JPH06100496A - (メタ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法 - Google Patents
(メタ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法Info
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- JPH06100496A JPH06100496A JP4256029A JP25602992A JPH06100496A JP H06100496 A JPH06100496 A JP H06100496A JP 4256029 A JP4256029 A JP 4256029A JP 25602992 A JP25602992 A JP 25602992A JP H06100496 A JPH06100496 A JP H06100496A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】(メタ)アクリル酸エステルを二量化させて
(メタ)アクリル酸エステルの直鎖二量体を製造するに
際して、触媒が安定で、目的物の直鎖二量体の分離が容
易であり、かつ高収率で目的物が得られる方法を提供す
ることである。 【構成】下記一般式(1) H2C=CR1−COOR2 (1) (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は
炭素原子数1〜8のアルキル基を表わす。)で示される
(メタ)アクリル酸エステルを二量化させて(メタ)ア
クリル酸エステルの直鎖二量体を製造する方法におい
て、 (a)パラジウム化合物 (b)ハロゲン原子を含む鉄化合物あるいはハロゲン原子
を含むバナジウム化合物および (c)硝酸、硝酸塩あるいは二酸化窒素 を含んでなる触媒系を使用することを特徴とする(メ
タ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法。
(メタ)アクリル酸エステルの直鎖二量体を製造するに
際して、触媒が安定で、目的物の直鎖二量体の分離が容
易であり、かつ高収率で目的物が得られる方法を提供す
ることである。 【構成】下記一般式(1) H2C=CR1−COOR2 (1) (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は
炭素原子数1〜8のアルキル基を表わす。)で示される
(メタ)アクリル酸エステルを二量化させて(メタ)ア
クリル酸エステルの直鎖二量体を製造する方法におい
て、 (a)パラジウム化合物 (b)ハロゲン原子を含む鉄化合物あるいはハロゲン原子
を含むバナジウム化合物および (c)硝酸、硝酸塩あるいは二酸化窒素 を含んでなる触媒系を使用することを特徴とする(メ
タ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の触媒を用い、液相
でアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル
(以下、これらを総称して(メタ)アクリル酸エステル
という)の直鎖二量体を収率良く、しかも高選択的に得
る方法に関する。該二量体は、例えば水素化してアジピ
ン酸エステルにあるいは、さらに加水分解することによ
り有用なアジピン酸に導くことができ、工業的に有用な
中間体である。
でアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル
(以下、これらを総称して(メタ)アクリル酸エステル
という)の直鎖二量体を収率良く、しかも高選択的に得
る方法に関する。該二量体は、例えば水素化してアジピ
ン酸エステルにあるいは、さらに加水分解することによ
り有用なアジピン酸に導くことができ、工業的に有用な
中間体である。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸エステルを二量化さ
せると、反応方法や触媒によって活性や二量体選択性は
もとより直鎖二量体と分枝二量体の比率が異なる。直鎖
二量体を得る触媒系としては従来Pd,Rh,Ru,N
iなどを含む有機錯体触媒が公知である。
せると、反応方法や触媒によって活性や二量体選択性は
もとより直鎖二量体と分枝二量体の比率が異なる。直鎖
二量体を得る触媒系としては従来Pd,Rh,Ru,N
iなどを含む有機錯体触媒が公知である。
【0003】例えば、J.Organomet.Chem.,21,215(197
0)には、PdCl2(PhCN)2を触媒に用い、113℃で23時
間反応させて原料転化率67%、二量体選択率93%、
直鎖率約90%という結果が報告されている。しかしな
がら、この触媒は反応後Pdが析出すると記載されてお
り、触媒を回収し再生しなければならず実用的ではな
い。 米国特許第第4,451,665号には、Pd(CH3CN)4・(PF
