JPH0610102Y2 - 四サイクルエンジンの動弁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、四サイクルエンジンの動弁装置に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

四サイクルエンジンは、二つの吸気弁と二つの排気弁を
設けた四弁式にすると、吸気効率、排気効率共に向上し
て高出力が得られることが知られている。又、点火プラ
グは燃焼室の中央に配置されるのが燃焼効率上好まし
い。このように配置すると、二つのカムシャフトを設け
て、吸気弁と排気弁を専用に開閉すると、カムシャフト
の位置が両側にできて、レイアウト上都合がよいが、部
品点数が増して製造コストが高くつく。例えば実開昭６
０−１８０７４０号公報参照。一つのカムシャフトで、
吸気弁と排気弁を共に開閉するようにすれば、カムシャ
フトが一本で足りる。しかしこの場合、ロッカーアーム
等の組付け上の問題などがあって問題が多い。例えば特
開昭６１−１２３７４６号公報参照。

〔考案の目的〕 この考案は、一気筒当り二つの吸気弁と二つの排気弁を
設けて一つのカムシャフトで開閉し、燃焼室の中央に点
火プラグを取付けることができるようにし、しかも、カ
ムシャフトとロッカーシャフトの組付け性もよく、剛性
も高い四サイクルエンジンの動弁装置を得ることを目的
とする。

〔考案の構成〕

以下、本考案を図面に示す実施例によって説明する。

シリンダーヘッド１は、軽合金で鋳造するもので、下面
に燃焼室２が設けてある。そして、燃焼室２から上方
に、後述の点火プラグを収納するための縦孔３が設けて
あって、点火プラグ４を縦孔３に挿入して螺着し、点火
プラグ４を燃焼室２の中央で且つシリンダの軸線方向に
配している。従って、点火プラグ４の先端が燃焼室２の
中央に臨む状態とされている。シリンダーヘッド１に
は、燃焼室２の両側に振分けて、一気筒当り二つの吸気
弁５と二つの排気弁６を取付ける。カムシャフト７は一
本で、吸気カム８と排気カム９が設けてあり、シリンダ
ーヘッド１の上面の排気弁６側に寄せて、軸受けキャッ
プ１０で、シリンダーヘッド１の上面に回転自在に軸架
する。軸受けキャップ１０は、軽合金製で、シリンダー
ヘッド１に締着して孔加工する。排気カム９は、排気ロ
ッカーアーム１１を揺動させて排気弁６を開閉する。シ
リンダーヘッド１の中央上面には、縦孔３と同心の孔を
設けたロッカーシャフトホルダー１２を締着する。ロッ
カーシャフトホルダー１２は、鋳鉄等シリンダーヘッド
１と異なる鉄系の剛性の高いもので作る。ロッカーシャ
フトホルダー１２の間では、吸気ロッカーアーム１３を
軸架してなるロッカーシャフト１４の一端部を挿入保持
させる。吸気カム８は吸気ロッカーアーム１３を揺動さ
せて、吸気弁５を開閉する。上述のロッカーシャフト１
４は、いわゆる分離形である。第２図に示されるよう
に、ロッカーシャフト１４は、シリンダーヘッド１の長
手方向において、縦孔３及び該縦孔３に収納されている
点火プラグ４と同一直線上に配置するため、２つのロッ
カーシャフトホルダー１２の間にて保持されている。

〔考案の作用〕

一気筒当り二つの吸気弁５と二つの排気弁６を設けて、
吸気効率排気効率共によく、一つのカムシャフト７で開
閉できる。そして、点火プラグ４が燃焼室７の中央で且
つシリンダ軸線方向に配置されて燃焼効率もよく、高出
力エンジンにできる。また、ロッカーシャフト１４を、
シリンダーヘッド１の長手方向において分離して２つの
ロッカーシャフトホルダー１２間で保持すると共に、燃
焼室２上方に配置しているので、ロッカーシャフトホル
ダー１２、縦孔３及び該縦孔３に収納されている点火プ
ラグ４、ロッカーシャフト１４を同一直線上に配置で
き、シリンダーヘッド１の幅方向の大きさを最小限に押
さえることができる。軸受けキャップ１０は、シリンダ
ーヘッド１と同系の軽合金ででき、孔加工が同時にでき
る。ロッカーシャフトホルダー１２は、シリンダーヘッ
ド１上に締着するので、剛性の高い鉄系材料にでき、ロ
ッカーシャフト１４による叩かれが防げ、高温時の孔部
のクリアランスも保てる。そして、ロッカーシャフト１
４を保持するロッカーシャフトホルダー１２と、カムシ
ャフト７の軸受けキャップ１０が全く別部品で、別個に
シリンダーヘッド１に締着するようにしてあるので、組
付けも順次でき、サービス上、カムシャフト７の分解組
立てが簡単になる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば、燃焼効率を同
上させることができ全体として高出力エンジンにでき
る。そして、シリンダーヘッドの幅方向の大きさを最小
限に押さえることができる。また、軸受けキャップとロ
ッカーシャフトホルダーを別部品にして各々シリンダー
ヘッド上に締着するようにしたので、適切な材質が選
べ、剛性が高く静かなエンジンにできる。又、組付け作
業も順次でき、組付け性がよく、カムシャフトだけ外す
こともできて、整備性もよくできる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断側面図、第
２図は一部横断平面図である。 １……シリンダーヘッド、２……燃焼室、３……縦孔、
４……点火プラグ、５……吸気弁、６……排気弁、７…
…カムシャフト、１０……軸受けキャップ、１１……排
気ロッカーアーム、１２……ロッカーシャフトホルダ
ー、１３……吸気ロッカーアーム、１４……ロッカーシ
ャフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一気筒当り二つの吸気弁と二つの排気弁を
   設けて一つのカムシャフトで開閉するものに於いて、 燃焼室上方の縦孔に挿入した点火プラグを燃焼室中央で
   且つシリンダ軸線方向に配し、カムシャフトを排気弁側
   に寄せて軸受けキャップでシリンダーヘッド上面に回転
   自在に軸架し、排気ロッカーアームを揺動させ、上記点
   火プラグを収納するための縦孔と同心の孔を有し上記シ
   リンダーヘッド上に締着されるロッカーシャフトホルダ
   ーの間で、吸気ロッカーアームを軸架してなるロッカー
   シャフトの端部を保持させるようにしたことを特徴とす
   る四サイクルエンジンの動弁装置。