JPH06100215A - トイレットペーパー母体ロールの製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 巻軸を間に載せて回転駆動し、巻軸上にトイ
レットペーパーを巻取らせる一対の平行な摩擦駆動ロー
ルと、上下動可能で前記巻軸に上から接触し、巻軸がト
イレットペーパーを巻取るにつれトイレットペーパーの
巻回層で押上げられるライダーロールを備えたトイレッ
トペーパー母体ロールの製造装置において、紙の巻始め
の当初に、濃度の薄い糊などの液を、紙に幅方向に均一
な厚さで、しかも他のロールに付けることなく付着させ
る。 【構成】 巻軸１に上から接触し、巻軸が外周に巻取る
紙の巻回層で押し上げられるライダーロール１３を軸支
して昇降する支持フレーム１５にライダーロールの表面
に軸方向に間隔を保って液体を噴霧する複数のスプレー
ノズル１６と、上記ノズルがライダーロールの表面に噴
霧した液を、トイレットペーパーに転着する前にライダ
ーロールの表面で均一にならす均し手段２０を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、内周に紙管がないト
イレットペーパーロールを製造するためのトイレットペ
ーパー母体ロール（ログロール）の製造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】特公昭６２−３４６６６号公報によっ
て、巻軸を一対の平行な摩擦駆動ロールの間に載せると
共に、上下動可能なライダーロールを巻軸に上から接触
させ、上記摩擦駆動ロールを駆動し、該駆動ロールと巻
軸との接触摩擦力で巻軸を回転させて巻軸の外周にトイ
レットパーパー（紙）を巻取り、巻軸の外周に巻取られ
た紙の巻回層によってライダーロールを押し上げ、こう
して紙が巻軸の外周に所定の長さ巻取られたら摩擦駆動
ロールの駆動を停め、ライダーロールを上方へ退避さ
せ、巻軸ごとログロールを対の駆動ロールの上から次の
前進位置に進めて紙を切断し、ログロールから巻軸を抜
き取り、ログロールをログカッターによって所定幅の複
数のトイレットペーパーロールに輪切りにすることが公
知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】巻軸を抜き取ったログ
ロールをログカッターで輪切りにする際、刃が加える圧
力で切断したトイレットペーパーの内周が潰れるのを防
止し、ホルダーの軸を通す内周空間を確保するため、巻
軸が紙の巻取りを開始した当初に、糊などの接着剤を低
濃度で含む糊液を紙に噴霧することが行われている。し
かし、糊液の噴霧は、対の摩擦駆動ロール、つまり紙を
引き入れる入口側摩擦駆動ロールと、この入口側摩擦駆
動ロールが引き入れた紙をライダーロールに向かって送
り出す出口側摩擦駆動ロールとの間の、紙が未だ巻軸に
巻付いていないときに行うので、出口側摩擦駆動ロール
が引く力で紙が幅方向に千切れることがある。更に糊液
を噴霧するためのスプレーノズルは紙の幅方向に一定の
間隔で配列してあるため、ノズルが直射する部分には糊
液が多く付着し、ノズルの隣接間隔には糊液が付着せ
ず、幅方向に均一に付着させることができず、これによ
って消費者が紙を巻もどし乍ら使用するとき、糊液が多
く付着している所が縦に破れてしまい、又糊液がついて
いない所は、ログロールを切断するときに中心穴の形状
が変形してしまうという問題がある。又、噴霧された糊
液の一部が出口側摩擦駆動ロールや、ライダーロールの
表面に転着し、巻取中に発生する紙粉や、ごみ等が転着
した糊液について固まり、滑らかなロールの表面に突起
を作る。これによって、製品であるトイレットペーパー
ロールにロールを均一に巻取ることが出来ず、しばしば
巻取速度の不均一から原因する巻取中の紙の断紙が生ず
るという欠陥が出る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解消するために開発されたのであって、巻軸を間に載せ
て回転駆動し、巻軸上にトイレットペーパーを巻取らせ
る一対の平行な摩擦駆動ロールと、上下動可能で前記巻
軸に上から接触し、巻軸がトイレットペーパーを巻取る
につれトイレットペーパーの巻回層で押上げられるライ
ダーロールを備えたトイレットペーパー母体ロールの製
造装置において、上記ライダーロールを軸支して昇降す
る昇降フレームにライダーロールの表面に軸方向に間隔
を保って液体を噴霧する複数のスプレーノズルと、上記
ノズルがライダーロールの表面に噴霧した液を、トイレ
ットペーパーに転着する前にライダーロールの表面で均
一にならす均し手段を設けたことを特徴とする。

