JPH0610076B2 - 油圧マフラ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、油圧エレベーター等に用いられる油圧マフ
ラーに関するものである。

〔従来の技術〕

第３図は、例えば特開昭６０−５６７８８号公報に示さ
れた油圧エレベーターの構成図であって、１は油圧パワ
ーユニット、２は油圧パワーユニット１に取り付けられ
ている油圧ポンプ、３は油圧ポンプ２からの吐出油によ
って駆動される油圧ジャッキ、４は油圧ポンプ２と油圧
ジャッキ３とを結ぶ油圧配管、５は油圧配管４の一部に
取り付けられた油圧マフラー、６は油圧ジャッキ３によ
り駆動される乗かごである。

第４図は第３図に示す油圧マフラー５の断面図であっ
て、７は油圧マフラー５に取り付けられた油圧ポンプ２
側の配管口、８は配管口７に溶接またはネジによって取
り付けられたフィルター、９は油圧マフラー５に取り付
けられた配管口７とは別の油圧ジャッキ３側の配管口で
ある。

この様に構成された油圧エレベーター装置において、乗
かご６を上昇運転させる場合には、油圧ポンプ２から吐
出された作動油が配管７，フィルター８および配管９を
介して油圧ジャッキ３に供給されることにより、この油
圧ジャッキ３のピストンが伸長して乗かご６が上昇され
ることになる。次に、乗かご６を下降運転させる場合に
は、油圧ジャッキ３の内部に溜められている作動油が配
管９，油圧マフラー５内のフィルター８を通って油圧パ
ワーユニット１に戻されることにより、この油圧ジャッ
キ３のピストンが収縮して乗かご６が下降されることに
なる。ここで、作動油に含まれている異物およびゴミ等
は、作動油が油圧パワーユニット１に戻される時にフィ
ルター８によってその通過が阻止されることによって除
去される。

このように、油圧マフラー５内のフィルター８は油圧ジ
ャッキ３からの異物，ゴミ等が油圧パワーユニット１に
戻らないようにするために設けられているものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の油圧マフラーは以上のように、フィルターが配管
口の径よりも大きく作られていることから、その取り付
けおよび取り外しに際しては、油圧マフラーの一部を分
解しなければならず、これに伴ってすべてを溶接構造と
することによって、構造が簡単でかつ油もれが生じない
構造とすることが出来ない問題点があった。

この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、溶接構造のみで構成した場合にもフィルター
の取り替えが容易に行える油圧マフラーを提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る油圧マフラーは、全体を溶接構造にする
とともに、内部に収容するフィルターを油圧フィルター
における配管口の径よりも小さくしてその一端部にフラ
ンジを設けた構造とし、このフィルターを油圧マフラー
の配管口から挿入して配管口とこの配管口に接続される
配管との間にフランジを挟持してフィルターを固定する
ものである。また、フィルターの先端部分と油圧マフラ
ーの内壁との間にバネを介在させることにより、フィル
ターを作動油の流れに対して、配管口に接続される配管
に押圧して、フィルターの移動を防止する。

〔作用〕

この発明における油圧マフラーは、その内部に収容され
るフィルターを配管口よりも小さな外径としてこの配管
口から挿入するとともに、その一端部にフランジを設け
て配管口と配管との間に挟持したものであるために、従
来の様に一部をネジ止め構造として、フィルターの交換
時にこのネジ止め部分を外してフィルターの取り付けお
よび取り外しを行う必要が無くなり、これに伴って作業
性が大幅に向上する。また、全体を溶接構造とすること
が出来るために、その構造および製造が簡略化されて安
価なものとなる。更に、油圧マフラーの内壁とフィルタ
ーの先端部との間に押バネを介在させることにより、フ
ィルターのゴミ回収時におけるフィルターの伸びが防止
されるものである。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。第１
図において、１０はフィルター８を構成し、一端面にフ
ランジを有する円筒部材、１１は円筒部材１０に溶接さ
れた網状部材、１２は網状部材に取り付けられた押バネ
である。２０は配管口７に接続された配管、２１は配管
口９に接続された配管、２２，２３はそれぞれ配管２
０，２１を配管口７，９に接続する継手である。

