JPH06100592B2 - 多孔質担体マトリックスを有するイオン試験具及びその製造方法 - Google Patents

多孔質担体マトリックスを有するイオン試験具及びその製造方法

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JPH06100592B2
JPH06100592B2 JP60031704A JP3170485A JPH06100592B2 JP H06100592 B2 JPH06100592 B2 JP H06100592B2 JP 60031704 A JP60031704 A JP 60031704A JP 3170485 A JP3170485 A JP 3170485A JP H06100592 B2 JPH06100592 B2 JP H06100592B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はイオン、特に水溶液中のイオンの測定、及びそ
のような測定を実施するための試験具に関する。本発明
は、試料溶液を単に試験具と接触させさえすれば直ちに
分析者がその結果を入手できるような、迅速かつ簡便
な、イオンの試験法を提供する。イオン選択性電極、炎
光(フレーム)光度計、原子吸光分光光度計のような煩
雑な、しかも高価な電子装置を必要としない。滴定及び
他の実験室的操作のような時間を要する湿式化学手法に
頼る必要もない。本発明によれば、分析者は試料を細片
試験具又は同様の試験具と単に接触させ、次いで検出可
能な応答を観察することができる。
水性イオン濃度の測定は多くの技術に応用できる。水の
精製技術においては、イオン交換樹脂を用いた脱イオン
剤の飽和度を試験するために、カルシウム濃度を注意深
く監視しなければならない。海上の船舶での飲料水の製
造においては、海水中のナトリウムイオン又は他のイオ
ンの測定は重要である。血中のカリウム濃度の測定は、
心筋機能における筋肉の興奮性及び刺激的変化に至る症
状の診断において医師を助ける。このような症状として
は、ショックによる、尿量過少症、無尿症、尿障害及び
腎臓障害が挙げられる。血中のリチウム濃度の測定は、
その毒性発現量が精神病の治療において用いられる治療
有効量よりもほんのわずかに高いだけであるため、特に
重要である。
いうまでもなく、イオン濃度の迅速かつ簡便な測定法
は、上述の技術水準のみならず、このような迅速かつ正
確な測定が有益である他の場合の技術水準をも同様に、
大幅に高めることであろう。
従つて、例えば、もし医学研究室の技術者が血清または
全血試料のナトリウム、リチウム、カリウムもしくはカ
ルシウムイオン濃度を数秒又は数分で正確に測定するこ
とができれば、このような迅速な結果が診断を行う医師
を助け、しかも研究室での効率を何倍も高めることにな
るであろう。
〔発明の背景〕
溶液中のイオンの従来の測定法は炎光光度法、原子吸光
分光光度法、イオン選択性電極及び試験片型式のものを
含んでいた。あるイオンを試料溶液から選択的に単離す
る、ある化合物及び組成物を用いることがイオン選択性
電極においては一般化してきている。イオノフォアとし
て知られるこれらの物質は、イオンを、それらの反応イ
オンから選択的に単離する能力を有し、これによりイオ
ノフォアを含有する相において、電荷分離そして、それ
に相当する電気伝導率の変化を引起す。イオン/イオノ
フォア現象の実例としては膜電極、液体/液体分配及び
螢光を利用するイオン試験がある。
イオン選択性電極 異なるイオン濃度を有する二つの溶液を導電性膜で分離
すると、電位(EMF)が生じる。このような系により生
じるEMFは濃度、すなわちイオン活量の関数である。こ
の現象は数学的には周知のネルンストの等式(Nernst E
quation) 〔式中、εは特定の系のEMFであり、Fはファラデーの
定数〔23,062.4±0.003カロリー(ボルト当量)-1〕で
あり、Rは気体定数であり、Tは温度(℃)であり、In
は自然対数であり、γ及びcはそれぞれ試験下のイオン
の活量係数及びモル濃度であり、右下の添字1は膜の一
方の側の溶液を表わし、右下の添字2は他方の側の溶液
を表わし、nは反応中に移行した電子数である〕 により表わされる。
このような膜分離型電池においては、膜は、わずかでは
あるが、しかし、測定可能な程度のイオンが一方の溶液
から他方の溶液へ拡散できる簡単なフリットガラスバリ
ア(障害壁)であつてもよい。あるいはポリ塩化ビニル
のような非多孔性で非導電性のフィルムにイオノフォア
を含浸したものを用いてもよい。イオノフォアが存在し
ない場合、フィルム絶縁体であり、EMFを測定すること
はできない;ところが、イオノフォアを混練すると、電
荷イオンがフイルムに引き寄せられ、弱いながらも測定
可能な電流を誘起することができる。イオノフォアはそ
の親和力が選択的であり、従つて、ある特定のイオンの
みと結合するので、このような電池はイオン選択性があ
る。測定可能ないかなるEMFも、これらのイオンの存在
だけに依る。
かくして、カリウムイオン(K+)を測定するための電池
はK+に対して特異的なイオノフォア、例えば、バリノマ
イシンを使用して製造することができる。カリウムが存
在すると、バリノマイシンは、K+と結合し、かつ運搬す
ることにより膜を横切る伝導路を生じさせ、従つて微少
電流を流れさせる。対照濃度のK+溶液を膜の一方側に入
れ、試験試料を他方側に入れる。生じたEMFを測定し、
等式(I)から未知濃度を算出するのに用いる。K+が、
バリノマイシン膜と結合するので伝導路はK+に対しての
み現われる。従つて、生じたEMFはもつぱら、K+の膜を
横切る濃度勾配のみに起因する。
膜を横切つて流れる電流は極めて少ないので、有意量の
K+イオン又は反対イオンは膜を通過して運搬されない。
膜の電気的中性は、水素イオンの反対方向への流れによ
つても、あるいは、OH-イオンの平行な流れによつても
維持される。この陰イオン効果は、目標イオンに対す
る、電極の特異性を減少させることがあり、最少にすべ
き障害である。
このようなイオン選択性電極を使用するに当つての主な
難点は、時間の経過につれて、応答の精度及び速度が著
しく低下することである。更に、イオン濃度の微小変化
がEMFのごく微小な変化をおこすだけなので、精緻な電
圧計を必要とする。
バリノマイシンのようなある種の抗生物質は、リン脂質
二重層膜(生物学的膜)の電気的性質に影響を与える
が、これらの抗生物質は、可動性電荷対の形で、陽イオ
ンを膜内で可溶化し、そのため、「担体」機構により、
陽イオンが膜内部の絶縁性炭化水素を横切ることができ
るということが知られている。かかるコンプレックス
(complex)は、膜を通してコンプレックスの電荷を運
ぶという目的のみを有し、そのため、膜の両側の液体間
の電位差を測定することができる。
1966年8月9日に出願されたスイス特許出願第11428/66
号は、イオン感知性電極に、アミノ酸及びオキシ酸の巨
大環式誘導体を含浸した多孔性膜を用いることについて
述べている。この膜を形成するのに用いる材料はガラス
フリット及び他の多孔性膜である。このような電極はイ
オン活量の測定に効果的であるといわれている。
ハンブレン(Hamblen)等に付与された米国特許第4,05
3,381号は同様の技術を開示しており、膜を横切るイオ
ン可動性を有するイオン選択性膜を利用している。
サイモン(Simon)等に付与された米国特許第3,957,607
号は膜を有する電極を利用した陽イオン類の電気化学的
測定方法を開示しており、この膜は陽イオン類と迅速に
可溶化し得るコンプレックスを形成することが可能な中
性イオノフォアを含有している。
液体/液体−分配 イオン測定におけるイオノフォアの別の公知の応用とし
ては、液体/液体分配を用いるものがある。この操作に
おいては、水と混和しない有機溶媒に疎水性イオノフォ
アを溶解する。ジェー・メンブラン・ビオル(J.Membra
ne Biol.)1:294−345(1969)において、アイゼマン
(Eiseman)等はマクロテトラリド・アクチン抗生物質
を用いる、水溶液から有機溶媒への陽イオンの選択的抽
出について開示している。この技法は、抗生物質を含有
する有機溶媒相を、ピクリン酸塩及びジニトロフェノー
ル塩のような脂溶性の着色した陰イオンの陽イオン性塩
を含有する水溶液と共に単に振とうすることからなる。
有機相の着色の強度を次に分光光度計を用いて測定する
と、どれだけの塩が抽出されたかが示される。相移動も
またディックス(Dix)等,アンギュー・ケム・イント
・エド・イングル(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.)17:857
(1978)により、並びにブルゲルマイスタ(Burgermeis
ter)等,トップ・キュア・ケム(Top.Curr.Chem.)69:
91(1977);ユー(Yu)等,メンブラン・アクティブ・
コンプレキソンズ“Membrane Active Complexones"エル
セビア、アムステルダム{Elsevier,Amsterdam}(197
4);及びダンカン(Duncan)カルシウム・イン・バイ
オロジカル・システムス“Calcium in Biological Syst
ems."ケンブリッジ・ユニヴァーシティ・プレス(Cambr
idge University Press)(1976)をはじめとする文献
において研究されている。
スミヨシ等、Talanta,24,763−765(1977)は、血清中
のK+を測定するのに有用な別の方法を述べている。この
技法においては、血清はトリクロロ酢酸により除蛋白
し、指示薬染料を添加し、次いでバリノマイシンを含有
するクロロホルムのような溶媒と振とうする。
アイゼマン(Eiseman)により示されたように、化合物
の分配は液体間で迅速かつ効果的に行われるが、これは
被運搬種を界面から離して迅速に拡散させることができ
る、イオノフォア担体とイオンの可動性のためである。
このような機構は固相においては通常不可能であるが、
これは、固相においては、物質が固定され、かつ非可動
性で、さらには実質的にその拡散が皆無であるためであ
る。
螢光性陰イオン 水溶液中のイオン活量の測定のための更に別のアプロー
チとしては螢光性陰イオンを利用するものがある〔フェ
インスタイン(Feinstein)等,プロク・ナト・アカド
・サイ・ユ・エス・エイ(Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.
