JPH061032Y2 - 防水パン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、防水パン装置に関する。さらに詳しくは、浴
室等を防水区画する設備部材である防水パン装置の改良
に関する。

（技術の背景） 浴室、シャワー室等を防水区画するには、通常床面とな
る防水パン本体に側壁パネルを立設し、側壁パネルにさ
らに天井パネルを被せることが行なわれる。

（従来の技術とその問題点） 従来、前述のように形成された浴室、シャワー室では、
給湯スパウト、ハンドシャワー等の水周り器具およびそ
の操作部が防水パン本体、側壁パネルの各所に散在して
設けられている。

このため、各水周り器具、操作部からの漏水の危険性が
高くなると共に、各水周り器具、操作部への配管施工が
面倒であるという問題がある。また、各水周り器具、操
作部は通常室内への突出構造が採られるため、室内空間
が狭められるという問題がある。

なお、水周り器具およびその操作部の散在に対しては、
これ等の適当な箇所に集約収納する構造とすることが想
至されるが、集約によって水周り器具およびその操作部
の操作性が損なわれるという不具合が予想され、この操
作性の有効保持が課題として存在する。

（考案の目的） 本考案は前述の問題点および課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は水周り器具、操作部を室内
において操作性を損なうことなくコンパクトに取付ける
ことのできる防水パン装置を提供することにある。

（考案の構成） 前述の目的を達成するため、本考案に係る防水パン装置
は、防水パン本体の上縁面下の空隙内に開閉自在な蓋で
開閉されるボックスを設け、このボックス内に水周り器
具とこの水周り器具の操作部とを収納してなり、水周り
器具には少なくとも出入自在なシャワーノズルが含ま
れ、伸縮、傾倒自在なシャワーノズルの支持具を前記ボ
ックス内に具備してなる構成を採用する。

（作用） 前述の構成において、防水パン本体の上縁面下の空隙を
利用したボックスに水周り器具とこの水周り器具の操作
部とを集約収納することは、これ等の取付けをコンパク
ト化するという目的を達成することになる。

また、ボックス内に伸縮、傾倒自在なシャワーノズルの
支持具を設けることで、水周り器具の主要器具であるシ
ャワーの操作を容易にし、水周り器具等の操作性を有効
に保持するという目的を達成する。

（実施例） 以下、本考案に係る防水パン装置の実施例を図面に基づ
いて説明する。

第１図〜第11図は本考案に係る防水パン装置の第一実施
例を示すものである。

この実施例では、洋風浴槽１と和風浴槽２とを略９０度
の角度でＶ字形に組合せ設置し、このＶ字形の開口側に
半円形の洗場３を設置し、これ等洋風浴槽１、和風浴槽
２、洗場３を略円形の中に一体的に組込んでなる防水パ
ン本体Ｘが示されている。この防水パン本体Ｘに対して
は、この端縁に沿って側壁パネルＹが立設され、側壁パ
ネルＹの上方には図示しない天井パネルが被覆されて、
洋風浴槽１、和風浴槽２、洗場３の三者を有する浴室Ｚ
が防水区画されている。

洋風浴槽１は浴用水の水深が比較的浅くなるように底壁
11と上端縁12との間隔を狭くした浅底構造からなり、入
浴者Ａの背部が収納される部分の背壁を傾斜の緩やかな
背凭部13としてあり、この背凭部13の上端にはヘッドレ
スト14が取付けられている。

和風浴槽２は浴用水の水深が比較的深くなるように底壁
21と上端縁22との間隔を広くした深底構造からなり、入
浴者Ｂの背部が収納される背壁23は傾斜が急となってお
り、この背壁23の上端にはヘッドレスト24が取付けられ
ている。また、入浴者Ｂの側方の側壁には、アームレス
ト26が段設形成されている。

これ等洋風浴槽１、和風浴槽２は夫々の入浴者Ａ，Ｂの
脚部が収納される部分が共有化されており、前述のよう
に平面形状がＶ字形の配置となっている。この共有化部
分の洋風浴槽１の延長側の側壁には、洋風浴槽１の底壁
11と同高かまたはそれよりも低い高さのフットレスト５
が段設形成されている。この共有化部分を有する配置に
おいては、洋風浴槽１、和風浴槽２の各浴用水が共有化
されその水面が同一水平線上にくるため、洋風浴槽１、
和風浴槽２の各上端縁12,22を同一水平線上に設定し
て、洋風浴槽１の底壁11よりも和風浴槽２の底壁21を低
くしてある。このため、前述のようなＶ字形配置から、
洋風浴槽１の入浴者Ａの脚部が収納される部分の側壁に
段部15が形成され、または和風浴槽２の入浴者Ｂの脚部
が収納される部分の側壁に切欠25が形成されたような構
造となる。

