JPH06100599A - 扁平上皮癌関連抗原及びその免疫学的利用方法 - Google Patents

扁平上皮癌関連抗原及びその免疫学的利用方法

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JPH06100599A
JPH06100599A JP3107693A JP3107693A JPH06100599A JP H06100599 A JPH06100599 A JP H06100599A JP 3107693 A JP3107693 A JP 3107693A JP 3107693 A JP3107693 A JP 3107693A JP H06100599 A JPH06100599 A JP H06100599A
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潔 関口
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昭男 茗荷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便な方法で多数の検体を処理できるような
子宮頸癌の診断方法、子宮頸癌の治癒率の向上のために
も病状の変化を正確に反映するパラメーターの開発並び
にそのパラメーターを用いた子宮頸癌の診断方法の開
発。 【構成】 ヒト子宮頸部癌、肺癌、食道癌などの偏平上
皮癌組織あるいはそれらの転移巣より新規な偏平上皮癌
関連抗原SCC Ag類すなわちSCC Ag1、SC
C Ag2、SCC Ag3、SCC Ag4、SCC
Ag5、SCCAg6、SCC Ag7、SCC A
g8、SCC Ag9、SCC Ag10、SCC A
g11、SCC Ag12、SCC Ag13、及びS
CC Ag14を抽出、精製して、それを免疫原として
利用して免疫してヒト以外の動物からの抗血清あるいは
該免疫された動物より得られた抗体産生細胞と永代培養
しうる細胞とを細胞融合し、次にハイブリドーマ細胞か
らモノクローナル抗体としてSCC Ag類に対する特
異抗体を得、さらにそれを用いて偏平上皮癌関連抗原の
免疫学的測定用試薬並びに測定法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は扁平上皮癌関連抗原に共
通した抗原及びその免疫学的利用法に関する。さらに詳
しくは、本発明は新規な扁平上皮癌関連抗原SCC A
g類すなわちSCC Ag1、SCC Ag2、SCC
Ag3、SCC Ag4、SCCAg5、SCC A
g6、SCC Ag7、SCC Ag8、SCC Ag
9、SCC Ag10、SCC Ag11、SCC A
g12、SCC Ag13、及びSCC Ag14(以
下単に「SCC Ag類」ともいう)に関し、更にはそ
の抗原を用いての生体試料中の扁平上皮癌関連抗原、特
には扁平上皮癌関連抗原SCC Ag類の免疫学的測定
法を提供することに関する。この免疫学的測定は定量的
あるいは定性的に行いえるものである。これら扁平上皮
癌関連抗原の分離精製法及びこの扁平上皮癌関連抗原に
対する抗体などの免疫学的利用法にも関連したものであ
る。
【0002】
【従来の技術】子宮に発生する悪性腫瘍の殆どは、子宮
頸癌であり、組織学的に分類すると子宮頸癌の大部分が
扁平上皮癌であり、腺癌、類腺癌は5%程度しか認めら
れないと言われている。子宮頸癌は早期においては大多
数が自覚的に無症状であり、早期の子宮頸癌は癌検診の
際に偶然発見される程度である。現在、子宮頸癌検診に
はスメア細胞を用いた細胞診が利用されているが、羞恥
心によって受診にためらいがあったり、細胞診に用いる
鏡検枚数に限界があり確実な結果を得られない等の問題
があり、その癌の早期での発見には多くの問題が残って
いる。更に子宮頸癌はその病変が骨盤腔の奥で進行する
ため、病状の正確な把握は臨床的に困難な場合が多い。
従って簡便な方法で多数の検体を処理できるような子宮
頸癌の診断方法の開発が望まれていた。また子宮頸癌の
治癒率の向上のためにも病状の変化を正確に反映するパ
ラメーターの開発並びにそのパラメーターを用いた子宮
頸癌の診断方法の開発が望まれていた。一方、悪性腫瘍
の診断、管理に腫瘍マーカーを利用する試みが盛んにお
こなわれており、例えば癌胎児性蛋白(Carcino
embryonic antigen:CEA)やα−
フェトプロテイン(α−Fetoprotein:AF
P)などが臨床的に広く用いられていることから、子宮
頸癌についてもこのような試みが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、すでに
扁平上皮癌関連抗原に関連してTA−4を見出している
が、これは混合物であると同時に夾雑物を含むものであ
る。さらに、そのうちの扁平上皮癌関連抗原は物質とし
て精製がされていないため、それを用いての扁平上皮癌
関連抗原測定系は重量単位を用いることができず、ユニ
ット(Unit)単位を用いており、アッセイ系として
も未完成の状態である。さらに、それを用いての特異抗
体の作製には問題があり、こうして得られた抗体はそれ
を用いての扁平上皮癌関連抗原測定系への適用には問題
がある。こうして得られた測定系は、感度が不十分であ
り、扁平上皮癌患者におけるその出現率が低いものであ
り、臨床的に利用するには不十分であった。本発明は、
扁平上皮癌組織あるいはそれらの転移巣より新規な扁平
上皮癌関連抗原SCC Ag類すなわちSCC Ag
1、SCC Ag2、SCC Ag3、SCC Ag
4、SCC Ag5、SCC Ag6、SCC Ag
7、SCCAg8、SCC Ag9、SCC Ag1
0、SCC Ag11、SCC Ag12、SCC A
g13、及びSCC Ag14の14種の蛋白質である
扁平上皮癌関連抗原を単一物質として分離精製すること
に成功し、上記TA−4の欠点を克服するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、子宮頸部癌、
肺癌、食道癌などの扁平上皮癌組織あるいはそれらの転
移巣より新規な扁平上皮癌関連抗原SCC Ag類すな
わちSCC Ag1、SCC Ag2、SCC Ag
3、SCC Ag4、SCC Ag5、SCCAg6、
SCC Ag7、SCC Ag8、SCC Ag9、S
CC Ag10、SCC Ag11、SCC Ag1
