JPH0610116A - 摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材 - Google Patents
摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材Info
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- JPH0610116A JPH0610116A JP10490993A JP10490993A JPH0610116A JP H0610116 A JPH0610116 A JP H0610116A JP 10490993 A JP10490993 A JP 10490993A JP 10490993 A JP10490993 A JP 10490993A JP H0610116 A JPH0610116 A JP H0610116A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は気相めっき法により製造されるＺｎ
―Ｔｉ合金めっきに関するものであり、摺動特性に優れ
たＺｎ―Ｔｉ合金めっきを提供する。 【構成】 （１）金属材上に気相めっきにより形成され
たＺｎ―Ｔｉ合金めっき層が実質的に非晶質のＺｎ―Ｔ
ｉ相からなり、かつＺｎ相もＴｉ相も含んでいないこと
を特徴とする摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金
属材。 （２）金属材上に気相めっきにより形成されたＺｎ―Ｔ
ｉ合金めっき層が実質的にＺｎ―Ｔｉ系金属間化合物か
らなり、かつＺｎ相もＴｉ相も含んでいないことを特徴
とする摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材。
―Ｔｉ合金めっきに関するものであり、摺動特性に優れ
たＺｎ―Ｔｉ合金めっきを提供する。 【構成】 （１）金属材上に気相めっきにより形成され
たＺｎ―Ｔｉ合金めっき層が実質的に非晶質のＺｎ―Ｔ
ｉ相からなり、かつＺｎ相もＴｉ相も含んでいないこと
を特徴とする摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金
属材。 （２）金属材上に気相めっきにより形成されたＺｎ―Ｔ
ｉ合金めっき層が実質的にＺｎ―Ｔｉ系金属間化合物か
らなり、かつＺｎ相もＴｉ相も含んでいないことを特徴
とする摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用外板等のプレ
ス加工を施す製品で特に摺動特性に優れていることを要
求されるＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材に関するものであ
る。
ス加工を施す製品で特に摺動特性に優れていることを要
求されるＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】金属材を防食加工する方法としては従来
からＺｎめっきが汎用されている。
からＺｎめっきが汎用されている。
【０００３】しかし金属材の耐食性向上に対する要請
は、さらに高まる傾向にあり従来のＺｎめっき金属材で
は需要家の要求を十分に満たすことはできなくなってき
ている。
は、さらに高まる傾向にあり従来のＺｎめっき金属材で
は需要家の要求を十分に満たすことはできなくなってき
ている。
【０００４】このような背景のもとでＺｎ―Ｔｉ合金め
っきが高耐食性のものとして例えば特願昭６３―２４７
３５４号公報や特願昭６４―４２５７１号公報等により
開示されている。
っきが高耐食性のものとして例えば特願昭６３―２４７
３５４号公報や特願昭６４―４２５７１号公報等により
開示されている。
【０００５】しかしながらこのようなめっき層はめっき
表面の硬度が低く、そのため摺動特性も悪くプレス加工
範囲を著しく狭めるものであった。
表面の硬度が低く、そのため摺動特性も悪くプレス加工
範囲を著しく狭めるものであった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は気相めっき法
により製造されるＺｎ―Ｔｉ合金めっきに関するもので
あり、摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっきを提供す
ることを目的としている。
により製造されるＺｎ―Ｔｉ合金めっきに関するもので
あり、摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっきを提供す
