JPH0599722A - シリコンを用いた流速測定装置 - Google Patents

シリコンを用いた流速測定装置

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JPH0599722A
JPH0599722A JP3292081A JP29208191A JPH0599722A JP H0599722 A JPH0599722 A JP H0599722A JP 3292081 A JP3292081 A JP 3292081A JP 29208191 A JP29208191 A JP 29208191A JP H0599722 A JPH0599722 A JP H0599722A
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fluid
temperature
silicon
measuring device
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JP3292081A
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Mitsuhiko Goto
光彦 後藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体の温度拡散率や測定する最大流速に合わ
せて構造寸法を最適化して、出力が流速の平方根に比例
するようにした熱式の流速測定装置。 【構成】 流体管の壁の一部を構成するシリコン基板2
1と、流路に面し前記シリコン基板21上に形成され
た、流体の移動方向に離れた2点間A、Bの流体の温度
差を測定するための測温素子と、前記2点間の中央部に
発熱部28を設けた流速測定装置であって、前記2点間
A、Bの距離が流体の温度拡散率の値を測定する最大流
速の値で除した値の0.9倍以下である。発熱部28
は、前記2点間A、Bの中央部と流路を挟んで対向する
壁に設けてもよい。測温素子は、サーモパイルや1対の
ダイオードや1対のトランジスタから形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体製造装置
に用いるガスなどの微小な流速の測定に用いて好適であ
り、ガス、溶液等の流体に熱を与え、所定の位置におけ
る流体の温度を測定することにより流体の流速を測定す
る熱式の流速測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、流体に熱を与え、所定の位置にお
ける流体の温度を測定することにより流体の流速を測定
する、熱式の流速測定装置として、図17(a)に示す
ように、取付板11の所定位置にセンサチップ12を取
付け、表面にコーティング13を施したものが提案され
ている。上記センサチップ12は、図17(b)に示す
ように、中央部に形成した流体加熱用のトランジスタQ
2 を挟んで対称位置に流体温度検出用のトランジスタQ
1 ,Q3を形成している。そして、上記各トランジスタ
1 ,Q2 ,Q3 の配列は流体がトランジスタQ1 から
2,Q3 に向かって流れるように設定されている
(「センサ技術」Vol.5、No.1、p.29、
〔(株)情報調査会〕、1985年)。
【0003】上記構成の流速測定装置は、中央に位置す
るトランジスタQ2のコレクタ損失により流体を加熱
し、加熱された流体が移動することによりトランジスタ
3 の形成位置に達するので、トランジスタQ2 を挟ん
で対称位置に形成されたトランジスタQ1 ,Q3 によ
り、それぞれ全く加熱されていない流体の温度に対応す
る信号と、加熱された流体の温度に対応する信号とを
得、このようにして得られた両信号の差に基づいて流体
の流速を算出するものである。
【0004】また、原理は同じで、全く加熱されていな
い流体の温度と加熱された流体の温度との差を測定する
ために、1対のトランジスタのかわりに、基板の所定位
置に形成した発熱部を挟んで1対の接点が対向するよう
に、例えば、銅−コンスタンタンの薄膜熱電対を形成し
た例がある(特開昭62−144074号公報)。
