JPH06104889B2 - 高温耐摩耗性溶射材料 - Google Patents
高温耐摩耗性溶射材料Info
- Publication number
- JPH06104889B2 JPH06104889B2 JP62218348A JP21834887A JPH06104889B2 JP H06104889 B2 JPH06104889 B2 JP H06104889B2 JP 62218348 A JP62218348 A JP 62218348A JP 21834887 A JP21834887 A JP 21834887A JP H06104889 B2 JPH06104889 B2 JP H06104889B2
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- Japan
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- thermal spray
- high temperature
- spray material
- thermal
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は高温雰囲気（500〜1700℃）に於いて耐摩耗性
及び金属との難反応性を要求される機械部品の表面に、
その様な機能を付与するための溶射材料に関するもので
ある。
及び金属との難反応性を要求される機械部品の表面に、
その様な機能を付与するための溶射材料に関するもので
ある。
〈従来の技術〉 機械部品などにその基材とは異なる機能を付与する表面
処理の一方法として溶射法がある。溶射法は燃焼又は電
気エネルギーを用いて溶射材料を加熱し、溶融又はそれ
に近い状態にした粒子を素材表面に吹付けて皮膜を形成
する表面処理法である。
処理の一方法として溶射法がある。溶射法は燃焼又は電
気エネルギーを用いて溶射材料を加熱し、溶融又はそれ
に近い状態にした粒子を素材表面に吹付けて皮膜を形成
する表面処理法である。
高温雰囲気で耐摩耗性や金属との難反応性を要求される
機械部品の表面に酸化物系セラミックや炭化物などの非
酸化物系セラミックを溶射法で被覆することは従来から
数多く提案されている。
機械部品の表面に酸化物系セラミックや炭化物などの非
酸化物系セラミックを溶射法で被覆することは従来から
数多く提案されている。
しかしながら、多くの酸化物系セラミック、例えばAl2O
3，Cr2O3の溶射皮膜は耐摩耗性や金属との難反応性は優
れるが、素材が鉄鋼のように金属の場合、高温からの急
冷却による場合は熱衝撃により皮膜の剥離が生じ、高温
雰囲気では使用できないのが現状である。また非酸化物
系セラミックの溶射皮膜は耐高温酸化性に問題がある
為、同様に高温雰囲気では使用できないことが多い。
3，Cr2O3の溶射皮膜は耐摩耗性や金属との難反応性は優
れるが、素材が鉄鋼のように金属の場合、高温からの急
冷却による場合は熱衝撃により皮膜の剥離が生じ、高温
雰囲気では使用できないのが現状である。また非酸化物
系セラミックの溶射皮膜は耐高温酸化性に問題がある
為、同様に高温雰囲気では使用できないことが多い。
現在、高温雰囲気ではCaO,MgOやY2O3で安定化または部
分安定化したZrO2系セラミックが実用されている。この
ZrO2系の溶射皮膜は耐熱衝撃性や金属との難反応性は優
れるが、硬度が低く、耐摩耗性が劣る欠点があった。
分安定化したZrO2系セラミックが実用されている。この
ZrO2系の溶射皮膜は耐熱衝撃性や金属との難反応性は優
れるが、硬度が低く、耐摩耗性が劣る欠点があった。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は、前述した如きZrO2系の溶射皮膜の欠点である
耐摩耗性を改善し、耐熱衝撃性や金属との難反応性にも
優れた溶射皮膜を形成するためたの溶射材料を提供しよ
うとするものである。
耐摩耗性を改善し、耐熱衝撃性や金属との難反応性にも
優れた溶射皮膜を形成するためたの溶射材料を提供しよ
うとするものである。
〈問題点を解決する為の手段〉 本発明は高温耐摩耗性を付与するために、Cr2O3:8〜50
重量％，Al2O3:8〜50重量％で、しかもこのCr2O3とAl2O
3の合計が75重量％未満であり、残部が実質的にZrO2な
る組成から成る高温耐摩耗性溶射材料、並びにそれに必
要に応じY2O3を１〜６重量％添加した溶射材料を提供す
るものである。
重量％，Al2O3:8〜50重量％で、しかもこのCr2O3とAl2O
3の合計が75重量％未満であり、残部が実質的にZrO2な
る組成から成る高温耐摩耗性溶射材料、並びにそれに必
要に応じY2O3を１〜６重量％添加した溶射材料を提供す
るものである。
〈作用〉 以下本発明について詳述する。なお、以下の説明の中の
溶射材料の含有量を示す％で特記しない限り、重量％と
する。
溶射材料の含有量を示す％で特記しない限り、重量％と
する。
ZrO2は金属との難反応性材料であるが、温度により単斜
晶系、正方晶系及び立方晶系の３つの同素異態が存在
し、約1100℃で単斜晶系正方晶系の結晶変態により体
積変化が起こり、高温になると溶射皮膜が破壊する。こ
