JPH06100428A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH06100428A
JPH06100428A JP27341992A JP27341992A JPH06100428A JP H06100428 A JPH06100428 A JP H06100428A JP 27341992 A JP27341992 A JP 27341992A JP 27341992 A JP27341992 A JP 27341992A JP H06100428 A JPH06100428 A JP H06100428A
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JP
Japan
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skin
opq
compound
opqs
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Application number
JP27341992A
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English (en)
Inventor
Mamoru Takahashi
守 高橋
Akihiko Niina
昭彦 新名
Sadaji Uragami
貞治 浦上
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ISEHAN KK
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Isehan Co Ltd
Original Assignee
ISEHAN KK
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Isehan Co Ltd
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Publication date
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 オキサゾピロロキノリン(OPQ)類、OP
Q類のエステルおよび/またはOPQ類の塩を有効成分
として含有させてなる皮膚外用剤である。この皮膚外用
剤は、通常の皮膚外用剤と同様に、前記の有効成分以外
の物質を含有させることができ、また、種々な剤型とす
ることができる。 【効果】 OPQ類、OPQ類のエステルおよびOPQ
類の塩は、それぞれ強い活性酸素消去活性およびメラニ
ン生成抑制作用を有し、毒性および腎毒性がともに低
く、安定性に優れ、かつ、特異臭を有しないことから、
これらを有効成分として含有させてなる本発明の皮膚外
用剤は、日光からの皮膚の保護および美白の促進に有効
な皮膚外用剤として好適に実用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚外用剤に関わり、
さらに詳細には、肌に生成する活性酸素や過酸化脂質の
抑制および肌のシミ、色黒等の抑制、すなわち、日光に
よる皮膚の損傷と光老化の防止ならびに美白促進に有効
な皮膚外用剤に係る。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】近年、化
粧料は、皮膚の健康維持または損傷改善などが重要視さ
れている。皮膚に日光の紫外線が照射されると、皮膚上
に活性酸素や過酸化脂質が生成し、皮膚が損傷を受ける
と同時に皮膚内の色素細胞であるメラノサイトにおいて
メラニンが多量に生成されて皮膚が黒色化する。また、
紫外線に繰り返し曝露されているとシミ、ソバカスおよ
びシワ等の多様な光加齢現象が出現する。このような日
焼けによって生じる皮膚の損傷および黒色化および光加
齢の防止を目的として化粧料に種々の有効成分を配合す
ることが提案されている。とりわけ、ビタミンC、ビタ
ミンEおよびβ−カロチンなどの抗酸化剤、過酸化水
素、グルタチオン、コロイド硫黄、ハイドロキノン、コ
ウジ酸、桂皮アルデヒドおよびグルコサミンなどのメラ
ニン合成阻害剤、栄養補給剤としてのビタミン類ならび
にSODおよびカタラーゼ等の酵素の配合が試みられてい
る。しかしながら、これらの化合物は、その物質の安全
性、安定性および特異臭などの物性さらにその効果の点
において、実用するには充分でなく、日光による多様な
皮膚劣化現象の極く一部に多少の有効性を示すに止ま
り、いまだ所期の効果を充分に挙げるに至っていない。
【0003】また、近年、たとえば、メタンおよびメタ
ノール資化性菌の菌体中に含有され、酸化還元酵素の新
