JP3088789B2 - イオンのアッセイ法とその装置 - Google Patents

イオンのアッセイ法とその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解質又はイオン、特
に医学的に問題のあるイオン、例えばナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウム及びリチウムの存否又
は濃度について、水性の分析試料をアッセイする分析装
置及び方法に関する。さらに詳細には、本発明は、親水
性指示薬組成物を含む分析材を有する分析装置を利用し
て陽イオンについて、水性の分析試料、例えば全血液検
体の血漿又は血清をアッセイする方法及び装置に関す
る。親水性指示薬組成物は、イオン特異的なイオン透過
担体、レポーター物質及び安定剤化合物よりなり、フィ
ルム若しくは層として、又は担体基質に組み込んで用い
られ、水性の陽イオンを含む分析試料と接触して検出可
能な又は測定可能な反応を生じる分析材を提供する。本
発明の親水性指示薬組成物は、フィルム若しくは層とし
て又は親水性の担体基質に組み込んだ後の何れかで、予
め設定した陽イオン又は陽イオン類に対する十分な感度
を備えた分析材を提供し、乾式相試験片アッセイによる
水性の分析試料、例えば全血液検体の血漿又は血清の正
確で信頼性のある電解質アッセイを行なわせる。
【0002】
【従来の技術】水性の分析試料中のイオンの検出又は濃
度測定は、多くの科学技術に応用されている。例えば、
水精製の分野において、カルシウムイオン濃度はイオン
交換樹脂による脱イオン器のカルシウム飽和度を調査す
るのに用いられている。さらに、海水中のナトリウムイ
オン濃度及びその他のイオン濃度の測定は、航海中の船
舶での飲料水を作るのに重要である。しかしながら、イ
オン濃度の測定で最も重要なのは個人の電解質レベルに
関する測定である。
【0003】例えば、医師は、心筋機能における筋肉の
過敏症と興奮性の変化、及び乏尿症、無尿症、泌尿器障
害、機能障害による腎不全のような状態の原因となる健
康状態を診断する一助として、血中のカリウムイオン量
を型通りアッセイする。血清カリウムの臨床上の範囲は
約2ないし約10ミリモル(mM)であり、正常範囲は
約3.5ないし約5.5mMに過ぎないので、カリウム
の測定には特別な感度と精度が要求される。
【0004】同様に、ナトリウムイオンのアッセイに
は、ナトリウムイオンの臨床上の全範囲が約120ない
し約170mM、正常範囲が約130ないし約155m
Mなので高い感度と精度が要求される。さらに、血清中
のリチウムレベルの正確で信頼性のある測定もまた、リ
チウムイオンの毒性用量レベルが精神病治療に用いる治
療レベルよりも僅かに高いだけなので重要である。その
他の陽イオン類、例えばカルシウム及びマグネシウムも
また、医学的に重要と考えられ、医師に異常な状態を診
断する十分な情報を提供し、妥当な医学的の治療を開始
し、続行し、観察するために正確にアッセイされなけれ
ばならない。本発明は、体液に存在する金属陽イオン類
又は電解質の測定に特に有用であるが、その他のイオン
類、特にその他の陽イオン類も又正確で信頼性のある検
出と測定が可能である。
【0005】水性の分析試料、例えば全血液検体の血清
又は血漿中のカリウムイオン濃度の測定は、広く用いら
れており重要な診断試験である。臨床的に重要なイオ
ン、例えばカリウムイオン濃度の信頼性が高く迅速な測
定法は、早くて正確なイオンの測定が要求される医学の
アッセイ技術を進歩させる。このため、例えば医学の試
験室の技術者が全血液検体のナトリウム、リチウム、マ
グネシウム、カリウム又はカルシウムレベルを、秒又は
分の単位で正確に測定ができると、アッセイの結果が早
くなり試験室の効率を高め、医師が診断するのを助ける
ことになる。さらに、全血液検体の血漿又は血清中の電
解質濃度の測定が容易で正確なために、医師の指示した
治療をより良く続け、観察するために患者は家庭で分析
を行なうことができる。
【0006】従って、水性の分析試料のイオン濃度を検
出又は測定する迅速で簡便な方法によって、水性の分析
試料を分析装置に接触させて数分以内に正確で信頼性の
あるアッセイ結果が得られのは有益である。それ故、本
発明の重要な特徴として、現在使用されている扱い難く
高価な電子装置、例えばイオン特異性電極、炎光光度
計、原子吸光光度計などを使わないことである。本発明
により、医療従事者又は家庭での患者は単に分析試料を
分析装置に接触させ、検出される反応を問題の特別なイ
オンの濃度に相関させることができる。
【0007】上記のように、溶液中のイオン濃度を測定
する現在の方法には、炎光光度計、原子吸光光度計及び
イオン特異性電極がある。しかしながら、比較的最近に
なって、以下に詳細に説明するように、乾式相試験片の
形式がカリウムのようなイオン類をアッセイするのに用
いられるようになった。さらに、乾式相試験片ならびに
イオン特異性電極に関して、水性の分析試料から問題の
特定のイオンを単離するために、ある種の化合物及び組
成物を用いることが一般的になってきている。これらの
化合物はイオン透過担体として知られ、問題の特定のイ
オンを電極膜に輸送し、測定が可能な電位差を生じさせ
る性能を有している。選択的なイオン/イオン透過担体
現象を利用するイオンのアッセイ法には、膜電極、液体
/液体分配、蛍光及び乾式相試験片がある。
【0008】水性の分析試料中のイオン濃度を測定する
イオン特異性電極法は、イオン濃度の異なる二つの溶液
が電気伝導性膜によって隔離されて生じる電位(EM
F)に基づくものである。膜分離電解槽において、膜は
簡単な溶融したガラスの隔壁であるが、一つの溶液から
別な溶液への少ないが測定可能な程度のイオン拡散が生
じる。又は、イオン透過担体を含浸させた無孔性で電気
的に非伝導性のフィルム、例えば塩化ビニールを用いる
ことができる。イオン透過担体がない場合には、非伝導
性のフィルムは絶縁体であってEMFは測定できない。
しかしながら、イオン透過担体が混和されると荷電イオ
ンはフィルムに結合し、僅かながらも測定可能な電流が
流れ始める。前記の電解槽はイオン透過担体が特定のイ
オンへの親和性に選択性を有しており、ある特定のイオ
ンにのみほとんど専ら結合するので、イオン選択的であ
る。従って、測定されるEMFはイオン透過担体に結合
する問題の特定のイオンの存在に完全に由来している。
【0009】しかしながら、イオン特異性電極には不都
合もある。膜を通過する電流の流れは十分に小さく、膜
を通過して輸送されるイオン又はその対イオンの実際の
量は有意でない。従って、このようなイオン濃度におけ
る僅かな変化はEMFに極めて小さい変化しか生じない
ので、検出には精巧な電圧計が必要になる。また、膜の
電気的中性は、水素イオンの逆の流れか水酸イオンの同
方向の流れの何れかによって維持される。しかし、水酸
イオンの流れは測定される特定のイオンに対する電極の
特異性を減ずることになり、出来るだけ少なくしなけれ
ばならない妨げである。さらに、イオン選択性電極の使
用時の主要な難点は、アッセイの精度及び反応速度の有
意な減少であって時間がかかり過ぎることである。
【0010】イオン特異性電極の欠点は、生物学的燐脂
質二層膜の電気的性質に影響するバリオマイシンのよう
なある種の抗生物質を用いることによって、ある程度克
服される。これらの抗生物質は、陽イオンを可動性の荷
電した錯体の形で膜内に可溶化し、「担体」機構によっ
て陽イオンは膜の絶縁性炭化水素内部を通過することが
できる。錯体は膜を通して電荷を輸送し、膜の何れかの
側で溶液間の電位差が測定される。
【0011】従来のイオン特異性電極は、Simonの
米国特許第3562129号明細書に開示され、イオン
特異性電極にアミノ酸とオキシ酸の大環状誘導体を含浸
させた溶融ガラスのような多孔質膜を教示している。こ
れらの電極はイオン活性を測定するのに有効であると云
われている。Hemblenらによって提出された米国
特許第4053381号明細書は、同様な技術を開示
し、イオンの可動性を有するイオン特異性膜を利用して
いる。同様に、米国特許第3957607号明細書にS
imonらは、陽イオンと脂溶性の錯体を形成できる中
性のイオン透過担体を含む膜の電極を用いる、陽イオン
の電気化学的測定法を開示した。
【0012】イオンの定量にイオン透過担体を用いる別
な方法は液体/液体分配である。Eisenmanら
は、Membrane Biol.,1:294−34
5(1969)に、マクロテトラライドアクチン抗生物
質による水溶液から有機溶媒への陽イオンの選択的な抽
出法を示した。従って、Eisenmanらの方法で
は、疏水性イオン透過担体は水に不溶な有機溶媒に溶解
される。次いで、抗生物質を含む有機溶媒相は、脂溶性
の陽イオン塩、着色した陰イオン類、例えばピクリン酸
塩及びジニトロフェノール塩を含む水溶液と振盪され
る。有機相に発色する色の強度は、分光光度計により測
定され抽出された塩の量を示す。相転移はまた、Dix
ら[Angew.Chem.Int.Ed.Eng
l.,17S:857(1978)]によって研究さ
れ、Burgermeisterら[TopCurr.
