JPH0610034U - 車両用折畳シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートレッグリアがむきだしとならないよう
にする。 【構成】 シートメイン２０におけるシートレッグリア
４４の後側部分にはカーペット時で形成された床面５０
に達するシートレッグカバー６０が縫いつけられ、当該
シートカバー６０の下縁には鉄心６１が縫い込まれてい
る。シートを起こしてシートメイン２０が水平になった
とき、シートレッグカバー６０はシートレッグリア４４
よりも後方で垂れ下がってシートメイン２０の下面を隠
し、シートを倒してシートメイン２０が鉛直になったと
きには、シートレッグカバー６０はシートレッグリア４
４上に覆いかぶさって隠す。従って、ともにシートレッ
グリア４４が見えないようにするとともに、折り畳んだ
ときにはシートレッグリア４４上を被覆して荷物を保護
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用折畳シートに関し、特に、前脚の下端を支点として前倒し状 態に折畳可能な車両用折畳シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の車両用折畳シートとして、図５及び図６に示すものが知られて いる。 図において、ベンチ型の車両用折畳シート１はシート部２と脚部３とを備えて 構成され、シート部２はシートメイン２ａと当該シートメイン２ａの後端側にヒ ンジ２ｂを介して固定されたシートバック２ｃとから構成されている。また、脚 部３は、上端をシートメイン２ａの前端側裏面の左右端に対して垂直に固定され るとともに下端を床面に対して回動可能に固定されたシートレッグフロント３ａ １，３ａ２と、Ｕ字形のパイプの上端をシートメイン２ａの後端側裏面の左右端 に対して回動可能に固定するとともに同パイプにおける下端の中程に備えたシー トレッグロック３ｂ１にて上記床面に対して固定及び脱離可能としたシートレッ グリア３ｂを備えて構成されている。

【０００３】 使用時には、シートレッグフロント３ａ１，３ａ２が床面に対して垂直となる ようにシートメイン２ａを起こすとともに、シートメイン２ａ後端に接続された シートバック２ｃを起こす。また、シートレッグリア３ｂをシートメイン２ａの 裏面に対して垂直とし、かつ、シートレッグロック３ｂ１にて床面に固定する。 折畳時には、シートレッグロック３ｂ１と床面とを脱離させ、シートバック２ｃ をシートメイン２ａ上に倒すとともに、シートメイン２ａをシートレッグフロン ト３ａ１，３ａ２の下端を支点として床面側に前倒しする。その後、シートレッ グリア３ｂの上端を支点として下端側をシートメイン２ａ裏面側に回動させる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 上述した従来の車両用折畳シートにおいては、折畳時にシートメイン２ａの裏 側にてシートレッグリア３ｂがむきだしの状態になる。このため、荷物がシート レッグリア３ｂやシートレッグロック３ｂ１などにぶつかって汚れたり破損した りすることがある。また、折畳時にはむろんのこと、シートメイン２ａを立てて 使用する際にもシートレッグリア３ｂがむきだしとなって見苦しい。

【０００５】 本考案は、上記課題にかんがみてなされたもので、シートレッグリアがむきだ しとなって引き起こす上記課題を解決するすることが可能な車両用折畳シートの 提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、請求項１にかかる考案は、シート前端側裏面から床 面に達する前脚の下端にて同床面に対して回動可能に固定され、シート後端側裏 面から床面に達する後脚の上端を当該シート後端側裏面に対して回動可能に固定 するとともに下端は上記床面に対して固定及び脱離可能とした車両用折畳シート において、上端を上記シート裏面における後脚の取付部位の後部側に固定され、 下端が上記床面に達する長さとした幕材を備えた構成としてある。

【０００７】

【作用】

上記のように構成した請求項１にかかる考案においては、後脚の取付部位の後 部側に固定された幕材は、シートの使用状態時に後脚と同様にシート後端から床 面に対して自然に垂れ下がり、後脚が見えないようにする。また、シートの折畳 時には、後脚がその上端を支点として回動してシートの裏面に沿って収容される ときに自然に後脚上を覆い、当該後脚を隠す。

