JPH06100264A - エレベータの運転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 階床間に乗かごが停止した時に乗客の安全を
確保し、且つ乗客が乗かご内にいる場合は救出運転も可
能とするエレベータの安全装置を提供する。 【構成】 乗かご１には乗かご１内の重量を検出する負
荷センサ２と乗かごコントローラ３が設置され、ケーブ
ル８により検出データの出力を行っている。乗かごコン
トローラ３とエレベータコントロールパネル４はケーブ
ル８により接続され検出データの出力をエレベータコン
トロールパネル４にて処理しエレベータの運転制御を行
う構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエレベータの運転装置に
係り、特に階床間に乗かごが停止した時に乗客の安全を
守るエレベータの運転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来エレベータの乗かごが階床間に停止
した時に乗かご内の乗客の安全を確保するものとして、
特開昭５６−６５７８３号公報に開示されるように階床
間で乗かごが停止した時に、乗かごドアの状態を検出
し、ドアが開いている時はエレベータの運転を禁止する
ものが提案されている。

【０００３】この従来技術においては、階床間に乗かご
が停止した後、乗かごドアが開扉されると乗かごは再起
動不可能となるよう構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】現在のエレベータは、
故障等により階床間に一旦停止した後、その停止の原因
である問題が何らかの理由により解決し、エレベータ機
器に異常が見られない場合に、乗かご内の乗客を救出す
るために最寄り階に移動する救出運転を実施する。又、
その後通常運転可能な状態に自動で復帰するよう構成さ
れているものもある。

【０００５】このような機能を有しているにもかかわら
ず、従来技術に開示される安全装置を適用した場合に
は、階床間停止後ドアが開扉されてしまうと、エレベー
タは再起動不能となり、たとえ乗客が乗かご外に出てい
なくとも救出運転の実施をも中断してしまい、乗客を長
時間にわたって乗かご内に閉じ込めてしまうという問題
があった。

【０００６】本発明の目的は、このような不具合を解消
し、階床間停止時の乗客の安全を確保し、且つ乗客が乗
かご内にいる場合は救出運転も可能とすることのできる
エレベータの運転装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、エ
レベータの乗かごが所定位置以外の位置に停止したこと
を検出して出力を発するかご位置検出手段と、前記乗か
ご内の負荷を検出して出力を発する負荷検出手段と、こ
の負荷検出手段からの出力により乗かご内の負荷変化を
検出して出力を発する変化検出手段と、かご位置検出手
段からの出力および変化検出手段からの出力に応じてエ
レベータの運行を禁止する運転制御手段とを備えたこと
により達成される。

【０００８】

【作用】上記構成によれば、エレベータ乗かごが所定位
置以外に停止した時、乗かご内の負荷変化を検出してお
り、もし乗客がドアを開け昇降路内に出てしまった場
合、乗客が乗かごから降りたことにより負荷変化を検知
し、エレベータを起動不能状態とするため乗客の安全の
確保ができる。

【０００９】又、乗客が一旦はドアを開けたものの乗か
ご外には出なかった場合には負荷変化が生じないため、
その後の救出運転等の再起動が可能となり乗客の安全を
確保しつつ、早期救出が行える。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１、図２及び図３
を参照して説明する。

【００１１】ここで、図１は本発明のエレベータの運転
装置の一実施例を示す構成図、図２は本発明のエレベー
タの運転装置の一実施例を示す回路図、図３は本発明の
エレベータの運転装置の一実施例を示すフローチャート
である。

【００１２】図１に示すように、乗かご１には乗かご１
内の重量を検出する負荷センサ２と乗かごコントローラ
３が設置され、ケーブル８により検出データの出力を行
っている。乗かごコントローラ３とエレベータコントロ
ールパネル４も同様に検出データの出力を行っている。
エレベータコントロールパネル４は図２に示すような回
路構成となっており、直流電源Ｐ、Ｎ間にエレベータ位
置検出回路Ａにより乗かごがドアオープンゾーン（かご
ドアとホール側ドアが係合して正常に開閉可能な位置）
にある場合のみＯＮするドアオープンゾーンリレーＯＰ
が接続され、負荷検出回路Ｂにより乗かご１内の負荷に
変化が生じた場合にＯＮする負荷変化検出リレーＣＬが
接続されている。さらに、ドアオープンゾーンリレー常
閉接点ＯＰ１と負荷変化検出リレーＣＬ１によりＯＮす
るエレベータ停止指令リレーＥＳが接続され、エレベー
タ停止指令リレー常閉接点ＥＳ１によりＯＮするエレベ
ータ走行指令リレーＥＲが接続されている。