Chem.,69:91(1977)];Yuら[アム
ステルダム、エルスヴィア社「Membrane Ac
tive Complexones」(1974)];
及びDuncan[ケンブリッジ大学出版「Calci
um in Biological Systems」
(1976)]の幾つかの総説で論じられている。
【0013】液体間の化合物の分配は、イオン透過担体
及びイオン類の移動が輸送された種を界面から速やかに
分散させるために速やかで効果的である。このような機
構は、固相における基質の剛性、不動性、本質的にゼロ
の分散のために、固体においては通常不可能である。
【0014】イオン透過担体を用いたイオン濃度の検出
及び測定の別の方法は、米国特許第4367072号明
細書に開示されている。色原体のイオン透過担体、すな
わち色原体に共有結合したイオン透過担体の使用する方
法である。測定されるイオンと同じ電荷を有する荷電し
た色原体−イオン透過担体の錯体も教示されている。用
時、色原体のイオン透過担体又は荷電した色原体−イオ
ン透過担体の錯体を液体試料に加え、溶液の色を分光測
光的に測定する。イオン透過担体が担体、例えば紙、合
成樹脂、フィルム、酸化ケイ素、天然若しくは合成繊維
又は金属に組み込み得ることが開示されている。
【0015】前記の従来の技術に示したように、現在、
ナトリウム、カリウム及びリチウムのような電解質を型
通りに測定する診断用のアッセイは、イオン選択性電極
又は炎光光度測定法によって行なわれている。しかしな
がら、最近、別な二つの電解質のアッセイ法が利用され
るようになっている。インディアナ州エルクハルト市マ
イルス社が販売している試薬片及び器具の両者を用い、
SERALYZER(商標名)反射率光度計によって、
全血液ではなく血清又は血漿中のカリウムイオンを比色
定量するための乾式相試薬片が市販されている。この市
販の方法では、全血液の凝固又は凝血細胞から血清又は
血漿を分離することが必要である。乾式相試薬片の技術
は米国特許第4540520、4552697、464
9123、4645744及び4670218号各明細
書に開示されている。
【0016】その他、アボットラボラトリーズは、液状
の有機相及び水相の間に色原体の対イオンを分配するこ
とによって、カリウムイオン濃度を測定するのに適した
器具と試薬を一括した商品を発売している。液体の有機
相はカリウムイオンに特異なイオン透過担体を含み、有
機相に分配された色原体の対イオンの量はカリウムイオ
ン濃度の関数である。この器具は必要な遠心分離を行
い、相を分離し、液体の有機相における色原体の対イオ
ン濃度を吸光度によって測定する。この技術は、欧州特
許第85105106.0及び85105108.6号
各明細書、及び米国特許第4639424号明細書に開
示されている。同様に、Sumiyoshiら[Tal
anta,24,763−765(1977)]は、最
初にトリクロロ酢酸によって除蛋白された血清中のカリ
ウムイオン濃度の測定法を記載している。次いで、血清
に指示薬色素を加えた後、バリオマイシンを含む溶媒、
例えばクロロホルムと振盪する。
【0017】従って、イオン透過担体を用いる陽イオン
濃度を測定する多くの方法は、イオン透過担体による輸
送によって、液体の有機相(相転移測定)の中、又はイ
オン透過担体を含むイオン選択的な膜(電極又はオプト
ード)を通すかの何れかでイオンを輸送することが必要
である。乾式試験片の方法では、イオン透過担体及び指
示薬組成物は、重合物質又は有機の液体から普通に作ら
れる疏水性の基質内で隔てられており、疏水性の基質の
中の問題のイオンの輸送は比色反応で検出できる。
【0018】例えば、Charltonらは米国特許第
4649123号明細書に、疏水性のビヒクル、例えば
ポリ塩化ビニールのようなポリマー、又はジオクチルホ
スフェート若しくはニトロフェノールエーテルのような
水に不溶な液体よりなる疏水性混合物の細かに分裂した
小球体を、親水性の担体基質に組み込むことを教示して
いる。小球体もまた、イオン透過担体及び指示薬化合
物、すなわちレポーター物質を含み、小球体は疏水性の
混合物、及び水と親水性ポリマー、例えばゼラチンの混
合物との間で乳濁液を作ることで形成される。次いで、
この乳濁液を支持部材に被覆し、水を蒸発すると親水性
ポリマー及び細かに分裂した小球体が得られる。又は、
この乳濁液を濾紙上に被覆してから水を蒸発して、被覆
された濾紙を支持部材に取り付ける。何れの場合にも、
分析装置の分析部材は、イオン透過担体とレポーター物
質を疏水性のビヒクルに含む疏水性混合物の細かに分裂
した小球体を親水性基質の中に含んでいる。同様に、G
antzerらは米国特許第4670218号明細書
は、イオン透過担体及びレポーター物質を、乳濁剤の場
合とは反対に、均質な非水性の疏水性組成物から多孔性
の担体基質に直接組み込むことを教示している。Gan
tzerの方法は、次に水溶性の緩衝化合物を担体基質
に組み込むための巧妙な第二の工程を要する。
【0019】疏水性相又は有機相の中にイオン透過担体
を隔離する必要条件の例外は、Feinsteinらに
よって、Proc.Nat.Acad.Sci.US
A,68(9):2037−2041(1971、九
月)に記載されている。Feinsteinらは、二つ
の蛍光色素、1−アニリノ−8−ナフタレンスルホナー
ト(ANS)と2−p−トルイジニル−6−ナフタレン
スルホナート(TNS)の陰イオン型の存在下、水中で
陽イオン−イオン透過担体の錯体形成を開示している。
Feinsteinの方法は、イオン透過担体として、
バリノマイシン及びマクロテトラライドアクチン類のよ
うな抗生物質を含むものである。しかしながら、水溶液
を作るのに、この著者が用いた方法は明瞭に記載されて
いない。一般的に、この著者は、蛍光の複極における見
かけの増加は、陽イオン−イオン透過担体の錯体の結合
部位が飽和することによると論述しており、また、複極
はミセルの中で蛍光担体分子間でのエネルギー移動によ
って起こるか、又は陽イオン−イオン透過担体の錯体の
凝集体と色素の相互反応によって起こると論述してい
る。従って、Feinsteinは、陽イオン−イオン
透過担体の錯体は水性の環境で検出され得ると提唱し
た。この提案は、前記の陽イオン−イオン透過担体の錯
体の安定性が錯体を含む有機溶液に水を加えることによ
って、劇的に減少するという一般の理論とは相容れな
い。
【0020】疏水性相又は有機相中のイオン透過担体を
隔離する必要条件の別の例外は、Gibbonsによっ
て米国特許第4820647号明細書に開示されてい
る。Gibbonsは、イオン透過担体、レポーター物
質及びミセル形成物質を含む水溶液を用いる金属イオン
の湿式相診断検出法を開示した。ミセル形成物質は疏水
性イオン透過担体及びレポーター物質を安定化する作用
をなしている。
【0021】別の関連ある従来の技術として、Vogt
leらは米国特許第4367072号明細書に、メタノ
ール/水に溶解し、当モル量のクラウンエーテルと混ぜ
たヒドラチニウム塩酸塩の溶液にイオンを含む分析試料
を加えた際の色調変化を開示している。カリウム又はナ
トリウムのような陽イオンによって、色素はそれを包含
する錯体から置換されるので吸収(明るさ)の変化が観
測される。その他、イオン透過担体の表面活性の性質は
Ping−Lin Kauら[TensideDete
rgents,19(4):204−206(198
2)]及びJ.Le Moigneら[J.Phys.
Chem.,84:170−177(1980)]によ
って研究されている。
【0022】従って、溶液中のイオンをアッセイする多
くの方法が知られている。機器を使用する方法には、イ
オン特異性電位差測定法、炎光光度測定法及び原子吸光
光度測定法のような高性能な技術がある。さらに、特異
的なイオンと選択的に錯体を形成するイオン透過担体の
用途として、次の五つの方法が考慮されている:イオン
選択性電極、液体/液体分配、蛍光の励起、発色団で標
識したイオン透過担体及び試験片である。しかしなが
ら、本発明の前には、使用者が単に分析試料を分析装置
に接触させることによって迅速で正確なアッセイ結果を
得るものは殆どなかった。ところが、本発明では、アッ
セイを行なう人が単に液体の分析試料を本発明の優れた
分析装置に接触させ、色調における検出可能な若しくは
定量可能な変化、又はその他の検出可能な反応を観察す
ればよい。
【0023】以下にさらに詳細に説明するように、本発
明の方法は、新規な親水性指示薬組成物よりなる分析材
を含む試験片を利用することにより、迅速で正確かつ信
頼性のある水性の分析試料のイオン又は電解質のアッセ
イを行なうものである。この親水性指示薬組成物はイオ
ン透過担体、レポーター物質及びゼラチンのような安定
剤化合物よりなる。驚いたことにそして予想外なことで
あるが、従来の技術とは異なり、電解質と錯体を形成す
るイオン透過担体に応じて起こる色調の変化又はその他
の検出可能な変化を媒介するために、疏水性の相にイオ
ン透過担体及びレポーター物質を入れる必要はない。本
発明の親水性指示薬組成物は、層若しくはフィルムとし
て、又は担体基質に組み入れられた後で、予め設定した
電解質に対して十分な安定性と十分な感度を有する分析
材を提供し、乾式相試験片によって全血液検体中の血漿
又は血清のような水性の分析試料の正確で信頼性のある
電解質のアッセイを行なう。従来公知の試験片によるイ
オンのアッセイ法は、疏水性の相を要しイオン透過担体
を隔離している。驚いたことにそして予想外なことであ
るが、本発明の方法と装置は、疏水性の相においてイオ
ン透過担体を隔離することなく正確なイオンのアッセイ
を行なうものである。
【0024】本発明の方法と装置の前には、水性の分析
試料において予め設定したイオン又は電解質の存否又は
濃度に対するアッセイのための乾式相試験片には、疏水
性の有機相を必要とした。しかしながら、本発明の新規
で改良された親水性指示薬組成物は、層若しくはフィル
ムとして、又は担体基質に組み入れた後で、水性の分析
試料、例えば全血液検体の血漿又は血清の電解質濃度、
例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム
又はカルシウム濃度の検出又は測定のための、改良され
たアッセイ材を提供する。本発明の装置は優れた貯蔵安
定性を示し、イオンを含む分析試料を親水性指示薬組成
物と接触させて生じる色調変化の十分な識別能と分解能
を備えており、十分なアッセイ感度を提供し、水性の分
析試料における電解質含量の信頼性があり正確な検出又
は測定を行なわせる。
【0025】全血液又はその他の水性の分析試料中の電
解質をアッセイする如何なる方法も、問題の電解質以外
の分析試料成分との反応が優先するような化学的若しく
は物理的な競争反応の結果としてではなく、親水性指示
薬組成物と電解質との反応の結果として、検出可能な又
は測定可能な反応、例えば色調変化を生じることによっ
て正確で、信頼性があり再現できる結果を与えるもので
なければならない。さらに、電解質のアッセイ法が、全
血液検体の血漿若しくは血清、又はその他の水性の分析
試料中の電解質の迅速、経済的かつ正確な定量のための
乾式相試験片である場合には有利である。また、電解質
のアッセイに用いられる親水性指示薬組成物を含む分析
材は、複数の分析材片に存在する別の分析試薬材に悪影
響を及ぼし又はその働きを妨げるものであってはならな
い。
【0026】本発明の前には、水性の分析試料の電解質
をアッセイする公知の方法として、試験片の十分な安定
性;色の十分な識別能と分解能;及び分析試料中の低レ
ベルの電解質をアッセイできる十分なアッセイ感度を備
えた親水性指示薬組成物よりなる分析材を含む分析装置
はなかった。驚いたことにそして予想外なことである
が、本発明の方法と装置は、分析材に疏水性相を含むこ
となく、乾式相試験片によって低レベルの電解質につい
て、血漿、血清及びその他の水性の分析試料のアッセイ
ができる。
【0027】従来の技術とも現在入手できる市販の試験
片とも異なり、本発明の方法は、予め設定した電解質に
対して十分な感度を有し、水性試料中の電解質の検出と
測定を可能にする。従って、本発明の方法と分析装置
は、水性の分析試料の電解質濃度の簡便、正確かつ本質
的に直接的な検出と測定に適している。この方法と装置
は、医師の診療室又は家庭の何れにおいての使用にも適
している。それ故、本発明の方法により、本発明の親水
性指示薬組成物よりなる分析材を利用することによって
