JPH06100697A - 不飽和基含有カルボン酸樹脂組成物およびソルダーレジスト樹脂組成物 - Google Patents

不飽和基含有カルボン酸樹脂組成物およびソルダーレジスト樹脂組成物

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JPH06100697A
JPH06100697A JP4260631A JP26063192A JPH06100697A JP H06100697 A JPH06100697 A JP H06100697A JP 4260631 A JP4260631 A JP 4260631A JP 26063192 A JP26063192 A JP 26063192A JP H06100697 A JPH06100697 A JP H06100697A
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carboxylic acid
resin composition
solder resist
resin
acid
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JP4260631A
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English (en)
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Yoichi Oba
洋一 大場
Sandai Iwasa
山大 岩佐
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Asahi Chemical Research Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Research Laboratory Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ソルダーレジストに要求される
密着性、電気絶縁性および耐電蝕性、はんだ耐熱性、レ
ベラー用水溶性フラックスに対する非白化性、塩化メチ
レンのような溶剤に対する優れた耐性、耐酸および耐ア
ルカリ性、耐メッキ性、PCT(Pressure C
ook Test)性に優れた硬化塗膜が得られ、民生
用や産業用プリント配線板などの製造に適した感光性熱
硬化樹脂組成物およびソルダーレジストパターンを提供
するものである。 【構成】 下記一般式で表される環状または鎖状ジクロ
ロホスファゼンに水酸基と不飽和基を有する物質と水酸
基とカルボキシル基を有する物質とを反応させてなる不
飽和基含有カルボン酸樹脂、およびこれを含有する樹脂
組成物およびこれらの樹脂を含有するソルダーレジスト
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用な不飽
和基含有カルボン酸樹脂、これを含む樹脂組成物、ソル
ダーレジスト樹脂組成物およびこれらの硬化物に関し、
光硬化性、熱硬化性、アルカリ可溶性の樹脂および樹脂
組成物であり、プリント配線板の製造や金属の精密加工
などに使用され、とくにプリント配線板用ソルダーレジ
ストとして有用な新規な感光性熱硬化性樹脂組成物およ
びソルダーレジスト樹脂組成物およびそれらの硬化物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ソルダーレジストは、プリント配線板に
電子部品をはんだ付けするときに、はんだ付け部分以外
にはんだが付着するのを防止すると同時に配線回路を保
護する目的で被覆される材料である。そのため、はんだ
耐熱性、耐水溶性フラックス性、電気絶縁性、密着性、
良好なPCT特性などが要求される。また、ソルダーレ
ジストはメッキレジストとしてそのまま用いられること
も多く、その場合には耐アルカリ性、耐酸性および耐メ
ッキ性などが要求される。
【0003】ソルダーレジストとして、産業用プリント
基板では、例えば特公昭51年第14044号公報に記
載されたエポキシ系の熱硬化型インキが主流となってお
り、民生用プリント基板では、例えば特公昭61年第4
8800号公報に記載された紫外線熱硬化型のものが主
流となっている。ソルダーレジスト被膜の形成方法とし
てはスクリーン印刷が従来から主として用いられてきた
が、スクリーン印刷では、レジストパターンの精度が十
分に確保できないという問題があり、最近のエレクトロ
ニクス機器の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密度
化および小型部品の表面実装化に対応できないという状
況にある。