【００１３】上記構成のエレベータが何らかの故障によ
り階床間に停止してしまった場合を例に以下説明をす
る。

【００１４】前述した構成のエレベータでは、負荷セン
サ２が発明の負荷検出手段として用いられ、乗かごコン
トローラ３が乗かご内の負荷変化を検出する変化検出手
段及びドア５が開いた状態を検出する手段及び乗かご１
の位置を検出する位置検出手段として用いられ、エレベ
ータコントロールパネル４がエレベータの運行を制御す
る手段として用いられている。

【００１５】次に、本実施例の動作を乗客６、乗客７が
前述の構成のエレベータの乗かご１に閉じ込められた場
合について説明する。

【００１６】故障により乗かご１が階床間にて停止した
場合、乗かごコントローラ３が所定位置以外の位置に乗
かご１があることを検出する。また、負荷センサ２によ
り乗客６、乗客７が乗かご１に乗り込んだ時の負荷が検
出されており、この検出データは乗かごコントローラ３
にケーブル８を伝って出力されている。乗客６が乗かご
１からの脱出を図りドア５を開け、乗かご１から降りた
場合、ドア５が開いたことを乗かごコントローラ３によ
り検出し、ドア５が開いている間はエレベータの動作を
停止させる。また、乗客６が降りたことを負荷センサ２
により検出し、乗かごコントローラ３に出力する。乗か
ごコントローラ３では乗客６が降りてしまったことによ
る負荷の変化を検出し、エレベータの運行を禁止する。
エレベータの運行禁止の動作は乗かごコントローラ３に
より検出されたデータをエレベータコントロールパネル
４に出力することにより行われる。エレベータコントロ
ールパネル４は図２に示すような回路構成になってお
り、乗かごコントローラ３からの出力により以下のよう
な動作を行う。乗かご１が所定の位置以外の位置で停止
した場合、エレベータ位置検出回路Ａが出力を受けドア
オープンゾーンリレーＯＰをＯＦＦする。また、負荷に
変化があった場合の出力は負荷検出回路Ｂで受けられ、
負荷変化検出リレーＣＬをＯＮさせる。前述の条件によ
り、ドアオープンゾーンリレー常閉接点ＯＰ１と負荷変
化検出リレー常開接点ＣＬ１が通状態となり、エレベー
タ停止指令リレーＥＳがＯＮする。これにより、エレベ
ータ停止指令リレー常閉接点ＥＳ１が開放し、エレベー
タ走行指令リレーＥＲがＯＦＦし、エレベータは運行禁
止状態となり、乗客６の安全を確保することができる。

【００１７】このように本実施例ではエレベータの乗か
ご１が所定の位置以外の位置に停止し、且つ前記乗かご
１内の負荷変化が検出された時にエレベータの運行を禁
止する運転制御手段を備えている。

【００１８】なお、本実施例では、乗客６が降りてしま
った場合にエレベータの運行を禁止する場合を説明した
が、本発明は本実施例に限定されるものではなく、乗客
６が再度乗かご１に乗り込みドア５を閉じてしまい、前
述の故障が解消した場合、前述の実施例の負荷センサ２
から乗かごコントローラ３に負荷が元の負荷に戻ったこ
とを出力し、エレベータコントロールパネル４にて運行
禁止を解除する。エレベータコントロールパネル４の前
述の回路では、負荷検出回路Ｂにより負荷が元に戻った
場合は負荷変化検出リレーＣＬがＯＦＦし、負荷変化検
出リレー常開接点ＣＬ１が開放し、エレベータ停止指令
リレーＥＳがＯＦＦすると、エレベータ停止指令リレー
常閉接点ＥＳ１が通状態となり、エレベータ走行指令リ
レーＥＲが再度ＯＮし、エレベータは再び運行可能な状
態に復帰することにより、救出運転による乗客６、乗客
７の安全確保及び早期救出が行える。

