JPH06104760B2 - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH06104760B2
JPH06104760B2 JP61245549A JP24554986A JPH06104760B2 JP H06104760 B2 JPH06104760 B2 JP H06104760B2 JP 61245549 A JP61245549 A JP 61245549A JP 24554986 A JP24554986 A JP 24554986A JP H06104760 B2 JPH06104760 B2 JP H06104760B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、リチウム系開始剤で重合されたスチレン−ブ
タジエン共重合体ゴムと、低分子量のスチレン−ブタジ
エン共重合体とからなるゴム組成物に関し、その加硫物
の物理的性質においては、グリップ性と耐摩耗性に優れ
るという特徴を有するゴム組成物を提供するものであ
る。
[従来の技術] スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(以下、「SBR」と
いう)は、いわゆる汎用ゴムとして大量に生産され、品
質および価格の安定性に優れ、かつ天然ゴムに比較して
耐老化性、耐熱性、耐摩耗性に優れているといった特徴
を有しているため、自動車用タイヤとくに乗用車用ラジ
アルタイヤの素材として大量に使用されている。そし
て、乗用車用ラジアルタイヤの部材のうち、特にSBRが
多く使用されるのはトレッド部材である。
自動車用タイヤ、特に乗用車用ラジアルタイヤのトレッ
ドが具備すべき重要な性能の一つとして操縦安定性があ
る。操縦安定性を確保するためには、トレッド部分の路
面把握力(グリップ性)が高いことが必要であり、この
ためにトレッド部材の改良検討がおこなわれていること
はいうまでもない。
そのひとつの方法として、トレッドパターンの改良によ
るアプローチがおこなわれている。すなわち、この方法
においては、トレッドに刻まれたパターンのグルーヴ
(溝)を深くすることによって、路面に直接触れるトレ
ッド部分を路面から受ける圧力に対して変形しやすくす
ることにより、路面からの圧力をトレッド内部で熱エネ
ルギーに変えてしまう能力、すなわち路面からの圧力を
ある程度吸収してしまう能力を増加させ、このことによ
りトレッドのグリップ性を向上させるわけである。しか
し、この方法においては、反面ではゴムの変形を容易に
することから、トレッド部分の摩耗量が増大し、十分な
耐摩耗性を得ることができないという問題が生じる。ト
レッド素材としてのゴムの耐摩耗性を向上させるために
従来から行なわれている方法としては、高補強性カーボ
ンブラックの充てん量を増加させる手段があるが、この
方法によると同時に硬度やモジュラスが上昇し、トレッ
ド部材の変形しにくくなり、その結果グリップ性が損こ
なわれるという問題をもたらす。
また、トレッド素材としてのSBRのムーニー粘度(平均
分子量のパラメータ)を大きくすることで、耐摩耗性を
向上させる方法があるが、この方法ではSBRの加工性を
低下させるという新たな問題を生じ、自ら限界がある。
またSBR中の結合スチレン含量やポリブタジエン部分の
ビニル結合含量を調節すること、すなわちガラス転移温
度を調節することにより耐摩耗性やグリップ性を調節す
る方法が知られているが(特公昭61−29976号公報等参
照)、これらの方法によっても耐摩耗性とグリップ性の
両者を十分に満足させることは困難である。
[発明が解決しようとする問題点] このように、タイヤトレッドのグリップ性と耐摩耗性
は、これまでに知られているゴム素材を用いても、一方
が改良されれば他方が損なわれるという、いわゆる二律
背反の関係にあり、両者をともに改良することはきわめ
て困難なことと考えられていた。
本発明の目的は、耐摩耗性とグリップ性の両者をともに
満足し、たとえば自動車用タイヤのトレッド部材として
好適なゴム組成物を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、 (a) ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が80〜140、係合
スチレン含量が5〜35重量%、ポリブタジエン部分のビ
ニル結合含有量が10〜40重量%である、リチウム系開始
剤で重合されたスチレン−ブタジエン共重合体ゴム
(A)と、 ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、単に「重量平
均分子量」という)(10y)が500〜12,600、結合スチレ