【０００８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、外的な作用を加えなくても、シートの折畳時や 使用時に後脚を自然に覆い隠し、荷物の汚損等や見栄えを改善させることが可能 な車両用折畳シートを提供することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、図１〜図４にもとづいて本考案の実施例を説明する。 同図において、シートバック１０は図示しないフレームにクッションパッドを 支持させるとともに表皮にて被覆して構成され、シートメイン２０の後端側左右 両側面に備えられたヒンジ３１，３２を介して当該シートメイン２０に対して前 倒し可能に固定されている。

【００１０】 シートメイン２０は、枠状のフレーム２１上面に底板２２を固定するとともに 、当該底板２２上にクッションパッド２３を配置し、その上面を表皮２４にて被 覆して構成されている。表皮２４は周縁部にてワイヤ２５を巻き込むように縫製 され、クリップ２６を介して当該ワイヤ２５を底板２２の裏面に形成された切り 欠き２２ａに係止して固定されている。

【００１１】 底板２２の中心部は表皮２４にて被覆されないため、当該表皮２４の後端縁部 に当該底板２２の下面を覆い隠す大きさの第二表皮２７を縫い合わせ、当該第二 表皮２７の前縁と左右縁をマジックテープ２８にてフレーム２１上の表皮２４に 固定してある。 フレーム２１における前側の左右両端にはシートメイン２０の裏面に対して垂 直となるようにシートレッグフロント（前脚）４１ａ，４１ｂが固着されている 。シートレッグフロント４１ａ，４１ｂの下端にはヒンジ４２ａ，４２ｂが接続 され、当該ヒンジ４２ａ，４２ｂを介して床面５０に対して前倒し可能に固定さ れている。

【００１２】 また、フレーム２１における後側の左右両端には下方に突出した一対の軸受け ４３ａ，４３ｂが備えられている。軸受け４３ａ，４３ｂはパイプをＵ字状に折 り曲げたシートレッグリア（後脚）４４におけるそれぞれの開口上端部４４ａ， ４４ｂをシートメイン２０の後端縁に平行な軸線を支点として回動可能に支持し ている。なお、シートレッグリア４４における中間部分には、床面５０に対して 固定及び脱離可能とするシートレッグロック４５が備えられている。

【００１３】 軸受け４３ａ，４３ｂは第二表皮２７に形成された孔２７ａ，２７ｂを貫通し ており、第二表皮２７における当該孔２７ａ，２７ｂの形成位置よりもやや後部 側にはシートメイン２０とほぼ同じ幅であって、シートメイン２０の下面から床 面５０までの長さとしたシートレッグカバー（幕材）６０が縫製されている。当 該シートレッグカバー６０はカーペット地で構成され、その下端には鉄心６１を 縫い込んでいる。

【００１４】 次に、上記構成からなる本実施例の動作を説明する。 シートを使用するときには、図１に示すように、シートレッグリア４４がシー トメイン２０の裏面に対して垂直となるように軸受け４３ａ，４３ｂを支点とし て回転させ、これとともにシートレッグフロント４１ａ，４１ｂが床面５０に対 して垂直となるようにシートメイン２０を起こす。シートメイン２０が起き上が るにつれて、シートレッグリア４４の下端側が床面５０に接近し、床面５０に当 接したところでシートレッグロック４５にてシートレッグリア４４と床面５０と を固定する。シートレッグリア４４が固定されたら、ヒンジ３１，３２を介して 接続されているシートバック１０を起こすと、シートを使用できるようになる。

【００１５】 シートレッグカバー６０の上縁はシートメイン２０の裏側における第二表皮２ ７の後縁部分に縫製されており、かつ、下縁部分には鉄心６１が縫い込まれてい る。従って、シートメイン２０が起き上がって、ほぼ水平になっている状態にお いては、シートメイン２０の裏側後縁から鉛直に垂れ下がる。シートレッグカバ ー６０の長さはシートメイン２０の下面から床面５０までの長さにほぼ等しくな っているため、シートメイン２０の下方はこのシートレッグカバー６０で覆い隠 される。従って、室感を損ねるシートレッグリア４４は後方から見えなくなる。

