JPH06100372A - 窒化ケイ素質粉体の鋳込み成形方法 - Google Patents

窒化ケイ素質粉体の鋳込み成形方法

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JPH06100372A
JPH06100372A JP4276770A JP27677092A JPH06100372A JP H06100372 A JPH06100372 A JP H06100372A JP 4276770 A JP4276770 A JP 4276770A JP 27677092 A JP27677092 A JP 27677092A JP H06100372 A JPH06100372 A JP H06100372A
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JP
Japan
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silicon nitride
nitride powder
water
derivative
powder
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JP4276770A
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English (en)
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Hiroyuki Tsuto
宏之 津戸
Eiji Fukuda
英二 福田
Keizo Tsukamoto
惠三 塚本
Senjo Yamagishi
千丈 山岸
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 窒化ケイ素、サイアロンなどの窒化ケイ素質
粉体の鋳込み成形方法を提供すること。 【構成】 耐水性のポリアミド樹脂で被覆した窒化ケイ
素質粉体を作製し、これを水に分散させてスラリ−化
し、このスラリ−を用いて鋳込み成形すること。このポ
リアミド樹脂の被覆手段としては、予め窒化ケイ素質粉
体粒子の表面を二塩基酸又はその誘導体で被覆し、これ
をジアミン又はジアミン誘導体の溶液に分散させ、重合
反応させる。 【効果】 鋳込み成形用スラリ−の分散媒体として水を
用いても、鋳込み成形スラリ−作製時における粉体と水
との混合による窒化ケイ素質粉体の表面酸化が防止さ
れ、窒化ケイ素質粉体本来の特性を損なうことなく、機
械的強度に優れた窒化ケイ素質焼結体を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化ケイ素、サイアロ
ン(Si6-ZAlZZ8-Z)などの窒化ケイ素質粉体の
鋳込み成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳込み成形は、複雑な形状のセラミック
ス成形体を作製することができ、このため、ガスタ−ビ
ン部品のような、プレスを用いて成形することができな
いセラミックス製品の作製にとって非常に有用な成形方
法である。従来、セラミックス粉体の鋳込み成形法とし
ては、水を分散媒体として用い、適当な解膠剤、バイン
ダ−等を添加してスラリ−を作製し、これを吸水性鋳型
に注入して成形する方法が広く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鋳込み成形用スラリ−
としては、上記したように、一般に水を分散媒体として
使用している。しかしながら、窒化ケイ素質粉体、特に
その微粉体は、表面が活性であるため、分散媒体である
水と混合することにより該粒子表面が酸化され、結果と
して焼結体の強度が低下するという欠点があった。
【0004】本発明者等は、強度低下等特性の劣化しな
い窒化ケイ素質焼結体を得る鋳込み成形法を見出すこと
を目的として鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した
ものである。即ち、本発明の目的は、分散媒体として水
を用いるにも拘らず機械的特性に優れた窒化ケイ素質焼
結体を得ることができる窒化ケイ素質粉体の鋳込み成形
方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は、耐水
性のポリアミド樹脂で被覆した窒化ケイ素質粉体を作製
し、これを水に分散させてスラリ−化し、このスラリ−