2、SCC Ag13、及びSCC Ag14を抽出、
精製して、さらにそれを利用してSCC Ag類に対す
る特異抗体を提供すると共にそれら扁平上皮癌関連抗原
SCC Ag類をアフィニティークロマトグラフィーに
より効率よく分離精製することにある。これらのSCC
Ag類は、扁平上皮癌組織並びに血液中に存在する扁
平上皮癌関連抗原であり、共通の抗原活性(以下「SC
C Ag1抗原活性」ともいう)を有する。さらにSC
C Ag類は、ナトリウムドデシルサルフェート−ポリ
アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)法で測定した
とき、約45,000の分子量を示す蛋白質であり、そ
れぞれ次の表に示されるような等電点を示す。
【0005】
【表5】
【0006】扁平上皮癌関連抗原を開示した従来例の一
つとして特開昭59−212436号公報があるが、そ
こに記載された蛋白質は165,000〜240,00
0の分子量を有する成分二種類、120,000〜15
0,000の分子量を有する成分一種類、及び70,0
00〜80,000の分子量を有する成分一種類の合計
四種類の成分を抗原物質として含んでいる混合物である
のに対して、本発明の扁平上皮癌関連抗原SCC Ag
類はすべて約45,000の分子量を示す単一物質であ
る蛋白質であり、上記従来のものとは分子量が異なるの
みならず両者の間で交差反応性は見られず、免疫学的に
も異なる新規な物質である。本発明の目的の一つは、子
宮頸部癌、肺癌、食道癌などの扁平上皮癌組織あるいは
それらの転移巣より先ず新規な扁平上皮癌関連抗原SC
C Ag1を抽出、精製して、こうして得られた精製S
CC Ag1を用いてそれに対する特異抗体を得ること
にもある。SCC Ag1の抽出、精製は、子宮頸部
癌、肺癌、食道癌などの扁平上皮癌組織あるいはそれら
の転移巣をホモゲナイズして得た蛋白抽出液を硫安塩析
し、次にセファデックスG−100によりゲル濾過し、
次いでDEAE−セファロースイオン交換クロマトグラ
フィーにかけ、塩濃度勾配溶出して、続いてCM−セフ
ァロースイオン交換クロマトグラフィーにかけ、塩濃度
勾配溶出し余分な蛋白を除去したのち、さらにセファデ
ックスG−100によりゲル濾過して達成される。
【0007】本発明の他の目的は、SCC Ag1と共
通の抗原性を示す扁平上皮癌関連抗原類をも抽出、精製
して、こうして得られた精製SCC Ag類抗原を用い
てそれに対する特異抗体を得ることにもある。SCC
Ag1と共通の抗原性を示す扁平上皮癌関連抗原類の抽
出、精製は、子宮頸部癌、肺癌、食道癌などの扁平上皮
癌組織あるいはそれらの転移巣をホモゲナイズして得た
蛋白抽出液を硫安塩析し、次にセファデックスG−10
0によりゲル濾過し、次いでセファロース4Bに抗SC
C Ag1抗体を結合させたアフィニテイークロマトグ
ラフィーにかけ、未反応成分を洗浄・除去したのち、グ
リシン−塩酸緩衝液(pH=3〜4)にて抗SCC A
g1抗体と特異的に結合したSCC Ag1抗原活性を
示す扁平上皮癌関連抗原蛋白質を解離・回収し、次にこ
うして得られた蛋白質をさらにDEAE−セファロース
イオン交換クロマトグラフィーにかけ、塩濃度勾配溶出
して精製し、さらにこうして精製された蛋白質は等電点
電気泳動(IEF)法により14の成分に分けることに
よりなされ、この14の成分がそれぞれSCC Ag
1、SCC Ag2、SCC Ag3、SCC Ag
4、SCC Ag5、SCC Ag6、SCC Ag
7、SCC Ag8、SCC Ag9、SCC Ag1
0、SCC Ag11、SCC Ag12、SCC A
g13、及びSCCAg14と命名した単一の扁平上皮
癌関連抗原蛋白質である。
【0008】このSCC Ag類は、扁平上皮癌組織中
に高濃度に存在するが、同じ子宮頸部由来でも腺癌や未
分化癌組織中には殆ど検出されない。他方、子宮頸部の
扁平上皮癌に限らず、他の臓器由来の扁平上皮癌におい
てもSCC Ag類の存在が確認されている。さらにま
た、SCC Ag類は扁平上皮癌の患者の血液中に高濃
度に出現するので、従来の形態学的検査に替わり免疫学
的方法による扁平上皮癌の診断、予後推定、病状管理な
どに利用することができる。すなわち、本発明の他の目
的は、免疫学的方法による扁平上皮癌の診断、予後推
定、病状管理を目的とした試薬、特には放射性同位元
素、酵素あるいは蛍光物質等の標識剤で標識したSCC
Ag類またはSCC Ag類に対する抗体を提供する
と共に、それら試薬を用い、生体試料中の扁平上皮癌関
連抗原、特には扁平上皮癌関連抗原SCC Ag類の免
疫学的測定法を提供する。この免疫学的測定は定量的あ
るいは定性的に行いえるものである。本発明にしたがえ
ば、ヒト子宮頸部癌、肺癌、食道癌の扁平上皮癌組織あ
るいはそれらの転移巣の抽出物あるいはそれらから得ら
れる組織蛋白を含有する溶液を下記の諸段階、すなわち
(a)硫安塩析し(b)得られる硫安分画をセファデッ
クスG−100によりゲル濾過し、次いで(c)DEA
E−セファロースイオン交換クロマトグラフィーにか
け、塩濃度勾配溶出し、続いて(d)CM−セファロー
スイオン交換クロマトグラフィーにかけ、塩濃度勾配溶
出し、さらに(e)セファデックスG−100によりゲ
ル濾過することを特徴とするナトリウムドデシルサルフ
ェート−ポリアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
法で測定したとき、約45,000の分子量を示し、等
電点電気泳動(IEF)法で約6.62の等電点を示
し、かつ下記のアミノ酸組成(精度:±10%)
【表6】 を有し、免疫学的に抗原性を有する蛋白質である精製扁
平上皮癌関連抗原SCCAg1または該扁平上皮癌関連
抗原SCC Ag1と共通の抗原性を示しかつSDS−
PAGEで測定したとき、約45,000の分子量を示
し、IEFで下記の等電点
【表7】 を有する蛋白質である精製扁平上皮癌関連抗原SCC
Ag2、SCC Ag3、SCC Ag4、SCC A
g5、SCC Ag6、SCC Ag7、SCCAg
8、SCC Ag9、SCC Ag10、SCC Ag
11、SCC Ag12、SCC Ag13、あるいは
SCC Ag14の分離精製方法も提供される。本発明
にしたがえば、さらにまたヒト子宮頸部癌、肺癌、食道
癌の扁平上皮癌組織あるいはそれらの転移巣の抽出物あ
るいはそれらから得られる組織蛋白を含有する溶液を下