【0005】この構成の流速測定装置は、発熱部に通電
することにより、流体を加熱することができ、この発熱
部を挟んで1対の接点が対向するように配置した薄膜熱
電対により、全く加熱されていない流体の温度と加熱さ
れた流体の温度との差に対応する起電力が出力される。
この起電力に基づいて必要な演算を行うことにより、流
体の流速を算出することができる。
【0006】従来の流速測定装置の特性は、図4に示す
ようになる。流速が0の時、つまり、流体が止まってい
る時は、温度分布が上流側と下流側とで対称になり、従
って、サーモパイル出力は0である。流速を大きくして
いくと、(1)温度分布の発熱部の上流側と下流側での
非対称性の程度が大きくなり、また、(2)流れる流体
が奪っていく発熱部からの熱が大きくなり、流体中の温
度の絶対値は下がっていく。流速が小さい時は(1)の
効果の方が大きいため、流速を0から少しずつ大きくし
ていくと、流速が大きくなるにつれて出力が大きくなっ
ていく。流速が大きい時は(2)の効果の方が大きいた
め、流速がある程度以上大きくなると、流速が大きくな
るにつれて出力は小さくなっていく。出力が流速に対し
て単調増加の部分も単調減少の部分もあり、一義的でな
く、その関係も単純ではない。また、従来の流速測定装
置は、その出力が流速の平方根に比例するとされている
が、実は図4に示すように必ずしもその関係にない。図
4を前提に精度の良い、簡便な流速測定装置を提案した
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、出力が流速
の平方根に比例する熱式の流速測定装置を提供しようと
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体管の壁の
一部を構成するシリコン基板と、流路に面し前記シリコ
ン基板上に形成された、流体の移動方向に離れた2点間
の流体の温度差を測定するための測温素子と、前記2点
間の中央部に発熱部を具備するシリコンを用いた流速測
定装置であって、前記2点間の距離が流体の温度拡散率
の値を測定する最大流速の値で除した値の0.9倍以下
であることを特徴とするシリコンを用いた流速測定装置
である。
【0009】また、発熱部は、前記2点間の中央部と流
路を挟んで対向する壁に設けてもよい。
【0010】また、測温素子としては、サーモパイルや
1対のダイオードや1対のトランジスタから形成され
る。
【0011】
【作用】以下、図面を用いて本発明の内容を説明する。
図1に実施様態の一例を示す断面図、図2に要部上面
図、図3に鳥瞰概要断面図を示す。例えばn型であるシ
リコン基板21上に、例えばp型であるエピタキシャル
層22が形成され、このエピタキシャル層22内に例え
ばn型である第1導体層24が形成され、例えば窒化シ
リコンなどの第1絶縁層23を介して、第1導体層形成
領域40上に第2導体層26が形成される。図2に示す
ように第1導体層24と第2導体層26は各々複数あり
互いに一端同士および他端同士が例えばアルミニウムな
どの金属層27により接続されている。
【0012】これによって、これらの直列接続された第
1導体層24と第2導体層26からなる熱電対が複数個
ジグザグ状に直列接続されたサーモパイルが構成されて
いる。このサーモパイルは図1のAで示された位置を冷
接点、Bで示された位置を温接点とする。かりに、これ
を逆にAを温接点、Bを冷接点としてもサーモパイル出
力の正負が逆になるだけで、何ら不都合は起こらず、基
本的作用は同じである。
【0013】第2導体層26は、熱電対の熱起電力の点
からは第1導体層とは反対導電型の、ここではp型の単
結晶シリコンが好ましいが、製造上の容易さからp型の
多結晶シリコンやp型のアモルファスシリコンでもよ
く、さらに簡単には金属層27と同じ、例えば、アルミ
ニウムでもよい。
【0014】この第2導体層26、金属層27が直接発
熱部28に触れないよう、それらの上部に例えば窒化シ
リコンなどの第2絶縁層25が形成される。AB間の中
点の真上の第2絶縁層25上に発熱部28が形成され
る。この発熱部28は金属層27と同じ、例えばアルミ