しい補酵素として見出されたPQQ(ピロロキノリンキ
ノン)が、創傷治療作用(特開昭63-152309号公報)、
白髪防止・改善作用(特開昭63-301810号公報)および
強い活性酸素消去作用(Hamagishiら、J. Pharmacol. E
xp. Ther., 第255巻、第980-985頁、1990年)を示すこ
とが報告され、有用な皮膚外用剤の成分として期待され
た。しかしながら、PQQは毒性が強く、かつ、腎毒性
を有することが明らかにされ皮膚外用剤成分としては好
ましくないことが明らかとされた(渡辺ら、Hiroshima
J. Med. Sci.,第38巻、第1号、第49-51頁、1987年、浦
上ら、日本薬学会第110年会講演要旨集2、第290頁、199
0年)。そこで、毒性および腎毒性が低く、かつ、皮膚
の健康維持または損傷改善に有効な薬剤を見出すことが
出来れば有用な皮膚外用剤として開発できるものと期待
される。本発明の目的は、オキサゾピロロキノリン類、
そのエステル体および/またはその塩を有効成分として
含有し、肌に生成する活性酸素や過酸化脂質の抑制およ
び肌のシミ、色黒等の抑制、すなわち、日光による皮膚
の損傷と光老化の防止ならびに美白促進に有効な皮膚外
用剤の提供にするにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安全性お
よび安定性のそれぞれに優れ、特異臭がないなどの物性
の点において優れており、かつ、活性酸素消去作用およ
びメラニン合成抑制作用を示す薬剤について鋭意研究を
進めたところ、オキサゾピロロキノリン類、オキサゾピ
ロロキノリン類の塩またはオキサゾピロロキノリン類の
エステル体が、安全性および安定性に優れ、特異臭がな
く皮膚外用剤成分として好ましい物質であり、かつ、強
い活性酸素消去作用およびメラニン合成抑制作用、すな
わち、太陽光線などにより皮膚表面に生成する過酸化脂
質の生成抑制効果、日焼けによって生じる皮膚の黒色化
の防止、メラニン色素の沈着によるシミおよびソバカス
の除去作用ならびに光加齢性シワの生成抑制効果を有す
ること見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、オキサゾピロロキノ
リン類、オキサゾピロロキノリン類の塩および/または
オキサゾピロロキノリン類のエステル体を有効成分とし
て含有させてなる皮膚外用剤である。オキサゾピロロキ
ノリン類(以下 OPQ類 と略記する)とは、別名、
5位置換2,8,10−トリカルボキシ−1H−オキサゾ[5,4−
h]−ピロロ2,3−f]キノリンとも称されている。しか
して、本発明におけるOPQ類およびOPQ類のエステ
ル体は、次の一般式で示される。すなわち、
【0006】
【化2】 [Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基もしく
は置換アルキル基を示す。R1、R2、R3は、同一でも
異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基
またはベンジル基を示す。]
【0007】なお、前記の置換アルキル基の置換基とし
ては、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、アミノ
基、カルバモイル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル
基、グアニジノ基、イミダゾリル基またはメチルメルカ
プト基が好ましい。本発明において使用されるOPQ類
は、PQQ類と各種のα−アミノ酸およびメチルアミン
などのそれぞれとを酸素存在下で反応させることによ
り、容易に製造することが可能である。なお、PQQ類
とはPQQとPQQの塩との総称である。しかして、P
QQとは前記のようにメタンおよびメタノール資化性菌
の菌体中に含有され、酸化還元酵素の新しい補酵素であ
り、次の構造式で示される化合物であり、別名、2,7,9
−トリカルボキシ−1H−ピロロ[2,3−f]キノリン−4,
5−ジオンとも称される化合物である。
【0008】
【化3】
【0009】また、PPQ類の塩には、アルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換ア
ンモニウム塩などがある。その代表例としては、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、
アンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチ
ルアンモニウム塩およびトリエタノールアンモニウム塩
などがある。本発明におけるOPQ類として代表例は、
PQQ類とグリシン、スレオニン、トリプトファン、プ