ン含量(x)が50〜90重量%、かつ、0.6x+17y≧100の
関係にあり(ただし、yは重量平均分子量の常用対数で
ある。)、ガラス転移温度が+15℃未満の高スチレン−
ブタジエン共重合体(B)と、 を含み、 (b) 前記共重合体ゴム(A)と前記共重合体(B)
との配合比が、共重合体ゴム(A)100重量部に対して
共重合体(B)10〜60重量部であり、 (c) ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が30〜100であ
る、 ことを特徴とするゴム組成物である。
本発明のゴム組成物によれば、低分子量かつ高結合スチ
レン含量のSBR共重合体をSBR共重合体ゴムと組み合わせ
て用いることにより、たとえば高芳香族系伸展油をSBR
共重合体ゴムの可塑剤として用いたゴム組成物(油展ゴ
ム)に比して、加硫物において適度な硬度ならびにモジ
ュラスなどを保有したまま、耐摩耗性と、スキッド特性
(ドライスキッド、ウエットスキッド)において著しい
改善を達成することができ、その結果、例えばグリップ
性と耐摩耗性という二率背反的な特性を共に満足するタ
イヤトレッド部材用のゴム素材を提供することができ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における共重合体ゴム(A)は、リチウム系開始
剤を用いて製造され、結合スチレン含量が5〜35重量%
のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムであり、ムーニー
粘度(ML1+4,100℃)(以下、単に「ムーニー粘度」と
表わす。)が80〜140である。
通常、実用的に用いられるスチレン−ブタジエン共重合
体ゴムは、結合スチレン含量が10〜30重量%であり、結
合スチレン含量は多くとも35重量%を越えない。結合ス
チレン含量が35重量%を越えると、最終的に得られるゴ
ム組成物の耐摩耗性が不十分となる。
また結合スチレン含量が5重量%未満では、ゴム組成物
の破壊強度が劣り、好ましくない。
このような結合スチレン含量が5〜35重量%の共重合体
ゴム(A)において、ムーニー粘度が上記の範囲外にあ
って80未満であると、低分子量の共重合体(B)が伸展
油などと同様に可塑剤としても機能するため、最終的に
得られるゴム組成物のムーニー粘度が低下し、この加硫
物に対して充分な物理的性質、特に耐摩耗性の改良を期
待することが困難となる。
一方、共重合体ゴム(A)のムーニー粘度が140を越え
るものを用いた場合には、たとえば、共重合体ゴム
(A)に高芳香族系油を適宜混合しても、最終的に得ら
れるゴム組成物のムーニー粘度がおよそ100程度以上と
大きくなり、混練り時あるいは押し出し成形時の発熱が
大きく、またゲル化やスコーチが発生するなど、加工上
のトラブルを起すことになり好ましくない。
共重合体ゴム(A)のポリブタジエン部分のビニル結合
含量は10〜40重量%である。ビニル結合含量が40重量%
を越えると、ゴム組成物の耐摩耗性が劣り好ましくな
い。またビニル結合含量が10重量%未満のものは、製造
が事実上困難である。
共重合体ゴム(A)に混合される共重合体(B)は、溶
液重合法または乳化重合法で製造され、低分子量かつ高
結合スチレン含量の液状、ゴム状あるいは皮革状のスチ
レン−ブタジエン共重合体である。
共重合体(B)の重量平均分子量は、500〜12,600、好
ましくは1,000〜12,600である。共重合体(B)として
重量平均分子量が500未満のものを用いた場合は、その
加硫物が充分な物理的性質、特に破断応力を維持するこ
とが困難となり、かつ耐摩耗性およびスキッド特性の改
良効果はほとんど期待できない。
また、共重合体(B)として重量平均分子量が12,600を
越えるものを用いた場合は、共重合体(B)は樹脂状と
なり、その結果加硫物は破断応力を高いレベルで維持す
るとともに耐摩耗性の改良効果も充分期待できるが、反
面、硬度およびモジュラスが高くなって変形しにくい加
硫物となるため、グリップ性(スキッド特性)が不十分
となる。これと同様の理由で共重合体(B)のガラス転
移温度は+150℃未満であることを要する。
また、共重合体(B)の結合スチレン含量は、50〜90重
量%であることから必要である。共重合体(B)結合ス
チレン含量が50重量%未満であると、スキッド特性の改
良効果が小さく、また、結合スチレン含量が90重量%を
越えると樹脂状になり、加硫物の硬度およびモジュラス
が高くなって変形しにくい加硫物となるため、スキッド
特性の低下を招くこととなる。
共重合体(B)においては、耐摩耗性とスキッド特性を
バランスさせるために、以下の条件を満足する必要があ
る。
0.6x+17y≧100 ただし、ここにおいて、xは重量%で表現した結合スチ