記の諸段階、すなわち(a)硫安塩析し(b)得られる
硫安分画をセファデックスG−100によりゲル濾過
し、次いで(c)セファロース4Bに抗SCC Ag1
抗体を結合させたアフィニテイークロマトグラフィーに
かけ、未反応成分を洗浄・除去したのち、グリシン−塩
酸緩衝液(pH=3〜4)にて抗SCC Ag1抗体と
特異的に結合したSCC Ag1抗原活性を示す扁平上
皮癌関連抗原蛋白質を解離・回収し、(d)次にこうし
て得られた蛋白質をさらにDEAE−セファロースイオ
ン交換クロマトグラフィーにかけ、塩濃度勾配溶出し、
(e)さらにこうして精製された蛋白質は等電点電気泳
動(IEF)法により14の成分に分けることことを特
徴とするナトリウムドデシルサルフェート−ポリアミド
ゲル電気泳動(SDS−PAGE)法で測定したとき、
約45,000の分子量を示し、等電点電気泳動(IE
F)法で約6.62の等電点を示し、かつ下記のアミノ
酸組成(精度:±10%)
【表8】 を有し、免疫学的に抗原性を有する蛋白質である精製扁
平上皮癌関連抗原SCCAg1または該扁平上皮癌関連
抗原SCC Ag1と共通の抗原性を示しかつSDS−
PAGEで測定したとき、約45,000の分子量を示
し、IEFで下記の等電点
【表9】 を有する蛋白質である精製扁平上皮癌関連抗原SCC
Ag2、SCC Ag3、SCC Ag4、SCC A
g5、SCC Ag6、SCC Ag7、SCCAg
8、SCC Ag9、SCC Ag10、SCC Ag
11、SCC Ag12、SCC Ag13、あるいは
SCC Ag14の分離精製方法も提供されることが理
解されよう。以下、SCC Ag1を例にとり、本発明
をさらに詳しく説明する。SCCAg1は、等電点が約
6.62、ナトリウムドデシルサルフェート−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)法で測定
したときの分子量が、約45,000の蛋白質で、扁平
上皮癌組織並びに血中に存在する扁平上皮癌関連抗原で
ある。そのアミノ酸組成(精度:±10%)は次の表に
示す通りである。
【0009】
【表10】
【0010】本発明にしたがった扁平上皮癌関連抗原に
共通した抗原に対する抗体、さらに詳しくは、新規な扁
平上皮癌関連抗原SCC Ag類すなわちSCC Ag
1、SCC Ag2、SCC Ag3、SCC Ag
4、SCC Ag5、SCCAg6、SCC Ag7、
SCC Ag8、SCC Ag9、SCC Ag10、
SCC Ag11、SCC Ag12、SCC Ag1
3、及びSCC Ag14(以下単に「SCC Ag
類」ともいう)に対する特異抗体は、上記のようにして
得られた免疫学的に抗原性を有する蛋白質である精製扁
平上皮癌関連抗原SCC Ag1を用いて既知の方法に
より作製することができる。すなわち精製扁平上皮癌関
連抗原SCC Ag1をヒト以外の動物、例えばウサ
ギ、マウス、ヤギ、ニワトリ、ウマなどに免疫し、免疫
化された動物より血清を得、こうしてSCC Ag1に
対する抗血清を得ることができる。また、SCC Ag
1で免疫化されたマウスあるいはラットの脾細胞とマウ
スあるいはラットのミエローマ細胞とを細胞融合し、次
に得られた抗SCC Ag1抗体産生細胞(ハイブリド
ーマ)から扁平上皮癌関連抗原SCC Ag1に対する
モノクローナル抗体を得ることもできる。本発明にした
がった扁平上皮癌関連抗原SCC Ag1と共通の抗原
性に対する抗体は、以上のようにして得られるほか、各
精製扁平上皮癌関連抗原SCCAg類を用いて同様にし
て得られる。
【0011】本発明の標識SCC Ag1及び本発明に
したがった標識抗SCC Ag1抗体を作製するための
標識剤によるSCC Ag1及び抗SCC Ag1抗体
の標識は、当該分野において通常用いられている方法に
より行うことができる。本発明の生体試料中の扁平上皮
癌関連抗原、特には扁平上皮癌関連抗原SCCAg類の
定量的あるいは定性的な免疫学的測定は、次に示すよう
な種々の方法により達成することができる。 (1) 体液検体中のSCC Ag1を既知量の標識S
CC Ag1と混合したのち、両者を一定量の抗SCC
Ag1抗体に対して競合反応させたのち、抗SCC
Ag1抗体と結合した標識SCC Ag1(B)と、結
合していない標識SCC Ag1(F)とを適当な方法
で分離(B・F分離)し、それらの分画の一方または両
方の標識剤の活性を測定し、予め既知量のSCC Ag
1において同様にして得られた標準曲線より、体液検体
中のSCC Ag1量を求める方法(競合法)。B・F
分離は、PEG法、二抗体法、固相法などの既知の方法
により行うことができる。 (2) 体液検体中のSCC Ag1を、抗SCC A
g1抗体を固相に結合させた不溶化抗SCC Ag1抗
体に抗原抗体反応により結合させ、次いで標識抗SCC
Ag1抗体を結合させることにより、〔不溶化抗SC
C Ag1抗体〕−〔SCC Ag1〕−〔標識抗SC
C Ag1抗体〕複合物を形成させ、不溶化抗SCC
Ag1抗体にSCC Ag1を介して結合した標識抗S
CC Ag1抗体の標識剤の活性を測定し、予め既知量
のSCC Ag1において同様にして得られた標準曲線
より、体液検体中のSCC Ag1量を求める方法(サ
ンドイッチ法)。
【0012】(3) さらに、SCC Ag1と、抗S
CC Ag1抗体との抗原抗体反応により免疫複合体と
なった場合に、標識SCC Ag1上の標識剤の活性が
減衰あるいは増強することを利用し、B・F分離を必要
としない方法(均一イムノアッセイ)。 (4) また、組織中またはスメア細胞中のSCC A
g1を測定する方法として、組織標本またはスメア細胞
標本に標識抗SCC Ag1抗体を反応させ、結合した
標識抗SCC Ag1抗体の標識剤の活性を観察、測定
する方法(直接法)。 (5) 組織標本またはスメア細胞標本に抗SCC A
g1抗体を反応させ、さらにこれに抗SCC Ag1抗
体に対する抗体を標識剤で標識した標識抗IgG抗体を
反応させ、抗SCC Ag1抗体を介して組織中または
スメア細胞中のSCC Ag1と結合した標識抗IgG
抗体の標識剤の活性を観察、測定する方法(間接法)。 (6) 組織標本またはスメア細胞標本に抗SCC A
g1抗体を反応させ、次いでこれに抗SCC Ag1抗
体に対する抗体(抗IgG抗体)を反応させ、さらに酵
素及び該酵素に対する抗体(免疫動物が抗SCC Ag