【００１６】 一方、シートを折り畳むときには、まず、ヒンジ３１，３２を介してシートバ ック１０をシートメイン２０の上面に前倒しする。次に、シートレッグロック４ ５にてシートレッグリア４４と床面５０との固定を解除し、シートメイン２０を 前方に前倒しする。 シートメイン２０が前方に倒れていくと裏面部分は鉛直に向いてくるため、シ ートレッグリア４４も軸受け４３ａ，４３ｂを支点として下端側が徐々に下方に 向くように回動してくる。シートメイン２０が完全に前倒したときには裏面部分 が鉛直となるとともに、シートレッグリア４４も軸受け４３ａ，４３ｂから垂下 し、第二表皮２７にぴったり沿う状態となる。

【００１７】 図３に示すようにシートメイン２０が前倒した状態では、シートレッグカバー ６０はシートレッグリア４４よりも上方の部分で第二表皮２７に縫い合わされた 状態となるため、鉄心６１の重みによりシートレッグリア４４の上方から覆いか ぶさるように垂れ下がり、シートレッグリア４４を覆い隠すことになる。 従って、荷物などがシートレッグリア４４に向かって当接するときにはカーペ ット地でできたシートレッグカバー６０に当接するため、汚れたり破損したりす ることはない。また、パイプでできたシートレッグリア４４が覆い隠されている ので車内の見栄えも良い。

【００１８】 図４は表皮２４におけるシートの前縁側を底板２２に固定するときに、シート 裏面を巻き込む長さを長くした例を示している。 より具体的には、シートメイン２０が前倒したときに鉄心６１を縫い込んだシ ートレッグカバー６０の下端が表皮２４と底板２２との係止部分に達する程度に し、さらに第二表皮２７を省いている。

【００１９】 かかる構成とすれば、シートメイン２０が起き上がっている状態において底板 ２２が外部から見えることはないし、シートメイン２０が前倒した状態において もシートレッグカバー６０が底板２２のむきだし部分を覆い隠す。このため、第 二表皮２７がなくても見栄えが悪くならないので、製作工程を省力化することが できる。

【００２０】 なお、本実施例においては、シートレッグカバー６０をカーペット地で構成し ているが、ポリウレタン系の樹脂などで構成しても、保護や見栄えを向上させる ことができる。また、伸縮性のある素材として、シートレッグカバー６０の下端 とシートレッグリア４４の下端を固着すれば、車が揺れてもシートレッグリア４ ４が見え隠れしたりしてしまうことはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例にかかる車両用折畳シートの
使用時における斜視図である。

【図２】車両用折畳シートの断面図である。

【図３】車両用折畳シートの折畳時における斜視図であ
る。

【図４】他の実施例にかかる車両用折畳シートの断面図
である。

【図５】従来の車両用折畳シートの使用時における斜視
図である。

【図６】従来の車両用折畳シートの折畳時における斜視
図である。

【符号の説明】

１０…シートバック ２０…シートメイン ３１，３２…ヒンジ ４１ａ，４１ｂ…シートレッグフロント ４２ａ，４２ｂ…ヒンジ ４３ａ，４３ｂ…軸受け ４４…シートレッグリア ４５…シートレッグロック ６０…シートレッグカバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート前端側裏面から床面に達する前脚
   の下端にて同床面に対して回動可能に固定され、シート
   後端側裏面から床面に達する後脚の上端を当該シート後
   端側裏面に対して回動可能に固定するとともに下端は上
   記床面に対して固定及び脱離可能とした車両用折畳シー
   トにおいて、 上端を上記シート裏面における後脚の取付部位の後部側
   に固定され、下端が上記床面に達する長さとした幕材を
   具備することを特徴とする車両用折畳シート。