を用いて鋳込み成形することを特徴とし、また、ポリア
ミド樹脂の被覆手段として、予め窒化ケイ素質粉体粒子
の表面を二塩基酸又はその誘導体で被覆し、これをジア
ミン又はジアミン誘導体の溶液に分散させ、窒化ケイ素
質粉体の粒子表面で重合反応させることを特徴とする。
【0006】即ち、本発明は、「ポリアミド樹脂被覆を
生成させた窒化ケイ素質粉体を用いて鋳込み成形を行う
ことを特徴とする窒化ケイ素質粉体の鋳込み成形方
法。」を要旨とするものであり、また、「窒化ケイ素質
粉体粒子の表面を二塩基酸又はその誘導体で被覆し、該
被覆処理された窒化ケイ素質粉体をジアミン又はジアミ
ン誘導体の溶液に分散させ、窒化ケイ素質粉体の粒子表
面で重合反応させ、得られたポリアミド樹脂被覆窒化ケ
イ素質粉体を用いて鋳込み成形を行うことを特徴とする
窒化ケイ素質粉体の鋳込み成形方法。」を要旨とするも
のである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明すると、本発明
において、使用可能な窒化ケイ素質粉体としては、窒化
ケイ素(Si34)、サイアロン(一般式:Si6-Z
ZZ8-Z:0<Z≦4.2)などが挙げられる。このよう
な窒化ケイ素質粉体は、その表面が活性であり、分散媒
体として水を用いる場合、該粉体粒子表面が酸化される
欠点を有している。
【0008】そこで、本発明は、窒化ケイ素質粉体の表
面を耐水性のポリアミド樹脂で被覆するものであり、こ
の被覆手段として、予め窒化ケイ素質粉体の表面を二塩
基酸又はその誘導体で被覆する。具体的には、窒化ケイ
素質粉体とカップリング剤を添加した二塩基酸又はその
誘導体の溶液とを添加混合し、得られた混合スラリ−を
乾燥して溶媒を揮発除去する。
【0009】上記カップリング剤としては、具体的に
は、 ・ビニルトリメトキシシラン、 ・イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)
チタネ−ト、 ・アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレ−ト、 等を用いることができる。
【0010】また、二塩基酸又はその誘導体としては、 ・1,8-オクタンジカルボニルクロリド、 ・1,4-ブタンジカルボン酸、 ・1,7-ヘプタンジカルボン酸、 ・1,5-ペンタンジカルボン酸、 ・1,6-ヘキサンジカルボン酸、 ・それらの塩化物誘導体、 等を用いることができる。
【0011】このような二塩基酸又はその誘導体を溶解
させる溶媒としては、 ・シクロヘキサン、 ・エチルアルコ−ル、 ・アセトン、 ・ヘキサン、 ・メチルアルコ−ル、 ・クロロホルム、 等の1種又は2種以上の有機溶媒が挙げられる。
【0012】前記カップリング剤の使用量は、窒化ケイ
素質粉体100gに対し1.0〜4.0ml程度とするのが好ま
しい。また、二塩基酸又はその誘導体の溶媒の濃度及び
該溶液と添加混合する窒化ケイ素質粉体の割合等は、製
造する表面被覆窒化ケイ素質粉体の被覆量等によっても
異なるが、通常0.1〜0.3mol/l程度の二塩基酸又は
その誘導体の溶液100mlに対して40〜60gの窒化ケイ
素質粉体を混合するのが好ましい。
【0013】本発明において、カップリング剤を添加し
ないで二塩基酸又はその誘導体で被覆処理すると、この
被覆処理に際して、二塩基酸又はその誘導体溶液に対す
る濡れ性が悪く、形成される被覆も不均一になりやす
い。従って、本発明においては、特に限定するものでは
ないが、前記したカップリング剤を添加するのが好まし
い。
【0014】このように二塩基酸又はその誘導体で被覆
処理された窒化ケイ素質粉体は、次いでジアミン又はジ
アミン誘導体の溶媒に分散させ、窒化ケイ素質粉体の粒
子表面で重合反応させる。具体的には、界面活性剤を配
合した水に二塩基酸又はその誘導体で被覆処理した窒化
ケイ素質粉体を分散させてスラリ−とし、このスラリ−
にジアミン又はジアミン誘導体の溶液を添加して混合攪
拌する。
【0015】上記界面活性剤としては、HLB値の高いノ
ニオン系界面活性剤、例えば、 ・ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、 ・ポリオキシエチレンアルキルアリルエ−テル、 ・ポリオキシエチレン誘導体、 ・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、 ・ポリオキシエチレン脂肪酸エステル 等を用いることができる。
【0016】また、ジアミン又はジアミン誘導体として