ロリン、チロシン、セリンおよびモノメチルアミンのい
ずれか1種とから得られるOPQ(R=H)(特開平3-2942
81号)、PQQ類とセリンとから得られるヒドロキシメ
チルOPQ(R=CH2OH)(特開平3-123782号)、PQQ
類とバリンとから得られる1−メチルエチルOPQ(R=
CH((CH)3)2)(特開平3-170484号)、PQQ類とイソロ
イシンとから得られる1−メチルプロピルOPQ(R=CH
(CH3)2CH3)(特開平3-170485号)、PQQ類とロイシ
ンとから得られる2−メチルプロピルOPQ(R=CH2CH
(CH3)2)(特開平3-170486号)、PQQ類とアラニンと
から得られるメチルOPQ(R=CH3)(特開平3-188081
号)、PQQ類とグルタミン酸とから得られる2−カル
ボキシエチルOPQ(R=CH2CH2CO2H)(特開平3-190882
号)、PQQ類とグルタミンとから得られる2−カルバ
モイルエチルOPQ(R=CH2CH2CONH2)(特開平3-18808
2号)、PQQ類とメチオニンとから得られる2−メチ
ルチオエチルOPQ(R=CH2CH2SCH3)(特開平3-190880
号)、PQQ類とフェニルアラニンとから得られるベン
ジルOPQ(特開平3-190881号)、PQQ類とチロシン
とから得られる4−ヒドロキシフェニルメチルOPQ
(特開平4-9387号)、PQQ類とアスパラギン酸とから
得られる1−カルボキシメチルOPQ(R=CH2CO2H)、P
QQ類とアスパラギンとから得られるカルバモイルメチ
ルOPQ(R=CH2CONH2)、PQQ類とヒスチジンとから
得られる4−イミダゾリルメチルOPQ、PQQ類とリ
ジンとから得られる4−アミノブチルOPQ(R=(CH2)4N
H2)、PQQ類とアルギニンとから得られる3−グアニ
ジノプロピルOPQおよびPQQ類とシステインとから
得られる1−メルカプトメチルOPQ(R=CH2SH)などが
ある。
【0010】また、これらのOPQ類のそれぞれの塩に
は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩および置換アンモニウム塩などがあり、これらの塩
類も皮膚外用剤として有効である。その代表例として
は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カル
シウム塩、アンモニウム塩、トリメチルアンモニウム
塩、トリエチルアンモニウム塩およびトリエタノールア
ンモニウム塩などがある。また、前記の一般式で示され
る本発明におけるOPQ類のエステル体において、R1
R2、R3は、モノエステル、ジエステルあるいはトリエス
テルを形成する。これらのOPQ類のエステル体は、O
PQ類またはその塩とアルコール類とを常法により反応
させることによって容易に製造することが可能である。
なお、アルキル基としては、メチル基およびエチル基な
どが、また、アルケニル基としてはアリル基などが好ま
しい。また、PQQ類とアルコール類とを常法により反
応させてPQQ類のエステル体を得、次いでこのPQQ
類のエステル体と各種のアミノ酸またはメチルアミンと
を反応させることにより、目的とするOPQ類のエステ
ル体を得ることも可能である。
【0011】本発明の皮膚外用剤は、その有効成分をO
PQ類、OPQ類のエステル体および/またはOPQ類
の塩とするものであるが、他の薬剤として、公知のビタ
ミン類、例えば、ビタミンA、 B1、B2、B6、B12、C、
D、E、K、F、H、P、U およびこれらのプロビタミンまた
はこれらの誘導体(リチノイン酸、アスコルビルリン酸
塩、ビタミンC・E化合物およびビタミンA・C化合物
等)、補酵素類、例えば、補酵素 I、II、III、AF、M、
Q、Rおよびこれらの誘導体、パントテン酸、葉酸、ニコ
チン酸、γ−オリザノール、フェルラ酸およびこれらの
誘導体、抗炎症作用を有する化合物、例えば、グリチル
リチン酸、グリチルレチン酸およびこれらの塩またはこ
れらのエステル、アズレンおよびこれらの誘導体、アラ
ントイン、ヒドロコルチゾンおよび塩化リゾチーム等な
らびにメラニン形成抑制作用を有する他の化合物、例え
ば、グルタチオンおよびその誘導体、システインおよび
その誘導体、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキ
ス、油溶性カンゾウエキス、桑白皮、キューカンバーエ
キスおよび感光素101等を併用することにより本発明の
皮膚外用剤の効果を更に増大させることができる。
【0012】本発明の皮膚外用剤には、通常、使用され
ている皮膚外用剤と同様に、それ自体公知の皮膚外用剤
成分や化粧料成分、例えば、紫外線防止剤として有効な