ることを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、金属材
上に気相めっきにより形成されるＺｎ―Ｔｉ合金めっき
層が実質的に非晶質のＺｎ―Ｔｉ相からなり、かつＺｎ
相もＴｉ相も含んでいないことを特徴とする摺動特性に
優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材、または金属材上に
気相めっきにより形成されるＺｎ―Ｔｉ合金めっき層が
実質的にＺｎ―Ｔｉ系金属間化合物からなり、かつＺｎ
相もＴｉ相も含んでいないことを特徴とする摺動特性に
優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材にある。
上に気相めっきにより形成されるＺｎ―Ｔｉ合金めっき
層が実質的に非晶質のＺｎ―Ｔｉ相からなり、かつＺｎ
相もＴｉ相も含んでいないことを特徴とする摺動特性に
優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材、または金属材上に
気相めっきにより形成されるＺｎ―Ｔｉ合金めっき層が
実質的にＺｎ―Ｔｉ系金属間化合物からなり、かつＺｎ
相もＴｉ相も含んでいないことを特徴とする摺動特性に
優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材にある。
【０００８】ここで金属材とは、通常鋼及び鉄基合金ま
たはＡｌ及びＡｌ合金であるが、Ｍｇ、Ｔｉ、Ｃｕ等の
非鉄金属またはその合金への使用が可能でそれらを母材
としてもかまわない。
たはＡｌ及びＡｌ合金であるが、Ｍｇ、Ｔｉ、Ｃｕ等の
非鉄金属またはその合金への使用が可能でそれらを母材
としてもかまわない。
【０００９】以下に本発明の基礎となった知見と考え方
を示す。一般にめっきの表面の摺動特性は、めっきの硬
度に依存し、硬度が上がるほど摺動特性が向上する。
を示す。一般にめっきの表面の摺動特性は、めっきの硬
度に依存し、硬度が上がるほど摺動特性が向上する。
【００１０】発明者らは、したがってＺｎ―Ｔｉ合金相
を非晶質化することによりめっき表面硬度を上昇させる
ことを考えた。
を非晶質化することによりめっき表面硬度を上昇させる
ことを考えた。
【００１１】しかし、通常の気相めっき法で形成される
Ｚｎ―Ｔｉ合金めっきはＺｎ―Ｔｉ合金相のみならずＺ
ｎ相またはＴｉ相を含んでいるもので、いかにＺｎ―Ｔ
ｉ合金相を非晶質化してもめっきの硬度が低下する傾向
にあることを見いだした。
Ｚｎ―Ｔｉ合金めっきはＺｎ―Ｔｉ合金相のみならずＺ
ｎ相またはＴｉ相を含んでいるもので、いかにＺｎ―Ｔ
ｉ合金相を非晶質化してもめっきの硬度が低下する傾向
にあることを見いだした。
【００１２】そのため、種々検討の結果、めっき層がＺ
ｎ相、Ｔｉ相ともに含まず、実質的に非晶質のＺｎ―Ｔ
ｉ合金相またはＺｎ―Ｔｉ系金属間化合物からなるもの
であれば硬度が高いことを見いだした。
ｎ相、Ｔｉ相ともに含まず、実質的に非晶質のＺｎ―Ｔ
ｉ合金相またはＺｎ―Ｔｉ系金属間化合物からなるもの
であれば硬度が高いことを見いだした。
【００１３】これは亜鉛めっきでは、めっきの表面硬度
が低く、摺動特性が悪いことが知られており、Ｚｎ相や
Ｔｉ相がめっき中に存在することによりめっき硬度が低
下するものと考えられる。
が低く、摺動特性が悪いことが知られており、Ｚｎ相や
Ｔｉ相がめっき中に存在することによりめっき硬度が低
下するものと考えられる。
【００１４】Ｚｎ―Ｔｉ合金を非晶質とするためには、
真空蒸着法でもイオンプレーティング法でも金属材と蒸
発源の間にプラズマを生成することで行なうことができ
る。
真空蒸着法でもイオンプレーティング法でも金属材と蒸
発源の間にプラズマを生成することで行なうことができ
る。
【００１５】これは、プラズマ中をめっき金属であるＺ
ｎ、Ｔｉが通過することによりイオン化し、エネルギー
が高くなるため金属材上に析出する際急冷の効果が得ら
れるためと考えられる。
ｎ、Ｔｉが通過することによりイオン化し、エネルギー
が高くなるため金属材上に析出する際急冷の効果が得ら
れるためと考えられる。
【００１６】また、金属間化合物を生成させるために
は、上記の非晶質合金相を熱処理すること、蒸着中に鋼
板温度をある温度に制御すること等で行うことができ
る。
は、上記の非晶質合金相を熱処理すること、蒸着中に鋼
板温度をある温度に制御すること等で行うことができ
る。
【００１７】
【作用】次に本発明の限定条件を示す。本発明について
は、金属材上にＺｎ―Ｔｉ合金の気相めっき層が形成さ