A.)、68,2037−2041(1974)〕。有機溶媒中に陽イオ
ン/イオノフォアコンプレックスが存在することは知ら
れているが、純粋な水性媒体中でそのコンプレックスの
生成は今まで検出されていないと述べている。フェイン
スタイン(Feinstein)等は、水中におけるこのような
コンプレックスの存在を、螢光性塩、1−アニリノ−8
−ナフタレンスルホン酸塩及び2−p−トルイジンスル
ホン酸塩を用いて実証した。
イオノフォア/陽イオンコンプレックスと螢光性染料と
の相互反応により、螢光発光の増大、寿命及び分極の増
加、並びに螢光スペクトルの発光極大における有意のブ
ルーシフト(低波長側シフト)がもたらされることが判
明した。イオノフォア及び螢光性物質の濃度が一定の場
合、螢光発光強度は陽イオン濃度の関数であることが判
明した。
発色団−標識化イオノフォア 発色団物質に共有結合で結合したイオノフォアの複合体
を利用するイオン試験が米国特許第4,367,072号に開示
されている。使用に当つては、この複合体を液体試料に
添加し、溶液に発現する色を分光光度計を用いて監視す
る。
この開示は溶液試験に限定されており、直接の目視観察
を可能にするには不十分な色しか発現しないようであ
る。更に、このような系においては、これらの分子間の
直接結合のために、イオノフォアに対する発色団の化学
量的な比は一定である。この直接結合の故に、色強度を
調節することは不可能である。すなわち、発色団に対す
るイオノフォアの比は一定である。
試験片型式 米国特許出願第493,969号は、イオノフォアが包含され
た非多孔質担体マトリックスに関するものである。担体
には更にリポータ物質が包含されていてもよく、あるい
は、リポータ物質が試料中に添加されていてもよい。イ
オノフォア(及びリポータ物質)はフィルムのような非
多孔質担体マトリックスに包含されている。本発明は非
多孔質担体マトリックスを包含しておらず;逆に担体マ
トリックスは必ず多孔質のものでなければならない。
米国特許出願第493,983号は、同様に、イオノフォア及
びリポータ物質が包含された非多孔質担体マトリックス
に関する。従つて、先の段落で説明したのと同様に、そ
の開示は本発明とは異なつている。
米国特許出願第493,982号は疎水性ビヒクルの微小球が
包含された親水性担体マトリックスに関する。この微小
球には、イオノフォア及びリポータ物質が含まれてい
る。それらは疎水性混合物及び水とゼラチンのような親
水性ポリマーとの混合物のエマルジョンを調製すること
により得られる。エマルジョンは、次いで、支持部材上
に塗布され、水を蒸発させると、親水性ポリマー及び微
小球が残留する。エマルジョンが紙に塗布され、蒸発さ
れると、その担体を支持体に固着させることができる。
いずれにしても、試験手段は、親水性ビヒクルマトリッ
クス中に、イオノフォア及びリポータ物質を含有した疎
水性ビヒクルの微小球を含む。本発明は、イオノフォア
及びリポータ物質が均一な疎水性組成物として直接に多
孔質担体マトリックス中に包含されている点で米国特許
出願第493,982号の開示とは異なつている。すなわち、
本発明ではエマルジョンは関係がないからである。
要約 本発明に至るまでの技術上の発展の背景を要約すれば、
溶液中のイオンを試験するための多くの方法が知られて
いる。機器を用いる方法としては、イオン選択性電位差
測定、炎光光度法及び原子吸光光度法のような複雑な技
法が挙げられる。特定イオンと選択的にコンプレックス
を形成するイオンフォアを使用することにより5つの基
本的アプローチが導かれている。すなわち、イオノ選択
性電極、液体/液体分配、螢光の増大、発色団−標識化
イオノフォア複合体及び試験細片(テスト・ストリッ
プ)である。
従来の試験用具とは異なり、本発明は、均一な疎水性組
成物を多孔質担体マトリックスに包含せしめることによ
つて、安定な一体の試験具を提供するものである。
〔発明の概要〕
本発明の特質は、水性試料中のイオンの存在の検出及び
その濃度測定のための新規な試験具の発見に存する。こ
の試験具は、a)3種の基本的な成分:すなわち、イオ
ンとコンプレックスを形成することができるイオノフォ
ア、疎水性ビヒクル、及びイオノフォアとイオンとのコ
ンプレックスと相互反応して検出可能な応答を示すこと
ができるリポータ物質からなる均一な疎水性混合物;及
びb)pHを約5〜10の範囲内に調整することができる緩
衝性物質を実質的に均一に包含した多孔質担体マトリッ
クスからなることを特徴とする。
試験具は、細長い支持部材の一方の平坦な上面に固着さ
れた試験具からなる。
使用に際しては、水性試料を試験具に接触させる。試料
中のイオンの存在及び/又は濃度を、次いで、発生した
何らかの検出可能な応答を観察することにより測定す
る。
本発明の試験具によれば、迅速に結果が得られ、しかも
ほとんどの場合、少くとも数分で十分に検出可能な応答
が現われる。
定義 次の定義は、本発明の範囲を明らかにし、その調製及び
使用を可能にするためのものである。
1. 用語「イオノフォア」は、いくつかの場合におい
て、他のイオンを実質的に排除して、特定のイオンとコ
ンプレックスを形成することが可能な分子を含む。例え
ば、環状ポリエーテルである2,3−ナフト−1,4,7,10,13
−ペンタオキサシクロペンタデカ−2−エン(しばい
ば、2,3−ナフト−15−クラウン−5−として知られて
いるが、ここではカリウムイオノフォアIと称する)
は、溶液中で選択的にカリウムイオンと結合し、陽イオ
ン性コンプレックスを形成する。なお、この用語には、
コロナンド類、クリプタンド類及びポダンド類が含まれ
る。
2. 「リポータ物質」は、イオノフォアが測定されるべ
き特定のイオンと複合体を形成するとき、この形成され
たイオノフォア/イオンコンプレックスと相互反応し
て、色の変化のような検出可能な応答を示すことができ
る物質である。従つて、このリポータは、イオノフォア
/イオンコンプレックスと相互反応してリポータからプ
ロトンを奪い、荷電するようになつて、電子分布に変化
をもたらすことができる染料であつてもよい。電子分布
の変化によつて検出可能な応答が得られる。用語「リポ
ータ物質」にはp−ニトロフェノールのようなフェノー
ル性化合物(この化合物は非イオン化状態では比較的無
色であるが、イオ化すると呈色する)及び螢光性化合物
(この化合物は電子分布の変化によつて多少螢光を発す
る)が含まれる。リポータ物質はまた、他の成分と共に
検出可能な応答を発することができる物質であつてもよ
い。例えば、コンプレツクスと相互反応することによつ
てリポータ物質の電子分布に変化が生じると、もう1つ
の成分とリポータとの相互反応が促進され、次に、検出
可能な応答が示される。
3. 「相互反応」とは、検出可能な応答をもたらす、リ
ポータ物質とイオノフォア/イオンコンプレックスとの
間の相互作用を意味する。
4. 用語「検出可能な応答」とは、ここでは、直接観察
又は計器を用いて感知されうる、試験手段系におけるパ
ラメータの変化又は発現として意味づけられ、水性試料
中の特定のイオンの存在の関数である。いくつかの検知
可能な応答としては、色、螢光、反射率、pH、化学ルミ
ネセンス及び赤外スペクトルの変化又は発現である。
5. ここで用いられる用語「中級アルキル(intermedia
te alkyl)」とは、約5から約15個の炭素原子を有する
アルキル基を意味する。このアルキル基は直鎖及び分枝
の異性体を含み、非置換でもよいが、また置換が、本発
明により特許請求されている試験具の操作を、そのイオ
ン検出能において妨害することがないならば、置換され
ていてもよい。
6. 本開示において用いられる用語「低級アルキル」と
は、約1〜4の炭素原子を含有するアルキル部分として
意味づけられる。低級アルキルの意味には、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec
−ブチル及びtert−ブチルが含まれる。これらは、非置
換でもよく、また置換が、本発明により特許請求されて
いる試験手段又は試験具の操作もしくは機能性を、その
イオン検出能において妨害することがないならば、置換
されていてもよい。
7. 「擬ハロゲン」とは、ハロゲン類と類似した様式
で、不飽和又は芳香族環系に結合した際、この環系の求
電子性又は求核性に影響を及ぼすか、及び/又は非局在
化もしくは共鳴によつて電荷分布に影響を与える原子又
は原子群を意味する。従つて、ハロゲン、F、Cl、Br及
びIのような第VII族の原子を意味するが、擬ハロゲン
類は−CN,−SCN,−OCN,−N3,−COR,−COOR,−CONHR,−C
F3,−CCl3,−NO2,−SO2CF3,−SO2CH3,−SO2C6H5,−SO2C
6H4CH3,−SOC6H5及び−SOCF3(式中、Rはアルキル又は
アリールである)のような基を包含する。
8. ここで用いられる用語「多孔質」とは、イオノフォ
ア及びリポータ物質を含有する疎水性組成物に水性試料
を容易に到達せしめる、担体マトリツクス中の隙間が利
用可能である性質をいう。例えば、紙は、たとえ均一な
疎水性組成物及び緩衝性物質が包含され、乾燥された後
であつても、開放格子構造を保持している多孔質担体マ
トリックスである。この二回に亘つて乾燥包含された紙
と接触させた場合、水性試料は迅速にその開放状の網状
組織中に流入する。疎水性組成物と水性試料との接触面
積は、従つて極めて広い。
9. 「均一」とは、どのように任意に選択された部分で
あつても各組成物成分を同量含んでいるような、全体に
亘つて均一に組成物が分布していることを意味する。
10. 均一な疎水性組成物は、意識的ないかなる不連続
部分も存在することなく、多孔質担体マトリックス中に
包含されている。しかしながら、マトリックスの多孔質
たる性質は、たとえ包含後であつても保持されている。
従つて、用語「実質的に均一」は、マトリックスが乾燥
後においても、水性試料が試験具との接触時に流入する
隙間を保持しているという事実を確認した上で使用され
る。
試験具 本試験具は3つの基本的要素からなる。すなわち、
(a)多孔質担体マトリックス;(b)イオノフォア、
疎水性ビヒクル及びリポータ物質を含む、均一な疎水性
組成物;及び(c)緩衝性物質である。水性試料が、イ
オノフォアとコンプレックスを形成することができるイ
オンを含有する場合は、該イオンは均一な疎水性組成物
中に含まれるイオノフォアと相互反応してイオノフォア
/イオンコンプレックスを形成し、次いでリポータ物質
と相互反応して検出可能な応答を示すことができる。多
孔質担体マトリックスに直接包含されている緩衝性物質
は、イオノフォア/イオンコンプレックスがリポータ物
質と相互反応するのに適切なpHを与える。試験具には緩
衝剤が包含されているので、pHを調整するための試験試
料の操作が不要となる。
妨害排除系及び潤滑性物質を、試験具に加えることがで
きる。安定剤、保存剤、増粘剤〔例えば、ポリビニルメ
チルエーテル(ニューヨーク州、ニューヨーク市のGAF
社からガントレッズ Gantrez として市販)ポリスチレ
ンスルホン酸又はアガロース〕、光化学安定剤等をはじ
めとする他の成分も加えることができるが、但しそれら
は検出可能な応答の生起を妨害するものであつてはなら
ない。本開示からすれば、そのような成分の選択は当業
者にとつて十分可能である。疎水性組成物に加えられた
いかなる成分も、その本質的な均一かつ疎水性の性質を
変えてはならない。更に、担体マトリックスは、すべて
の成分が包含・乾燥された後も、その多孔質生を保持し
ていなければならない。
本発明の組成物は、様々な方法によつて担体マトリツク
スに包含せしめることができる。各成分はここに記載さ
れた適切な溶媒又は混合溶媒に溶解してもよい。このよ
うな溶媒は、担体マトリックスに含浸させるために用い
てもよく、あるいは、試薬を適切なマトリックス上に印
刷する際のインキとして用いてもよいが、例えばドクタ
ーブレードにより担体マトリックスを該組成物で被覆し
てもよい。好ましい方法は、後述する一般的な操作法1
に記載されている。
1. 担体マトリックス 均一な疎水生組成物が包含されている担体マトリックス