1抗体と同種のもの)との結合物を反応させて得られた
複合物中の酵素活性を測定する方法(PAP法)。 (7) 組織標本またはスメア細胞標本に抗SCC A
g1抗体を反応させ、次いでこれにビオチン標識した標
識抗SCC Ag1抗体に対する抗体(抗IgG抗体)
を反応させ、さらにビオチン化酵素とアビジンの結合物
とを反応させて得られた複合物中の酵素活性を測定する
方法(ABC法)。 標識剤としては、放射性同位元素、酵素あるいは蛍光物
質等を用いることができる。生体試料としては、血清、
血漿、尿あるいは組織、スメア細胞などあげることがで
きる。
【0013】本発明の方法により血中のSCC Ag1
を測定した結果、子宮頸部扁平上皮癌患者の血中のSC
C Ag1値は高値を示した。他の臓器由来の扁平上皮
癌においても高値を示すものが認められた。一方、子宮
頸部腺癌をはじめ婦人科良性疾患患者および正常婦人に
おける血中のSCC Ag1値は低値を示した。従っ
て、本発明による生体試料中のSCC Ag1の測定
は、子宮頸部扁平上皮癌の診断を簡便に行うことを可能
にするものであり、さらに子宮頸部扁平上皮癌の経過観
察、治療効果の判定に極めて有用である。また肺癌、食
道癌の扁平上皮癌の診断、経過観察、治療効果の判定に
も有用である。他のSCC Ag類、すなわちSCC
Ag2、SCC Ag3、SCC Ag4、SCC A
g5、SCC Ag6、SCC Ag7、SCC Ag
8、SCC Ag9、SCC Ag10、SCC Ag
11、SCC Ag12、SCC Ag13、及びSC
C Ag14についても同様の結果を得ることができ
る。
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるも
のではない。
【0014】実施例1. SCC Ag1 (1) SCC Ag1の精製 子宮頸部扁平上皮癌肝転移組織450gを細切、ホモゲ
ナイズして得た蛋白抽出液に硫安を加え、50%飽和と
し、塩析する。遠心分離して回収した上清にさらに硫安
を加え、90%飽和とし、塩析する。遠心分離して沈殿
を回収する。この沈殿をリン酸緩衝液に対して透析し、
遠心分離して得た上清を濾過し、この分画を硫安分画と
して得た。硫安分画を10mMのリン酸緩衝食塩水溶液
(pH7.4)で平衡化したセファデックスG−100
の5×90cmのカラムによりゲル濾過し溶出した第2
番目のピーク(図1、矢印で示す)を採取し、50mM
トリス塩酸緩衝液(pH8.3)にて透析した後、50
mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)で平衡化したDE
AE−セファロースの4.5×25cmのカラムのイオ
ン交換クロマトグラフィーにかけ、0〜0.2塩化ナト
リウムの塩濃度勾配溶出し、なだらかな第5番目のピー
ク(図2、矢印で示す)を採取し、50mM酢酸ナトリ
ウム緩衝液(pH5.5)にて透析した後、50mM酢
酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)で平衡化したCM−
セファロースの1.0×25.5cmのカラムにかけ、
0〜1.0塩化ナトリウムの塩濃度勾配溶出し、得られ
た最初の大きなピーク(図3、矢印で示す)を採取し、
50mMリン酸ナトリウム緩衝液および140mM塩化
ナトリウム(pH8.0)で平衡化したセファデックス
G−100の1.6×8.8cmのカラムを用いてゲル
濾過し、溶出した第2番目のピーク(図4、矢印で示
す)を回収して、純化されたSCC Ag1分画を得
た。
【0015】(2) SCC Ag1分画の等電点電気
泳動(IEF) 上記工程(1)で子宮頸部癌組織から純化されたSCC
Ag1分画の等電点電気泳動を行った。ゲルは5%ポ
リアクリルアミドゲル、6.3%キャリアアンフォライ
トpH3.5〜9.5(異なる等電点を持つ数種の化合
物の混合物で、電気を流すことによりゲル中にpH3.
5〜9.5のpH勾配を作製する)を用いた。電極溶液
は陽極:0.025Mアスパラギン酸、0.025Mグ
ルタミン酸、陰極:2.0Mエチレンジアミン、0.0
25Mアルギニン、0.025Mリジンを用いた。泳動
条件は、10W、1時間泳動、更に2000Vで1時間
泳動した。 (3) SDS−PAGE法によるSCC Ag1の分
子量の算出 上記工程(1)で得られたSCC Ag1と5%メルカ
プトエタノール、2%SDS、10%グリセロールを含
む62.5mMトリス塩酸緩衝液(pH6.8)とを
1:1の割合で混合し、95℃3分間処理したものをサ
ンプルとした。ゲルは、0.1%SDSを含むポリアク
リルアミドスラブゲルで、上層が濃縮ゲル(3.9%ポ
リアクリルアミド、0.125Mトリス塩酸緩衝液(p
H6.8))、下層が分離ゲル(10%ポリアクリルア
ミド、0.375Mトリス塩酸緩衝液(pH8.8))
である。電極溶液は、0.1%SDSを含む20mMト
リス/グリシンである。サンプルを濃縮ゲルの上端に作
製したウェルに入れ、上を陰極、下を陽極として電気泳
動を行った。濃縮ゲル中をサンプルが通過しているとき
は、15mAで、分離ゲルに入ってからは20mAに上
げた。この時ウマチトクロームC(分子量12,400
ダルトン)の1、2、3、4および6量体を同様に処理
し、分子量マーカとして別のウェルに入れ、サンプルと
同時に泳動する。泳動終了後、0.25%コマジーR2
50、9.2%酢酸、50%メタノール中で1時間ゆる
やかに振とうし、ついで染色し、蛋白質のバンド以外
は、9.2%酢酸、50%メタノール中で振とうしなが
ら脱色した。分子量マーカの各成分のRf値(蛋白質の
移動距離/泳動距離)を求め、こうして求めたRf値を
横軸に、各成分の分子量を縦軸(対数)にして回帰曲線
を作製した。またSCC Ag1のRf値を求め、回帰
曲線からその分子量を求めると、約45,000ダルト
ンであった(図10)。本実験を8回繰り返した。その
うち6回は約45,000ダルトンであることを示し、
他はそれぞれ45,500ダルトンおよび45,200
ダルトンであった。誤差範囲は0.4%であることか
ら、SCC Ag1の分子量は約45,000ダルトン
であるとした。
【0016】実施例2. 各SCC Agの精製 (1) セファロース4Bに抗SCC Ag1抗体を結
合させたアフィニテイーゲルの調製 3mlのセファロース4Bに15mlの0.3gのBr