6)2とLiBF4を触媒に用い、40℃で17時間反応させて
二量体が収率90%で得られると報告されており、ま
た、J.Mol.Cat.,29,65(1985)においては、Rhあるいは
Pd有機錯体へのルイス酸とプロトン酸の添加効果を述
べている。しかしながら、これらの方法も触媒が不安定
である、フッ素のような特殊な化合物を使用しなければ
ならない、生成物と触媒の分離が困難である等の問題点
がある。
0)には、PdCl2(PhCN)2を触媒に用い、113℃で23時
間反応させて原料転化率67%、二量体選択率93%、
直鎖率約90%という結果が報告されている。しかしな
がら、この触媒は反応後Pdが析出すると記載されてお
り、触媒を回収し再生しなければならず実用的ではな
い。 米国特許第第4,451,665号には、Pd(CH3CN)4・(PF
6)2とLiBF4を触媒に用い、40℃で17時間反応させて
二量体が収率90%で得られると報告されており、ま
た、J.Mol.Cat.,29,65(1985)においては、Rhあるいは
Pd有機錯体へのルイス酸とプロトン酸の添加効果を述
べている。しかしながら、これらの方法も触媒が不安定
である、フッ素のような特殊な化合物を使用しなければ
ならない、生成物と触媒の分離が困難である等の問題点
がある。
【0004】また、J.Am.Chem.Soc.,113,2777(1991)に
おいては、(CH3)5C5Rh(C2H4)2とHB(C6H3(CF3)2)4(Et2O)
2 から調製した触媒を用いて、水素の存在下、60℃、
22時間の反応で、原料転化率99%、二量体選択率9
8%という結果を報告している。しかしながらこの方法
は、複雑な有機錯体触媒を使用するため、触媒安定性や
生成物との分離において実用化は困難であると考えられ
る。
おいては、(CH3)5C5Rh(C2H4)2とHB(C6H3(CF3)2)4(Et2O)
2 から調製した触媒を用いて、水素の存在下、60℃、
22時間の反応で、原料転化率99%、二量体選択率9
8%という結果を報告している。しかしながらこの方法
は、複雑な有機錯体触媒を使用するため、触媒安定性や
生成物との分離において実用化は困難であると考えられ
る。
【0005】以上の例のように、従来知られた(メタ)
アクリル酸エステルの直鎖二量体を得る方法は、触媒が
不安定である、触媒と直鎖二量体の分離が困難である、
目的物の直鎖二量体の収率が低い等の問題点を有してい
る。従って、これらの方法を用いて(メタ)アクリル酸
エステルの直鎖二量体を工業的に生産することは容易で
はない。
アクリル酸エステルの直鎖二量体を得る方法は、触媒が
不安定である、触媒と直鎖二量体の分離が困難である、
目的物の直鎖二量体の収率が低い等の問題点を有してい
る。従って、これらの方法を用いて(メタ)アクリル酸
エステルの直鎖二量体を工業的に生産することは容易で
はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】(メタ)アクリル酸エ
ステルを二量化させて(メタ)アクリル酸エステルの直
鎖二量体を製造するに際して、触媒が安定で、目的物の
直鎖二量体の分離が容易であり、かつ高収率で目的物が
得られる方法を提供することである。
ステルを二量化させて(メタ)アクリル酸エステルの直
鎖二量体を製造するに際して、触媒が安定で、目的物の
直鎖二量体の分離が容易であり、かつ高収率で目的物が
得られる方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に関して検討した結果、新規な触媒を見い出し本発明を
完成させるに至った。すなわち本発明は、下記一般式
(1) H2C=CR1−COOR2 (1) (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は
炭素原子数1〜8のアルキル基を表わす。)で示される
(メタ)アクリル酸エステルを二量化させて(メタ)ア
クリル酸エステルの直鎖二量体を製造する方法におい
て、 (a)パラジウム化合物 (b)ハロゲン原子を含む鉄化合物あるいはハロゲン原子
を含むバナジウム化合物および (c)硝酸、硝酸塩あるいは二酸化窒素 を含んでなる触媒系を使用することを特徴とする(メ
タ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法であ
る。
に関して検討した結果、新規な触媒を見い出し本発明を
完成させるに至った。すなわち本発明は、下記一般式
(1) H2C=CR1−COOR2 (1) (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は
炭素原子数1〜8のアルキル基を表わす。)で示される
(メタ)アクリル酸エステルを二量化させて(メタ)ア
クリル酸エステルの直鎖二量体を製造する方法におい
て、 (a)パラジウム化合物 (b)ハロゲン原子を含む鉄化合物あるいはハロゲン原子