【0004】この問題を解決するために、例えば特開昭
57年第55914号公報に記載されたレジストを感光
性フィルムの形にしたドライフィルム型ソルダーレジス
トが開発され実用化されている。ドライフィルムでは精
度の良いレジストパターンを得ることができる反面、配
線回路間へのレジストの埋め込み性が悪いという問題が
ある。
【0005】この問題を解決するために、液状の感光性
ソルダーレジストが提案された。このタイプの例をいく
つかを以下に示す。英国特許出願公開GB第20329
39A号公報にはポリエポキシ化合物とエチレン性不飽
和カルボン酸の反応生成物、無機フィラー、光重合開始
剤、揮発性有機溶剤などからなる光重合性塗装用組成物
が記載されている。これは光硬化のみの例であり、十分
なはんだ耐熱性がないことから、以下のような感光性を
利用して精度の良いパターンをつくり、これに熱硬化性
を併せもたせることにより耐熱性を向上させる考えが一
般的になってきている。
【0006】その例として、特開昭60年第20837
7号公報にはフェノールノボラック型エポキシ樹脂と不
飽和一塩基酸との反応物、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂と不飽和一塩基酸との部分反応物、光重合開始
剤、有機溶剤およびアミン系熱硬化剤などからなるソル
ダーレジストが記載されている。これは、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との部分反応
物がエポキシ基を残留しているのでこれをアミン系熱硬
化剤で架橋させる考えで熱硬化を行っている。
【0007】また、熱硬化成分としてエポキシ樹脂を用
いる例として特開昭61年第243869号公報にはノ
ボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反
応生成物に多塩基酸を反応させたもの、光重合開始剤、
希釈剤などからなる感光性成分にエポキシ樹脂を併用す
る方法が開示されている。また、特開平2年第9950
4号公報にはマレイン化ポリブタジエンとヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートとの反応物、エポキシ樹
脂、光開始剤などからなる感光性熱硬化性樹脂組成物の
記載がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにソルダ
ーレジストとして種々の材料系が提案されてきている
が、ソルダーレジストに要求される特性が、密着性、は
んだ耐熱性、電気絶縁性などが良ければよいという段階
から、最近ではエレクトロニクス機器の軽薄短小化に伴
うプリント配線板の高密度化および小型部品の表面実装
化に対応して、より精細なパターンが形成できることに
加えて、
【0009】1)高い光硬化反応性と高い解像度 2)良好な現像性 3)長いポットライフ 4)優れた密着性 5)優れた電気絶縁性および耐電蝕性 6)優れたはんだ耐熱性 7)レベラー用水溶性フラックスに対する非白化性 8)塩化メチレンのような溶剤に対する優れた耐性 9)優れた耐酸および耐アルカリ性 10)優れた耐メッキ性 11)優れたPCT(Pressure Cook T
est)性 などの特徴をすべて兼備したソルダーレジスト用材料お
よびソルダーレジストパターンの形成方法が要求される
ようになってきている。
【0010】エポキシ系やエポキシメラミン系の熱硬化
型スクリーン印刷インクは、精細なパターンを形成する
ことが困難であるという致命的欠点がある上、前者は耐
メッキ性に劣り、後者ははんだ耐熱性、耐薬品性、耐メ
ッキ性に問題がある。紫外線熱硬化型スクリーン印刷イ
ンクは、精細なパターンを形成することが容易である反
面、はんだ耐熱性、耐薬品性、耐メッキ性などに問題が
ある。ドライフィルム型ソルダーレジストでは精度の良
いレジストパターンを得ることができる反面、はんだ耐
熱性や密着性、耐薬品性、耐メッキ性などが不十分であ
るばかりでなく、配線回路間へのレジストの埋め込み性
が悪いという問題がある。
【0011】液状の感光性ソルダーレジストでは、精度
の良いレジストパターンを得ることができ、配線回路間
へのレジストの埋め込み性が良い反面、はんだ耐熱性や
密着性、耐薬品性、耐メッキ性などが不十分であるとい
う問題がある。液状の感光性ソルダーレジストに熱硬化
性成分のエポキシ樹脂を配合してはんだ耐熱性や密着
性、耐薬品性、耐メッキ性などを改良する試みがなされ
ているが、この場合エポキシ樹脂の比率を高めると耐熱
性、密着性などが向上する反面、光硬化反応性が低下し
て未露光部分の現像性が低下し良好なレジストパターン
が形成できにくいという欠点がある。