レン含量、yは重量平均分子量の常用対数である。
本発明において、共重合体ゴム(A)に混合される共重
合体(B)の量は、共重合体ゴム(A)100重量部に対
して10〜60重量部、より好ましくは20〜45重量部の範囲
で選ばれ、最終的に得られるゴム組成物のムーニー粘度
が30〜100になることが必要である。
共重合体(B)の混合量が10重量部未満では、ゴム組成
物のムーニー粘度が通常100を越えるのでゴム組成物の
混練り性、成形性といった加工性が低下し、結果として
スキッド特性の改良がはかれない。また、共重合体
(B)の混合量が60重量部を越えると、ゴム組成物のム
ーニー粘度が通常30より小さくなるので、硬度、モジュ
ラス、破断応力が低くなり、その結果、スキッド特性は
充分であっても耐摩耗性が低下してしまい、両特性のバ
ランスを良好なものとすることができない。本発明の共
重合体ゴム(A)は、リチウム系開始剤を用いて炭化水
素系溶媒中でスチレンと1,3-ブタジエンを連続重合また
はバッチ重合することによって製造することができる。
例えばn−ブチルリチウム、sec-ブチルリチウなどから
選ばれたアルキルリチウム化合物を開始剤としてヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、イソアミレンなどから
選ばれた1種または2種以上を混合した炭化水素系溶媒
中で30〜150℃の範囲の重合温度で重合を行なうことに
よって得られる。必要ならば重合後、四塩化スズ、トリ
フェニルスズクロライド、トリブチルスズクロライドな
どのハロゲン化スズ化合物、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメリック
タイプのジフェニルメタンジイソシアナートなどのイソ
シアナート化合物、N−ジメチルベンズアルデヒド、N,
N′−テトラメチルベンゾフェノンなどのジアルキルア
ミノ芳香族化合物から選ばれた1種または2種以上の化
合物と反応させ、重合体末端を変性した重合体とするこ
とできる。
また、共重合体ゴム(A)の重合において、アルキルリ
チウム化合物の開始剤を増量したり、トルエン、キシレ
ン、1,3,5-トリメチルベンゼンなどの分子量低下作用の
ある溶媒を溶いることができる。
共重合体(B)は乳化重合法または溶液銃合法によって
製造することができる。乳化重合法の例としては通常の
ゴム状高分子量重合体を得るのに用いられるスチレンと
1,3-ブタジエンの重合処方においてtert-ドデシルメル
カプタンのような分子量調節剤を増量して重合すること
により容易に得られる。
本発明のゴム組成物を調製する方法としては、共重合体
ゴム(A)と共重合体(B)を溶液状態で混合した後固
形化する方法、あるいは固形状の共重合体ゴム(A)と
共重合体(B)をバンバリーミキサーまたはロールなど
で混合する方法を用いることができる。さらに共重合体
ゴム(A)の重合後、共重合体ゴム(A)の溶液に1,3-
ブタジエン、スチレンおよびアルキルリチウム化合物を
添加して重合を行なう重合法によっても、前記混合法に
よるのと同様なゴム組成物が得られる。
このようにして得た本発明のゴム組成物は、カーボンブ
ラック等の補強剤、プロセスオイル、加硫促進剤、加硫
剤等の配合剤を添加してタイヤ等のゴム製品に用いるこ
とができる。
なお本発明のゴム組成物は、高芳香族オイル、ナフテン
系オイルを共重合体ゴム(A)100重量部に対して0〜4
0重量部含んでいてもよい。
[実施例] 実施例1〜5、比較例1〜6 次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
<共重合体ゴム(A)の製造> (1)共重合体ゴム(A−1)の製造 容量40の反応器にシクロヘキサンを30kg/時間、スチ
レンを900g/時間、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウ
ムを1.25g/時間、1,3-ブタジエンを4100g/時間、ジヒド
ロナフタレンを0.5g/時間、n−ブチルリチウムを2.0g/
時間の割合で連続的に供給し、80℃で連続重合を行なっ
た。反応器出口から得られた重合体溶液に重合停止剤
(メタノール)、老化防止剤(2,6-ジタ−シャリーブチ
ル−p−クレゾール)を添加し、その一部を分析用に採
取し、脱溶媒、乾燥を行った。得られた重合体のムーニ
ー粘度(ML1+4,100℃)は99、結合スチレン含量は18重
量%、ポリブタジエン部分のミクロ構造はモレロ法によ
る分析の結果、シス−1,4構造が31重量%、トランス−
1,4構造が56重量%、ビニル構造が13重量%であった。
(2)共重合体ゴム(A−2)の製造 共重合体ゴム(A−1)の製造方法において、スチレン