を含むバナジウム化合物および (c)硝酸、硝酸塩あるいは二酸化窒素 を含んでなる触媒系を使用することを特徴とする(メ
タ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法であ
る。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明に係る触媒として、まずPd化合物
としては例えば、PdCl2,Pd(OAc)2,PdBr2,Pd(NO3)2など
の無機塩;Pd(acac)2,PdCl2(PhCN)2,PdCl2(PPh3)2など
の有機錯体;Pd/C,Pd/アルミナ,Pd/シリカ,Pd/セ゛オライトなどの担
持型のものあるいはPdフ゛ラックなどが例示される。
としては例えば、PdCl2,Pd(OAc)2,PdBr2,Pd(NO3)2など
の無機塩;Pd(acac)2,PdCl2(PhCN)2,PdCl2(PPh3)2など
の有機錯体;Pd/C,Pd/アルミナ,Pd/シリカ,Pd/セ゛オライトなどの担
持型のものあるいはPdフ゛ラックなどが例示される。
【0010】使用量は通常、原料の(メタ)アクリル酸
エステルに対して0.001〜10mol%の範囲内、
好ましくは0.01〜1mol%の範囲内である。これ
より多く使用しても良いが、経済的に不利なだけであ
る。
エステルに対して0.001〜10mol%の範囲内、
好ましくは0.01〜1mol%の範囲内である。これ
より多く使用しても良いが、経済的に不利なだけであ
る。
【0011】ハロゲン原子を含有する鉄化合物あるいは
ハロゲン原子を含有するバナジウム化合物としては、例
えば、FeCl3,FeOCl, FeBr3,FeOBr3,VCl5,VCl4,VCl3,VOC
l3,VBr4,VOBr3,VF5,VF4,VOF3などが例示される。また、
反応中にこれらに相当する化合物を生成させる化合物も
これらに含まれ、例えばFe2O3あるいはV2O5をHCl処理し
たものや、Feカルボン酸塩にHClを共存させたものでも
同様の効果がある。
ハロゲン原子を含有するバナジウム化合物としては、例
えば、FeCl3,FeOCl, FeBr3,FeOBr3,VCl5,VCl4,VCl3,VOC
l3,VBr4,VOBr3,VF5,VF4,VOF3などが例示される。また、
反応中にこれらに相当する化合物を生成させる化合物も
これらに含まれ、例えばFe2O3あるいはV2O5をHCl処理し
たものや、Feカルボン酸塩にHClを共存させたものでも
同様の効果がある。
【0012】一方、ハロゲン原子を含有する鉄化合物や
ハロゲン原子を含有するバナジウム化合物以外のハロゲ
ン原子を含有する化合物、例えば、塩化アルミニウム、
塩化亜鉛、塩化チタン、塩化ニッケルなどのいわゆるル
イス酸や、また0価パラジウムを2価に酸化しうる塩化
第2銅では目的物である直鎖二量体はほとんど得られな
かったことから、これらのハロゲン原子を含有する鉄化
合物やハロゲン原子を含有するバナジウム化合物は、本
反応において特異的な役割を担っているものと考えられ
る。
ハロゲン原子を含有するバナジウム化合物以外のハロゲ
ン原子を含有する化合物、例えば、塩化アルミニウム、
塩化亜鉛、塩化チタン、塩化ニッケルなどのいわゆるル
イス酸や、また0価パラジウムを2価に酸化しうる塩化
第2銅では目的物である直鎖二量体はほとんど得られな
かったことから、これらのハロゲン原子を含有する鉄化
合物やハロゲン原子を含有するバナジウム化合物は、本
反応において特異的な役割を担っているものと考えられ
る。
【0013】これらのハロゲン原子を含有する鉄化合物
あるいはハロゲン原子を含有するバナジウム化合物の使
用量は、多量に使用すると溶解しきれない等の操作上の
支障をきたすため、原料の(メタ)アクリル酸エステル
に対して0.1〜100mol%の範囲内、好ましくは
1〜50mol%の範囲内である。
あるいはハロゲン原子を含有するバナジウム化合物の使
用量は、多量に使用すると溶解しきれない等の操作上の
支障をきたすため、原料の(メタ)アクリル酸エステル
に対して0.1〜100mol%の範囲内、好ましくは
1〜50mol%の範囲内である。
【0014】さらに触媒として硝酸、硝酸塩あるいは二
酸化窒素が用いられるが、まず硝酸としては濃硝酸、希
硝酸いずれも使用可能である。硝酸塩としては硝酸金属
塩、硝酸アンモニウム塩が挙げられる。硝酸金属塩とし
ては、例えばアルカリ金属(Li,Na,K,Rb,Cs)の塩、ア
ルカリ土類金属(Mg,Ca,Sr,Ba)の塩、IIIa族、IVa族
またはVa族に属する金属(Al,Ga,Pb,Bi)の塩、遷移金
属(V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Pd,Ag)の塩など入手しう
るあらゆる硝酸金属塩が使用できる。
酸化窒素が用いられるが、まず硝酸としては濃硝酸、希
硝酸いずれも使用可能である。硝酸塩としては硝酸金属
塩、硝酸アンモニウム塩が挙げられる。硝酸金属塩とし