各種粒子径のチタニア、ジルコニア、セリア、酸化亜
鉛、酸化鉄、カオリン、タルク等の無機物質、オキシベ
ンゾン、ウロカニン酸、パラアミノ安息香酸およびこれ
らの誘導体、パラメトキシ桂皮酸およびこの誘導体およ
び4−t−ブチル−4′−メトキシ−ジベンゾイルメタ
ン等の有機物質、保湿剤として有効なグリセリンや多価
アルコール、乳酸、ヒアルロン酸、キトサン、アルギン
酸およびプルラン等の多糖類、アミノ酸、ペプチド、蛋
白質および核酸等ならびに酸化防止剤として有効なブチ
ルヒドロキシアニソールおよびブチルヒドロキシトルエ
ン等を併用することもできる。さらに、各種のホルモン
類および各種の酵素類を併用して、本発明の皮膚外用剤
に、皮膚表面における活性酸素や過酸化脂質の生成防止
および肌のシミ、色黒等の抑制、すなわち、日光による
皮膚の損傷と光老化の防止ならびに美白増進など以外の
機能を付加することもできる。本発明の有効成分を製剤
化するには、通常の皮膚外用剤と同様に、界面活性剤、
賦形剤、着色料、保存料およびコーティング助剤などを
適宜使用することができる。
【0013】本発明の皮膚外用剤は、通常の皮膚外用剤
と同様に、例えば、クリーム、乳液および化粧水などの
液剤、白粉などの粉剤ならびにエッセンスなどの剤型で
使用される。 これらの剤型中の、OPQ類、OPQ類
のエステル体および/またはOPQ類の塩などの有効成
分の濃度は、使用目的、剤型の種類、使用状態および使
用者の性別、年齢などによって異なり、一概に特定し得
ないが、通常は、0.0001〜5重量%程度、好ましくは0.0
01〜1重量%程度とされる。
【0014】[PQQおよびOPQ類の急性毒性および
腎毒性試験] (1)急性毒性試験 SPF−ICRマウス 雄、5週齢(日本チャ−ルズ
リバ−株式会社から購入)に、PQQ・2NaおよびO
PQ類をマウス1kg当り20、40、80、160および200mgの
それぞれを腹腔投与し、14日間、25℃で飼育した。OP
Q類としては、OPQ、1−メチルプロピルOPQ、2
−メチルチオエチルOPQおよびベンジルOPQを用い
た。なお、一群は8匹とした。その結果、PQQ・2N
a 20mg投与および40mg投与ではマウスは死亡しなかっ
たが、80mg投与で5匹、 160mg投与および200mg投与で
それぞれ8匹とも全部死亡した。PQQ・2NaのLD
50は 約70mg/kgマウスであった。他方、OPQ類では全
てのマウスが生存していた。 SPF−ICRマウス 雄、5週齢(日本チャ−ルズ
リバ−株式会社から購入)に、OPQをマウス1kg当り
0.1g、0.2g、0.4g、0.8gおよび1.2gのそれぞれを腹腔投
与し、14日間、25℃で飼育した。なお、一群は8匹とし
た。OPQ0.1〜0.4g投与では全てのマウスが生存して
いたが、0.8gでは2匹、1.0gでは3匹、1.2gでは6匹が
死亡した。LD50は 約1.0g/kgマウスであった。 SPF−ICRマウス 雄、5週齢(日本チャ−ルズ
リバ−株式会社から購入)に、OPQをマウス1kg当り
1.0g、1.5gおよび2.0gをそれぞれ経口投与し、14日間、
25℃で飼育した。一群は8匹とした。すべてのマウスは
死亡しなかった。前記〜の結果から、OPQ類はP
QQに比べて毒性が著しく低下していることが判る。
【0015】(2)腎毒性 尿検査による腎毒性 急性毒性試験と同様にして、PQQ・2NaおよびOP
Q類を腹腔投与し、マウスを飼育した。毎日、マウスの
尿を採取し、臨床検査試薬(商品名 ウリステックス
2、マイルス・三共製)を用いてグルコ−ス濃度を調べ
た。表1および表2に示すように、PQQ・2Naを投
与したマウスの尿からは糖が検出されたが、OPQ類を
投与したマウスの尿からは糖が検出されなかった。これ
は、PQQでは腎毒性が認められたが、OPQ類では腎
毒性が認められなかったことを示すものである。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】血液検査による腎毒性 (イ)急性毒性試験と同様にして、PQQ・2Naおよ
びOPQ類を腹腔投与し、マウスを飼育した。投与1日
後に絶食(水は与える)させ、さらに、18時間後に採血
して血清を得た。これらの血清中のグルコ−ス、尿素態
窒素およびクレアチニン(Creatinine)を臨床検査試薬
(商品名 富士ドライケムスライド、富士写真フィルム
製)を用いて調べた。なお、各々の値は8匹の平均値で
示した。結果を表3に示す。PQQ・2Na投与では、
グルコ−スの大幅な減少、尿素態窒素およびクレアチニ
ンの大幅な増加がみられ、腎毒性が認められた。これに
対してOPQ類投与では、グルコ−ス、尿素態窒素およ
びクレアチニンのそれぞれの含有量は「無投与」の場合
と大差なく腎毒性がなかったことを示している。