予め設定した電解質、例えばカリウム、ナトリウム、リ
チウム、マグネシウム又はカルシウムについて、血漿、
血清及びその他の水性分析試料を用いた乾式相試験片の
アッセイで新規で予想しなかった結果が得られる。
【0028】
【発明の要約】要約すると、本発明は、新規で改良され
た分析装置、分析装置を製造する方法、及び試験試料中
の予め設定した成分の存否又は濃度の決定法を企図する
ものである。この装置は、電解質のような予め設定した
分析試料成分と反応して検出可能な反応を生じる親水性
指示薬組成物からなる分析材を含む。試験室又は家庭で
の使用に際して親水性指示薬組成物は、可視的に又は機
器により検出することができる反応を生じる。本発明の
分析装置の新規で改良された分析材は、フィルム若しく
は層として、又は濾紙のような適当な担体基質に組み入
れた親水性指示薬組成物からなる。担体基質はさらに、
担体基質全体にわたって均質に親水性指示薬を保持し、
分析試料及びアッセイされる分析試料成分による担体基
質への浸透性を維持している。親水性指示薬組成物はイ
オン透過担体、レポーター物質及びゼラチンのような安
定剤化合物を含んでいる。
【0029】さらに詳細には、本発明は、親水性指示薬
組成物よりなる分析材を含む分析装置を利用することに
よって、カリウムのような予め設定した電解質について
水性の分析試料、例えば全血液検体の血漿又は血清のア
ッセイ法を企図するものである。驚きであり予想外なこ
とであるが、親水性指示薬組成物は、フィルム若しくは
層として、又は適当な担体基質に組み込んだ後に、十分
に安定な乾式相試験片を提供し、十分に識別され分解さ
れる色調変化を提供し、低い電解質濃度、例えば0ない
し約10mM/Lのカリウムイオン濃度を感度良く検出
することができる。従って、本発明の重要な特徴とし
て、全血液検体の血漿若しくは血清、又はその他の水性
の分析試料において、0ないし約200mM/Lの電解
質濃度の定性的又は定量的な測定が行なわれる。臨床上
の検査法に本発明の分析装置を利用することにより、血
漿、血清又はその他の水性の分析試料中のイオン、例え
ばナトリウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム又
はカリウムの定性的又は定量的濃度は、親水性指示薬組
成物よりなる分析材が呈する色の分解能及び識別能が低
濃度イオンに対して、乾式相アッセイで十分な感度を示
すために正確に決定することができる。さらに、驚きで
あり予想外なことであるが、新規で改良された分析装置
は、非生物学的な水性の分析試料中の、予め設定したイ
オン、例えばカリウム、ナトリウム、マグネシウム又は
リチウムの検出及び測定を行なうことができる。
【0030】従って、本発明の目的は、液体中の予め設
定した化学化合物の相対濃度を測定する新規で改良され
た分析装置及び方法を提供することである。
【0031】本発明の別な目的は、予め設定したイオン
又は電解質について血漿、血清又はその他の水性の分析
試料をアッセイする簡便で、信頼性があり、正確で再現
性のある方法を提供することである。
【0032】本発明のさらに別な目的は、分析する液体
中の予め設定した電解質と相互作用して、分析する液体
中の電解質濃度を指示する可視的な反応、例えば色調の
変化を生じる新規で改良された電解質の相互作用性分析
装置を提供することである。
【0033】本発明のもう一つの目的は、予め設定した
イオン又は電解質、例えばナトリウム又はカリウムにつ
いて、全血液検体の血漿若しくは血清、又はその他の水
性の分析試料のアッセイ法を提供することである。
【0034】本発明の目的はまた、低電解質濃度に対し
て十分に可視的な色の識別能及び分解能を備え、それに
よって十分な感度を具備している、血漿若しくは血清、
又はその他の水性の分析試料のアッセイ法を提供するこ
とである。
【0035】本発明の目的はまた、0ないし約200m
M/Lの電解質レベルに鋭敏であり定量的に判別する、
血漿若しくは血清、又はその他の水性の分析試料のアッ
セイ法を提供することである。
【0036】本発明の別な目的は、親水性指示薬組成物
よりなる分析材を含む分析装置を利用する、全血液検体
の血漿若しくは血清、又はその他の水性の分析試料のア
ッセイ法を提供することである。
【0037】本発明のさらに別な目的は、フィルム若し
くは層として用いる時、又は適当な担体基質に組み込ん
だ後で、予め設定した電解質と反応し、検出可能な又は
定量可能な色調変化を受けて、分析試料中の電解質の存
否を確認し又は濃度を定量できる親水性指示薬組成物を
利用することにより、血漿若しくは血清、又はその他の
水性の分析試料のアッセイ法を提供することである。
【0038】本発明の他の目的は、フィルム若しくは層
として、又は適当な担体基質に組み込むかの何れかで、
予め設定した電解質と反応し、可視的に又は機器的に識
別可能で分解可能な色調変化を受け、血清、血漿又はそ
の他の水性の検体の0ないし200mM/Lのレベルに
ある予め設定した電解質濃度を、定量的に測定できる親
水性指示薬組成物よりなる分析材を含む分析装置を提供
することである。
【0039】本発明の他の目的は、問題の予め設定した
電解質と錯体を形成することができるイオン透過担体、
イオン透過担体−電解質の錯体と反応することができる
レポーター物質、及びゼラチンのような安定剤化合物を
含む親水性指示薬組成物よりなる分析材を含む分析装置
を提供することである。
【0040】本発明の他の目的は、水性の分析試料中の
予め設定した化学化合物と反応することができる親水性
指示薬組成物よりなる分析材を含む、新規で改良された
分析装置及びその分析装置の製造法を提供することであ
る。
【0041】本発明の他の目的は、親水性指示薬組成物
を担体基質に組み込むことによって、低濃度の電解質の
検出と定量ができる十分な感度を有する乾式相検出装置
を具備する、予め設定した電解質のアッセイ法を提供す
ることである。
【0042】本発明の他の目的は、電解質が親水性指示
薬組成物のフィルム又は層よりなる分析材と反応するこ
とができ、該親水性指示薬組成物が予め設定した電解質
と錯体を形成することができるイオン透過担体、イオン
透過担体−電解質の錯体と反応して検出可能な又は測定
可能な反応を生じ得るレポーター物質、及びゼラチンの
ような安定剤化合物よりなる、水性の試料中の予め設定
した電解質の存否を検知するための新規で改良された分
析装置及びその分析装置の製造法を提供することであ
る。
【0043】本発明の他の目的は、約6分以内に分析試
料中の電解質、例えばナトリウム、リチウム、カリウ
ム、カルシウム又はマグネシウムの正確な定量分析をす
るための新規で改良された分析装置を提供することであ
る。
【0044】
【発明の詳細な記述】本発明の方法によって、血清、血
漿及びその他の水性の分析試料中の予め設定した電解
質、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシ
ウム又はカルシウムについての定性的又は定量的アッセ
イが、親水性指示薬組成物よりなる分析材を含む分析装
置を利用して行なわれる。新規で改良された分析材より
なる本発明の分析装置を使用することにより、電解質の
異なる濃度から起こる色調変化の色識別能及び色分解能
から、分析試料中の電解質濃度に対する十分に鋭敏で正
確なアッセイが行なわれる。さらに、このアッセイの感
度によって、低濃度電解質の十分に正確な測定が行なわ
れる。本発明の方法で与えられる低電解質レベルに対す
る感度は、血漿及び血清のアッセイに特に有用である。
【0045】本発明の前には、鋭敏で正確な、基礎をイ
オン透過担体とする乾式相試験片で疏水性の有機相を有
しないものは、予め設定したイオンに対して利用できな
かった。上記のように、Feinsteinらは水溶液
中でイオン透過担体−イオンの錯体の形成を開示して報
告したけれども、開示された溶液は穏やかな遠心分離に
より容易に分離される結晶性のイオン透過担体の抗生物
質の高濃度を含有するものであった。さらに、たとえ溶
液中の電解質濃度が非常に高くても、Feinstei
nらの開示は、問題の主要なイオンであるカリウムに対
して臨床上の範囲で蛍光の変化が僅かなため、当業者に
はこの技術が非実用的であり、調査又は研究の実行可能
な方法でないと考えた。その上、Feinsteinら
は、合成「クラウン」エーテルの場合には蛍光の変化は
観察されないと記載している。
【0046】分析試料中の予め設定した電解質のアッセ
イに均質な水性の分析液を使用することは、Gibbo
nsにより米国特許第4820647号に開示されてい
る。Gibbonsが開示した方法は、イオン透過担
体、レポーター物質及びミセル形成物質の溶液を利用し
て、溶液中の予め設定したイオンを湿式相で測定するこ
とを企図している。さらに、Gibbonsが開示した
方法は、親水性指示薬組成物よりなる分析材を含む乾式
相試験片の使用を教示も示唆もしていない。Gibbo
nsはミセル形成物質が疏水性イオン透過担体及びレポ
ーター物質を可溶化することを教示している。Gibb
onsが開示した組成物は、有機疏水性相がイオン透過
担体−イオンの錯体化及び結果として生じた色調変化を
媒介するのに必要であることを示したが、乾式相試験片
に成功的であることを示していない。
【0047】従って、多くの研究者は特異なイオンを有
機の液相に、若しくはイオンに選択的な膜を通過して、
又は固体の疏水性環境の何れかに輸送するためイオン透
過担体の性質を依然として利用してきた。固相のイオン
試験片を研究している研究者は、余り成功しなかった
が、無孔性フィルム形態の反応性を増加することを試み
た。
【0048】そのため、予め設定した電解質、例えばカ
リウムイオンに対して現在市販されているアッセイは、
比色測定を用いるイオン透過担体を媒介とする水相と有
機相の間の陽イオン−プロトン交換反応に基づいてい
る。このアッセイは、希薄な水性の分析試料中のカリウ
ムイオンが担体基質中のレポーター物質からの水素イオ
ンと同時的に交換する際に生じる色調変化の定量的な測
定に基づいている。現在の電解質分析装置の分析材は、
疏水性の有機相及び緩衝液のような水相の組成物を含む
担体基質である。水性の分析試料が分析材に適用された
場合、水相の組成物は可溶化され、水相は再構成され
る。有機相に存在するカリウムイオンに選択的なイオン
透過担体、すなわち2,3−(ナフト)−15−クラウ
ン−5は、水相から有機相へのカリウムイオンの輸送を
媒介する。疏水性有機相における電荷の中性は、有機相
におけるレポーター物質である指示薬色素、7−デシル
MEDPINからプロトンを同時に失うことで維持され
る。色素の脱プロトン化によって、640nmに吸収ピ
ークが現れる。包括的な反応図式を次に示す:
【0049】
【化1】
【0050】上記の反応に基づく色調変化の程度及び強
度は、分析試料中のカリウムイオンの量に比例してお
り、5秒間隔で測定された反射率を640nmにおける
反射率の分光測定によって監視される。結果は、mMo
l/L(リットル当りのミリモル数)の単位でディジタ
ル方式で表示される。
【0051】現在のカリウムイオン試験片アッセイは、
乾式相化学の便利さと血清又は血漿のカリウム濃度の定
量的な測定の簡便さで、迅速かつ高度に選択的な方法を
兼備している。しかしながら、本発明によって、結果の
良いイオン/イオン透過担体を基礎にしたアッセイのた
めの分析装置における有機相又は疏水性相についての必
要条件に関する通常の教義には誤りがあったことが知ら
れている。結果として、この分析装置と方法は、分析装
置の分析材としてフィルム又は層の形で用いられるか、
又は適当な親水性担体基質に組み込まれた親水性指示薬
組成物を具備することが認められた。その上、本発明の
乾式相試験片は、通常の分析装置、例えば体液検体に接
触する乾式相試験片の吸光度の測定を基礎にした診断用
の分析装置と両立する。
【0052】それ故、本発明の重要な特徴として、水性
の分析試料中の予め設定された電解質に対する正確で信
頼性のあるアッセイは、体液のような水性の分析試料
を、イオン透過担体、レポーター物質及び安定剤化合物
よりなる親水性指示薬組成物を含む分析材を有する分析
装置と接触させて行なわれる。驚きであり予想外なこと
であるが、有機溶媒又はポリマーのような疏水性の有機
相の存在は、正確で信頼性のある電解質のアッセイの行
なうのに必要ではない。「親水性」という用語は、強い
か若しくは顕著な水との結合又は水を吸収する傾向を有
する物質の物理的な性質であると定義されることに注意