【0012】また、一般にエポキシ樹脂は耐アルカリ性
が良好な反面、耐酸性に劣るので、酸性浴のメッキ液に
対する耐性が低い欠点がある。例えば、無電解ニッケル
メッキ液や無電解金メッキ液はPH4〜5の酸性浴であ
り、しかも90℃で15〜30分間浸漬するので、耐メ
ッキレジストとしては十分な耐薬品性が要求される。さ
らに、メッキ処理中に金属析出部に水素ガスが発生する
ため、ソルダーレジストとプリント配線板の電極との界
面にメッキ液が侵入したりしてソルダーレジストを剥す
力が働くので、ソルダーレジストには基材に対して強い
密着性が要求される。
【0013】従って、本発明の目的は、上記のような種
々の欠点がなく、感光性に優れた感光性熱硬化性ソルダ
ーレジスト樹脂組成物を提供することにある。さらに、
本発明の目的は、ソルダーレジストに要求される密着
性、電気絶縁性および耐電蝕性、はんだ耐熱性、レベラ
ー用水溶性フラックスに対する非白化性、塩化メチレン
のような溶剤に対する優れた耐性、耐酸および耐アルカ
リ性、耐メッキ性、PCT(Pressure Coo
k Test)性などに優れた硬化塗膜が得られ、民生
用や産業用プリント配線板などの製造に適した感光性熱
硬化性樹脂組成物およびソルダーレジストパターンを提
供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決するため種々検討の結果、アルカリ可溶性感光
性オリゴマーとして、新規の不飽和基含有カルボン酸樹
脂を用いることによって上記の問題が解決できることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0015】本発明においては、下記一般式(1)で表
される環状および鎖状ジクロロホスファゼン ここで、nは3以上の整数。に水酸基と不飽和基を有す
る物質と水酸基とカルボキシル基を有する物質とを反応
させてなる不飽和基含有カルボン酸樹脂(一般式2)を
アルカリ可溶性感光性オリゴマーとして用いる。
【0016】 ここで、nは3以上の整数。R、R’は官能基として不
飽和基あるいはカルボキシル基を有する基 この樹脂は骨格に耐熱性によい効果を与えるーN=Pー
結合を持つことと感光性によい効果を与える不飽和基お
よび密着性を上げアルカリ可溶性を付与するカルボキシ
ル基を持つことが特徴である。不飽和基とカルボキシル
基とを含有するホスファゼン樹脂は、公知の方法によっ
て製造することができる、例えば、ヘキサクロロシクロ
トリホスファゼンに2ーヒドロキシエチルメタクリレー
トとヒドロキシ酢酸とを反応させることにより、ヘキサ
クロロシクロトリホスファゼンの塩素の一部あるいは全
部が2ーヒドロキシエチルメタクリレートとヒドロキシ
酢酸残基で置換された不飽和基とカルボキシル基とを含
有するホスファゼン樹脂として得ることができる。
【0017】
【0018】この反応の際、脱塩化水素反応の触媒とし
て、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリーnー
プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリーnー
ブチルアミン、ピリジンなどの第3級アミンが有効であ
る。また、反応溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、塩化メ
チレン、クロロホルムなどが単独あるいは混合して用い
られる。
【0019】ここで、一般式(1)で表されるジクロロ
ホスファゼンとしては、環状の3量体と4量体および鎖
状のポリジクロロホスファゼン(オリゴマーも含む)が
知られており、合成法も公知である(日本化学会編:実
験化学講座28、高分子合成P.365(平成4年5
月)丸善)。
【0020】また、水酸基と不飽和基を有する物質とし
ては、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒド
ロキシプロピルメタクリレート、2ーヒドロキシブチル
メタクリレート、3ーヒドロキシブチルメタクリレー
ト、4ーヒドロキシブチルメタクリレート、5ーヒドロ
キシペンチルメタクリレート、5ーヒドロキシヘキシル
メタクリレート、3ーヒドロキシー2ーメチルエチルプ
ロピルメタクリレート、3ーヒドロキシー2ーtーブチ
ルプロピルメタクリレート、6ーヒドロキシー3ーメチ
ルヘキシルメタクリレート、3ーヒドロキシー2,2ー
ジメチルヘキシルメタクリレート、
【0021】12ーヒドロキシドデシルメタクリレー
ト、2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキ
シプロピルアクリレート、2ーヒドロキシブチルアクリ
レート、3ーヒドロキシブチルアクリレート、4ーヒド