のためCaO,MgO,Y2O3またはCeO2が数％〜数十％添加さ
れ、安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアとし
て溶射被覆で実用されていることは前述した。
晶系、正方晶系及び立方晶系の３つの同素異態が存在
し、約1100℃で単斜晶系正方晶系の結晶変態により体
積変化が起こり、高温になると溶射皮膜が破壊する。こ
のためCaO,MgO,Y2O3またはCeO2が数％〜数十％添加さ
れ、安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアとし
て溶射被覆で実用されていることは前述した。
発明者はZrO2の結晶構造の安定化に寄与する材料として
耐摩耗性に優れ、かつ金属との難反応性材料であるCr2O
3とAl2O3を種々の割合でZrO2に添加した溶射材料を作製
し、溶射皮膜を形成して、1000℃×30分間加熱して水中
投下する熱衝撃試験と平板状試験片を回転円板に押付け
る形式の摩耗試験に供した。ZrO2−Cr2O3−Al2O3系で高
い耐摩耗性を有し、かつ耐熱衝撃性も良好な成分範囲は
ZrO2:25〜70％，Cr2O3:8〜50％，Al2O3:8〜50％、但しC
r2O3とAl2O3の合計は75％未満であった。この三元系の
溶射皮膜の耐摩耗性及び耐熱衝撃性は立方晶系を含む部
分的に安定化された相に起因すると共にこれに共晶反応
または固溶体反応による強靱化効果が加わったことによ
るものと考えられる。
耐摩耗性に優れ、かつ金属との難反応性材料であるCr2O
3とAl2O3を種々の割合でZrO2に添加した溶射材料を作製
し、溶射皮膜を形成して、1000℃×30分間加熱して水中
投下する熱衝撃試験と平板状試験片を回転円板に押付け
る形式の摩耗試験に供した。ZrO2−Cr2O3−Al2O3系で高
い耐摩耗性を有し、かつ耐熱衝撃性も良好な成分範囲は
ZrO2:25〜70％，Cr2O3:8〜50％，Al2O3:8〜50％、但しC
r2O3とAl2O3の合計は75％未満であった。この三元系の
溶射皮膜の耐摩耗性及び耐熱衝撃性は立方晶系を含む部
分的に安定化された相に起因すると共にこれに共晶反応
または固溶体反応による強靱化効果が加わったことによ
るものと考えられる。
また前述の三元系の結晶構造をより立方晶系に安定化す
る成分としてY2O3を添加すると、さらに耐熱衝撃性に優
れる溶射皮膜を得ることができることを見出した。その
場合のY2O3の量としては１〜６％が好ましい事を確認し
た。この成分範囲は耐摩耗性能を低下させることなく、
耐熱衝撃性を向上させることのできるY2O3の量を示して
いる。
る成分としてY2O3を添加すると、さらに耐熱衝撃性に優
れる溶射皮膜を得ることができることを見出した。その
場合のY2O3の量としては１〜６％が好ましい事を確認し
た。この成分範囲は耐摩耗性能を低下させることなく、
耐熱衝撃性を向上させることのできるY2O3の量を示して
いる。
なお、溶射皮膜を機械部品の表面に形成する際、ボンド
コート層とサーメット層を設けることはさらに耐熱衝撃
性を向上させるには有効で、その金属成分として、CoCr
AlY,FeCrAlY,NiCrAlYなどの耐熱合金のほか、Ni-Cr合金
などが利用できる。また溶射施工法については、ガスプ
ラズマ法、エアプラズマ法などの電気的エネルギーを用
いる方法が好ましいが、フレーム溶射法や爆発溶射法で
も皮膜形成は可能である。
コート層とサーメット層を設けることはさらに耐熱衝撃
性を向上させるには有効で、その金属成分として、CoCr
AlY,FeCrAlY,NiCrAlYなどの耐熱合金のほか、Ni-Cr合金
などが利用できる。また溶射施工法については、ガスプ
ラズマ法、エアプラズマ法などの電気的エネルギーを用
いる方法が好ましいが、フレーム溶射法や爆発溶射法で
も皮膜形成は可能である。
本発明に示す成分範囲の限定理由を得た実験結果につい
て以下実施例にて説明する。
て以下実施例にて説明する。
実施例 実験に用いた溶射材料の成分と熱衝撃試験及び摩耗試験
の結果を表に示す。
の結果を表に示す。
これは供試基材はSUS304で、形状は50×30×5mmであ
り、この基材上のCo基合金を0.1mm厚に溶射し、その上
にサーメット（50％Co基合金＋50％最上層材料）を0.15
mm厚に溶射し、最上層として本発明材料及び比較材料を
厚さ0.15mmとなる様に溶射した場合の結果である。
り、この基材上のCo基合金を0.1mm厚に溶射し、その上
にサーメット（50％Co基合金＋50％最上層材料）を0.15
mm厚に溶射し、最上層として本発明材料及び比較材料を
厚さ0.15mmとなる様に溶射した場合の結果である。
上記表の結果から、ZrO2が25％未満では耐熱衝撃性に乏
しく、逆に70％を越えると耐摩耗性が悪くなるのでZrO2
の量としては25〜70％が好ましい事が判る。又Cr2O3，A
l2O3はそれぞれ８％未満では耐摩耗性が不足し、逆に50
％を越えると耐熱衝撃性が悪くなる。故に両者の合計量
は上記ZrO2を25％以上とする必要もある事から75％未満
とする。
しく、逆に70％を越えると耐摩耗性が悪くなるのでZrO2
の量としては25〜70％が好ましい事が判る。又Cr2O3，A