【0019】
【表3】
【0020】(ロ)急性毒性試験と同様にして、OPQ
を150mg、 300mg、400mgおよび600mg/kgをそれぞれ腹腔
投与し、マウスを1日間飼育した。 その後、絶食(水
は与える)させ、さらに18時間後に採血して血清を得
た。これらの血清中のグルコ−ス、尿素態窒素およびク
レアチニン(Creatinine)を臨床検査試薬(商品名 富
士ドライケムスライド、富士写真フィルム製)を用いて
調べた。なお、各々の値は8匹の平均値で示した。結果
を表4に示す。OPQのいずれの投与量でも、グルコ−
ス、尿素態窒素およびクレアチニンのそれぞれの含有量
は「無投与」の場合と大差はなかった。
【0021】
【表4】
【0022】前記(イ)および(ロ)の結果から、PQQ
には腎毒性が有るが、OPQ類には腎毒性がなったこと
を示している。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の皮膚外用剤の有効成分であ
るOPQ類およびそのエステル体の活性酸素消去作用お
よび活性酸素による各種の障害に対する予防・治療作用
を示す実施例および製剤例を示すが、本発明は、これら
の実施例に限定されるものではない。 実施例1 OPQ類のスーパーオキシドの消去活性:ヒポキサンチ
ン−キサンチン酸化酵素の系で産生させたO2 -に対する
OPQ類の消去活性を電子スピン共鳴(以下 ESR
と略記する)を用いたスピントラップ法(スピントラッ
プ剤として5,5−dimetyl−1−pyrroline−N−oxide〔以
下DMPO と略記する〕を使用)で検討した。 ヒポキサンチン + 2O2 → 2O2 - + 尿酸 (キサンチン酸化酵素) 下記からまでの試薬を順次試験管に入れ、次いでこ
れにのヒポキサンチンを添加攪拌し、反応を開始さ
せ、ESR測定用石英セルに移した。反応開始1分後に
ESRを測定し、産生されるO2 -を1/2に減少させる薬
剤濃度(IC50値)を比較した。なお、薬剤として、O
PQ類および対照としてアスコルビン酸をそれぞれ用
い、各々、5段階の濃度でO2 -の消去活性を調べ、これ
からIC50値を算出した。 反応液 50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3) 50μl 10mM ジエチレントリアミン5酢酸(以下 DTPA と略記する) 10μl キサンチン酸化酵素(2u/ml) 20μl 蒸留水 50μl 薬剤 50μl 900mM DMPO 10μl 7.3mM ヒポキサンチン 10μlESRの測定条件 磁 場 236.1 ± 5 mT 出 力 10mW 変 調 100kHz、0.079mT 応答時間 0.3秒 掃引時間 2分(10mTの間隔) 増 幅 比 500 結果を表5に示す。
【0024】
【表5】
【0025】OPQ類のIC50値は、アスコルビン酸の
IC50値に比べて1/5〜1/20であった。これは、OP
Q類は強いO2 -の消去活性を有し、アスコルビン酸のO
2 -消去活性の5〜20倍であることを意味する。なお、O
PQ類の塩類もOPQ類と同様な結果を示した。 実施例2 OPQ類のヒドロキシラジカルの消去活性:H22
Fe2+−DTPA の系で産生させた・OHに対するOPQ
類の消去活性を実施例1と同様な方法で検討した。 H22 + Fe2+−DTPAcomplex → ・OH + OH- + Fe3+−DTPAcomplex 下記からまでの試薬を順次試験管に入れ、次いでこ
れにのH22を添加攪拌し、反応を開始させ、ESR
測定用石英セルに移した。反応開始1分後にESRを測
定し、産生される・OHを1/2に減少させる薬剤濃度
(IC50値)を比較した。なお、薬剤としてOPQ類お
よび対照としてアスコルビン酸をそれぞれ用い、各々、
5段階の濃度でO2 -の消去活性を調べ、これからIC50
値を算出した。 反応液 50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3) 50μl 1mM DTPA-Fe2+錯体 10μl 蒸留水 70μl 薬剤 50μl 900mM DMPO 10μl 10 mM H2O2 10μlESRの測定条件 磁 場 336 ± 5 mT 出 力 10mW 変 調 100kHz、0.1mT 応答時間 0.1秒 掃引時間 1分(10mTの間隔) 増 幅 比 125 結果を表6に示す。
【0026】
【表6】
【0027】OPQ類のIC50値は、アスコルビン酸の
IC50値とほぼ同程度であり、これは、OPQ類がアス
コルビン酸と同様に強い・OHの消去活性を有している
ことを示すものである。
【0028】実施例3 マウスの培養黒色種B-16細胞105個を、10%の牛の胎児