【０００５】

【実施例】図示の各実施例において、１１と１２は一対
の平行な入口側摩擦駆動ロールと、出口側摩擦駆動ロー
ルであり、巻軸１は上記両摩擦駆動ロールの間に載り、
その両ロール１１，１２との接触摩擦力により両ロール
が駆動されると回転してトイレットペーパー（紙）Ｐを
外周に巻取る。この巻取り中、巻軸１には上から遊転す
るライダーロール１３が接触し、巻軸上に巻取られる紙
の巻回層Ｒによって押し上げられる。この実施例では、
ライダーロール１３はピストンシリンダ１４、又はピス
トンシリンダで上下方向に旋回する旋回アームなどの昇
降部材に取付けられた支持フレーム１５に回転自在に支
持されている。

【０００６】この支持フレーム１５には、紙の幅方向に
間隔を保ち、ライダーロール１３の表面に液を噴霧する
複数のスプレーノズル１６…と、この各スプレーノズル
１６に液を供給するヘッダー管１７と、ライダーロール
の表面に噴霧によって付着した液が、下の巻軸上に巻取
られた紙に転着するまでの間に、ライダーロールの表面
に均一にならす均し手段２０とが設けてある。スプレー
ノズル１６が噴霧する液は、市販の水溶性の糊を水で１
０〜２０倍程度に希釈した糊液でもよいし、単なる水で
もよい。又、各スプレーノズル１６には空気圧や、電気
信号を供給する制御系１８が接続し、噴霧の発停を一斉
に行う。又、噴霧時間はタイマーなどで制御する。

【０００７】均し手段２０は図１，２の実施例では自由
端がライダーロールの表面に摺接する板状のブレード２
１であり、このブレードの基端部は支持フレーム１５に
ヒンジ２２で枢着され、支持フレームとの間に取付けた
スプリング２３で牽引され、ブレードの自由端はライダ
ーロールの表面に上記スプリングの牽引力で弾性的に摺
接する。

【０００８】図３の実施例では、均し手段２０はライダ
ーロール１３の軸方向の全長に空気を噴霧するエアノズ
ル２４で支持フレーム１５に取付けた圧搾空気の送気管
２５に接続して設けられ、その空気を噴霧するスリット
２６はライダーロールの軸方向の全長に開口している。

【０００９】スプレーノズル１６の液を噴霧する時期は
次の通りである。前位のログロールの巻取りが終わって
ライダーロール１３が図１の破線で示す上方位置へ退避
し、キッカー２が対の摩擦駆動ロール１１，１２の間か
ら巻回層Ｒの両端から突出する巻軸の両端部を押して巻
軸ごと前位のログロールを前進位置３へ送り出し、対の
摩擦駆動ロール１１，１２の間に次のログロール用の巻
軸が供給されて紙の上に乗り、この巻軸と前進位置３と
の間でカッター４が紙を切断し、空気噴射ノズル５が紙
の巻始め部に下から空気を噴射して巻始め部を巻軸上に
折返し、ライダーロール１３が下降して紙の巻始め部を
巻軸上に押え、摩擦駆動ロール１１，１２が回転駆動さ
れて巻取りを再開した当初の０．５〜１秒である。

【００１０】噴霧された液は、ライダーロール１３の表
面の、スプレーノズル１６が直射した部分には多く、直
射部分の隣接間隔には少なく厚薄に付着する。しかし、
均し手段がブレード２１の場合は厚薄に付着した液がラ
イダーロールの回転によって摺接するブレードの自由端
部を潜る際に均一厚さにならされ、又、均し手段がライ
ダーロールの軸方向の全長に空気を噴射するエアノズル
２４の場合はエアノズルのスライスからライダーロール
の表面に噴射する空気が厚薄に付着した液を均一な厚さ
にする。