CNを含有する溶液を加え、1NNaOH溶液を加えて
pHを10.5〜11.0に維持する。ゲルの活性化後
すぐに処理したゲルを150mlの冷0.1MNaHC
溶液で良く洗浄する。実施例3で得られた抗SCC
Ag1抗体8.4mg/6ml 0.1MNaHCO
溶液を活性化されたセファロース4Bに混合し、4℃
で一晩攪拌して結合させた。ゲルをブッフナー濾過器上
で150mlの0.1MNaHCO溶液および75m
lの0.9%NaCl溶液で良く洗浄する。次にゲルを
3mlの8M尿素溶液中に懸濁し、ブッフナー濾過器上
で150mlの8M尿素溶液および150mlの0.9
%NaCl溶液で良く洗浄する。こうして得られた抗S
CC Ag1抗体をゲル1ml当たり2.8ml含有す
るアフィニテイーゲルをカラム(0.7×7.8cm、
ベッド容量3ml)に詰めた。 (2) セファロース4Bに抗SCC Ag1抗体を結
合させたアフィニテイークロマトグラフィーによるSC
C Ag類の精製 子宮頸部扁平上皮癌肝転移組織320gを細切、ホモゲ
ナイズして得た蛋白抽出液に硫安を加え、50%飽和と
し、塩析する。遠心分離して回収した上清にさらに硫安
を加え、90%飽和とし、塩析する。遠心分離して沈殿
を回収する。この沈殿をリン酸緩衝液に対して透析し、
遠心分離して得た上清を濾過し、この分画を硫安分画と
して得た。硫安分画を10mMのリン酸緩衝食塩水溶液
(pH7.4)で平衡化したセファデックスG−100
の5×90cmのカラムによりゲル濾過し、溶出した第
2番目のピークを採取し、該分画をセファロース4Bに
抗SCC Ag1抗体を結合させたアフィニテイークロ
マトグラフィーに11ml/hrの流速でかけ、リン酸
緩衝食塩水溶液(PBS液、pH7.4)の40ml/
hrの流速で洗浄し、次に9mlの1MNaCl溶液で
洗浄し、280nmの吸光度を測定し0.01以下にな
ったら、0.1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH3.0)
を40ml/hrの流速で流し抗SCC Ag1抗体と
特異的に結合した成分を解離させ、回収した(図5、矢
印で示す)。50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)
にて透析したのち、50mMトリス塩酸緩衝液(pH
8.3)で平衡化したDEAE−セファロースの1×3
0cmのカラムのイオン交換クロマトグラフィーにか
け、0〜0.2M塩化ナトリウムの塩濃度勾配溶出し、
さらにこうして精製された蛋白質は等電点電気泳動(I
EF)法により14の成分に分けられ、それぞれSCC
Ag1、SCC Ag2、SCC Ag3、SCC
Ag4、SCC Ag5、SCC Ag6、SCC A
g7、SCC Ag8、SCC Ag9、SCC Ag
10、SCC Ag11、SCC Ag12、SCC
Ag13、及びSCC Ag14とされた。
【0017】(3) SCC Ag類の等電点電気泳動
(IEF) 上記工程(2)で子宮頸部癌組織から純化され、DEA
E−セファロースのイオン交換クロマトグラフイー精製
された蛋白質は、等電点電気泳動にかけられた。ゲル
は、5%ポリアクリルアミドゲルおよび6.3%キャリ
アアンフォライトpH3.5〜9.5を用いた。電極溶
液は陽極:0.025Mアスパラギン酸、0.025M
グルタミン酸、陰極:2.0Mエチレンジアミン、0.
025Mアルギニン、0.025Mリジンを用いた。泳
動条件は、10Wで1時間泳動、更に2000Vで1時
間泳動した。この時、等電点3.50〜9.30の11
種の蛋白質の混合物をマーカとして同時に泳動した。泳
動後、マーカの部分のゲルをナイフで切り取り、35%
エタノール、10%トリクロロ酢酸、3.5%5−スル
ホサリチル酸中で5分間インキュベートし、ゲル中から
キャリアアンフォライトを除き、次に35%エタノー
ル、10%酢酸中で5分間インキュベートし、ゲルから
トリクロロ酢酸と5−スルホサリチル酸を除いた。次に
0.5%コマジーブルーR250(蛋白質を染色す
る)、35%エタノール、10%酢酸中で5分間染色
し、次に35%エタノール、10%酢酸中で10分間イ
ンキュベートし、蛋白質のバンド以外の染色された部分
の脱色をした。この脱色操作を蛋白質のバンド以外の部
分が透明になるまで行ったのち、1%グリセロール、3
5%エタノール、10%酢酸中で5分間インキュベート
した。最後にゲルをガラス板上に置き、室温で一晩放置
し、乾燥させた。サンプルを泳動した部分のゲルは、1
0mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5) 上、下にガラス板を置き、その上に約300gの重りを
のせて、4℃一晩放置した。これにより垂直方向にゲル
からニトロセルロース膜上にサンプルの蛋白質バンドが
転写された。転写されたニトロセルロース膜を、500
倍に希釈した抗SCC Ag1血清(家兎の抗SCC
Ag1抗体含有抗血清)中で1時間インキュベートし、
次にHRPO標識化抗家兎IgG抗体中で2時間インキ
ュベートし、更に10.5mg/ml4−クロロ−1−
ナフトール(HRPOの基質)、0.015%H
、16.7%メタノールを含む20mMトリス塩
酸緩衝液(pH7.3)、0.5MNaCl溶液中で約
10分間反応させた。抗血清を介してニトロセルロース
膜上に転写されたSCC Ag類と結合したHRPO標
識化抗家兎IgG抗体のバンドが十分現れたところで、
ニトロセルロース膜を精製水で洗浄した。SCC Ag
類のバンドは14種類、すなわちSCC Ag1、SC
C Ag2、SCC Ag3、SCC Ag4、SCC
Ag5、SCC Ag6、SCC Ag7、SCC
Ag8、SCC Ag9、SCC Ag10、SCC
Ag11、SCC Ag12、SCC Ag13、及び
SCC Ag14が確認された(図12)。前期マーカ
の各泳動距離を横軸に、各マーカの等電点を縦軸にして
プロットし、pHの回帰曲線を作製した。この回帰曲線
とニトロセルロース膜上に転写され、抗血清を用いて検
出された各SCC Ag類のバンドの泳動距離から14
種類のSCC Ag1〜14の等電点を求めると、SC
C Ag1:6.62、SCC Ag2:6.55、S
CC Ag3:6.45、SCC Ag4:6.45、
SCC Ag5:6.23、SCC Ag6:6.1
5、SCC Ag7:5.90、SCC Ag8:5.