の血清およびOPQの最終濃度が、0.01μg/ml、0.1μ
g/ml、または1μg/mlになるようにOPQを添加した
イーグルMEM培地(日水製薬製)を培養フラスコに入
れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2−95%空
気の雰囲気下)で培養した。なお、対照としてOPQを
含有しない培地で培養した。培養開始5日後に、細胞が
コンフルエント状態になったことを確認した後、細胞を
PBS(日水製薬製)5mlで2回洗浄した。細胞を含む培
養ビンにトリプシン/EDTA液5mlを加え、37℃で5〜10
分間放置し、培養ビンの壁から細胞を遊離させ、この細
胞に、さらに10%の牛の胎児の血清を含有するイーグル
MEM培地45mlを加え、ピペッティングにより細胞を充分
単離し、その後、1200rpmで5分間遠心分離して、細胞を
回収した。この細胞に5%トリクロロ酢酸溶液5mlで3
回、エーテル/エタノール(1:3 vol/vol)混合溶液
5mlで2回、無水エーテル溶液で1回抽出し、非メラニ
ン物質を除去し、沈澱物を風乾した。この沈澱物を100
℃の温浴下で0.85N 水酸化カリウム溶液に溶解し、室温
に冷却した後、475nmの吸光度を測定し、吸光度の減少
率を求めた。結果を表7に示す。これらの結果は、OP
Qがメラニンの合成を抑制することを示している。な
お、B-16細胞の増殖に対するOPQ添加の影響を顕微鏡
で観察したが、いずれのOPQ添加量でも増殖阻害は認
められなかった。
【0029】
【表7】
【0030】実施例4 実施例1と同様にして、マウスの培養黒色種B-16細胞の
培養を行った。培養開始5日後に、細胞がコンフルエン
ト状態になったことを確認した後、細胞をPBS(日水製
薬製)5mlで3回洗浄した。細胞を含む培養ビンに10%
ホルマリン5mlを添加し、細胞を培養ビンの壁に固定化
した。その後、PBS 5mlで3回洗浄し、5mM L−ドー
パを含むPBSを加え、37℃で5時間反応させた。反応終
了後、細胞を水洗し、乾燥した後、顕微鏡で細胞の色を
比較した。OPQ無添加、OPQ 0.01μg/ml添加およ
びOPQ 0.1μg/ml添加のそれぞれで培養した場合に
細胞は黒色となった。これに対してOPQを1μg/ml
添加した場合には、細胞は無色となった。
【0031】次に本発明の皮膚外用剤の各種剤型の製剤
例を次の実施例により具体的に説明するが、これらの実
施例は有効成分をOPQとする剤型に関する実施例であ
る。しかしながら、他のOPQ類、OPQ類のエステル
体およびOPQ類の塩それぞれもOPQと同様にして皮
膚外用剤とすることも、勿論、可能である。なお、本発
明の皮膚外用剤の剤型は本実施例によって限定されるも
のではない。 以下の実施例において、POEはポリオキ
シエチレンを示す。
【0032】実施例5 クリーム 組成物(A) 薬 剤 重量% スクワラン 10.0 2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 3.0 セトステアリルアルコール 3.0 コレステロール 1.0 パルミチン酸セチル 2.0 ラノリン 3.0 酸化防止剤 適量 ステアリン酸モノグリセライド 1.0 POE(20)セチルエチル 2.0 香料 適量 組成物(B) 薬 剤 重量% OPQ 0.02 グリセリン 10.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 防腐剤 適量 精製水 残余 調製 前記の組成物(A)を加熱溶解して70℃に保った。これ
に、別に70℃に加熱された組成物(B)を攪拌しながら
加えて乳化させ、室温まで冷却してクリームを得た。
【0033】実施例6 乳液 組成物(C) 薬 剤 重量% スクワラン 4.0 メチルフェニルポリシロキサン 4.0 ベヘニルアルコール 1.0 イソステアリン酸 1.0 ミツロウ 0.5 酸化防止剤 適量 POE(60)ソルビットテトラオレエート 0.5 香料 適量 組成物(D) 薬 剤 重量% OPQ 0.005 グリセリン 5.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 カルボキシビニルポリマー 0.1 L−アルギニン 0.15 防腐剤 適量 精製水 残余 調製 組成物(C)を加熱溶解して70℃に保ち、これに、別に
70℃に加熱された組成物(D)を攪拌しながら加えて乳
化し、室温まで冷却して乳液を得た。
【0034】実施例7 化粧水 組成物(E) 薬 剤 重量% グリセリン 5.0 ジプロピレングリコール 5.0 エタノール 10.0 POE(20)ソルビタンモノオレエート 0.5 香料 適量 防腐剤 適量 組成物(F) 薬 剤 重量% OPQ 0.01 精製水 残余 調製 混合溶解された組成物(E)を組成物(F)に加え、こ