【００１１】こうしてライダーロールの表面で均一な厚
さになった液は、巻軸１の上に数回巻付いた紙の上面に
転写される。液が転写される紙の上面は、入口側摩擦駆
動ロール１１、及び出口側摩擦駆動ロール１２を経由し
て巻軸１の回りに半周以上巻付いているため、液の付着
により紙の強度が減少しても紙は千切れることがない。
更に、液が転写された紙の上面は、巻取りの進行によっ
て入口側摩擦駆動ロール１１が引き入れる紙の後続部の
上に重なるので紙に転写された液は入口側摩擦駆動ロー
ル１１や、出口側摩擦駆動ロール１２の表面に付着しな
い。従って、摩擦駆動ロール１１，１２の表面に液が付
着し、その液に紙粉などが付いてロールの表面の滑沢性
が失われることがない。

【００１２】スプレーノズルが液を噴霧後も巻取りを続
け、紙を所定長さ巻取ってログロールになったら対の摩
擦ロール１１，１２の駆動を停め、前述したようにライ
ダーロール１３を上方位置へ退避させてログロールをキ
ッカー２で前進位置３に送り出し、摩擦ロール１１，１
２の間に次の巻軸を乗せて紙を切断する。前進位置のロ
グロールはその後、巻軸を抜き、ログカッターで複数の
トイレットペーパーロールに輪切りにする。

【００１３】図示の実施例では、巻軸１は円形断面のも
のを示したが、これに限定されず断面形状が多角形のも
のでも、歯車形のものでもよい。

【００１４】

【発明の効果】以上で明らかなように、本発明はライダ
ーロールの表面に噴霧した厚薄がある液を均し手段によ
って均一な厚さに均し、巻軸の回りにほゞ１周近く巻付
けた紙の上面に転写する。これによって、紙に液を幅方
向に一様に付着させることができると共に、液の付着で
紙の強度が低下しても巻取り中に紙が千切れることはな
い。更に、ライダーロールが紙に転写した液は対の摩擦
駆動ロールの表面に付着しないので均一な巻取りが出来
ると共に巻取不均一のための断紙がない等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のトイレットペーパー母体ロールの製造
装置の一実施例の要部の側面図である。

【図２】図１の装置の要部の斜視図である。

【図３】本発明のトイレットペーパー母体ロールの製造
装置の一実施例の他の要部の斜視図である。

【符号の説明】

１ 巻軸 １１ 入口側摩擦駆動ロール １２ 出口側摩擦駆動ロール １３ ライダーロール １５ 支持フレーム １６ 液のスプレーノズル ２０ 均し手段 ２１ 均し板 ２４ エアノズル Ｐ 紙（トイレットペーパー） Ｒ 巻軸に巻取った紙の巻回層

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成５年９月２７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解消するために開発されたのであって、巻軸を間に載せ
て回転駆動し、巻軸上にトイレットペーパーを巻取らせ
る一対の平行な摩擦駆動ロールと、上下動可能で前記巻
軸に上から接触し、巻軸がトイレットペーパーを巻取る
につれトイレットペーパーの巻回層で押上げられるライ
ダーロールを備えたトイレットペーパー母体ロールの製
造装置において、上記ライダーロールを軸支して昇降す
る昇降フレームにライダーロールの表面に軸方向に間隔
を保って液体を噴霧する複数のスプレーノズルを設けた
ことを特徴とする。尚、上記複数のノズルがライダーロ
ールの表面に噴霧した液を、トイレットペーパーに転着
する前にライダーロールの表面で均一にならす均し手段
を設けることが好ましい。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻軸を間に載せて回転駆動し、巻軸上に
   トイレットペーパーを巻取らせる一対の平行な摩擦駆動
   ロールと、上下動可能で前記巻軸に上から接触し、巻軸
   がトイレットペーパーを巻取るにつれトイレットペーパ
   ーの巻回層で押上げられるライダーロールを備えたトイ
   レットペーパー母体ロールの製造装置において、上記ラ
   イダーロールを軸支して昇降する支持フレームにライダ
   ーロールの表面に軸方向に間隔を保って液体を噴霧する
   複数のスプレーノズルと、上記ノズルがライダーロール
   の表面に噴霧した液を、トイレットペーパーに転着する
   前にライダーロールの表面で均一にならす均し手段を設
   けたことを特徴とするトイレットペーパー母体ロールの
   製造装置。