ニウムでよい。この発熱部28が直接流体に触れないよ
う、その上部に例えば窒化シリコンなどの第3絶縁層3
0が形成される。
【0015】シリコン基板21と上記サーモパイルとの
間の熱的絶縁を図るため、エピタキシャル層22のうち
サーモパイルの直下部が、例えば水酸化カリウム水溶液
などを用いたエッチングにより除去され、空間36が形
成される。熱絶縁によりサーモパイル出力が大きくなる
ので、この熱絶縁を行った方が好ましいが、行わなくて
も基本的作用は変わらない。
【0016】例えばパイレックスガラスなどのガラス2
9に流路となるべき溝が形成され、このガラス29とシ
リコンの相対位置合わせをして例えば陽極接合法でガラ
ス29とシリコンを接合して、図3に示すように流路が
形成される。
【0017】発熱部28に通電し、一定のパワーで発熱
させる。この熱により、流体内に温度分布ができる。こ
の温度分布が、発熱部28を中心として上流側と下流側
とで非対称になれば、発熱部28を中心として上流側と
下流側とに対称に配置されたサーモパイルの冷接点Aと
温接点Bとの間に温度差が生じる。サーモパイルはこの
温度差に比例した出力を示す。温度分布の非対称性は、
流体の流速によって変わるため、流速が変わるとサーモ
パイル出力が変わる。流速が0の時、つまり、流体が止
まっている時は、温度分布が上流側と下流側とで対称に
なり、従って、サーモパイル出力は0である。流速が大
きくなるにつれて温度分布の非対称性は大きくなり、従
って、サーモパイル出力も大きくなる。
【0018】このサーモパイル出力特性は、サーモパイ
ルの冷接点と温接点との間の距離をL、流速をV、流体
の温度拡散率をαとした時、数式(1)で表されるペク
レ数で決まる。 ペクレ数=L・V/α (1)
【0019】図5に出力とペクレ数との関係を示す。ペ
クレ数が0の時、出力は0である。ペクレ数が0から大
きくなっていくと出力はだんだん大きくなり、ペクレ数
がおよそ3の時出力は最大値をとり、さらにペクレ数が
大きくなっていくと出力はだんだん小さくなる。
【0020】そして、出力が流速の平方根に比例する。
即ち、ペクレ数の平方根に比例する関係をもつのはペク
レ数が0.9以下の範囲である。このことを次に述べ
る。図6(a)にペクレ数が0.5以下の範囲の特性
を、図6(b)にペクレ数が0.9以下の範囲の特性
を、図6(c)にペクレ数が1.5以下の範囲の特性を
示す。いずれも実線が出力であり、破線はそれぞれの範
囲で出力がペクレ数の平方根に比例するとして求めた回
帰曲線である。ペクレ数が0.5以下の範囲(図6
(a))では、回帰曲線は出力にほとんど一致してい
る。ペクレ数の範囲の上限が大きくなるにつれて、回帰
曲線の出力のずれは大きくなっていく(図6(b)、図
6(c))。
【0021】流速測定装置として、誤差はフルスケール
の2%以下とするのが通例である。回帰曲線を用いて、
出力から流速に比例する値であるペクレ数を求めた時の
誤差がペクレ数範囲の2%以内に収まるためには、ペク
レ数範囲は0.9以下でなければならない。測定する流
速範囲のすべてでペクレ数が0.9以下であるために
は、測定する最大流速をVmaxとした時、数式(2)
の関係をもつ必要がある。 L・Vmax/α≦0.9 (2) 従って、数式(3)の関係をもつ必要がある。 L≦(α/Vmax)×0.9 (3)
【0022】即ち、サーモパイルの冷接点と温接点との
間の距離が流体の温度拡散率の値を測定する最大流速の
値で除した値の0.9倍以下であることが必要である。
そして、この条件が満たされていれば、サーモパイル出
力が流速の平方根に比例するとして、サーモパイル出力
より流速を求めることができる。
【0023】本発明の流速測定装置は、例えば、半導体
製造装置に用いるガスなどの微小な流速の測定に用いて
好適であるが、このような流速では、流路壁付近の境界
層はほとんど無視でき、流路内の流速分布はほぼ一様で
あるため、流速の補正は不要である。
【0024】また、発熱部28は、AB間の中点と流路
を挟んで対向する壁に設けてもよい。発熱部が対向する
壁にあると、発熱部より測温素子に流体を介さずに直接
伝わる熱を低減できるため、流速測定誤差を低減でき、
