移動させる際に、ワイパーアーム６を上 面に傾斜面８ａに乗り上げさせてワイパーブレード７をリヤウインドウパネル２ 面から離間させるリフター８を固定してあり、このワイパーブレード７のセット 位置Ｓ₁から格納位置ｓ₃への移動時に、ワイパーブレード７がリヤウインドウパ ネル２の下縁とドアパネル１Ａとの間のパーティング溝９に擦れてブレードラバ ー７ａが損傷することのないようにしてある。

【００１７】 ここで、前記ワイパーピボット４は、図１に示すようにワイパーリンク５を連 結したリンク側ピボット１０と、ワイパーアーム６を固定したアーム側ピボット １１とに分割してあり、これらリンク側ピボット１０とアーム側ピボット１１と に分割してあり、これらリンク側ピボット１０とアーム側ピボットとを第１カム １２と第２カム１３とを介して連結してある。

【００１８】 本実施例にあっては、第１カム１２をリンク側ピボット１０に、および第２カ ム１３をアーム側ピボット１１に設けてあるが、この逆の関係に配設してもよい 。

【００１９】 第１カム１２はリンク側ピボット５に一体に円柱状に設けられ、その周側に軸 方向にカム突起１４を突設してある。

【００２０】 第２カム１３はアーム側ピボット１１に一体に、前記第１カム１２に外嵌し得 るように円筒状に設けてあり、その内周には前記カム突起１４を受容して所要の ストローク、具体的にはワイパーブレード７をセット位置Ｓ₁から格納位置Ｓ₂へ 移動できるストロークで、カム突起１４と非係合の空振り領域を形成するカム溝 １５を形成してある。

【００２１】 そして、この第１カム１２に第２カム１３を外嵌して、リンク側ピボット１０ とアーム側ピボット１１とを連結してある。

【００２２】 また、カム溝１５のワイパーブレード行動方向の溝端１５ａと、ワイパーブレ ード復動方向の溝端１５ｂは弾性体で形成して、カム突起１４との衝接音が生じ ないようにしてある。

【００２３】 次に以上の構成よりなる実施例装置の作動について説明する。

【００２４】 図２の（イ）で示すように、カム突起１４がカム溝１５のワイパーブレード往 動方向の溝端１５ａに係合した状態で、ワイパーブレード７をリヤウインドウパ ネル２面上のセット位置Ｓ₁と反転位置Ｓ₂との間で往，復揺動させると、つまり 、（イ）で示す状態で第１カム１２をＢ方向に回転すると、第２カム１３が一体 となってＢ方向に回転し、ワイパーアーム６をワイパーブレード７と共に図３の Ｂ方向に反転位置Ｓ₂に向けて往動する。

【００２５】 この反転位置Ｓ₂で第１カム１１が図２の（ロ）の状態からＡ方向に回転する と、カム突起１４がカム溝１５内を移動し、リンク側ピボット１０とアーム側ピ ボット１１とが相対回転し、アーム側ピボット１１が停止したままリンク側ピボ ット１０が空転、所謂空振り作動する。

【００２６】 カム突起１４が図２の（ハ）に示すようにカム溝１５のワイパーブレード復動 方向の溝端１５ｂに係合すると、リンク側ピボット１０とアーム側ピボット１１ とが一体となってＡ方向に回転し、ワイパーブレード７が図２の（ニ）で示すセ ット位置Ｓ₁に復動する。

【００２７】 次に、図２の（ニ）で示すワイパーブレード７のセット位置Ｓ₁から反転位置 Ｓ₂への往動過程で、再びカム溝１５の形成範囲でリンク側ピボット１０とアー ム側ピボット１１とが相対回転して、アーム側ピボット１１が停止したままリン ク側ピボット１０が空転し、その後、図２の（イ）で示すようにカム突起１４が カム溝１５のワイパーブレード７往動側の溝端１５ａに係合することにより、リ ンク側ピボット１０とアーム側ピボット１１とが一体となって回転し、ワイパー ブレード７を図２の（ロ）で示す反転位置Ｓ₂へ往動させる。