は、乾燥後においても、水性試料が容易に移動すること
が可能な実質的な開口が存在するように、疎水相を担持
できなければならない。すなわち多孔質でなければなら
ない。
適切な物質としては、紙、木、その他のセルロース系、
焼結セラミックフリット及び多孔質高分子材料が挙げら
れるが、但しマトリックスの寸法安定性(dimentional
integrity)は疎水性組成物が包含されている場合及び
水性試料との次の接触時に保持されていることが必要で
ある。更に、担体マトリックスは、検出可能な応答の発
現を妨害するような、疎水性組成物と相互反応するもの
であつてはならない。
好ましい担体マトリックスは紙である。例えば、ろ紙は
均一な疎水性組成物を包含せしめて乾燥することができ
る。紙には、また緩衝性物質を包含せしめることができ
る。試験具を水性試料と接触させた場合、イオンは紙の
開放格子に流入して、容易に疎水相に到達することがで
きる。緩衝剤は試験具に直接包含されているので、紙の
pHを調整するために試料を希釈することは不要である。
2. 疎水性ビヒクル 疎水性ビヒクルの第一の機能は、試験試薬の検出可能な
応答を増大せしめることにある。従つて、ビヒクルは液
体でも固体であつてもよいが、均一な疎水性組成物中に
おいて、イオノフォア/イオンコンプレックスとリポー
タ物質とが共存し得る能力を高めることが必要である。
イオノフォア/イオンコンプレックスとリポータ物質と
の相互反応を妨害しないビヒクルを選択することに注意
が向けられなければならない。
疎水性ビヒクルとして有用な物質には、塩基性の(basi
c)な溶液に不溶で、かつイオノフォア及びリポータ物
質を溶解することができる液体が含まれる。好ましく
は、それらは比較的非揮発性であり、すなわち、少なく
とも約150℃、理想的には少なくとも約200℃の沸点を有
するものである。ビヒクルは通常酸素供与体であつて、
エーテル、エステル、アミド等又はそれらの組合せのよ
うな官能基を有している。
このカテゴリーに入る典型的な液体としては、トリクレ
ジルホスフェート、ジオクチルフタレート、トリム−2
−エチルヘキシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシ
ルセバケート、n−ブチルアセチルリシノレート及びニ
トロフェニルエーテル類(例えば、2−ニトロフェニル
オクチルエーテル、2−ニトロフェニルブチルエーテ
ル、ジベンジルエーテル及びo−ニトロフェニル−2−
(1,3,3)−トリメチルブチル−5,7,7−トリエチル・オ
クチルエーテル)がある。これらの液体の混合物も使用
可能である。有用な固体としては、シス−N,N,N′,N′
−テトライソブチル−1,2−シクロヘキサンジカルボキ
サミド及び−N,N′−ジエチルエーテル−N,N′−ジヘプ
チル−5,5′−ジメチル−3,7−ジオキサノナンジアミド
が含まれる。
均一な疎水性組成物中において、ある化合物はイオノフ
ォア及び疎水性ビヒクルとして作用することができる。
例えば、シス−N,N,N′,N′−テトライソブチル−1,2′
−シクロヘキサンジカルボキサミド(ここでは、CDAと
呼ぶ): は、本来、疎水性ビヒクルとして、リチウムイオン試験
用の配合物に用いられていた。その後、CDAは単独でイ
オノフォア及び疎水性ビヒクルとして機能することが見
出された。
3. イオノフォア 本発明のイオノフォア要素は、前述の用語の定義の項目
1によつて特定したように、範囲の広い概念である。そ
の環状鎖中に供与性原子を含有する多座環式化合物を含
む。このような多座環式化合物は単環式でも多環式であ
つてもよい。また、このイオノフォアは供与性原子を含
有する閉鎖であつてもよい。従つて、イオノフォア要素
には、コロナンド類と呼ばれるイオン特異性の単環式系
クリプタンド類として知られる多環式のイオン特異性化
合物、及びポダンド類として知られる閉鎖構造体が含ま
れ、それらは、イオンと選択的にコンプレックスを形成
することができる。
1)コロナンド類 コロナンド類は単環式化合物であり、電子が豊富な又は
電子が欠乏した状態の供与性原子を含み、それの特異構
造の故に、特定の陽イオン及び陰イオンとコンプレック
スを形成することができる。
この用語には、その単環鎖が供与性原子として酸素を含
むクラウンエーテル類が含まれる。他のコロナンド類
は、酸素、硫黄及び窒素のような電子が豊富な原子の組
合せを含有する化合物である。特定のコロナンド類の特
異な大きさ及び幾何学性の故に、コロナンド類は種々の
イオンとのコンプレックス形成に適用される。このよう
なコンプレックス形成においては、クラウンエーテル中
の酸素のように、電子の豊富な原子は電子が欠乏してい
る陽イオンに向つて配向する。原子鎖の炭素原子セグメ
ントは同時にイオンから外側方向へ突出する。かくして
得られたコロナンド類/イオンコンプレックスはその中
央では荷電しているが、その周辺では疎水性である。
2)クリプタンド類 クリプタンド類はコロナンド類の多環式類縁体である。
従つて、それらは二環式及び三環式多座化合物を含む。
供与性原子の環状配置は、コロナンドの実質的に平面的
な配置とは反対に、空間内の三次元である。クリプタン
ドは三次元様式でイオンを事実上包むことができ、従つ
て、コンプレックスの形成においてはイオンに強固に結
合することができる。コロナンド類の場合と同様、供与
性原子は酸素、窒素及び硫黄のような原子を含むことが
できる。
3)ポダンド類 イオンは非環状化合物ともコンプレックスを形成するこ
とができる。例えば、酸素のように電子が豊富な原子の
規則的な連なりを含む線状鎖は、コロナンド類及びクリ
プタンド類と全く異なる訳ではなく、正に荷電したイオ
ンと結合してコンプレックスを形成する能力を有する。
ポダンド類とその他の2個のイオノフォアとの主な構造
上の違いは構造の開環性である。従つて、ポダンド類は
モノポダンド類、ジポダンド類、トリポダンド類等に区
分することができる。モノポダンドは、従つて、供与性
原子を含む単一の有機類であり、ジポダンドは架橋原子
又は原子群に結合した2個のこのような原子鎖であつて
空間での配向を変え得るものであり、トリポダンドは中
心原子又は原子群に結合した3個の原子鎖である。米国
特許第3,957,607号において、サイモン(Simon)らは、
カルシウムイオン又はバリウムイオンの測定に適したジ
ポダンド類を具体的に開示している。本発明における好
ましいイオノフォアには、ナトリウムイオンを測定する
ための試験具において特に有用であることが見出された
トリポダンドの1,1,1−トリス〔1′−(2′−オキサ
−4′−オキソ−5′−アザ−5′−メチル)ドデカニ
ル〕プロパン(ここでは、ナトリウムイオノフォアIと
略記する)がある、実際に、ナトリウムイオノフォアI
は、ジポダンドのN,N′−ジベンジル−N,N′−ジフェニ
ル−1,2−フェニレンジオキシジアセトアミドよりもナ
トリウムイオンに対して90倍以上も選択性がある〔グッ
ジ,エム.,オーメ,エム.,プレッシュ,イー.アンド
サイモン,ダブル.,ヘルブ.ケム.アクタ.(Guggi,
M.,Oehem,M.,Pretsch,E.and Simon,W.Helv.Chim.Act
a.)59:2417(1976)〕。
4)特異的イオノフォア 本発明において使用した場合に、特に有用であることが
判明しているイオノフォアのいくつかを、それらのイオ
ノフォアが選択的にコンプレックスを形成することがで
きる陽イオンと共に、ここに列挙する。
好ましいイオノフォアの化学名を、その構造と共に併記
した。ここで用いるため定められた一般名はカッコ内に
示されている。
本発明において有用な他のイオノフォアには、下記掲載
のものが含まれている。
クリプトフィックスKryptofix は西独国、ダルムシュ
タットにあるイー・メルク社(E.Merck)の商標名であ
る。
これらの特異的なイオノフォアは本発明の試験具におい
て有利に使用されるが、他のイオノフォア又はその混合
物も使用可能である。特に、ナトリウムイオノフォアII
Iのようにイオン化し得る基を有するイオノフォアは、
それらが十分なイオン分析対象物特異性を有している限
り、配合物において置換することができる。
4. リポータ物質 もし試験溶液中に重要なイオンが存在する場合、イオノ
フォア/イオンコンプレックスとの相互反応によつて検
出可能な応答を示すのはリポータ物質である。このリポ
ータ物質は、イオノフォア/イオンコンプレックスの形
成に応答してイオン化し得る単一化合物から、その反応
鎖がコンプレックスの存在により誘起された際、検出可
能な生成物を生成する反応性種の混合物までその組成が
様々の範囲にわたることができる。従つて、分析対象イ
オンが存在しない場合には、リポータ物質は不変であ
り、すなわち、検出可能な応答は認められない。また、
監視下の特定イオンが存在する場合はコンプレックスが
形成され、該コンプレックスはリポータ物質と相互反応
して、リポータ物質に検出可能な変化を起させる。
リポータが単一化合物である場合には、リポータは解離
性基を含んでもよく、これらは、解離した際、着色イオ
ン種を生成する。例えば、p−ニトロフェノールのよう
なフェノール性化合物は非イオン化状態では比較的無色
であるが、イオン化すると着色する。他の化合物、例え
ば電子分布の変化によつて多少螢光を発する化合物も使
用可能である。本発明において有用な螢光指示薬とそれ
らの誘導体の群には、フルオレセイン誘導体(特にフル
オレセインエステル類)、7−ヒドロキシクマリン類、
レゾルフイン類、3−ピレノール類及びフラボン類が含
まれる。
リポータ物質は、他の成分と一緒に検出可能な応答を生
起することができるものであつてもよい。例えば、リポ
ータ物質として有用な反応系はフェノールからプロトン
を解離させ、しかして、カップリング反応を開始せしめ
て着色生成物を形成させるものである。いわゆるギャブ
ス(Gibbs)反応はこのような反応系列の典型的なもの
で、そこでは2,5−シクロヘキサジエン−1−オン−2,6
−ジハロ−4−ハロイミン(I)がフェノール(II)と
カップリングして着色反応生成物(III)を生成する。
この反応系列においては、Rは同一もしくは異なつてお
り、全体に亘る反応系列を妨害することのない2,3,5及
び/又は6−位の置換基のいずれであつてもよい。従つ
て、それぞれのRは水素、低級もしくは中級アルキル又
はアリールであり、あるいはRは2,3−位又は5,6−位の
いずれかで縮合環系を形成していてもよい。Xはハロゲ
ン又は擬ハロゲンであり、nは0ないし4である。この
種のリポータ物質は、構造(I)及び(II)を有する化
合物を疎水性ビヒクルに包含させることにより利用され
る。
ギッブス化学の更に別の利用においては、非イオン化型
の(III)のような構造を有する化合物を用いる。イオ
ン/イオノフォアコンプレックスが形成されると、リポ
ータ物質(III)がそれ自身に及びそれ自身の、観察可
能な着色を呈するような相互反応がおこる効果となる。
この現象は次の反応系列及び共鳴構造に従つて進行する
と考えられる。すなわち、 (式中、Rは同一でも異なつていてもよいが、低級もし
くは中級アルキル、アリール、又は2,3−位もしくは5,6
−位での縮合環系であり、nは0ないし4である) のように示される。
特に好ましいものは構造: (式中、R′はH又は低級アルキルであり、Xは定義に
おける項目6及び7でそれぞれ規定したハロゲン又は擬
ハロゲン基である) を有する化合物である。R′がメチルで、Xが塩素原子
である場合が、本発明にとつて特に好適であることが判
明した。
更に別の好ましいリポータ物質は構造: (式中、Rは中級アルキル、即ち5〜15の炭素原子を
有する基であり、R′はH又は低級アルキルであり、X
はハロゲン又は擬ハロゲンである) を有する化合物である。これらのような化合物は、試料
中の血清アルブミンの存在によつて起りがちな妨害に対
して特に抵抗力があることが判明している。これらのタ
イプのリポータ物質の中で好ましいものは、Rがn−
デシル、Xが塩基原子、R′がメチルの7−(n−デシ
ル)−2−メチル−4−(3′,5′−ジクロロ−4′−
フェノン)インドナフトール(ここでは、7−デシル−