82、SCC Ag9:5.70、SCC Ag10:
5.64、SCC Ag11:5.60、SCC Ag
12:5.55、SCC Ag13:5.50、及びS
CC Ag14:5.44であった(図13)。各SC
C Ag類はそのゲルから分離されて得られる。 (4) SCC Ag類のグリコシダーゼ処理 等電点6.55を有するSCC Ag2を例にとりシア
リダーゼで処理し、PAGEでの移動度に変化があるか
ないかを調べた。蛋白質結合糖で、その等電点に関与が
あると考えられるのはシアル酸であるから、シアリダー
ゼで処理し、PAGEでの移動度に変化があるかないか
によりSCC Ag2に蛋白質結合糖シアル酸が存在す
るか否かをみた。シアリダーゼ処理は、蛋白質からシア
ル酸が存在すればそのすべてのシアル酸を遊離させる条
件を用いて行った。SCC Ag2:シアリダーゼ=1
0:1とし、37℃で4時間処理した。シアリダーゼが
働いていることを確認するため、シアル酸を5〜10分
子含むチロキシン結合グロブリンをコントロールとして
用いて同様にシアリダーゼ処理を行った。次にシアリダ
ーゼ処理前後のサンプルの比較をPAGEで行った。ゲ
ルは、7.5%ポリアクリルアミドゲルを用いた。泳動
条件は、濃縮ゲル(2.5%ポリアクリルアミド、80
mMトリス塩酸緩衝液(pH6.7))15mAで、分
離ゲル(7.5%ポリアクリルアミド、375mMトリ
ス塩酸緩衝液(pH8.9))20mAで行った。泳動
後の染色及び脱色はSDS−PAGEと同様にして行っ
た。結果、SCC Ag2ではシアリダーゼ処理の前後
で泳動距離に変化はなかった。コントロールとして用い
たチロキシン結合グロブリンでは、シアリダーゼ処理の
後、当電点が高くなり、泳動距離が短くなっておりシア
ル酸が遊離していることが認められる(図14)。SC
C Ag2の糖含有量は、0.3%以下であると認めら
れる。同様な結果は、他のSCC Ag類についても得
られた。
【0018】実施例3. 抗血清の作製 実施例1の工程(1)で得られたSCC Ag1溶液
0.3mlに生理食塩水19.6mlを加えた後、フロ
イント・コンプリートアジュバント20mlと共にエマ
ルジョンを作製した。このエマルジョン4mlを家兎に
皮内注射した。5回免疫後、10日目に全採血した。得
られた血清を、抗SCC Ag1抗血清とした。このも
のは実施例1の工程(1)で得られたSCC Ag1に
対して特異的に反応する抗血清であった。
【0019】実施例4. 扁平上皮癌関連抗原SCC
Ag1に対するモノクローナル抗体の作製 実施例1の工程(1)で得られたSCC Ag1溶液
0.2ml(50μg)にフロイント・コンプリートア
ジュバント0.2mlを加えた後、エマルジョンを調製
した。このエマルジョン0.4mlをBALB/Cマウ
スの腹腔に投与した。一ヵ月後SCC Ag1溶液0.
2ml(50μg含有)を尾静脈より静注した。3日後
屠殺し、脾臓を摘出し、得られた脾細胞1×10個と
マウスミエローマ細胞(P3U1株)2×10個とを
PEG50%存在下で細胞融合を行った。96ウェルプ
レート10枚に各0.15mlの融合細胞を播き、HA
T培地で2週間培養した後、培養上清中の抗体の検定を
行った。抗体陽性ウェルより限界希釈法によりクローニ
ングを行い、抗SCC Ag1抗体産生細胞(ハイブリ
ドーマ)株を選別した。得られたモノクローナル抗体産
生ハイブリドーマ細胞株1×10個を、予めプリスタ
ンを投与してあるBALB/Cマウスの腹腔に接種し、
2週間後に腹水を採取し、抗SCC Ag1モノクロー
ナル抗体を得た。こうして得られたモノクローナル抗体
はSCC Ag類に認められる複数のエピトープに対し
てそれぞれ共通した認識活性及び異なった認識活性を有
しており、例えば等電点6.62のSCC Ag1には
A〜Gのエピトープの存在が、等電点6.55〜6.0
のSCC Ag類混合物で主な成分が等電点6.55の
ものにはA〜1のエピトープの存在が、そして等電点
6.2〜5.44のSCCAg類混合物で主な成分が等
電点5.60のものにはA〜Jのエピトープの存在がモ
ノクローナル抗体を用いて推定され、また例えばモノク
ローナル抗体F、F及びFはエピト
ープAを認識し、モノクローナル抗体F及びF
はエピトープEを認識し、モノクローナル抗体F
、F、F21及びF31 はエピト
ープFを認識し、モノクローナル抗体F17はエピ
トープJを認識することが認められた。
【0020】実施例5.抗−家兎γ−グロブリン抗体
(第2抗体)の作製 家兎γ−グロブリン1mgを生理食塩水2mlに溶か
し、フロイント.コンプリートアジュバント2mlを加
え、エマルジョンを作製した。このエマルジョンを2週
間間隔でヤギに5回注射した。最後の注射の2週間後
に、全採血した。得られた血清を、抗−家兎γ−グロブ
リン(IgG)血清とした。
【0021】実施例6.SCC Ag1の125Iによ
る標識 Na125I 20μl、0.5Mリン酸緩衝液(pH
7.4)25μlに、実施例1の工程(1)で得られた
SCC Ag1溶液20μl(0.5μg/ml)を加
え、さらにクロラミンT(1mg/ml)25μlを加
えた。約15秒攪拌の後、約10秒間静置し、メタ重亜
硫酸ナトリウム(1mg/ml)100μlを加えて反
応を停止した。これに沃化カリウム(50mg/ml)
25μl、ブルーデキストラン(50mg/ml)25
μl、0.5%ウシ血清アルブミン液50μlを加え、
セファデックスG−25によるゲル濾過で遊離の125
Iを除去し、125I標識SCC Ag1を得た。
【0022】実施例7.SCC Ag1のラジオイムノ
アッセイ(二抗体法) SCC Ag1標準液100μlと血清検体100μl
はそれぞれ別々の試験管に入れる。試験管に125I標
識SCC Ag1液200μlを加える。さらに抗SC
C Ag1抗体液100μlを加え、混和し、10〜3
0℃で20〜30時間インキュベートする。インキュベ