を1500g/時間、1,3-ブタジエンを3500g/時間の割合で反
応器に添加した以外は前記(1)と同様にして重合を行
なった。
得られた重合体のムーニー粘度は105、結合スチレン含
量は29重量%、ポリブタジエン部分のミクロ構造は、シ
ス−1,4構造が32重量%、トランス−1,4構造が55重量
%、ビニル構造が13重量%であった。
(3)共重合体ゴム(A−3)の製造 共重合体ゴム(A−1)の製造方法において、スチレン
を500g/時間、1,3-ブタジエンを4500g/時間、n−ブチ
ルリチウムを2.5g/時間の割合で反応器に添加する以外
は前記(1)と同様に重合を行なった。
得られた重合体のムーニー粘度は87、結合スチレン含量
は10重量%、ポリブタジエン部分のミクロ構造は、シス
−1,4構造が31重量%、トランス−1,4構造が55重量%、
ビニル構造が14重量%であった。
<共重合体(B)の製造> 共重合体(B−1〜B−8)の製造 容量40の反応器を用い、トルエン20kgの溶媒中でスチ
レンと1,3-ブタジエンの仕込み量を変え、ドデシルベン
ゼンスルホン酸カリウムとエチレングリコールジブチル
エーテルをランダム化剤として用い、n−ブチルリチウ
ムを変量して重合を行い、種々の結合スチレン含量およ
び分子量の共重合体を得た。これら共重合体の特性値を
第1表に示す。
なお共重合体の結合スチレン含量は、100MHzのNMRで測
定した。また重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー)で測定したポリスチレンの分
子量と流出カウントの検量線から求めた。なおGPCはWat
ers社製「ALC−GPC」を使用し、カラムは東洋曹達製の
「GMH3」,「GMH6」および「G6000H6」を直列に結合し
て使用した。
また、共重合体のガラス転移温度は、示差熱量計(理学
電機社製)を用いて測定した。
共重合体(B−5)〜(B−8)は比較用サンプルデあ
る。共重合体(B−5)は結合スチレン含量が過小のも
の、共重合体(B−6)は結合スチレン含量およびガラ
ス転移温度が過大のもの、共重合体(B−7)は重量平
均分子量およびガラス転移温度が過大のもの、共重合体
(B−8)は重量平均分子量が過小のものの例である。
<ゴム組成物の調製およびその評価> 共重合体ゴム(A)(A−1〜A−3)の溶液と共重合
体(B)(B−1〜B−8)を第2表に示す所定量で混
合したあと、脱溶媒、乾燥して各種のゴム組成物を得
た。
なお実施例4では共重合体(B−4)と共に高芳香族系
伸展油「AROMA」(日本合成ゴム(株)製」を用いた。
これらのゴム組成物を下記の配合処方によりバンバリー
ミキサーおよびロールにより混練りし、下記の加硫条件
によりプレス加硫により加硫ゴム試料を作成した。
(配合処方) 重量部 ゴム組成物 137.5 亜鉛華 3 ステアリン酸 2 カーボンブラック 75 加硫促進剤 1.5 硫 黄 2.0 (加硫条件) 155℃、30分 このようにして得られた加硫ゴム試料について下記の特
性試験を行なった。
常態物性(JIS K−6301に準じて測定) 300%モジュラス(kg/cm2) 引張強度 (kg/cm2) 硬 度 (JIS-A型) 耐摩耗性 ピコ摩耗試験法(ASTM D2228)によって測定した。
スキッド特性(グリップ性) 英国道路研究所ポータブルスキッドテスターを使用して
ウェットスキッド抵抗およびドライスキッド抵抗を測定
した。このとき、試験路面としてはアスファルトを用
い、ウエットスキッド抵抗は路面を水で十分にぬらした
状態で測定を行いドライスキッド抵抗は乾燥した状態で
測定を行なった。
評価は、比較例1のピコ摩耗、ウェットスキッド抵抗、
ドライスキッド抵抗を100としたときの指数で示した。
いずれも指数値で100を超えるものは比較例1より優れ
ることを示す。
以上の特性試験の結果を第2表に示す。
第2表の結果より本願発明の実施例においては、加硫ゴ
ム物性における全ての特性値がバランスよく優れてい
る。これに対して、比較例1においては共重合体(B)
の結合スチレン含量が過小であるため、モジュラス、引
張強度の点で劣り、十分な強度を得ることができない。
比較例2においては、共重合体(B)の結合スチレン含
量およびガラス転移温度が過大であるため、強度、耐摩
耗性の点では十分であるがスキッド特性が劣る。比較例
3においては、共重合体(B)の重量平均分子量および
ガラス転移温度が過大であるため、強度、耐摩耗性の点
では十分であるがスキッド特性が劣る。比較例4におい
ては、共重合体(B)の重量平均分子量が過小であるた
め、引張強度が劣る。比較例5においては、共重合体
(B)の配合割合が過小であるため、強度、耐摩耗性の