【００１９】エレベータが階床間に停止した場合の動作
を説明したが、以下図３を用いて通常のサービス時にお
けるコントロールパネル４の動作の説明をする。

【００２０】負荷センサ２が常時乗かご１内の総重量を
検出しており、乗かご１内に乗客がいるかどうか判断す
る（Ｓ１）。乗かご１内に乗客がいることが検出される
と、エレベータがサービス階へ向かうために乗客の乗り
降り終了後ドア５が閉じた時の負荷データを検出して記
憶する（Ｓ２）。次の停止階のドアゾーンに停止したか
どうかを検出する（Ｓ３）。ドアゾーン内に停止してい
る場合は、通常通りドア５を開き乗客の乗降をさせ、平
常運転を継続する（Ｓ４）。

【００２１】エレベータがドアゾーン外で停止してしま
った時は乗かご１のドア５が自動では開扉しないよう構
成されている。しかし、乗客６が乗かご１内に閉じ込め
られたという不安感からドア５をこじ開けて昇降路内に
出てしまうことがある。この場合、乗客６の分の乗かご
１内の負荷に変化が生じることになる（Ｓ５）。この負
荷変化が生じた時はエレベータの運転が不可能な状態と
し、管理人室等に通報を行う（Ｓ７）。この外に出た乗
客が再び乗かご１内に戻ったり、或は乗かご１から出な
かった時には負荷の変化が生じない為、エレベータの運
転は可能な状態となっており救出運転が可能な状態であ
れば、最寄り階へ低速で移動して乗客の救出を行う（Ｓ
６）。

【００２２】以上説明したように、本実施例によれば、
乗かご１が階床間に停止した場合の乗客の安全を確立
し、且つ乗客の早期救出に貢献することができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明によればエレベータ乗かごが階床
間に停止した場合、乗かご内から乗客が昇降路内に出た
時等の乗かご内の負荷の変化を検出し、乗かご内の負荷
変化が生じた時にはエレベータの運転を禁止するため、
乗客が乗かごから出てしまった場合でも乗客の安全を確
保できるという効果がある。

【００２４】又、一旦昇降路に出た乗客が再び乗かご内
に戻った場合、負荷が元の状態となるため、救出運転等
が可能となり、乗かご内に乗客が閉じ込められたままと
なる時間を短縮できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータの運転装置の一実施例を示
す構成図である。

【図２】本発明のエレベータの運転装置の一実施例を示
す回路図である。

【図３】本発明のエレベータの運転装置の一実施例を示
すフローチャートである。

【符号の説明】

１ 乗かご ２ 負荷センサ ３ 乗かごコントローラ ４ エレベータコントロールパネル ５ ドア ６ 乗客 ７ 乗客 Ａ エレベータ位置検出回路 Ｂ 負荷検出回路 ＯＰ ドアオープンゾーンリレー ＣＬ 負荷変化検出リレー ＯＰ１ ドアオープンゾーンリレー常閉接点 ＣＬ１ 負荷変化検出リレー常開接点 ＥＳ エレベータ停止指令リレー ＥＲ エレベータ走行指令リレー ＥＳ１ エレベータ停止指令リレー常閉接点 ８ ケーブル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータの乗かごが所定位置以外の位
   置に停止したことを検出して出力を発するかご位置検出
   手段と、前記乗かご内の負荷を検出して出力を発する負
   荷検出手段と、この負荷検出手段からの出力により乗か
   ご内の負荷変化を検出して出力を発する変化検出手段
   と、かご位置検出手段からの出力および変化検出手段か
   らの出力に応じてエレベータの運行を禁止する運転制御
   手段とを備えたことを特徴とするエレベータの運転装
   置。