すべきである。従って、親水性という用語は、水と接触
して膨潤するか若しくは不可逆なゲルを形成する物質;
水によって湿潤するか若しくは水が透過し得る物質;又
は水溶液を形成する物質を意味する。
【0053】従って、本発明の親水性指示薬組成物は、
イオン透過担体を含む。イオン透過担体はこの分野にお
いては公知であり、有機分子としては一般に水溶性は極
めて少ない。「イオン透過担体」という用語は、特別な
イオンと錯体を選択的に形成することができ、他のイオ
ンとの錯体形成は実質的に行なわない有機分子を意味す
る。例えば、環状エーテルの2,3−ナフト−1,4,
7,10,13−ペンタオキサシクロペンタデカ−2−
エンは、2,3−ナフト−15−クラウン−5として知
られ、選択的にカリウムイオンと反応し陽イオンの錯体
を形成する。それ故、「イオン透過担体」という用語は
陽イオンと錯体化することができる中性の電子に富む化
合物である。従って、この用語は環状鎖の中に酸素又は
窒素のような電子に富む供与体原子を含む多座配位の環
状化合物を意味する。このような多座配位の環状化合物
は単環性又は多環性であり得る。あるいは、イオン透過
担体は供与体原子を含む開環した化合物であり得る。か
くして、コロナンド類として知られる単環性のイオン特
異性化合物;ポダンド類として知られる開環したイオン
特異性の化合物;そしてバリノマイシン及びマクロテト
ラライドアクチン類のような抗生物質型のイオン透過担
体がイオン透過担体の用語に含まれる。クラウンエーテ
ル類に属するコロナンドの種類は特に有用なイオン透過
担体である。
【0054】しかしながら、通常イオン透過担体として
知られている化合物の総てが、本発明の方法ならびに装
置に用いられ得る。イオン透過担体/イオン対の多くは
文献に知られている。例えば、米国特許第464912
3及び4670218号各明細書は参考文献を含み、詳
細な説明及び本発明に有用なイオン透過担体の各種の型
の幾つかの非限定の例を記載している。一般に、イオン
透過担体はイオン、普通には特異的なイオンと錯体化
し、イオン透過担体/イオンの錯体として脂質膜を通過
し又は有機相の中にイオンを輸送することができる。こ
の性質、すなわち疏水性の相にイオンを輸送する性質
が、「キレート」として知られている広範な種類の化合
物からイオン透過担体を一つの種類として区別するのに
用いられている。キレート化合物は、学術的に広い分類
であるけれども、普通にはイオンと錯体化しイオンを水
性媒体に可溶化し得る荷電した水溶性の分子と考えられ
ている。
【0055】本発明に特に有用なイオン透過担体の例を
表1に示す。表1は、本発明に有用なイオン透過担体の
非限定な例を単に示したものであり、この当業者に公知
の幾つかのその他の表示していないイオン透過担体も親
水性指示薬組成物に入れられ得ることを理解すべきであ
る。表1はまた、各イオン透過担体によって最も選択的
に錯体化される陽イオンを表示する。個々のイオン透過
担体は、特別なイオンと特異的に錯体を形成すると考え
られるけれども、その他の陽イオンとも程度の差はある
が錯体を形成することを注意すべきである。表1に表示
された幾つかのイオン透過担体の構造式は米国特許第4
639123号明細書に記載されている。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】これらの特異的なイオン透過担体は、本発
明の分析装置に有利に用いることができるが、これらは
単に例示のために過ぎず、イオン透過担体が問題の特定
のイオンに対して十分な電解質特異性を有する限り、そ
の他のイオン透過担体又はそれらの混合物も使用するこ
とができる。
【0059】本発明の親水性指示薬組成物はまた、レポ
ーター物質を含む。レポーター物質はイオン透過担体/
イオンの錯体の形成に際して検出可能な反応を示す。レ
ポーター物質は、通常イオン透過担体/イオンの錯体と
相互反応し、分析装置内で色調変化又はその他の検出可
能な反応を起こすことができる。一般に、「相互反応」
とは、検出可能な反応を示すレポーター物質とイオン透
過担体/イオンの錯体との何らかの相互の反応を意味す
る。例えば、イオン透過担体/イオン錯体と解離し得る
プロトンを有するレポーター物質との相互反応は、レポ
ーター物質にプロトンの脱離を起こさせ、検出可能な反
応を生じさせる。
【0060】「検出可能な反応」という用語は、可視的
に又は機器的に認めることができ、水性の分析試料中の
特異なイオン濃度に相関させ得る分析装置内の変化とし
て定義される。それ故、検出可能な反応としては、限定
するものではないが、色調、蛍光、反射率、pH、化学
ルミネセンス又は赤外線スペクトルの変化が挙げられ
る。蛍光反応は適当な測定装置では有用であるけれど
も、比色反応が好ましい。イオン透過担体/イオンの錯
体と反応し、検出可能な反応を生じるレポーター物質の
例は、p−ニトロフェノールの無色からイオン/イオン
透過担体の錯体による着色した型への変化である。
【0061】問題のイオンが水性の分析試料中に存在す
る場合、レポーター物質はイオン透過担体/イオンの錯
体との相互反応によって検出可能な又は測定可能な反応
を起こす。レポーター物質はイオン透過担体/イオンの
錯体の形成に応じてイオン化する単一の化合物である、
又はレポーター物質は、反応鎖がイオン/イオン透過担
体の存在によって引き金になる場合に検出可能な生成物
を生じる化合物の混合物であり得る。かくして、問題の
電解質が分析試料に存在しない場合、イオン透過担体/
イオンの錯体は生成せず、従ってレポーター物質は変化
せず、検出可能な反応は観察されない。また、問題の特
別なイオンが存在する場合、生成したイオン透過担体/
イオンの錯体は順次、レポーター物質と反応しレポータ
ー物質は検出可能な変化を受ける。
【0062】本発明の利点を十分に発揮するため、レポ
ーター物質は解離し得るプロトンを有する中性の化合物
である。さらに、レポーター物質はイオン透過担体/イ
オンの錯体と相互反応して解離し、検出可能な反応を生
じ得るものである。好ましいレポーター物質は酸性のプ
ロトンを有するものである。従って、適当なpH条件下
では、レポーター物質のプロトンはイオン透過担体/イ
オンの錯体形成の際に解離し、検出可能な反応を生じ
る。
【0063】解離し得るプロトンが脱離すると、レポー
ター物質は負の電荷をもつことになり、検出可能な反応
を生成するレポーター物質の電子分布に変化を生じる。
「レポーター物質」という用語は、解離し得るプロトン
を有する有機化合物、例えばイオン化していない状態で
は比較的無色であるが解離し得るプロトンを脱離すると
着色するp−ニトロフェノールのようなフェノール性化
合物;及び電子分布が変化する場合に程度の差はあるが
蛍光を発する有機の蛍光性化合物の両者を含んでいる。
レポーター物質は他の化合物と一緒になって検出可能な
反応の引き金になり得る化合物であってもよい。例え
ば、イオン透過担体/イオンの錯体との相互反応によっ
て起こるレポーター物質の電子分布の変化は順次、レポ
ーター物質と他の組成物との相互反応を促進して次に検
出可能な反応を生成する。
【0064】芳香族水酸基を有するレポーター物質、す
なわち分子から解離して検出可能な反応を生成するプロ
トンを有するフェノール型の化合物は、本発明の方法に
おいて好適であることが知られている。この型に属する
二種類のインドフェノールレポーター物質は米国特許第
4540520及び4552697号各明細書及び特に
それに引用された参考文献に記載されている。本発明の
方法に用いられる適当なレポーター物質のより詳細な説
明は米国特許第4649123及び4670218号各
明細書に記載されている。しかしながら、別な種類のレ
ポーター物質も本発明の用途に適しており、例えばテト
ラブロモフェノールフタレインデシルエステル(TBD
E)のようなトリフェニルメタン類、及びメチルエオシ
ン、フルオレセインエステル類、7−ヒドロキシクマリ
ン類、レゾルフィン類、ピレン−3−オール類及びフラ
ボン類のようなフルオレセイン類が挙げられる。その他
の適当な色素としては、フェノールフタレイン、ブロモ
クレゾールパープル、クレゾフタレイン、クロロフェノ
ールレッド、テトラブロモフェノールブルー、チモフタ
レイン、5−アミノエオシン、エオシン−5−マレアミ
ン酸、5−(N−ドデカノイル)アミノエオシン及びア
シッドブルー#45が挙げられる。
【0065】一般に、解離し得るプロトンを有するレポ
ーター物質は、分析試料中の陽イオンの存否又は濃度の
検出又は定量に好ましい。ここで7−デシルMEDPI
Nと呼ばれるインドフェノール化合物、すなわち7−
(n−デシル)−2−メチル−4−(3’,5’−ジク
ロロフェン−4’−オン)インドフェノールは特に好適
である。その他の好適なレポーター物質としては、2−
メチル−4−(3’,5’−ジクロロフェン−4’−オ
ン)インドナフト−1−オール(MEDPIN)、テト
ラブロモフェノールフタレインデシルエステル(TBD
E)及びメチル(テトラブロモフルオレセイン)(メチ
ルエオシン)が挙げられる。
【0066】これらの特異なレポーター物質が本発明の
試験装置と方法に有利に用いられるが、イオン/イオン
透過担体の錯体とレポーター物質の間の相互反応に応じ
て、レポーター物質が色調を変化するか、又はある種の
検出可能な変化を受ける限り、その他のレポーター物質
又はそれれの混合物も用いられ得ることを注意すべきで
ある。
【0067】親水性指示薬組成物はまた、組成物の約2
重量%ないし約20重量%の量でゼラチンのような安定
剤化合物を含んでいる。安定剤化合物が水溶液中でレポ
ーター物質及びイオン透過担体の均質な分散を維持する
のに役立つか、これらの化合物を水に可溶化するのに役
立つかの何れかであることが理論的に考えられる。
【0068】従来の乾式相試験片に利用された疏水性の
有機相は、この試験片が分析試料と接触して生じる水相
からイオン透過担体及びレポーター物質を隔離するのに
利用された。疏水性有機相の主要な機能は、分析装置の
検出可能な反応を増加させることである。疏水性の相は
イオン透過担体/イオンの錯体と反応し、イオンの水相
への強い引力を克服し、それによって錯体が疏水性の相
の中で形成される時に、イオン透過担体/イオンの錯体
を安定化すると考えられている。驚きであり予想外なこ
とであるが、本発明の試験片が問題の予め設定したイオ
ンに十分に検出可能な又は測定可能な反応を示し、臨床
的に有意なイオンの低濃度の正確で信頼性のあるアッセ
イができるので、本発明の親水性の安定剤化合物は、従
来の試験片の疏水性の有機相に類似の機能を果たすこと
ができる。
【0069】親水性の安定剤化合物を選択する場合に、
安定剤として作用するために選ばれる物質又は物質の組
合せが、イオン透過担体とイオンとの相互反応を妨げる
ことなくイオン透過担体/イオンの錯体を形成し、イオ
ン錯体化合物とレポーター物質との相互反応を妨げない
ことが重要である。しかしながら、以下に詳細に説明す
るように、当業者は、幾つかの物質又は物質の組合せか
ら選んで適当な親水性の安定剤化合物を提供することが
できる。一般に、本発明の親水性指示薬組成物に有用な
安定剤化合物は、それ自体が親水性である。有用な安定
剤化合物は、水溶性又は水で膨潤し得るポリマーであっ
て、合成したものでも天然に由来したものでもよい。特
に、水で膨潤し得るポリマーは、水中でその数倍の重量
を吸収できる僅かに架橋したポリマーである。適当な合
成ポリマーとしては、非架橋及び僅かに架橋したポリマ
ー類、例えば非架橋及び僅かに架橋したアクリレート
類、ポリ(ビニルアルコール)、アクリル酸の共重合
体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシブチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びシ
リコーンゴム類が挙げられる。親水性の安定剤化合物は
また、天然由来のポリマー、好適には水に溶解した場合
にゲルを形成する天然由来のポリマーである。かかる天
然由来のポリマーとしては、限定するものではないが、
アガロース、ゼラチン、カラゲニン、アルギナート類、
アルギン酸、キサンゴム類、ガールゴム類及び類似のポ
リマー類が挙げられる。合成及び天然由来のこれらの総
ての物質は水溶性又は水で膨潤し得るポリマーであっ
て、乾燥状態では水性の媒体によって顕著な湿潤性を示
す。
【0070】驚きであり予想外なことであるが、イオン