l2O3はそれぞれ８％未満では耐摩耗性が不足し、逆に50
％を越えると耐熱衝撃性が悪くなる。故に両者の合計量
は上記ZrO2を25％以上とする必要もある事から75％未満
とする。
次にY2O3の量であるが、このY2O3は先にも述べた様にZr
O2の結晶構造を安定化せしめる作用をなすものであり、
その為には１％以上は必要であるが６％を越えると耐摩
耗性低下という問題が顕著化する為に１〜６％の範囲と
する。
O2の結晶構造を安定化せしめる作用をなすものであり、
その為には１％以上は必要であるが６％を越えると耐摩
耗性低下という問題が顕著化する為に１〜６％の範囲と
する。
〈発明の効果〉 以上述べて来た如く本発明による溶射材料を溶射した皮
膜は、耐摩耗性が優れると共に耐熱衝撃性にも優れる。
よって基材表面に本発明に係る溶射材料を溶射すること
により、高温耐摩耗性を付与することが可能となり、各
種装置部材の寿命延長が達成でき、コストダウンに寄与
するものである。
膜は、耐摩耗性が優れると共に耐熱衝撃性にも優れる。
よって基材表面に本発明に係る溶射材料を溶射すること
により、高温耐摩耗性を付与することが可能となり、各
種装置部材の寿命延長が達成でき、コストダウンに寄与
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉巻 雅弘 大阪府堺市石津北町90番地 日本研磨材工 業株式會社内 (72)発明者 藤井 荘一 大阪府堺市石津北町90番地 日本研磨材工 業株式會社内 (72)発明者 野崎 勝 大阪府堺市石津北町90番地 日本研磨材工 業株式會社内 (72)発明者 坂田 一則 福岡県北九州市八幡西区大字本城2271番地 ２ 富士岐工産株式会社内 (72)発明者 占部 博昭 福岡県北九州市八幡西区大字本城2271番地 ２ 富士岐工産株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−156773（ＪＰ，Ａ)
Claims (2)
- 【請求項１】Cr2O3:8〜50重量％，Al2O3:8〜50重量％
で、しかもこのCr2O3とAl2O3の合計が75重量％未満であ
り、残部が実質的にZrO2なる組成から成る高温耐摩耗性
溶射材料。 - 【請求項２】Cr2O3:8〜50重量％，Al2O3:8〜50重量％Y2
O3１〜６重量％で、しかも上記Cr2O3とAl2O3の合計が75
重量％未満であり、残部が実質的にZrO2なる組成から成
る高温耐摩耗性溶射材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62218348A JPH06104889B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 高温耐摩耗性溶射材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62218348A JPH06104889B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 高温耐摩耗性溶射材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6462451A JPS6462451A (en) | 1989-03-08 |
| JPH06104889B2 true JPH06104889B2 (ja) | 1994-12-21 |
Family
ID=16718465
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62218348A Expired - Lifetime JPH06104889B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 高温耐摩耗性溶射材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06104889B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1710216B8 (de) * | 2005-04-07 | 2016-03-02 | Oerlikon Metco AG, Wohlen | Kompressor mit einer oberflächenschicht eines keramischen werkstoffs und das verfahren seiner herstellung |
| FR2996843B1 (fr) * | 2012-10-15 | 2020-01-03 | Saint-Gobain Centre De Recherches Et D'etudes Europeen | Produit d'oxyde de chrome. |
-
1987
- 1987-08-31 JP JP62218348A patent/JPH06104889B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6462451A (en) | 1989-03-08 |
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