MEDPINと略記する)である。これらの化合物の用途及び
製法に更に関する詳細な情報は、米国特許出願第493,95
1号及び第493,981号に見出すことができるが、両出願は
本譲渡人に譲渡されており、ここでは参考のため記載さ
れている。
5. 緩衝性物質 緩衝性物質は、pHを約5〜10の範囲内に調整することが
できるものであれば、いかなる緩衝剤、あるいは緩衝剤
の混合物であつてもよい。緩衝剤は、イオノフォア/イ
オンコンプレックスとリポータ物質との反応を促進させ
るように選択され、反応によつて検出可能な応答がなさ
れる。
好適な緩衝剤には、ビス〔2−ヒドロキシエチル〕イミ
ノ−トリス〔ヒドロキシメチル〕メタン;1,3−ビス〔ト
リス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ〕プロパン、N,
N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−〔2−アセト
アミド〕−2−イミノ二酢酸;N−2−ヒドロキシエチル
ピペラジン−N′,3−プロパンスルホン酸;3−〔N−ト
リス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ−2−ヒドロキ
シプロパンスルホン酸;ホウ酸テトラメチルアンモニウ
ム;及びリン酸テトラメチルアンモニウムが含まれる。
好ましいpH範囲はリポータ物質により、このため、緩衝
剤の選択は使用するリポータ物質によつて、更にある程
度までは目的とする検出可能な応答によつて決定され
る。例えば、7−デシルMEDPINをリポータとして用いる
場合は、好ましいpH範囲は6〜8.5となる。しかしなが
ら、解離可能なプロトンのためにより高いpKaを有する
リポータ物質を用いる場合には、高いpH範囲とすること
が好ましいであろう:同様に、解離可能なプロトンのた
めにより低いpKaを有するリポータ物質を用いた場合
は、より低いpH範囲とすることが好ましいものとなる。
検出可能な応答が色の変化である場合は、緩衝剤はその
ような検出可能な応答の度合に影響を及ぼすことができ
るため、最適の色度を得るべく特定の緩衝剤を選択する
ことができる。例えば、リポータ、即ち7−デシルMEDP
INにとつて有効な色の範囲は約pH6〜8.5であり、その際
に色はオレンジ色から青色に変化する。より高いpH、即
ちpH8.5〜10では、目視的に識別するのが困難な暗青色
の色合いを呈し、より低いpH、即ちpH5〜6では、やは
り目視的に識別するのが困難な淡黄色の色合いを呈す
る。約6〜8.5のpH範囲で機器的に最良の精度が得られ
るが、そのpHをはずれた両末端についても機器的な分析
に用いることができる。本発明の開示があれば、適切な
pHの決定は実験室における日常の実験に属する。
6. 疎水性ポリマー 有効な疎水性ポリマーは実質的に非極性であつて(即
ち、イオン化し得る官能基が欠如している、)、疎水性
ビヒクルと混合可能である。これらには、ポリ塩化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリ(4−クロロスチレン)、ポリビニルアセ
テート、塩化ビニリデン/塩化ビニル・コポリマー、塩
化ビニリデン/アクリロニトリル・コポリマー、塩化ビ
ニル/ビニルアセテート・コポリマー、ポリメチルメタ
クリレート、塩化ビニル/ビニルアセテート/ビニルア
ルコール・ターポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン及びポリウレタンが含まれる。勿論、他の多くの高分
子物質も疎水性ポリマーとしての使用に適しており、か
かる物質の確認は本発明の開示によつて当業者が十分に
なし得ることである。疎水性組成物中に疎水性ポリマー
を含有せしめると分析結果の精度が向上し、このためそ
の変動率が2〜4%以下になる。更に、疎水性ポリマー
を疎水性組成物中に含有させると、目視的な応答はイオ
ン濃度と判定量的な相関関係をもつことができる。
7. 妨害排除剤 体液には、通常、ナトリウムイオン(Na+)、カリウム
イオン(K+)、カルシウムイオン(Ca++)及びマグネシ
ウムイオン(Mg++)のような多くの陽イオンが含まれて
いる。イオノフォアは、通常、目的とする分析対象イオ
ンに対する選択性によつて選択されるが、ある場合にお
いては、他の陽イオンが存在すると、イオノフォアと目
的とする分析対象イオンとの共反応を妨害することがあ
る。例えば、ナトリウムイオノフォアIは、カルシウム
イオンよりもむしろナトリウムイオンと、約4:1の比率
で結合する。カルシウムイオンに対するナトリウムイオ
ンの比率が4:1よりも小さい試料にあつては、ナトリウ
ムイオン濃度と検出可能な応答との好適な関係を確保す
るために、カルシウムイオンとイオノフォアとの相互反
応を防止することが必要であるかもしれない。妨害排除
剤はこの問題を回避させるために調製することができ
る。
妨害排除剤は、担体マトリックス中に直接包含されてい
てもよく、あるいは緩衝性物質と共に包含されていても
よい。好ましい態様において、排除系は、妨害陽イオン
を水相中に留めておくためにそれと相互反応させるか、
あるいは疎水相におけるイオノフォアとの陽イオンの相
互反応を防止することが意図されている。例えば、エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA)及びエチレングリコールビ
ス(アミノエチル)四酢酸は水溶性化合物であつて、カ
ルシウムイオンのような二価の陽イオンとコンプレック
スを形成する。EDTAがナトリウムイオンを測定するため
の試験具に包含されている場合は、ナトリウム及びカル
シウムイオンを含む水性試料と接触すると、EDTAはCa++
と優先的に結合する。結合したカルシウムイオンは、イ
オノフォア/ナトリウムイオンコンプレックスの形成を
実質的に妨害しなくなる。更に、イオノフォアが妨害イ
オンに対し特異的であつてかつ水溶性であるか、あるい
は妨害物と相互反応する能力を減少させることなしにそ
れらの水溶解性が増大するように化学的に変換されてい
るならば、そのイオノフォアは妨害陽イオンを排除させ
るために使用することができる。例えば、ナトリウムイ
オノフォアIIIは、ベンゼン環に(−SO3H)基のような
可溶性基を結合させることによつて変換することがで
き、その結果、ナトリウムイオンと相互反応する能力が
減少することなくその水溶解性が増大する。ウラミル二
酢酸及びトラス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,
N′,N′−四酢酸の如き他の化合物も有利に使用するこ
とができる。
8. 湿潤性物質 他の用途のために、試験具の取扱いは湿潤性物質の添加
によつて高められるであろう。例えば、試験具にピペツ
トを用いて試料を採取する場合は、該試料は試験具の表
面上に液滴を形成することができる。水性試料の表面張
力を緩和させて、試験マトリックスの隙間へ試料を流入
せしめるものであれば、いかなる物質も湿潤性物質とし
て作用し得る。但し、イオノフォア/イオンコンプレッ
クスの形成、あるいは検出可能な応答を生じるイオノフ
ォア/イオンコンプレックスとリポータ物質との共反応
を阻害しないようにその物質を選択しなければならな
い。
ある場合においては、湿潤性物質は添加する必要がな
い。例えば、ナトリウムイオノフォアIIIが使用される
場合は、更に湿潤性物質を必要としない。湿潤性物質が
加えられる場合は、該物質は、緩衝性物質と共に、又は
別々に優先的に包含される。好適な湿潤性物質として
は、アガロース及び界面活性剤〔例えば、ポリエチレン
グリコール−p−イソオクチルフェニルエーテル):2−
0−アセトキシ−3−(ペルフルオロアルキル)−N−
カルボキシメチル−N,N−ジメチルプロピルアミン;ポ
リエチレングリコール−1−(2−ペルフルオロアルキ
ル)エチルエーテル;n−デシル−N,N−ジメチル−3−
アンモニア−1−プロパンスルホネート;N−ペルフルオ
ロアルキル−N−カルボキシエチル−N,N−ジメチルア
ミン及び脂肪族アルコールのポリオキシエチレンエステ
ル類、特に、ブリッジ(Brij )35SP(デラウェア州、
ウィルミントンノICIユナイテッド・ステーツ社から市
販)〕が挙げられる。他の界面活性剤を使用してもよい
が、但しそれらは目的とする分析対象イオンに対する検
出可能な応答の生起を阻害するものであつてはならな
い。
試験具中の成分の濃度範囲 試験具の成分の濃度は本発明において格別限定されない
が、但し、イオノフォア、疎水性ベヒクル、リポータ物
質及び緩衝性物質の濃度は望ましい検出可能な応答を生
起するのに十分でなければならない。ある場合におい
て、望ましい検出可能な応答又は望ましい精度を得るに
は、疎水性ポリマーの添加が必要であるかもしれない。
しかしながら、定性的結果を得るには、イオノフォアの
濃度及びリポータ物質の濃度はいずれも、測定すべき分
析対象イオンの濃度範囲によつて制限されない。
本明細書の開示が与えられれば、至適濃度の決定は当業
者の能力範囲内にある。しかしながら、次のようなガイ
ドラインが設けられる。イオノフォアはリポータ物質よ
りも過剰モル存在してること(即ち、イオノフォア:リ
ポータ物質が1:1モル比より大であること)が好まし
い。イオノフォアの作用濃度は2g/から飽和量までの
範囲とすることができる。疎水性ポリマーは、もし少し
でも加えられるのであれば、通常0〜50g/の濃度範囲
である。妨害排除剤及び湿潤性物質が加えられるなら
ば、通常0〜30g/でしかない。
機器的な及び目視によるイオン応答性の試験具における
作用範囲及び好ましい範囲は以下のとおりである。
前記試験手段の項目で記載したように調製された試験手
段は、細長い支持部材の一端に固定し、支持体の他端を
把手として役立たせてもよい。このような試験具は把手
端で保持することができ、試験具を担持する他端は試料
と接触する。
支持部材用のために有用な材料としては、非常に多数の
プラスチツク又はポリマーのフィルムを挙げることがで
きる。例としては酢酸セルロース、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート類及びポリスチレンのよう
な高分子材料を挙げることができる。支持体は不透明で
あつてもよく又は光もしくは他のエネルギーを透過して
もよい。検出可能な応答が螢光であるか、あるいは試料
をふき取ることができるように試験具の上面一帯に被覆
を施した場合は、支持物質を介して試験具を読むことが
できる。その場合に有用な支持体としては、約200ナノ
メートル(nm)ないし900nmの範囲内の波長の電磁線を
透過することができる透明材料が挙げられる。分析結果
の螢光検出のためには、検出に用いる螢光性物質の吸収
及び発光スペクトルより広い、又は少なくとも等しいバ
ンドに亘つて、支持体が透明であることが望ましいが、
勿論、200〜900nmの範囲全体に亘つて透過する必要はな
い。また1又はそれ以上の狭い波長バンド透過し、隣接
波長バンドに対しては不透明である支持体を有すること
も望ましい。これは、例えば、適切な吸収特性を有する
1又はそれ以上の顔料を支持体に含浸するか又は塗布す
ることにより達成することができるであろう。
本発明の試験具を製造するために、小矩形状の試験片、
すなわち、イオノフォア、疎水性ビヒクル及びリポータ
物質を含有する均一な疎水性組成物、並びに緩衝性物質
及び可能ならば他の成分を重ねて包含させた、重ねて乾
燥された多孔質担体マトリックスを、ポリスチレンフィ
ルムの長方形片のような、実質的に平坦な上面を有する
細長い支持部材に固着させ、ポリスチレンの他端を残し
て、便利な把手として役立てる。
試験具は、意図する用途と両立するならばいずれの方法
によつて固着されてもよい。一つの方法は、試験具の四
角片と支持部材の間に両面接着テープを用いることであ
る。このようなテープの1つはダブル・スティックとし
て知られており、ミネソタ州,セントルイスのスリーエ
ム・カンパニー(3M Company)より入手できる。
発明の用途 本発明の試験具は、臨床化学の分野のみならず化学研究