点では十分であるがスキッド特性が劣る。比較例6にお
いては、共重合体(B)の配合割合が過大であるため、
スキッド特性は十分であるが、強度、耐摩耗性の点で劣
る。以上述べたように、比較列においては、強度、耐摩
耗性およびスキッド特性のバランスが良好でないことが
わかる。
比較例7〜11 各種の比較用共重合体ゴム(A)を次の方法で製造し
た。
共重合体(A−4) 重合処方 (重量部) ブタジエン 71.0 スチレン 29.0 重合用処理水 200.0 樹脂酸石鹸 5.0 硫酸第一鉄7含水物 0.02 アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム 0.15 エチレンジアミンテトラアセテート 0.10 ナトリウムジメチルスルホキシレート 0.10 ケメンハイドロパーオキサイド 0.10 第3級ドデシルメルカプタン 0.27 以上の重合処方により、反応温度5℃で重合し、重合添
加率60%の時点で重合停止剤を添加したあと、未反応の
スチレンおよびブタジエンを回収し、ムーニー粘度103
のゴム状共重合体(結合スチレン含量約18重量%)を固
形分で約23重量%を含むラテックスを得た。
共重合体(A−5)〜(A−8) 共重合体(A−1)の製造において、スチレン、1,3-ブ
タジエンの供給量およびn−ブチルリチウムの量を変量
した他は共重合体(A)の製造方法と同様のプロセスで
4種の比較用共重合体を製造した。
第3表に共重合体ゴム(A−4)〜(A−8)における
結合スチレン含量、ポリブタジエン部分のビニル結合含
量、ムーニー粘度を示す。
共重合体(A−4)は、リチウム系開始剤を用いない、
常法の乳化重合法で製造したもの、共重合体(A−5)
はムーニー粘度が過大なもの、共重合体(A−6)はム
ーニー粘が過小のもの、共重合体(A−7)は結合スチ
レンが過小なもの、共重合体(A−8)は結合スチレン
が過大なものの例である。
これら共重合体ゴムを記述の方法で共重合体(B−2)
と混合してゴム組成物を調製し、その特性試験を行っ
た。その結果を第4表に示す。
比較例7においては、共重合体ゴム(A)が乳化重合に
より製造されたものであるため、耐摩耗性の点で不十分
である。比較例8においては、共重合体ゴム(A)のム
ーニー粘度が過大であるため耐摩耗性の点で劣り、スキ
ッド特性の改良もみられない。比較例9においては、共
重合体ゴム(A)のムーニー粘度が過小であるため、特
に耐摩耗性の点で劣る。比較例10においては、共重合体
ゴム(A)の結合スチレン量が過小であるためスキッド
特性が劣る。比較例11においては、共重合体ゴム(A)
の結合スチレン量が過大であるため、耐摩耗性が劣る。
[発明の効果] 本発明のゴム組成物は低分子量かつ高結合スチレン含量
の共重合体を含むことにより、加硫物の破壊強度が優
れ、かつ耐摩耗性とスキッド特性の両者が優れた性質を
有し、特に耐摩耗性と路面把握性(グリップ性)という
二律背反的な特性を要求されるタイヤトレッド部材とし
て好適である。
フロントページの続き (72)発明者 近津 佳重 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 藤巻 達雄 東京都東村山市富士見町3−2−3 (56)参考文献 特開 昭61−203145(JP,A) 特公 昭46−27069(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が80
    〜140、係合スチレン含量が5〜35重量%、ポリブタジ
    エン部分のビニル結合含有量が10〜40重量%である、リ
    チウム系開始剤で重合されたスチレン−ブタジエン共重
    合体ゴム(A)と、 ポリスチレン換算重量平均分子量(10y)が500〜12,60
    0、結合スチレン含量(x)が50〜90重量%、かつ、0.6
    x+17y≧100の関係にあり(ただし、yはポリスチレン
    換算重量平均分子量の常用対数である。)、ガラス転移
    温度が+15℃未満の高スチレン−ブタジエン共重合体
    (B)と、を含み、 (b)前記共重合体ゴム(A)と前記共重合体(B)と
    の配合比が、共重合体ゴム(A)100重量部に対して共
    重合体(B)10〜60重量部であり、 (c)ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が30〜100である、 ことを特徴とするゴム組成物。
JP61245549A 1986-10-17 1986-10-17 ゴム組成物 Expired - Lifetime JPH06104760B2 (ja)

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