より高精度化できる。
【0025】また、流体の温度を測定するのには、ここ
で示したサーモパイル以外に、1対のダイオード、また
は、1対のトランジスタでも用いることができる。
【0026】
【実施例】本発明の実施例を図を参照して説明する。 実施例1 図1〜図3に実施例1の流速測定装置の構成を示す。図
1に示すように、n型シリコン基板21の上にp型エピ
タキシャル層22を形成し、このp型エピタキシャル層
22内にn型の第1導体層24を形成し、窒化シリコン
を用いた第1絶縁層23を介して、第1導体層形成領域
40上にアルミニウムを用いた第2導体層26を形成し
た。
【0027】図2に示すように、第1導体層24と第2
導体層26は各々4本あり、互いに一端同士および他端
同士をアルミニウムを用いた金属層27により接続し
た。これによって、これらの直列接続された第1導体層
24と第2導体層26からなる熱電対が複数個ジグザグ
状に直列接続されたサーモパイルを形成した。第2導体
層26、金属層27が直接発熱部28に触れないように
窒化シリコンを用いた第2絶縁層25を形成した。AB
間の中点の真上の第2絶縁層25上に、アルミニウムを
用いた発熱部28を形成した。この発熱部28が直接流
体に触れないように窒化シリコンを用いた第3絶縁層3
0を形成した。
【0028】n型シリコン基板21とサーモパイルとの
間の熱的絶縁を図るため、p型エピタキシャル層22の
うちサーモパイルの直下部を、図2に示すように、第1
絶縁層23、第2絶縁層25および第3絶縁層30に形
成したエッチング窓31より水酸化カリウム水溶液を浸
食させることにより、エッチングにより除去し、空間3
6を形成した。
【0029】パイレックスガラスを用いたガラス29に
流路となるべき、幅4mm、深さ100μmの溝を形成
した。このガラス29とシリコンの相対位置合わせをし
て、陽極接合によりガラス29とシリコンを接合して流
路を形成した。
【0030】窒素を流体として、最大流速を250mm
/sとした。窒素の温度拡散率は室温でおよそ22mm
2 /sである。そこで、サーモパイルの熱電対の長さ、
すなわち、サーモパイルの冷接点Aと温接点Bの距離を
窒素の温度拡散率の値を最大流速の値で除した値の0.
9倍である80μmとした。6cm3 /minの流量
(流速理論値250mm/s)までの流速でサーモパイ
ル出力を測ってみたところ、図7に示す特性を得た。実
線は測定値であり、破線は出力が流速の平方根に比例す
るとして求めた回帰曲線である。回帰曲線は測定値とよ
く一致しており、サーモパイル出力は、流速の平方根に
比例するという結果を得た。サーモパイル出力から流速
を求めた時の最大の誤差は、5mm/sであった。次
に、温度拡散率が窒素とほぼ同じアルゴンを流体とし
て、6cm3 /minの流量(流速理論値250mm/
s)までの流速でサーモパイル出力を測ってみたとこ
ろ、図7に示すような特性を得、サーモパイル出力から
流速を求めた時の最大の誤差は、5mm/sであった。
【0031】また、p型エピタキシャル層22のサーモ
パイル直下部の除去を省略することにより、図8に示す
ように、p型エピタキシャル層22のうちサーモパイル
直下部の除去しない流速測定装置も実現できる。
【0032】また、サーモパイル直下部を除去しない流
速測定装置は、図示しないが、p型シリコン基板内にn
型の第1導体層24を形成することにより実現すること
もできる。
【0033】実施例2 図9に示すように、n型シリコン基板21の上にp型エ
ピタキシャル層22を形成し、このp型エピタキシャル
層22内にn型の第1導体層24を形成し、窒化シリコ
ンを用いた第1絶縁層23を介して、第1導体層形成領
域40上にアルミニウムを用いた第2導体層26を形成
した。
【0034】第1導体層24と第2導体層26は各々4
本あり、互いに一端同士および他端同士をアルミニウム
を用いた金属層27により接続した。これによって、こ
れらの直列接続された第1導体層24と第2導体層26
からなる熱電対が複数個ジグザグ状に直列接続されたサ
ーモパイルを形成した。第2導体層26、金属層27が
直接流体に触れないように窒化シリコンを用いた第2絶