室及び化学反応制御研究室においても、広汎な化学分析
の実施に用いるために応用することができる。これら
は、血液、血清、脳背髄液及び尿のような体液の臨床検
査において使用するのに十分適している。何故なら、こ
の作業では数多くの反復検査がしばしば行われ、しかも
その試験結果は試料採取後短時間で必要とされることが
多いからである。血液分析の分野においては、例えば、
本発明を臨床上重要な数多くのイオン性血液成分の定量
分析を実施するのに用いるために応用することができ
る。
試験具は、それを十分な時間、試料に接触させて使用す
る。尿検査の場合は、試験具を単に試料と浸漬させるだ
けで十分である。過剰試料、時には全血試料のような過
剰試料について除去することは通常不必要であるが、ふ
き取るか又は吸い取るかによつて過剰分を除去すること
が望ましい。
もし試験下のイオンが試料中に存在するならば、イオノ
フォアとイオンのコンプレックスがリポータ物質と相互
反応し、次いで検出可能な応答が現われるであろう。リ
ポータ物質が、着色した、分析対象物の反対イオンを生
成する解離性物質である場合には、透明な支持部材が用
いられている試験具の片側から機器的に監視し得る、観
察可能な色が試験具内に現われるであろう。リポータ物
質が、フルオレセイン又はその誘導体のような螢光団で
ある場合には、試験具中の生じる検出可能な応答(ここ
では、螢光の発現又は変化)を測定するために螢光分光
光度計を利用してもよい。検出可能な応答を観察するの
に有用な他の手法としては、反射分光光度法、吸光分光
光度法及び光透過測定が挙げられる。
種々の検量手法を、分析用対照として応用することがで
きる。例えば、分析対照物標準溶液試料を比較して別の
試験具に適用するか、又は分析において示差測定の使用
を可能にするために適用してもよい。疎水性ポリマーを
含む疎水性組成物から製造された試験具は、適当なカラ
ーチャートが用意されている場合、半定量的な目視観察
用として使用することができる。
操作法 1. 一般的製造法 試験具の製造 分析対象物と目される特定のイオンに対して応答する試
験具は下記方法によつて製造される: a)少なくとも、目的とするイオンに特異的なイオノフ
ォア、疎水性ビヒクル、リポータ物質及び有機溶媒を含
有する疎水性組成物の均一な第一の混合物を調製し; b)pHを約5〜10の範囲に調整することができる緩衝性
物質、並びに水もしくは水溶性溶媒又はその混合物の均
一な第二の混合物; c)第一もしくは第二の混合物のいずれかを多孔質単体
マトリックスに包含せしめ; d)包含されたマトリックスを乾燥し; e)第一もしくは第二の混合物の他方を多孔質担体マト
リックスに包含せしめ;次いで f)二重に包含された単体マトリックスを乾燥する 他の説明がない限り、第一の混合物は、必須成分を有機
溶媒に溶解して調製された均一な疎水性溶液である。好
ましい有機溶媒としては、ケトン類及びテトラヒドロフ
ランのようなエーテル類、特にアセトン及びシクロヘキ
サノンが挙げられる。好適な溶媒の選択は、本開示を与
えられさえすれば、当業者にとつて日常的なことであろ
う。有効な組成物は、イオノフォア、疏水性ビヒクル及
びリポータ物質のみから得ることができるが、一般的に
はその混合物に更に疎水性ポリマーが加えられる。
第二の混合物は、通常、適切な緩衝剤を含有する水溶液
であつて、緩衝剤を蒸留水に溶解した後望ましいpHにな
るまで滴定することにより調製される。次の実施例にお
いて、緩衝液はその最終濃度によつて限定される。ワッ
トマン(Whatman )型31ETろ紙は多孔質担体マトリッ
クスとして使用した。各溶液は、多孔質担体マトリック
ス中に別々に包含される。均一な疎水性溶液は、紙を溶
液に浸漬することにより、まず紙に包含される。紙は次
いで空気浴(エアーオーブン)内で乾燥する。第二の包
含は、乾燥紙を水性緩衝液に浸漬して行われ;二重に包
含された紙は再び空気浴内で乾燥される。
試験具の製造 試験具は、他の説明がない限り、最終的な試験具から裁
断され、二重に含浸・乾燥された一枚の紙片を、0.5×1
0cmのポリスチレンフィルム片の一端に、両面接着テー
プ(ミネソタ州・セントポールの3M社製のダブルスティ
ック Double Stick)で固着することにより製造され
る。このようにして形成された試験具は、エームス・セ
ラライザー(Ames SERALYZER )光度計と一緒に使用す
るか、あるいは適当なカラーチャートによつて目視的に
読取る上で好適である。
2. 製法の各種変法 上記の如き概要の一般的な製造法から派生するすべての
変形例が、実施例中に具体的に記載されている。
時には、緩衝液は、水溶性溶媒(例えば、低級アルコー
ル類もしくはアセトン、又は水と水溶性溶媒との混合
物)から調製される。例えば、緩衝性物質は蒸留水に溶
解して望ましいpHまで滴定し、水とメタノールもしくは
エタノールのような低級アルコールとの混合物を最終容
量となるまで加えることができる。このような場合、緩
衝液は水/アルコール溶液中における最終濃度によつて
限定される。水溶性溶媒のみを使用する場合は、緩衝性
物質は溶媒に溶かされ、適切なpHになるまでリン酸で滴
定し、溶媒によつて最終容量に調整される。
通常、使用されるいかなる湿潤性物質及び/又は妨害排
除系も緩衝液中に含有されており、二回目の含浸で試験
手段中に包含される。
3. 結果 試験具は、試験具を水性試料と接触させ、検出可能な応
答を観察することによつて、意図する分析対象イオンに
対するその応答性が試験される。接触は、試料に試験具
を浸漬するか、あるいは試料をピペツトで試験具上に採
取するかによりなされる。試料としては、水性試料、尿
又は血清試料のいずれかが考えられる。体液試料が用い
られる場合は、試料中の意図する分析対象イオンの濃度
を測定するために炎光光度計が使用される。接触後に所
定の時間を要する反射率測定法は、分析対象イオンの濃
度と相関関係がある。
試験具が定量的な機器的読取り用に調製されている場合
は、エームスセラライザー反射光度計(インジアナ州、
エルクハートのマイルスラボラトリーズ社)によつて、
640〜700nmの波長の反射率が測定される。これらの反射
率測定は、周知のクベルカ−ムンクの方程式の簡略式に
よつて評価される。〔グスタブ・コルティュム、“リフ
レクタンス・スペクトロスコピイ",106〜111頁,スプリ
ンガー・フェルリッヒ,ニューヨーク,1969年;Gustav K
ortm、“Reflectance Spectroscopy" pp106〜111,Sp
ringer Verlag,New York,1969参照: (式中、Rは試験具からの反射率、Kは定数、Sは特定
の反射媒体の光拡散率である) K/Sは吸光種、通常は脱プロトン化リポータ物質の濃度
の相関関係がある。K/S(又は、吸光種及び分析対象イ
オンの濃度の平衡関係に依存したK/Sの数乗値)は、分
析対象イオンの増加濃度〔イオン〕に対して、試料中に
おけるmM/でプロツトされる。データに適した最適の
直線を得るには、最小二乗線形回帰分析(Least square
s linear regression analysis)が行われる。K/Sが使
われる場合、直線は方程式: K/S=傾斜角〔イオン〕+切片 (式中、〔イオン〕は水性試料中の分析対象イオン濃度
であり;K/Sは上記のように定義され;傾斜角は最少平方
値(least squares)のプロットの傾斜角であり;切片
(intercept)は最少平方値の切片である) で示される。計算された回帰係数rは直線からはずれた
データの分散度を示す。
データが直線上に完全にプロツトされる場合は一つの回
帰係数が与えられるであろう。K/Sの数乗値がイオンと
吸光種との平衡関係により分析対象イオンと関連性を有
する場合は、そのK/S平方値は方程式: (K/S)=傾斜角〔イオン〕+切片 を規定するために用いられる。いずれにしても、この方
程式はイオン濃度の増加に対する試験具の応答性を示し
ており、通常“用量応答”曲線と称される。
大きな傾斜角は、試験中の分析対象イオン濃度のわずか
な変化で応答性(すなわち、色)に大きな変化をもたら
すことになるため、試験具が高感度であることを示して
いる。一方、切片(分析対象イオン濃度が0のときのデ
ータ値)は、その値が分析対象イオン濃度と無関係なバ
ックグラウンド(色)を示すようにできるだけ小さくな
ければならない。
疎水性ポリマーを用いて製造された試験具は、イオン濃
度と半定量的に応答する。イオン濃度は、適切なカラー
チャートが用意されている場合、目視的に測定すること
ができる。これらの試験具は、マクベス(Macbeth
光度計シリーズ1500(ニューヨーク洲,ニューバージの
コルモーゲン社)による波長400〜700nmの反射率測定値
を用いて評価した。
これらの反射率データは、二試料間のΔEを計算する上
で使用した。ΔEとは、三次元色空間における二試料間
の総色差を示す値である。ΔEは次の方程式:〔デー.
ビー.ジュッド及びジー.ウィゼキー,“カラー・イン
・ビジネス,サイエンス及びインダストリィ",ジョン・
ウィリー及びサンズ,ニューヨーク,1975年;D.B.Judd a
nd G.Wyszecki,“Color in Business,Science and Indu
stry"John Wiley and Sons,New York(1975)〕: ΔE=〔(ΔL+(Δa+(Δb
1/2 (式中、ΔLは二試料間の明度差を示す値であつて、
絶対黒色の0から完全な白色の100まで変化し;Δa
は二試料間の赤色度−緑色度の差を示す値であり;Δb
は黄色度−青色度の差を示す値である) により計算される。L、a及びbは波長400〜700
nmの反射率から計算される。陰性試料(分析対象イオン
を含有しない試料)と陽性試料(分析対象イオンを含有
する試料)との間におけるΔEは、イオン濃度の増加に
つれて増大する。目視的に試験するためには、カラーチ
ャートで表示される濃度レベルの差は、発現した色の差
を人間の目が識別できるようにできるだけ大きなもので
なければならない。二色間のΔEが少なくとも3色差単
位(すなわち、濃度レベル間のΔEが3以上)である場
合は、二つの色は通常人間の目によつて差異が知覚され
る。人間の目が色素を識別できる能力は、いかなる色空
間領域が含まれているかによつて多少変化する(すなわ
ち、金色から淡黄褐色への変化及び灰色における変化は
同一のΔEであるが、しかし前者は後者よりも容易に識
別できる)。もちろんそのような差異は、機器的に読み
取れるのであれば必要ではない。
実施例において使用される略語は次のとおりである: カッコ〔 〕は線形回帰方程式におけるイオン濃度ミリ
モル/リットル(mM)を表すために用いられる。すべて
の%濃度は、他に指示がない限り重量/デシリットルを
表す。
濃度:℃ 摂氏度 長さ:cm センチメートル 重量:g グラム mg ミリグラム 容量:dl デシリットル ml ミリリットル μ マイクロリットル リットル 濃 度:mM ミリモル(ミリモル/リットル) M モル(モル/リットル) %w/v パーセント重量/デシリットル v/v パーセント容量/デシリットル イオン:Na+ ナトリウムイオン K+ カリウムイオン Li+ リチウムイオン Ca++ カルシウムイオン 使用される化学的成分の略語は以下に記載されている。
イオノフォアの名称は、好都合であるときのみ、本発明
者等らが定めた。その名称は、通常、イオノフォアが使
用されて測定される主要なイオンに基づいている。しか
しながらイオノフォアは、通常、様々な度合で他のイオ
ンと応答する(好適なイオノフォアの構造は試験具のイ
オノフォアの項目4)に記載されている)。
イオノフォア ナトリウムイオノフォアI 1,1,1−トリス〔1′−
(2′−オキサ−4′−オキソ−5′−アザ−5′−メ
チル)ドデカニル〕プロパン ナトリウムイオノフォアIIN,N′−ジベンジル−N,N′−
ジフェニル−1,2−フェニレンジオキシジアセトアミド ナトリウムイオノフォアIII 6,7,9,10,18,19−ヘキサヒ
ドロ−17−n−ブチル−ジベンゾ〔b.k〕〔1,4,7,10,1
3〕ペンタオキサシクロヘキサデシン−18−イル−オキ