ロキシブチルアクリレート、5ーヒドロキシペンチルア
クリレート、5ーヒドロキシヘキシルアクリレート、3
ーヒドロキシー2ーメチルエチルプロピルアクリレー
ト、3ーヒドロキシー2ーtーブチルプロピルアクリレ
ート、6ーヒドロキシー3ーメチルヘキシルアクリレー
ト、3ーヒドロキシー2,2ージメチルヘキシルアクリ
レート、12ーヒドロキシドデシルアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールジアクリレートモノステアレート、2ーヒドロキシ
ー3ーフェノキシプロピルアクリレート、2ーアクリロ
イルオキシエチルー2ーヒドロキシプロピルフタレー
ト、グリセリンメタクリレートアクリレートなどがあ
る。
【0022】さらに、水酸基とカルボキシル基を有する
物質としては、ヒドロキシ酢酸(グリコール酸)、乳
酸、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸などがある。ここ
で、ジクロロホスファゼンの塩素を置換する不飽和基と
カルボキシル基の比率は、目的とする感光性の度合やア
ルカリ可溶性の程度等によって適宜選択されるが、感光
性とアルカリ可溶性をバランスよく持つ範囲としてはモ
ル比で5:1〜2:4、好ましく4:2〜3:3であ
る。
【0023】一般式(2)で示される不飽和基含有カル
ボン酸樹脂は、光重合開始剤と希釈剤としての光重合性
ビニル系モノマーおよび/または有機溶剤と混合され
て、感光性の樹脂組成物が得られ、それを基材に塗布し
て、必要に応じ乾燥して、紫外線を照射することによっ
て硬化物が得られる。なお、紫外線照射の時、適当にマ
スキングすることによって、未露光部は希アルカリ水溶
液で容易に現像除去されるので硬化物をパターンとして
形成することができる。
【0024】本発明に用いられる光重合開始剤として
は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエ
ーテル、ベンゾインブチルエーテルなどのベンゾインの
アルキルエーテル類、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息
香酸メチル、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、ミヒラーケトンなどのベンゾフェ
ノン類、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2,
2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノ−1−プロパノンなどのアセトフェノン類、
2,4−ジエチルチオキサントンおよびカンファーキノ
ン類などの重合開始剤が挙げられる。
【0025】また、必要に応じ光重合開始剤に光増感剤
を添加して使用することができる。光増感剤としては、
トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチル
ジエタノールアミン、エチル−4−ジメチルアミノベン
ゾエート、ジメチルアミノエタノール、4−ベンゾイル
−4’−メチルジフェニルスルフィドなどがある。これ
らの光重合開始剤と光増感剤は通常混合して使用され
る。
【0026】本発明に用いられる希釈剤としての感光性
モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシブチルアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリメタアクリレートなどの(メタ)アクリ
ル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、エチレ
ンビス(アクリルアミド)、ジアセトンアクリルアミド
などの(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。ま
た、ノボラックエポキシのアクリル酸付加物、スチレン
/無水マレイン酸のヒドロキシエチルアクリレート付加
物などの感光性オリゴマーも使用できる。これらの感光
性モノマーやオリゴマーは単独または2種以上混合して
用いられる。
【0027】また、本発明に用いられる希釈剤としての
溶剤としては、不飽和基含有カルボン酸樹脂を溶解する
ものであれば特に制約はないが、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどの酢酸エステル類、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、プロピレングリコールなどのエーテル