ション終了後、試験管に抗−家兎γ−グロブリン抗体
(第2抗体)液0.5mlを加え、サンプルミキサーで
5〜10秒間攪拌し、反応液を十分に混和する。10〜
30℃で10分間インキュベートした後、3,000r
pmで20分間遠心分離する。遠心分離後、上清をデカ
ンテーションにて除去し、沈殿物の放射能量を測定す
る。標準SCC Ag1液の測定により得られた値より
作成された標準曲線(図6)より、検体中のSCC A
g1の量を読み取る。
【0023】実施例8.抗SCC Ag1抗体のHRP
による標識 ホースラディッシュパーオキシダーゼ(HRP)5mg
を0.3M重炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.1)1m
lに溶解した後、1%1−フルオロ−2,4−ジニトロ
ベンゼン(FDNB)のエタノール溶液0.1mlを加
え、室温で1時間反応させた。さらに0.06M過ヨウ
素酸ナトリウム液1mlを加え、室温で30分間反応さ
せた後、0.16Mエチレングリコール1mlを加え、
室温で1時間反応させた。次に、0.01M炭酸ナトリ
ウム緩衝液(pH9.5)に対して4℃で一夜透析した
のち、抗SCC Ag1抗体5mgを加え、室温で2時
間反応させた。さらに水素化硼素ナトリウム5mgを加
え、4℃で一夜放置し、0.01Mリン酸塩緩衝塩化ナ
トリウム液に対して4℃で一夜透析したのち、セファデ
ックスG−200によるゲル濾過をして、HRP標識抗
SCC Ag1抗体を得た。
【0024】実施例9.SCC Ag1のエンザイムイ
ムノアッセイ(サンドイッチ法) SCC Ag1標準液100μlと血清検体100μl
はそれぞれ別々の試験管に入れる。試験管に0.1Mホ
ウ酸緩衝液(0.5%BSAを含む)100μ1を入れ
る。この試験管に抗SCC Ag1抗体結合ビーズ1個
を入れ、室温にて3時間インキュベート後、反応液を除
去する。ビーズを生理食塩水にて洗浄後、HRP標識抗
SCC Ag1抗体液200μlを加え、室温にて3時
間インキュベートする。反応液を除去し、ビーズを生理
食塩水にて洗浄後、オルトフェニレンジアミン二塩酸塩
液300μlを加え、室温にて10分間インキュベート
する。インキュベション終了後、1N硫酸1mlを加え
酵素反応を停止させ、蒸留水をブランクとし、波長49
2nmで吸光度を測定する。標準SCC Ag1液の測
定により得られた値より作成された標準曲線(図7)よ
り、検体中のSCC Ag1の量を読み取る。
【0025】実施例10.抗SCC Ag1抗体の
125Iによる標識 シリコン処理した試験管に、1mCiのNa125
20μl、0.5Mリン酸緩衝液(pH7.5)25μ
lを加える。抗SCC Ag1抗体液50μlを加え、
さらにクロラミンT(3mg/ml)25μlを加え
た。約20〜30秒間良く振って反応させた後、メタ重
亜硫酸ナトリウム(3mg/ml)100μlを加えて
反応を停止した。これに沃化カリウム(50mg/m
l)25μl、ウシ血清アルブミン(5%)100μl
を加え、セファデックスG−25によるゲル濾過で遊離
125Iを除去し、125I標識抗SCC Ag1抗
体を得た。
【0026】実施例11.SCC Ag1のラジオイム
ノアッセイ(サンドイッチ法) SCC Ag1標準液100μlと血清検体100μl
はそれぞれ別々の試験管に入れる。試験管に0.1Mホ
ウ酸緩衝液(0.5%BSAを含む)100μlを入れ
る。この試験管に抗SCC Ag1抗体結合ビーズ1個
を入れ、室温にて3時間インキュベート後、反応液を除
去する。ビーズを生理食塩水にて3回洗浄後、125
標識抗SCC Ag1抗体液200μlを加え、室温に
て3時間インキュベートする。反応液を除去し、ビーズ
を生理食塩水にて3回洗浄後、ビーズをカウント用試験
管に移して放射能量を測定する。標準SCC Ag1液
の測定により得られた値より作成された標準曲線(図
8)より、検体中のSCC Ag1の量を読み取る。ま
た、抗SCC Ag1モノクローナル抗体を用いた測定
キットの場合、そのアッセイ感度はより優れたものであ
り、例えば0.07ng/ml〜0.12ng/mlの
範囲にあった。
【0027】実施例12.組織中のSCC Ag1の測
定(直接法) スライドガラス上に固定された標本に、HRP標識抗S
CC Ag1家兎抗体液を1滴(約20μl)滴下し、
ガラスキャピラリーを使って十分に攪拌した。室温にて
20分間反応させた後、リン酸緩衝食塩水(PBS液)
で洗浄し、さらに5分間づつ液を換えて、3回PBS液
中に浸し、未反応のHRP標識抗SCCAg1抗体を除
去した。対照試験としてHRP標識抗SCC Ag1抗
体のかわりにHRP標識正常家兎血清を用いて同様の操
作を行い非特異的な反応の有無を確認した。抗原抗体反
応を終えたスライドガラスを3,3′−ジアミノベンチ
ジン・過酸化水素発色液(DAB・H溶液)中に
浸し、室温にて10分間反応させた後、4℃に冷却した
PBS液中に移して反応を停止させPBS液で数回洗浄
した。洗浄したスライドガラスをエタノール系列(70
%〜100%)で脱水し、キシロールにて透徹した後、
封入剤(カナダバルサム)にて封入処理し、光学顕微鏡
にて検鏡した。
【0028】実施例13.組織中のSCC Ag1の測
定(間接法) スライドガラス上に固定された標本に、抗SCC Ag
1家兎抗体液を1滴(約20μl)滴下し、ガラスキャ
ピラリーを使って十分に攪拌した。室温にて20分間反
応させた後、PBS液で洗浄し、さらに5分間づつ3回
液を換えてPBS液中に浸し、未反応の抗SCC Ag
1抗体を除去した。余分なPBS液を拭い取りHRP標
識抗家兎IgG山羊抗体液を1滴(約20μl)滴下
し、ガラスキャピラリーを使って十分に攪拌し、室温に
て20分間反応させた後、PBS液で洗浄し、さらに5
分間づつ3回液を換えてPBS液中に浸し、未反応のH
RP標識抗家兎IgG山羊抗体を除去した。対照試験と
して抗SCC Ag1家兎抗体液のかわりに正常家兎血