【００２８】 以後、この繰り返しによりワイパーブレード７をセット位置Ｓ₁と反転位置Ｓ₂ とで往，復揺動させて、リヤウインドウパネル２面を扇形状に払拭する。

【００２９】 次に、ワイパー停止によりワイパーブレード７が図２の（ニ）で示すセット位 置Ｓ₁で停止すると、カム突起１４はカム溝１５のワイパーブレード復動方向の 溝端１５ｂに係合しているから、ワイパーアーム６を把持してワイパーブレード ７をカム溝１５の形成範囲で更に復動側に回動すれば、リンク側ピボット１０に 対してアーム側ピボット１１がカム溝１５の形成範囲で図２の（ニ）で示すＡ方 向に空転し、ワイパーアーム６を空振り作動させてワイパーブレード７を図２の （ニ）で示すセット位置Ｓ₁から図２の（ホ）で示す格納位置Ｓ₃へ移動させるこ とができる。

【００３０】 このワイパーブレード７のセット位置Ｓ₁から格納位置Ｓ₃への手動操作による 移動時には、図４に示すようにワイパーアーム６がリフター８の傾斜面８ａに乗 り上げて、ワイパーブレード７がリヤウインドウパネル２面から離間し、ブレー ドラバー７ａがパーティング溝９に擦れて損傷するのが回避される。

【００３１】 そして、ワイパーブレード７を格納位置Ｓ₃に格納してある状態で再びワイパ ー作動すると、図２の（ホ）から（イ）の状態に戻って、（イ）→（ロ）→（ハ ）→（ニ）→（イ）の作動を繰り返し、ワイパーブレード７をセット位置Ｓ₁と 反転位置Ｓ₂とで往，復揺動させる。

【００３２】 なお、前記実施例ではリヤワイパー装置に本考案を適用して説明したが、場合 によってフロントワイパー装置に適用することもできる。

【００３３】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、ワイパー停止時には、ワイパーブレードがウイ ンドウパネル面上のセット位置にある状態から、手動操作によりウインドウパネ ル面外の格納位置へ容易に移動させることができる。

【００３４】 この際、第１カムのカム突起は第２カムのカム溝内を移動して、ワイパーアー ムが空振りするだけであるから、駆動源側へ負荷をかけることがなく、装置を損 傷することはない。

【００３５】 そして、ワイパー作動時にはワイパーブレードを前記格納位置から自動的にウ インドウパネル面上に移動させて、セット位置と反転位置とで往復揺動させるこ とができる。

【００３６】 従って、このようにワイパーブレードのセット位置から格納位置への移動を手 動操作で無理なく行えるため、従来のようなライズアップ作動回路が不要となり 、大幅なコストダウンを実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す裏面側から見た斜視
図。

【図２】同実施例の第１カムと第２カムとの作動態様を
示す図１のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【図３】本考案の対象とするワイパー装置を備えた自動
車のバックドアの斜視図。

【図４】図３のＢ−Ｂ線に沿う断面図。

【符号の説明】

４…ワイパーピボット ５…ワイパーリンク ６…ワイパーアーム ７…ワイパーブレード １０…リンク側ピボット １１…アーム側ピボット １２…第１カム １３…第２カム １４…カム突起 １５…カム溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイパーピボットを、ワイパーリンクが
   連結されたリンク側ピボットと、ワイパーアームを固定
   したアーム側ピボットとに分割し、その何れか一方に周
   側にカム突起を形成した第１カムを設け、他方にこの第
   １カムに外嵌し、かつ、内周に前記カム突起を受容して
   所要のストロークでカム突起と非係合の空振り領域を形
   成するカム溝を形成した第２カムを設け、リンク側ピボ
   ットとアーム側ピボットとを、これら第１カム，第２カ
   ムを介して連結したことを特徴とするワイパー装置。