ては、例えばアルカリ金属(Li,Na,K,Rb,Cs)の塩、ア
ルカリ土類金属(Mg,Ca,Sr,Ba)の塩、IIIa族、IVa族
またはVa族に属する金属(Al,Ga,Pb,Bi)の塩、遷移金
属(V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Pd,Ag)の塩など入手しう
るあらゆる硝酸金属塩が使用できる。
【0015】これらの使用量は、原料の(メタ)アクリ
ル酸エステルに対し0.01〜20mol%の範囲内、
好ましくは0.1〜5mol%の範囲内である。
ル酸エステルに対し0.01〜20mol%の範囲内、
好ましくは0.1〜5mol%の範囲内である。
【0016】これら触媒系を構成する各触媒の好ましい
量範囲は、モル比で示すと次のようになる。原料の(メ
タ)アクリル酸エステル/Pd化合物/ハロゲン原子を
含む鉄化合物あるいはハロゲン原子を含むバナジウム化
合物/硝酸、硝酸塩または二酸化窒素= 1/0.00
01〜0.01/0.01〜0.5/0.001〜0.
05である。
量範囲は、モル比で示すと次のようになる。原料の(メ
タ)アクリル酸エステル/Pd化合物/ハロゲン原子を
含む鉄化合物あるいはハロゲン原子を含むバナジウム化
合物/硝酸、硝酸塩または二酸化窒素= 1/0.00
01〜0.01/0.01〜0.5/0.001〜0.
05である。
【0017】本発明で原料として用いる一般式(1)で
示される(メタ)アクリル酸エステルのR2は炭素数1
〜8アルキル基であり、アルキル基がアリ−ル基、エス
テル基、エ−テル基などの置換基を有するものであって
も良い。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、
n−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシルな
どのアルキル基が例示され、これらのアルキル基がフェ
ニル、トリルなどのアリ−ル基、2−アセトキシエチ
ル、4−アクリロイルブチルなどのエステル含有基、ま
た2−エトキシエチル基などのエ−テル含有基などで置
換されていても良い。 反応条件としては、温度は0〜
200℃の範囲内、好ましくは30〜100℃の範囲内
である。反応圧力は特に制限はないが、操作上、常圧〜
10kg/cm2程度が好ましい。反応方法としては回
分式、半回分式、連続式のいずれの方式も可能である。
示される(メタ)アクリル酸エステルのR2は炭素数1
〜8アルキル基であり、アルキル基がアリ−ル基、エス
テル基、エ−テル基などの置換基を有するものであって
も良い。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、
n−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシルな
どのアルキル基が例示され、これらのアルキル基がフェ
ニル、トリルなどのアリ−ル基、2−アセトキシエチ
ル、4−アクリロイルブチルなどのエステル含有基、ま
た2−エトキシエチル基などのエ−テル含有基などで置
換されていても良い。 反応条件としては、温度は0〜
200℃の範囲内、好ましくは30〜100℃の範囲内
である。反応圧力は特に制限はないが、操作上、常圧〜
10kg/cm2程度が好ましい。反応方法としては回
分式、半回分式、連続式のいずれの方式も可能である。
【0018】反応溶媒は特に必要としないが、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン、オクタンなどの炭化水素類
や、クロルベンゼン、二塩化エタン、クロロホルムなど
のハロゲン化合物、その他−般的に用いられる溶媒が使
用できる。
ン、トルエン、ヘキサン、オクタンなどの炭化水素類
や、クロルベンゼン、二塩化エタン、クロロホルムなど
のハロゲン化合物、その他−般的に用いられる溶媒が使
用できる。
【0019】本発明の方法により生成する(メタ)アク
リル酸エステルの直鎖二量体は触媒成分を含む反応系内
から−般に用いられる方法により容易に分離することが
可能である。
リル酸エステルの直鎖二量体は触媒成分を含む反応系内
から−般に用いられる方法により容易に分離することが
可能である。
【0020】本触媒系は、従来から知られた方法のよう
に有機配位子を含む不安定な錯体と違い、完全な無機化
合物から構成しうるため、例えば触媒存在下での蒸留に
よる生成物の分離や、炭化水素溶媒による生成物の抽出
分離が容易に行なえる。さらに触媒の安定性・寿命に対
しても、上記分離操作後の回収触媒の繰り返し使用が可
能である。また、高いTN(タ−ンオ−バ−数)を有す
るので単位触媒量あたりの生産性が良好である。
に有機配位子を含む不安定な錯体と違い、完全な無機化
合物から構成しうるため、例えば触媒存在下での蒸留に
よる生成物の分離や、炭化水素溶媒による生成物の抽出
分離が容易に行なえる。さらに触媒の安定性・寿命に対
しても、上記分離操作後の回収触媒の繰り返し使用が可
