JPH06101281B2 - 真空バルブ - Google Patents
真空バルブInfo
- Publication number
- JPH06101281B2 JPH06101281B2 JP22193286A JP22193286A JPH06101281B2 JP H06101281 B2 JPH06101281 B2 JP H06101281B2 JP 22193286 A JP22193286 A JP 22193286A JP 22193286 A JP22193286 A JP 22193286A JP H06101281 B2 JPH06101281 B2 JP H06101281B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silver
- brazing
- nickel
- current
- vacuum valve
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は真空中ろう付により封着した真空バルブに係
り、特に電極と通電軸の接合部の構造を改良した真空バ
ルブに関する。
り、特に電極と通電軸の接合部の構造を改良した真空バ
ルブに関する。
(従来の技術) 部分的な組立を、真空中あるいは、非酸化雰囲気中でろ
う付して行い、しかる後に真空中ろう付で真空密閉を行
う組立方式で製作される従来の真空バルブの一例を第2
図に示す。アルミナ磁器製の絶縁容器1とその両端に熱
膨張係数がアルミナ磁器と近似しているFe−Ni合金又は
Fe−Ni−Co合金からなる端板2a,2bで閉塞して構成した
真空容器内に、通電軸3a,3bに取付けられた一対の電極4
a,4bをベローズ5により真空保持状態で接離可能にして
いる。また、6はアークシールドであり、電流遮断時の
アークにより電極から発生した金属蒸気が絶縁容器1の
内面に付着し、その絶縁性が低下するのを防いでいる。
7a〜7gは銀ろうによるろう付個所である。絶縁容器1の
両端面には、ろう付が可能なようにあらかじめ、M0−Mn
を焼付塗布した金属化層が形成されており、端板2a,2b
がろう付できる構造となっている。尚、7a〜7eは部分組
立でろう付する個所であり、7f,7gは真空中ろう付で真
空密閉する全体組立の工程で行うろう付個所である。全
体組立には、A972%−Cu28%の共晶銀ろうを用いて780
〜800℃程度でろう付するのが、気密信頼性、経済性な
どの点から一般的である。この場合、部分組立には、共
晶銀ろうの融点779℃より高い融点のろう材を用い、850
〜900℃程度でろう付するのが一般的である。その理由
は、全体組立時の加熱により、部分組立時に使用したろ
う材が溶融し、部品の脱落や位置ずれを防止するためで
ある。しかし、電極4a,4bの材料が銀系の合金、たとえ
ばタングステン焼結体に銀を含浸させた材料であり、通
電軸3a,3bが無酸素銅製の場合には、次の様な問題点が
あった。全体組立加熱時に、電極中の銀成分が熱流によ
り移動析出し、又、通電軸中の銅成分が拡散により、銀
−銅の共晶溶融反応を起こし、その結果、部分組立時に
使用した銀ろう成分が変化し、溶融点が下がり、電極4
a,4bと通電軸3a,3bが脱落、又は位置ずれを起こす恐れ
があった。この点を改良するために第2図のような方法
が提案されている。(特願55−157619)通電軸に少なく
とも1μm以上のニッケルメッキを施したものである。
ニッケルと銀とは相互の溶解度が非常に小さく、金属間
化合物もつくらず、またニッケルと銅とは、全率固溶体
であり、ろう付時温度において、ニッケル−銀、あるい
はニッケル−銅の固溶体を作っても、その融点は銀−銅
共晶溶融反応温度779℃以上である。よって全体組立の
加熱中での銀−銅の共晶溶融反応が防止でき、その結
果、電極と通電軸の脱落や位置ずれが防止できる。
う付して行い、しかる後に真空中ろう付で真空密閉を行
う組立方式で製作される従来の真空バルブの一例を第2
図に示す。アルミナ磁器製の絶縁容器1とその両端に熱
膨張係数がアルミナ磁器と近似しているFe−Ni合金又は
Fe−Ni−Co合金からなる端板2a,2bで閉塞して構成した
真空容器内に、通電軸3a,3bに取付けられた一対の電極4
a,4bをベローズ5により真空保持状態で接離可能にして
いる。また、6はアークシールドであり、電流遮断時の
アークにより電極から発生した金属蒸気が絶縁容器1の
内面に付着し、その絶縁性が低下するのを防いでいる。