縁層25を形成した。
【0035】n型シリコン基板21とサーモパイルとの
間の熱的絶縁を図るため、p型エピタキシャル層22の
うちサーモパイルの直下部を、第1絶縁層23および第
2絶縁層25に形成したエッチング窓31より水酸化カ
リウム水溶液を浸食させることにより、エッチングによ
り除去し、空間36を形成した。
【0036】パイレックスガラスを用いたガラス29に
流路となるべき、幅4mm、深さ100μmの溝を形成
した。この溝の中にアルミニウムを用いた発熱部28を
形成した。この発熱部28が直接流体に触れないように
窒化シリコンを用いた第3絶縁層30を形成した。この
発熱部28がAB間の中点の真上に位置するように、ガ
ラス29とシリコンの相対位置合わせをして、陽極接合
によりガラス29とシリコンを接合して流路を形成し
た。
【0037】実施例2では、サーモパイルの熱電対の長
さ、すなわち、サーモパイルの冷接点Aと温接点Bの距
離を80μmとした。窒素を流体として、6cm3 /m
inの流量(流速理論値250mm/s)までの流速で
サーモパイル出力を測ってみたところ、図7に示すよう
な特性を得、サーモパイル出力から流速を求めた時の最
大の誤差は、5mm/sであった。次に、同じ窒素を流
体とし、3.6cm3 /minの流量(流速理論値15
0mm/s)までの流速でのサーモパイル出力を図10
に示す。最大流速におけるペクレ数は0.54であり、
従って、サーモパイルの冷接点と温接点との間の距離は
流体の温度拡散率の値を最大流速の値で除した値の0.
54倍である。サーモパイル出力から流速を求めた時の
最大の誤差は、ほぼ0mm/sであった。
【0038】また、p型エピタキシャル層22のサーモ
パイル直下部の除去を省略することにより、図11に示
すように、p型エピタキシャル層22のうちサーモパイ
ル直下部を除去しない流速測定装置も実現できる。
【0039】また、サーモパイル直下部を除去しない流
速測定装置は、図示しないが、p型シリコン基板内に、
n型の第1導体層24を形成することにより実現するこ
ともできる。
【0040】実施例3 図12に実施例3の流速測定装置の構成を示す。図12
に示すように、n型シリコン基板21の上にp型エピタ
キシャル層22を形成し、このp型エピタキシャル層2
2内にn+ 型の素子分離用アイソレーション層32を形
成し、アイソレーション層32で分離されたp型エピタ
キシャル層22内にn型拡散層33を形成し、このn型
拡散層33とp型エピタキシャル層22とでダイオード
を形成した。ダイオードは、その電圧電流特性が温度に
より変化するため、このことを利用して温度を測定する
ことができる。このダイオードを流れの方向に沿って2
つ、それぞれ図中A、Bの位置に配置した。この2つの
ダイオードを差動的に用い、下流側(B位置)のダイオ
ードの出力から上流側(A位置)のダイオードの出力を
減じたものを測定出力とする。
【0041】窒化シリコンを用いた第1絶縁層23、金
属層27を形成した。金属層27が直接発熱部28に触
れないように窒化シリコンを用いた第2絶縁層25を形
成した。AB間の中点の真上の第2絶縁層25上に、ア
ルミニウムを用いた発熱部28を形成した。この発熱部
28が直接流体に触れないように窒化シリコンを用いた
第3絶縁層30を形成した。
【0042】パイレックスガラスを用いたガラス29に
流路となるべき、幅4mm、深さ100μmの溝を形成
した。このガラス29とシリコンの相対位置合わせをし
て、陽極接合によりガラス29とシリコンを接合して流
路を形成した。
【0043】2つのダイオードの間隔、すなわち、AB
間の距離を80μmとした。窒素を流体として、6cm
3 /minの流量(流速理論値250mm/s)までの
流速で出力を測ってみたところ、図7に示すような特性
を得、出力から流速を求めた時の最大の誤差は、5mm
/sであった。次に、温度拡散率が窒素の約6.8倍の
150mm2 /sであるヘリウムを流体として、6cm
3 /minの流量(流速理論値250mm/s)までの
流速で出力を測ってみたところ、図13に示す特性を得
た。最大流速におけるペクレ数は0.13であり、従っ