透過担体、レポーター物質及び親水性安定剤化合物より
なる水性組成物は、フィルム又は層の中で形成され、又
は適当な担体基質に組み入れられ、次いで乾燥され、水
性の分析試料の中で予め設定した電解質の存否又は濃度
をアッセイする分析装置の分析材を形成することができ
る。しかしながら、イオン透過担体、レポーター物質及
び安定剤化合物よりなる水性組成物は、任意の成分、任
意の成分が電解質の存否に応じて検出可能な変化の生成
を妨げない限り、例えば緩衝液、表面活性剤、キレート
剤、防腐剤、光化学安定剤、光散乱中心及び背景となる
色素を含むことができる。従って、本発明の重要な特徴
として、イオン透過担体、レポーター物質、安定剤化合
物及び何らかの任意の成分の相対的な量及び相対的な性
質を変えて、水性の分析試料中の電解質の乾式相アッセ
イを行なう装置を設計し、電解質の標準濃度溶液から派
生した標準色を、視覚的又は機器によって、比較するこ
とができるような、検出可能で識別可能な色調変化を生
じる分析材を提供することは分析装置を製作する当業者
の経験的な技術の範囲内である。
【0071】例えば、レポーター物質は、イオン透過担
体/イオンの錯体の形成に際してプロトンを脱離して検
出可能な反応を行なうことができる。従って、イオン透
過担体/イオンの錯体とレポーター物質との相互反応に
際して、レポーター物質からプロトンを脱離させ、純粋
にpH又はその他の環境の影響からのプロトンの脱離を
妨げるpHを維持するために、緩衝する化合物が加えら
れる。一般に、イオン透過担体/イオンの錯体とレポー
ターとの相互反応に由来するプロトンの脱離に望ましい
pHは、約5ないし約10であるが、親水性指示薬組成
物、分析試料及びアッセイの望ましい感度に応じて特定
のpHが選ばれる。例えば、高いpHではプロトンの脱
離が比較的容易に起こり、従って高いpHは反応性を増
加する。低いpHでは反対になる。そのため、望ましい
pH範囲は、親水性指示薬組成物が問題のイオンと接触
する前に、中性の、本質的に完全にプロトン化を受けた
レポーター物質を生じる範囲である。イオン透過担体/
イオンの錯体と相互反応する際にプロトンを脱離する、
好ましい比色法のレポーター物質に関して、プロトン化
された又はプロトン化されていないレポーター物質の化
学的な形態は、通常レポーター物質の色調が、プロトン
化された形からプロトン化されていない形への変換にお
いて基本的に変化するので明らかである。問題のイオン
の予め設定した電解質をアッセイする適切なpHの決定
は、当業者の実験室での型通りの方法でよい。
【0072】従って、問題の電解質のアッセイに適切な
pHにするため、緩衝する化合物を、必要ならば、親水
性指示薬組成物に加えることができる。緩衝する化合物
は、pHを約5ないし約10の範囲にすることができる
緩衝剤又は緩衝剤の組合せの何れかである。水性の分析
試料を乾式相分析装置と接触させて生じる水相のpH
を、イオン透過担体/イオンの錯体とレポーター物質と
の相互反応を促進するpHの範囲に維持するために、緩
衝する化合物が選ばれて作用する。イオン透過担体とレ
ポーター物質との相互反応は、レポーター物質から解離
できるプロトンを脱離させ、検出可能な反応を起こす。
分析試料中の予め設定した電解質濃度に応じてプロトン
を脱離するのは水相における緩衝する化合物の存在によ
る。従って、正確で感度のよい電解質の測定が行なわれ
る。
【0073】適切な緩衝液としては、シトレート、ラク
テート、マロネート、トリクロロアセテート、スルホサ
リシレート、タータレート、ホスフェート、アセテー
ト、ボレート、[ビス(2−ヒドロキシエチル)イミ
ノ]トリス(ヒドロキシメチル)メタン、1,3−ビス
(トリスヒドロキシメチル)メチルアミノプロパン、ピ
ペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)、
N−2−ヒドロエチルピペラジン−N’−2−エタンス
ルホン酸(HEPES),4−モルホリノエタンスルホ
ン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシ
ン、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロ
パン)スルホン酸(POPSO)、2−{[トリス(ヒ
ドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸
(TES)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン、N−(2−アセトアミド)−2−イミノジ酢酸、N
−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−3−プロパ
ンスルホン酸、3−N−トリス(ヒドロキシメチル)メ
チルアミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(TA
PSO)、テトラメチルアンモニウムボレート及びテト
ラメチルアンモニウムホスフェートが挙げられる。
【0074】特定の電解質のアッセイに好適なpH範囲
は、レポーター物質に関連がある。従って、緩衝剤の選
択は、電解質のアッセイに用いられる特定のレポーター
物質により、ある程度は、望ましい検出可能な反応によ
って決定される。例えば、7−デシルMEDPINがレ
ポーター物質として用いられる場合、好ましいpH範囲
は約6ないし約8.5である。しかしながら、7−デシ
ルMEDPINよりも高いpKaを有するレポーター物
質が用いられる場合は、高いpH範囲が好ましい。同様
に、7−デシルMEDPINよりも低いpKaを有する
レポーター物質が用いられる場合は、低いpH範囲が好
ましい。さらに、検出可能な反応が色の変化である場
合、緩衝剤は検出可能な反応の度合いに影響し、最適の
色の強度を得るために特定の緩衝剤を選ぶことができ
る。
【0075】例えば、7−デシルMEDPINのレポー
ター物質に好適なpH範囲は約pH6ないし約8.5で
あり、この範囲での色調変化は橙色から青への検出可能
で識別可能な色調変化である。pH8.5ないし10の
ような高いpHでは、色調変化は暗青色の色合いの領域
であって視覚的に識別することが困難である。pH5な
いし6のような低いpHでは、色調変化は薄黄色の色合
いの領域で、やはり視覚的に識別することが難しい。p
Hの両極端(すなわち、5ないし10のpH)は、機器
による検出法が使用される場合に用いられるが、機器の
最適な精度は矢張り約pH6ないし約8.5のpH範囲
であることを理解すべきである。
【0076】親水性指示薬組成物は、分析試料から妨害
物質を除去するためにキレート剤を含むこともあり得
る。イオン透過担体は問題の予め設定された電解質と選
択的に錯体を形成するという理由で通常選ばれるが、あ
る場合には、その他の陽イオンの存在がイオン透過担体
と予め設定した問題の電解質との相互反応を妨げること
がある。例えば、体液は、多くの異なる陽イオン、例え
ばナトリウムイオン(Na+ )、カリウムイオン(K+
)、カルシウムイオン(Ca++)、及びマグネシウム
イオン(Mg++)を含んでいる。それ故、異なる陽イオ
ン類の存在がナトリウムのような特定のイオンのアッセ
イを妨害することがある、これはイオン透過担体がナト
リウム以外の陽イオンと錯体を専ら形成して、ナトリウ
ムと錯体を形成しないからである。
【0077】例えば、特定のイオン透過担体は、約4対
1の比率でカルシウムイオンに対してナトリウムイオン
と優先的に結合することができる。従って、ナトリウム
イオンのカルシウムイオンに対する比が4対1以下であ
る分析試料においては、分析試料中のナトリウムイオン
濃度と検出可能な反応との正しい相関性を確実にするた
めに、カルシウムイオンのイオン透過担体との反応を妨
げることが必要である。そのため、キレート剤が、妨害
剤除去化合物として親水性指示薬組成物に加えられ、カ
ルシウムイオンの妨害を排除する。
【0078】特に、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)及びエチレングリコールビス(アミノエチル)四酢
酸は、カルシウムイオンのような二価の陽イオンと錯体
を形成する水溶性の化合物である。ナトリウムイオンと
カルシウムイオンを含む水性の分析試料と接触させる際
に、ナトリウムイオンのアッセイを意図した親水性指示
薬組成物にEDTAを加える場合、EDTAは優先的に
カルシウムイオンと錯体を形成する。その結果、錯体を
形成したカルシウムイオンは、イオン透過担体/ナトリ
ウムイオンの錯体の形成を実質的に妨害することはな
い。それ故、レポーター物質に結果的に生じた色調変化
は、本質的にイオン透過担体/ナトリウムイオンの錯体
との相互反応によるものであって、正確で信頼性のある
ナトリウムイオンのアッセイとなる。
【0079】さらに、イオン透過担体が妨害する陽イオ
ンを除去するのに用いられるのは、それが妨害する陽イ
オンに特異的である場合、そして水溶性である場合、又
はそれが妨害する陽イオンと反応する性質を減少するこ
となしに水溶性を増すために化学的に修飾される場合で
ある。例えば、アリル部分を有するイオン透過担体は、
アリル部分に水溶性にする官能基、例えばスルホナート
(- SO3 H)基を導入することによって修飾され、妨
害するイオンと反応するイオン透過担体の能力を減少す
ることなくイオン透過担体の水溶性を増加する。
【0080】その他、親水性の表面活性剤を親水性指示
薬組成物に加えることもできる。幾つかの例で、表面活
性剤の添加は分析装置の作業を増進する。例えば、水性
の分析試料が分析装置の分析材にピペットで加えられる
と、分析試料は分析装置の表面で液体のビーズを形成す
る。親水性指示薬組成物への親水性の表面活性剤の添加
は水性の分析試料の表面張力を減少させ、試験試料を平
らにして試験装置の分析材に効果的に均等に接触させ
る。勿論、表面活性剤はイオン透過担体/イオンの錯体
の形成又はイオン透過担体/イオンの錯体とレポーター
物質との間の反応を妨げず、検出可能な又は測定可能な
反応を生じるように選ばれなくてはならない。
【0081】親水性指示薬組成物に表面活性剤の添加は
必ずしも必要ではない。しかしながら、表面活性剤が添
加される場合、適切な表面活性剤は、限定するものでは
ないが、ノノキシオール類、オクトキシノール類、脂肪
族アルールのポリオキシエチレンエーテル類のような非
イオン性表面活性剤である。その他の表面活性剤は陰イ
オン性又は陽イオン性表面活性剤のような当業者によく
知られたものであり、表面活性剤が予め設定した問題の
電解質に対する検出可能な反応の生成を妨げないという
条件の下で用いることができる。同様に、その他の任意
の成分例えば防腐剤又は背景となる色素類も、本発明の
親水性指示薬組成物に加えることができる。
【0082】上記のように、そして以下の実施例及び本
発明の分析装置の製法から明らかなように、親水性指示
薬組成物は、イオン透過担体、レポーター物質及び安定
剤化合物よりなる。親水性指示薬組成物の三つの成分
は、及び任意の何らかの成分を加えて、水又は小量の水
に混和しうる溶媒、例えばメタノール又はエタノールの
ような低級アルコール;テトラヒドロフラン;アセト
ン;などの有機溶媒を含む水に溶解される。指示薬組成
物の水溶液液中の水混和性溶媒の濃度は、通常約5容量
%以下、好適には約4容量%以下である。さらに、有機
溶媒を、指示薬組成物の水溶液を担体基質の中に組み入
れた後に、又は指示薬組成物の水溶液を、フィルム若し
くは膜として、適当な基質上に適用した後に蒸発させ
る。
【0083】その上、イオン透過担体、レポーター物質
及び安定剤化合物の各濃度が、水及び水溶液中に存在す
る水と有機溶媒の蒸発後に、分析試料の予め設定した電
解質含量に対して検出可能な反応を生じるのに十分であ
れば、指示薬組成物の水溶液中の各成分の濃度は臨界的
ではない。定性的な電解質のアッセイには、イオン透過
担体の濃度もレポーターの濃度も、測定される濃度範囲
に直接的な関係はない。
【0084】指示薬組成物の水溶液の最適な成分濃度の
決定は、乾式相試験片を意図する当業者の技術範囲であ
る。しかしながら、以下に示す濃度範囲は、各成分が親
水性指示薬組成物の水溶液に加えられる範囲である。水
混和性溶媒の濃度は、通常最低に、例えば約5容量%以
下にされる。安定剤化合物の濃度は大きく変動してもよ
い。各種の安定剤化合物は、劇的に多様な溶解性、ゲル
化及びフィルム形成の性質を有しており、そのために水