能である。また、高いTN(タ−ンオ−バ−数)を有す
るので単位触媒量あたりの生産性が良好である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明の内容をさらに具
体的に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
体的に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0022】(実施例1〜5)温度計、攪拌器を備えた
100ml硝子製フラスコにPdCl20.35g(2
mmol)、FeCl38.1g(50mmol)、ア
クリル酸メチル 86g(1.00mol)および含硝
酸化合物(5〜10mmol)を表1に示す量だけ加
え、内温65℃で15時間攪拌し、アクリル酸メチルの
二量化反応を行った。その後、反応生成物をガスクロマ
トグラフィ−にて内部標準法により定量分析し、表1に
示す結果を得た。
100ml硝子製フラスコにPdCl20.35g(2
mmol)、FeCl38.1g(50mmol)、ア
クリル酸メチル 86g(1.00mol)および含硝
酸化合物(5〜10mmol)を表1に示す量だけ加
え、内温65℃で15時間攪拌し、アクリル酸メチルの
二量化反応を行った。その後、反応生成物をガスクロマ
トグラフィ−にて内部標準法により定量分析し、表1に
示す結果を得た。
【0023】なお、表中の直鎖二量体とは、化合物名で
1−ブテン−1,4−ジカルボン酸ジメチルおよび2−
ブテン−1,4−ジカルボン酸ジメチルを意味し、構造
式はそれぞれ、CH3OC(=O)CH=CHCH2CH2COOCH3、CH3OC(=
O)CH2CH=CHCH2COOCH3 で示される。
1−ブテン−1,4−ジカルボン酸ジメチルおよび2−
ブテン−1,4−ジカルボン酸ジメチルを意味し、構造
式はそれぞれ、CH3OC(=O)CH=CHCH2CH2COOCH3、CH3OC(=
O)CH2CH=CHCH2COOCH3 で示される。
【0024】また、Pdタ−ンオ−バ−数(TN数)は
(生成二量体のモル数)/(使用Pdのgアトム数)と
して計算した。
(生成二量体のモル数)/(使用Pdのgアトム数)と
して計算した。
【0025】
【表1】
【0026】(比較例1〜3)Pd化合物、塩化鉄、含
硝酸化合物のいずれかを加えなかった以外は、実施例1
と同様に反応を行なった。反応条件および結果を表2に
示す。
硝酸化合物のいずれかを加えなかった以外は、実施例1
と同様に反応を行なった。反応条件および結果を表2に
示す。
【0027】
【表2】
【0028】(比較例4〜6)FeCl3の替わりにA
lCl3,ZnCl2,CuCl2(各々50mmol)
を用いた以外は、実施例3と同様に反応を行なった。反
応条件および結果を表3に示す。
lCl3,ZnCl2,CuCl2(各々50mmol)
を用いた以外は、実施例3と同様に反応を行なった。反
応条件および結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】(実施例6〜9)触媒組成物の種類を表4
に示したPd化合物(使用Pd量2mmol)、鉄ある
いはバナジウム化合物(50mmol)、含硝酸化合物
(5mmol)に変更した以外は、実施例1と同様に反
応を行なった。なお、実施例7において用いたPd化合
物は川研ファインケミカル社(株)製の2wt%パラジウム
カ−ボンである。反応条件および結果を表4に示す。
に示したPd化合物(使用Pd量2mmol)、鉄ある
いはバナジウム化合物(50mmol)、含硝酸化合物
(5mmol)に変更した以外は、実施例1と同様に反
応を行なった。なお、実施例7において用いたPd化合
物は川研ファインケミカル社(株)製の2wt%パラジウム
カ−ボンである。反応条件および結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】(実施例10)アクリル酸メチルの代わり
にメタクリル酸メチル100g(1.0mol)を用
い、反応温度を80℃にした以外は、実施例2と同様に
反応を行なった。その結果、原料転化率16%、2量体
選択率92%、二量体中の直鎖率100%であった。
にメタクリル酸メチル100g(1.0mol)を用
い、反応温度を80℃にした以外は、実施例2と同様に
反応を行なった。その結果、原料転化率16%、2量体
選択率92%、二量体中の直鎖率100%であった。
【0033】なお、ここでいう直鎖2量体とは1,4−
ジメチル−1−ブテン−1,4−ジカルボン酸ジメチル
および1,4−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジカル
ボン酸ジメチルであり、構造式はそれぞれ、CH3OC(=O)C
(CH3)=CHCH2CH(CH3)COOCH3、CH3OC(=O)CH(CH3)CH=CHCH
(CH3)COOCH3で示される。