て、AB間の距離は流体の温度拡散率の値を最大流速の
値で除した値の0.13倍である。出力から流速を求め
た時の最大の誤差は、ほぼ0mm/sであった。
【0044】また、発熱部28および第3絶縁層30を
第2絶縁層25上に形成せず、そのかわりに、図14に
示すように、ガラス29に流路となるべき溝を形成し、
この溝の中に発熱部28を形成し、この発熱部28が直
接流体に触れないように窒化シリコンを用いた第3絶縁
層30を形成し、発熱部28がAB間の中点の真上に位
置するようにガラス29とシリコンの相対位置合わせを
して陽極接合することにより、AB間の中点と流路を挟
んで対向する壁に発熱部28を具備する流速測定装置も
実現できる。
【0045】実施例4 図15に実施例4の流速測定装置の構成を示す。図15
に示すように、n型シリコン基板21の上にp型エピタ
キシャル層22を形成し、このp型エピタキシャル層2
2内にn+ 型の素子分離用アイソレーション層32を形
成し、アイソレーション層32で分離されたp型エピタ
キシャル層22内にn型拡散層33を形成し、このn型
拡散層33内にp+ 型拡散層34およびn+ 型拡散層3
5を形成し、このn型拡散層33、p+ 型拡散層34、
+ 型拡散層35とp型エピタキシャル層22とでトラ
ンジスタを形成した。トランジスタは、その電圧電流特
性が温度により変化するため、このことを利用して温度
を測定することができる。このトランジスタを流れの方
向に沿って2つ、それぞれ図中A、Bの位置に配置し
た。この2つのトランジスタを差動的に用い、下流側
(B位置)のトランジスタの出力から上流側(A位置)
のトランジスタの出力を減じたものを測定出力とする。
【0046】窒化シリコンを用いた第1絶縁層23、金
属層27を形成した。金属層27が直接発熱部28に触
れないように窒化シリコンを用いた第2絶縁層25を形
成した。AB間の中点の真上の第2絶縁層25上に、ア
ルミニウムを用いた発熱部28を形成した。この発熱部
28が直接流体に触れないように窒化シリコンを用いた
第3絶縁層30を形成した。
【0047】パイレックスガラスを用いたガラス29に
流路となるべき、幅4mm、深さ100μmの溝を形成
した。このガラス29とシリコンの相対位置合わせをし
て、陽極接合によりガラス29とシリコンを接合して流
路を形成した。
【0048】ヘリウムを流体として、最大流速を250
mm/sとした。ヘリウムの温度拡散率はおよそ150
mm2 /sである。そこで、2つのトランジスタの間
隔、すなわち、AB間の距離を、ヘリウムの温度拡散率
の値を最大流速の値で除した値の0.9倍である540
μmとした。6cm3 /minの流量(流速理論値25
0mm/s)までの流速で出力を測ってみたところ、図
7に示す特性を得、出力から流速を求めた時の最大の誤
差は、5mm/sであった。
【0049】また、発熱部28および第3絶縁層30を
第2絶縁層25上に形成せず、そのかわりに、図16に
示すように、ガラス29に流路となるべき溝を形成し、
この溝の中に発熱部28を形成し、この発熱部28が直
接流体に触れないように窒化シリコンを用いた第3絶縁
層30を形成し、発熱部28がAB間の中点の真上に位
置するようにガラス29とシリコンの相対位置合わせを
して陽極接合することにより、AB間の中点と流路を挟
んで対向する壁に発熱部28を具備する流速測定装置も
実現できる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、出力が流速の平方根に
比例する熱式の流速測定装置を実現でき、従って測定誤
差を小さくでき、ひいては、この流速測定装置を用いた
流量コントローラーやプロセス監視システムなどの精度
や信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による流速測定装置の断面図
である。
【図2】図1の流速測定装置の要部断面図である。
【図3】図1の流速測定装置の鳥瞰概要断面図である。
【図4】従来の流速測定装置の特性を示した図である。
【図5】流速測定装置の出力とペクレ数との関係を示し
た図である。
【図6】ペクレ数範囲を限定した流速測定装置の、出力