シ酢酸 カリウムイオノフォアI2,3−ナフト−1,4,7,10,13−ペ
ンタオキサシクロペンタデカ−2−エン リチウムイオノフォアIN,N′−ジヘプチル−N,N′−5,
5−テトラメチル−3,7−ジオキサノナンジアミド リチウムイオノフォアIIN,N′−ジヘプチル−5,5−ジメ
チル−N,N′−ジ(3−オキサペンチル)−3,7−ジオキ
サノナンジアミド カルシウムイオノフォアジエチル−N,N′−〔(4R,5R)
−4,5−ジメチル−1,8−ジオキソ−3,6−ジオキサオク
タメチレン〕ビス(12−メチルアミノドデカノエート) 疎水性ビヒクル NPOE 2−ニトロフェニルオクチルエーテル NPBE 2−ニトロフェニルブチルエーテル CDA シス−N,N,N′,N′−テトライソブチル−1,2−シク
ロヘキサンジカルボキサミド リポータ物質 7−デシルMEDPIN7(n−デシル)−2−メチル−4−
(3′,5′−ジクロロフェン−4′−オン)インドナフ
トール 緩衝性物質 ビス−トリスビス〔2−ヒドロキシエチル〕イミノ−ト
リス〔ヒドロキシメチル〕メタン ビス−トリスプロパン 1,3−ビス〔トリス(ヒドロキシ
メチル)メチルアミノ〕プロパン トリス トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン ADA N−〔2−アセトアミド〕−2−イミノ二酢酸 HEPPS N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′,3−
プロパンスルホン酸 バイシン N,N−ビス〔2−ヒドロキシエチル〕グリシン TMAボレート テトラメチルアンモニウムボレート TMAホスフェート テトラメチルアンモニウムホスフェー
ト TAPSO 3〔N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミ
ノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(ウィスコン
シン州、ミルウォーキーのP.L.バイオケミカル社から入
手) 疎水性ポリマー(他に説明がない限り、ウイスコンシン
州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社からすべ
て入手) PVC ポリ塩化ビニル (低MW) 低分子量 (高MW) 高分子量 VdC/VC塩化ビニリデン/塩化ビニルコポリマー(ニュー
ヨーク州、オンタリオ、サイエンティフィック・ポリマ
ー・プロダクツ社) VdC/AN 塩化ビニリデン/アクリロニトリルコポリマー
(ニューヨーク州、オンタリオ、サイエンティフィック
・ポリマー・プロダクツ社) PC−I ポリカーボネート(分子量20,000〜25,000) PC−II ポリカーボネート(分子量33,800) PC−III ポリカーボネート(分子量38,100) その他 THF テトラヒドロフラン EDTA エチレンジアミン四酢酸 EGTAエチレングリコール−ビス(アミノエチル)四酢酸
(オハイオ州、コロンバス、G.フレデリック・スミス・
ケミカル社) トリトン(Triton )X−100 ポリエチレングリコール
−p−イソオクチルフェニルエーテル(ミルウォーキー
州、セントルイス、シグマケミカル社) ゾニル(Zonyl )FSK2−O−アセトキシ−3−(ペル
フルオロアルキル)−N−カルボキシメチル−N,N−ジ
メチルプロピルアミン(デラウェア州、ウィルミント
ン、デュポンケミカル社) ゾニル(Zonyl )FSN ポリエチレングリコール−1−
(2−ペルフルオロアルキル)エチルエーテル(デラウ
ェア州、ウィルミントン、デュポンケミカル社) ゾニル(Zonyl )FSBN−ペルフルオロアルキル−N−
カルボキシエチル−N,N−ジメチルアミン(デラウェア
洲、ウィルミントン、デュポンケミカル社) ジビッタージェント(Zwittergent )3−10 n−デシ
ル−N,N−ジメチル−3−アンモニア−1−プロパンス
ルホネート(カリフォルニア洲、サンジエゴ、カルビオ
ケム・ベーリング社) ブリジ(Brij )358P脂肪族アルコールのポリオキシエ
チレンエーテル類(デラウェア州、ウィルミントン、IC
Iユナィテッド・ステーツ社) 〔実施例〕 本発明を以下の実施例によつて説明するが、それによつ
て本発明が限定されるものではない。
実施例1 ナトリウムイオン:ナトリウムリガンドI 水性試料中のナトリウムイオン濃度に応答する試験具
を、一般的操作法で記載したようにして製造した。
疎水性溶液は下記組成からなる: ナトリウムリガンドI 6mg NPOE 0.3ml PVC(低MW,シクロヘキサノン中10%) 0.6ml 7−デシルMEDPIN 5.4mg シクロヘキサノン 1.35ml 一回目の浸漬後、50℃で40分間紙を乾燥させた。緩衝液
は0.3Mビス−トリスを含有しており、pH7.5であつた。
二回目の乾燥を50℃で30分間行つた。二重に含浸・乾燥
された0.6×0.6cm四方の紙を試験具の製造に用いた。0
〜200mMのナトリウムイオンを含む水性試料中に試験具
を浸漬した場合、目視的に識別し得る程度の色が発現す
るか否かを測定するために、この製品を試験に供した。
結果は陽性であり、存在するナトリウムイオン濃度に半
定量的に対応した色が発現した。
実施例2 ナトリウムイオン:好ましい態様 水性試料中のナトリウムイオン濃度に応答する好ましい
組成からなる試験具を、一般的操作法で記載した如く製
造した。
疎水性溶液は下記組成からなる: ナトリウムリガンドI 300mg NPOE 4.5ml PVC(高MW,THF中5%) 15ml 7−デシルMEDPIN 81mg THF 12.75ml 0.45Mビス−トリスを含有した緩衝液はpH7.5であつて、
0.05%ポリビニルメチルエーテルを含有している(ニュ
ーヨーク州、ニューヨークGAF社のガントレッズGantrez
R−154)。二度の乾燥工程を65℃で7分間行つた。
二重に乾燥・含浸された1/5×2/5インチ(5×10mm)の
紙片を試験具の製造に用いた。
0,30,70,120及び200mMナトリウムイオンを含有する尿試
料を用いて試験を行つた。異なる試料に浸漬された試験
具は、目視的に識別可能であつた。試験具の浸漬後、反
射スペクトルを30秒間測定した。ΔEの計算により、以
下の結果を得た。
ある濃度レベルと他のレベルとのΔEには3単位以上も
の差があつたため、これらの濃度レベルは容易に目視的
に識別することができた。
実施例3 ナトリウムイオン:他のイオノフォア 水性試料中のナトリウムイオン濃度測定用の別のイオノ
フォアを、本発明配合物を用いて試験に供した。
他のイオノフォア、即ちナトリウムイオノフォアIIを用
い、一般的操作法で記載したようにして試験具を製造し
た。疎水性溶液は下記組成からなる: ナトリウムイオノフォアII 50mg NPOE 0.75ml PVC(低MW,シクロヘキサノン中10%) 1ml 7−デシルMEDPIN 14mg シクロヘキサノン 3.3ml 一回目の浸漬後、90℃で20分間紙を乾燥した。緩衝液は
0.3Mビス−トリスを含有しており、pH7.5であつた。二
回目の乾燥は75℃で20分間行つた。二重に含浸・乾燥さ
れた1/5×2/5インチ(5×10mm)の紙片を試験具の製造
に用いた。
14,34,68,119mMナトリウムイオンを含有する尿試料中に
試験具を浸漬すると、目視的に識別可能な色が発現し
た。尿試料中に試験具を浸漬した後、反射スペクトルを
2分間測定した。
ΔEの計算により、以下の結果を得た。
以上の結果から、3つの低濃度で接触させた後に発現し
た色については人間の目で識別することが可能であつた
が、68mMと119mMの濃度間では色差の区別が不可能であ
ることが判明した。
実施例4 ナトリウムイオン:包含順序の変更 水性試料中のナトリウムイオン濃度に応答する試験具を
製造した。まずメタノールで調製された緩衝液に、次に
疎水性溶液にワットマン紙を浸漬することにより、一般
的製法を変更した。緩衝液は0.3Mビス−トリス(メタノ
ール中)を含有し、pH7.5であつた。緩衝液に浸漬後、9
0℃で20分間紙を乾燥した。
疎水性溶液は、下記組成からなる: ナトリウムリガンドI 40mg PVC(低MW,シクロヘキサノン中10%) 4.0ml NPOE 3.08ml 7−デシルMEDPIN 56mg シクロヘキサノン 12.92ml 二回目の乾燥は75℃で20分間で行つた。二重に含浸・乾
燥された1/5×2/5インチ(5×10mm)の紙片を試験具の
製造に使用した。含浸の順序を変えて調製された試験具
を尿試料中に浸漬したが、色は目視的に識別可能であ
り、炎光光度計での測定によつてナトリウムイオン濃度
〔Na+〕に対し半定量的に応答した。試験具を尿試料に
浸漬した後、30分間反射スペクトルを測定した。
ΔEの計算により以下の結果が得られた: 低濃度レベルで得られた色のレベルは、3色単位よりも
わずかに近接していた。しかしながら、低いナトリウム
イオン濃度では、この試験具製品は、高いナトリウムイ
オン濃度における同程度の色の変化(各レベル間のΔ
E)よりも容易に目視的に識別し得る、金色から淡黄褐
色に変化する。例えば、100mM以上のナトリウムイオン
濃度の場合、この製品は目視的に識別することが困難な
様々な灰色を呈する。
実施例5 カリウムイオン:好ましい態様 水性試料中のカリウムイオン濃度に応答する試験具を一
般的操作法により製造した。
疎水性溶液は下記組成からなる: カリウムイオノフォアI 50mg NPOE 0.6ml VdC/AN 300mg PC−II 110mg 7−デシルMEDPIN 19mg THF 25ml 緩衝液はpH6.26で、蒸留水中に500mM ADA,667mMトリス
及び界面活性剤の0.3%トリトンX−100を含有してい
る。各乾燥工程は60℃で10分間行つた。二重に含浸・乾
燥された0.2×0.4cmの紙片を試験具の製造に使用した。
塩化カリウム水溶液を試料として用いた。各カリウムイ
オン濃度について、反射率から試験具の反応性を三回測
定し、平均のK/S値を計算した。
〔K+〕,mM 平均K/S値 2 0.4750 3 0.6114 4 0.7119 5 0.8555 6 0.9592 データの最小二乗分析(平均K/S値対mMカリウムイオン
濃度)により下記の直線関係が得られた K/S=0.121〔K+〕+0.238;r=0.9986 試験具は、K/Sとカリウムイオン濃度との良好な相互関
係に基づき、カリウムイオンの存在に対し陽性の応答を
示す。
実施例6 カリウムイオン:イオノフォアの変更 異なるカリウム選択性イオノフォアを用いて、一般的操
作法により一連の試験具を製造した。
疎水性溶液は下記の組成からなる: イオノフォア(下記参照) NPOE 2.4ml VdC/AC 254mg PC−II 254mg 7−デシルMEDPIN 76mg THF 100ml 緩衝液はpH6.6で、蒸留水中に300mM ADA,471mMトリス及
び界面活性剤の0.2%トリトンX−100を含有している。
両乾燥工程を60℃で10分間行つた。エームスセラライザ
ー光度計に使用するのに好適な試験具を製造するため
に、二重に含浸・乾燥された0.2×0.4cmの紙片を用い
た。
疎水性溶液において使用するイオノフォアを以下に掲載
した。すべて、ユタ洲、オレムのパリッシュケミカル社
から入手した。
イオノフォア A シクロヘキシル−15−クラウン−5 47.6μ B ベンゾ−15−クラウン−5 50.6mg C 4−アセチルベンゾ−15−クラウン−5 58.6mg D 4−(1−ヒドロキシエチル)ベンゾ−15−クラウ
ン−5 58.9mg E 4−(1−ヒドロキシミリスチル)ベンゾ−15−ク
ラウン−5 90.7mg F 4−t−ブチルベンゾ−15−クラウン−5 61.2mg G カリウムイオノフォア 60.0mg 0,2,4,6,8及び10mMカリウムイオンを含有する塩化カリ
ウム水性試料を調製した。更に、0,40,80,120,160及び2
00mMナトリウムイオンを含有する塩化ナトリウム水性試
料を調製した。各製品を、カリウムイオン試料及びナト