このように構成された油圧マフラーにおいて、フィルタ
ー８は配管口７から油圧マフラー５の中に挿入され、円
筒部材１０の一端に設けられているフランジが配管口７
と配管２０との間にはさまれて継手２２により保持され
る。また、押バネ12によりフィルター８は常に配管２０
に押しつけられている。そして、油圧ジャッキ３から戻
されて来る圧油は、配管口９から油圧マフラー５内の網
状部材１１を通って配管口７から出て行く。ここで配管
口９から入って来た異物およびゴミは、網状部材１１に
よって配管口７側に流れて行くことが阻止される。従っ
て、配管口があればフィルターの取り付けおよび取り外
しが容易に行えることから、油圧マフラー５をすべて溶
接構造として製作することが可能になる。

なお、上記説明においては、配管口７側にフィルター８
を取り付けた場合についてのみ説明したが、配管口９側
にフィルター８を取り付けても同等の効果が得られるこ
とは明白である。

第２図は、この発明による油圧エレベーター装置に用い
られる油圧マフラーの他の実施例を示す断面図であっ
て、第１図と同一部分は同記号を用いて示してある。同
図において１３は第１図における円筒部材１０に相当す
るリング状部材であって、網状部材１１の端面部分に溶
接されることによってフランジを構成している。

この様に構成された油圧マフラーにおいては、フィルタ
ー８を構成する網状部材１１の端面に固定されているリ
ング状部材１３がフランジを構成して、配管７と配管２
０との間にはさまれることから、フィルター８の固定が
確実に行われる。

なお、上記各実施例においては、油圧マフラー５を油圧
パワーユニットの外側に配置した場合について説明した
が、この発明はこれに限定されるものではなく、油圧パ
ワーユニットの内部に設けられた油圧マフラーに対して
も同様に適用出来ることは言うまでもない。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明による油圧マフラーは、全体が
溶接構造によって一体的に製作され、少なくとも作動油
の戻り通路部分に介在して戻り油中に含まれる異物ゴミ
等を回収する油圧マフラーに、この油圧マフラーから突
出して設けられて継手によって配管に接続され戻り油が
流入する配管口と、この配管口の内径よりも小径に構成
され一端に配管口の外端面に係合して配管との間に配置
されるフランジ状部が設けられ配管口に挿入されて作動
油の流速が低下する油圧マフラーに配置されたフィルタ
ーと、配管口の内径よりも小径に構成され一端がフィル
ターの反フランジ状部側に装着されて他端は油圧マフラ
ーの内壁に接して配置されフィルターを配管口方向に押
圧する押バネとを装備したものである。

これによって、フィルターの取り付け及び取り外しを容
易化する効果、油圧マフラーを全て溶接構造化して容
易、かつ安価に製造可能とする効果並びにフィルターが
押バネによって戻り油の流入側に押圧されていることに
よりフィルターのゴミ回収時におけるフィルターの移動
を防ぐ効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による油圧マフラーの要部
断面図、第２図はこの発明の他の実施例を示す要部断面
図、第３図は従来の油圧マフラーを油圧エレベータ装置
に適用した状態を示す全体構成図、第４図は第３図に示
す油圧マフラーの要部断面図である。 ５は油圧マフラー、７は配管口、８はフィルター、１０
は円筒部材、１１は網状部材、１２は押バネ、１３はリ
ング状部材。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】全体が溶接構造によって一体的に製作さ
   れ、少なくとも作動油の戻り通路部分に介在されて戻り
   油中に含まれる異物、ゴミ等を回収する油圧マフラー
   に、この油圧マフラーから突出して設けられて継手によ
   って配管に接続され上記戻り油が流入する配管口と、こ
   の配管口の内径よりも小径に構成され一端に上記配管口
   の外端面に係合して上記配管との間に配置されるフラン
   ジ状部が設けられ上記配管口に挿入されたフィルター
   と、上記配管口の内径よりも小径に構成され一端が上記
   フィルターの反上記フランジ状部側に装着して他端は上
   記油圧マフラーの内壁に接して配置され上記フィルター
   を上記配管口方向に押圧する押バネとが装備された油圧
   マフラー。