類やアセテート類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素類、メタノール、エタノール、IPA、ジアセト
ンアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類な
どがあり、これらを単独あるいは混合して使用する。
【0028】本発明の感光性の樹脂組成物においては、
一般式(2)で示される不飽和基含有カルボン酸樹脂1
00部に対し、光重合開始剤および光増感剤が0.2〜
20部好ましくは0.5〜10部、希釈剤としての感光
性モノマーが1〜200部好ましくは5〜100部、希
釈剤としての溶剤が0〜500部好ましくは0〜200
部の範囲で使用される。本発明の不飽和基含有カルボン
酸樹脂を用いた感光性でアルカリ可溶性の樹脂組成物
に、熱硬化性樹脂や熱硬化触媒を配合して、耐熱性に優
れたソルダーレジスト樹脂組成物を造ることができる。
【0029】ここで、熱硬化性樹脂としては、不飽和基
含有カルボン酸樹脂のカルボキシル基との反応性をもつ
エポキシ樹脂やメラミン樹脂が好ましい。エポキシ樹脂
としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、1,3,5−トリグ
リシジルイソシアヌル酸などがある。メラミン樹脂とし
てはヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシメラミン
などがある。
【0030】また、熱硬化触媒としてはジシアンジアミ
ドおよびその誘導体(例えば、フェニルピグアニド)、
有機酸ヒドラジド(例えば、アジピン酸ヒドラジド)、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミ
ノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1)−エチル
−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロ
イルオキシエチル−s−トリアジンを2,4−ジアミノ
−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1)−エチル−
s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物などのイミダゾ
ール化合物類、
【0031】2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリ
アジン・イソシアヌル酸付加物、2−ビニル−4,6−
ジアミノ−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メ
タクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2−メト
キシエチル−4,6−ジアミノ−s−トリアジンなどの
トリアジン化合物、4,4−ジアミノジフェニルメタン
のような芳香族アミンおよび光カチオン重合触媒(例え
ば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル((1−メ
チルエチル)−ベンゼン)−Fe−ヘキサフルオロホス
フェート)などを挙げることができる。
【0032】不飽和基含有カルボン酸樹脂を用いた感光
性でアルカリ可溶性の樹脂組成物に、配合される熱硬化
性樹脂の配合量は、不飽和基含有カルボン酸樹脂を用い
た感光性でアルカリ可溶性の樹脂組成物100部に対し
5〜100部が配合される。また熱硬化触媒の配合量
は、熱硬化性樹脂100部に対し、0.5〜50部好ま
しくは1〜30部である。
【0033】本発明の組成物には、さらに、無機フィラ
ー、例えば、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ、硫酸
バリウム、酸化マグネシウムなどを添加したり、着色顔
料としてシアニングリーン、シアニンブルーを使用する
こともできる。また、必要に応じ、チクソトロピー剤や
消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重
合禁止剤を使用することができる。
【0034】また、必要に応じ、本発明の組成物に本発
明の不飽和基含有カルボン酸樹脂(2)以外に、例えば
ノボラックエポキシ樹脂のアクリル酸付加物に酸無水物
を付加した物やスチレンー無水マレイン酸共重合体に2
ーヒドロキシエチルアクリレート付加した物のような他
の不飽和基含有カルボン酸樹脂を併用することも可能で
ある。
【0035】本発明の樹脂組成物は、配合成分をロール
ミル、サンドミルなどにより均一に混合することによっ
て得られる。また、本発明の樹脂組成物の基材への塗布