溶液中の安定剤化合物の量は、安定剤化合物の特定の物
理的性質、及び分析材に望ましい特定の物理的性質によ
って左右される。最適な表面活性剤の濃度は、表面活性
剤に対して臨界ミセル濃度以下である、このレベル以上
の表面活性剤濃度は異常な結果を生じる傾向があるから
である。
【0085】しかしながら、好適には、イオン透過担体
はレポーター物質より過剰なモル数(すなわち、イオン
透過担体のレポーター物質に対する比率が1:1モル比
以上)で存在することが認められている。イオン透過担
体の濃度は約2gm/Lから飽和までの間の濃度である
ことも知られている。安定剤化合物は、通常約10gm
/Lないし約100gm/Lの範囲の濃度である。妨害
物を除去するキレート剤は、少しでも含まれる場合、0
gm/Lないし約30gm/Lの範囲のレベルである。
親水性指示薬組成物に加えられるキレート剤の濃度は、
通常、問題の分析試料中で妨害するイオンの濃度に関係
する。例えば、リチウムイオンをアッセイする場合、カ
ルシウムイオンの除去のためのキレート剤の濃度は、ナ
トリウムイオン除去に要するキレート剤濃度よりも遥か
に低い。従って、キレート剤の濃度は大きく変動する
が、妨害するイオンに対して大体等モル量のキレート剤
が用いられるものと思われる。
【0086】電解質分析装置の分析材に用いられる親水
性指示薬組成物の水溶液に含まれる成分の有用で好まし
い濃度範囲は、機器又は視覚による検出法の何れかを用
いる、以下に示すものである。濃度範囲は、各種のイオ
ン透過担体の分子量における差を排除するため、gm/
L又はミリモル量で記載される。濃度は親水性指示薬組
成物水溶液のリットル当りのグラム数で与えられる。
【0087】
【表3】
【0088】本発明の方法で得られた新規で予想外の結
果を示すために、イオン透過担体の2,3−ナフト−1
5−クラウン−5、レポーター物質の7−デシルMED
PIN及び安定剤化合物のゼラチンよりなる親水性指示
薬組成物の水溶液を調製した。この溶液は、水性の分析
試料中の予め設定した電解質の存否又は濃度についての
乾式相試験片アッセイにおいて、乾燥後に分析材として
用いられる担体基質に組み込まれ得る。あるいは又、水
溶液の層は、適当な基質に直接適用し、乾燥後に得られ
る親水性指示薬組成物のフィルムを、水性の分析試料中
の予め設定した電解質の存否又は濃度についての乾式相
試験片アッセイにおける分析材として用い得る。
【0089】親水性で、イオンと反応性のある指示薬組
成物よりなる分析装置を作るため、親水性指示薬組成物
水溶液の各種製法を実施し得ることが判った。しかしな
がら、Feinsteinらが用いた方法のような最も
簡単な方法は、親水性指示薬組成物の均質な水溶液を生
成しないことが判った。親水性指示薬組成物の成分を適
当なpHを有する緩衝液に直接に溶解すること;親水性
指示薬組成物の成分を水混和性有機溶媒に溶解し、次い
で望ましいpHを有する緩衝剤でpHを調整し、それに
よって有機溶媒濃度を希釈して約5容量%以下の有機溶
媒を含む水溶液を生成することは何れも、適当な担体基
質に組み込み、又はフィルム若しくは層として適用する
何れかが可能な均質な水溶液を生成せず、臨床上有意な
レベルにある予め設定したイオンの濃度を測定する分析
材を形成しなかった。しかしながら、親水性指示薬組成
物の均質な水溶液の製法を発見したので次に詳細に説明
する。
【0090】例えば、一つの適切な方法において、均質
な水溶液を作る第一段階として、イオン透過担体及びレ
ポーター物質を水混和性有機溶媒に溶解した。イオン透
過担体及びレポーター物質を水混和性有機溶媒に溶解し
た後、得られた有機溶媒系の溶液を、撹拌しながら、レ
ポーター物質から解離し得るプロトンを解離させるに十
分な高いpHを有するアルカリ性水溶液に加えた。比色
法のレポーター物質に関して、このプロトン解離は、レ
ポーター物質の解離した形の色調がレポーター物質の中
性の形の色とは異なっているので、通常容易に観察され
る。高いpHのアルカリ性水溶液のpHを、次いで解離
したレポーター物質を含む溶液の一部を、レポーター物
質が中性の形になる範囲のpHを有する水溶液に加えて
調整した。結果的に、レポーター物質は水溶液中に中性
の形で存在している。レポーター物質の解離は、分析試
料を親水性指示薬組成物と接触させてイオン透過担体/
イオンの錯体が形成する際に再び起こった。緩衝化する
化合物が十分な量存在する場合には、分析試料のpHに
よってプロトンの解離は起こらない。水混和性有機溶媒
が、イオン透過担体及びレポーター物質を望ましい濃度
で溶解する溶媒の何れかから選ばれ得ることを注意すべ
きである。例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ア
セトン、シクロヘキサノン、メタノール及びエタノール
が有利に用いられる。しかし、THFが好ましい有機溶
媒である。
【0091】指示薬組成物の水溶液の製法において、イ
オン透過担体及びレポーター物質の水への溶解性に限り
があるので、撹拌の総量と速度は重要である。場合によ
り、ここに開示される方法のそれぞれの場合には、親水
性指示薬組成物の水溶液中に粒子状物質が残っているこ
とがある。往々にして、粒子状物質の量は極めて少ない
ので無視し得る程である。しかしながら、完全に溶解し
ていない粒子状物質がイオン透過担体又はレポーター物
質である場合には穏やかな遠心分離、すなわち0.1x
106 g−mins又は一分間に与えられる重力加速
度、によって除去される。次いで、結果として生じた均
質な水溶液を安定剤化合物の水溶液、例えばゼラチンの
水溶液と十分に混ぜ合わせた。指示薬組成物の均質な水
溶液は、適当な担体基質に組み入れるのに、又はフィル
ム若しくは層のような適当な基質に適用するのに利用さ
れ、乾燥後に分析装置の分析材が得られる。本発明の重
要な特徴として、大部分のイオン透過担体及びレポータ
ー物質が長時間の遠心分離(すなわち、1x106 g−
mins)後にも水溶液中に残っている。Feinst
einらの方法によって作られた水溶液を用いて行なっ
た同様な実験は、非常に穏やかな遠心分離(すなわち、
0.01x106 g−mins)後に反応性のない水溶
液が生成し、イオン透過担体が多分、粒子の形で存在
し、従って水溶液から容易に遠心分離されたことを示し
ている。
【0092】親水性指示薬組成物の水溶液の別な製法
は、イオン透過担体及びレポーター物質の水混和性有機
溶媒への可溶化を行なわないものである。イオン透過担
体及びレポーター物質は十分に高いpHのアルカリ性水
溶液に撹拌しながら直接に溶解し、レポーター物質のプ
ロトンを解離した。次いで、結果として得られたイオン
透過担体及びレポーター物質を含むアルカリ性溶液のp
Hを水性の緩衝液で望ましいpHの範囲に調整した。p
Hを調整した溶液に含まれるイオン透過担体及びレポー
ター物質の量は、希釈のために少なくなっている。従っ
て、アルカリ性水溶液に最初に加えられるイオン透過担
体及びレポーター物質の濃度を十分に高くして、各成分
の望ましい濃度が、最終的なpHに達するため緩衝液で
希釈し、さらに安定剤化合物水溶液で希釈して得られる
ようにした。
【0093】イオン透過担体及びレポーター物質を含む
均質な水溶液を形成した後、この水溶液は安定剤化合物
の水溶液、例えばゼラチンのような水溶性ポリマーの水
溶液と混ぜ合わせて、本発明の親水性指示薬組成物の水
溶液を形成する。この場合には確実ではないけれども、
安定剤成分はイオン透過担体及びレポーター物質の可溶
化をさらに促進することが理論上想定されている。
【0094】上記の方法の何れも、水性溶媒そして、も
し存在するならば、有機溶媒を蒸発させて分析材を形成
した後、水溶液中に存在するイオン透過担体と特異的に
錯体を形成する予め設定したイオンと反応することがで
きる親水性指示薬組成物の均質な水溶液を生成すること
が判っている。この相互反応は、分析試料中の予め設定
したイオンの量に相関している検出可能な又は測定可能
な反応、例えば色調変化を起こす。前記のように、上記
の方法では、水性溶媒又は有機溶媒に最初に加えられた
イオン透過担体及びレポーター物質の濃度を減らすこと
になる。従って、この希釈の影響を考慮して、水性溶媒
又は有機溶媒に最初に加えられるイオン透過担体及びレ
ポーター物質の濃度を算出すべきである。臨床上で問題
の予め設定されたイオンのアッセイのための適切な分析
材を形成するに十分なイオン透過担体及びレポーター物
質濃度を有する水溶液の製法は、以下の一般法及び特殊
例で説明する。
【0095】一般に、水溶液中の電解質の存否及び濃度
を決定するための乾式相試験片の分析材形成に用いられ
る親水性指示薬組成物の均質な水溶液は、以下の方法に
よって作られる: (a)イオン透過担体及び中性の、プロトン化したレポ
ーター物質を水混和性有機溶媒に溶解し、均質な有機溶
媒系の溶液を生成させ; (b)有機溶媒系の溶液を撹拌下にアルカリ水溶液に滴
下し、レポーター物質が脱プロトン化した形で存在する
高いpHの水溶液を生成させ;そして (c)本質的に脱プロトン化した形のレポーター物質を
含む高いpHの水溶液を安定剤化合物の水溶液に加え; (d)任意に、得られたイオン透過担体、レポーター物
質及び安定剤化合物を含む高いpHの水溶液を緩衝液に
加え、レポーター物質が本質的に中性の、プロトン化し
た形をしているpHを有する均質な水溶液を生成させ
る。
【0096】上記の一般法の(a)工程から(c)工程
まで、又は(a)工程から(d)工程までによって得ら
れる水溶液が、次いでフィルムとして適当な基質に適用
され、又は適当な担体基質に組み込まれて、次に乾燥さ
れて特別な電解質を検出及び測定することができる分析
材を生成する。上記の一般法の(a)工程は省略できる
ことも理解するべきである。次に、イオン透過担体及び
中性でプロトン化したレポーター物質はアルカリ性水溶
液に直接溶解される[(b)工程]。実施例1は、適当
な担体基質に組み込まれ又は適当な基質にフィルムとし
て適用され、次いで乾燥して溶液中のカリウムイオンを
検出し定量する分析材として用いられる親水性指示薬組
成物の水溶液の形成を特別に示したものである。
【0097】実施例1 カリウムイオン濃度を検出、定量する親水性指示薬組成
物の水溶液 カリウムイオンをアッセイするのに用いられる分析装置
の分析材を形成するのに適した均質な水溶液は、一般法
に記載した方法に準じて作られた。この特定の水溶液に
おいて、2,3−ナフト−15−クラウン−5をイオン
透過担体として;7−デシル−MEDPINをレポータ
ー物質として;そして、ゼラチンを安定剤化合物として
用いた。特に、均質な有機溶媒系溶液は、最初に、2,
3−ナフト−15−クラウン−5及び7−デシル−ME
DPINの十分な量を、各成分が200mMの濃度にな
るようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解して作ら
れた。次いで、50mMの水酸化リチウム5mlに、イ
オン透過担体及びレポーター物質の均質な有機溶媒系溶
液500μL(マイクロリットル)を、撹拌しながら加
えた。得られた水溶液の色は青色で、イオン透過担体及
びレポーター物質はそれらの最初の1/10濃度で存在
した。次いで、得られた青色の水溶液を20重量%のゼ
ラチン水溶液1.67mlと混合して、適当な担体基質
に組み込み、又はフィルムとして適当な基質に適用し得
る別の透明な青色溶液を生成させた。場合によっては、
ゼラチンを含む透明な青色溶液は、緩衝剤HEPES2
50mMを含む水性緩衝液を加えて約6.5の緩衝され
たpHに調整した。得られた緩衝液は赤味を帯びた橙色
で、イオン透過担体14mM、レポーター物質14m
M、緩衝剤200mM及び4.7重量%の安定剤化合物
を含んでいた。この親水性指示薬組成物の緩衝液は、適
当な担体基質に組み込み又はフィルムとして適当な基質
に適用し、次に乾燥して試験試料中のカリウムイオン濃
度を定量する分析材を生成した。実施例1の組成物はま
た、十分な量のレポーター物質及び十分な量のイオン透
過担体を直接に水酸化リチウム50mM溶液に加えるこ
とによって作られ、レポーター物質及びイオン透過担体
の各々を20mM含む水溶液を生成した。
【0098】上記のように、親水性指示薬組成物の水溶
液は分析装置の分析材を形成するのに用いられる。本発
明の分析材は、二つの方法の一つによって作ることがで
きる。第一の方法において、親水性指示薬組成物の水溶
液はフィルムとして、例えばマイヤーロッドを用いて、