れるとともに前記めっき層は実質的に非晶質のＺｎ―Ｔ
ｉ合金相またはＺｎ―Ｔｉ金属間化合物相からなり、か
つＺｎ相もＴｉ相も含んでいないものであることを特徴
としている。
は、金属材上にＺｎ―Ｔｉ合金の気相めっき層が形成さ
れるとともに前記めっき層は実質的に非晶質のＺｎ―Ｔ
ｉ合金相またはＺｎ―Ｔｉ金属間化合物相からなり、か
つＺｎ相もＴｉ相も含んでいないものであることを特徴
としている。
【００１８】図１〜３にめっき層のＸ線回折結果（Ｃｕ
―Ｋα、４０ＫＶ、１５０ｍＡ）を示すものであるが、
非晶質相として存在する場合［図１］には、２θで４０
度に幅の広い単一のピークが存在しており、この場合の
めっき硬度は高い。
―Ｋα、４０ＫＶ、１５０ｍＡ）を示すものであるが、
非晶質相として存在する場合［図１］には、２θで４０
度に幅の広い単一のピークが存在しており、この場合の
めっき硬度は高い。
【００１９】また金属間化合物として存在する場合［図
２］にも、硬度が高い。
２］にも、硬度が高い。
【００２０】しかし、例えばＺｎ相と混相となっている
場合［図３］には、めっき硬度は低くなっている。
場合［図３］には、めっき硬度は低くなっている。
【００２１】したがってめっきの硬度を高くし、摺動特
性を向上させるためには、めっき層を実質的に非晶質の
Ｚｎ―Ｔｉ合金相またはＺｎ―Ｔｉ金属間化合物相と
し、かつＺｎ相もＴｉ相も含んでいないものとする必要
がある。
性を向上させるためには、めっき層を実質的に非晶質の
Ｚｎ―Ｔｉ合金相またはＺｎ―Ｔｉ金属間化合物相と
し、かつＺｎ相もＴｉ相も含んでいないものとする必要
がある。
【００２２】なおめっき層中にＺｎ相、Ｔｉ相が現れる
のはＴｉの含有率によってのみ左右されるものではな
く、その他めっき条件等の影響をうけるので本発明に係
わるＺｎ―Ｔｉ合金めっき鋼板を得るためにはＴｉ含有
量及びめっき条件等を相対的に考慮して適宜設定する必
要がある。
のはＴｉの含有率によってのみ左右されるものではな
く、その他めっき条件等の影響をうけるので本発明に係
わるＺｎ―Ｔｉ合金めっき鋼板を得るためにはＴｉ含有
量及びめっき条件等を相対的に考慮して適宜設定する必
要がある。
【００２３】まためっきの付着量についてであるが、耐
食性の程度において適宜選定されるが、十分な防食性能
が０．１ｇ／ｍ2未満で得られなくなる傾向があるので
０．１ｇ／ｍ2以上とすべきである。
食性の程度において適宜選定されるが、十分な防食性能
が０．１ｇ／ｍ2未満で得られなくなる傾向があるので
０．１ｇ／ｍ2以上とすべきである。
【００２４】
【実施例】第１表は、鋼板およびＡｌ合金板上にＺｎ―
Ｔｉ合金めっきを施し、硬度を調べたものである。
Ｔｉ合金めっきを施し、硬度を調べたものである。
【００２５】硬度については、表面のものを調べるた
め、超微小硬度計（島津製作所製ＤＵＨ―５０）を用い
た。圧子はダイヤモンド三角すいで稜間角度が１１５°
のものを用いた。
め、超微小硬度計（島津製作所製ＤＵＨ―５０）を用い
た。圧子はダイヤモンド三角すいで稜間角度が１１５°
のものを用いた。
【００２６】また、硬度は荷重と押し込み深さから以下
の演算式より求められるダイナミック硬さを指標として
用いた。
の演算式より求められるダイナミック硬さを指標として
用いた。
【００２７】
【数１】ＤＨ１１５＝３７．８３８×Ｐ／Ｄ２
【００２８】Ｐは荷重、Ｄは押し込み深さを示す。
【００２９】Ｎｏ．１から５は比較例でそれぞれめっき
層が純Ｚｎ相、純Ｔｉ相、Ｚｎ―Ｔｉ合金非晶質相にＺ
ｎ、Ｔｉ相が混在したものである。
層が純Ｚｎ相、純Ｔｉ相、Ｚｎ―Ｔｉ合金非晶質相にＺ
ｎ、Ｔｉ相が混在したものである。
【００３０】また、Ｎｏ．５、６、７は本発明例でめっ
きが実質的にＺｎ―Ｔｉ合金の非晶質相からなるもの、
金属間化合物からなるものを示す。
きが実質的にＺｎ―Ｔｉ合金の非晶質相からなるもの、
金属間化合物からなるものを示す。
【００３１】いずれの例についても基材上に真空蒸着法
またはイオンプレーティング法によりめっきを施したも
のであり、Ｚｎ―Ｔｉ合金めっきの場合には、ＺｎとＴ
ｉを別々のるつぼで加熱蒸発させ、その上部に基材をお
き、該基材にＺｎ―Ｔｉ合金めっきを蒸着させたもので
ある。
またはイオンプレーティング法によりめっきを施したも
のであり、Ｚｎ―Ｔｉ合金めっきの場合には、ＺｎとＴ
ｉを別々のるつぼで加熱蒸発させ、その上部に基材をお
き、該基材にＺｎ―Ｔｉ合金めっきを蒸着させたもので
ある。
【００３２】第１表のＮｏ．１〜４まではめっきの硬度
が低いが、Ｚｎ―Ｔｉ合金めっきでＺｎ相もＴｉ相も存