は、 ・1,6-ジアミノヘキサン、 ・1,7-ジアミノヘプタン、 ・1,8-ジアミノオクタン、 ・1,9-ジアミノノナン、 ・1,10-ジアミノデカン、 ・エチレンジアミン、 ・トリメチレンジアミン、 ・テトラメチレンジアミン、 ・ペンタメチレンジアミン、 ・それらの誘導体、 等を挙げることができ、このようなジアミン又はジアミ
ン誘導体を溶解させる溶媒としては、水を使用すること
ができる。
【0017】前記界面活性剤の使用量は、窒化ケイ素質
粉体100gに対して5〜10ml程度とするのが好ましい。
また、ジアミン又はジアミン誘導体の溶液の濃度及び該
溶液と添加混合する窒化ケイ素質粉体の割合等は、窒化
ケイ素質粉体粒子の表面に付着している二塩基酸又はそ
の誘導体との重合反応を起こすに十分な量のジアミン又
はその誘導体が添加される量であれば良く、製造する表
面被覆窒化ケイ素質粉体の被覆量等によっても異なる
が、通常0.02〜0.05mol/l程度のジアミン又はジア
ミン誘導体の溶液100mlに対して50〜100gの被覆処理
された窒化ケイ素質粉体を混合するのが好ましい。
【0018】カップリング剤を添加した二塩基酸又はそ
の誘導体溶液で被覆した窒化ケイ素質粉体をジアミン又
はジアミン誘導体溶液に分散させることにより、窒化ケ
イ素質粉体の粒子表面で二塩基酸又はその誘導体とジア
ミン又はジアミン誘導体とが重縮合反応し、ポリアミド
樹脂被覆が生成する。この重縮合反応が終了した後、ス
ラリ−を乾燥し、水等の溶媒を揮発させてポリアミド樹
脂被覆が形成された表面被覆窒化ケイ素質粉体を得る。
【0019】このようにして得られた表面被覆窒化ケイ
素質粉体は、表面の少なくとも一部にカップリング剤が
付着した窒化ケイ素質粉体粒子表面にポリアミド樹脂被
覆が密着性良く形成されている。本発明では、このポリ
アミド樹脂被覆窒化ケイ素質粉体を用いて鋳込み成形用
スラリ−を作製するが、そのスラリ−作製方法として
は、慣用の手段に従うことができる。例えば、平均粒径
0.2〜1.0μm程度のポリアミド樹脂被覆窒化ケイ素質粉
体100重量部に水、解膠剤及び必要に応じて結合剤、消
泡剤などを添加混合し、脱泡してスラリ−化する。
【0020】このスラリ−を用いて鋳込み成形する手段
及び得られた成形体を焼成する方法としては、慣用の方
法により行うことができる。例えば鋳込み成形方法とし
ては、排泥鋳込み、固形鋳込み、加圧鋳込み、真空鋳込
み等の各手段が挙げられ、一方、焼結方法としては、常
圧焼結法、ガス圧焼結法、HP、HIP等である。
【0021】なお、成形及び焼成材料として用いる窒化
ケイ素質粉体の中には、予め所定量のY23粉体等の焼
結助剤を混合した窒化ケイ素質粉体が製造されている場
合もあるが、このような焼結助剤含有窒化ケイ素質粉体
に対しても本発明の方法を適用することができ、当然本
発明に包含されるものである。
【0022】
【作用】本発明の方法によれば、鋳込み成形用スラリ−
化のための分散媒体として水を用いても、鋳込み成形ス
ラリ−作製時における粉体と該水との混合による窒化ケ
イ素質粉体の表面酸化が防止され、窒化ケイ素質粉体本
来の特性を損なうことなく、機械的強度に優れた窒化ケ
イ素質焼結体を得ることが可能である。また、用いる窒
化ケイ素質粉体は、粒子表面の二塩基酸又はその誘導体
と溶液中のジアミン又はジアミン誘導体とを反応させ、
ポリアミド樹脂被覆を形成させているので、優れた耐水
性を有し、ミルによる粉体と水との混合においても、ポ
リアミド樹脂被覆が破壊されることはない。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を挙げ、本
発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例及び
比較例において用いた試薬は、次のとおりである。 (使用試薬) 1,8-オクタンジカルボニルクロリド:塩化セバコイ
ル(関東化学社製) ClCO(CH2)3COCl=239.1(分子量) 1,6-ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン)
(関東化学社製) NH2(CH2)6NH2=116.21(分子量) シクロヘキサン(関東化学社製) C6H12=84.2(分子量) 界面活性剤 エマルゲンA−60(花王社製) (ポリオキシエチレン誘導体:HLB=12.8) カップリング剤 AL−M(味の素社製) (アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレ−ト) 焼結助剤 Y23(信越化学工業社製)