ジメチル−1−ブテン−1,4−ジカルボン酸ジメチル
および1,4−ジメチル−2−ブテン−1,4−ジカル
ボン酸ジメチルであり、構造式はそれぞれ、CH3OC(=O)C
(CH3)=CHCH2CH(CH3)COOCH3、CH3OC(=O)CH(CH3)CH=CHCH
(CH3)COOCH3で示される。
【0034】(実施例11〜12)アクリル酸メチルの
代わりにアクリル酸n−ブチルまたはアクリル酸n−オ
クチルを用いた以外は、実施例2と同様に反応を行なっ
た。反応条件および結果を表5に示す。
代わりにアクリル酸n−ブチルまたはアクリル酸n−オ
クチルを用いた以外は、実施例2と同様に反応を行なっ
た。反応条件および結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】(実施例13)温度計、攪拌器を備えた1
リットル硝子製フラスコに、アクリル酸メチル300
g、PdCl20.6g,FeCl360g,Mn(NO
3)2・6H2O6.0g,n−オクタン200gを仕込
み、内温65℃で15時間攪拌し、反応を行なった。反
応生成物が2相に分離したので上相を分液して取り出
し、蒸留して未反応のアクリル酸メチル、n−オクタ
ン、二量体を各々回収した。反応条件および結果を表6
に示す。
リットル硝子製フラスコに、アクリル酸メチル300
g、PdCl20.6g,FeCl360g,Mn(NO
3)2・6H2O6.0g,n−オクタン200gを仕込
み、内温65℃で15時間攪拌し、反応を行なった。反
応生成物が2相に分離したので上相を分液して取り出
し、蒸留して未反応のアクリル酸メチル、n−オクタ
ン、二量体を各々回収した。反応条件および結果を表6
に示す。
【0037】(実施例14〜17)さらに実施例13の
下相(触媒相)へ新たにアクリル酸メチル200g、n
−オクタン200gを加えて同様の操作を行なった。こ
の操作を計4回繰り返した。回収原料、回収二量体、二
量体収率、二量体中の直鎖率を表6に示す。
下相(触媒相)へ新たにアクリル酸メチル200g、n
−オクタン200gを加えて同様の操作を行なった。こ
の操作を計4回繰り返した。回収原料、回収二量体、二
量体収率、二量体中の直鎖率を表6に示す。
【0038】
【表6】
Claims (1)
- 【請求項1】下記一般式(1) H2C=CR1−COOR2 (1) (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は
炭素原子数1〜8のアルキル基を表わす。)で示される
(メタ)アクリル酸エステルを二量化させて(メタ)ア
クリル酸エステルの直鎖二量体を製造する方法におい
て、 (a)パラジウム化合物 (b)ハロゲン原子を含む鉄化合物あるいはハロゲン原子
を含むバナジウム化合物および (c)硝酸、硝酸塩あるいは二酸化窒素 を含んでなる触媒系を使用することを特徴とする(メ
タ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25602992A JP3221744B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | (メタ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25602992A JP3221744B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | (メタ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100496A true JPH06100496A (ja) | 1994-04-12 |
JP3221744B2 JP3221744B2 (ja) | 2001-10-22 |
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ID=17286931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25602992A Expired - Fee Related JP3221744B2 (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | (メタ)アクリル酸エステルの直鎖二量体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3221744B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-25 JP JP25602992A patent/JP3221744B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JP3221744B2 (ja) | 2001-10-22 |
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