在しないものついてはめっき層が非晶質からなるものも
金属間化合物からなるものも高い硬度を示した。
が低いが、Ｚｎ―Ｔｉ合金めっきでＺｎ相もＴｉ相も存
在しないものついてはめっき層が非晶質からなるものも
金属間化合物からなるものも高い硬度を示した。
【００３３】
【表１】
【００３４】
【発明の効果】以上述べたように本発明法によれば、こ
れまでめっき表面の硬度が低く、そのため摺動特性も悪
くプレス加工範囲が著しく狭いものであったＺｎ―Ｔｉ
合金めっきの硬度を高くすることができこれまでプレス
加工が難しかった部品への使用が可能となる。
れまでめっき表面の硬度が低く、そのため摺動特性も悪
くプレス加工範囲が著しく狭いものであったＺｎ―Ｔｉ
合金めっきの硬度を高くすることができこれまでプレス
加工が難しかった部品への使用が可能となる。
【図１】各種組成のＺｎ―Ｔｉ合金めっき層のＸ線回折
パターンを示すグラフで、めっき層が実質的に非晶質相
のものを示す。
パターンを示すグラフで、めっき層が実質的に非晶質相
のものを示す。
【図２】各種組成のＺｎ―Ｔｉ合金めっき層のＸ線回折
パターンを示すグラフで、めっき層が金属間化合物のも
のを示す。
パターンを示すグラフで、めっき層が金属間化合物のも
のを示す。
【図３】各種組成のＺｎ―Ｔｉ合金めっき層のＸ線回折
パターンを示すグラフで、めっき層が非晶質相とＺｎ相
の混相のものを示す。
パターンを示すグラフで、めっき層が非晶質相とＺｎ相
の混相のものを示す。
Claims (2)
- 【請求項１】 金属材上に気相めっきにより形成される
Ｚｎ―Ｔｉ合金めっき層が実質的に非晶質のＺｎ―Ｔｉ
相からなり、かつＺｎ相もＴｉ相も含んでいないことを
特徴とする摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属
材。 - 【請求項２】 金属材上に気相めっきにより形成される
Ｚｎ―Ｔｉ合金めっき層が実質的にＺｎ―Ｔｉ系金属間
化合物からなり、かつＺｎ相もＴｉ相も含んでいないこ
とを特徴とする摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき
金属材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10490993A JPH0610116A (ja) | 1992-04-17 | 1993-04-08 | 摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4-122896 | 1992-04-17 | ||
| JP12289692 | 1992-04-17 | ||
| JP10490993A JPH0610116A (ja) | 1992-04-17 | 1993-04-08 | 摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0610116A true JPH0610116A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=26445276
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10490993A Withdrawn JPH0610116A (ja) | 1992-04-17 | 1993-04-08 | 摺動特性に優れたＺｎ―Ｔｉ合金めっき金属材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0610116A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1996041898A1 (en) * | 1995-06-12 | 1996-12-27 | The Secretary Of State For Defence | Coatings for corrosion protection |
-
1993
- 1993-04-08 JP JP10490993A patent/JPH0610116A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1996041898A1 (en) * | 1995-06-12 | 1996-12-27 | The Secretary Of State For Defence | Coatings for corrosion protection |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000704 |