【0024】(実施例)塩化セバコイル25gをシクロヘ
キサン500mlに溶解し、溶液A(0.2mol/l)を調
整した。別に、ヘキサメチレンジアミン2.32gを蒸留水
500mlに溶解し、溶液B(0.04mol/l)を調整し
た。
【0025】サイアロン粉体Si5.5Al0.50.57.5
(Z=0.5)14.25g及び焼結助剤Y23粉体0.45gをポ
ットミルにて混合すると同時に塩化セバコイルを固定す
るため、溶液Aを20ml(好適添加量は15〜25ml)、
カップリング剤を150μl添加し、24時間混合した。得
られたスラリ−をホットプレ−トで120℃にて急熱乾燥
し、シクロヘキサンを揮発させて塩化セバコイルで被覆
したサイアロン粉体を得た。
【0026】この塩化セバコイル被覆サイアロン粉体に
界面活性剤150μl及び溶液B22mlを添加し、30〜60
分間ポットミルにて混合し、サイアロン粉体表面の塩化
セバコイルとヘキサメチレンジアミンとを重合させた。
この反応によりサイアロン粉体粒子表面にポリアミド樹
脂被覆が生成したので、得られた表面被覆サイアロン粉
体を水から分離するため、反応液を乾燥器80℃にて乾燥
した。
【0027】このようにして得られたポリアミド樹脂被
覆サイアロン粉体100重量部と水60重量部とを樹脂性ボ
−ルミルに入れ、これに解膠剤として市販のセルナD-73
5(中京油脂社製:ポリアクリル酸アンモニウム)を1
重量部添加し、16時間混合してスラリ−とし、更に真空
脱泡タンク内で真空引きにより2時間脱泡した。得られ
たスラリ−を用い、150×150×20mmの石膏型で固形鋳
込み成形し、得られた成形体を窒素雰囲気中、1700℃で
3時間焼成して焼結体を得た。得られた焼結体について
1200℃で曲げ強度を測定したところ、600MPaであった。
【0028】(比較例)なお、比較のため、原料粉末と
して被覆処理を施こさないサイアロン粉体Si5.5Al
0.50.57.5(Z=0.5)を用い、前記実施例と同様の
条件及び手段で焼結体を得た。得られた焼結体につい
て、実施例と同様1200℃で曲げ強度を測定したところ、
300MPaであった。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、ポリア
ミド樹脂被覆窒化ケイ素質粉体を用いて鋳込み成形する
ことを特徴とするものであり、鋳込み成形用スラリ−の
分散媒体として水を用いても、鋳込み成形スラリ−作製
時における粉体と水との混合による窒化ケイ素質粉体の
表面酸化が防止され、窒化ケイ素質粉体本来の特性を損
なうことなく、機械的強度に優れた窒化ケイ素質焼結体
を得ることができる効果が生ずる。
【0030】また、本発明は、上記ポリアミド樹脂の被
覆手段として、予め窒化ケイ素質粉体粒子の表面を二塩
基酸又はその誘導体で被覆し、これをジアミン又はジア
ミン誘導体の溶液に分散させ、窒化ケイ素質粉体の粒子
表面で重合反応させることを特徴とするものであり、こ
れにより窒化ケイ素質粉体表面にポリアミド樹脂被覆層
が密着性良く形成され、ミルによる粉体と水との混合に
おいても、この被覆層が破壊することがない効果が生ず
る。更に、本発明によれば、水系の窒化ケイ素質粉体含
有スラリ−を容易に作製することができ、分散媒体とし
て有機溶剤を用いる必要がなく、このため取扱い及びコ
スト的に有利である等の効果が生ずる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂被覆を生成させた窒化ケ
    イ素質粉体を用いて鋳込み成形を行うことを特徴とする
    窒化ケイ素質粉体の鋳込み成形方法。
  2. 【請求項2】 窒化ケイ素質粉体粒子の表面を二塩基酸
    又はその誘導体で被覆し、該被覆処理された窒化ケイ素
    質粉体をジアミン又はジアミン誘導体の溶液に分散さ
    せ、窒化ケイ素質粉体の粒子表面で重合反応させ、得ら
    れたポリアミド樹脂被覆窒化ケイ素質粉体を用いて鋳込
    み成形を行うことを特徴とする窒化ケイ素質粉体の鋳込
    み成形方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7288222B2 (en) 2000-03-31 2007-10-30 Toto Ltd. Method of producing a carbide sintered compact
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