は通常、スクリーン印刷、スプレーコート、カーテンコ
ートなどの方法で行う。塗膜の乾燥は、熱風乾燥、遠赤
外線等により通常120℃以下、好ましくは60〜10
0℃の範囲で、10〜60分行う。この時の温度と時間
は用いる溶剤の種類と希釈率、塗膜厚などによって異な
るので、最適条件を選んで設定する必要がある。ただ
し、乾燥温度が120℃を越えると、熱硬化反応が始ま
り、露光・現像後パターンが形成されなくなるので好ま
しくない。
【0036】こうして得られた塗膜は、常温で表面タッ
クがなく、フォトマスクと接触してもフォトマスクに粘
着することがない。乾燥後、塗膜とネガ型のフォトマス
クを密着させて、例えば水銀灯、キセノンランプ、メタ
ルハライドランプなどを用いて紫外線を照射する。次い
で、これをアルカリ性水性現像液で処理して、未露光部
を洗い流す。アルカリ性現像液としては、一般に1〜5
重量%程度の炭酸ナトリウムなどの水溶液を用いる。
【0037】しかる後、熱硬化成分が配合された樹脂組
成物については、熱風乾燥、遠赤外線等の方法により、
アフターキュアを行う。アフターキュアは120〜18
0℃で、通常10〜60分間行う(アフターキュアが十
分でないと塗膜物性が十分でないし、これより過度に硬
化させると塗膜が劣化する恐れがある)。これらの工程
を経ることによって本発明の樹脂組成物の硬化物が得ら
れる。
【0038】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、「部」および「%」とあるのは、特に断りの
ない限り重量基準である。 合成例1(不飽和基含有カルボン酸樹脂(a1)の合
成) 3リットルのフラスコにヘキサクロロシクロホスファゼ
ン116gを入れ、脱水したベンゼン500gに溶解し
た。この中にピリジン500gとヒドロキノン0.3g
を加えた。別に2ーヒドロキシエチルメタクリレート1
30gを200gのベンゼンに溶解し、この溶液を上記
のフラスコ中に滴下し、80℃30時間反応させた。さ
らに、別にオキシ酢酸76gを100gのベンゼンに溶
解し、この溶液を上記のフラスコ中に滴下し、さらに8
0℃30時間反応させた。反応後、濾過してピリジン・
塩酸塩を除いた後、濾液を水洗し、ボウ硝で乾燥してか
ら減圧蒸留により溶剤を除去して、粘調な反応生成物
(a1)245gを得た。これらの酸価は226mgK
OH/gであった。
【0039】合成例2(不飽和基含有カルボン酸樹脂
(a2)の合成) 合成例と同様の装置にヘキサクロロシクロトリホスファ
ゼン116gを入れ、脱水したベンゼン500gに溶解
した。この中にピリジン500gとヒドロキノン0.3
gを加えた。別に2ーヒドロキシエチルメタクリレート
173gを200gのベンゼンに溶解し、この溶液を上
記のフラスコ中に滴下し、80℃30時間反応させた。
さらに、別にオキシ酢酸51gを100gのベンゼンに
溶解し、この溶液を上記のフラスコ中に滴下し、さらに
80℃30時間反応させた。反応後、濾過してピリジン
・塩酸塩を除いた後、濾液を水洗し、ボウ硝で乾燥して
から減圧蒸留により溶剤を除去して、粘調な反応生成物
(a2)264gを得た。これらの酸価は140mgK
OH/gであった。
【0040】実施例1 不飽和基含有カルボン酸樹脂溶液(a1)100部、1
ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5部とをメ
チルエチルケトンに溶解して感光性樹脂組成物を得た。
これをロールコーターでガラスエポキシ基板に塗布し、
80℃30分乾燥の後、マスクを介して1500mJ/
cm2の露光を行って硬化物を得た。1%炭酸ソーダ水
溶液にて現像を行い、未露光部を除去して、ネガパター
ンを得た。この硬化物の鉛筆硬度は5Hであり、基材に
よく密着していた。
【0041】実施例2 不飽和基含有カルボン酸樹脂溶液(a2)100部、2
ーメチルー[4ー(メチルチオ)フェニル]ー2ーモル
フォリノー1ープロパノン5部とをメチルエチルケトン
に溶解して感光性樹脂組成物を得た。これをスプレー塗
布でガラスエポキシ基板に全面塗布し、80℃30分乾
燥の後、1000mJ/cm2の露光を行って硬化物を
得た。この硬化物の鉛筆硬度は6Hであり、基材によく
密着していた。
【0042】実施例3 合成例1で製造した不飽和基含有カルボン酸樹脂(a
1)40部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂にヒ
ドロキシエチルアクリレートを付加しそれに無水フタル
酸を付加した樹脂(樹脂酸価60mgKOH/g)35
部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10