リウムイオン試料に応じて試験に供した。各試料をピペ
ットで試験具上に採取し、反射率の測定を行つた。各製
品のナトリウムイオン及びカリウムイオンに対する各製
品の応答性についての最小二乗回帰分析データ結果(K/
S値対mMイオン濃度として計算)を以下の表に記した。
試験結果は、ナトリウムイオン及びカリウムイオンに対
する各配合物の用量応答性を示している。各場合におい
て、カリウムイオンへの応答性は、少なくとも度合の点
でナトリウムイオンに対する応答性よりも大きい。各製
品におけるナトリウムイオンに対するカリウムイオンの
選択性は、ナトリウムイオンについて誘導された式の傾
斜角に対するカリウムイオンについて誘導された式の傾
斜角の比率として計算した。
実施例7 カリウムイオン:血清試料 カリウムイオン濃度に応答する試験具を一般的操作法に
よつて製造した。
疎水性溶液は下記組成からなる: カリウムイオノフォアI 1.875g NPOE 15ml PC−II 3.0g VdC/AN 6.0g 7−デシルMEDPIN 0.75g THF 600ml 緩衝液はpH6.6であり、ADA42.8g、トリス42.8g及び湿潤
性物質ゾニルFSB1.5gを蒸留水750mlに溶解して調製し
た。両乾燥工程は60℃で10分間行つた。二重に含浸され
た0.2×0.4cmの紙片を試験具の製造に使用した。
このようにして製造された試験具を、血清試料中のカリ
ウムイオンに応答させる試験に供した。血清試料と接触
させた後、60〜75秒間、エームスセラライザー反射光度
計で試験具の反射率を測定した。640nmの値を読んだ。
反射率測定値の関数として計算されたK/S値を、(炎光
光度測定法による測定と同様に)各試料のカリウムイオ
ン濃度(mM)毎にプロットした。データの最小二乗分析
により、製品が血清カリウム濃度に対し良好な応答を与
えることを示す関係式: K/S=0.1198〔K+〕+0.608 が得られた。
実施例8 カリウムイオン:ポリマーの変更 一連の試験具を、各種の疎水性ポリマーを用い、一般的
操作法により製造した。
疎水性溶液は下記組成からなる: カリウムイオノフォアI 188mg NPOE 0.60ml 疎水性ポリマー 0.90g 7−デシルMEDPIN 75mg THF 60ml 緩衝液はpH6.6であり、蒸留水中に300mM ADA、470mMト
リス及び湿潤性物質0.2%トリトンX−100を含有してい
る。両乾燥工程を60℃で10分間行つた。二重に含浸・乾
燥された0.2×0.4cmの紙片を試験具の製造に使用した。
疎水性ポリマーとしてポリカーボネート(PC−II〕を用
い、試験具、セットAを製造した。疎水性ポリマーとし
て塩化ビニリデン/アクリロニトリルコポリマー(VdC/
AN)を用い、第二のセットBを製造した。2,3,4,5又は6
mMの塩化カリウムを含有した水溶液に試験具を接触せし
め、その反射率を測定することによつて、カリウムイオ
ン濃度に応答する試験具を決定した。両製品は、傾斜角
で示される反応性及び用量応答曲線の切片で示されるバ
ックグラウンドの妨害量が変化することを除き、カリウ
ムイオン濃度と応答した。各製品についての最小二乗線
形回帰分析により、以下の用量応答式が得られた。
A K/S=0.2214+0.0510〔K+〕;r=0.9642 B K/S=0.4826+0.1662〔K+〕;r=0.9886 両製品は、K/S値とカリウムイオン濃度とが適正な相関
関係を有しながら、カリウムイオン濃度に対して正の応
答を示した。製品Bは、製品Aよりも、カリウムイオン
濃度が増加するにつれてK/S値の変化が大きくなること
を示した。
実施例9 カリウムイオン:疎水性ビヒクルの変更 2種類の試験具を、異なる疎水性ビヒクルを用い、一般
的操作法により製造した。
疎水性溶液は下記組成からなる: カリウムイオノフォアI 150mg 疎水性ベヒクル 0.60ml PC−III 126mg 7−デシルMEDPIN 19mg THF 25ml 緩衝液は、蒸留水中に300mM ADA、470mMトリス及び湿潤
性物質0.2%トリトンX−100を含有している。試験具、
シリーズAを、疎水性ビヒクルとして2−ニトロフェニ
ルオクチルエーテル(NPOE)を用いて製造した。試験
具、シリーズBは、疎水性ビヒクルとして2−ニトロフ
ェニルブチルエーテル(NPBE)を用いて製造した。
各シリーズの試験具のカリウム濃度に対する用量応答性
を、2,3,4,5又は6mMの塩化カリウム含有水性試料を用い
て製造した。K/S計算値対mMカリウム濃度の最小二乗分
析により、下記用量応答関係が得られた: A K/S=0.2302+0.0747〔K+〕;r=0.9995 B K/S=0.3263+0.1150〔K+〕;r=0.9962 両製品はカリウムイオン濃度に対し良好な直線的応答性
を示した。
実施例10 カリウムイオン:ポリマーの欠如 試験具を一般的操作法により製造したが、疎水性溶液に
疎水性ポリマーは配合していない。
疎水性溶液は下記組成からなる: カリウムイオノフォアI 150mg NPOE 0.6ml 7−デシルMEDPIN 19mg THF 25ml 緩衝水溶液はpH6.6を含有し、0.30M ADA及び界面活性剤
0.2%トリトンX−100を含有している。二重に含浸・乾
燥された紙を裁断し、エームスセラライザー反射光度計
を使用して好適な試験具を形成するのに用いた。試験具
を製造して、2,3,4,5及び6mMの塩化カリウム含有水溶液
との応答性を、一般的操作法で記載されているように64
0nmで測定した。K/S値(反射率データより計算)対mMカ
リウムイオン濃度の最小二乗分析により、下記用量応答
関係が得られた: K/S=0.1888+0.0435〔K+〕;r=0.998 製品は、疎水性ビヒクルを配合しなくとも、カリウムイ
オン濃度に対し正の応答性を示した。
実施例11 リチウムイオン:リチウムイオノフォアII リチウムイオン濃度に応答する試験具を一般的操作法で
記載されたように製造した。
疎水性溶液は下記組成からなる: リチウムイオノフォアII 10mg CDA 0.75ml PVC(低MW,シクロヘキサノン中10%) 1.0ml 7−デシルMEDPIN 14mg シクロヘキサノン 3.3ml 緩衝液は0.3Mビス−トリスを含有し、pH7.5である。両
乾燥工程は65℃で7分間行われた。二重に含浸・乾燥さ
れた紙を用いて試験具を形成した。
0〜50mMのリチウムイオンを含有した水性試料中に試験
具を浸漬すると、リチウムイオン濃度に半定量的に対応
し目視的に識別可能なレベルの色が展開された。
測定すべき各リチウムイオン濃度の試料中に試験具を浸
漬した後に5分間測定した反射率から計算されたΔES
は下記のとおりであつた。
本製品を用いると、容易に1,5,15,25及び50mMの濃度レ
ベルを目視的に識別することができた。リチウムイオン
10mMは15mMと識別可能であるが、5mM〜10mMの目視的な
区別は更に困難である。もちろん、すべての濃度レベル
について、機器的に容易に識別することができる。
実施例12 リチウムイオン:好ましい態様 リチウムイオノフォアIIを用いて試験具を製造した。CD
A1.008g、7−デシルMEDPIN18mg及びリチウムイオノフ
オアII90μを含有する溶液0.04mlと、VdC/VC0.19g及
びTHF25mlを含有する溶液14.6mlとを混合して疎水性溶
液を調製した。紙を乾燥し、次いで0.20Mバイシン及び
0.5%トリトンX−100を含有し、pH8.5に調製された緩
衝液に浸漬した。二重に含浸された紙を60℃でオーブン
乾燥した。
0〜10mMの塩化リチウムを含有する水性試料のリチウム
イオン濃度に対応した反射率の読み値によつて試験具を
評価した。データ〔mMリチウムイオン濃度を高めていつ
た場合の反射率測定値から計算された(K/S)値〕の
最小二乗分析により下記関係が得られた: (K/S)=0.3146+0.03691〔Li+〕:r=0.988 試験具が、(K/S)計算値とリチウムイオン濃度との
良好な関係によつてリチウムイオン濃度の増加に応答す
ることを、誘導された式は示している。
実施例13 リチウムイオン:緩衝液の変更 一般的操作法で記載されたようにして試験具を製造し
た。疎水性溶液を実施例11で記載したように調製した。
緩衝液は0.3MHEPPSを含有し、pH7.5である。
リチウムイオンを含有した水性試料中に試験具を浸漬し
た後、マクベス(Macbeth )色彩計で5分間評価し、
下記結果を得た。
0.2Mトリスを含有しpH7.5の緩衝液を用いて、第二の試
験具セツトを製造した。リチウムイオンを含有した水性
試料によつて同様の評価方法を行つたところ、下記結果
が得られた。
いずれの製品も、ある試料濃度から次の試料濃度までほ
ぼ同様の色の変化を示すが、前記試験具の項目5で示し
たように緩衝液の選択は色の展開に影響を及ぼす。
実施例14 リチウムイオン:カルシウムイオンの妨害排除 カルシウムイオンの妨害を排除する成分を加えて、リチ
ウムイオンの存在に応答する試験具を製造した。順次含
浸・乾燥したワットマンろ紙を用いて試験具を製造し
た。
リチウムイオノフォアI 90μ、CDA1.004g及び7−デ
シルMEDPIN9mgを含有する溶液0.4mlと、VdC/AN 19mgを
含有する溶液14.6ml及びTHF25mlとを混合して疎水性溶
液を調製した。
紙を疏水性溶液中に浸漬し、乾燥させた。乾燥した紙
を、次いで1%アガロース及び0.2%トリトンX−100を
含有する溶液中に浸漬し、乾燥させた。緩衝性物質、並
びに0.46Mトリス、0.05M MgSO4・7H2O(硫酸マグネシウ
ム・七水和物)、0.1%トリトンX−100及び0.05M EGTA
からなる妨害排除剤を含有するpH8.50の第三の溶液中
に、二重に乾燥された紙を浸漬した。3回目の含浸後に
紙を再び乾燥した。3回含浸・乾燥された紙片を用い
て、アメスセラライザー反射光度計に使用して好適な試
験具を製造した。0,2,4,6,8又は10mMの塩化カルシウム
を含有する試料をピペットで試験具上に採取した。反応
した試験具における反射率測定値を利用して(K/S)
値を計算した。次いで最小二乗線形回帰分析に計算値を
適用して、カルシウム妨害排除剤を含有する試験具がカ
ルシウムの存在に応答するかどうかを調べた。得られた
用量応答式は下記のとおりである: (K/S)=0.1488−9.77×10-5〔Ca++〕;r=−0.068 この式は、カルシウムイオンの存在がカルシウムイオン
の妨害排除剤を含めて製造された試験具に影響を及ぼさ
ないことを示している。
実施例15 リチウムイオン:妨害排除剤としてのイオノフォア リチウムイオンの存在に応答する試験具を、実施例12で
述べたようにして製造した。リチウムイオノフォアとリ
チウムイオンとの共反応についてナトリウムイオンの妨
害を減少させるために、次式: のような水溶性のナトリウム特異性イオノフォアを緩衝
液を用いて紙に含浸させた。水溶性イオノフォアは、望
ましいイオノフォア/イオンコンプレックスの形成を妨
害しないような化学的修飾方法で、−SO3Hの如き可溶性
基をイオン特異性イオノフォアに化学的に結合させるこ
とにより製造される。水相中におけるナトリウムイオン
と妨害排除イオノフォアとの共反応により、水相中にナ
トリウムイオンを保留せしめ、リチウムイオノフォアと
相互反応する疎水相内への妨害イオンの浸入が防止され
る。
多の陽イオン妨害物も、化学的修飾により可水化され
る、好適な選択性イオノフォアを用いることによつて除
去される。
実施例16 カルシウムイオン 前述の組成の試験具を実施例3で記載したようにして製
造した。
疎水性溶液は下記組成からなる: カルシウムイオノフォア 20mg NPOE 0.75ml PVC(低MW,シクロヘキサノン10%) 1.0ml 7−デシルMEDPIN 14mg シクロヘキサノン 3.3ml 緩衝液は蒸留水中に0.3Mビス−トリスプロパンを含有し
ており、pH7.5である。二重に含浸・乾燥された紙片を
用い、一般的操作法で記載されているように試験具を製
造した。
カルシウムイオンを含有する調製された水溶液中に試験
具を浸漬した後、マクベス色彩計により30秒間計器に用