7a〜7gは銀ろうによるろう付個所である。絶縁容器1の
両端面には、ろう付が可能なようにあらかじめ、M0−Mn
を焼付塗布した金属化層が形成されており、端板2a,2b
がろう付できる構造となっている。尚、7a〜7eは部分組
立でろう付する個所であり、7f,7gは真空中ろう付で真
空密閉する全体組立の工程で行うろう付個所である。全
体組立には、A972%−Cu28%の共晶銀ろうを用いて780
〜800℃程度でろう付するのが、気密信頼性、経済性な
どの点から一般的である。この場合、部分組立には、共
晶銀ろうの融点779℃より高い融点のろう材を用い、850
〜900℃程度でろう付するのが一般的である。その理由
は、全体組立時の加熱により、部分組立時に使用したろ
う材が溶融し、部品の脱落や位置ずれを防止するためで
ある。しかし、電極4a,4bの材料が銀系の合金、たとえ
ばタングステン焼結体に銀を含浸させた材料であり、通
電軸3a,3bが無酸素銅製の場合には、次の様な問題点が
あった。全体組立加熱時に、電極中の銀成分が熱流によ
り移動析出し、又、通電軸中の銅成分が拡散により、銀
−銅の共晶溶融反応を起こし、その結果、部分組立時に
使用した銀ろう成分が変化し、溶融点が下がり、電極4
a,4bと通電軸3a,3bが脱落、又は位置ずれを起こす恐れ
があった。この点を改良するために第2図のような方法
が提案されている。(特願55−157619)通電軸に少なく
とも1μm以上のニッケルメッキを施したものである。
ニッケルと銀とは相互の溶解度が非常に小さく、金属間
化合物もつくらず、またニッケルと銅とは、全率固溶体
であり、ろう付時温度において、ニッケル−銀、あるい
はニッケル−銅の固溶体を作っても、その融点は銀−銅
共晶溶融反応温度779℃以上である。よって全体組立の
加熱中での銀−銅の共晶溶融反応が防止でき、その結
果、電極と通電軸の脱落や位置ずれが防止できる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記のような構成の真空バルブにおいて
は次のような問題点がある。通電軸3a,3bの操作機構側
接続部には接触抵抗を下げるために銀メッキが施される
のが普通であるので、電極接続側のニッケルメッキは、
そのろう付部のみに施すのが一般的である。この場合、
通電軸の他の部分にニッケルメッキが付着しないように
マスキングをしてメッキを行うことになる。このマスキ
ング作業は手作業になってしまうため作業性が非常に悪
いという問題があった。またニッケルメッキ部にはブロ
ーホールができやすく、そこにガスがたまる可能性があ
るので、高真空中で使用することは、信頼性の面から好
ましくない。
は次のような問題点がある。通電軸3a,3bの操作機構側
接続部には接触抵抗を下げるために銀メッキが施される
のが普通であるので、電極接続側のニッケルメッキは、
そのろう付部のみに施すのが一般的である。この場合、
通電軸の他の部分にニッケルメッキが付着しないように
マスキングをしてメッキを行うことになる。このマスキ
ング作業は手作業になってしまうため作業性が非常に悪
いという問題があった。またニッケルメッキ部にはブロ
ーホールができやすく、そこにガスがたまる可能性があ
るので、高真空中で使用することは、信頼性の面から好
ましくない。
また、ニッケルメッキの代わりに、メッキと同程度の厚
さのニッケルの箔を間に挟む方法も考えられているが、
この場合には、ミクロンオーダの厚さのものを取扱うこ
とになるので、やはり作業性が非常に悪いという問題が
あった。
さのニッケルの箔を間に挟む方法も考えられているが、
この場合には、ミクロンオーダの厚さのものを取扱うこ
とになるので、やはり作業性が非常に悪いという問題が
あった。
本発明の目的は、組立性・工作性を改善し、経済的に有
利な真空バルブを提供することにある。
利な真空バルブを提供することにある。
(問題を解決する手段と作用) 本発明は、真空容器内部に一対の接離可能な銀系の合金
でできた電極と銅でできた通電軸を有し、この通電軸と
前記電極間を銀ろうにより接合固着する真空バルブにお
いて、その銀ろうに、ニッケル箔を間に挟んだ、銀ろう
−ニッケル−銀ろうの3層形のクラッド材銀ろうを用い
たものである。
でできた電極と銅でできた通電軸を有し、この通電軸と
前記電極間を銀ろうにより接合固着する真空バルブにお
いて、その銀ろうに、ニッケル箔を間に挟んだ、銀ろう
−ニッケル−銀ろうの3層形のクラッド材銀ろうを用い
たものである。
(実施例) 以下、本発明の真空バルブの一実施例を第1図の図面を