直接に適当な基質に適用された。この基質は十分に親水
性であるべきであって、疏水性の場合には、親水性指示
薬組成物が基質表面に十分に接着できるように十分に粗
面であるか又は十分に処理された表面を有しているべき
である。この湿ったフィルムは、次に乾燥されてイオン
透過担体、レポーター物質及び安定剤化合物を含む親水
性指示薬組成物の分析材を形成した。または、親水性指
示薬組成物の水溶液は、最初に適当な吸湿性又は非吸湿
性の担体基質、例えば濾紙、ガラス繊維、又は重合物質
の層若しくはフィルムに組み込まれた。かくして、親水
性指示薬組成物を組み込んだ担体基質は乾燥され、予め
設定された電解質の濃度について水性の分析試料をアッ
セイするための分析材を生成した。
【0099】さらに詳細には、本発明の一つの実施態様
において、実施例1の親水性指示薬組成物の水溶液は、
#75マイヤーロッドを用いてポリスチレンのようなプ
ラスチック基質上に直接に被覆、例えば層状に被覆(str
ipe-coated) され、6.75x10-3インチの厚さを有
するフィルムを生成した。空気オーブン中で約50°C
で約20ないし30分間乾燥することによって、水性の
溶媒及び何らかの有機溶媒を除去した後、親水性指示薬
組成物の乾燥フィルムは、水性の分析試料中の予め設定
した電解質、すなわちカリウムに対する分析装置の分析
材として用いられた。または、水性組成物は、ゼラチン
を受け入れ得るフィルム支持部材、例えばポリエステル
フィルムに適用することができる。このようなポリエス
テルフィルムは、ミネソタ州セントポール市、3M社か
ら40GAB25の商標名で市販されている。
【0100】何れの場合にも、分析装置は単一材の試験
片(一つの被分析物のみをアッセイする)又は複数材の
試験片(幾つかの被分析物についてアッセイする)の何
れかとして企画された試験片であり、通常疏水性のプラ
スチックから作られた支持片又はハンドル、及び親水性
指示薬組成物を含む分析材から構成されている。ハンド
ルは、通常疏水性の物質、例えば酢酸セルロース、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート又はポリス
チレンから作られる。親水性指示薬組成物の水溶液は、
適切な基質上に被覆され、次いで乾燥して適切な基質上
に分析材を形成する。この分析材及び基質は両面接着剤
によってハンドルに確保される。好適には、親水性指示
薬組成物の水溶液は、最初に層状に被覆された湿ったフ
ィルムとして適当に構成されたハンドルに適用される。
親水性指示薬組成物の水溶液を乾燥すると本発明の分析
材を形成する。この実施態様において、分析材は分析装
置のハンドル上に直接形成される。
【0101】この分析装置のハンドルは、不透明である
か又は光若しくはその他のエネルギーを透過し得るもの
である。検出可能な反応が蛍光であるか、又は任意の層
が過剰な分析試料が拭い去られてもよいように分析装置
の分析材の上面に置かれている場合には、分析装置は透
明な支持部材を通して判読される。透明な支持部材は、
全血液をアッセイするのに特に有用である。分析材の上
面にある任意の層は、全血液検体の細胞成分を血漿又は
血清から濾過するか又は他のやり方では分離するのに用
いられ得る。次いで、血清又は血漿は分析材に移動し親
水性指示薬組成物と反応し、透明なハンドルの底面が検
出可能な反応として分析され得る。この特定の分析装置
によって、アッセイされる小量の全血液検体はアッセイ
に先立って血清又は血漿から細胞成分を分離される必要
がない。
【0102】従って、好ましいハンドルは、波長が約2
00ナノメートル(nm)ないし約900nmの範囲の
電磁放射を透過することができる透明な物質よりなる。
支持部材は200−900nmの全領域を透過させる必
要はない、ただし、蛍光法の検出のためには、支持部材
は検出に用いられる蛍光物質の吸収及び発光スペクトル
より幅広いか又は少なくとも等しい波長帯にわたって透
明であることが望ましい。一つ以上の狭い波長帯を透過
し、隣接する波長帯に不透明な支持部材であるものもま
た好ましい。これは、例えば、適当な吸収特性を有する
一つ以上の着色料で支持部材を含浸するか又は被覆する
かによって達成される。
【0103】本発明の別な実施態様は、実施例1の親水
性指示薬組成物の水溶液が、最初に適切な親水性の担体
基質に組み込まれるものである。次いで、親水性指示薬
組成物を組み込んだ担体基質は乾燥されて本発明の分析
材を形成する。さらに、この分析材は上記と同じ構成の
プラスチックハンドルに確保されて本発明の分析装置を
作成する。同様に、全血液検体から細胞成分を分離する
ために、分析材の上に任意の被覆を加えてもよい。
【0104】本発明のこの実施態様において、親水性担
体基質は、親水性指示薬組成物を毛管引力に応じて基質
を通って移動させ、親水性指示薬組成物を基質の中に均
質に組み込ませる吸収性の物質である。続いての分析試
料との接触は、分析試料の予め設定した電解質濃度に応
じて検出可能な又は測定可能な色調変化を生じさせる。
担体基質は、担体基質が化学試薬に本質的に不活性であ
り液状の分析試料に関して多孔性又は吸収性である限
り、問題のアッセイを行なうに要する化学試薬を組み込
むことができる物質であれば如何なるものでもよい。
【0105】「担体基質」という用語は、水及びその他
の生理的な液体に不溶であり、水及びその他の生理的液
体に曝した場合にそれらの構造上の完全性を保持してい
る吸湿性又は非吸湿性の物質を意味する。適切な吸湿性
の物質としては、濾紙、スポンジ物質、セルロース、木
材、織られた繊維、不織の繊維などが挙げられる。非吸
湿性の基質としては、ガラス繊維、焼結したセラミック
フリット、ポリマーフィルム及び予め型に仕立てられた
膜又は微孔性膜が挙げられる。その他の適切な担体基質
としては、シルカゲル、アルミナ、珪素土などのような
親水性の無機粉末;粘度質の物質;布;親水性の天然重
合物質、特にセルロースビーズのようなセルロース性物
質、そして特に濾紙又はクロマトグラフィーの紙のよう
な繊維を含む紙;酢酸セルロース、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリラート類、ポリウレタン類、架橋したデ
キストラン、アガロース、及びその他の架橋したならび
に非架橋の水に不溶な親水性ポリマーのような合成又は
修飾した天然由来のポリマー類が挙げられる。疏水性及
び非吸収性の物質は、本発明の担体基質としての使用は
適当でない。担体基質は各種の化学組成物又は化学組成
物の混合物であってもよい。基質はまた、硬度及び柔軟
性と共に平滑性及び粗さに関しても各種各様である。し
かしながら、何れの場合にも担体基質は親水性又は吸収
性の物質である。
【0106】本発明の実施態様として、電解質に対する
乾式相試験片アッセイを行なうために、実施例1の親水
性指示薬組成物の水溶液が最初に作られる。次いで、適
切な担体基質、例えば濾紙が、濾紙の一枚の紙又は予め
裁断した片の上に散布するか浸すか又は噴霧することに
よって、親水性指示薬組成物の水溶液で飽和される。空
気オーブン中で約50度で約20ないし30分間、オー
ブン乾燥して水性溶媒を除去した後、親水性指示薬組成
物を組み入れた濾紙は適当な大きさ、例えば縦が約0.
25cm横が約0.5cmないし縦が約0.5cm横が
約1.0cmの寸法を有する材部に裁断される。次い
で、親水性指示薬組成物を組み入れた濾紙は、ミネソタ
州セントポール市の3M社から発売されている両面テー
プで、不透明な又は透明な疏水性のプラスチックハンド
ルに確保される。
【0107】本発明の装置は、臨床化学の分野のみなら
ず化学研究及び化学プロセス管理試験室においても、広
範な各種の化学分析を行なうのに利用することができ
る。この装置は、多くの反復性のアッセイが高い頻度で
実施されることとアッセイの結果が極めて短時間内に要
求される理由から、体液、例えば血液、血漿、血清、髄
液及び尿の臨床検査に特に便利である。血液の分析に関
して、本発明は、臨床上問題の血液電解質、例えばカリ
ウム、ナトリウム、マグネシウム又はカルシウムの定量
分析を行なう用途に適している。本発明は、低濃度のカ
リウムのアッセイが高い感度と高い精度を要求する血清
カリウムの測定に、特に有用な分析結果を提供するもの
である。同様に、本発明は、鬱病のためにリチウム治療
を受けている患者における血清リチウムの定量に非常に
有用な分析結果を提供するものである。このようなリチ
ウム分析は、臨床的に有用なリチウムの用量がリチウム
の毒量に近いので極めて大切であり、従って、血液中の
リチウムレベルを注意深く観察しなければならない。
【0108】この分析装置は、分析装置に分析試料を十
分な時間接触させて用いられる。全血液又は尿を検査す
る場合、分析装置を単に試料の中に浸すだけで十分であ
る。過剰な試料を除くことは通常必要がないけれども、
全血液を用いるようなある場合には、過剰な血液検体又
は分析材の上に任意な被覆層によって血漿又は血清から
分離された全血液検体の細胞成分は、拭うか吸い取るか
によって除かれる。
【0109】予め設定した問題のイオンが分析試料中に
存在する場合、得られるイオン透過担体/イオンの錯体
はレポーター物質と反応し、色調変化のような反応が検
出され測定される。レポーター物質がプロトンを解離し
得る化合物であり、解離していない化合物から異なる色
を有する解離した化合物が生成する場合、分析装置内で
視覚的に又は機器的に監視できる観察可能な色調変化が
生じる。透明なハンドルが用いられる場合、観察可能な
色調変化は装置の何れかの側から監視され得る。全血液
検体の場合、観察可能な色調変化は透明なハンドルの底
面から監視される。レポーター物質がフルオレセイン又
はフルオレセイン誘導体のような蛍光保持体である場
合、蛍光光度計が分析装置内で形成された検出可能な反
応を測定するのに利用される(すなわち、蛍光の発現又
は変化)。検出可能な反応を観察する有用なその他の技
術には、反射率分光測定法、吸収分光測定法及び光透過
率測定法がある。
【0110】予め設定した問題のイオンのアッセイの対
照として各種の補正技術が用いられる。例えば、特定の
電解質の標準溶液の試料が、比較として試験装置を分類
するため又は分析における差動測定法を用いるため用い
られる。試験装置は、適当な色表が与えられる場合に、
定量的な視覚による測定に適するように設計されてい
る。
【0111】本発明の何れかの実施態様として、分析材
が分析試料と十分な接触が保証される十分な時間、試験
片は水性の分析試料に浸された。予め設定した時間、例
えば30秒ないし360秒待機した後、検出可能な反応
について視覚的に又は機器による何れかで試験片は検査
される。分析材の色調変化が、もしあれば、水性の分析
試料中に問題の電解質の存在又は濃度を示す。
【0112】上記のように、親水性指示薬組成物の水溶
液を設計するのと同様に、本発明の方法及び分析装置を
利用して予め設定した電解質についての定量的なアッセ
イを企画するために、分析材間の大きさのバランス、親
水性指示薬組成物の水溶液の濃度、分析試料の量、分析
試料を試験片に導入する方法、例えば浸すよりもピペッ
トで加える方法などを決定するのは、分析装置を製作す
る当業者の実験技術の範囲内である。
【0113】多くの場合、例えば定性的なアッセイにお
いて、望ましい情報は試験片を単に視覚的に観察するこ
とで得られる。より正確な情報を要する場合には、光度
分光計又は比色計が用いられ、色調変化の強度及び程度
をより正確に測定することができる。さらに、乾式相試
験片アッセイは、色調変化の強度及び程度をより確実
に、より正確に測定するために、視覚的な方法の代わり
に分光光度計又は比色定量の方法を用いて定量的に行な
われる、従って、水性の分析試料中の予め設定された電
解質の濃度、特に低い、臨床的に有意な電解質濃度、例
えば10mM以下、特に約2mM以下においてより正確
に測定される。
【0114】予め設定した電解質のアッセイにおいて、
本発明の有用性を示すために、実施例1の親水性指示薬
組成物の赤味を帯びた橙色の緩衝水溶液が、#75マイ
ヤーロッドを用いて、MarineColloids社
から販売されているGELBONDから構成された疏水
性のプラスチックハンドルに層状に被覆したフィルムと
して直接に適用された。この湿ったフィルムは、上記の
ように空気オーブンで乾燥されプラスチックハンドル上
に直接分析材を形成した。得られた試験片は、既知量の
カリウムイオンを含む標準化した水溶液のアッセイに用