いて評価した結果は下記のとおりである: この結果は、水溶液中におけるカルシウムイオンの半定
量的な濃度と目視的な相関関係を有する試験具の製造
に、その組成が使用され得ることを示している。
実施例17 カルシウムイオン:好ましい態様 EGTA、即ち強力なカルシウム結合剤を緩衝液に加えたこ
と以外は一般的操作法で記載したのと同様にして順次含
浸・乾燥することにより試験具を製造した。1mMのイオ
ン濃度に達するまで試験具がカルシウムイオンの存在に
応答しないようにEGTA濃度を調整した。これにより、望
ましい濃度範囲にわたつてより高精度に試験具を操作し
得ることが期待される。
疎水性溶液は下記組成からなる: カルシウムイオノフォア 100mg VdC/VC 282mg PC−III 100mg NPOE 0.625ml 7−デシルMEDPIN 12.5mg THF 25ml 緩衝液は、蒸留水の最終容積10ml中に、TAPSO500mM、ト
リトンX−100 75mg、並びにEGTA190mg、MgSO4・7H2O1
23mg及びTAPSO1297mgを含む溶液1mlを含有している。
二重に含浸・乾燥された紙片を用いて試験具を製造し
た。0.25mM毎に増加させた0〜4mMのカルシウムイオン
を含有する塩化カルシウム水溶液にて試験具を試験に供
し、アメスセラライザー反射光度計で反射率測定値を測
定した。カルシウムイオン濃度が(K/S)値に比例す
るという平衡関係に基づき、各濃度レベルについて(K/
S)値を計算した。最小二乗線形回帰分析にそのデー
タを使用した。そのようにして求められた用量応答性
は、下記のとおりである: (K/S)=−1.711+1.938〔Ca++〕;r=0.997 負の切片は、カルシウムイオン濃度が1mMに達するまで
応答を示さない用量応答曲線をコンピューターで補外し
たためである。このようにして製造された試験具はカル
シウムイオン濃度に対し高い応答性を示すことが試験結
果より判明するが、血清カルシウムの測定には高精度が
要求される。
本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、前述したよ
うに多数のその他の発明の修正及び変更をなし得ること
は明らかである。
【図面の簡単な説明】 カリウムイオンの存在に応答する試験具の用量応答性を
示す実施データは第1図にグラフで示されている。実施
例5で記載した方法により製造された試験具を用いてデ
ータを作成した。図は、プロットされたK/S計算値対カ
リウムイオン濃度〔K+〕(ミリモル/リットル又はミリ
モル(mM))を示す。カリウム応答性試験具についての
製品が本明細書中に開示された発明の好ましい態様であ
る。 第2図は、実施例2で記載されたようにして製造された
試験具を30又は120ミリモル(mM)のナトリウムイオン
を含有する尿中に浸漬した後、30秒間で得られた反射ス
ペクトルを示している。40℃で1ケ月保存するストレス
が加えられた試験具のスペクトル(破線)と室温でのス
ペクトル(実線)とのわずかな差は、紙マトリックスに
緩衝液が含有されて製造されたナトリウム応答性試験具
の温度ストレスに対する安定性を示している。ナトリウ
ム応答性試験具につき、ナノメーター(nM)で表わされ
る波長(λ)に対応させて%反射率(%R)をプロット
した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダニエル・ウオング アメリカ合衆国、インヂアナ 46514、エ ルクハート、スプルース・ピー 1‐デイ ー 1755 (56)参考文献 特開 昭55−48643(JP,A)

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性試料中のイオンの存在を測定するため
    の試験具であって、試験試薬として、 a)イオンとコンプレックスを形成することができるイ
    オノフォア、疎水性ビヒクル、及びイオノフォアとイオ
    ンとのコンプレックスと相互反応して検出可能な応答を
    示すことができるリポータ物質を含有する均一な疎水性
    組成物;並びに b)pHを約5〜10の範囲内に調整することができる緩衝
    性物質 が実質的に均一に包含された、多孔質担体マトリックス
    からなることを特徴とする試験具。
  2. 【請求項2】多孔質担体マトリックスが、紙である特許
    請求の範囲第1項記載の試験具。
  3. 【請求項3】イオノフォアが、非荷電ポダンドである、
    特許請求の範囲第1項又は第2項記載の試験具。
  4. 【請求項4】均一な疎水性組成物が、更に疎水性ポリマ
    ーを含有している、特許請求の範囲第1項記載の試験
    具。
  5. 【請求項5】多孔質担体マトリックスが、更に湿潤性物
    質を包含している、特許請求の範囲第1項記載の試験
    具。
  6. 【請求項6】多孔質担体マトリックスが、更に妨害排除
    剤を包含している、特許請求の範囲第1項記載の試験
    具。
  7. 【請求項7】リポータ物質が、構造式 (式中、Xはハロゲン又は擬ハロゲンであり;Rは、同一
    でも異なっていてもよく、低級アルキル、中級アルキ
    ル、アリール及び2,3位もしくは5,6位の縮合環から選択
    される2位、3位、5位及び/又は6位の置換基であ
    り;nは0〜4である) を有する化合物である、特許請求の範囲第1項〜第6項
    のいずれか1項に記載の試験具。
  8. 【請求項8】リポータ物質が、構造式 (式中、R′は水素または低級アルキルであり;Rは水
    素または中級アルキルであり;Xはハロゲンまたは擬ハロ
    ゲンである) を有する化合物である、特許請求の範囲第1項〜第6項
    のいずれか1項に記載の試験具。
  9. 【請求項9】R′がメチルであり、Rがn−デシルで
    ある、特許請求の範囲第8項記載の試験具。
  10. 【請求項10】リポータ物質が、イオノフォアとイオン
    のコンプレックスの存在下で、蛍光の発現又は変化を生
    じることができる物質である、特許請求の範囲第1項〜
    第6項のいずれか1項に記載の試験具。
  11. 【請求項11】リポータ物質が、フルオレセイン又はそ
    の誘導体である、特許請求の範囲第10項記載の試験具。
  12. 【請求項12】試料中のイオンがナトリウムイオンであ
    り、均一な疎水性組成物が更に疎水性ポリマーを含有し
    ている、特許請求の範囲第1項記載の試験具。
  13. 【請求項13】多孔質担体マトリックスが、更に湿潤性
    物質を包含している、特許請求の範囲第12項記載の試験
    具。
  14. 【請求項14】多孔質担体マトリックスが、更に妨害排
    除剤を包含している、特許請求の範囲第12項又は第13項
    記載の試験具。
  15. 【請求項15】試料中のナトリウムイオンの存在を測定
    するための試験試薬として、 a)1,1,1,−トリス[1′−(2′−オキサ−4′−オ
    キソ−5′−アザ−5′−メチル)ドデカニル]プロパ
    ン、2−ニトロフェニルオクチルエーテル、ポリ塩化ビ
    ニル及び7−(n−デシル)−2−メチル−4−
    (3′,5′−ジクロロ−4′−フェノン)インドナフト
    ールからなる均一な疎水性組成物;並びに b)ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノ−トリス(ヒ
    ドロキシメチル)メタン が実質的に均一に包含された紙担体マトリックスからな
    る、特許請求の範囲第1項記載の試験具。
  16. 【請求項16】試料中のイオンがカリウムイオンであ
    り、均一な疎水性組成物が更に疎水性ポリマーを含有し
    ている特許請求の範囲第1項記載の試験具。
  17. 【請求項17】多孔質担体マトリックスが、更に湿潤性
    物質を包含している、特許請求の範囲第16項記載の試験
    具。
  18. 【請求項18】多孔質担体マトリックスが、更に妨害排
    除剤を包含している、特許請求の範囲第16項又は第17項
    記載の試験具。
  19. 【請求項19】カリウムイオンとコンプレックスを形成
    することができるイオノフォアが、2,3−ナフト−1,4,
    7,10,13−ペンタオキサシクロペンタデカ−2−エンで
    ある、特許請求の範囲第16項記載の試験具。
  20. 【請求項20】試料中のイオンがリチウムイオンであ
    り、均一な疎水性組成物が更に疎水性ポリマーを含有し
    ている、特許請求の範囲第1項記載の試験具。
  21. 【請求項21】多孔質担体マトリックスが、更に湿潤性
    物質を包含している、特許請求の範囲第20項記載の試験
    具。
  22. 【請求項22】多孔質担体マトリックスが、更に妨害排
    除剤を包含している、特許請求の範囲第20項又は第21項
    記載の試験具。
  23. 【請求項23】リチウムイオンとコンプレックスを形成
    することができるイオノフォアが、N,N′−ジヘプチル
    −N,N′,5,5−テトラメチル−3,7−ジオキサノナンジア
    ミド;シス−N,N,N′,N′−テトライソブチル−1,2−シ
    クロヘキサンジカルボキサミド;又はそれらの混合物で
    ある、特許請求の範囲第20項記載の試験具。
  24. 【請求項24】試料中のイオンがカルシウムイオンであ
    り、均一な疎水性組成物が更に疎水性ポリマーを含有し
    ている、特許請求の範囲第1項記載の試験具。
  25. 【請求項25】多孔質担体マトリックスが、更に湿潤性
    物質を包含している、特許請求の範囲第24項記載の試験
    具。
  26. 【請求項26】多孔質担体マトリックスが、更に妨害排
    除剤を包含している、特許請求の範囲第24項又は第25項
    記載の試験具。
  27. 【請求項27】カルシウムイオンとコンプレックスを形
    成することができるイオノフォアが、ジエチル−N,N′
    −[(4R,5R)−4,5−ジメチル−1,8−ジオキソ−3,6−
    ジオキサオクタメチレン]ビス(12−メチルアミノドデ
    カノエート)である、特許請求の範囲第24項記載の試験
    具。
  28. 【請求項28】多孔質担体マトリックスが、実質的に平
    坦な上面を有する細長い支持部材の平坦な表面に固着さ
    れている、特許請求の範囲第1項記載の試験具。
  29. 【請求項29】水性試料中のイオンの存在を測定するた
    めの試験具の製造方法であって、 a) イオンとコンプレックスを形成することができる
    イオノフフォア、疎水性ビヒクル、イオノフォアとイオ
    ンとのコンプレックスと相互反応して検出可能な応答を
    示すことができるリポータ物質及び有機溶媒からなる疎
    水性組成物の均一な第一の混合物を調製し; b) pHを約5〜10の範囲内に調整することができる緩
    衝性物質及び水、水溶性溶媒もしくはそれらの混合物の
    均一な第二の混合物を調製し; c) 多孔質担体マトリックスに第一もしくは第二の混
    合物のうちの一方を包含せしめ; d) 包含されたマトリックスを乾燥し; e) 多孔質担体マトリックスに第一もしくは第二の混
    合物の他方を包含せしめて、重ねて包含されたマトリッ
    クスを調製し;更に、 f) 重ねて包含された担体マトリックスを乾燥する 工程からなることを特徴とする試験具の製造方法。
  30. 【請求項30】第一の混合物が、更に疎水性ポリマーを
    含有している、特許請求の範囲第29項記載の方法。
  31. 【請求項31】第二の混合物が、更に湿潤性物質を包含
    している、特許請求の範囲第29項記載の方法。
  32. 【請求項32】第二の混合物が、更に湿潤性物質及び妨
    害排除剤を含有している特許請求の範囲第29項記載の方
    法。
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