参照しながら説明する。
参照しながら説明する。
電極4aと通電軸3a間の銀ろうを、銀ろう9a、ニッケル箔
10、銀ろう9bの3層形クラッド材銀ろう7hで構成したも
のである。
10、銀ろう9bの3層形クラッド材銀ろう7hで構成したも
のである。
実験の結果、銀ろう7hの中間層のニッケル箔10の厚さ
は、従来例のニッケルメッキの場合と同様1μm以上で
あれば、銀−銅の共晶溶融反応が防止でき、電極4aと通
電軸3aの銀ろう付を行った後、全体組立の加熱を行って
も、電極3aの脱落や位置ずれを防止できることがわかっ
た。このような銀ろう7aを使用すれば、通電軸の煩雑な
マスキング工程の伴うニッケルメッキが不要となり、組
立性・工作性を格段に向上させることができる。
は、従来例のニッケルメッキの場合と同様1μm以上で
あれば、銀−銅の共晶溶融反応が防止でき、電極4aと通
電軸3aの銀ろう付を行った後、全体組立の加熱を行って
も、電極3aの脱落や位置ずれを防止できることがわかっ
た。このような銀ろう7aを使用すれば、通電軸の煩雑な
マスキング工程の伴うニッケルメッキが不要となり、組
立性・工作性を格段に向上させることができる。
上記のように本発明によれば、電極と通電軸を固着する
銀ろうに、銀ろう−ニッケル−銀ろうの3層形クラッド
材銀ろうを使用して固着するようにしたため、ニッケル
メッキも不要になり、組立性・工作性が向上するととも
に、電極の脱落や位置ずれを防止できるので、信頼性の
高い、かつ安価な真空バルブを提供することができる。
銀ろうに、銀ろう−ニッケル−銀ろうの3層形クラッド
材銀ろうを使用して固着するようにしたため、ニッケル
メッキも不要になり、組立性・工作性が向上するととも
に、電極の脱落や位置ずれを防止できるので、信頼性の
高い、かつ安価な真空バルブを提供することができる。
第1図は本発明の一実施例を示す電極部の側面図、第2
図は従来の真空バルブを示す断面図、第3図は第2図の
電極部の側面図である。 3a,3b…通電軸、4a,4b…電極、 7h…3層クラッド材銀ろう、 9a,9b…銀ろう層、10…ニッケル層。
図は従来の真空バルブを示す断面図、第3図は第2図の
電極部の側面図である。 3a,3b…通電軸、4a,4b…電極、 7h…3層クラッド材銀ろう、 9a,9b…銀ろう層、10…ニッケル層。
Claims (1)
- 【請求項1】真空容器内部に一対の接離可能な銀系の合
金からなる電極と、銅からなる通電軸を有し、この通電
軸と前記電極間を銀ろうにより接合固着する真空バルブ
において、前記銀ろうを、銀ろう−ニッケル−銀ろうの
3層を一体に成形したもので構成し、かつ前記ニッケル
層の厚さが1μm以上であることを特徴とする真空バル
ブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22193286A JPH06101281B2 (ja) | 1986-09-22 | 1986-09-22 | 真空バルブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22193286A JPH06101281B2 (ja) | 1986-09-22 | 1986-09-22 | 真空バルブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6380424A JPS6380424A (ja) | 1988-04-11 |
JPH06101281B2 true JPH06101281B2 (ja) | 1994-12-12 |
Family
ID=16774417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22193286A Expired - Lifetime JPH06101281B2 (ja) | 1986-09-22 | 1986-09-22 | 真空バルブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06101281B2 (ja) |
-
1986
- 1986-09-22 JP JP22193286A patent/JPH06101281B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6380424A (ja) | 1988-04-11 |
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