このような洋風浴槽１、和風浴槽２の組合せ配置では、
洋風浴槽１、和風浴槽２の容積のも和が共有化部分の存
在によって削減されることになり、削減された容積分設
置スペース、給湯量が削減されることになる。なお、洋
風浴槽の入浴者Ａが脚部を曲げて前記段部15に沿わせる
か脚部を伸張して前記フットレスト５に足を載ると、和
風浴槽２の入浴者Ｂの脚部の邪魔にならず、洋風浴槽
１、和風浴槽２への同時入浴が可能となる。特に、フッ
トレスト５を利用すると、洋風浴槽の入浴者Ａ、和風浴
槽２の入浴者Ｂの双方が脚部を伸張したゆったりした状
態での入浴が可能となる。

洗場３は半円形の直線部分に沿って排水溝31が設けられ
底壁32がこの排水溝31に向けて傾斜して設けられてお
り、この底壁32にはマット33が敷設されている。また、
半円形の弧状部分の上端縁に沿ってヘッドレスト34が設
けられている。なお、第８図に示すように、排水溝31に
は排水管35が接続しており、排水溝31の上面には支持部
材36で支承された蓋体33′が載置されて異物が流入する
のを防止している。

このため、洋風浴槽１の背凭部13側または和風浴槽２の
背壁23側から洗場３に股いで自由に出入することがで
き、洗場３を使用することによって身体の洗浄を浴槽外
で行なう我国の入浴習慣に適応することができる。

また、この実施例では、和風浴槽２に気泡孔Ｃａ、排水
孔Ｄａ、循環入水孔Ｅａ、循環出水孔Ｅｂ、給湯口Ｆ
ａ、入浴液供給口Ｇａが設けられている。

気泡孔Ｃａは前記底壁21に複数個並列して開口設置され
ており、送気ポンプＣｂとパネルＣｃとで接続されて気
泡発生装置Ｃを構成している。この気泡発生装置Ｃは、
入浴者Ｂの身体に対して気泡を当触させて浴感を向上す
るものである。

排水孔Ｄａは前記底壁21の最深部に開口設置されてお
り、制御バルブＤｂとパイプＤｃで接続されて自動排水
装置Ｄを構成している。この自動排水装置Ｄは、入浴後
に浴用水を排水するものである。

循環入水孔Ｅａは和風浴槽２の側壁に開口設置され循環
水出水孔Ｅｂは和風浴槽２の側壁、背壁23に開口設置さ
れており、これ等は循環ポンプＥｃを介してパネルＥｄ
で接続され浴用水循環装置Ｅを構成している。この浴用
水循環装置Ｅは、浴用水を循環させて入浴者Ｂの身体に
水流を当触させて浴感を向上するものである。なお、こ
の水流には気泡を混入することも可能である。

給湯口Ｆａは和風浴槽２の側壁に設置されており、電磁
バルブＦｂ、減圧バルブＦｃを介して給湯器Ｆｄとパイ
プＦｅで接続し自動給湯装置Ｆを構成している。この自
動給湯装置Ｆは、入浴に際して洋風浴槽１、和風浴槽２
に所定の温度で定量の給湯を行ない、浴用水の水位の低
下に対応して補給給湯を行なうものである。

入浴液供給口Ｇａは前記上縁端22付近に設置されてお
り、吸揚ポンプＧｂを介して薬液を貯留したタンクＧｃ
にパイプＧｄで接続し入浴液供給装置Ｇを構成してい
る。この入浴液供給装置Ｇは、洋風浴槽１、和風浴槽２
に定量給湯される浴用水に対し必要に応じ入浴液を添加
供給するものである。

これ等各装置は第11図に示すようにコントローラ７と電
気的に連係しており、和風浴槽２のアームレスト26の上
方の上端縁22に埋設するように設置されコントローラ７
と接続した操作パネル８の操作によって制御されるよう
になっていることから、入浴を快適かつ簡単に行なうこ
とができる。

なお、前記各装置の操作部である操作パネル８の設置位
置を洋風浴槽１、和風浴槽２、洗場３の間に設置してあ
るため、洋風浴槽１、和風浴槽２さらに洗場３から各種
操作を容易に行なうことができる。

さらに、この実施例では、洗場３にユニット９、洗場床
洗浄シャワー口Ｆｆが設けられている。

ユニット９は洗場３側の前記操作パネル８に近接した位
置に設けられ、第５図、第６図に示すように裏面にミラ
ー91が取付けられた開閉自在な蓋92とこの蓋92によって
開閉されるボックス93とからなる。

蓋92は回動開閉自在となっており、ミラー91を所定の角
度で傾斜保持して見やすいようにすることができる。

ボックス93は防水パン本体Ｘの上縁面下の空隙を利用し
ており、その内部には、シャンプーやリンス等の浴用小
物類を入れる小物ケース94、操作パネル８′、シャワー
ノズルＦｇ、給湯スパウトＦｈ、石鹸液等の洗浄液供給
スパウトＨａが収納されている。シャワーノズルＦｇ、
給湯スパウトＦｈは洗場３側へ引出しまたは回動自在で
あり、前記自動給湯装置Ｆの給湯器Ｆｄと電磁バルブＦ
ｂ′、減圧バルブＦｃ′を介してパイプＦｅ′で接続さ
れており、前記操作パネル８′で操作されるようになっ
ている。