いられた。図1に示すように、0mMないし2.0mM
の濃度範囲にあるカリウムイオンを含む標準化した水溶
液が、本発明の分析装置によってカリウムイオン濃度に
ついてアッセイされた。分析装置を約30秒間この標準
溶液に接触させた後、色調変化の反応が通常の分光器の
透過法によって検出され測定された。図1に示すよう
に、593nm(青)における吸光度(光学濃度又はO
D)のカリウムイオン濃度に対するプロットは、特に0
mMないし1.75mMの濃度範囲で、本質的に直線で
ある。従って、試験試料の未知のカリウムイオン濃度
は、既知の標準溶液を用いたカリウムイオン濃度対吸収
(OD)のグラフから決定することができる。
【0115】図1の第二のプロットは、491.5nm
(等吸収点)における試験片の吸光度に対する593n
mにおける試験片の吸光度の比に対する標準溶液のカリ
ウムイオン濃度のプロットである。等吸収点は、指示薬
のプロトン化した形及び脱プロトン化した形の両方の吸
光係数が同一である波長と定義される。このプロットは
分析材フィルムの厚さの変動を補正する。このプロット
も、特に0mMないし約1.75mMのカリウム濃度範
囲で本質的に直線であり、試験試料中のカリウムイオン
濃度がより正確に定量される。
【0116】予め設定した電解質についての全血液検体
アッセイに関して、特に臨床的に有意性をもつ五種類の
陽イオンが本発明の方法及び装置によってアッセイする
ことができる。しかしながら、全血液検体に存在するそ
の他の陽イオン、そして一般にその他の分析試料に存在
するその他の陽イオンも、適当なイオン透過担体及び適
当なレポーター物質を選択することによって本発明の方
法と装置によりアッセイすることができる。この選択は
計画された診断試験片の分野の当業者によって容易に行
なわれる。
【0117】五種類の陽イオン、カリウム、ナトリウ
ム、リチウム、マグネシウム及びカルシウムは、濃度を
異にして血液中に存在している。例えば、ナトリウムは
通常120mMないし170mMの範囲、通常約135
mMないし約155mMの範囲で存在している。同様
に、カリウムは一般的に約2mMないし約10mMの範
囲、通常約3.5mMないし約5.5mMの範囲で存在
している。血液中のマグネシウム及びカルシウムの通常
の範囲は、それぞれ約0.5mMないし約1.5mM及
び約2mMないし約3mMである。リチウムは通常血液
中に存在しないが、鬱病のためにリチウム治療を受けて
いる患者では約0.6mMないし約1.2mMの血清リ
チウムレベルを維持すべきである。
【0118】本発明の装置と方法は、血液検体を希釈す
ることなく臨床的に有意な濃度範囲におけるこれらのイ
オンの各々をアッセイすることができる。希釈していな
い血液検体は特に、マグネシウムやリチウムのアッセイ
に用いられるが、これらのイオンは低い量で存在してい
るからである。さらに、図1に示したグラフの約0mM
ないし約1.75mMの範囲での直線性は、これらのイ
オンに対する正確で鋭敏なアッセイが行なわれることを
示している。カルシウム、カリウム及びナトリウムのア
ッセイも希釈していない血液検体で行なうことができる
が、これらのイオンの濃度はより大きく、イオンの0m
Mないし1.75mMの範囲で示された分析方法の直線
性の理由から、これらのイオンに対するアッセイは希釈
した全血液、希釈した血清又は希釈した血漿について行
なうことができる。
【0119】例えば、カルシウムのアッセイにおいて、
そのままの、希釈していない全血液検体をアッセイする
ことができるが、検体は全血液の一部に対して水の二部
までの量で希釈することもできる。この希釈率は、カル
シウムレベルが約1mMのカルシウムを有する希釈され
た血液検体を提供することになる。同様に、カリウムイ
オンに対する全血液のアッセイにおいて、全血液検体
は、血液検体一部当り水五部で希釈して約1mMのカリ
ウムイオンを有する試料が得られる。最後に、ナトリウ
ムのアッセイの場合、全血液を水50部までで希釈する
ことによって約1mMのナトリウムイオンを含む試験試
料が得られる。各種のイオンに対する上記の希釈率によ
って検出のための十分なイオン量及び親水性指示薬組成
物の問題の予め設定したイオンに対する最も正確な反応
を呈する図1に示した濃度領域のイオン量、すなわち試
験試料中に0mMないし1.75mMを含む試験試料が
得られる。
【0120】従って、本発明の方法と装置は、水性の分
析試料の予め設定したイオン濃度に対する経済的で正確
で信頼性のあるアッセイ法である。このアッセイは家庭
でも試験室でも実施できる。その上、本発明の方法は、
試験試料中の低電解質濃度、例えば0mMないし約10
mMの検出、識別及び定量を可能にしているので、臨床
的により有利なアッセイとなる。さらに、本発明の分析
装置は、有機性の疏水相の使用を避けることによって、
乾式相試験片の製造における高価で時間のかかる工程が
排除される。
【0121】さらに重要なことは、本発明の方法と分析
装置によって、単一相の分析装置上での簡単で正確な吸
収/透過測定により予め設定した電解質の検出と濃度測
定ができる。結果として、多相の分析装置を製造するの
に要する費用と時間のかかる工程が省かれる。そのため
単一相の分析装置は、水性の分析試料中の電解質濃度を
アッセイするのに正確さの乏しい反射率法を利用した疏
水性の相を用いる従来の電解質アッセイとは対照的に、
単に浸して読むアッセイ法である。しかしながら、本発
明の方法と分析装置はまた、全血液検体の細胞成分を血
漿又は血清から濾過又は他の方法として分離するために
適切な素材の層が試験片上に配置される場合に、全血液
検体をアッセイするのに用いることができる。
【0122】本発明の方法と分析装置は、数分以内に現
れる検出可能な反応によって迅速なアッセイ結果を提供
する。厄介で費用のかかる分析設備を必要としない。さ
らに、検出可能な反応は直接視覚的に検出を行なわせる
のに十分な程度である。その上、分析装置内で生じた色
又はその他の検出可能な反応は通常、ある場合には数日
間安定であって、用いられた分析装置の多くは将来の判
読のために残しておくことができる。
【0123】従って、本発明の重要な特徴として、全血
液、血漿、血清又はその他の水性の分析試料中の予め設
定した電解質の濃度に対するより正確で信頼性のあるア
ッセイが、親水性指示薬組成物を用いて実施され得る。
この親水性指示薬組成物は正確なアッセイを行なうのに
十分な色の分解能を与え、反射率法の代わりに吸収/透
過検出法によって電解質濃度を定量することでアッセイ
感度を高めている。吸収/透過検出法では、反射率測定
に要する多層の試験片よりも、より経済的に製造される
単一層の分析装置を使用できる。
【0124】明らかに、前述したようにこの発明の多く
の修正ならびに変更は、この発明の精神と範囲とに背く
ことなく実行することができ、かかる限定は添付クレイ
ムによって指示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】593nm(ナノメートル)で測定された光学
密度に対するmMol/Lの単位で示したカリウムイオ
ン濃度のグラフ、及び593nmで測定された光学密度
の491.1nm(等吸収点)で測定された光学密度に
対する比に対するカリウムイオン濃度のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−161053(JP,A) 特開 昭59−231452(JP,A) 特開 昭60−194360(JP,A) 特開 昭62−9271(JP,A) 特開 昭63−204148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 31/22

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 i)検出すべき特異的なイオンと錯体を
    形成することができるイオン特異的なイオン透過担体; ii)該イオン透過担体の該錯体と検出すべき特異的イオ
    ンと相互反応して、検出可能な反応を呈することができ
    るレポーター化合物;及び iii)親水性ポリマー化合物からなる、分析対象物の存
    在又は濃度を検出するための親水性指示薬組成物。
  2. 【請求項2】 a)分析試料を分析対象物の検出装置と
    接触させ; ここで、該分析対象物の検出装置が、 i)予め設定したイオンと錯体を形成することができる
    イオン特異的なイオン透過担体、 ii)該イオン透過担体の該錯体と予め設定したイオンと
    相互反応して、検出可能な反応を呈することができるレ
    ポーター化合物、及び iii)親水性ポリマー化合物からなる、均一な親水性指
    示薬組成物を浸み込ませた、疎水性相を含まない親水性
    分析材を含み; b)検出可能な反応を分析対象物の検出装置で検出し;
    そして c)検出可能な反応を、分析試料中の予め設定したイオ
    ン濃度に相関させる; 分析試料中の予め設定したイオンの存在又は濃度を定量
    する方法。
  3. 【請求項3】 レポーター化合物が、フェノール、イン
    ドフェノール化合物、トリフェニルメタン、フルオレセ
    イン、フルオレセインエステル、7−ヒドロキシクマリ
    ン、レゾルフィン、ピレン−3−オール、フラボン及び
    それらの組み合わせよりなる群から選ばれる、請求項2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 a)支持片;及び b)支持片に機能的に接続された、 i)予め設定したイオンと錯体を形成することができる
    イオン特異的なイオン透過担体、 ii)イオン透過担体と予め設定したイオンとの錯体と相
    互反応して検出可能な反応を呈するレポーター化合物、
    及び iii)親水性のポリマー化合物からなる親水性指示薬組成
    物を含み、疎水性相を含まない親水性分析材;を含む、
    液体分析試料中の予め設定したイオンの存在又は濃度を
    決定する、分析対象物の検出装置。
  5. 【請求項5】 親水性分析材が、更に、pHを約5〜約1
    0の範囲にすることができる緩衝剤、キレート化剤、親
    水性表面活性剤又はそれらの組み合わせを含む、請求項
    4記載の装置。
  6. 【請求項6】 i)検出すべきイオンと錯体を形成する
    ことができるイオン特異的なイオン透過担体; ii)イオン透過担体の錯体及び特異的イオンと相互反応
    して、検出可能な反応を呈することができるレポーター
    化合物;及び iii)親水性ポリマー化合物;からなる親水性指示薬組
    成物の層を有する、分析試料中の特定のイオンの存在又
    は濃度を決定するための、疎水性相を含まない親水性分
    析材。
  7. 【請求項7】 レポーター化合物が、分離できるプロト
    ンを含む、請求項6記載の分析材。
  8. 【請求項8】 親水性ポリマーが、アガロース、ゼラチ
    ン、カラギーナン、アルギナート、アルギン酸、キサン
    タンガム、アクリラート、ポリ(ビニルアルコール)、
    アクリル酸のコポリマー、カルボキシメチルセルロー
    ス、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
    ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
    メチルセルロース及びそれらの組み合わせからなる群か
    ら選択される、請求項6記載の分析材。
  9. 【請求項9】 検出することができる反応を行わせるた
    めに、予め設定したイオンと錯体を形成することができ
    るイオン−特異的イオン透過体;イオン透過体の錯体と
    相互作用することができるレポーター化合物;及び予め
    設定したイオンの、高いpHの水性溶液を調製する工程、
    並びに次いで初めの水性溶液及び親水性ポリマーからの
    第二の水性溶液を形成させる工程を含む、液体分析試料
    中の予め設定したイオンの存在又は濃度を決定するため
    の親水性指示薬組成物を製造する方法。
  10. 【請求項10】 分析対象物の存在又は濃度を決定する
    ための、請求項1記載の組成物又は請求項4〜8のいず
    れか1項1記載の分析材の使用。
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