とペクレ数との関係を示した図である。
【図7】実施例1のサーモパイルの出力を示した図であ
る。
【図8】サーモパイル直下部のシリコンを除去しない流
速測定装置例1の断面図である。
【図9】本発明の実施例2による流速測定装置の断面図
である。
【図10】最大流速を150mm/sとした時の、実施
例2のサーモパイルの出力を示した図である。
【図11】サーモパイル直下部のシリコンを除去しない
流速測定装置例2の断面図である。
【図12】本発明の実施例3による流速測定装置の断面
図である。
【図13】ヘリウムを流体とした時の、実施例3の流速
測定装置の出力を示した図である。
【図14】発熱部が測温素子と流路を挟んで対向する壁
にある流速測定装置例3の断面図である。
【図15】本発明の実施例4による流速測定装置の断面
図である。
【図16】発熱部が測温素子と流路を挟んで対向する壁
にある流速測定装置例4の断面図である。
【図17】従来の熱式流速測定装置を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
21 単結晶シリコン基板 22 シリコンエピタキシャル層 23 第1絶縁層 24 第1導体層 25 第2絶縁層 26 第2導体層 27 金属層 28 発熱部 29 ガラス 30 第3絶縁層 36 空間 40 第1導体層形成領域

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体管の壁の一部を構成するシリコン基
    板と、流路に面し前記シリコン基板上に形成された、流
    体の移動方向に離れた2点間の流体の温度差を測定する
    ための測温素子と、前記2点間の中央部に発熱部を具備
    するシリコンを用いた流速測定装置であって、 前記2点間の距離が流体の温度拡散率の値を測定する最
    大流速の値で除した値の0.9倍以下であることを特徴
    とするシリコンを用いた流速測定装置。
  2. 【請求項2】 測温素子が、サーモパイルから形成され
    ている請求項1記載のシリコンを用いた流速測定装置。
  3. 【請求項3】 測温素子が、1対のダイオードから形成
    されている請求項1記載のシリコンを用いた流速測定装
    置。
  4. 【請求項4】 測温素子が、1対のトランジスタから形
    成されている請求項1記載のシリコンを用いた流速測定
    装置。
  5. 【請求項5】 流体管の壁の一部を構成するシリコン基
    板と、流路に面し前記シリコン基板上に形成された、流
    体の移動方向に離れた2点間の流体の温度差を測定する
    ための測温素子と、前記2点間の中央部と流路を挟んで
    対向する壁に発熱部を具備するシリコンを用いた流速測
    定装置であって、 前記2点間の距離が流体の温度拡散率の値を測定する最
    大流速の値で除した値の0.9倍以下であることを特徴
    とするシリコンを用いた流速測定装置。
  6. 【請求項6】 測温素子が、サーモパイルから形成され
    ている請求項5記載のシリコンを用いた流速測定装置。
  7. 【請求項7】 測温素子が、1対のダイオードから形成
    されている請求項5記載のシリコンを用いた流速測定装
    置。
  8. 【請求項8】 測温素子が、1対のトランジスタから形
    成されている請求項5記載のシリコンを用いた流速測定
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7383726B2 (en) 2006-02-07 2008-06-10 Yamatake Corporation Package structure of sensor and flow sensor having the same
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WO2020158155A1 (ja) * 2019-01-31 2020-08-06 オムロン株式会社 検出装置

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