部、2ーメチルー[4ー(メチルチオ)フェニル]ー2
ーモルフォリノー1ープロパノン3部、シリカ5部、タ
ルク5部、シリカ微粉末2部、シアニングリーン0.5
部、ジシアンジアミド5部、シリコン消泡剤1部、ブチ
ルセロソルブアセテート15部からなる混合物をロール
ミルで混練して感光性樹脂組成物を得た。
【0043】一方、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂80部をブチルセロソルブアセテート20部に溶解し
て熱硬化性樹脂液とした。上記感光性樹脂組成物100
部に対し上記熱硬化性樹脂液25部を加えて感光性熱硬
化性のソルダーレジスト樹脂組成物とした。感光性熱硬
化性のソルダーレジスト樹脂組成物を、予め整面処理済
みのパターン付き銅張り積層エポキシ基板にスクリーン
印刷により塗布し(乾燥膜厚で約20μm)、75℃、
30分間乾燥の後、フォトマスクを塗膜面に接触させ、
オーク製作所製メタルハライド灯露光装置を用いて10
00mJ/cm2の露光をし、1%炭酸ソーダ水溶液を
現像液として2kg/cm2のスプレー圧で1分間現像
し、水スプレーで水洗し、次に150℃の熱風循環炉で
30分間、熱硬化させて硬化物を得た。
【0044】本発明のソルダーレジスト樹脂組成物には
乾燥後の粘着性はなく、このためネガフィルムパターン
に対応した精密なレジストパターンが得られた。また熱
硬化後の硬化物は、エンピツ硬度が5Hで可撓性、密着
性、耐塩化メチレン性、耐薬品性、耐メッキ性に優れて
いた。また、260℃のはんだ浴に30秒間浸漬するサ
イクルを3回繰り返した後も硬化塗膜に何等の変化も認
められず、液状ソルダーレジストとしての特性を十分満
足していた。
【0045】
【発明の効果】本発明による不飽和基含有カルボン酸樹
脂は感光性と熱硬化性を有するアルカリ現像ができる新
規な化合物である。従って、この樹脂をベースとして樹
脂組成物を設計することによって、作業性が良く、精度
の良いレジストパターンを得ることができ、しかも、熱
硬化型でもあるため密着性、電気絶縁性および耐電蝕
性、はんだ耐熱性、レベラー用水溶性フラックスに対す
る非白化性、塩化メチレンのような溶剤に対する優れた
耐性、耐酸および耐アルカリ性、耐メッキ性、PCT
(Pressure Cook Test)性などがさ
らに優れた硬化塗膜が得られる。従って、民生用や産業
用プリント配線板などの製造に適したソルダーレジス
ト、エッチングレジスト、メッキレジストとして広く用
いることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 不飽和基含有カルボン酸樹脂組成物お
よびソルダーレジスト樹脂組成物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表される環状または鎖状ジ
    クロロホスファゼンに水酸基と不飽和基を有する物質と
    水酸基とカルボキシル基を有する物質とを反応させてな
    る不飽和基含有カルボン酸樹脂。 ここで、nは3以上の整数。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不飽和基含有カルボン酸
    樹脂を含有する樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の不飽和基含有カルボン酸
    樹脂を含有するソルダーレジスト樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2および請求項3記載の不飽和基
    含有カルボン酸樹脂を含有する樹脂組成物およびソルダ
    ーレジスト樹脂組成物の硬化物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008088217A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fushimi Pharm Co Ltd 反応性基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤およびその製造方法
JP2011017804A (ja) * 2009-07-08 2011-01-27 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物、感放射線性カバーレイおよびフレキシブルプリント配線板
CN116954022A (zh) * 2023-07-31 2023-10-27 广东诚展科技股份有限公司 一种芯片载板感光阻焊干膜及其形成方法

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