れを濾過して化粧水を得た。
【0035】実施例8 エッセンス 組成物(G) 薬 剤 重量% 1,3−ブチレングルコール 20.0 グリセリン 5.0 POE(20)メチルグルコシドエタノール 5.0 エタノール 5.0 POE(60)硬化ヒマシ油 0.5 香料 適量 組成物(H) 薬 剤 重量% OPQ 0.04 ヒドロキシエチルセルロースグリセリン 0.3 カルボキシビニルポリマー 0.05 水酸化カリウム 0.02 防腐剤 適量 精製水 残余 調製 混合溶解された組成物(G)を組成物(H)の水溶液に
加えて混合し、エッセンスを得た。
【0036】実施例 9 実施例5の皮膚外用剤と、OPQを加えなかった他は実
施例5と同様にして製剤された皮膚外用剤(比較例)
を、ICR(nu/nu)ヌードマウス(4週齢、雌)5尾の
背面の左半分および右半分にそれぞれ0.1gづつ1日1回
塗布し、毎日1時間づつ日光に曝露した。2個月後、背
面のシワの程度を5段階評価で評価して2種の皮膚外用
剤の光老化性シワの防止効果を比較した結果を表7に示
す。表8に示すように本発明の皮膚外用剤(クリーム)
は光老化性シワの防止に有効であった。
【0037】
【表8】
【0038】実施例10 実施例5〜8の剤型を有する皮膚外用剤を人の皮膚に外
用した場合の有効性に関する試験例を以下に示す。すな
わち、日本人の男性3名、女性3名のそれぞれの背中の
2cm角に区画された部分に、次の8種類の皮膚外用剤を
塗布し4時間日光に曝露した。実施例5〜8の皮膚外用
剤を1区画当り8mgづつ塗布した部分と、OPQを除い
た以外は実施例5〜8と同様にして製剤された皮膚外用
剤(比較例)を1区画当り8mgづつ塗布した部分との24
時間後の紅斑発生度を表9に、また、4日後の黒色化度
を表10に示す。表9および表10のそれぞれに示すよ
うに本発明の皮膚外用剤は日光による悪影響の防止に有
効であった。なお、使用されたいずれの皮膚外用剤も紫
外線領域の紫外吸光スペクトルの吸光度は低く、OPQ
類の添加の有無によって有意の差は認められず、このこ
とからOPQ類は、所謂、紫外線吸収剤として作用して
いるものとは考えられない。
【0039】
【表9】
【0040】
【表10】
【0041】
【発明の効果】OPQ類、OPQ類のエステルおよびO
PQ類の塩は、それぞれ強い活性酸素消去活性およびメ
ラニン生成抑制作用を有し、毒性および腎毒性がともに
低く、安定性に優れ、かつ、特異臭を有しないことか
ら、これらを有効成分として含有させて成る本発明の皮
膚外用剤は、日光からの皮膚の保護および美白の促進に
有効な皮膚外用剤として好適に実用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 7/42 7252−4C C07D 498/14 8415−4C (72)発明者 浦上 貞治 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱瓦斯化学株式会社本社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式で示されるオキサゾピロロキ
    ノリン類、オキサゾピロロキノリン類のエステル体およ
    び/またはオキサゾピロロキノリン類の塩を有効成分と
    して含有させてなる皮膚外用剤。 【化1】 [Rは、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基もしく
    は置換アルキル基を示す。R1、R2、R3は、同一でも
    異なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基
    またはベンジル基を示す。]
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004026743A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Chisso Corp ポリリジン製剤およびこれを含有する化粧料組成物
WO2012137932A1 (ja) * 2011-04-07 2012-10-11 ロート製薬株式会社 外用組成物

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JP2004026743A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Chisso Corp ポリリジン製剤およびこれを含有する化粧料組成物
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