特に、シャワーノズルＦｇは可撓等管に接続されて引出
して方向自在で使用可能となっており、ボックス93に設
けた凹部95の支持孔96に挿通固定されるようになってい
る。また、この凹部95の近くには、シャワーノズルＦｇ
の支持具97が設けられている。この支持具97は、下端が
軸97aでボックス93に傾倒自在に取付けられ、管を二重
に嵌合した伸縮部97bを胴部としてその上端に支持片97c
を設けてなるものである。従って、この支持具97にシャ
ワーノズルＦｇを支持することにより、シャワーノズル
Ｆｇの操作性が向上する。

洗浄液供給スパウトＨａは前記給湯スパウトＦｈの下方
で洗場３側へ回動自在であり、吸揚ポンプＨｂを介して
石鹸液等の洗浄液を貯留したタンクＨｃにパイプＨｄで
接続し洗浄液供給装置Ｈを構成している。この洗浄液供
給装置Ｈは、洗場３での身体の洗浄の際に必要に応じ洗
浄液を供給するものである。

これら水周り器具（シャワーノズルＦｇ、給湯スパウト
Ｆｈ、洗浄液供給スパウトＨａ）とその操作部（操作パ
ネル８′）をボックス93内に収納しユニット９に集約し
たため、これ等に対する配管施工が簡単に行なえる。ま
た、この集約は散在している場合に比し漏水の危険性が
低下すると共に、浴室Ｚ内を広く使用することができ
る。さらに、水周り器具を出入自在、回動自在としたこ
と、特に水周り器具の主要器具であるシャワーノズルＦ
ｇの支持具97を設けたことにより、水周り器具の操作性
が有効に保持れることになる。

洗場床洗浄シャワー口Ｆｆは第10図に示すように前記ヘ
ッドレスト34の下側に斜め下方っへ向けて洗場３の底壁
32に敷設したマット33の表面洗浄のための湯を吐出する
ようになっており、前記自動給湯装置Ｆの給湯器Ｆｄと
電磁バルブＦb″、減圧バルブＦc″を介してパイプＦ
e″で接続されており、前記操作パネル８′で操作され
るようになっている。

これ等各装置は第11図に示すようにコントローラ7′と
電気的に連係されており、洗場３に近接して設置されコ
ントローラ7′と接続した操作パネル8′の操作によって
されるようになっていることから、身体の洗浄やシャワ
ー浴等を快適かつ簡単に行なうことができる。なお、前
記各装置の操作部である操作パネル8′の設置位置を洋
風浴槽１、和風浴槽２、洗場３の間に設定してあるた
め、洗場３側さらに洋風浴槽１、和風浴槽２側から各種
操作を容易に行なうことができる。

第12図、第13図は本考案に係る防水パン装置の第二実施
例を示すものである。

この実施例では、前述の実施例の浴室Ｚから洋風浴槽
１、和風浴槽を除去し、シャワー室用の浴室ｚとしてあ
る。

この実施例によれば、洋風浴槽１、和風浴槽２がないた
め、防水パン本体Ｘの上縁面下の空隙の利用が容易に行
なえる利点がある。

以上、図示した実施例の外に、他の水周り器具等を防水
パン本体Ｘの上縁面下に空隙を利用してコンパクト化す
ることも可能である。

（考案の効果） 以上のように本考案に係る防水パン装置は、防水パン本
体の上縁面下の空隙を利用して水周り器具等をコンパク
ト化して取付けるため、漏水の危険性が低くなると共
に、水周り器具への配管施工が容易となる効果がある。
また、水周り器具のコンパクト化は、浴室内の利用空間
を広くする効果がある。

さらに、シャワーノズルの支持具を設ける等により、水
周り器具の操作性が有効に保持される効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る防水パン装置の実施例を示す平面
図、第２図は第１図の(イ)-(イ)線断面図、第３図は第１
図の(ロ)-(ロ)線断面図、第４図は第１図の(ハ)-(ハ)線断面
図、第５図、第６図は夫々第１図の要部の拡大斜視図、
第７図は第６図の第１図の(ニ)-(ニ)線断面図、第８図は
第１図の(ホ)-(ホ)線断面図、第９図は第１図の(ヘ)-(ヘ)線
断面図、第10図は第８図の要部拡大断面図、第11図は浴
槽等に付設された各装置の制御図、第12図は本考案に係
る防水パン装置の他実施例を示す平面図、第13図は第12
図の(ト)-(ト)線断面図である。 １…洋風浴槽 ２…和風浴槽 ３…洗場 97…支持具 Ａ，Ｂ…入浴者 Ｘ…防水パン本体 Ｆｇ…シャワーノズル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】防水パン本体の上縁面下の空隙内に開閉自
   在な蓋で開閉されるボックスを設け、このボックス内に
   水周り器具とこの水周り器具の操作部とを収納してな
   り、水周り器具には少なくとも出入自在なシャワーノズ
   ルが含まれ、伸縮、傾倒自在なシャワーノズルの支持具
   を前記ボックス内に具備してなる防水パン装置。