清を用いて同様の操作を行い非特異的な反応の有無を確
認した。洗浄したスライドガラスをエタノール系列(7
0%〜100%)で脱水し、キシロールにて透徹した
後、封入剤(カナダバルサム)にて封入処理し、光学顕
微鏡にて検鏡した。健常人及び種々の疾患患者における
血中のSCC Ag1を測定した結果を図9に示した。
図9からも明らかなように子宮頸部の扁平上皮癌におい
て、ほとんどの検体が高値を示したのに対して、良性・
悪性を問わず他の疾患及び健常人においては血清SCC
Ag1は低値であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】SCC Ag類の精製における硫安分画のセフ
ァデックスG−100によるゲル濾過のチャートを示す
ものであり、第2番目のピーク中にSCC Ag類が含
有されている。
【図2】SCC Ag1の精製におけるDEAEセファ
ロースイオン交換クロマトグラフィーのチャートを示す
ものであり、SCC Ag1はなだらかな第5番目のピ
ーク中に含有されている。
【図3】SCC Ag1の精製におけるCM−セファロ
ースイオン交換クロマトグラフィーのチャートを示すも
のである。
【図4】SCC Ag1の精製の最終段階におけるセフ
ァデックスG−100によるゲル濾過のチャートを示す
ものである。
【図5】セファロース4Bに抗SCC Ag1抗体を結
合させたアフィニテイークロマトグラフィーのチャート
を示すものである。
【図6】ラジオイムノアッセイ(二抗体法)によるSC
C Ag1の測定に用いた標準曲線である。
【図7】エンザイムイムノアッセイ(サンドイッチ法)
によるSCC Ag1の測定に用いた標準曲線である。
【図8】ラジオイムノアッセイ(サンドイッチ法)によ
るSCC Ag1の測定に用いた標準曲線である。
【図9】ラジオイムノアッセイ(二抗体法)により測定
した種々の疾患患者における血中のSCC Ag1値を
示している。
【図10】SCC Ag1及び分子量マーカ(ウマチト
クロームCの1、2、3、4および6量体)のSDS−
PAGEの結果を示す。
【図11】SCC Ag1の分子量測定に用いた回帰曲
線を示す。
【図12】SCC Ag類及び等電点3.50〜9.3
0の11種の蛋白質のIEFの結果を示す。
【図13】SCC Ag類の等電点測定に用いたIEF
の回帰曲線を示す。
【図14】SCC Ag2及びチロキシン結合グロブリ
ンのシアリダーゼ処理並びに未処理物のPAGEの結果
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 D 8310−2J 33/574 A 9015−2J (72)発明者 池田 勲夫 千葉県松戸市高柳1588−37 (72)発明者 倉田 邦夫 千葉県松戸市常盤平双葉町9−1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウムドデシルサルフェート−ポリ
    アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)法で測定した
    とき、約45,000の分子量を示し、等電点電気泳動
    (IEF)法で約6.62の等電点を示し、かつ下記の
    アミノ酸組成(精度:±10%) 【表1】 を有し、免疫学的に抗原性を有する蛋白質であり、ヒト
    扁平上皮癌組織あるいはその転移巣から抽出・単離せし
    められた精製扁平上皮癌関連抗原SCC Ag1または
    該扁平上皮癌関連抗原SCC Ag1と共通の抗原性を
    示しかつSDS−PAGEで測定したとき、約45,0
    00の分子量を示し、IEFで下記の等電点 【表2】 を有する蛋白質であり、ヒト扁平上皮癌組織あるいはそ
    の転移巣から抽出・単離せしめられた精製扁平上皮癌関
    連抗原SCC Ag2、SCC Ag3、SCCAg
    4、SCC Ag5、SCC Ag6、SCC Ag
    7、SCC Ag8、SCC Ag9、SCC Ag1
    0、SCC Ag11、SCC Ag12、SCC A
    g13、あるいはSCC Ag14。
  2. 【請求項2】 ナトリウムドデシルサルフェート−ポリ
    アミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)法で測定した
    とき、約45,000の分子量を示し、等電点電気泳動
    (IEF)法で約6.62の等電点を示し、かつ下記の
    アミノ酸組成(精度:±10%) 【表3】 を有し、免疫学的に抗原性を有する蛋白質であり、ヒト
    扁平上皮癌組織あるいはその転移巣から抽出・単離せし
    められた精製扁平上皮癌関連抗原SCC Ag1または
    該扁平上皮癌関連抗原SCC Ag1と共通の抗原性を
    示しかつSDS−PAGEで測定したとき、約45,0
    00の分子量を示し、IEFで下記の等電点 【表4】 を有する蛋白質であり、ヒト扁平上皮癌組織あるいはそ
    の転移巣から抽出・単離せしめられた精製扁平上皮癌関
    連抗原SCC Ag2、SCC Ag3、SCCAg
    4、SCC Ag5、SCC Ag6、SCC Ag
    7、SCC Ag8、SCC Ag9、SCC Ag1
    0、SCC Ag11、SCC Ag12、SCC A
    g13、あるいはSCC Ag14、またはその扁平上
    皮癌関連抗原を標識剤で標識した標識抗原からなること
    を特徴とする扁平上皮癌関連抗原の免疫学的測定用試
    薬。
JP3107693A 1993-01-08 1993-01-08 扁平上皮癌関連抗原及びその免疫学的利用方法 Expired - Lifetime JPH0699480B2 (ja)

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